JP2002318037A - 膨張弁ユニット - Google Patents

膨張弁ユニット

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JP2002318037A
JP2002318037A JP2001119686A JP2001119686A JP2002318037A JP 2002318037 A JP2002318037 A JP 2002318037A JP 2001119686 A JP2001119686 A JP 2001119686A JP 2001119686 A JP2001119686 A JP 2001119686A JP 2002318037 A JP2002318037 A JP 2002318037A
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valve
pressure refrigerant
low
expansion valve
refrigerant
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JP2001119686A
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Hisatoshi Hirota
久寿 広田
Isao Sendo
功 仙道
Kuniharu Baba
邦春 馬場
Takeshi Kaneko
毅 金子
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TGK Co Ltd
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TGK Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 冷媒が流れることにより発生する流動音を低
減しつつさらにコスト低減を可能とする膨張弁ユニット
を提供することを目的とする。 【解決手段】 弁体5の閉じ方向への付勢を弁体保持用
のホルダを使用することなく円錐スプリング6で直接行
うようにして、冷媒の流れの障害となるのを形状的に軽
減し、部品点数も低減した。円錐スプリング6の隙間P
と線径dとの比P/dを1.2〜1.6に設定すること
で低周波帯における騒音を低減し、さらにボディの肉厚
tと内径Dとの比t/Dを0.4〜0.8に設定するこ
とで高周波帯での騒音を低減することができる。円錐ス
プリング6の大径端を低圧冷媒通路3の内径に近い径を
有することで、アジャストねじ7は、スプリングを位置
決めするような凹部切削加工が不要であり、コストを低
減できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は膨張弁ユニットに関
し、特に冷凍サイクル中のエバポレータからコンプレッ
サに送り出される冷媒の温度に応じてエバポレータに入
る冷媒の量を制御する膨張弁ユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】自動車のエアコンシステムでは、コンプ
レッサによって圧縮された高温高圧のガス冷媒をラジエ
ータで凝縮し、高圧の液冷媒を膨張弁で断熱膨張させる
ことで低温低圧の冷媒にし、それをエバポレータにて蒸
発させてコンプレッサに戻すような冷凍サイクルが形成
されている。低温の冷媒が供給されるエバポレータは、
車室内の空気と熱交換し、冷房が行われる。
【0003】膨張弁は、エバポレータ出口側の低圧冷媒
通路内の冷媒の温度変化を感知して内部が昇降圧する感
温室と、その感温室の昇降圧により駆動されてエバポレ
ータ入口側に供給される冷媒の流量を制御する弁機構と
から構成されている。この弁機構は、弁ケースに納めら
れていて、この弁ケースに設けられた冷媒の入口には高
圧冷媒配管が、冷媒の出口にはエバポレータへの低圧冷
媒配管がそれぞれナットのような締め付け具によって接
続されるようになっている。感温室には、感温筒が接続
されており、その感温筒の先端がエバポレータ出口側の
冷媒配管に密着固定されていて、エバポレータ出口の冷
媒の温度を感知している。
【0004】なお、本来の膨張弁は、エバポレータ出口
の冷媒に対して、その温度だけではなく冷媒の圧力をも
検出し、その圧力の変動に応じても弁機構を制御するよ
うになっている。このような膨張弁に対し、そのコスト
を下げることが要望されている。これを受けて、上記の
ように、エバポレータ出口の冷媒に対して温度だけを感
知するような膨張弁が開発されており、エバポレータ出
口側の冷媒配管とコンプレッサへの冷媒配管との接続部
分をなくすことで、低コスト化を図っている。これは、
膨張弁から出た冷媒がエバポレータを通って出て行くと
きに、そのエバポレータ内での圧力損失がほぼ一定であ
ることから、膨張弁出口の圧力からその圧力損失分を差
し引いた圧力をエバポレータ出口の冷媒の圧力とみなす
ことができることに基づいている。
【0005】このようなエバポレータ出口側の冷媒配管
の接続を省略したタイプの感温式の膨張弁においても、
さらに組み立てコストおよび部品コストを低減すること
が望まれている。これに対して、本願出願人は、特願2
000−353672号にて組み立てコストおよび部品
コストを低減した膨張弁を提案している。以下、この膨
張弁の構成例について説明する。
【0006】図10は従来の膨張弁の構成例を示す縦断
面図である。この膨張弁は、エバポレータの冷媒入口に
接続される低圧冷媒配管101の先端を拡開加工し、そ
の側部にレシーバに接続される高圧冷媒配管102をア
ルミニウム溶接して一体に形成して構成される弁ケース
103と、その弁ケース103の開口端から挿入される
膨張弁ユニット104と、この膨張弁ユニット104が
弁ケース103から抜け出ないよう両者を固定するクリ
ップ105とで構成している。これにより、膨張弁ユニ
ット104は、高圧冷媒配管102および低圧冷媒配管
101をナットのような締め付け具による接続を不要と
し、接続部を持たない最小機能の構成であることから、
部品コストが低減でき、さらに高圧冷媒配管102およ
び低圧冷媒配管101と一体にされた弁ケース103に
膨張弁ユニット104を装着するだけで組み立てができ
ることから組み立てコストを低減できるようにしてい
る。
【0007】ここで、この膨張弁ユニット104は、感
温室106と、その感温室106内の昇降圧によって駆
動されて高圧の冷媒通路を開閉する弁機構とにより一体
に構成されている。
【0008】感温室106は、内部がダイヤフラム10
7によって仕切られていて冷媒ガスが封入されており、
頂部には、エバポレータ出口の冷媒配管の温度を感知す
る感温筒108が連通状態で接続されている。
【0009】感温室106の下端部は、弁機構のボディ
110の上部に螺着されている。このボディ110は、
側部に高圧冷媒通路111、下方先端部に低圧冷媒通路
112を有している。ボディ110の軸線位置には、高
圧冷媒通路111と低圧冷媒通路112との間を連通す
る弁孔が設けられており、その低圧冷媒通路112側の
開口端が弁座113になっている。その弁座113に対
向して球状の弁体114が配置され、その弁体114
は、ホルダ116を介して平行スプリング115により
弁座113に向けて付勢されている。平行スプリング1
15の基端部は、上面が凹設されたアジャストねじ11
7によって受けられている。このアジャストねじ117
は、低圧冷媒通路112の内壁面に螺着されており、こ
れを回転させることで弁体114に対する付勢力を変え
て、弁体114が開き始めるセット値の調整をすること
ができる。
【0010】ボディ110の軸線位置には、軸線方向に
進退自在にシャフト118が挿通され、その一端は、弁
体114に当接または溶接され、他端は、ディスクを介
してダイヤフラム107の下面に当接されている。この
シャフト118は、また、ホルダ119によってボディ
110の軸線位置に位置決めされている。
【0011】また、ボディ110には、感温室106の
ダイヤフラム107の下側の空間を低圧冷媒通路112
と均圧にする連通路120が設けられている。ダイヤフ
ラム107の下側の空間はシャフト118に設けられた
Oリング121によって高圧冷媒通路111からシール
されている。ボディ110の外周には、高圧冷媒通路1
11を挟んでその上下位置にOリング122,123が
装着され、この膨張弁ユニット104を弁ケース103
に装着したときに高圧冷媒通路111と感温室106お
よび低圧冷媒通路112との間をシールするのに用いら
れている。そして、感温室106の下端部外周には、ダ
イヤフラム107の下面の空間がボディ110に螺着す
るためのねじ部を介して大気と連通するのをシールする
Oリング124とこのOリング124の移動を規制する
バックアップリング125とが装着されている。
【0012】以上の構成の膨張弁ユニット104におい
て、レシーバからの冷媒が高圧冷媒配管102に供給さ
れると、その冷媒は、高圧冷媒通路111に入り、弁座
113と弁体114とによって形成される隙間を通過す
ることによって断熱膨張され、低圧冷媒通路112から
低圧冷媒配管101を介してエバポレータに送られる。
エバポレータから出力された冷媒は、コンプレッサに送
られるが、そのときの冷媒のエバポレータ出口温度が感
温筒108にて感知される。
【0013】その温度に応じて、感温室106内に封入
された冷媒ガスの圧力が変化して感温室106内の圧力
が昇降する。一方、低圧冷媒通路112内の冷媒が連通
路120を通って感温室106の裏側に入って、ダイヤ
フラム107の裏面側が低圧冷媒通路112内の冷媒圧
を受けている。その冷媒圧と感温室106内の圧力と平
行スプリング115の付勢力とが釣り合う位置にダイヤ
フラム107、シャフト118および弁体114が静止
し、高圧冷媒配管102からエバポレータに送り込まれ
る冷媒の量が決められる。ここで、エバポレータから出
た冷媒の出口温度が高くなると、感温室106内の圧力
が上昇し、ダイヤフラム107の面が下方に変位し、そ
の変位はシャフト118を介して弁体114を押し下
げ、弁開度を大きくして冷媒の流量を増加させ、エバポ
レータから出る冷媒の出口温度を下げるよう制御する。
エバポレータから出た冷媒の出口温度が低い場合は、そ
の逆の動作をして、エバポレータから出る冷媒の出口温
度を上げるよう制御する。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】高圧冷媒通路に供給さ
れた高圧の液冷媒は、弁座と弁体との隙間を通るときに
減圧沸騰して大量の気泡を発生し、これが弁体およびそ
のホルダの外側を通り、さらに平行スプリングの線間の
隙間を通り、アジャストねじの中央開口部を通って低圧
冷媒通路に流出する。このとき、ホルダや平行スプリン
グが気泡と液体分とが混じった冷媒の流れの障害物とな
り、ここで不可避的に騒音が発生してしまうという問題
点があった。
【0015】本発明はこのような点に鑑みてなされたも
のであり、冷媒が流れることにより発生する流動音を低
減しつつさらにコスト低減を可能とする膨張弁ユニット
を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明では上記問題を解
決するために、エバポレータ出口の冷媒温度を感知して
内部が昇降圧する感温室と、ボディの側部に形成された
高圧冷媒通路と、前記感温室と反対側の前記ボディの先
端部に形成された低圧冷媒通路と、前記高圧冷媒通路と
前記低圧冷媒通路との間を連通する弁孔の前記低圧冷媒
通路側の端面に位置する弁座と、前記弁座に対して接離
自在な弁体と、前記弁体を弁閉方向に付勢するスプリン
グと、前記感温室の昇降圧による変位を前記弁体に伝達
するシャフトとを備えた膨張弁ユニットにおいて、前記
スプリングは、巻き線の隙間Pと線径dとの比P/dを
1.2〜1.6の範囲に設定したことを特徴とする膨張
弁ユニットが提供される。
【0017】このような膨張弁ユニットによれば、弁体
を弁閉方向に付勢するスプリングの巻き線の隙間Pと線
径dとの比を上記の範囲内に設定することで、冷媒の流
動音を低減することができ、特に遮音が難しい低周波帯
の成分を含む騒音に対して効果がある。
【0018】また、本発明によれば、弁体を弁閉方向に
付勢するスプリングを円錐スプリングにし、弁体からス
プリングの隙間に向かう冷媒の流れをスムーズにするこ
とで、騒音の発生を低減している。
【0019】さらに、本発明では、弁座と弁体との間の
隙間から出てきた冷媒の流れの障害となっていたホルダ
のような障害物を介在させることなく、弁体を弁閉方向
に付勢するスプリングが直接、弁体を付勢するよう構成
して、構成部品点数を削減するようにしている。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態図面を
参照して詳細に説明する。図1は本発明の第1の実施の
形態に係る膨張弁ユニットの構成例を示す縦断面図であ
る。
【0021】この膨張弁ユニットは、ボディ1の長手方
向のほぼ中央部に側方から中心に向かって穿設された高
圧冷媒通路2を有し、下方端部には、軸線方向に穿設さ
れた低圧冷媒通路3を有している。ボディ1の軸線位置
には、高圧冷媒通路2と低圧冷媒通路3との間を連通さ
せる孔があいており、その低圧冷媒通路3側の端部が弁
座4になっている。その弁座4に対向して球状の弁体5
が配置され、その弁体5は、直接円錐スプリング6によ
って弁座4の方向に向けて付勢されている。円錐スプリ
ング6の基端部は、アジャストねじ7によって受けられ
ている。このアジャストねじ7は、低圧冷媒通路3の内
壁面に螺着されており、これを回転させることによっ
て、弁体5に対する付勢力を変えて、弁体5が開き始め
るセット値を調整することができる。
【0022】ボディ1の上部は、感温室の一部を形成す
るように外周部が筒状に突起した固定部8が一体形成さ
れている。その固定部8の中に、可撓性のある金属薄板
製のダイヤフラム9および金属板製のハウジング10を
配置し、固定部8をかしめ加工することによって周縁部
が固定され、密閉した感温室を構成している。このかし
め部分の固定部8とハウジング10との間は、ろう付け
などにより感温室の密閉性を向上させている。また、ハ
ウジング10の中央部には、エバポレータの出口配管を
流れる冷媒の温度変化を感知するキャピラリチューブか
らなる感温筒11が溶着されている。そして、ハウジン
グ10とダイヤフラム9とによって形成された感温室内
には、感温筒11より冷凍サイクルの作動流体である冷
媒と同じかまたは性質の似たガスが飽和蒸気状態で封入
されている。
【0023】感温室の下方に位置するボディ1の軸線位
置には、軸線方向に進退自在にシャフト12が挿通さ
れ、その一端は、弁体5に当接または溶接され、他端
は、ディスク13を介してダイヤフラム9の下面に当接
されている。このシャフト12の上端部は、ホルダ14
によってボディ1の軸線位置に位置決めされている。
【0024】また、ボディ1には、感温室のダイヤフラ
ム9の下側の空間を低圧冷媒通路3と均圧にする連通路
15が設けられている。ダイヤフラム9の下側の空間は
シャフト12に設けられたOリング16によって高圧冷
媒通路2からシールされている。ボディ1の外周には、
高圧冷媒通路2を挟んでその上下位置にOリング17,
18が装着され、この膨張弁ユニットを弁ケースに装着
したときに高圧冷媒通路2と感温室および低圧冷媒通路
3との間をシールするのに用いられている。
【0025】以上の構成の膨張弁ユニットにおいて、レ
シーバからの冷媒が高圧冷媒配管を介して高圧冷媒通路
2に供給されると、その冷媒は、弁座4と弁体5とによ
って形成される隙間を通過することによって断熱膨張さ
れ、低圧冷媒通路3から低圧冷媒配管を介してエバポレ
ータに送られる。エバポレータから出力された冷媒は、
コンプレッサに送られるが、そのときの冷媒の出口温度
が感温筒11にて感知される。
【0026】その温度に応じて、感温室内に封入された
ガスの圧力が変化して感温室内の圧力が昇降する。一
方、低圧冷媒通路3が連通路15を通って感温室の裏側
に連通しているため、ダイヤフラム9の裏面側が低圧冷
媒通路3内の冷媒圧を受けている。その冷媒圧と感温室
内の圧力と円錐スプリング6の付勢力とが釣り合う位置
にダイヤフラム9、シャフト12および弁体5が静止
し、高圧冷媒配管からエバポレータに送り込まれる冷媒
の量が決められる。ここで、エバポレータから出た冷媒
の出口温度が高くなると、感温室内の圧力が上昇し、ダ
イヤフラム9の面が下方に変位し、その変位はシャフト
12を介して弁体5を押し下げ、弁開度を大きくして冷
媒の流量を増加させ、エバポレータから出る冷媒の出口
温度を下げるよう制御する。エバポレータから出た冷媒
の出口温度が低い場合は、その逆の動作をして、エバポ
レータから出る冷媒の出口温度を上げるよう制御する。
【0027】ところで、高圧の液冷媒が弁座4と弁体5
との隙間を通り、ここで断熱膨張して低圧冷媒通路3よ
り出て行くときに、騒音が発生するが、弁体5をその閉
じ方向に付勢する手段を円錐スプリング6として気泡と
液体分とが混じった冷媒の流れをスムーズにし、さらに
その円錐スプリング6の捲回ピッチを調整することで冷
媒の流動音を低減することができる。
【0028】図2は円錐スプリングを示す拡大縦断面図
であり、図3は円錐スプリングの線間の隙間と径との比
に対する騒音値の変化を示す図である。円錐スプリング
6の線間の隙間をP、線径をdで表わしたときに、それ
らの比P/dを変えた場合に、冷媒が流れることにより
発生する騒音の大きさの変化を調べたのが図3である。
図3において、横軸は隙間Pと線径dとの比P/dを表
わし、縦軸は騒音値を示している。
【0029】この図3において、実線は、従来の膨張弁
ユニットに用いられている弁体付勢手段であるホルダと
平行スプリングとの組み合わせの場合を示し、破線はホ
ルダがなく円錐スプリング6を用いた場合を示してい
る。
【0030】この騒音特性によれば、円錐スプリング6
の巻き線の隙間Pと線径dとの比P/dが1.2〜1.
6の範囲で騒音が低下しており、さらに、比P/dが同
じであっても、従来のホルダおよび平行スプリングの組
み合わせから、本発明のようにホルダのない円錐スプリ
ング6にしたことによっても、さらに、騒音が低下して
いることが分かる。ここでの流動音は、主に低周波帯の
成分を多く含んだものであるので、遮音対策の難しい低
周波成分の騒音が減ることで、自動車のエアコンシステ
ムの運転音が低減され、車室内をより静粛にすることが
できる。これは、円錐スプリング6の比P/dを1.2
〜1.6の範囲にすることと、ホルダをなくしてスプリ
ングを円錐形状にしたことで、気液混合冷媒が円錐スプ
リング6を通過し易い開口の大きさになったことと気液
混合冷媒が通過し易くなったことによるものである。
【0031】図4はボディの肉厚と低圧冷媒通路の内径
との比に対する騒音値の変化を示す図である。ボディ1
における弁機構下流側において、図1に示したように、
ボディ1の肉厚をt、低圧冷媒通路3の内径をDで表わ
したときに、それらの比t/Dを変えた場合に、冷媒が
流れることにより発生する騒音の大きさの変化を調べた
のが図4である。図4において、横軸は肉厚tと内径D
との比t/Dを表わし、縦軸は騒音値を示している。
【0032】この図4の騒音特性によれば、ボディ1の
肉厚tと内径Dとの比t/Dを変化させた場合の騒音値
は、比t/Dを0.4〜0.8の範囲に設定すること
で、騒音が低下しており、特に、周波数的には高周波帯
において発生する流動音の低下に効果があった。この比
t/Dは、断熱膨張した気液混合冷媒が効果的に流れる
必要通路空間を保ちながらできるだけ肉厚tを厚くする
ことができる値に設定される。
【0033】次に、以上の構成を有する膨張弁ユニット
を組み立てて膨張弁を構成する例を説明する。図5は膨
張弁ユニット装着用の弁ケースを示す縦断面図である。
【0034】膨張弁ユニットを装着する弁ケース20
は、エバポレータに接続される低圧冷媒配管21の先端
部を膨張弁ユニットのボディ1の外形に合わせて拡開形
成されており、側部にはレシーバに接続される高圧冷媒
配管22の先端部が溶着されている。弁ケース20の開
口部の周囲には、装着された膨張弁ユニットを後述する
クリップによってこの弁ケース20に固定するためのフ
ランジ23が形成されている。
【0035】この弁ケース20は、アルミニウム製であ
り、積層型のエバポレータを高温室に入れてアルミニウ
ム溶接加工をする際に、高圧冷媒配管22も同じ高温室
内において同時にアルミニウム溶接され、高圧冷媒配管
22および低圧冷媒配管21と一体に形成される。
【0036】図6はクリップを示す図であって、(A)
はクリップの平面図、(B)はそのa−a矢視断面図、
図7はクリップを装着した状態を示す膨張弁の側面図、
図8はクリップを装着した状態を示す膨張弁の縦断面図
である。
【0037】クリップ30は、ばね性を有する硬質材
料、たとえばステンレスによって略U字状に形成され、
両側のアーム部31,32の中央には、細長い開口部3
3が穿設されている。このクリップ30は、膨張弁ユニ
ットを弁ケース20に装着した後、膨張弁ユニットのボ
ディ1の上部にある固定部8と弁ケース20のフランジ
23とにアーム部31,32の先端を押し当て、横から
押し進めることにより、固定部8およびフランジ23の
辺縁部が細長い開口部33に同時に嵌まり込み、図7お
よび図8に示したように、膨張弁ユニットと弁ケース2
0とを固定し、膨張弁として構成することができる。
【0038】図9は本発明の第2の実施の形態に係る膨
張弁ユニットの構成例を示す縦断面図である。この図9
において、図1に示した構成要素と同じまたは同等の要
素については同じ符号を付して、それらの詳細な説明は
省略する。
【0039】この第2の実施の形態によれば、弁体をボ
ール弁からテーパ弁に変更し、さらにダイヤフラム9の
変位を弁体に伝達するシャフトと一体にしてさらに部品
点数の低減を図っている。すなわち、ボディ1の軸線位
置において、軸線方向に進退自在にシャフト12aが挿
通されている。シャフト12aの上端は、ダイヤフラム
9の下面に配置されたディスク13に当接されている。
シャフト12aの下端は、テーパ弁の弁体5aが一体に
形成されている。また、シャフト12aの途中には溝が
周設されていて、そこにOリング16が装着されてい
る。このOリング16は、低圧冷媒通路3と連通された
ダイヤフラム9の下側の低圧空間と高圧冷媒通路2との
間をシールしている。
【0040】また、弁体5aの下面には段差が設けられ
ていて、そこに円錐スプリング6の小径端が係止されて
いる。このような構成の膨張弁ユニットにおいても、第
1の実施の形態の膨張弁ユニットと膨張弁動作は同じで
ある。また、この弁体5aより下流側においても、円錐
スプリング6の形状が弁座4と弁体5aとの隙間を通っ
てきた冷媒の流れをスムーズにし、円錐スプリング6の
隙間Pと線径dとの比P/dを、流動音の低下に効果が
ある1.2〜1.6に設定し、ボディ1の肉厚tと内径
Dとの比t/Dを0.4〜0.8に設定してある。
【0041】なお、上記の実施の形態では、レシーバお
よびエバポレータへの配管と一体にした弁ケースに装入
して使用するタイプの膨張弁ユニットに適用した場合を
示したが、膨張弁ユニットと弁ケースとを一体にした従
来からある膨張弁にも同様に適用することができる。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では、弁体
をその閉じ方向に付勢するスプリングとして、スプリン
グの巻き線の隙間Pと線径dとの比P/dを1.2〜
1.6とする構成にすることで、冷媒を流れ易くし、さ
らに冷媒の流れの障害となっていたスプリングを円錐形
状にすることにより、冷媒の流れに起因して発生する低
周波帯での騒音を大きく低減することができる。また、
ボディの肉厚tと内径Dとの比t/Dを0.4〜0.8
に設定することで、特に、高周波帯での騒音を低減する
ことができる。
【0043】また、円錐スプリングが弁体を直接付勢す
る構成にして、弁体を保持していたホルダを不要にした
ことで、流体の流れの障害となっていたものがなくな
り、騒音の低下と部品点数の削減が可能になった。
【0044】さらに、円錐スプリングを受けているアジ
ャストねじは、低圧冷媒通路の内径に近い円錐スプリン
グの大径端を単に受けているだけなので、従来のよう
に、スプリングを位置決めするための凹部切削加工が不
要であり、部品コストを低減することができる。
【0045】また、本発明の実施の形態では、感温室の
ハウジングの一部をボディと一体に形成したことで、部
品点数が削減され、さらに、ボディと一体構成にしたこ
とで、従来必要であったOリングおよびそのOリングの
脱落を防止するバックアップリングが不要となって、さ
らにコストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る膨張弁ユニッ
トの構成例を示す縦断面図である。
【図2】円錐スプリングを示す拡大縦断面図である。
【図3】円錐スプリングの線間の隙間と径との比に対す
る騒音値の変化を示す図である。
【図4】ボディの肉厚と低圧冷媒通路の内径との比に対
する騒音値の変化を示す図である。
【図5】膨張弁ユニット装着用の弁ケースを示す縦断面
図である。
【図6】クリップを示す図であって、(A)はクリップ
の平面図、(B)はそのa−a矢視断面図である。
【図7】クリップを装着した状態を示す膨張弁の側面図
である。
【図8】クリップを装着した状態を示す膨張弁の縦断面
図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態に係る膨張弁ユニッ
トの構成例を示す縦断面図である。
【図10】従来の膨張弁の構成例を示す縦断面図であ
る。
【符号の説明】
1 ボディ 2 高圧冷媒通路 3 低圧冷媒通路 4 弁座 5,5a 弁体 6 円錐スプリング 7 アジャストねじ 8 固定部 9 ダイヤフラム 10 ハウジング 11 感温筒 12,12a シャフト 13 ディスク 14 ホルダ 15 連通路 16,17,18 Oリング 20 弁ケース 21 低圧冷媒配管 22 高圧冷媒配管 23 フランジ 30 クリップ 31,32 アーム部 33 開口部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 馬場 邦春 東京都八王子市椚田町1211番地4 株式会 社テージーケー内 (72)発明者 金子 毅 東京都八王子市椚田町1211番地4 株式会 社テージーケー内 Fターム(参考) 3H057 AA04 BB32 BB45 CC03 DD01 FC05 FD19 HH18

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エバポレータ出口の冷媒温度を感知して
    内部が昇降圧する感温室と、ボディの側部に形成された
    高圧冷媒通路と、前記感温室と反対側の前記ボディの先
    端部に形成された低圧冷媒通路と、前記高圧冷媒通路と
    前記低圧冷媒通路との間を連通する弁孔の前記低圧冷媒
    通路側の端面に位置する弁座と、前記弁座に対して接離
    自在な弁体と、前記弁体を弁閉方向に付勢するスプリン
    グと、前記感温室の昇降圧による変位を前記弁体に伝達
    するシャフトとを備えた膨張弁ユニットにおいて、 前記スプリングは、巻き線の隙間Pと線径dとの比P/
    dを1.2〜1.6の範囲に設定したことを特徴とする
    膨張弁ユニット。
  2. 【請求項2】 前記スプリングは、前記弁体側を小径部
    にした円錐スプリングであることを特徴とする請求項1
    記載の膨張弁ユニット。
  3. 【請求項3】 前記スプリングは、前記弁体を直接付勢
    するようにしたことを特徴とする請求項1または2記載
    の膨張弁ユニット。
  4. 【請求項4】 前記低圧冷媒通路が形成されたボディの
    肉厚tと前記低圧冷媒通路の内径Dとの比t/Dを0.
    4〜0.8の範囲に設定したことを特徴とする請求項3
    記載の膨張弁ユニット。
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