JP2018004234A - 膨張弁 - Google Patents

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Abstract

【課題】制御ハンチングを効果的に防止可能な膨張弁を提供する。【解決手段】ある態様の膨張弁は、蒸発器から戻ってきた冷媒が通過する第2の通路14を有するボディ2と、ボディ2との間に感温室54を形成するパワーエレメント3と、パワーエレメント3の駆動力を弁体18に伝達するシャフト33と、を備える。パワーエレメント3は、ディスク29とは別部品としてハウジング25にダイヤフラム28を外周溶接して得られたものであり、シャフト33との間にディスク29を配置するようにしてボディ2に組み付けられている。ディスク29は、樹脂又は樹脂を主成分とする材質からなる。【選択図】図2

Description

本発明は膨張弁に関し、特に冷凍サイクルに好適な膨張弁に関する。
自動車用空調装置の冷凍サイクルには一般に、循環する冷媒を圧縮する圧縮機、圧縮された冷媒を凝縮する凝縮器、凝縮された冷媒を絞り膨張させて送出する膨張弁、その冷媒の蒸発潜熱により車室内の空気を冷却する蒸発器が設けられている。膨張弁としては、例えば、蒸発器から導出された冷媒が所定の過熱度を有するように、蒸発器の出口側の冷媒の温度および圧力を感知して弁部を開閉し、蒸発器へ送出する冷媒の流量を制御する温度式膨張弁が用いられる(例えば特許文献1参照)。
このような膨張弁のボディには、凝縮器から蒸発器へ向かう冷媒を通過させる第1の通路と、蒸発器から戻ってきた冷媒を通過させて圧縮機へ導出する第2の通路とが形成される。第1の通路には弁孔が形成され、その弁孔に対向するように弁体が配設される。弁体は、弁孔に接離し、蒸発器へ向かう冷媒の流量を調整する。また、ボディの一端には、第2の通路を流れる冷媒の温度および圧力を感知して作動するパワーエレメントが設けられる。パワーエレメントの駆動力は、第1の通路と第2の通路との隔壁を貫通するシャフトを介して弁体に伝達される。シャフトの一端側は第2の通路を横断してパワーエレメントに接続され、他端側は第1の通路に延出し、弁孔を通って弁体に接続される。
パワーエレメントは、ボディに組み付けられるハウジングと、そのハウジングとの間に感温用ガスが封入される密閉空間を形成するダイヤフラムと、を備える。ダイヤフラムとボディとの間には第2の通路と連通する感温室が形成され、その感温室にディスクが配置される。第2の通路を流れる冷媒の一部が、感温室に出入りする。その冷媒の温度および圧力に応じて密閉空間が膨張又は収縮することでダイヤフラムが変位し、その変位による駆動力がディスクを介してシャフトに伝達される。蒸発器の出口の冷媒温度が低くなると密閉空間が収縮するため、弁部が閉弁方向に作動する。逆に、その冷媒温度が高くなると密閉空間が膨張するため、弁部が開弁方向に作動する。このようなパワーエレメントの自律的な作動により弁部の開度が調整され、蒸発器出口の冷媒の過熱度が適正に制御される。感温室に導入された冷媒の温度をダイヤフラムへ効率的に伝達するために、ディスクには通常、熱伝導率の大きい金属からなるものが用いられる。
また近年では、膨張弁の小型軽量化を実現するために、パワーエレメントのハウジングをできるだけ小さく構成し、加締め等によりボディに固定する構成も提案されている(例えば特許文献2参照)。
特開2013−242129号公報 特開2016−57055号公報
ところで、冷凍サイクルの低負荷時には、蒸発器の出口から送出される冷媒において液相成分の割合が大きくなり、その液冷媒(液滴)が感温室に導かれてディスクに付着することがある。液冷媒(液相)はガス冷媒(気相)に比べて熱伝達の時定数(以下、単に「時定数」ともいう)が小さいため、熱伝導率の高いディスクに付着することでパワーエレメントが敏感に反応し、弁部が頻繁に開閉するハンチングを生じさせる可能性がある。特に、特許文献2に記載の膨張弁では、ディスクが第2の通路に接近するため、液冷媒が付着し易く、このハンチングの問題が顕著となる可能性がある。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、その目的の一つは、制御ハンチングを効果的に防止又は抑制可能な膨張弁を提供することにある。
本発明のある態様の膨張弁は、冷凍サイクルに設けられ、上流側から流入した冷媒を弁部を通過させることで絞り膨張させて蒸発器へ供給し、蒸発器から戻ってきた冷媒の圧力と温度を感知して弁部の開度を制御する。この膨張弁は、上流側から蒸発器へ向けて流れる冷媒が通過する第1の通路と、蒸発器から戻ってきた冷媒が通過する第2の通路と、第1の通路の中途に設けられた弁孔と、を有するボディと、弁孔に接離して弁部を開閉する弁体と、ボディに固定される金属製のハウジングと、ハウジングとの間に感温媒体が封入される密閉空間を形成するダイヤフラムとを有し、ダイヤフラムとボディとの間に第2の通路と連通する感温室を形成するパワーエレメントと、感温室に配置されてダイヤフラムに当接するディスクと、第1の通路と第2の通路との隔壁を貫通し、一端側がディスクを介してダイヤフラムに接続され、他端側が弁体に接続され、ダイヤフラムの変位による軸線方向の駆動力を弁体に伝達するシャフトと、を備える。
パワーエレメントは、ディスクとは別部品として設けられ、ハウジングにダイヤフラムを外周溶接して得られたものであり、シャフトとの間にディスクを配置するようにしてボディに組み付けられている。ディスクは、樹脂又は樹脂を主成分とする材質からなる。
この態様によると、ディスクが樹脂又は樹脂を主成分とする材質からなるため、熱伝導の時定数を抑えることができる。その結果、ディスクに液冷媒が付着したときのパワーエレメントの過剰反応を防止することができ、ハンチングの発生を防止又は抑制できる。特にディスクを第2の通路に近接させる構成とした場合、その効果が顕著に発揮される。一方、ディスクとパワーエレメントとを別部品としたため、ディスクの材質が樹脂であっても、パワーエレメント製造時の熱影響(ハウジングとダイヤフラムとを溶接するときの熱による変形等)がない。このため、ディスクの寸法精度を維持でき、弁部の作動安定性を保持することができる。
本発明によれば、制御ハンチングを効果的に防止又は抑制可能な膨張弁を提供できる。
実施形態に係る膨張弁の断面図である。 図1のA部拡大図であり、パワーエレメントおよびその周辺構造を示す。 変形例に係るパワーエレメントの感温構造を表す図である。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明においては便宜上、図示の状態を基準に各構造の位置関係を表現することがある。また、以下の実施形態およびその変形例について、ほぼ同一の構成要素については同一の符号を付し、その説明を適宜省略することがある。
本実施形態は、本発明の膨張弁を自動車用空調装置の冷凍サイクルに適用される温度式膨張弁として具体化している。この冷凍サイクルには、循環する冷媒を圧縮する圧縮機、圧縮された冷媒を凝縮する凝縮器(室外熱交換器)、凝縮された冷媒を気液に分離する受液器、分離された冷媒を絞り膨張させて霧状にして送出する膨張弁、その霧状の冷媒を蒸発させてその蒸発潜熱により車室内の空気を冷却する蒸発器(室内熱交換器)が設けられている。ここでは便宜上、膨張弁以外については詳細な説明を省略する。
図1は、実施形態に係る膨張弁の断面図である。
膨張弁1は、アルミニウム合金からなる素材を押出成形して得た部材に所定の切削加工を施して得られたボディ2を有する。ボディ2は角柱状をなし、その内部には冷媒の絞り膨張を行う弁部が設けられている。ボディ2の長手方向の端部には、パワーエレメント3が設けられている。
ボディ2の側部には、受液器側(凝縮器側)から高温・高圧の冷媒を導入する導入ポート6、膨張弁1にて絞り膨張された低温・低圧の冷媒を蒸発器へ向けて導出する導出ポート7、蒸発器から戻ってくる冷媒を導入する導入ポート8、その冷媒を圧縮機側へ導出する導出ポート9が設けられている。本実施形態では、導入ポート6および導出ポート9は、ボディ2の第1側面に開口する。導出ポート7および導入ポート8は、第1側面とは反対側の第2側面に開口する。変形例においては、第1側面と第2側面とが互いに直角をなす面として隣接していてもよい。導入ポート6と導出ポート9との間には、図示しない配管を取り付けるためのねじ穴10が形成されている。各ポートには、配管の継手が接続される。
膨張弁1においては、導入ポート6、導出ポート7およびこれらをつなぐ冷媒通路により第1の通路13が構成されている。第1の通路13の中途には、弁部が設けられている。導入ポート6から導入された冷媒は、その弁部にて絞り膨張されて霧状となり、導出ポート7から蒸発器へ向けて導出される。一方、導入ポート8、導出ポート9およびこれらをつなぐ冷媒通路により第2の通路14が構成されている。第2の通路14は、ストレートに延びており、その中間部がパワーエレメント3の内部と連通している。導入ポート8から導入された冷媒の一部は、パワーエレメント3に供給されて感温される。第2の通路14を通過した冷媒は、導出ポート9から圧縮機へ向けて導出される。
第1の通路13の中途には弁孔16が設けられ、その弁孔16の導入ポート6側の開口端縁により弁座17が形成されている。弁座17に導入ポート6側から対向するように弁体18が配置されている。弁体18は、弁座17に着脱して弁部を開閉する球状のボール弁体41と、そのボール弁体41を下方から支持する弁体受け43とを接合して構成されている。
ボディ2の下部には、内外を連通させる連通孔19が形成されており、その上半部により弁体18を収容する弁室40が形成されている。弁室40は、弁孔16に連通し、弁孔16と同軸状に形成されている。弁室40は、また、側部にて上流側通路37を介して導入ポート6に連通している。上流側通路37は、弁室40に向けて開口する小孔42を含む。小孔42は、第1の通路13の通路断面が局部的に狭小化されたものである。
弁孔16は、下流側通路39を介して導出ポート7に連通している。すなわち、上流側通路37、弁室40、弁孔16および下流側通路39が、第1の通路13を構成している。上流側通路37と下流側通路39とは互いに平行であり、それぞれ弁孔16の軸線に対して直角方向に延在している。なお、変形例においては、上流側通路37と下流側通路39との互いの投影が直角をなすように(互いにねじれの位置となるように)導入ポート6又は導出ポート7の位置を設定してもよい。
連通孔19の下半部には、その連通孔19を外部から閉止するようにアジャストねじ20が螺着されている。弁体18(正確には弁体受け43)とアジャストねじ20との間には、弁体18を閉弁方向に付勢するスプリング23が介装されている。アジャストねじ20のボディ2への螺入量を調整することで、スプリング23の荷重を調整することができる。アジャストねじ20とボディ2との間には、冷媒の漏洩を防止するためのOリング24が介装されている。
一方、ボディ2の上部には、第2の通路14の内外を連通させる連通孔52が設けられている。パワーエレメント3は、連通孔52を上方から閉止するようにボディ2に取り付けられている。パワーエレメント3とボディ2との間には、冷媒の漏洩を防止するためのシール部材としてOリング30が介装されている。パワーエレメント3とボディ2とに囲まれる空間により感温室54が形成される。
パワーエレメント3は、ボディ2に固定されるハウジング25と、ハウジング25との間に密閉空間Sを形成するダイヤフラム28とを有する。密閉空間Sには感温用ガス(「感温媒体」として機能する)が封入されている。ハウジング25は、アッパーハウジング26とロアハウジング27とを軸線方向に組み付けて構成される。アッパーハウジング26は「第1部材」として機能し、ロアハウジング27は「第2部材」として機能する。ダイヤフラム28は、ステンレス等の金属フィルム(薄板)からなる。
アッパーハウジング26は金属材(例えばステンレス材)を有蓋状にプレス成形して得られる。ロアハウジング27は、リング状の金属材(例えばステンレス材)からなる。パワーエレメント3は、アッパーハウジング26とロアハウジング27との間にダイヤフラム28の外縁部を挟むようにして組み付け、両ハウジングの接合部に沿って外周溶接が施されることにより得られる。「外周溶接」は、本実施形態では両ハウジングの外周面の境界部に沿ってなされるが、両ハウジングの外周縁近傍(外周端のやや半径方向内側)に沿って環状になされてもよい。すなわち、後者の溶接も「外周溶接」の概念に含まれる。
アッパーハウジング26とダイヤフラム28とに囲まれる空間が、密閉空間Sとなっている。ダイヤフラム28の密閉空間Sとは反対側の空間、すなわちロアハウジング27とダイヤフラム28とボディ2とに囲まれる空間が、感温室54を形成している。感温室54は、連通孔52を介して第2の通路14に連通している。
感温室54にはディスク29が配置されている。ディスク29は、感温室54から連通孔52の内方に延在している。ディスク29の上面がダイヤフラム28と当接し、下面中央がシャフト33に支持されている。ディスク29は、樹脂材からなり、金属よりも熱伝導率が小さい。
第2の通路14を通過する冷媒の一部は、連通孔52を介して感温室54に導かれる。パワーエレメント3は、その冷媒の圧力および温度を感知して弁部の開閉方向の駆動力を発生する。パワーエレメント3の感温構造については、後に詳述する。
ボディ2の中央部には、第1の通路13と第2の通路14とを離隔する隔壁35を貫通するように挿通孔34が設けられている。この挿通孔34は、小径部44と大径部46とを同軸状に有する段付孔である。小径部44の下端が第1の通路13に向けて開口し、大径部46の上端が第2の通路14に向けて開口する。小径部44は、長尺状のシャフト33を軸線方向に摺動可能に挿通する。大径部46は、後述する防振ばね48を同軸状に収容する取付孔を形成する。
シャフト33は、ステンレス等からなる金属製のロッドであり、ディスク29と弁体18との間に介装されている。これにより、ダイヤフラム28の変位による駆動力が、ディスク29およびシャフト33を介して弁体18へ伝達され、弁部が開閉される。シャフト33の一端側は第2の通路14を横断してディスク29に接続されている。シャフト33の他端側は、第1の通路13の下流側通路39を横断し、弁孔16を通って弁体18に接続されている。
大径部46には、シャフト33に軸線方向と直角な方向の付勢力、つまり横荷重(摺動荷重)を付与するための防振ばね48が収容されている。シャフト33がその防振ばね48の横荷重を受けることにより、冷媒圧力の変動によるシャフト33や弁体18の振動が抑制される。
防振ばね48は、挿通孔34と同軸状に固定され、シャフト33を同軸状に挿通させるようにして支持する。防振ばね48は、シャフト33を半径方向内向きに付勢して摺動抵抗を与える。なお、防振ばね48の具体的構造については、例えば特開2013−242129号公報に記載の構成を採用することができるため、その詳細な説明を省略する。
本実施形態では、挿通孔34とシャフト33との間のクリアランスを小さくして第1の通路13から第2の通路14への冷媒の漏れを抑制するクリアランスシールが実現されている。変形例においては、挿通孔34とシャフト33との間にOリング等のシールリングを介装し、第1の通路13から第2の通路14への冷媒の漏れを防止するようにしてもよい。
以上のように構成された膨張弁1は、蒸発器から導入ポート8を介して戻ってきた冷媒の圧力及び温度をパワーエレメント3が感知してダイヤフラム28が変位する。このダイヤフラム28の変位が駆動力となり、ディスク29およびシャフト33を介して弁体18に伝達されて弁部の開度が調整される。一方、受液器から供給された液冷媒は、導入ポート6から導入され、弁部を通過することにより絞り膨張されて、低温・低圧の霧状の冷媒になる。その冷媒は導出ポート7から蒸発器へ向けて導出される。
次に、パワーエレメントの感温構造について詳細に説明する。
図2は、図1のA部拡大図であり、パワーエレメントおよびその周辺構造を示す。ボディ2の上面には環状の嵌合溝65が形成され、その嵌合溝65にOリング30が嵌着されている。嵌合溝65の内側には座ぐり加工により得られた係止面51(端面)が設けられ、その内方に上述した連通孔52が設けられている。ロアハウジング27は、嵌合溝65を上方から閉止するように配置されている。
ボディ2の上面には嵌合溝65を取り囲むように突設された環状の支持部71が内方に加締められ、それによりパワーエレメント3がボディ2に固定されている。支持部71の上半部がハウジング25の外周部にオーバーハングする態様で、その加締め接合がなされている。
ディスク29は、段付円柱状をなし、円板状の本体72と、本体72の下面中央から下方に延出する伝熱部74とを有する。本体72は感温室54に配置され、伝熱部74は連通孔52に延出する。伝熱部74は、連通孔52に同軸状に挿通されている。伝熱部74の外径は、連通孔52の内径よりやや小さい。ディスク29は、ダイヤフラム28とシャフト33との間に挟まれる態様で軸線方向に変位可能に支持されており、ハウジング25(ロアハウジング27)とは係合していない。本体72は係止面51に着脱可能であり、係止面51により下方(開弁方向)への変位が規制される。
本実施形態では図示のように、ディスク29が下死点に位置したときに伝熱部74の先端面が第2の通路14の内面とほぼ面一となるように設定されているが、その位置関係については適宜設定することができる。その先端面が第2の通路14の内面から突出するようにしてもよいし、逆に退避する(引っ込む)ようにしてもよい。言い換えれば、本実施形態では、伝熱部74の長さを連通孔52のそれとほぼ同じにしたが、伝熱部74を連通孔52より長くしてもよいし、短くしてもよい。
図示のように伝熱部74を第2の通路14の近傍まで延出させることでその表面積を大きくし、第2の通路14を流れる冷媒の温度を感知し易くしている。一方、既述のようにディスク29を樹脂製とすることで、その熱伝導の時定数を抑え、液冷媒が付着したときのパワーエレメント3の過剰反応を防止している。それにより、制御ハンチングの発生を防止又は抑制することができる。本体72の下面には、感温室54と第2の通路14とを連通させるための溝部53が設けられている。伝熱部74の下面中央には、下方に向けテーパ状に拡径する凹部76が形成されている。
パワーエレメント3とディスク29は、別部品として個別に作製される。アッパーハウジング26の上面中央には、感温用ガスを封入するための開口部80が設けられ、球状の栓体82により封止されている。すなわち、パワーエレメント3の作製に際しては、アッパーハウジング26、ロアハウジング27およびダイヤフラム28を外周溶接により組み付けた後、感温用ガスを開口部80を介して密閉空間Sに導入する。感温用ガスが密閉空間Sに充填された後、栓体82を開口部80に嵌合させて溶接する。それにより、感温用ガスが封入されたパワーエレメント3が得られる。
パワーエレメント3のボディ2への組み付けに先立って、別途作製したディスク29をボディ2に組み付ける。連通孔52にシャフト33の先端が露出しているため、凹部76をその先端に嵌合させるようにして、ディスク29をシャフト33に組み付ける。この状態から、ロアハウジング27の底面70が嵌合溝65を覆うようにパワーエレメント3を載置する。このとき、加締め前の支持部71の内方にハウジング25が挿入される。そして、支持部71を内側に加締めることで、パワーエレメント3をボディ2に固定する。
以上説明したように、本実施形態では、パワーエレメント3とディスク29とを別部品とし、それぞれボディ2に組み付けた。ディスク29をハウジング25(ロアハウジング27)で支持しない構成であるため、パワーエレメント3を小さくでき、膨張弁1の小型軽量化を実現することができる。一方、ディスク29が第2の通路14に近接するようになるため、パワーエレメント3の感度が上がり易くなるところ、ディスク29を樹脂製としたため、その熱伝導の時定数を抑えることができる。その結果、ディスク29に液冷媒が付着したときのパワーエレメント3の過剰反応を防止でき、制御ハンチングの発生を防止又は抑制することができる。
一方、ディスク29とパワーエレメント3とを別部品としたため、パワーエレメント3の製造時の熱影響がディスク29に及ぶことがない。このため、ディスク29を樹脂製としてもその寸法精度を維持でき、弁部の作動安定性を保持することができる。すなわち、パワーエレメント3がハウジング25とダイヤフラム28とを外周溶接して得られるため、従来はその溶接時の熱影響による変形等を考慮してディスク29を金属製としていた。本実施形態は、ディスク29を金属製としなければならないという従来の常識を覆すものである。
[変形例]
図3は、変形例に係るパワーエレメントの感温構造を表す図である。
変形例に係る膨張弁は、パワーエレメントの構成およびそのボディへの組付構造が上記実施形態とは異なる。すなわち、パワーエレメント203のハウジング225は、ロアハウジングを有しておらず、上記実施形態のアッパーハウジング26に対応する部材のみで構成される。パワーエレメント203は、ハウジング225にダイヤフラム28を外周溶接して得られる。この外周溶接は、ハウジング225およびダイヤフラム28の外周縁近傍(外周端のやや半径方向内側)に沿って環状になされている。
本変形例においても、パワーエレメント203とディスク29は、別部品として個別に作製される。ただし、パワーエレメント203への感温用ガスの充填は、ボディ2への組み付け後に行われる。すなわち、ハウジング225およびダイヤフラム28を外周溶接により組み付けたパワーエレメント半製品を作製しておく。そして、ディスク29をボディ2に組み付ける。この状態から、ハウジング225が嵌合溝65を覆うようにパワーエレメント半製品を載置する。そして、支持部71を内側に加締めることで、パワーエレメント半製品をボディ2に固定する。この状態で開口部80を介して感温用ガスを導入する。感温用ガスが密閉空間Sに充填された後、栓体82を溶接することでパワーエレメント203が得られるとともに、そのボディ2への組み付けが完了する。
パワーエレメント203は、ダイヤフラム28の外周部におけるハウジング225とは反対側面270をボディ2に当接させるようにして、ボディ2に組み付けられている。このような構成によっても、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。ロアハウジングを設けない分、膨張弁のさらなる小型化を実現できる。なお、パワーエレメント半製品とディスク29とが組み付けられた状態で栓体82の溶接がなされることになるが、ディスク29と栓体82とは十分に離隔されているため、その溶接の熱影響がディスク29の変形等につながることはない。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は特定の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術思想の範囲内で種々の変形が可能であることはいうまでもない。
上記実施形態では、パワーエレメント3とボディ2とを加締め接合する例を示したが、圧入等の他の固定手段により両者を固定してもよい。変形例についても同様である。
上記実施形態では述べなかったが、ディスク29を樹脂以外の成分も含みつつ、樹脂を主成分とする材質からなるものとしてもよい。例えば、金属フィラーを含有した樹脂からなるものとしてもよい。それにより、ディスク29の熱伝導率を所望の値に調整でき、パワーエレメントの感温特性を最適化することが可能となる。
上記実施形態では述べなかったが、支持部71の内側に断熱性能を有する部材(断熱部材)を配置し、ハウジング25の上面を覆うようにしてもよい。加締め前の支持部71の内側にハウジング25を配置した後にさらに断熱部材を配置し、その状態から支持部71を加締めてそれらを固定してもよい。
上記実施形態の膨張弁は、冷媒として代替フロン(HFC−134a)など使用する冷凍サイクルに好適に適用されるが、本発明の膨張弁は、二酸化炭素のように作動圧力が高い冷媒を用いる冷凍サイクルに適用することも可能である。その場合には、冷凍サイクルに凝縮器に代わってガスクーラなどの外部熱交換器が配置される。
上記実施形態では、上記膨張弁を、外部熱交換器を経て流入した冷媒を絞り膨張させて蒸発器(室内蒸発器)へ供給するものとして構成する例を示した。変形例においては、上記膨張弁を、ヒートポンプ式の車両用冷暖房装置に適用し、室内凝縮器(室内熱交換器)の下流側に設置してもよい。すなわち、上記膨張弁を、室内凝縮器を経て流入した冷媒を絞り膨張させて外部熱交換器(室外蒸発器)へ供給するものとして構成してもよい。
なお、本発明は上記実施形態や変形例に限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。上記実施形態や変形例に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることにより種々の発明を形成してもよい。また、上記実施形態や変形例に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除してもよい。
1 膨張弁、2 ボディ、3 パワーエレメント、13 第1の通路、14 第2の通路、16 弁孔、18 弁体、25 ハウジング、26 アッパーハウジング、27 ロアハウジング、28 ダイヤフラム、29 ディスク、30 Oリング、33 シャフト、34 挿通孔、51 係止面、52 連通孔、54 感温室、71 支持部、72 本体、74 伝熱部、203 パワーエレメント、225 ハウジング、S 密閉空間。

Claims (6)

  1. 冷凍サイクルに設けられ、上流側から流入した冷媒を弁部を通過させることで絞り膨張させて蒸発器へ供給し、前記蒸発器から戻ってきた冷媒の圧力と温度を感知して前記弁部の開度を制御する膨張弁であって、
    上流側から前記蒸発器へ向けて流れる冷媒が通過する第1の通路と、前記蒸発器から戻ってきた冷媒が通過する第2の通路と、前記第1の通路の中途に設けられた弁孔と、を有するボディと、
    前記弁孔に接離して前記弁部を開閉する弁体と、
    前記ボディに固定される金属製のハウジングと、前記ハウジングとの間に感温媒体が封入される密閉空間を形成するダイヤフラムとを有し、前記ダイヤフラムと前記ボディとの間に前記第2の通路と連通する感温室を形成するパワーエレメントと、
    前記感温室に配置されて前記ダイヤフラムに当接するディスクと、
    前記第1の通路と前記第2の通路との隔壁を貫通し、一端側が前記ディスクを介して前記ダイヤフラムに接続され、他端側が前記弁体に接続され、前記ダイヤフラムの変位による軸線方向の駆動力を前記弁体に伝達するシャフトと、
    を備え、
    前記パワーエレメントは、前記ディスクとは別部品として設けられ、前記ハウジングに前記ダイヤフラムを外周溶接して得られたものであり、前記シャフトとの間に前記ディスクを配置するようにして前記ボディに組み付けられており、
    前記ディスクが樹脂又は樹脂を主成分とする材質からなることを特徴とする膨張弁。
  2. 前記ディスクは、前記感温室を画定するボディの端面に着脱可能となるよう、前記シャフトに支持されていることを特徴とする請求項1に記載の膨張弁。
  3. 前記ディスクは、前記感温室と前記第2の通路とを連通させる連通孔の内方に延出していることを特徴とする請求項2に記載の膨張弁。
  4. 前記ハウジングは、前記ダイヤフラムとの間に前記密閉空間を形成する第1部材と、前記第1部材との間に前記ダイヤフラムの外周部を挟むように設けられ、前記第1部材と共に前記外周溶接がなされる第2部材と、を含み、
    前記ディスクは、前記第2部材と軸線方向に係合しないことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の膨張弁。
  5. 前記パワーエレメントは、前記ダイヤフラムの外周部における前記ハウジングとは反対側面を前記ボディに当接させるようにして、前記ボディに組み付けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の膨張弁。
  6. 前記ハウジングは、前記ボディに加締め接合されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の膨張弁。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2019181409A1 (ja) * 2018-03-20 2019-09-26 株式会社不二工機 パワーエレメントおよびそれを有する膨張弁

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