JP2002317567A - 艇・車格納庫 - Google Patents

艇・車格納庫

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JP2002317567A
JP2002317567A JP2001151663A JP2001151663A JP2002317567A JP 2002317567 A JP2002317567 A JP 2002317567A JP 2001151663 A JP2001151663 A JP 2001151663A JP 2001151663 A JP2001151663 A JP 2001151663A JP 2002317567 A JP2002317567 A JP 2002317567A
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vehicle
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car
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JP2001151663A
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Junichi Hyodo
潤一 兵頭
Hitoshi Tamura
仁志 田村
Masaaki Fukihara
正晃 吹原
Mamoru Jo
衛 城
Masanori Shimazaki
正則 島崎
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 艇および車の両方を格納する艇・車格納庫を
提供し、艇・車格納庫の合理的、効率的な利用によって
省スペース化を図ること。 【解決手段】 マリーナ施設において艇および車の両方
を格納する艇・車格納庫であって、艇および車を保管す
るための複数の保管スペース1aと、艇を固定するため
に保管スペースのそれぞれに配設された艇用固定手段
と、車を固定するために保管スペースのそれぞれに配設
された車用固定手段と、保管スペースに艇および車を搬
入・搬出するフォーク7、支持フレーム5、ドーリ4等
の艇用搬送手段および車用搬送手段とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マリーナ施設にお
いて艇および車の両方を格納する艇・車格納庫に関し、
より詳細には、艇および車の両方を格納可能とすること
で、マリーナ施設における敷地の有効利用、艇庫および
車庫の効率的な利用を図れるようにした艇・車格納庫に
関する。
【0002】
【従来の技術】近時、プレジャーボートの需要の増加に
伴って、マリーナ施設の更なる整備の要求が高まってい
る。ところが、これらの施設建設のためには波が少ない
(静穏域)に面し、且つ、まとまった広大な敷地が必要
とされるため、なかなか進まないのが現状である。この
ため、増加する一方の不法係留船は大きな社会問題の一
つとなっている。
【0003】基本的にマリーナ施設は艇の保管を目的と
しているため、その必要敷地面積は艇の保管スペースお
よび当地までの利用者のアクセスを確保するための駐車
場の大きさに左右される。すなわち、マリーナ施設を構
成する要素の中で、面積的に占める割合が大きいのは艇
庫と駐車場である。
【0004】図18〜図20は、従来のマリーナ施設に
おける艇庫および駐車場(または車庫)の構成を示す説
明図である。図18に示すように、従来のマリーナ施設
の艇庫72では、艇を陸置きする際に揚艇機71によっ
て艇を陸揚げした後、ボート用レストに乗せて平置きす
る方法が一般的である。この方法については、例えば、
実開平4−49597号公報に記載されている。また、
図19に示す通り、限られた敷地の中で、できるだけ多
くの艇を保管できるようするために、実開平2−105
454号公報に記載あるように立体艇庫74にして艇庫
部の省スペース化を図るものもある。
【0005】一方、マリーナ施設の駐車場73に関して
は、図18、図19に示す通り平面自走式のものが一般
的であるが、場合によっては図20に示す通り立体駐車
場75を活用して、省スペース化を図ることも可能であ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のマリーナ施設によれば、立体艇庫や立体駐車場が導
入することにより、敷地の効率的な利用は図っているも
のの、それぞれ広い面積を必要とする艇庫と駐車場(ま
たは車庫)とを敷地内の別々の場所に確保しているた
め、以下の問題点があった。
【0007】第1に、所有者が艇を利用している場合に
は、立体艇庫ラック内は空になっている。逆に艇を利用
していない時は、基本的には駐車場に車が止まっていな
いため、駐車場スペースは空となっている。このよう
に、立体艇庫や立体駐車場が導入された場合でも、マリ
ーナ施設全体としては、敷地の実質利用率や省スペース
利用が必ずしも十分でないという問題点があった。
【0008】第2に、図18のように立体艇庫と立体駐
車場を併設すれば敷地利用効率は図16に比べれば効率
化されてはいるものの、鉄骨構造物を艇庫と駐車場の両
方にて建設することとなるためコストアップに繋がると
いう問題点があった。
【0009】本発明は上記に鑑みてなされたものであっ
て、艇および車の両方を格納する艇・車格納庫を提供
し、艇・車格納庫の合理的、効率的な利用によって省ス
ペース化を図ることを目的とする。
【0010】また、本発明は上記に鑑みてなされたもの
であって、艇および車の両方を格納する艇・車格納庫を
提供し、保管されるものの時間差を利用して保管機能が
要求される建造物の実質利用効率の向上を図ることを目
的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1にかかる艇・車格納庫は、マリーナ施設
において艇および車の両方を格納する艇・車格納庫であ
って、前記艇および車を保管するための複数の保管スペ
ースと、前記艇を固定するために前記保管スペースのそ
れぞれに配設された艇用固定手段と、前記車を固定する
ために前記保管スペースのそれぞれに配設された車用固
定手段と、前記保管スペースに前記艇を搬入・搬出する
艇用搬送手段と、前記保管スペースに前記車を搬入・搬
出する車用搬送手段または前記保管スペースに前記車を
搬入・搬出させるための車用搬送路と、を備えたことを
特徴とする。
【0012】請求項1の発明によれば、艇用搬送手段で
保管スペースに艇を搬入または搬出することができ、車
用搬送手段または車用搬送路で保管スペースに車を搬入
・搬出することができる。保管スペースに搬送された艇
または車は、それぞれ艇用固定手段または車用固定手段
で保管スペース内で固定される。したがって、マリーナ
施設において艇および車の両方を格納する艇・車格納庫
を提供できる。
【0013】また、請求項2にかかる艇・車格納庫は、
上記艇・車格納庫において、前記複数の保管スペース
が、艇・車格納庫内に立体的に配置されており、前記艇
用搬送手段が、前記立体的に配置された保管スペースの
それぞれに前記艇を搬入・搬出し、前記車用搬送手段ま
たは前記車用搬送路が、前記立体的に配置された保管ス
ペースのそれぞれに前記車を搬入・搬出することを特徴
とする。
【0014】請求項2の発明によれば、複数の保管スペ
ースが艇・車格納庫内に立体的に配置されいる立体艇・
車格納庫(立体艇庫および立体駐車場)であり、立体的
に配置された保管スペースのそれぞれに艇および車を搬
入・搬出することができるので、さらに省スペース化を
図ることができる。
【0015】また、請求項3にかかる艇・車格納庫は、
上記艇・車格納庫において、前記艇用固定手段が艇用固
定レストであり、前記車用固定手段が車用固定台であ
り、さらに、前記車用固定台は、前記車を載置した状態
で前記車の左右の車輪間の内側に相当する部分に開放部
が設けられており、前記艇用固定レストは、前記車用固
定台の開放部から前記艇の底部を保持するように配置さ
れていることを特徴とする。すなわち、車用固定台の開
放部から艇用固定レストが艇の底部を保持するように配
置されているので、艇用固定手段と車用固定手段とを効
率的に省スペースに配置することができる。
【0016】また、請求項4にかかる艇・車格納庫は、
上記艇・車格納庫において、前記車用固定台は開放部側
が間欠串歯状に形成されており、前記艇用搬送手段は間
欠串歯状を有するフォークと該フォークの間欠部位に設
けられたエアーチューブとから成り、さらに、前記車用
固定台の間欠串歯状と前記艇用搬送手段のフォークおよ
びエアーチューブとがお互いに接触することなく交差可
能に配置されていることを特徴とする。すなわち、車用
固定台の間欠串歯状と艇用搬送手段のフォークおよびエ
アーチューブとがお互いに接触することなく交差するの
で、車用固定台への車の載置および艇用固定レストへの
艇の載置が容易である。
【0017】また、請求項5にかかる艇・車格納庫は、
上記艇・車格納庫において、前記フォークの基端部には
スライド機構が設けられており、前記フォークが前記ス
ライド機構によって開閉自在であることを特徴とする。
すなわち、艇用固定レストのフォークが開閉自在である
ので、例えば、必要な応じてフォークを開閉し、艇の保
管に使用して、車の保管には邪魔にならない位置に移動
させることができる。
【0018】また、請求項6にかかる艇・車格納庫は、
上記艇・車格納庫において、前記艇用搬送手段と前記車
用搬送手段とを同一の手段で構成したことを特徴とす
る。したがって、搬送手段が1つで済むので省スペース
化およびコストの低減を図ることができる。
【0019】また、請求項7にかかる艇・車格納庫は、
多層階構造の各階に艇を保管すると共に艇を出した後に
自動車を保管し得る艇保管区画が複数設けられた建屋
と、艇を支持すると共に移動自在な架台と、各階に自動
車を乗り入れるための自動車乗入手段と、二階以上の階
に対して架台ごと艇の昇降を行う昇降手段とを備えたこ
とを特徴とする。
【0020】従来は自動車と艇は別の場所に保管してお
り、艇自体が地面を自走する構造ではないので、その保
管において自動車の立体駐車場の如き構成を採用するこ
とはなされていない。また、艇を立体的に保管するにし
ても、クレーンを用いた立体倉庫のようにして保管して
いるが現状である。そこで、この発明では、自動車の立
体駐車場を艇に適用し、さらに艇を出した後の艇保管区
域に自動車を保管し得るようにすることで、艇および自
動車の両方を保管することが可能としている。艇は架台
に載せられ、昇降手段によって昇降させられる。また、
自動車乗り入れ手段は、例えば傾斜路やエレベータ等で
構成できる。これにより艇と自動車との保管スペースを
共通化できるので、比較的狭いマリーナであっても多数
の艇を保管できるようになる。
【0021】また、請求項8にかかる艇・車格納庫は、
上記艇・車格納庫において、前記艇保管区域のそれぞれ
が、自動車および架台の両方を置き得る面積を有するこ
とで、自動車および架台の両方を保管できるようになる
から、架台の保管スペースを別途設ける必要がなくな
る。ここで、艇が大型のときのみならず艇が小型のとき
であっても、多少大きめに艇保管区域を設け、自動車と
その架台との両方を保管できるようにするのが好まし
い。
【0022】また、請求項9にかかる艇・車格納庫は、
上記艇・車格納庫において、さらに、架台を移動させる
牽引車を備えたので、比較的大型の艇であってもその移
動を極めて容易に行うことができる。
【0023】また、請求項10にかかる艇・車格納庫
は、上記艇・車格納庫において、前記昇降手段として、
入庫用リフターと出庫用リフターと別に備えたので、日
曜日や祭日等の利用者で混み合う日でも出す艇と空いて
戻す架台との干渉や、戻す艇と迎えに行く架台との干渉
を防いでスムーズに艇の出し入れを行うことができるよ
うになる。
【0024】また、請求項11にかかる艇・車格納庫
は、上記艇・車格納庫において、さらに、前記入庫用リ
フターと出庫用リフターとを海岸側に設けると共に、艇
を架台から水上へ、または艇を水上から架台へ移す揚降
機を、前記入庫用リフターと出庫用リフターとの間に設
けたことを特徴とする。揚降機と各リフターとの間の受
け渡しを横移動によって行えるので、艇の出庫・入庫作
業を簡単にできる。
【0025】また、請求項12にかかる艇・車格納庫
は、上記艇・車格納庫において、前記乗り入れ手段が各
階に通じる傾斜路であり、その傾斜路の出入口が少なく
とも海岸側に向いていることを特徴とする。このように
すれば、出入口から海岸までの距離を小さくできるか
ら、利用者の移動距離を短くできる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、この発明につき図面を参照
しつつ詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこ
の発明が限定されるものではない。
【0027】(実施の形態1)図1〜図5は実施の形態
1の艇・車格納庫を示す説明図である。なお、図1は実
施の形態1の艇・車格納庫の平面図を示し、図2は図1
の正面図を示し、図3は実施の形態1の艇・車格納庫の
搬送部位を示し、図4は実施の形態1の艇・車格納庫へ
艇・車が格納された状態を示し、図5はフォークと保管
スペースの斜視図を示す。
【0028】実施の形態1の艇・車格納庫は、図1、図
2、図3に示すように床路上の移動空間Aを介して対設
された艇・車格納構造物1を有し、この艇・車格納構造
物1の最上部に走行レール2を敷設して、この走行レー
ル2上を走行する駆動台車3が備えられている。
【0029】この駆動台車3は、対設された艇・車格納
構造物1間に渡り架設された横行用レール12が一体と
なって設けられており、この横行用レール12上を横行
するドーリ4が備えられている。また、このドーリ4に
吊設された支持フレーム5によって、ドーリ4の直下に
設けられたウィンチ6とチェーン6aにより、チェーン
6aの他端に固定されたフォーク7が支持フレーム5の
ガイド8を介し、このウィンチ6による巻上げ、巻下げ
によって昇降可能に設けられている。
【0030】さらに、支持フレーム5およびフォーク7
は、ドーリ4に設けられた駆動モータと支持フレーム5
端部に設けられたギヤを介し回動可能となっている。
【0031】ここで、フォーク7と支持フレーム5との
取り合い部は、フォーク7基端が図5に示す通り支持フ
レーム5の端部にフォーク7を開閉するための機構(例
えば、油圧式、機械式等)を有しており、フォーク7を
水平移動させるためのガイドを併せ持って開閉自在とな
っている。
【0032】また、図4に示すように、艇・車格納構造
物1内には、艇を格納するための支持部材である艇用固
定レスト9が、車を格納するための支持部材である車用
固定台10の中間部位に立脚して設けてある。なお、艇
用固定レスト9および車用固定台10は、艇・車格納構
造物1内の複数の保管スペース1aのそれぞれに配置さ
れている。また、艇用固定レスト9は、車が格納された
時に障害とならない高さに位置決め固定され、また車用
固定台10も艇が格納されるときに障害とならない高さ
に位置決め固定されている。
【0033】また、艇用固定レスト9および車用固定台
10は、図5に示すように、車用固定台10が間欠した
串歯状となっており、フォーク7も間欠した串歯状とな
って車用固定台10の串歯間をフォーク7の串歯が通り
抜けるように、すなわち、交差するように備えられてい
る。さらに、フォーク7の間欠部位にはエアーチューブ
11が取付けられており、このエアーチューブ11も車
用固定台10の間欠部位を通り抜けるよう配備されてい
る。
【0034】なお、図5に示すフォーク7は、艇を単
数、車を複数乗せるように配備されているが艇、車を各
々単数または複数乗せるように配備しても良いのは勿論
である。また、艇・車を艇・車格納構造物1に収納する
場合も、フォーク7と同様に、艇用固定レスト9、車用
固定台10を1ピットに単数、または複数(例えば艇1
隻:車2台、艇2隻:車4台等)設置することも可能で
ある。
【0035】以上の構成において、実施の形態1の艇・
車格納庫において、艇および車が艇・車格納構造物1に
搬出・搬入される手順について説明する。まず、艇を艇
・車格納構造物1から搬出する際は、艇・車格納構造物
1の最上部に敷設された走行レール2上を横行用レール
12およびドーリ4を備えた駆動台車3が所望位置まで
駆動し、次に、ドーリ4に吊設された支持フレーム5の
ガイド8を介しウィンチ6およびチェーン6aによって
フォーク7を昇降駆動させるとともに、移動空間A上に
て支持フレーム5、フォーク7を回動させ、ドーリ4を
駆動して所望の艇が格納されている艇用固定レスト9前
にフォーク7が来るよう移動させる。
【0036】フォーク7は、フォーク7の開閉する機構
を介し適宜スライドさせて、艇用固定レスト9の下部に
潜り込み、上昇させることで間欠した串歯状の車用固定
台10とフォーク7の間欠した串歯とが干渉することな
く、フォーク7に配備されたエアーチューブ11を介し
艇を傷つけることなく持ち上げる。
【0037】持ち上げられた艇は、ドーリ4を駆動して
移動空間A上へ持ち出し、支持フレーム5を回動する等
して着水点まで駆動台車3を駆動して運搬し、上記同様
作業にて艇を着水させる。このとき、着水場所が静穏域
でない場合でも、エアーチューブ11が艇底面と非静穏
水面との緩衝材の役割を担うことにより、着水作業はス
ムースに行われる。
【0038】次に、車の待機位置Bへ駆動台車3を移動
させ、フォーク7を地面上に接地させてから、フォーク
7の串歯上まで車を移動させて、フォーク7に車を搭載
する。フォーク7に搭載された車は、移動空間A上にて
適宜高さまで持ち上げられ、今出庫した艇のあった艇・
車格納構造物1の位置まで駆動台車3を介し運ばれる。
【0039】図4に示す格納位置まで運搬された車を乗
せたフォーク7は、串歯状の車用固定台10の上部位置
へ移動して、順次降下させ車用固定台10の串歯間にフ
ォーク7の串歯が通過することにより車用固定台10へ
車を乗せ変えることができる。その後、車の保管作業が
終了すると、駆動台車3を所定の待機位置まで移動させ
る。
【0040】一方、艇・車格納構造物1へ艇を搬入する
際は、車を搬出して、艇を格納するまで上記手順と逆の
手順を行うこととなる。
【0041】実施の形態1によれば、艇用の艇用固定レ
スト9と車用の車用固定台10を艇・車格納構造物1に
設けることによって双方の保管をすることができ、従来
のように艇保管用建造物と車保管用建造物を各々設ける
必要がなく、建物を削減できるとともに環境負荷への低
減が図られる。換言すれば、艇保管用建築物と車保管用
建築物の2つ建築物を1つにまとめる事は、一つの建物
で2つの保管建築を建設したこと同じ効果を発揮するこ
ととなり、敷地に建築面積や延べ床面積の厳しい制限が
ある際にも有効となる。また、建築資材使用量が大幅に
低減され、イニシャルコストの削減および環境負荷への
低減が大きく図られる。
【0042】さらに、艇を艇・車格納構造物1へ保管す
るための搬送手段は、車を収納する際にも利用できるた
め、機械にかかるイニシャルコストが低減されるだけで
なく、艇と車を管理する際に必要な人員も軽減されラン
ニングコストの削減にも繋がる。
【0043】特に、実施の形態1によれば、十分な敷地
の大きさが取れず、且つ、奥行きはあるが水面に接する
長さが十分に取れないような敷地条件の場所であっても
マリーナ施設を整備することが可能となる。また、艇を
水面に着水および離水させるフォーク7にエアチューブ
11を装着していることにより、水面が静穏域ではない
ところであっても艇の離着水を無理なくスムースに行う
ことができる。つまり敷地条件がマリーナ施設を整備す
る上で必ずしも適していないと思われるような狭い敷地
や水面が静穏域ではない場所にでもマリーナ施設を整備
することが可能となる等の効果を奏することができる。
【0044】(実施の形態2)次に、図6(a)
(b)、図7(a)(b)を参照して実施の形態2の艇
・車格納庫について説明する。なお、実施の形態2は、
実施の形態1の艇用固定レスト9に代えて可倒式レスト
22を配備したものであり、基本的な構成は実施の形態
1と同様につき、ここでは異なる部分のみを詳細に説明
する。
【0045】実施の形態2の艇・車格納構造物1内に
は、艇を格納するための支持材である可倒式レスト22
が車を格納するための支持台である車用固定台10の中
間部位に設けられている。この可倒式レスト22は艇の
入出庫の際、艇底部に損傷を与えないよう設置面には柔
軟な発砲ウレタン材、発砲スチロール材などが取付き構
成されている。
【0046】可倒式レスト22は、図6および図7に示
すように、ヒンジ23を中心として回転する。また、可
倒式レスト22の一方には可倒レバー24が取付けられ
ており、当該可倒レバー24を可倒式レスト22の他方
に架け渡しピン等にてロックすることにより起立し、逆
にロックを外すことでヒンジ23を介して可倒式レスト
22は倒れるように構成されている。なお、可倒式レス
ト22は、図6および図7に示すような一体型でなくて
もよく、艇の長さ方向に分割して設けてもよい。
【0047】艇が格納される時には、図6のように可倒
レバー24を架け渡しロックすることで一対の可倒式レ
スト22は起立状態が保持される。一方、車が格納され
る時には、図7のように可倒レバー24に備え付けられ
た一対の可倒式レスト22に対するロックを外し、可倒
式レスト22はヒンジ23を介して倒れた状態とする。
なお、図示を省略するが車用固定台10には車止めが固
定されている。このような可倒式レスト22の起倒作用
を機械機構(リンク、バネ等)と動力源(油圧、電力
等)を介して自動化させることも可能である。
【0048】以上の構成において、実施の形態2の艇・
車格納庫において、艇および車が艇・車格納構造物1に
搬出・搬入される手順について説明する。まず、艇を艇
・車格納構造物1から搬出され、着水するまでの手順は
実施の形態1と同様である。次に、車が艇・車格納構造
物1に搬入されるが、艇が艇・車格納構造物1から搬出
された直後に、人力で可倒レバー24のロックを外すこ
とにより、可倒式レスト22を図7のように倒した状態
にする。
【0049】その後、実施の形態1と同様にして格納位
置まで運搬された車を乗せたフォーク7は、串歯状の車
用固定台10の上部位置へ移動して、順次降下させ車用
固定台23の串歯間にフォーク7の串歯が通過すること
により車用固定台10へ車を乗せ変えることができる。
【0050】一方、艇・車格納構造物1へ艇を搬入する
際は、車を搬出後、艇を格納するまで、上記手順と逆の
手順を行うこととなる。つまり、車が艇・車格納構造物
1から搬出された直後に、人力で可倒レバー24のロッ
クを元の位置に戻す事により、可倒式レスト22は起立
状態となり、艇を可倒式レスト22上に載せることが可
能となる。
【0051】前述したように実施の形態2によれば、艇
用の可倒式レスト22と車用の車用固定台10を艇・車
格納構造物1に設けることによって双方の保管をするこ
とができ、従来のように艇保管用建造物と車保管用建造
物を各々設ける必要がなく、建物を削減できるとともに
環境負荷への低減が図られる。
【0052】また、艇用の可倒式レスト22が倒れるこ
とにより、フォーク7が艇・車格納構造物1内に挿入さ
れ車を搬出入する際、障害物がなくなる結果、フォーク
7の操作は簡易且つ迅速で確実性のあるものとなり、ト
ラブル等を未然に防ぐことができる。
【0053】(実施の形態3)図8は、実施の形態3の
艇・車格納庫の平面図を示し、図9は、実施の形態3の
艇・車格納庫の断面図を示し、図10は、実施の形態3
の艇・車格納庫の立面図を示す。
【0054】保管庫ラック31の水面に接する面側をク
レーン33が艇・車格納庫(ラック構造物)上方の走行
用レール34に沿って艇を乗せて移動する。保管庫ラッ
ク31への収納および離着水はクレーン33により行わ
れる。また車はスロープ37を利用して所定の保管位置
まで自走して収納される。また、本方式はフォーク35
にエアチューブを装着させている。これにより、静穏域
ではない水面での船の離着水を可能としている。
【0055】実施の形態3では、艇・車格納庫の保管庫
部であるラック31の水面に接する面側を、クレーン3
3がラック構造物上方の走行用レール34に沿って艇を
乗せて移動する。なお、実施の形態3ではラックが一つ
の為、クレーンが片側に位置するが、ラックが2つあ
り、その間にクレーンが位置していてもよい。
【0056】また、艇および車の搬出入の順序は、ま
ず、クレーン33が所定の艇の保管されている位置まで
移動し、艇を2本のフォーク35のエアチューブ部(実
施の形態1の図5と同様である)と接するように保管庫
より持ち上げられる。持ち上げられた艇は水面までクレ
ーン33により下降した後着水する。このとき、着水場
所が静穏域でない場合でも、エアチューブが艇底面と非
静穏水面との緩衝材の役割を担うことにより、着水作業
がスムースになる。
【0057】一方、車は艇・車格納庫の端部に備え付け
られたスロープ37および通路36を利用して、自走し
て保管させる位置まで移動する。艇が出庫した後、ラッ
ク内に自走して進入し保管作業は終了する。なお、ラッ
クから車を取り出し、艇を収容する場合には上記とまっ
たく逆の作業を行うこととなる。
【0058】実施の形態3では、艇はクレーンによりラ
ックから出入庫し、車は艇のラックからの出入方向と逆
側よりスロープおよび通路を利用して自走により出入庫
する。また、実施の形態3の構成では、一つのパレット
に車が2台載ることになる。これは艇の利用者が必ずし
も1台の車でマリーナまで来るとは限らないことに基づ
く。
【0059】(実施の形態4)図11は、実施の形態4
の艇・車格納庫の平面図を示し、図12は、実施の形態
4の艇・車格納庫の断面図を示し、図13は、実施の形
態4の艇・車格納庫の立面図を示す。
【0060】保管庫ラック41の下段1艇分の空きスペ
ースを利用して下段のスライド移動式パレット42と上
段の昇降移動式パレット43とで艇および車の出入を行
う。艇のラックからの出入は水面に接する45側から行
い、水上への着水には揚艇機47を利用する。また、車
のラックからの出入は水面に接する方向と逆の46側か
ら行う。
【0061】このように実施の形態4では艇・車格納庫
の保管庫ラック41の下段1艇分の空きスペースを利用
して下段のスライド移動式パレット42と上段の昇降移
動式パレット43とで艇および車の出入を行う。
【0062】艇および車の搬出入の順序は、まず、所定
の艇の保管されている上段位置48の真下位置49が艇
の空きスペースとなるように、下段のパレット全体が左
右にスライド移動する。その後、上段位置48のパレッ
トおよび艇は真下位置49まで降下する。艇はそのまま
水面に接する45側から揚艇機47の位置まで移動し、
揚艇機47により水面へと着水する。車はその後、水面
に接する方向と逆の46側から真下位置49まで移動
し、ラック内に入庫する。真下位置49のパレットおよ
び車は上段位置48まで上昇して入庫終了。また、所定
の艇が下段のラックに収められている場合は、ラックが
スライドおよび昇降することなく、艇および車は入出庫
することとなる。
【0063】一方、ラックから車を取り出し、艇を収容
する場合には上記とまったく逆の作業を行うこととな
る。なお、実施の形態4では、一つのパレットに車が2
台載ることになる。これは艇の利用者が必ずしも1台の
車でマリーナまで来るとは限らないことに基づく。
【0064】(実施の形態5)図14は、実施の形態5
の艇・車格納庫の平面図を示し、図15は、実施の形態
5の艇・車格納庫の断面図を示し、図16は、実施の形
態5の艇・車格納庫の立面図を示す。
【0065】実施の形態5では艇・車格納庫の保管庫ラ
ック51、52の中央に備え付けられた昇降装置53に
よりパレットが昇降することで艇および車の出入を行
う。艇および車の搬出入の順序は、まず、所定の艇の保
管されているパレット58および艇は中央の昇降装置5
3のある場所までスライド移動する。
【0066】パレット58および艇は、昇降装置53を
介して最下端59まで移動した後、艇のみがエアチュー
ブ付フォーククレーン57により55側に運び出され
る。運び出された艇はエアチューブ付フォーククレーン
57によって降下し、水面へと着水する。車はその後、
水面に接する方向と逆の46側から最下端59まで移動
し、ラック内に入庫する。最下端59のパレットおよび
車は昇降装置53によって上昇して所定の位置まで移動
し入庫を終了する。
【0067】なお、実施の形態5のパレット移動方式は
中央の昇降装置によりパレットが移動する方式である
が、パレット全体がサークル状に回転するシステムでも
可能である。また、実施の形態5では艇用のレスト60
と車用の走行わだち61とがパレット58上に設置され
ており、艇用のレスト60がパレット上で可動すること
により、艇と車の両方を収納することを可能としてい
る。
【0068】一方、ラックから車を取り出し、艇を収容
する場合には上記とまったく逆の作業を行うこととな
る。なお、実施の形態5では、一つのパレットに車は2
台載ることになる。これは艇の利用者が必ずしも1台の
車でマリーナまで来るとは限らないことに基づく。
【0069】(実施の形態6)図17は、この発明の実
施の形態6にかかる立体艇庫を示す斜視図である。この
立体艇庫100は、例えば2階建ての直方体形状のプレ
ハブ建屋110で構成されており、車輪を備えた移動可
能な架台121上に載置された艇5を保管すると共に、
自動車106の駐車もできる艇保管区域115を各々区
画している2階に渡る艇保管階111、112と、各階
への自動車106の乗り入れを可能にするように建屋1
10の外周部に設けられた傾斜路116と、艇保管階1
11、112に渡って艇105を架台121に載置した
状態で昇降移動する昇降装置130と、1階において海
岸等の水辺103に設けられ、艇105を架台121か
ら水上104へ、また艇105を水上104から架台1
21へ移す揚降機140とから構成されている。
【0070】また、前記傾斜路116の出入口116a
は、建屋110の海岸側に向いて位置しており、好まし
くは昇降装置130の近傍に位置しているのがよい。傾
斜路116は勾配を小さくするためにその長さが長くな
る傾向にあるから、出入口116aを海岸側に向けるこ
とで、出入口116aから海岸までの距離が小さくな
り、自動車106でやってきた利用者(例えば運転手以
外)が出入口116aで降りて、艇105が昇降装置1
30によって搬出されたときに直ぐに艇105まで歩く
ことができる。このため、利用者が立体艇庫100を利
用している時間を短縮できるので、艇105の入庫・出
庫作業を効率的に行え、特に利用者が多く、立体艇庫1
00が混雑する休日等に有効である。
【0071】また、100台以上の艇105を保管する
ような大型の立体艇庫100の場合、傾斜路116の出
入口116aと昇降装置130が離れていると、利用者
の歩く距離が長くなって、結果的に艇105の出庫・入
庫作業に時間がかかってしまうが、傾斜路116の出入
口116aを海岸側に向け、好ましくは昇降装置130
の近傍に位置させることで、利用者の歩く距離を少なく
し、より利用者が立体艇庫100を利用している時間を
短縮できることになる。さらに、同図では立体艇庫10
0の海岸側に揚降機140を設けているが、立体艇庫1
00と揚降機140とが離れている場合は、海岸側であ
って且つ揚降機140側に位置させるのが好ましい。こ
れにより、利用者が艇105の近くで自動車106から
降りることができるので、さらに利用者が立体艇庫10
0を利用している時間を短縮でき、出庫・入庫作業をよ
り効率的に行えるようになる。
【0072】さらに、同図に示すように、艇乗り場15
0には、利用者が待機するための待機建物151が設置
してある。このため、傾斜路116の出入口116a
を、艇乗り場150、または艇乗り場150の待機建物
151の近傍に位置させることもできる。この場合、運
転手以外の利用者は傾斜路116の出入口116aで自
動車106から降り、艇乗り場150まで歩き、艇乗り
場150または待機建物151で艇105が来るのを待
てば良い。このようにすれば、短時間で移動できるし、
利用者が立体艇庫100の周辺を歩くことで、艇105
の出庫・入庫作業の邪魔にならなくなり、より安全にな
る。なお、待機建物151は海岸に沿って設置されてい
るとは限らないので、この場合、待機建物151に近け
れば傾斜路116の出入口116aが海岸側を向いてい
る必要はない。
【0073】また、各艇保管階111、112には、艇
105を載置した架台121移動させる牽引車125が
用意されており、一般に艇105の底中央部に設置され
ている架台121に対して牽引車125を係合させるこ
とで比較的大型の艇の人力による移動も極めて容易にな
る。揚降機140の設置された1階では、牽引車125
を横移動車125’と称する。
【0074】昇降装置130は、水辺103において互
いに間隔をおいて設けられた入庫用リフター131と出
庫用リフター132とから構成されており、各リフター
131、132は、降りた状態で地面と面一となり、地
面に埋設された駆動装置とトグル機構によって昇降する
構成となる。揚降機140は、これら両リフター13
1、132の間に設けられていて、艇105の底の前部
と後部を台車142から垂下されたストラップ141、
141によって吊って、水辺103から水上104に張
り出されたレール143に沿って前後移動するようにな
っている。揚降機140を、両リフター131、132
の間に設けることで、揚降機140とリフター131、
132との間の受け渡しを、牽引車125によって横移
動させるだけで済むので、入庫・出庫作業を簡便化する
ことができる。
【0075】なお、同図では、揚降機140を建屋11
0と略一体に設けた例を示したが、揚降機140は建屋
110から離して設けることもできる。また、入庫用リ
フター131と出庫用リフター132とは、同図では建
屋110の海岸側に設けたが、例えば入庫用リフター1
31を建屋110の横側、或いは海岸側と反対側に設け
るようにしてもよい。このようにすれば、入庫する艇1
05と出庫する艇105とが1箇所に集まらないため渋
滞が緩和され、また入庫する艇105と出庫する艇10
5の流れを一方向にできるので、出庫・入庫作業が安全
かつ効率的に行える。
【0076】上記立体艇庫100では、艇105の保有
者や利用者が艇105を利用する際、傾斜路116によ
って艇105の保管してある艇保管階112に自動車1
06に乗って来た場合、その自動車106を、艇105
を架台121ごと引き出した後の艇保管区域115に駐
車するようにする。続いて、牽引車125によって架台
121に載置した艇105を昇降装置130と横移動車
125’と揚降機140とを利用して容易に水上104
に移す。そして、空いた架台121は、艇保管区域11
5の自動車106の前に置くようにする。このようにす
ることで、架台121の保管場所を別途設ける必要が無
いため、立体艇庫100をコンパクトにでき、場所をと
らず狭いマリーナにも設置することができるようにな
る。また、架台121が艇保管区域115にあることで
出庫・入庫時に利用者が複数の場所を移動する手間が省
け、架台121の管理を分散できるので、出庫・入庫作
業が簡単になる。
【0077】ここで、自動車106および架台121を
艇保管区域115にとめるにあたっては、この艇保管区
域115の横寸法が、自動車106の横幅寸法以上であ
り、縦寸法が自動車106および架台121の長さ寸法
を合わせた寸法以上となるようにするのが好ましい。な
お、大型の艇105を保管している艇保管区域115の
場合は、当該艇保管区域115内に自動車106を複数
台駐車できるので、白線等により自動車専用の区画を艇
保管区域115内に設けるようにしてもよい。このよう
にすれば、効率的に自動車106を駐車できるし、複数
の自動車106によりマリーナに来た利用者に対応する
ことができる。すなわち、この立体艇庫100では、艇
保管区域115の面積が1台または2台以上の自動車1
06と架台121を置くことができる面積を有していれ
ばよい。
【0078】一方、利用し終わった艇105は、揚降機
140まで運んでおいた架台121に揚降機140によ
って載置し、横移動車125’によって昇降装置130
に渡して艇保管階112まで運び、牽引車125によっ
て架台121ごと艇保管区域115に移動し、自動車1
06を出した後のその艇保管区域115に戻せば良い。
【0079】また、この立体艇庫100では、昇降装置
130を入庫用リフター131と出庫用リフター132
とから構成しているから、日曜日や祭日等の利用者で混
み合う日でも出す艇105と空いて戻す架台121との
干渉や、戻す艇105と迎えに行く架台121との干渉
を防いでスムースに艇105の出し入れを行うことがで
きる。また、それら入庫用リフター131、出庫用リフ
ター132の間に揚降機140を設置し、横移動車12
5’による横移動によって、それら入庫用リフター13
1、出庫用リフター132の間での艇の受け渡しを行う
ので、入庫および出庫作業を簡単に行うことができる。
なお、昇降装置130は、1台で入庫と出庫を兼務する
こともできる他、3組以上の入庫用リフター131とお
よび出庫用リフター132を設けることができる。
【0080】また、図示しないが、艇保管区域115の
前に昇降する板状のフラップ装置を設置してもよい。艇
105を出庫しているときは自動車106の利用者が不
在であることが明らかであるから、盗難防止のため、利
用者によるパスワードの入力により置きあがり、自動車
106が艇保管区域115から出られなくなるような板
状のフラップ装置を設けることで、利用者が自動車10
6から離れている間に自動車106が盗難されるのを防
止できる。なお、板状のフラップ装置でなくても、自動
車106が艇保管区域115から出られない構造であれ
ば、これに限定されない。また、このフラップ装置は艇
105の盗難防止にも役立つ。
【0081】つぎに、建屋110二階の入庫用リフター
131の入口付近に牽引車125の待機スペースを設け
ることもできる(図示省略)。牽引車125は入庫用リ
フター131により艇105が搬入された場合、艇10
5の架台121を牽引して所定の艇保管区域115に保
管するために艇105を牽引するが、このとき牽引車1
25が建屋二階の定まっていない場所にあると、効率的
に艇105の移動ができない。そこで、入庫位置が入庫
用リフター131の位置に決まっていることに鑑み、常
にこの入庫用リフター131の近傍に待機スペースを設
け、入庫した艇105を迅速に移動できるようにした。
特に利用者が比較的少ないときは、牽引車125が常に
運転されているわけではないため、待機スペースに待機
させておくことが有効である。
【0082】なお、前記架台121は、利用者がある程
度移動させて自動車106を駐車し易いように、自走式
にしてもよい。具体的には、架台121にレバー操作の
できるブレーキを装備して利用者が押して安全に移動で
きるようにしてもよいし、モータを装備して電動で移動
できるようにしてもよい。また、建屋110の基礎は柱
の下のみで、鉄骨はプレハブ化されているから、設置が
容易である。さらに床面はコンクリート舗装すること
で、艇105や自動車106の移動をスムーズに行え
る。また、艇105の昇降をリフター131、132に
より行うので、クレーンのような面倒な操作が不要で、
省電力で運用できるといった利点がある。
【0083】また、建屋110の外壁側等に消火器を設
置する箱155を左右2箇所で4個設けるようにするの
が好ましい。法令上、艇庫専用の場合は消火器設備が不
要であるが、自動車106を駐車する場合は消火器設備
が必要になるからである。また、箱155を外壁の側面
に設けることで、艇105の出し入れに支障をきたすこ
とがない。
【0084】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の艇・車格
納庫(請求項1)は、艇用搬送手段で保管スペースに艇
を搬入または搬出し、車用搬送手段または車用搬送路で
保管スペースに車を搬入・搬出し、保管スペースに搬送
された艇または車は、それぞれ艇用固定手段または車用
固定手段で保管スペース内で固定されるため、マリーナ
施設において艇および車の両方を格納する艇・車格納庫
を提供できる。したがって、艇・車格納庫の合理的、効
率的な利用によって省スペース化を図ることができる。
また、保管されるものの時間差を利用して保管機能が要
求される建造物の実質利用効率の向上を図ることができ
る。また、敷地条件がマリーナ施設を整備する上で必ず
しも適していないと思われるような狭い敷地や水面が静
穏域ではない場所にでもマリーナ施設を整備することが
可能となる。さらに、艇保管用建造物と車保管用建造物
を各々設ける必要がなく、建物を削減できるとともに環
境負荷の低減を図ることができ、機械にかかるイニシャ
ルコストの低減および艇と車を管理する際に必要な人員
も軽減されランニングコストの削減にも繋がるという効
果を奏する。
【0085】また、本発明の艇・車格納庫(請求項2)
によれば、複数の保管スペースが艇・車格納庫内に立体
的に配置されいる立体艇・車格納庫(立体艇庫および立
体駐車場)であり、立体的に配置された保管スペースの
それぞれに艇および車を搬入・搬出することができるの
で、さらに省スペース化を図ることができる。
【0086】また、本発明の艇・車格納庫(請求項3)
によれば、車用固定台の開放部から艇用固定レストが艇
の底部を保持するように配置されているので、艇用固定
手段と車用固定手段とを効率的に省スペースに配置する
ことができる。
【0087】また、本発明の艇・車格納庫(請求項4)
によれば、車用固定台の間欠串歯状と艇用搬送手段のフ
ォークおよびエアーチューブとがお互いに接触すること
なく交差するので、車用固定台への車の載置および艇用
固定レストへの艇の載置が容易である。
【0088】また、本発明の艇・車格納庫(請求項5)
によれば、艇用固定レストのフォークが開閉自在である
ので、例えば、必要な応じてフォークを開閉し、艇の保
管に使用して、車の保管には邪魔にならない位置に移動
させることができる。
【0089】また、本発明の艇・車格納庫(請求項6)
によれば、搬送手段が1つで済むので、さらに省スペー
ス化およびコストの低減を図ることができる。
【0090】また、本発明の艇・車格納庫(請求項7)
によれば、多層階構造の各階に艇を保管すると共に艇を
出した後に自動車を保管し得る艇保管区画が複数設けら
れた建屋と、艇を支持すると共に移動自在な架台と、各
階に自動車を乗り入れるための自動車乗入手段と、二階
以上の階に対して架台ごと艇の昇降を行う昇降手段とを
備えたので、比較的狭いマリーナや水辺の艇保管場所で
も多数の艇と自動車を保管することができる。
【0091】また、本発明の艇・車格納庫(請求項8)
によれば、艇保管区域のそれぞれが自動車および架台の
両方を置き得る面積を有するので、自動車と架台を両方
保管できるから、確実に駐車場を確保できると共に架台
の保管スペースを別途設ける必要がなく、狭いマリーナ
に適したものとなる。
【0092】また、本発明の艇・車格納庫(請求項9)
によれば、上記艇・車格納庫にさらに架台を移動させる
牽引車を備えることで、比較的大型の艇であってもその
移動を極めて容易に行うことができるようになる。
【0093】また、本発明の艇・車格納庫(請求項1
0)によれば、昇降手段として、入庫用リフターと出庫
用リフターと別に備えたので、スムーズに艇の出し入れ
を行うことができるようになる。
【0094】また、本発明の艇・車格納庫(請求項1
1)によれば、上記艇・車格納庫に、さらに入庫用リフ
ターと出庫用リフターとを海岸側に設けると共に、艇を
架台から水上へ、または艇を水上から架台へ移す揚降機
を、前記入庫用リフターと出庫用リフターとの間に設け
たので、艇の出庫・入庫作業を簡単にできる。
【0095】また、本発明の艇・車格納庫(請求項1
2)によれば、上記艇・車格納庫の乗り入れ手段が各階
に通じる傾斜路であり、その傾斜路の上り口が少なくと
も海岸側に向いているので、利用者の移動距離を短くで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1にかかる艇・車格納庫の
平面図である。
【図2】本発明の実施の形態1にかかる艇・車格納庫の
正面図である。
【図3】本発明の実施の形態1にかかる艇・車格納庫の
搬送部位を示す説明図である。
【図4】本発明の実施の形態1にかかる艇・車格納庫へ
艇・車が格納された状態を示す説明図である。
【図5】実施の形態1のフォークと艇・車の保管スペー
スの斜視図である。
【図6】本発明の実施の形態2にかかる艇・車格納庫の
艇格納時平面図および正面図である。
【図7】本発明の実施の形態2にかかる艇・車格納庫の
車格納時平面図および正面図である。
【図8】本発明の実施の形態3にかかる艇・車格納庫の
平面図である。
【図9】本発明の実施の形態3にかかる艇・車格納庫の
断面図である。
【図10】本発明の実施の形態3にかかる艇・車格納庫
の立面図である。
【図11】本発明の実施の形態4にかかる艇・車格納庫
の平面図である。
【図12】本発明の実施の形態4にかかる艇・車格納庫
の断面図である。
【図13】本発明の実施の形態4にかかる艇・車格納庫
の立面図である。
【図14】本発明の実施の形態5にかかる艇・車格納庫
の平面図である。
【図15】本発明の実施の形態5にかかる艇・車格納庫
の断面図である。
【図16】本発明の実施の形態5にかかる艇・車格納庫
の立面図である。
【図17】本発明の実施の形態6にかかる艇・車格納庫
の立面図である。
【図18】従来のマリーナ施設の駐車場を示す説明図で
ある。
【図19】従来のマリーナ施設の駐車場を示す説明図で
ある。
【図20】従来のマリーナ施設の駐車場を示す説明図で
ある。
【符号の説明】
1 艇・車格納構造物 2 走行レール2 3 駆動台車 4 ドーリ 5 支持フレーム 6 ウィンチ 6a チェーン 7 フォーク 8 ガイド 9 艇用固定レスト 10 車用固定台 11 エアーチューブ 12 横行用レール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吹原 正晃 神戸市兵庫区和田崎町一丁目1番1号 三 菱重工業株式会社神戸造船所内 (72)発明者 城 衛 神戸市兵庫区和田崎町一丁目1番1号 三 菱重工業株式会社神戸造船所内 (72)発明者 島崎 正則 神戸市兵庫区和田崎町一丁目1番1号 三 菱重工業株式会社神戸造船所内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マリーナ施設において艇および車の両方
    を格納する艇・車格納庫であって、 前記艇および車を保管するための複数の保管スペース
    と、 前記艇を固定するために前記保管スペースのそれぞれに
    配設された艇用固定手段と、 前記車を固定するために前記保管スペースのそれぞれに
    配設された車用固定手段と、 前記保管スペースに前記艇を搬入・搬出する艇用搬送手
    段と、 前記保管スペースに前記車を搬入・搬出する車用搬送手
    段または前記保管スペースに前記車を搬入・搬出させる
    ための車用搬送路と、 を備えたことを特徴とする艇・車格納庫。
  2. 【請求項2】 前記複数の保管スペースは、艇・車格納
    庫内に立体的に配置されており、前記艇用搬送手段は、
    前記立体的に配置された保管スペースのそれぞれに前記
    艇を搬入・搬出し、前記車用搬送手段または前記車用搬
    送路は、前記立体的に配置された保管スペースのそれぞ
    れに前記車を搬入・搬出することを特徴とする請求項1
    に記載の艇・車格納庫。
  3. 【請求項3】 前記艇用固定手段は艇用固定レストであ
    り、前記車用固定手段は車用固定台であり、さらに、前
    記車用固定台は、前記車を載置した状態で前記車の左右
    の車輪間の内側に相当する部分に開放部が設けられてお
    り、前記艇用固定レストは、前記車用固定台の開放部か
    ら前記艇の底部を保持するように配置されていることを
    特徴とする請求項1または2に記載の艇・車格納庫。
  4. 【請求項4】 前記車用固定台は開放部側が間欠串歯状
    に形成されており、前記艇用搬送手段は間欠串歯状を有
    するフォークと該フォークの間欠部位に設けられたエア
    ーチューブとから成り、さらに、前記車用固定台の間欠
    串歯状と前記艇用搬送手段のフォークおよびエアーチュ
    ーブとがお互いに接触することなく交差可能に配置され
    ていることを特徴とする請求項3に記載の艇・車格納
    庫。
  5. 【請求項5】 前記フォークの基端部にはスライド機構
    が設けられており、前記フォークが前記スライド機構に
    よって開閉自在であることを特徴とする請求項4に記載
    の艇・車格納庫。
  6. 【請求項6】 前記艇用搬送手段と前記車用搬送手段と
    を同一の手段で構成したことを特徴とする請求項1〜5
    のいずれか一つに記載の艇・車格納庫。
  7. 【請求項7】 多層階構造の各階に艇を保管すると共に
    艇を出した後に自動車を保管し得る艇保管区画が複数設
    けられた建屋と、 艇を支持すると共に移動自在な架台と、 各階に自動車を乗り入れるための自動車乗入手段と、 二階以上の階に対して架台ごと艇の昇降を行う昇降手段
    と、 を備えたことを特徴とする艇・車格納庫。
  8. 【請求項8】 前記艇保管区域のそれぞれが、自動車お
    よび架台の両方を置き得る面積を有することを特徴とす
    る請求項7に記載の艇・車格納庫。
  9. 【請求項9】 さらに、架台を移動させる牽引車を備え
    たことを特徴とする請求項7または8に記載の艇・車格
    納庫。
  10. 【請求項10】 前記昇降手段として、入庫用リフター
    と出庫用リフターと別に備えたことを特徴とする請求項
    7〜9のいずれか一つに記載の艇・車格納庫。
  11. 【請求項11】 さらに、前記入庫用リフターと出庫用
    リフターとを海岸側に設けると共に、艇を架台から水上
    へ、または艇を水上から架台へ移す揚降機を、前記入庫
    用リフターと出庫用リフターとの間に設けたことを特徴
    とする請求項10に記載の艇・車格納庫。
  12. 【請求項12】 前記乗り入れ手段が各階に通じる傾斜
    路であり、その傾斜路の上り口が少なくとも海岸側に向
    いていることを特徴とする請求項7〜11のいずれか一
    つに記載の艇・車格納庫。
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