JP2002317270A - 堆積膜形成装置のクリーニング処理方法、クリーニング処理用円筒状基体、および機能性堆積膜 - Google Patents

堆積膜形成装置のクリーニング処理方法、クリーニング処理用円筒状基体、および機能性堆積膜

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JP2002317270A
JP2002317270A JP2001120905A JP2001120905A JP2002317270A JP 2002317270 A JP2002317270 A JP 2002317270A JP 2001120905 A JP2001120905 A JP 2001120905A JP 2001120905 A JP2001120905 A JP 2001120905A JP 2002317270 A JP2002317270 A JP 2002317270A
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reaction vessel
deposited film
cylindrical
cleaning
dry etching
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JP2001120905A
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English (en)
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Hideaki Matsuoka
秀彰 松岡
Yoshio Seki
好雄 瀬木
Hiroyuki Katagiri
宏之 片桐
Tetsuya Karaki
哲也 唐木
Mitsuharu Hitsuishi
光治 櫃石
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 クリーニング処理時に発生する残渣の量を低
減させる。 【解決手段】 反応容器101内をクリーニングする
際、堆積膜を形成するためのAl製円筒状基体102の
直径φdxより小さい直径φdyのAl製円筒状ダミー
基体202を反応容器101内に設置してからドライエ
ッチングによるクリーニング処理を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラズマCVD法
により基体上に電子写真用受容部材、太陽電池、画像入
力用ラインセンサ、撮像デバイス、TFT等の半導体素
子として特に好適な機能性堆積膜(以下、「堆積膜」と称
する)を製造するための堆積膜形成装置のクリーニング
処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真用受容部材、太陽電池、
画像入力用ラインセンサ、撮像デバイス、TFT等の半
導体素子として使用する堆積膜としては、アモルファス
シリコン、例えば水素または/およびハロゲン(例えば
フッ素、塩素等)で補償されたアモルファスシリコン
(以後、a−Siと称する)膜が提案され、その中のい
くつかは実用に付されている。
【0003】a−Si膜等の堆積膜を形成するための装
置についても各種提案されていて、それらは例えば真空
蒸着によるもの、イオンプレーティング法によるもの、
熱CVD法によるもの等であり、中でもプラズマCVD
法等の減圧下での堆積膜形成方法が好適なものとして、
実用に付されている。
【0004】これらの堆積膜形成方法により、所定の基
体の表面上に堆積膜を形成する場合、堆積膜形成装置の
構成部材等に堆積膜あるいは粉体状の副生成物(以下、
ポリシランと称する)が堆積してしまう。
【0005】例えば、グロー放電分解によるプラズマC
VD法により成膜する場合には、堆積膜形成装置の内部
に設置した基体以外の部分であるサセプタ、対向電極あ
るいは堆積膜形成装置の内壁に堆積膜あるいはポリシラ
ンが形成される。
【0006】これらの堆積膜あるいはポリシランが、次
回の成膜時に自然落下したり、ガス流、排気系からの逆
流等により飛散してしまうことで、基板の表面上や形成
される堆積膜中に不純物として取り込まれて、膜特性を
悪化させたりあるいは基体上に付着するとピンホール等
の欠陥を発生させてしまう。
【0007】その結果、歩留りは大幅に低下してしま
う。
【0008】こうしたことから、数回の堆積膜の形成サ
イクルあるいは各堆積膜の形成サイクル毎に、堆積膜形
成装置の内部を清掃し、目的とする堆積膜形成個所以外
の部分に堆積した堆積膜あるいはポリシランを除去(以
下、「クリーニング」と称する)することが行われる。
【0009】その際のクリーニング方法の1つに、ドラ
イエッチング(DE)処理が挙げられる。このドライエ
ッチング処理は、クリーニング原料ガス(以下、「ドラ
イエッチング原料ガス」と称する)を堆積膜形成装置の
内部に導入し、プラズマ、熱、光等のエネルギにより励
起状態として、堆積膜あるいはポリシランを形成してい
る元素と反応させ、それらの元素を気相分子とし、排気
手段によって排除するものである。
【0010】ドライエッチング処理に使用するドライエ
ッチング用原料ガスとして、四フッ化炭素(CF4)、
フッ化窒素(NF3)、六フッ化硫黄(SF6)、三フッ化
塩素(ClF3)等を用いても、同様の効果を得ること
ができるが、低エネルギで分解でき、反応性に富み極め
て速いクリーニング速度を有するというメリットを持つ
三フッ化塩素(ClF3)が注目されており、各種提案
されている。
【0011】特開平6−2143号公報では、三フッ化
塩素(ClF3)の濃度を順次低下させながら、ドライ
エッチング処理する方法が記載されている。
【0012】特開平10−81950号公報では、50
〜100容量%の高濃度のフッ化塩素(ClF)、三フッ
化塩素(ClF3)、五フッ化塩素(ClF5)を用い
て、ドライエッチング処理する方法が記載されている。
【0013】特開平11−222680号公報では、三
フッ化塩素(ClF3)をドライエッチング処理で用い
る際に、ガス導入経路に複数の温度センサを設け、その
出力信号によりドライエッチング処理の条件の設定、ま
たは制御する方法が記載されている。
【0014】これらの技術により、効率良く高速で堆積
膜形成装置の内部をドライエッチング処理する方法が確
立されてきた。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】従来のプラズマCVD
法による堆積膜形成装置のドライエッチング処理方法に
おいて、機能性堆積膜の形成後に堆積膜形成装置の構成
部品であるカソード電極を兼ねる円筒状反応容器(以
下、「円筒状反応容器」と称する)の内部に存在する堆積
膜あるいはポリシランのドライエッチング処理時におい
て、堆積膜形成用のアノード電極を兼ねる円筒状基体
(以下、「円筒状基体」と称する)の加熱処理をおこなう
加熱手段を保護するために堆積膜形成用の円筒状基体と
同じ直径であるドライエッチング処理用のアノード電極
を兼ねる円筒状基体(以下、「円筒状ダミー基体」あるい
は、「クリーニング処理用円筒状基体」と称する)を用
いている。
【0016】このドライエッチング処理用の円筒状ダミ
ー基体を用いて、ドライエッチング処理をおこなった後
に円筒状反応容器の内部を確認したところ、堆積膜ある
いはポリシランを形成する物質の元素とドライエッチン
グ用原料ガスの元素とが結びついて発生する微小な粉状
の物質(以下、「残渣」と称する)が残存していた。
【0017】この残渣が、次回の機能性堆積膜の形成時
に自然落下したり、ガス流、排気系からの逆流等により
飛散し、基板の表面表面上や形成される堆積膜中に不純
物として取り込まれてしまうことで、実用性に問題が無
いレベルの微小な表面欠陥の発生要因となっている場合
があったが、従来の電子写真装置は文字を複写すること
を主たる用途としており、活字原稿(いわゆるラインコ
ピー)が中心であったので、実用性に問題が無いレベル
の微小な表面欠陥が要因となって発生する微小なポチ等
の画像欠陥は実用上大きな問題とならなかった。
【0018】しかしながら、近年、電子写真装置の高画
質化、低コスト化、高速化、高耐久化は急速に進んでお
り、画像特性の向上を図るために電子写真装置内の光学
装置、現像装置、転写装置等の改良がなされた結果、現
像の解像力が向上し、写真等のハーフトーンを含む原稿
が多くコピーされるようになり、従来では実用性に問題
がなかったレベルである微小な画像欠陥も指摘されるよ
うになってきた。
【0019】また、電子写真感光体の低コスト化を図る
ためには、ドライエッチング処理時間の短縮を図ること
で、製造コストを低減させる方法を挙げることができる
が、さらなる効果を得るためには、排気系の可動部分を
潤滑させるオイルの交換頻度を低減することで、装置の
メンテナンスの時間や消耗品等についての製造コストの
低減を図る方法も挙げられる。
【0020】前述したオイル交換は、ドライエッチング
処理時に用いるフッ素系のドライエッチング原料ガス
が、プラズマ放電により分解できなかった未反応のフッ
素系のドライエッチング原料ガス(以下、「未反応ガス」
と称する)が、排気系に流れ込んでしまった場合、排気
系の可動部分の潤滑をおこなっているオイルが、未反応
ガスと触れ合うことにより、オイルを構成する主に炭素
と水素からなる連鎖結合が瞬時に切断され、オイルが低
分子化されてしまう。
【0021】そして、オイルの粘度が低下し、潤滑剤と
して必要な粘度を保つことが不可能となってしまい排気
系の可動部分への負荷を増大させる。
【0022】こうして、生産能力の低下を招く要因とな
ってしまう。
【0023】そのため、数回の堆積膜の形成とドライエ
ッチング処理のサイクル毎に、堆積膜形成装置のメンテ
ナンスを実施し、排気系の可動部分のオイル交換をおこ
ない前述した排気系の可動部分への負荷の低減を図って
いた。
【0024】よって、低コスト化を図るためには、オイ
ルの劣化の低減を図ることで、交換頻度を低減させ、堆
積膜形成装置のメンテナンス時間や消耗品等の製造コス
トを低減させる必要がある。
【0025】以上のような理由により、微小な画像欠陥
を低減させた製品を歩留まり良く安値で、作製する技術
が求められるようになった。
【0026】そこで、本発明は、前述のごときプラズマ
CVD法による堆積膜形成装置を用いた堆積膜形成後の
ドライエッチング処理時における諸問題を克服し、前述
した要求を満たすことを目的とする。
【0027】すなわち、本発明は、ドライエッチング処
理時に円筒状反応容器の内部に発生する残渣の量を低減
させ、ドライエッチング処理時間の短縮や装置関連のメ
ンテナンスや、消耗品の交換頻度を低減することで、製
造コストを低減しうるプラズマCVD法による堆積膜形
成装置のクリーニング処理方法、クリーニング処理用円
筒状基体、および機能性堆積膜を提供することを目的と
する。
【0028】
【課題を解決するための手段】本発明者は以下のような
知見に基づいて完成に至ったものである。
【0029】本発明におけるプラズマCVD法による堆
積膜形成装置のクリーニング処理方法は、減圧下で堆積
膜の形成をおこなう堆積膜形成装置の気相化学法による
ドライエッチング処理方法であり、ドライエッチング処
理時においてのドライエッチング処理効率の向上を図る
ことにより、ドライエッチング処理時に円筒状反応容器
の内部に発生する残渣の量の低減を図る品質面の向上
と、ドライエッチング処理時間の短縮と装置関連のメン
テや消耗品の交換頻度の低減を図る製造コストの低減を
同時に達成するために鋭意検討をおこなった。
【0030】その結果、堆積膜形成後の円筒状反応容器
内部のドライエッチング処理時に用いる円筒状ダミー基
体の直径φdyは、堆積膜形成時に用いる円筒状基体の
直径φdxより小さく、さらに好ましくはφdx×0.
5≦φdy<φdxの範囲を満たすことで、ドライエッ
チング処理後に円筒状反応容器の内部に残存する残渣の
量を大幅に低減でき、品質面の向上効果だけでなく、ド
ライエッチング処理時間の短縮や、排気系への負荷を低
減による製造コストの低減効果も同時に得られるという
ことを見出すに至った。
【0031】前述した本発明の効果は、以下の理由によ
るものと考えられる。
【0032】ドライエッチング処理時に用いる円筒状ダ
ミー基体の直径φdyが、堆積膜形成時に用いる円筒状
基体の直径φdxより小さくなることで、反応空間が広
くなり、反応空間内の流速が低下し、円筒状反応容器の
内部に導入されたドライエッチング原料ガスの対流時間
が長くなり、プラズマ強度とのバランスが、最適な状態
となった結果、ドライエッチング処理効率が向上し、円
筒状反応容器の内部に発生する残渣の量を大幅に低減し
うる効果を得られたと考えられる。
【0033】さらに本発明においては、ドライエッチン
グ処理時に用いる円筒状ダミー基体の直径φdyが、堆
積膜形成時に用いる円筒状基体の直径φdxに対して、
φdx×0.5<φdyの範囲を満たすことで、ドライ
エッチング処理時間に関しても、良好な効果を示すこと
が分かった。
【0034】ドライエッチング処理時に用いる円筒状ダ
ミー基体の直径φdyが、堆積膜形成時に用いる円筒状
基体の直径φdxより、0.5倍未満とした場合には、
反応空間がさらに広くなり、反応空間内の流速がさらに
低下し、円筒状反応容器の内部に導入されたドライエッ
チング原料ガスの対流時間がさらに長くなるが、放電空
間が広くなりすぎるためにプラズマ強度が低下してしま
いドライエッチング原料ガスの対流時間とプラズマ強度
とのバランスが、最適化されなかった結果、ドライエッ
チング処理時間についての効果が得られなかったと推測
される。
【0035】また、ドライエッチング処理時に用いる円
筒状ダミー基体の直径φdyが、堆積膜形成時に用いる
円筒状基体の直径φdxより大きくなる場合では、反応
空間が狭くなり、プラズマ強度が大幅に増大するが、反
応空間内の流速が上がってしまい円筒状反応容器の内部
に導入されたドライエッチング原料ガスの対流時間、プ
ラズマ強度のバランスが最適化されなかった結果、ドラ
イエッチング処理時に円筒状反応容器の内部に発生する
残渣の量についての効果を得られなかったと推測され
る。
【0036】さらに本発明においては、ドライエッチン
グ処理時に円筒状反応容器の内部に導入されたドライエ
ッチング原料ガスの対流時間とプラズマ強度とのバラン
スが最適な状態となり、ドライエッチング処理効率が向
上し、排気系に流れるガスは排気系へのダメージが比較
的低い物質となるために排気系の可動部分への負荷を低
減できる効果も得られることが分かった。
【0037】以上の知見に基づき、堆積膜形成後の円筒
状反応容器内部のドライエッチング処理時に用いる円筒
状ダミー基体の直径φdyは、堆積膜形成時に用いる円
筒状基体の直径φdxより小さく、さらに好ましくは、
φdx×0.5≦φdyの範囲を満たすことで、ドライ
エッチング処理効率を向上させたものである。
【0038】すなわち、上記目的を達成するため、本発
明の堆積膜形成装置のクリーニング処理方法は、減圧可
能で、電極を兼ねた円筒形状の反応容器と、前記反応容
器内を排気する排気部とを有する、プラズマCVD法に
より堆積膜を形成する堆積膜形成装置を用い、前記反応
容器内に原料ガスおよび放電電力を導入し、前記放電電
力によって前記原料ガスを分解して、前記反応容器内に
設置された電極を兼ねた堆積膜形成用円筒状基体の表面
上に機能性堆積膜を形成した後の前記反応容器内のクリ
ーニング処理方法において、前記反応容器内をクリーニ
ングする際、前記堆積膜形成用円筒状基体の直径φdx
より小さい直径φdyの、電極を兼ねるクリーニング処
理用円筒状基体を前記堆積膜形成用円筒状基体の代わり
に前記反応容器内に設置し、ドライエッチング処理を行
う工程を含むことを特徴とする。
【0039】上記の通りの本発明の堆積膜形成装置のク
リーニング処理方法は、反応容器内をクリーニングする
際、堆積膜形成用円筒状基体の直径φdxより小さい直
径φdyのクリーニング処理用円筒状基体を反応容器内
に設置してからドライエッチングによるクリーニング処
理を行う。このため、反応空間が広くなり、反応空間内
の流速が低下し、円筒状反応容器の内部に導入されたド
ライエッチング原料ガスの対流時間が長くなり、プラズ
マ強度とのバランスが最適な状態でクリーニング処理を
行うことができる。
【0040】本発明のクリーニング処理用円筒状基体
は、減圧可能で、電極を兼ねた円筒形状の反応容器と、
前記反応容器内を排気する排気部とを有する、プラズマ
CVD法により堆積膜を形成する堆積膜形成装置を用
い、前記反応容器内に原料ガスおよび放電電力を導入
し、前記放電電力によって前記原料ガスを分解して、前
記反応容器内に設置された電極を兼ねた堆積膜形成用円
筒状基体の表面上に機能性堆積膜を形成した後の前記反
応容器内のクリーニング処理方法に用いられるクリーニ
ング処理用円筒状基体であって、直径φdyが、前記堆
積膜形成用円筒状基体の直径φdxより小さいことを特
徴とする。
【0041】上記の通りの本発明のクリーニング処理用
円筒状基体は、堆積膜形成用円筒状基体の直径φdxよ
り小さい。このため、クリーニング処理時における反応
空間が広くなり、反応空間内の流速が低下し、円筒状反
応容器の内部に導入されたドライエッチング原料ガスの
対流時間が長くなり、プラズマ強度とのバランスが最適
な状態でクリーニング処理を行うことができる。
【0042】また、本発明のクリーニング処理用円筒状
基体は直径φdyが、φdx×0.5≦φdy<φdx
の範囲を満たすものであってもよい。
【0043】本発明の機能性堆積膜は、本発明のクリー
ニング処理方法によりクリーニングされた前記反応容器
内でプラズマCVD法により形成された機能性堆積膜で
あって、シリコンを母材とする非晶質材料からなる光受
容部材が形成されていることを特徴とする。
【0044】また、本発明の機能性堆積膜は、本発明の
クリーニング処理用円筒状基体によりクリーニングされ
た前記反応容器内でプラズマCVD法により形成された
機能性堆積膜であって、シリコンを母材とする非晶質材
料からなる光受容部材が形成されていることを特徴とす
る。
【0045】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。
【0046】図1は、堆積膜を形成するための本発明の
堆積膜形成装置の一例で、RF帯の高周波を用いたプラ
ズマ放電によるRFプラズマCVD法による堆積膜の製
造装置の概略縦断面図である。
【0047】本実施形態の堆積膜形成装置は大別する
と、堆積装置191、原料ガス供給装置192、堆積装
置191の構成部品である円筒状反応容器101内を減
圧にするための排気装置193から構成されている。
【0048】円筒状反応容器101内には、直径φdx
であるアノード電極を兼ねる堆積膜形成用のAl製円筒
状基体(以下、Al製円筒状基体と称する)102、A
l製円筒状基体を保持するための円筒状基体ホルダ10
3、加熱用ヒータ104、ガス導入管105が設置さ
れ、さらにRF電源106、RFマッチングボックス1
07が接続されている。
【0049】原料ガス供給装置192は、シラン(Si
4)、ゲルマン(GeH4)、水素(H2)、メタン(C
4)、ジボラン(B26)およびホスフィン(PH3)等の
堆積膜形成用原料ガスボンベ121〜126と、堆積膜
形成用原料ガスボンベバルブ131〜136、堆積膜形
成用原料ガス流入バルブ141〜146、堆積膜形成用
原料ガス流出バルブ151〜156、およびマスフロー
コントローラ161〜166から構成され、各堆積膜形
成用原料ガスのボンベはバルブ109を介して、円筒状
反応容器101内に配置したガス導入管105に接続さ
れている。
【0050】また、ドライエッチング原料ガスボンベ1
27、128、ドライエッチング原料ガスボンベバルブ
137、138、ドライエッチング原料ガス流入バルブ
147、148、ドライエッチング原料ガス流出バルブ
157、158、およびマスフローコントローラ16
7、168から構成され、各ドライエッチング原料ガス
のボンベはバルブ110を介して、円筒状反応容器10
1内に配置したガス導入管105に接続されている。
【0051】この装置を使用して、直径φdxである堆
積膜形成用のAl製円筒状基体102の表面上に所定の
シリコンを主成分とする堆積膜の形成と、堆積膜形成後
に円筒状反応容器101内に残存する堆積膜あるいはポ
リシランをドライエッチング処理する方法は以下のよう
におこなうことができる。
【0052】まず、直径φdxである堆積膜形成用のA
l製円筒状基体102をAl製円筒状基体102を保持
するための円筒状基体ホルダ103にセットした状態
で、円筒状反応容器101内の所定の位置に設置した
後、排気装置193により、円筒状反応容器101内を
排気する。
【0053】所定の圧力になったところで、加熱用ヒー
タ104により、直径φdxであるAl製円筒状基体1
02の表面温度を200℃ないし400℃の所定の温度
に制御する。
【0054】直径φdxである堆積膜形成用のAl製円
筒状基体102の表面温度が所定の温度になったところ
で、堆積膜形成用原料ガスボンベバルブ131〜13
6、堆積膜形成用原料ガス流入バルブ141〜146、
堆積膜形成用原料ガス流出バルブ151〜156のうち
の必要なものを開き、堆積膜形成用原料ガスボンベ12
1〜126から所定の原料ガスをガス導入管105を介
して、円筒状反応容器101内に導入する。
【0055】次にマスフローコントローラ161〜16
6によって、各堆積膜形成用原料ガスが所定の流量にな
るように調整する。
【0056】その際、円筒状反応容器101の内圧が1
33Pa以下の所定の圧力になるように排気装置193
を調整する。
【0057】内圧が安定したところで、RF電源106
からRFマッチングボックス107を通じて、円筒状反
応容器101内にRF電源を導入し、プラズマ放電を生
起させる。
【0058】このプラズマ放電によって、円筒状反応容
器101内に導入された堆積膜形成用原料ガスが分解さ
れ、直径φdxである堆積膜形成用のAl製円筒状基体
102の表面上に所定のシリコンを主成分とする堆積膜
が形成される。
【0059】堆積膜の形成後、直径φdxである堆積膜
形成用のAl製円筒状基体102を、円筒状反応容器1
01の内部より取り出し、代わりに直径φdxであるA
l製円筒状基体102に対して、直径φdxの0.5倍
以上〜1.0倍未満の範囲を満たす直径φdyである、
図2に示すアノード電極を兼ねるAl製円筒状ダミー基
体202を円筒状反応容器101内の所定の位置に配置
し、排気装置193により円筒状反応容器101内を排
気する。
【0060】所定の圧力になったところで、バルブ10
9を閉じ、バルブ110を開け、ドライエッチング原料
ガスボンベ127、128より、バルブ110を介し
て、円筒状反応容器101内に配置したガス導入管10
5からドライエッチング原料ガスを導入する。
【0061】次にマスフローコントローラ167、16
8によって、各ドライエッチング用原料ガスが所定の流
量になるように調整する。
【0062】その際、円筒状反応容器101の内圧が4
0Pa以下の所定の圧力になるように排気装置193を
調整する。
【0063】内圧が安定したところで、RF電源106
からRFマッチングボックス107を通じて、円筒状反
応容器101内にRF電力を導入し、プラズマ放電を生
起させる。
【0064】このプラズマ放電によって、円筒状反応容
器101内に存在する堆積膜あるいはポリシランが、導
入されたドライエッチング用原料ガスが分解されて生成
されたラジカルと堆積膜、あるいはポリシランを構成し
ている元素と結合させて気相分子とし、排気手段によっ
て排除することで、ドライエッチング処理が進行し、円
筒状反応容器101や排気配管108内のドライエッチ
ング処理をおこなうところとなる。
【0065】また、本発明は図1に示すRF電源106
とRFマッチングボックス107をVHF電源(図示せ
ず)とVHFマッチングボックス(図示せず)に交換す
ることにより、VHFプラズマCVD法による堆積膜形
成装置を得ることができる。
【0066】このVHFプラズマCVD法による堆積膜
形成装置を用いた場合であっても、RFプラズマCVD
法による堆積膜形成装置と同様の効果を得ることができ
る。
【0067】本発明において、堆積膜形成時に用いる円
筒状基体の大きさには特に制限はないが、実用的には直
径20mm以上のものが好ましい。
【0068】本発明において、光受容部材のa−Siか
らなる光受容部層はシリコン原子と、水素原子またはハ
ロゲン原子以外に、フェルミ準位や禁止帯幅等を調整す
る成分としてホウ素、ガリュウム等のIII族原子、窒
素、リン、ヒ素等のV族原子、酸素原子、炭素原子、ゲ
ルマニュウム原子等を単独もしくは適宣組み合わせて含
有させてもよい。
【0069】また、光受容部層として、基体との密着性
の向上、あるいは電荷受容能の調整等の目的で、電荷注
入阻止層や、表面保護、あるいは表面からの電荷の注入
を防止させるための目的で、表面保護層を設ける等の多
層構成としてもよい。
【0070】本発明において、堆積膜形成時に用いる堆
積膜形成用の原料ガスとしてはシラン(SiH4)、ジシ
ラン(Si36)、四フッ化珪素(SiF4)、六フッ化二
珪素(Si26)等のアモルファスシリコン形成原料ガ
ス、または、それらの混合ガスを用いても有効である。
【0071】また、希釈ガスとしては水素(H2)、アル
ゴン(Ar)、ヘリウム(He)等を用いても有効である。
【0072】本発明において、堆積膜のバンドギャップ
幅を変化させる等の特性改善ガスとして、窒素(N2)、
アンモニア(NH3)等の窒素原子を含む元素、酸素
(O2)、一酸化窒素(NO)、二酸化窒素(NO2)、酸化二
窒素(N2O)、一酸化炭素(CO)、二酸化炭素(CO2)等
の酸素原子を含む元素、メタン(CH4)、エタン(C
26)、エチレン(C24)、アセチレン(C22)、プロ
パン(C38)等の炭化水素、四フッ化ゲルマニュウム
(GeF4)、フッ化窒素(NF3)等のフッ化化合物、また
は、これらの混合ガスを伴用しても有効である。
【0073】また、本発明においてはドーピングを目的
として、ジボラン(B26)、フッ化ホウ素(BF3)、ホ
スフィン(PH3)等のド−パントガスを同時に放電空間
に導入しても本発明は同様に有効である。
【0074】本発明において、ドライエッチング処理に
使用するドライエッチング用原料ガスとして、四フッ化
炭素(CF4)、フッ化窒素(NF3)、六フッ化硫黄
(SF 6)、三フッ化塩素(ClF3)等を用いても、同
様の効果を得ることができるが、低エネルギで分解で
き、反応性に富み極めて速いクリーニング速度を有する
というメリットを持つ三フッ化塩素(ClF3)が好ま
しい。
【0075】また、希釈ガスとしては水素(H2)、アル
ゴン(Ar)、ヘリウム(He)等を用いても有効である。
【0076】本発明において、堆積膜形成時に用いる円
筒状基体を加熱する手段としては、真空仕様の発熱体で
あれば良く、より具体的にはシース状ヒータの巻きつけ
ヒータ、板状ヒータ、セラミックスヒータ等の電気抵抗
発熱体、ハロゲンランプ、赤外線ランプ等の熱放射ラン
プ発熱体、液体、気体等を温媒とし、熱交換手段による
発熱体等が挙げられる。
【0077】また、加熱手段の表面材質は、ステンレ
ス、ニッケル(Ni)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)等
の金属類、セラミックス、耐熱性高分子樹脂等を使用す
ることができる。
【0078】また、前述した以外にも反応容器で加熱を
おこなわずに別に加熱専用の容器を設け、加熱処理した
後、反応容器内に真空状態を保てる搬送機を使用して基
体を搬送する等の方法も有効である。
【0079】以上の手段を単独にまたは、伴用して用い
ることも本発明では有効である。
【0080】以下、本発明のクリーニング処理方法につ
いての一例を実施例を用いて説明するが、本発明はこれ
らにより何ら限定されるものではない。 (第1の実施例)図1に示すRFプラズマCVD法によ
る堆積膜形成装置を用いて、堆積膜形成用のAl製円筒
状基体102の直径φdx=90mmであるものを円筒
状反応容器101内部の所定の位置に設置し、表1に示
す条件で図3に示すように基体301上に電荷注入阻止
層302、光導電層303、表面保護層304からなる
層構成の電子写真感光体を作製した。
【0081】その後、作製した電子写真感光体を円筒状
反応容器101から取り出し、ドライエッチング処理用
のAl製円筒状ダミー基体202(図2参照)の直径φ
dyの値を、堆積膜形成用のAl製円筒状基体102の
直径φdxに対して、表3に示すように変えたものを円
筒状反応容器101内部の所定の位置に設置し、表2に
示す条件でドライエッチング処理をおこない、『ドライ
エッチング処理時間』と円筒状反応容器101内部の
『残渣の量』を後述する評価方法により評価した。
【0082】その後、再び表1に示す条件で作製した電
子写真感光体の『表面欠陥』を後述する評価方法により
評価した。
【0083】なお、以上の結果は表3に示す。 (第1の比較例)ドライエッチング処理用のAl製円筒
状ダミー基体202の直径φdy=90mmで、堆積膜
形成用のAl製円筒状基体102の直径φdxと同じで
ある以外は、第1の実施例と同様に表1に示す条件で図
3に示すように基体301上に電荷注入阻止層302、
光導電層303、表面保護層304からなる層構成の電
子写真感光体の作製と表2に示す条件でドライエッチン
グ処理をおこない、『ドライエッチング処理時間』と円
筒状反応容器101内部の『残渣の量』を後述する評価
方法により評価した。
【0084】その後、再び表1に示す条件で作製した電
子写真感光体の『表面欠陥』を第1の実施例と同様の評
価方法により評価した。
【0085】なお、以上の結果は表3に示す。 『残渣の量』ドライエッチング処理をおこなった後に円
筒状反応容器の内部に残存する残渣の量を肉眼で観察
し、以下のように評価をおこなった。
【0086】◎・・・残存している残渣を肉眼では確認で
きない程、きれいな状態である。
【0087】○・・・残存している残渣を肉眼で確認でき
るが、実用性には問題が無い状態である。
【0088】△・・・残存している残渣の量が明らかに多
く、実用性に問題が有る状態である。
【0089】×・・・再度、ドライエッチング処理をおこ
なう必要がある状態である。 『表面欠陥』ドライエッチング処理後に作製した電子写
真感光体の表面を光学顕微鏡を用いて、100倍の倍率
で10cm2の範囲で表面欠陥(ポチ等)を観察し、1
0ミクロン以上の欠陥個数により以下のように4段階評
価をおこなった。
【0090】◎・・・10ミクロン以上の欠陥が10個未
満である。
【0091】○・・・10ミクロン以上の欠陥が20個未
満である。
【0092】△・・・10ミクロン以上の欠陥が30個未
満である。
【0093】×・・・10ミクロン以上の欠陥が30個以
上である。 『ドライエッチング処理時間』ドライエッチング処理用
のAl製円筒状ダミー基体202の直径φdyが、堆積
膜形成用のAl製円筒状基体の直径φdxと同じである
第1の比較例の結果に対する相対値により、以下のよう
に評価をおこなった。
【0094】◎・・・20%以上の時間を短縮できる。
【0095】○・・・10%以上の時間を短縮できる。
【0096】△・・・変化なし。
【0097】×・・・10%以上時間が延びてしまう。 『総合評価』『表面欠陥』、『残渣の量』、『ドライエ
ッチング処理時間』のすべての項目について、以下のよ
うに評価をおこなった。
【0098】○・・・すべての項目について、効果が有
る。
【0099】△・・・1項目でも、効果が無い。
【0100】×・・・すべての項目について、効果が無
い。
【0101】
【表1】
【0102】
【表2】
【0103】
【表3】 表3よりあきらかなようにドライエッチング処理用のA
l製円筒状ダミー基体202の直径φdyが、堆積膜形
成用のAl製円筒状基体の直径dxよりも小さくなる場
合において、『表面欠陥』、『残渣の量』が良好な効果
を得られることが分かった。
【0104】さらにドライエッチング処理用のAl製円
筒状ダミー基体202の直径φdyが、φdx×0.5
≦φdyの範囲を満たす場合において、『表面欠陥』、
『残渣の量』、『ドライエッチング処理時間』のすべて
の項目について、良好な効果を得られることが分かっ
た。 (第2の実施例)本実施例では、堆積膜形成用のAl製
円筒状基体102の直径φdx第1の実施例では90m
mであったのに対し、堆積膜形成用のAl製円筒状基体
102の直径φdxが、30mmであるものを円筒状反
応容器101内部の所定の位置に設置し、表4に示す条
件で図3に示すように基体301上に電荷注入阻止層3
02、光導電層303、表面保護層304からなる層構
成の電子写真感光体を作製した。なお、堆積膜形成装置
は、第1の実施例と同じ図1に示す堆積膜形成装置を用
いた。
【0105】その後、作製した電子写真感光体を円筒状
反応容器101から取り出し、ドライエッチング処理用
のAl製円筒状ダミー基体202の直径φdyが、堆積
膜形成用のAl製円筒状基体102の直径φdx=30
mmに対して、0.7倍である直径φdy=21mmで
あるものを円筒状反応容器101内部の所定の位置に設
置し、表5に示す条件でドライエッチング処理をおこな
い、『ドライエッチング処理時間』と円筒状反応容器1
01内部の『残渣の量』を第1の実施例と同様の評価方
法により評価した。
【0106】その後、再び表4に示す条件で作製した電
子写真感光体の『表面欠陥』を第1の実施例と同様の評
価方法により評価した。
【0107】なお、以上の結果は表6に示す。 (第2の比較例)ドライエッチング処理用のAl製円筒
状ダミー基体202の直径φdy=30mmであり、堆
積膜形成用のAl製円筒状基体102の直径φdxと同
じである以外は、第2の実施例と同様に表4に示す条件
で電子写真感光体の作製と表5に示す条件でドライエッ
チング処理をおこない、『ドライエッチング処理時間』
と円筒状反応容器101内部の『残渣の量』を第1の実
施例と同様の評価方法により評価した。
【0108】その後、再び表4に示す条件で作製した電
子写真感光体の『表面欠陥』を第1の実施例と同様の評
価方法により評価した。
【0109】なお、以上の結果は表6に示す。
【0110】
【表4】
【0111】
【表5】
【0112】
【表6】 表6よりあきらかなように堆積膜形成用のAl製円筒状
基体の直径φdxを変えた場合であっても、『ドライエ
ッチング処理時間』、『表面欠陥』、『残渣の量』の全
ての項目について、第1の実施例と同様の効果を得られ
ることが分かった。 (第3の実施例)図1に示すRFプラズマCVD法によ
る堆積膜形成装置を用いて、堆積膜形成用のAl製円筒
状基体102の直径φdx=108mmであるものを円
筒状反応容器101内部の所定の位置に設置し、表7に
示す条件で、図3に示すように基体301上に電荷注入
阻止層302、光導電層303、表面保護層304から
なる層構成の電子写真感光体を作製した。
【0113】その後、作製した電子写真感光体を円筒状
反応容器101から取り出し、ドライエッチング処理用
のAl製円筒状ダミー基体202の直径φdyが、堆積
膜形成用のAl製円筒状基体102の直径φdxに対し
て、0.74倍である約80mmであるものを円筒状反
応容器101内部の所定の位置に設置し、表8に示す条
件でドライエッチング処理をおこなった。
【0114】その後、再び表7に示す条件で、電子写真
感光体の作製と表8に示す条件でドライエッチング処理
をおこなう工程を20サイクルおこない、20サイクル
後の円筒状反応容器101の内部の『残渣の量』と『オ
イルの劣化状態』とを後述する評価方法により評価し
た。
【0115】その後、再び表7に示す条件で、作製した
電子写真感光体の『表面欠陥』を第1の実施例と同様の
評価方法により評価した。
【0116】なお、以上の結果は表9に示す。 (第3の比較例)ドライエッチング処理用のAl製円筒
状ダミー基体202の直径φdy=108mmで、堆積
膜形成用のAl製円筒状基体102の直径φdxと同じ
である以外は、第3の実施例と同様に表7に示す条件
で、電子写真感光体の作製と表8に示す条件でドライエ
ッチング処理をおこなった。
【0117】その後、再び表7に示す条件で、電子写真
感光体の作製と表8に示すドライエッチング処理をおこ
なう工程までを20サイクルおこない、20サイクル後
の円筒状反応容器101の内部の『残渣の量』と『オイ
ルの劣化状態』とを後述する評価方法により評価した。
【0118】その後、再び表7に示す条件で、作製した
電子写真感光体の『表面欠陥』を第1の実施例と同様の
評価方法により評価した。
【0119】なお、以上の結果は表9に示す。
【0120】
【表7】
【0121】
【表8】 『残渣の量』ドライエッチング処理をおこなった後に円
筒状反応容器の内部に残存する残渣の量を目視で観察
し、第3の比較例の結果と比較し、以下のような評価を
おこなった。
【0122】◎・・・残渣の量は、大幅に低減している。
【0123】○・・・残渣の量は、やや低減している。
【0124】△・・・残渣の量は、第3の比較例と同等で
ある。
【0125】×・・・残渣の量は、大幅に増加している。
『オイルの劣化状態』ドライエッチング処理後に排気ポ
ンプ内部のオイルの状態を目視で確認し、オイルの汚れ
と、オイルの粘度を粘度測定器で測定した結果を第3の
比較例を基準とし、以下のような評価をおこなった。
【0126】◎・・・第3の比較例よりは、オイルの汚れ
も無く、粘度の低下も無い。
【0127】○・・・第3の比較例よりは、オイルの汚れ
も少なく、粘度の低下も少ない。
【0128】△・・・オイルの汚れ、粘度についても、第
3の比較例と同等である。
【0129】×・・・第3の比較例よりも、明らかにオイ
ルが汚れており、粘度低下が著しい。 『総合評価』『表面欠陥』、『残渣の量』、『オイルの
劣化』のすべての項目について、以下のように評価をお
こなった。
【0130】○・・・すべての項目について、効果が有
る。
【0131】△・・・1項目でも、効果が無い。
【0132】×・・・すべての項目について、効果が無
い。
【0133】
【表9】 表9よりあきらかなようにドライエッチング処理用のA
l製円筒状ダミー基体202の直径φdyが、変わった
場合であっても、『残渣の量』、『表面欠陥』、『オイ
ルの劣化』の全ての項目について、良好な効果を得られ
ることが分かった。 (第4の実施例)図1に示すRFプラズマCVD法によ
る堆積膜形成装置を用いて、堆積膜形成用のAl製円筒
状基体102の直径φdx=40mmであるものを円筒
状反応容器101内部の所定の位置に設置し、表10に
示す条件で、図4に示すように基体401上に電荷注入
阻止層402、電荷発生層403aと電荷輸送層403
bとで構成される光導電層403、表面保護層404か
らなる層構成の電子写真感光体を作製した。
【0134】その後、作製した電子写真感光体を円筒状
反応容器101から取り出し、ドライエッチング処理用
のAl製円筒状ダミー基体202の直径φdyが、堆積
膜形成用のAl製円筒状基体102の直径φdxに対し
て、0.6倍である24mmであるものを円筒状反応容
器101内部の所定の位置に設置し、表11に示す条件
でドライエッチング処理をおこなった。
【0135】その後、再び表10に示す条件で電子写真
感光体を作製と表11に示す条件でドライエッチング処
理をおこなう工程を20サイクルおこない、20サイク
ル後の円筒状反応容器101の内部の『残渣の量』と
『オイルの劣化状態』とを第3の実施例と同様の評価方
法により評価した。
【0136】その後、再び表10に示す条件で、作製し
た電子写真感光体の『表面欠陥』を第1の実施例と同様
の評価方法により評価した。
【0137】また、第3の比較例の結果を比較例とし
た。
【0138】
【表10】
【0139】
【表11】 作製する電子写真感光体の層構成を変えた場合であって
も、『ドライエッチング処理時間』、『表面欠陥』、
『残渣の量』の全ての項目について、第3の実施例と同
様の効果を示すことが分かった。 (第5の実施例)図1に示すRF電源106とRFマッ
チングボックス107をVHF電源とVHFマッチング
ボックスに交換することで得られるVHFプラズマCV
D法による堆積膜形成装置を用いて、堆積膜形成用のA
l製円筒状基体102の直径φdx=80mmであるも
のを円筒状反応容器101内部の所定の位置に設置し、
表12に示す条件で、図3に示すように基体301上に
電荷注入阻止層302、光導電層303、表面保護層3
04からなる層構成の電子写真感光体を作製した。
【0140】その後、作製した電子写真感光体を円筒状
反応容器101から取り出し、ドライエッチング処理用
のAl製円筒状ダミー基体202の直径φdyが、堆積
膜形成用のAl製円筒状基体102の直径φdxに対し
て、0.5倍である40mmであるものを円筒状反応容
器101内部の所定の位置に設置し、表13に示す条件
でドライエッチング処理をおこなった。
【0141】その後、再び表12に示す条件で、電子写
真感光体の作製と表13に示す条件でドライエッチング
処理をおこなう工程を20サイクルおこない、20サイ
クル後の円筒状反応容器101の内部の『残渣の量』と
『オイルの劣化状態』を第3の実施例と同様の評価方法
により評価した。
【0142】その後、再び表12に示す条件で、作製し
た電子写真感光体の『表面欠陥』を後述する評価方法に
より評価した。
【0143】また、第3の比較例の結果を比較例とし
た。
【0144】
【表12】
【0145】
【表13】 高周波電力が異なる場合であっても、『残渣の量』、
『表面欠陥』、『オイルの劣化』の全ての項目につい
て、第3の実施例と同様の良好な結果を示すことが分か
った。
【0146】よって、本発明は品質面の向上だけでな
く、製造コストの低減を図るためにも有効な手段である
ことを確認できた。
【0147】
【発明の効果】本発明によれば、堆積膜形成用円筒状基
体の直径φdxより小さい、さらに好ましくはφdx×
0.5≦φdy<φdxの範囲の直径φdyのクリーニ
ング処理用円筒状基体を反応容器内に設置してからドラ
イエッチングにより反応容器内をクリーニング処理を行
う。このため、反応空間が広くなるので、反応空間内に
導入されたドライエッチング原料ガスの流速が低下し、
ドライエッチング原料ガスの対流時間が長くなる。これ
により、プラズマ強度とのバランスが最適な状態でクリ
ーニング処理を行うことができ、よって、ドライエッチ
ング処理後に円筒状反応容器の内部に残存する残渣の量
を大幅に低減できる品質面の向上効果だけでなく、ドラ
イエッチング処理時間の短縮や、排気系への負荷を低減
による製造コストの低減効果も同時に得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の堆積膜形成装置の一例の概略縦断面図
である。
【図2】本発明の堆積膜形成装置のDE処理に用いられ
るAl製円筒状ダミー基体の概略側断面図である。
【図3】電子写真感光体の層構成を示す概略図である。
【図4】光導電層が電荷発生層および電荷輸送層からな
る電子写真感光体の層構成を示す概略図である。
【符号の説明】
101 円筒状反応容器 102 Al製円筒状基体 103 円筒状基体ホルダ 104 加熱用ヒータ 105 ガス導入管 106 RF電源 107 RFマッチングボックス 108 排気配管 109、110 バルブ 111 Al製円筒状ダミー基体 121〜126 堆積膜形成用原料ガスボンベ 127〜128 ドライエッチング用原料ガスボンベ 131〜136 堆積膜形成用原料ガスボンベバルブ 137〜138 ドライエッチング用原料ガスボンベ
バルブ 141〜146 堆積膜形成用原料ガス流入バルブ 147〜148 ドライエッチング用原料ガス流入バ
ルブ 151〜156 堆積膜形成用原料ガス流出バルブ 157〜158 ドライエッチング用原料ガス流出バ
ルブ 161〜168 マスフローコントローラ 191 堆積装置 192 原料ガス供給装置 193 排気装置 202 Al製円筒状ダミー基体 301、401 基体 302、402 電荷注入阻止層 303、403 光導電層 304、404 表面保護層 403a 電荷発生層 403b 電荷輸送層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 片桐 宏之 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 唐木 哲也 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 櫃石 光治 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2H068 DA23 EA24 EA30 4G075 AA24 AA30 AA45 AA61 BA01 BA05 BB10 BC04 BC06 CA02 CA15 CA47 CA57 CA62 CA65 DA02 DA18 EA01 EA05 EB01 EB41 EC01 EC06 EC13 EC21 EE02 EE36 FB02 FC07 FC09 FC11 4K030 BA30 CA02 DA06 FA01 JA01 KA05 LA17 5F004 AA15 BA04 BB16 BD04 CA02 CA03 FA01 FA08

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 減圧可能で、電極を兼ねた円筒形状の反
    応容器と、前記反応容器内を排気する排気部とを有す
    る、プラズマCVD法により堆積膜を形成する堆積膜形
    成装置を用い、前記反応容器内に原料ガスおよび放電電
    力を導入し、前記放電電力によって前記原料ガスを分解
    して、前記反応容器内に設置された電極を兼ねた堆積膜
    形成用円筒状基体の表面上に機能性堆積膜を形成した後
    の前記反応容器内のクリーニング処理方法において、 前記反応容器内をクリーニングする際、前記堆積膜形成
    用円筒状基体の直径φdxより小さい直径φdyの、電
    極を兼ねるクリーニング処理用円筒状基体を前記堆積膜
    形成用円筒状基体の代わりに前記反応容器内に設置し、
    ドライエッチング処理を行う工程を含むことを特徴とす
    る堆積膜形成装置のクリーニング処理方法。
  2. 【請求項2】 減圧可能で、電極を兼ねた円筒形状の反
    応容器と、前記反応容器内を排気する排気部とを有す
    る、プラズマCVD法により堆積膜を形成する堆積膜形
    成装置を用い、前記反応容器内に原料ガスおよび放電電
    力を導入し、前記放電電力によって前記原料ガスを分解
    して、前記反応容器内に設置された電極を兼ねた堆積膜
    形成用円筒状基体の表面上に機能性堆積膜を形成した後
    の前記反応容器内のクリーニング処理方法に用いられる
    クリーニング処理用円筒状基体であって、 直径φdyが、前記堆積膜形成用円筒状基体の直径φd
    xより小さいことを特徴とするクリーニング処理用円筒
    状基体。
  3. 【請求項3】 前記直径φdyが、φdx×0.5≦φ
    dy<φdxの範囲を満たす請求項2に記載のクリーニ
    ング処理用円筒状基体。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載のクリーニング処理方法
    によりクリーニングされた前記反応容器内でプラズマC
    VD法により形成された機能性堆積膜であって、 シリコンを母材とする非晶質材料からなる光受容部材が
    形成されていることを特徴とする機能性堆積膜。
  5. 【請求項5】 請求項2または3に記載のクリーニング
    処理用円筒状基体によりクリーニングされた前記反応容
    器内でプラズマCVD法により形成された機能性堆積膜
    であって、 シリコンを母材とする非晶質材料からなる光受容部材が
    形成されていることを特徴とする機能性堆積膜。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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