JP2003064476A - 堆積膜形成装置のクリーニング処理方法 - Google Patents

堆積膜形成装置のクリーニング処理方法

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JP2003064476A
JP2003064476A JP2001252976A JP2001252976A JP2003064476A JP 2003064476 A JP2003064476 A JP 2003064476A JP 2001252976 A JP2001252976 A JP 2001252976A JP 2001252976 A JP2001252976 A JP 2001252976A JP 2003064476 A JP2003064476 A JP 2003064476A
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gas
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Hideaki Matsuoka
秀彰 松岡
Yoshio Seki
好雄 瀬木
Kazuhiko Takada
和彦 高田
Hiroyuki Katagiri
宏之 片桐
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安価で高品位の電子写真感光体を製造する堆
積膜形成装置内のクリーニング処理方法を提供すること
を課題とする。 【解決手段】 本発明はDE処理の開始前に反応容器の
内部を加熱する手段として、真空仕様の発熱体を設置
し、100℃以上に加熱する。その後、前記反応容器の
内部にDE用原料ガスに希釈ガスとの混合により濃度25
%〜80%としたClF3を導入し、高周波電源より電力を印加
してプラズマエネルギーにより励起状態として、堆積膜
/或いは副生成物と反応させ、それらを気相分子とし、
排気手段によって排除してDE処理装置のクリ−ニング
方法の提供。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラズマCVD法
により基体上に電子写真用光受容部材、太陽電池、画像
入力用ラインセンサー、撮像デバイス、TFT等の半導体
素子として特に好適な堆積膜を製造するための堆積膜製
造装置のクリーニング処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真用光受容部材、太陽電
池、画像入力用ラインセンサー、撮像デバイス、TFT
等の半導体素子として使用する機能性堆積膜としては、
アモルフアスシリコン、例えば水素又は/及びハロゲン
(例えば弗素、塩素等)で補償されたアモルファスシリ
コン膜等が提案され、その中のいくつかはすでに実用に
付されている。
【0003】アモルファスシリコン膜等の機能性堆積膜
を形成するための装置についても各種提案されていて、
それらは例えば真空蒸着法によるもの、イオンプレーテ
イング法によるもの、熱CVD法によるもの、プラズマ
CVD法によるもの、光CVD法によるもの等であり、
中でもプラズマCVD法等の減圧下での成膜方法が好適
なものとして実用に付されている。
【0004】これらの成膜方法により所定の基体上に機
能性堆積膜を形成する場合、反応容器及び排気配管堆積
膜形成装置構成部材等に堆積膜、あるいは粉体状の重合
物(以下ポリシランと称する)が堆積する。例えば、グ
ロー放電分解によるプラズマCVD法により成膜する場
合には、堆積膜形成装置内(以下反応容器と称する)の
基体以外の部分であるサセプター、対向電極、あるいは
反応容器内壁に堆積膜あるいはポリシランが形成され
る。
【0005】これらの堆積膜あるいはポリシランは、次
回の成膜時に形成される膜中に不純物として取り込まれ
て、膜特性を悪化させたり、あるいは基体上に付着する
ことで形成された堆積膜に欠陥を形成し、その結果、歩
留りは大幅に低下してしまう。こうしたことから、数回
の成膜サイクル、あるいは各成膜サイクル毎に成膜室内
を清掃し、目的とする堆積膜形成箇所以外の部分に堆積
した膜あるいはポリシランを除去することが行われる。
【0006】その際の清掃方法として、クリーニング原
料ガスを反応容器内に流して、プラズマ、熱、光等のエ
ネルギーにより励起状態として堆積膜あるいはポリシラ
ンを形成している元素と反応させ、それらの元素を気相
分子とし、排気手段によって排除してクリーニング(以
下DEと称する)処理をおこなう。
【0007】DE処理に使用するガスとして、四弗化炭
素(CF4)、弗化窒素(NF3)、六弗化硫黄(S
6)、三弗化塩素(ClF3)等のガスが挙げられる
が、近年、低エネルギーで分解でき、反応性に富み極め
て速いDE速度を有するというメリットを持つ三弗化塩
素(ClF3)が注目されており、三弗化塩素(Cl
3)を用いたDE処理方法が各種提案されている。
【0008】例えば特開平10−81950号報には5
0〜100容量%の高濃度の弗化塩素(ClF)、三弗
化塩素(ClF3)、五弗化塩素(ClF5)を用いてD
E処理する方法が記載されている。又、特開平6−21
43号報には三弗化塩素(ClF3)ガス濃度を順次低
下させながらDE処理する方法が記載されている。
【0009】又、特開平8−199361号ではエッチ
ング開始時のチャンバー内の雰囲気温度が700℃以下の
状態で、濃度が1〜20vol.%である三弗化塩素(C
lF3)を前記エッチングガスとして使用し、ノンプラ
ズマの化学エッチングによりクリーニング処理する方法
が記載されている。
【0010】ところで、従来の電子写真装置は、文字を
複写することを主たる用途としていたため、活字原稿
(いわゆるラインコピー)が中心であったので、微小な
ポチ等の画像欠陥は実用上大きな問題とならなかった。
【0011】しかしながら近年、電子写真装置の高画質
化が要求されそれに伴い現像の解像力が向上し、写真な
どのハーフトーンを含む原稿が多くコピーされるように
なり、従来では実用性に問題なかった微小画像欠陥が指
摘されるようになってきた。このような画像欠陥を減少
させた製品をより効率的に歩留まり良く作成することが
望まれている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは堆積膜に
形成後に反応容器の内部に存在する堆積膜及びポリシラ
ンのDE処理を行う従来の方法において、次のような問
題が生じることを認識した。
【0013】即ち、DE処理を開始するために高周波電
源より放電電力を印加し始めると、反射電力の大きな振
れ(以下「放電の乱れ」と称する)が発生し、これが原
因となり反応容器内に発生するプラズマの状態が不均一
になりクリーニングムラが生じてしまう。
【0014】ここで、反射電力とは前記高周波電源より
前記反応容器内に放電電力を印加した際に前記反応容器
内に入射されなかった放電電力を表す量である。
【0015】この前記クリーニングムラにより、反応容
器の内部に存在している堆積膜、ポリシラン又はDE処
理により堆積膜を形成する物質の元素とDE用原料ガス
の元素とが結びついて出来た粉体状の物質(以下、「粉
体状の物質」と称する)を完全に排除する事が出来ず、
前記反応容器の内部、主に前記反応容器の内壁に残存さ
せてしまっていた。
【0016】これは従来では実用性に問題がなかったレ
ベルではあるが、この残存した前記堆積膜、ポリシラ
ン、粉体状の物質が次回の堆積膜を形成する際に基体の
表面上に飛散し、付着する事で微小な画像欠陥の発生要
因となる事が確認されている。
【0017】この画像欠陥は、電子写真装置が一層高解
像となる中で更に顕著となり、高品質の堆積膜を提供す
る方法が望まれている現在、前述した問題を解決し効率
良くクリーニング処理する方法の提供が望まれている。
【0018】本発明に於ける堆積膜形成装置の気相化学
法によるDE処理時の上述した従来技術に於ける問題点
を克服し、微小な画像欠陥を減少させた高品質の堆積膜
を提供する事を目的とする。
【0019】
【問題を解決する為の手段】本発明は基板上に堆積膜の
形成を行う堆積膜形成装置内にクリーニング原料ガスを
導入し、該堆積膜形成装置内に設置されているカソード
とアノードとの間に放電電力を印加することで、該クリ
ーニング原料ガスを励起状態として、該堆積膜形成装置
内部の汚れと反応させ、気相分子とした後に除去する堆
積膜形成装置のクリ−ニング処理する方法に於いて、該
クリーニング原料ガスとして、三弗化塩素(ClF3
の濃度が25%〜80(vol)%含んだガスを用い、
少なくとも該放電電力の印加を開始する時に、該アノー
ド表面の温度を100℃以上且つアノードに使用する材
質の融点未満の温度に加熱することを特徴とする堆積膜
形成装置のクリ−ニング処理方法を提供するものであ
る。
【0020】尚、クリーニング原料ガスの三弗化塩素
(ClF3)の濃度は、常温常圧において、希釈ガスと
してアルゴン(Ar)により前記三弗化塩素(Cl
3)を希釈する時に、三弗化塩素(ClF3)の体積/
(三弗化塩素(ClF3)の体積+アルゴン(Ar)の
体積)の式で計算される量を%表示したものである。
【0021】又、「装置内部の汚れ」とは、前記反応容
器の内部に存在している堆積膜及び/又はポリシラン及
び/又はDE処理により堆積膜を形成する物質の元素と
DE用原料ガスの元素とが結び付いてできた粉体状の物
質のことを示すものとする。
【0022】又、本発明は、前記アノード表面を加熱手
段は、真空仕様の発熱体である事を特徴とする前記の堆
積膜形成装置のクリ−ニング処理方法を提供する。
【0023】又、本発明は、前記堆積膜形成装置がプラ
ズマCVD(chemical vapor depo
sition)装置であることを特徴とする請求項1に
記載の堆積膜形成装置のクリ−ニング処理方法を提供す
る。
【0024】
【発明の実施の形態】本発明者らはDE処理に関して種
々検討を行い本発明の完成に至ったものである。まず、
堆積膜の製造装置の一例として高周波(以下「RF」と
称する)プラズマCVD装置の模式図(図1)を参照し
ながら、堆積膜の成膜とそれに引き続き行われるDE処
理について概説する。
【0025】この装置は大別すると、堆積装置(19
1)、原料ガスの供給装置(192)、円筒状前記円筒
状反応容器(101)内を減圧にするための排気装置
(193)から構成されている。
【0026】前記円筒状反応容器(101)内には、堆
積膜が形成される基体であり、放電電力を印加する際に
アノードとして働くAl製円筒状基体(109)、前記
Al製円筒状基体を保持する為の円筒状基体ホルダー
(106)、加熱用ヒーター(107)、ガス導入管
(108)が設置され、更に高周波電源(111)が接
続されている。尚、高周波電力を供給する際のカソード
は、前記円筒状反応容器(101)の反応容器内壁(1
02)である。
【0027】原料ガス供給装置(192)は、シラン
(SiH4)、ゲルマン(GeH4)、水素(H2)、メ
タン(CH4)、ジボラン(B26)及びホスフィン
(PH3)等の堆積膜形成用原料ガスのボンベ(131
〜136)と堆積膜形成用原料ガスボンベバルブ(14
1〜146),堆積膜形成用原料ガス流入バルブ(15
1〜156),堆積膜形成用原料ガス流出バルブ(16
1〜166)及びマスフローコントローラー(171〜
176)から構成され、各堆積膜形成用原料ガスのボン
ベはバルブ(116)を介して前記円筒状反応容器(1
01)内に配置したガス導入管(108)に接続されて
いる。
【0028】又、DE原料ガスのボンベ(137〜13
8)とDE原料ガスボンベバルブ(147〜148)、
DE原料ガス流入バルブ(157〜158)、DE原料
ガス流出バルブ(167〜168)、及びマスフローコ
ントローラー(177〜178)から構成され、各DE
原料ガスのボンベはバルブ(117)を介して前記円筒
状反応容器(101)内に配置したガス導入管(10
8)に接続されている。
【0029】この装置を使用して、前記Al製円筒状基
体(109)の表面上に所定のシリコンを主成分とする
堆積膜を形成する方法は以下のように実施される。
【0030】まず、前記Al製円筒状基体(109)を前
記Al製円筒状基体(109))を保持する為の前記円
筒状基体ホルダ−(106)にセットした状態で、前記
円筒状反応容器(101)内の所定の位置に設置し、排
気装置(193)により前記円筒状反応容器(101)
内を排気する。
【0031】続いて、前記加熱用ヒーター(107)に
より、前記Al製円筒状基体(109)の表面温度を2
00℃〜400℃の所定の温度に制御する。 前記Al
製円筒状基体(109)が所定の温度になったところ
で、前記堆積膜形成用原料ガスボンベバルブ(141〜
146),前記堆積膜形成用原料ガス流入バルブ(15
1〜156),前記堆積膜形成用原料ガス流出バルブ
(161〜166)のうちの必要なものを開き、前記堆
積膜形成用原料ガスボンベ(131〜136)から所定
の堆積膜形成用原料ガスをガス導入管(108)を介し
て前記円筒状反応容器(101)内に導入する。
【0032】次に前記マスフローコントローラー(17
1〜176)によって、各堆積膜形成用原料ガスが所定
の流量になるように調整する。その際、前記反円筒状応
容器(101)の内圧が133Pa以下の所定の圧力に
なるように前記排気装置(193)を調整する。内圧が
安定したところで、前記高周波電源(111)から高周
波マッチングボックス(120)を通じて、前記円筒状
反応容器(101)内にRF電力を導入し、RFグロー
放電を生起させる。この放電エネルギーによって、前記
円筒状反応容器(101)内に導入された堆積膜形成用
原料ガスが分解され、前記Al製円筒状基体(109)
の表面上に所定のシリコンを主成分とする堆積膜が形成
されるところとなる。
【0033】アモルファスシリコン膜形成時に使用され
る原料ガスとしては、シラン(SiH4)、ジシラン
(Si26)、四弗化珪素(SiF4)、六弗化珪素
(Si26)等の原料ガス又はそれ等の混合ガスを用い
ると有効である。
【0034】このアモルファスシリコン膜形成時に使用
される原料ガスを希釈するためのガスとしては水素(H
2)、アルゴン(Ar)、ヘリウム(He)等を用いて
も有効である。
【0035】又、アモルファスシリコン膜のハンドギヤ
ップ幅を変化させる等の特性改善ガスとして、窒素(N
2)、アンモニア(NH3)等の窒素ガスや窒素化合物ガ
ス、酸素(O2)、一酸化窒素(NO)、二酸化窒素
(NO2)、酸化二窒素(N2O)、一酸化炭素(C
O)、二酸化炭素(CO2)等の酸素ガスまたは酸素化
合物ガス、メタン(CH4)、エタン(C26)、エチ
レン(C24)、アセチレン(C22)、プロパン(C
38)等の炭化水素、四弗化ゲルマニウム(Ge
4)、弗化窒素(NF3)等の弗素化合物、またはこれ
らの混合ガスを併用しても有効である。
【0036】又、アモルファスシリコン膜へのドーピン
グを目的としてジボラン(B26)、フッ化ほう素(B
3)、ホスフイン(PH3)等のドーパントガスを同時
に放電空間に導入してもよい。
【0037】又、アモルファスシリコン膜の成型に用い
る基体の材質は、アルミニウム(Al)が最も一般的で
あるが、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、金(A
u)、白金(Pt)、インジュウム(In)、ニオブ
(Nb)、テルル(Te)、バナジウム(V)、チタン
(Ti)、鉛(Pb)、鉄(Fe)等の金属及びこれら
を含む合金、例えばステンレス等を用いることも可能で
ある。
【0038】アモルファスシリコン膜を形成されたAl
製円筒基体(109)を前記円筒状反応容器(101)
から取り出し、引き続いてDE処理を行う。従来行われ
てきた、一般的なDE処理方法を以下に示す。
【0039】まず、円筒状反応容器(101)内部には
DE用のAl製円筒状基体(以下「DE用基体」と称す
る)を設置する。尚、DE処理に於いて、放電電力を印
加する際には、前記円筒状反応容器(101)の反応容
器内壁(102)がカソード、DE用基体(109)が
アノードとなる。
【0040】続いて、前記排気装置(193)により前
記円筒状反応容器(101)内を所定の圧力まで排気す
る。続いて、所定圧力になったところで前記DE用基体
(アノード)表面を所定の温度とするために前記加熱ヒ
ーター(107)により加熱処理を行ってもよい。
【0041】その後、前記バルブ(116)を閉じ、前
記バルブ(117)を開け、前記DE原料ガスボンベ
(137〜138)より、前記バルブ(117)を介し
て、前記円筒状反応容器(101)内に配置した前記ガ
ス導入管(108)からDE原料ガスとして三弗化塩素
(ClF3)ガスと希釈ガスとが混合されて原料ガス導
入管(108)から前記円筒状反応容器(101)の内
部に導入される尚、三弗化塩素(ClF3)ガスを希釈
するためのガスとしては、ヘリウム(He)、アルゴン
(Ar)、ネオン(Ne)キセノン(Xe)が好適に用
いられる。
【0042】続いて、前記円筒状反応容器(101)の
内圧が安定したところで、前記RF電源(111)から
前記高周波マッチングボックス(120)を通じて前記
アノードであるDE基体(109)とカソードである前
記反応容器の内壁(102)との間に放電電極が印加さ
れ、RFグロー放電を生起させる。この放電エネルギー
によって活性化された三弗化塩素(ClF3)ガスが堆
積膜形成後に生成された堆積膜あるいはポリシランと触
れ反応することで、前記円筒状反応容器(101)の内
部及び前記排気配管(112)内や、前記排気配管(1
12)の内部のDE処理が進行する。
【0043】前述した手順で、DE処理が進んでいく
が、その際にDE原料ガスとして、三弗化塩素(ClF
3)ガスと希釈ガスであるアルゴン(Ar)とを混合さ
せたガスを前記円筒状反応容器(101)の内部に導入
し、前記円筒状反応容器(101)の内部に存在する堆
積膜あるいはポリシランとを高周波電源より放電電力を
印加してプラズマエネルギーにより励起状態としたDE
処理の初期段階に「放電の乱れ」が発生していることが
分かった。
【0044】この「放電の乱れ」によって、前記円筒状
反応容器(101)の内部に発生するプラズマの状態が
不均一になりクリーニングムラを生じてしまう。その
為、前記円筒状反応容器(101)の内部に存在するポ
リシランや粉体状の物質を飛散させてしまい通常は排除
出来るべきはずのポリシランや粉体状の物質が前記円筒
状反応容器(101)の内部に残存してしまう。
【0045】この残存した前記ポリシランや粉体状の物
質がDE処理後の次回の堆積膜を形成する際に基体の表
面上に飛散し、付着するために微小な画像欠陥の発生要
因となることが分かった。
【0046】そこで、本発明者らは、この「放電の乱
れ」を抑制するため、DE処理の条件を様々に変更した
実験を行った。
【0047】まず、DE処理時の前記円筒状反応容器
(101)の内圧を変化させる事でDE処理の初期段階
の「放電の乱れ」の安定化を試みた。(実験例参照) しかし、この実験のDE処理条件の範囲内で前記円筒状
反応容器(101)の内圧を変化させても「放電の乱
れ」を安定化することはできなかった。
【0048】次にDE処理時にプラズマを発生させるた
めの放電電力を変化させる事でDE処理の初期段階の
「放電の乱れ」の安定化を試みた。(実験例参照)しか
し、この実験のDE処理条件の範囲内で放電電力を変化
させても「放電の乱れ」を安定化することはできなかっ
た。
【0049】又、この実験より放電電力が1000W以
上であればDE処理の時間は従来法よりも遅くなること
はなく、2000W以下であれば、DE初期の放電状態
が安定しているために、DE処理の時間が長くなること
はなく、電子写真感光体表面の欠陥も問題ないレベルで
あることが明らかとなった。 よって、実用的にはDE
処理時の放電電力は1000w以上2000w以下の範囲である
ことが望ましい。
【0050】次にDE原料ガスに三弗化塩素(Cl
3)ガスと希釈ガスであるアルゴン(Ar)とを混合
させたガスの濃度を変える事でDE処理の初期段階の
「放電の乱れ」の安定化を試みた。(実験例参照) しかし、この実験のDE処理条件の範囲内で三弗化塩素
(ClF3)ガスと希釈ガスであるアルゴン(Ar)と
を混合させたガスの濃度を変化させても「放電の乱れ」
を安定化することはできなかった。
【0051】又、三弗化塩素(ClF3)ガスと希釈ガ
スであるアルゴン(Ar)とを混合させたガスの濃度が
80%(vol)以下であれば、急激な気相反応により
DE処理初期段階の放電が不安定になり、画像欠陥を頻
度することはなかった。又、濃度を25%(vol)以
下に薄くしていく程、穏やかな気相反応はおこなわれる
ものの、DE処理初期段階の「放電の乱れ」の安定化を図
かれず、DE処理の時間も長くなってしまい実用上不適
切である事も分った。よって、実用的には三弗化塩素
(ClF3)ガスの濃度は25%以上80%以下の範囲が本
発明には適している事が分かった。
【0052】この様に前述した一連の検討により、DE
処理の初期の「放電の乱れ」を抑制する効果を確認する事
は出来なかったが、すべての検討時に共通する傾向を見
いだした。
【0053】その傾向とは、堆積膜を形成する際に基板
を加熱処理する加熱用ヒーターに設置した熱電対より得
られた温度が、気相反応時に生じるエネルギーにより昇
温するに従い「放電の乱れ」が減少し、安定するという事
である。これは、放電電力を印加する時の反応容器の温
度と「放電の乱れ」とが関係をもっていることを示唆す
る。
【0054】そこで、両者の関係を調査する実験を行っ
た。堆積膜を成膜する際に用いる加熱用ヒーターを放電
印加前に作動させ、DE用基体「アノード」表面を所定
の温度とした後に放電電力の印加を開始した。尚、DE
用基体「アノード」表面の温度は、DE用基体「アノー
ド」表面に設置した熱電対により評価した。
【0055】ところで、DE処理中には前記円筒状反応
容器(101)の反応容器の内壁(102)「カソー
ド」も、三弗化塩素(ClF3)プラズマに曝される
が、反応容器内壁は冷却水により冷却されえていること
DE処理期間中にほぼ一定温度に保たれていると考えら
れるので、本実験では反応容器内壁の積極的な温度制御
は行わなかった。(実験例参照) その結果、前記「放電の乱れ」が安定する時には、前記D
E用基体の表面温度が100℃以上になっている事が明ら
かとなった。この実験ではアノードの表面温度を212
℃まで上昇させて放電電力を印加させたが、「放電の乱
れ」を抑制する効果は100℃の場合と変わらなかっ
た。
【0056】又、少なくとも放電電力の印加を開始する
時のアノード表面を100℃以上にすれば、「放電の乱
れ」を抑制することが可能であることが明らかとなっ
た。
【0057】又、少なくとも放電電力の印加を開始する
時のアノード表面の温度がアノードに使用する材質の融
点未満の温度であれば、アノードを傷めることなく「放
電の乱れ」を抑制可能であることが明らかとなった。
しかし、この検討で使用した前記DE用基体「アノー
ド」は外形が直径80mm、肉厚8mmであり前記DE
用基体「アノード」の外形、肉厚によっては前記DE用
基体「アノード」の表面温度と前記加熱用ヒーターに取
り付けてある温度モニター用の熱電対より得られる温度
との関係は変わるはずである。
【0058】そこで、堆積膜を形成する時に使用する代
表的な基体の外形、肉厚を数種類用意して、前記DE用
基体「アノード」の表面温度と前記加熱用ヒーターに取
り付けてある温度モニター用の熱電対より得られる温度
との関係を確認する為の検討の実験をおこなった。
【0059】その結果、前記DE用基体「アノード」の
外形、肉厚が異なる場合であっても、加熱用ヒーターを
200℃以上に設定する事で前記DE用基体「アノー
ド」の表面温度を100℃以上に制御出来、「放電の乱
れ」を効果的に抑制出来る事が分った。
【0060】又、更に具体的には反応炉の内部に配置し
たDE用基体「アノード」の表面温度が100℃以上と
なった所で加熱処理を終了し、DE用基体「アノード」
表面が100℃以上の温度を保っているうちに、DE処
理を開始すれば、DE処理の全期間に渡って温度制御を
行わなくとも「放電の乱れ」を抑制する効果を得ることが
可能であることが分かった。
【0061】本発明において、DE処理に用いる基体の
形状は任意の形状を有し得るが、特に円筒形のものが本
発明に最適である。基体の大きさには特に制限はない
が、実用的には直径20mm以上、500mm以下、長
さ10mm以上、1000mm以下が好ましい。また、
DE処理に用いる基体と、成膜に用いられる基体とは、
形状が一致している必要はない。但し、加熱用ヒーター
とDE用基体「アノード」の表面との距離が変動する
と、DE用基体「アノード」の表面温度もバラツクの
で、この点からも加熱用ヒーターとDE用基体「アノー
ド」の表面との距離が一定である円筒状DE用基体「ア
ノード」を用いることが望ましい。
【0062】又、DE用基体と成膜用基体とは材質が異
なっていても構わない。但しAl製以外のDE用基体
「アノード」を用いる時には、事前に加熱用ヒーターと
設定温度と基体表面の温度関係を明らかにしておき、D
E用基体「アノード」の温度が「放電の乱れ」を抑制可
能である100℃以上になるように加熱用ヒーターの温
度設定を行うことが望ましい。
【0063】本発明に於いて、DE用基体「アノード」
を加熱する手段としては、堆積膜形成装置に予め設置さ
れている加熱ヒーターが一般的であるが、特に制限はな
く、真空仕様の発熱体であれば良く、より具体的にはシ
ース状ヒーターの巻き付けヒーター、板状ヒーター、セ
ラミックスヒーター等の電気抵抗発熱体、ハロゲンラン
プ、赤外線ランプ等の熱放射ランプ発熱体又は、液体若
しくは気体等を温媒とし熱交換手段による発熱体等が挙
げられる。但し反応容器の内部に設置する際にはDE用
基体「アノード」の加熱ムラが発生しないように設置す
ることが望ましい。
【0064】以下に本発明の効果を実証するために、実
例を説明するが、本発明はこれらによって何ら限定され
るものではない。
【0065】
【実験例】《実験例(DE処理の内圧に関して)》図
1に示す構成の堆積膜形成装置を用い、直径80mm、長さ3
58mm、肉厚3mmのAl製円筒状基体上に表1に示す条件で堆
積膜の形成を行ない図2-Aに示す層構成の電子写真感光
体を作製した。
【0066】この電子写真感光体は、表面を所定の粗さ
に研磨された基体(201)に電荷注入阻止層(20
2)が成膜されている。この電荷注入阻止層(202)
は、光導電層が電荷を受けた時に、基体(201)から
反対の極性を持つ電荷が移動してきて、光導電層の電荷
を中和してしまうことを防ぐために成膜されている。こ
の電荷注入阻止層(202)上に、露光を吸収してキャ
リアを発生させ、輸送する役割を持つ光導電層(20
3)が成膜され、その上に積層構造を保護するための表
面層(204)が成膜されている。その後、作製した電
子写真感光体を円筒状反応容器(101)から取り出し
て、堆積層を形成した物と同じ寸法、形状及び材質を有
するDE用基体を投入し、三弗化塩素(ClF3)ガス
を希釈ガスであるアルゴン(Ar)とを混合させた三弗
化塩素(ClF3)ガスの濃度を30%(vol)とし
たものをDE原料ガスとして、前記円筒状反応容器(1
01)内に導入し、表2に示すように前記円筒状反応容
器(101)の内圧を変えてDE処理を行った。その
後、再び表1に示す条件で電子写真感光体を作製し、後
述する評価方法により評価した。 その結果を同じく表
3に示す。
【0067】又、実験と同様に表1に示す条件で電子
写真感光体を作製し、従来の内圧である106(Pa)
でDE処理を行った。その後、再び表1に示す条件で作
製した電子写真感光体を実験例と同様の評価方法によ
り評価した。 その結果を従来法と記載し、同じく表
3に示す。
【0068】『外観の評価』作製した電子写真感光体の
外観を肉眼で観察し、異常成長した堆積膜が集団化した
堆積膜の欠陥(以下、キズ花と称する)を9cm2の範
囲を光学顕微鏡を用いて50倍の倍率で観察し、キズ花
の個数により以下に示すように4段階評価をおこなっ
た。 ◎...20ミクロン未満のキズ花が5個未満であっ
た。 ○ ...20ミクロン未満のキズ花が5以上10個未
満であった。 △ ...20ミクロン未満のキズ花が10以上20個
未満であった。 × ...20ミクロン未満のキズ花が20個以上、ま
たは20ミクロン以上のキズ花が1つ以上であった。
【0069】『DE初期の放電状態』DE処理の初期段
階の「放電の乱れ」をモニターする為にアルテック社製の
RFパワーコントロール(MODEL92195)より得られた反
射電力をグラフテック社製のデジタルマルチレコーダー
(※測定レンジ=10V、紙送りスピード=600mm/minに設
定)により記録し、結果を以下に示す様に4段階評価を
おこなった。
【0070】尚、反射電力とはRFパワーコントロール
を用いて、反応容器の内部に印加する放電電力に対し
て、前記反応容器の内部に実際には印加されなかった電
力である。 ◎...放電電力に対して反射電力が1%未満である。 ○...放電電力に対して反射電力が1%以上、2%未
満である。 △...放電電力に対して反射電力が2%以下、4%未
満である。 ×...放電電力に対して反射電力が4%以上である。
【0071】『DE処理時間』比較例に示す従来のD
E処理条件でDE処理に要した時間に対する相対値によ
り、以下に示す様に4段階評価をおこなった。尚、DE
処理の終点の検出方法は排気ポンプ手前の排気管内部の
温度が上昇しきり、雰囲気温度まで下がったポイントを
DE処理の終点とした。 ◎...5%以上の時間を短縮出来る。 ○ ...変化なし。 △ ...5%以下の時間が延びてしまうが、実用上問
題なし。 × ...5%以上の時間が延びてしまう為に実用上不適
切である。
【0072】『「放電の乱れ」が収まった温度』「放電の
乱れ」はDE処理の初期段階での発生が多く、DE処理
を進めていくと円筒状反応容器(101)の内部が気相
反応によるエネルギーによって昇温するに従がって安定
していく。前述のRFパワーコントロールより得られる
反射電力を放電電力の2%以下となる点を「放電の乱れ」
が安定した点として、その時の温度を円筒状反応容器
(101)の内部に配置した加熱用ヒーターに取り取り
付けてある熱電対によって、モニターした
【0073】
【表1】
【0074】
【表2】
【0075】
【表3】
【0076】注)「放電の乱れ」が収まった時間は、加
熱ヒーター(107)の表面に固定した熱電対の示した
温度である。
【0077】表3よりあきらかな様に、この実験のDE
処理条件の範囲内でDE処理時の内圧を変化させても、
DE処理の初期段階の「放電の乱れ」を安定することは出
来なかった。しかし、加熱用ヒーター(107)に取り
付けてある熱電対より得られた温度が80℃以上になる
事でDE処理の初期段階の「放電の乱れ」が減少し、安定
する事が分った。
【0078】《実験例》DE処理時の放電電力を表5
に示す様に変えた以外は実験例と同様に表1に示す条
件で電子写真感光体を作製し、表4に示す条件でDE処
理をおこなった。
【0079】その後、再び表1に示す条件にて作製した
電子写真感光体を実験例と同様の評価方法により評価
した。 その結果を従来法とともに表5に示す。
【0080】
【表4】
【0081】
【表5】
【0082】注)「放電の乱れ」が収まった時間は、加
熱ヒーター(107)の表面に固定した熱電対の示した
温度である。
【0083】表5よりあきらかな様に、この実験のDE
処理条件の範囲内でDE処理時の放電電力を変化させて
も、「放電の乱れ」を安定することはできなかった。しか
し、この実験より放電電力が1000w以上であればDE処
理の時間は従来法よりも遅くなることはなく、2000w以
下であれば、DE処理の放電状態が安定しているため
に、DE処理時間の時間が長くなる事はなく、電子写真
感光体表面の欠陥も問題のないレベルであることがあき
らかとなった。又、DE処理時の内圧設定値を変えた時
と同様に加熱用ヒーター(107)に取り付けてある熱
電対より得られた温度が80℃以上になる事でDE処理
の初期段階の「放電の乱れ」が減少し、安定していく事が
分った。
【0084】《実験例》DE処理時の三弗化塩素(C
lF3)ガスを希釈ガスであるアルゴン(Ar)とを混
合させた三弗化塩素(ClF3)ガスの濃度を表7に示
す様に変えた以外は実験例と同様に表1に示す条件で
電子写真感光体を作製し、表6に示す条件でDE処理を
おこなった。その後、再び表1に示す条件で作製した電
子写真感光体を実験例と同様の評価方法により評価し
た。 その結果を従来法とともに表7に示す。
【0085】
【表6】
【0086】
【表7】
【0087】注)「放電の乱れ」が収まった時間は、加
熱ヒーター(107)の表面に固定した熱電対の示した
温度である。
【0088】表7よりあきらかな様に、この実験のDE
処理条件の範囲内でDE処理時に使用するDEガス中の
三弗化塩素(ClF3)ガスを希釈ガスであるアルゴン
(Ar)とを混合させた三弗化塩素(ClF3)ガスの
濃度を変化させても「放電の乱れ」を安定化抑制出来る効
果を確認する事が出来なかった。
【0089】しかし、DE処理時の内圧、放電電力を変
えた時と同様に加熱用ヒーター(107)に取り付けて
ある熱電対より得られた温度が80℃以上になる事でD
E処理の初期段階の「放電の乱れ」が減少し、安定してい
く事が分った。
【0090】又、加熱用ヒーター(107)に取り付け
てある熱電対の温度が80℃以上となると「放電の乱れ」
安定化する傾向は実験例〜に共通する傾向であり、
前記DE用基体「アノード」の昇温が、前記「放の乱れ」
を安定させる効果を生じることが推測された。
【0091】しかし、加熱用ヒーター(107)の温度
より放電空間側に面している前記DE用基体「アノー
ド」の表面温度の方が高い温度になっているはずであ
る。よって、前記DE用基体「アノード」の外形及び肉
厚による加熱用ヒーター(107)とDE用基体「アノ
ード」の表面温度の関係を確認することが望ましいと考
えられた。
【0092】又、三弗化塩素(ClF3)ガスを希釈ガ
スであるアルゴン(Ar)とを混合させた三弗化塩素
(ClF3)ガスの濃度を80%(vol)以下であれ
ば、急激な気相反応により反応初期に放電が不安定にな
り画像欠陥を頻発することはない。又、濃度が25%(v
ol)以下に薄くしていく程、穏やかな気相反応は行わ
れるものの、DE処理初期段階での「放電の乱れ」の安
定化が図れず、DE処理の時間も長くなってしまい実用
上不適切であることも分かった。
【0093】《実施例》DE用基体「アノード」の外
形及び肉厚による加熱用ヒーター(107)とDE用基
体「アノード」の表面温度の関係を確認する為にAl製
の直径80mm、長さ358mm、肉厚3mmのDE用基体「アノー
ド」の表面温度をモニターできるようにしたものを用
い、DE処理の開始前に円筒状反応容器(101)の内
部に設置してある加熱用ヒーター(107)により表9
に示す様に加熱処理する装置構成とした以外は実験例
と同様に表1に示す条件で電子写真感光体を作製し、表
8に示す条件でDE処理をおこなった。 その結果を同
じく表9に示す。
【0094】
【表8】
【0095】
【表9】
【0096】注)ここで加熱温度とは加熱用ヒーター
(107)の設定値の事を言う。
【0097】表9よりあきらかな様にDE処理の開始前
に円筒状反応容器(101)の内部に設置してある加熱
用ヒーター(107)を加熱し、DE用基体「アノー
ド」の表面温度を100℃以上にする事で、前記DE処
理の初期段階の「放電の乱れ」を安定化する事について効
果がある事が確認出来た。
【0098】《実験例》DE用基体「アノード」の外
形及び肉厚による加熱用ヒーター(107)とDE用基
体「アノード」の表面温度の関係を確認する為にAl製の
直径80mm、長さ358mm、肉厚5mmのDE用基体「アノード」
の表面温度をモニター出来る様にした物を用い、DE処
理の開始前に円筒状反応容器(101)の内部に設置し
てある加熱用ヒーター(107)により表10に示す様に
加熱処理する装置構成とした以外は実験例と同様に表
1に示す条件で電子写真感光体を作製し、表8に示す条
件でDE処理をおこなった。 その結果を同じく表10
に示す。
【0099】
【表10】
【0100】注)ここで加熱温度とは加熱用ヒーター
(107)の設定値の事を言う。
【0101】表10よりあきらかな様にDE用基体「ア
ノード」の外形及び肉厚が変わった場合であっても、D
E処理の開始前に円筒状反応容器(101)の内部に設
置してある加熱用ヒーター(107)により加熱処理を
おこない、DE用基体「アノード」の表面温度を100
℃以上にする事で、前記DE処理の初期段階の「放電の
乱れ」を抑制する事について効果がある事が確認出来
た。
【0102】《実験例》Al製の直径108mm、長さ358mm、
肉厚3mmのDE用基体「アノード」の表面に温度モニタ
ー用の熱電対を取り付けた物をDE用基体「アノード」
として用いた以外は実験例と同様に表1に示す条件で
電子写真感光体を作製し、表8に示す条件でDE処理を
おこなった。その後、再び表1に示す条件で作製した電
子写真感光体を実験例と同様の評価方法により評価し
た。 その結果を表11に示す。
【0103】
【表11】
【0104】注)ここで加熱温度とは加熱用ヒーター
(107)の設定値の事を言う。
【0105】表11よりあきらかな様にDE用基体「アノ
ード」の外形及び肉厚が変わった場合であっても、DE
処理の開始前に円筒状反応容器(101)の内部に設置
してある加熱用ヒーター(107)により加熱処理をお
こない、DE用基体「アノード」の表面温度を100℃
以上にする事で、前記DE処理の初期段階の「放電の乱
れ」を抑制する事について効果がある事が確認出来た。
【0106】《実施例》Al製の直径108mm、長さ358mm、
肉厚5mmのDE用基体の表面に温度モニター用の熱電対
を取り付けた物をDE用基体「アノード」として用いた
以外は実験例と同様に表1に示す条件で電子写真感光
体を作製し、表8に示す条件でDE処理をおこなった。
その後、再び表1に示す条件で作製した電子写真感光
体を実験例と同様の評価方法により評価した。 その
結果を表12に示す。
【0107】
【表12】
【0108】注)ここで加熱温度とは加熱用ヒーター
(107)の設定値の事を言う。
【0109】表12よりあきらかな様にDE用基体「ア
ノード」の外形及び肉厚が変わった場合であっても、D
E処理の開始前に円筒状反応容器(101)の内部に設
置してある加熱用ヒーター(107)により加熱処理を
おこない、DE用基体「アノード」の表面温度を100
℃以上にする事で、前記DE処理の初期段階の「放電の
乱れ」を抑制する事について効果がある事が確認出来
た。よって、実験例〜までの結果をまとめるとDE
処理に使用する基体の外形及び肉厚が異なる場合であっ
ても、前記DE用基体「アノード」の表面温度を100
℃以上に制御することで、前記DE処理の初期段階の
「放電の乱れ」を効果的に抑制出来る事が分かった。
【0110】《実験例》DE用基体「アノード」の外
形及び肉厚による加熱用ヒーター(107)とDE用基
体「アノード」の表面温度の関係を確認する為にAl製の
直径80mm、長さ358mm、肉厚5mmのDE用基体「アノード」
の表面に温度モニター用の熱電対を取り付け、前記DE
用基体「アノード」の表面温度を100℃以上に制御し
た。その後、表13に示す条件でDE処理を行った。
尚、本実験に於いては、DE用基体「アノード」表面の
温度制御をDE処理の終了まで実施した。実施例と同
様の評価方法により評価した。その結果を表14に示
す。
【0111】《実験例》DE処理の開始前に加熱ヒー
ター(107)による加熱制御をおこないDE用基体
「アノード」の表面温度が100℃以上になった時点で
前記加熱ヒーターによる加熱制御を終了させ、その後、
DE基体「アノード」の表面温度が100℃以上の温度
に保っているうちにDE処理を開始した以外は実験例
と同様の方法で実施し、実施例と同様の評価方法によ
り評価した。その結果を同じく表14に示す。
【0112】
【表13】
【0113】
【表14】
【0114】表14よりあきらかな様に、少なくとも放
電電力の印加を開始する時にアノードの表面温度が10
0℃以上であれば「放電の乱れ」を抑制することが可能で
あることがあきらかとなった。。
【0115】又、少なくとも放電電力の印加を開始する
時にアノードの表面の温度がアノードに使用する材質の
融点未満であれば、アノードを傷めることなく「放電の
乱れ」を抑制することが可能であることがあきらかとな
った。
【0116】
【実施例】《実施例》図1に示した様な堆積膜形成装
置を用い、表15に示す条件で堆積膜の形成をおこない
図2−Bに示す層構成の電子写真感光体を作製した。
【0117】この電子写真感光体は、表面を所定の粗さ
に研磨された基体(201)に電荷注入阻止層(20
2)が成膜されている。この電荷注入阻止層(202)
は、光導電層の電荷を中和してしまうことを防ぐために
成膜されている。この電荷注入阻止層(202)上に、
2層に分かれた光導電層(203)が成膜されている。
より表面の光導電層2(203−2)は露光を吸収して
キャリアを発生させる役割を持つ。発生したキャリア
は、主にキャリアを輸送する役割を持つ光導電層1(2
03−1)に移動して、この中を輸送される。光導電層
2上には、積層構造を保護するための表面層(204)
が成膜されている。
【0118】その後、作製した電子写真感光体を円筒状
反応容器から取り出して直径80mm、長さ358mm、
肉厚5mmのAl製のDE用円筒状基体「アノード」を
投入し、DE処理の開始前に前記円筒状反応容器(10
1)の内部に設置した加熱用ヒーター(107)を、2
00℃に加熱することで、DE用円筒状基体「アノー
ド」の表面温度を100℃以上とした。 その後、ClF3
/(ClF3+Ar)の濃度を40%(vol.)としたDE原料
ガスを円筒状反応容器(101)内に導入して、表16
に示す条件でDE処理をおこなった後に表15に示す条
件にて電子写真感光体を作製し、実験例と同様の評価
方法により評価した。 その結果を表17に示す。
【0119】又、DE処理の開始前に反応容器の内部に
設置した加熱用ヒーター(107)を加熱しなかった以
外は、実験例と同様の装置、条件でおこなったものを
比較例とした。
【0120】
【表15】
【0121】
【表16】
【0122】
【表17】
【0123】注)ここで加熱温度とは加熱用ヒーター
(107)の設定値の事を言う。
【0124】表17よりあきらかな様に堆積膜の膜構成
が変わった場合であっても、DE処理の開始前に円筒状
反応容器(101)の内部に設置してある加熱用ヒータ
ー(107)により200℃以上に加熱する事で、前記
DE処理の初期段階の「放電の乱れ」を抑制する事につい
て効果がある事が確認出来た事で本発明は有効である。
【0125】
【発明の効果】本発明のクリーニング処理方法に従い、
三弗化塩素(ClF3)ガスを励起状態とする前に、ク
リーニング用基体「アノード」表面を100℃以上とす
ることで、クリーニング処理の初期段階で発生する「放
電の乱れ」を安定する事が出来る。その結果、堆積膜形
成装置の反応容器内部が従来法以上に清浄化され、電子
写真感光体表面の微小な画像欠陥の発生頻度を大幅に低
減する事が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】RFプラズマCVD法によりAl製円筒状基体
上に堆積膜を形成するための堆積膜形成装置の概略縦断
図。
【図2】電子写真感光体の層構成を示す概略図である。
【符号の説明】
101・・・円筒状反応容器 102・・・カソード電極 103・・・上蓋 104・・・ベースプレート 105・・・絶縁碍子 106・・・円筒状基体ホルダー 107・・・加熱用ヒーター 108・・・ガス導入管 109・・・Al製円筒状基体 110・・・原料ガス配管 111・・・高周波電源 112・・・排気配管 113・・・リークバルブ 114・・・メインバルブ 115・・・真空計 116・・・バルブ 117・・・バルブ 120・・・高周波マッチングボックス 131〜136・・・堆積膜形成用原料ガスボンベ 137〜138・・・DE原料用ガスボンベ 141〜146・・・堆積膜形成用ガスボンベバルブ 147〜148・・・DE原料用ガスボンベバルブ 151〜156・・・堆積膜形成用ガス流入バルブ 157〜158・・・DE原料用ガス流入バルブ 161〜166・・・堆積膜形成用ガス流出バルブ 167〜168・・・DE原料用ガス流出バルブ 171〜178・・・マスフローコントローラー 181〜188・・・ガス圧力調整器 191・・・堆積装置 192・・・原料ガス供給装置 193・・・排気装置 201・・・基体 202・・・電荷注入阻止層 203・・・光導電層 203−1・・・光導電層1 203−2・・・光導電層2 204・・・表面層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高田 和彦 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 片桐 宏之 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2H068 DA23 EA25 EA30 4K030 DA06 FA03 JA06 JA10 LA16 LA17 5F004 AA15 BA04 BD04 CA02 DA00 DA23 DB01 DB30 5F045 AA08 AB04 AC16 AF10 BB14 CA16 DP25 EB06 EE12 EE13 EH15

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項 1】基板上に堆積膜の形成を行う堆積膜形成装
    置内にクリーニング原料ガスを導入し、該堆積膜形成装
    置内に設置されているカソードとアノードとの間に放電
    電力を印加することで、該クリーニング原料ガスを励起
    状態として、該堆積膜形成装置内部の汚れと反応させ、
    気相分子とした後に除去する堆積膜形成装置のクリ−ニ
    ング処理する方法に於いて、該クリーニング原料ガスと
    して、三弗化塩素(ClF3)の濃度が25%〜80%
    (vol)含んだガスを用い、少なくとも該放電電力の
    印加を開始する時に、該アノード表面の温度を100℃
    以上且つアノードに使用する材質の融点未満の温度に加
    熱することを特徴とする堆積膜形成装置のクリ−ニング
    処理方法。
  2. 【請求項2】前記アノード表面の加熱手段が、真空仕様
    の発熱体である事を特徴とする請求項1に記載の堆積膜
    形成装置のクリ−ニング処理方法。
  3. 【請求項3】前記堆積膜形成装置がプラズマCVD(c
    hemical vapor deposition)
    装置であることを特徴とする請求項1に記載の堆積膜形
    成装置のクリ−ニング処理方法。
  4. 【請求項4】 前記アノード表面を加熱して温度制御し
    た後、加熱を停止することを特徴とする請求項1に記載
    の堆積膜形成装置のクリ−ニング処理方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
TWI416626B (zh) * 2010-10-07 2013-11-21 Hitachi High Tech Corp A plasma processing method and a plasma processing apparatus

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