JP2007056281A - クリーニング方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】水素原子を含む非単結晶炭素からなる堆積膜を形成する堆積膜形成装置内のクリーニングに適した、酸素プラズマを用いたクリーニング方法を提供する。
【解決手段】水素原子を含む非単結晶炭素からなる堆積膜を形成する堆積膜形成装置内のクリーニング方法において、該クリーニング方法は酸素原子を含むプラズマによって実施される第一工程及び、酸素原子を含みかつ第一工程とは装置内の圧力が異なるプラズマによって実施される第二工程からなり、第一工程における装置内圧力をx〔Pa〕、第二工程における装置内圧力をy〔Pa〕及び、非単結晶炭素からなる堆積膜を形成する際の装置内圧力をz〔Pa〕とした場合において、
x<z<y 或いは y<z<x
が成り立つことを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、堆積膜形成装置内に設置された基体に、水素原子を含む非単結晶炭素からなる堆積膜を形成する堆積膜形成装置内のクリーニング方法に関するものであり、中でも、酸素プラズマを用いたドライエッチングによるクリーニング方法に関するものである。
堆積膜形成装置のクリーニング方法としてプラズマを用いたドライエッチングが一般的に実施されている。例えば、アモルファスシリコン(以降、a−Si:H)膜を形成する装置内をクリーニングする場合においては、CF、NF、SF或いはClF等のガスを用いたプラズマによるドライエッチングが一般的である。
ところで、近年様々な分野において、表面コーティング層として水素を含有したアモルファス炭素層(以下、a−C:H)が用いられている。このa−C:H膜は、別名ダイヤモンドライクカーボン(DLC)と呼ばれ、高硬度による優れた耐磨耗性と低い摩擦係数等の特性を有する。
このようなa−C:H膜の様な炭素を主成分とする堆積膜形成装置のクリーニング方法としては、酸素系ガスを用いたプラズマによるドライエッチングが一般的であり、その応用も進んでいる。例えば、酸素系ガスを使用し、装置内圧力が異なる二種類のプラズマクリーニング条件でドライエッチングを実施することによって、効率よくクリーニングを実施することが可能となってきている(例えば、特許文献1参照)。これは、プラズマクリーニング時の圧力を変化させることによって、堆積膜形成装置内の特定の場所を選択的にクリーニングすることが可能となるからである。
特開平06−53193号公報
しかしながら、上記したクリーニング方法のみでは、堆積膜形成条件によっては、堆積膜形成装置内のクリーニングが十分に行われない場合があり、堆積膜形成装置内に堆積膜や微小な紛体が残存する場合がある。そのような状態で新たな基体を堆積膜形成装置内に設置し、堆積膜形成を実施すると、残存した堆積膜や微小な紛体が飛散し基体に付着することによって、形成される堆積膜中に欠陥が生じる原因となる場合がある。
これらの現象は特に、プラズマCVD法を用いてa−C:H膜を形成する場合に顕著である。その原因は定かではないが、次のように推察している。
プラズマCVD法を用いてa−C:H膜を形成する場合、CH及びC等のガスが原料ガスとして使用されるが、形成される堆積膜の特性の点で、CHガスを使用するのが一般的である。しかしながら、CHガスは、プラズマCVD法でa−Si:H膜を形成する際に一般的に用いられるSiHガス等と比較すると、プラズマによる分解が進みにくい。そのために、堆積膜形成条件によっては、堆積膜形成装置内の特定の部分にCHプラズマが局在する場合がある。そうした場合、堆積膜形成装置内においてプラズマが局在した部分においては、多量の堆積膜が付着することとなる。
このような状況において、プラズマによる堆積膜形成装置内のクリーニングを実施する場合、堆積膜形成条件によっては、前述した様な二段階のプラズマクリーニングを行ったとしても十分なクリーニングが行われず、特に、堆積膜形成中にプラズマが局在しやすい部分において、堆積膜や微小な紛体が残存する場合があるのである。
又、前述したような二段階のプラズマクリーニングを実施する場合、堆積膜形成装置内のある部分においては、十分にクリーニングが実施されているにもかかわらず、プラズマクリーニングが継続して実施され、そのような過剰なクリーニングによって、装置に悪影響を及ぼす場合がある。悪影響の具体例としては、過剰に酸素プラズマにさらされることによる、装置内部材への酸素の残存量の増加や、プラズマにより過剰に加熱されることによるオーリング等の消耗部品の劣化が著しく進行することなどが挙げられる。その結果、クリーニング後に形成するa−C:H膜中の不純物としての酸素の増加や、堆積膜形成装置の耐久性低下等の原因となる場合がある。
これらの原因は定かではないが、次のように推察している。
先にも述べたように、プラズマクリーニング中の装置内圧力を変化させることによって、装置内の特定の部分を選択的にクリーニングすることはある程度は可能である。しかしながら、完全に特定部のみをクリーニングすることは容易ではなく、目的とする部分以外の部分に関しても、ある程度はクリーニング作用が働いてしまうのが実情である。
例えば、第一のステップで装置内A部を選択的にクリーニングした後に、第二のステップでそれ以外の場所を選択的にクリーニングする場合においても、第二のステップを実施中に、多少なりともA部はプラズマに晒されることとなるのである。その結果、酸素系のプラズマを用いる場合においては、A部分の酸化が進む等の現象が発生し、そのためにクリーニング実施後の装置内の酸素残存量が増加するのではないかと考えている。
又、特定部を選択的にプラズマクリーニングするために、同一工程を長時間連続的に実施した場合、当該特定部が連続的にプラズマに晒される状態となる。そのために、当該特定部が過度に加熱され、近傍にオーリング部等の消耗部品が設置されている場合には、それらの劣化が著しく進行する場合があるのではないかと考えている。
本発明は、以上の点に着目して成されたもので、水素原子を含む非単結晶炭素からなる堆積膜を形成する堆積膜形成装置内のクリーニングに適した、酸素プラズマを用いたクリーニング方法を提供することを目的とする。
このような問題に対して、本発明者らは鋭意検討を行った結果、水素原子を含む非単結晶炭素からなる堆積膜を形成する堆積膜形成装置内のクリーニングを、酸素原子を含むプラズマを用いた第一工程及び、酸素原子を含みかつ第一工程とは装置内の圧力が異なるプラズマを用いた第二工程によって実施し、第一工程における装置内圧力をx〔Pa〕、第二工程における装置内圧力をy〔Pa〕及び、非単結晶炭素からなる堆積膜を形成する際の装置内圧力をz〔Pa〕とした場合において、x、y、zの関係を規定すること、さらには、前記第一工程及び前記第二工程を周期的に繰り返し実施することによって、最適なプラズマクリーニングを実現し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明のクリーニング方法は、水素原子を含む非単結晶炭素からなる堆積膜を形成する堆積膜形成装置内のクリーニング方法において、クリーニング方法は酸素原子を含むプラズマによって実施される第一工程及び、酸素原子を含みかつ第一工程とは装置内の圧力が異なるプラズマによって実施される第二工程からなり、第一工程における装置内圧力をx〔Pa〕、第二工程における装置内圧力をy〔Pa〕及び、非単結晶炭素からなる堆積膜を形成する際の装置内圧力をz〔Pa〕とした場合において、
x<z<y 或いは y<z<x
が成り立つことを特徴としている。
又、本発明のクリーニング方法は、酸素原子を含むプラズマによって実施される第一工程及び、酸素原子を含みかつ第一工程とは装置内の圧力が異なるプラズマによって実施される第二工程からなり、第一工程及び第二工程を周期的に繰り返し実施することを特徴としている。
上記したような本発明のクリーニング方法を用いることによって、a−C:H膜形成時の条件に対して、適切なプラズマクリーニング条件を選択することができる。その結果、十分な堆積膜形成装置内のクリーニングを行うことが可能となり、クリーニング後に形成するa−C:H膜中に欠陥が生じる確率を大幅に減少させることができる。
又、本発明における他の効果としては、二段階のプラズマクリーニングを周期的に繰り返し実施することにより、特定の部分への過剰クリーニングを防止することが可能となる。その結果、堆積膜形成装置内への酸素の残存量の増加を防止し、クリーニング後に形成するa−C:H膜中の不純物としての酸素の増加を防止することができる。又、オーリング等の消耗部品が著しく劣化することがないために、耐久性等の面で有効である。
次に、上記のような効果が得られる本発明を以下で図を用いて詳述する。
図1(A),(B)に示した堆積膜形成装置は、円筒状形状の基体(例えば、電子写真用感光体)に水素原子を含む非単結晶炭素からなる堆積膜を形成する装置である。以下に、図1(A),(B)に示した堆積膜形成装置を使用した、a−C:H膜の形成方法及び、a−C:H膜形成後に実施される、装置内のクリーニング方法の一例を示す。
上蓋107を開放し、基体105を基体支持部材104、キャップ106で支持し、反応容器101内に設置する。上蓋107を設置し、排気装置(図示せず)を用いて、反応容器101内を排気口113を介して真空排気する。
反応容器内を十分に排気した後、ヒーター108を用いて基体105を加熱する。この際、ガス導入管102より、加熱用ガスを反応容器内101に導入し、スロットル弁112を使用して反応容器101内を所定の圧力に維持した状態で加熱を行っても良い。加熱用ガスとしては、Ar,He等を用いることが一般的である。尚、反応容器101内の圧力は真空計111を用いて測定する。又、形成する堆積膜によっては、ヒーターによる加熱を行わない場合もある。
基体105が所定の温度に加熱された後、ガス導入管102より、原料ガスを反応容器101内に導入する。スロットル弁112を使用して反応容器101内を所定の圧力(z〔Pa〕とする)に維持する。上記手順により、堆積膜形成条件が整った後、高周波電源109より、整合器110を介して、高周波電力を反応容器101内に導入し、反応容器101内にプラズマを形成することによって、基体105上にa−C:H膜を形成する。尚、原料ガスとしては、CH及びC等が用いられる。
堆積膜形成終了後、反応容器101を大気開放し、基体105を取り出す。
堆積膜形成後、反応容器101内の膜付着状況によって、反応容器101内のクリーニングを実施する。クリーニングを実施する場合、反応容器101内に基体105の代わりにダミー部材(図示せず)を設置する。ダミー部材の形状としては、基体支持部材104、基体105、キャップ106からなるユニットと同一形状の部材を使用することが一般的ではあるが、クリーニングが効果的に行われる形状であるならば、特に制限はない。ダミー部材設置後、反応容器101内を真空排気する。
反応容器101内を十分に排気した後、ガス導入管102より、クリーニング用ガスを反応容器101内に導入する。スロットル弁112を使用して反応容器101内を第一の圧力(x〔Pa〕)に維持する。上記手順により、クリーニング条件が整った後、高周波電源109より、整合器110を介して、高周波電力を反応容器101内に導入し、反応容器101内にプラズマを形成することによって、反応容器101内のプラズマによるクリーニングを実施する。尚、クリーニングガスとしては、O、オゾン等が用いられる。
所定の時間プラズマクリーニングを実施した後、スロットル弁112の開度を調節することによって、反応容器101内を第二の圧力(y〔Pa〕)へと変更する。圧力の変更はプラズマを形成したままの状態で行ってもよいが、一旦高周波電力の導入を中止してプラズマを消滅させた後に圧力を変更し、圧力が安定した状態で再度高周波電力を導入することでプラズマを形成するといった手順を踏んでもよい。第二の圧力条件で、所定の時間プラズマクリーニングを実施した後、高周波電力の導入を中止し、クリーニングを終了する。
ここで、本発明における第一のクリーニング方法においては、a−C:H膜形成時の反応容器101内の圧力z〔Pa〕、プラズマクリーニング時の第一の圧力x〔Pa〕、プラズマクリーニング時の第二の圧力y〔Pa〕の間には、x<z<y或いはy<z<xの関係が成り立つ。
又、本発明における第二のクリーニング方法においては、第一の圧力で実施するクリーニング工程と第二の圧力で実施するクリーニング工程を周期的に繰り返し実施する。
又、本発明における第三のクリーニング方法においては、a−C:H膜形成時の反応容器101内の圧力z〔Pa〕、プラズマクリーニング時の第一の圧力x〔Pa〕、プラズマクリーニング時の第二の圧力y〔Pa〕の間には、x<z<y或いはy<z<xの関係が成り立ち、かつ、第一の圧力で実施するクリーニング工程と第二の圧力で実施するクリーニング工程を周期的に繰り返し実施する。
又、本発明においては、前記第一工程における装置内圧力をx〔Pa〕、前記第二工程における装置内圧力をy〔Pa〕とした場合、
3x≦y 或いは 3y≦x
が成り立つ条件でプラズマクリーニングを実施することにより、本発明の効果をより顕著に得ることができるためより好ましい。
又、本発明においては、前記二種類のクリーニング工程の内、装置内圧力が低い条件でプラズマクリーニングを実施する時間のトータルをT1〔sec〕、装置内圧力が高い条件でプラズマクリーニングを実施する時間のトータルをT2〔sec〕とした場合において、
T1>T2
が成り立つ条件でプラズマクリーニングを実施することにより、本発明の効果をより顕著に得ることができるためより好ましい。
[実施例1]
図1に示した堆積膜形成処理装置において、発振周波数13.56MHzの高周波電源109を用い、前記した方法により、反応容器101内に設置された、直径80mm、長さ358mmの円筒形状の基体105上に、表1に示す条件でa−C:H膜を、5ロット連続して作製した。尚、本例における円筒形状の基体とは、a−Si:Hを母材とした阻止層、光導電層及び表面層からなる電子写真用感光体である。又、本例においては、a−C:H膜形成前に基体加熱は実施しておらず、堆積膜形成中の基板温度は成り行きである。
5ロット目のa−C:H膜の形成が終了した後、反応容器101内にダミー部材を設置し、前記した方法により、表2に示す条件で、堆積膜形成装置内にプラズマによるクリーニングを実施した。
Figure 2007056281
Figure 2007056281
実施例1と同様の方法で、図1に示した堆積膜形成処理装置において、直径80mm、長さ358mmの円筒形状の基体105上に、表1に示す条件でa−C:H膜を、5ロット連続して作製した。
5ロット目のa−C:H膜の形成が終了した後、反応容器101内にダミー部材を設置し、前記した方法により、表3に示す条件で、堆積膜形成装置内にプラズマによるクリーニングを実施した。
Figure 2007056281
[比較例1]
実施例1と同様の方法で、図1に示した堆積膜形成処理装置において、直径80mm、長さ358mmの円筒形状の基体105上に、表1に示す条件でa−C:H膜を、5ロット連続して作製した。
5ロット目のa−C:H膜の形成が終了した後、反応容器101内にダミー部材を設置し、前記した方法により、表4に示す条件で、堆積膜形成装置内にプラズマによるクリーニングを実施した。
Figure 2007056281
[比較例2]
実施例1と同様の方法で、図1に示した堆積膜形成処理装置において、直径80mm、長さ358mmの円筒形状の基体105上に、表1に示す条件でa−C:H膜を、5ロット連続して作製した。
5ロット目のa−C:H膜の形成が終了した後、反応容器101内にダミー部材を設置し、前記した方法により、表5に示す条件で、堆積膜形成装置内にプラズマによるクリーニングを実施した。
Figure 2007056281
[比較例3]
実施例1と同様の方法で、図1に示した堆積膜形成処理装置において、直径80mm、長さ358mmの円筒形状の基体105上に、表1に示す条件でa−C:H膜を、5ロット連続して作製した。
5ロット目のa−C:H膜の形成が終了した後、反応容器101内にダミー部材を設置し、前記した方法により、表6に示す条件で、堆積膜形成装置内にプラズマによるクリーニングを実施した。
Figure 2007056281
[比較例4]
実施例1と同様の方法で、図1に示した堆積膜形成処理装置において、直径80mm、長さ358mmの円筒形状の基体105上に、表1に示す条件でa−C:H膜を、5ロット連続して作製した。
5ロット目のa−C:H膜の形成が終了した後、反応容器101内にダミー部材を設置し、前記した方法により、表7に示す条件で、堆積膜形成装置内にプラズマによるクリーニングを実施した。
Figure 2007056281
[比較例5]
実施例1と同様の方法で、図1に示した堆積膜形成処理装置において、直径80mm、長さ358mmの円筒形状の基体105上に、表1に示す条件でa−C:H膜を、5ロット連続して作製した。
5ロット目のa−C:H膜の形成が終了した後、反応容器101内にダミー部材を設置し、前記した方法により、表8に示す条件で、堆積膜形成装置内にプラズマによるクリーニングを実施した。
Figure 2007056281
[比較例6]
実施例1と同様の方法で、図1に示した堆積膜形成処理装置において、直径80mm、長さ358mmの円筒形状の基体105上に、表1に示す条件でa−C:H膜を、5ロット連続して作製した。
5ロット目のa−C:H膜の形成が終了した後、反応容器101内にダミー部材を設置し、前記した方法により、表9に示す条件で、堆積膜形成装置内にプラズマによるクリーニングを実施した。
Figure 2007056281
[実施例1及び2、比較例1〜6の評価]
実施例1及び比較例1〜4で実施したプラズマクリーニング後の堆積膜形成装置内のクリーニング状態を目視で確認し評価を行った。
尚、評価ランクは以下のとおりである。
A:炉内に膜や粉体の残存は確認されず
B:炉内のある特定領域に、膜や紛体の残存が確認された
C:炉内の二箇所以上の特定領域に、膜や紛体の残存が確認された
D:炉内全面に膜や紛体の残存が確認された
その結果を表10に示す。
Figure 2007056281
表10からわかるように、プラズマクリーニングを装置内圧力が異なる二つの工程で実施し、かつ、第一工程における装置内圧力をx〔Pa〕、第二工程における装置内圧力をy〔Pa〕及び、a−C:H膜形成中の装置内圧力をz〔Pa〕とした場合に
x<z<y 或いは y<z<x
が成り立つ条件でプラズマクリーニングを実施することにより、良好なクリーニングが実施できることがわかる。
[実施例3]
実施例1と同様の方法で、図1に示した堆積膜形成処理装置において、直径80mm、長さ358mmの円筒形状の基体105上に、表1に示す条件でa−C:H膜を、5ロット連続して作製した。
5ロット目のa−C:H膜の形成が終了した後、反応容器101内にダミー部材を設置し、前記した方法により、表11に示す条件で、即ち、第一工程と第二工程を5周期繰り返しながら、堆積膜形成装置内にプラズマによるクリーニングを実施した。クリーニング後に堆積膜形成装置内のクリーニング状態を目視で確認した結果、炉内に膜や粉体の残存は確認されず良好なクリーニングを実施することができた。
プラズマクリーニング実施後に、反応容器101内に円筒状の基体105を設置し、表1に示す条件で、基体105上にa−C:H膜を形成した。
尚、本例における円筒状の基体とは、a−Si:Hを母材とした阻止層、光導電層及び表面層からなる電子写真用感光体である。
Figure 2007056281
[実施例4]
実施例1と同様の堆積膜形成装置内のプラズマクリーニングを実施した後に、反応容器101内に円筒状の基体105を設置し、表1に示す条件で、基体105上にa−C:H膜を形成した。
尚、本例における円筒状の基体とは、a−Si:Hを母材とした阻止層、光導電層及び表面層からなる電子写真用感光体である。
[比較例7]
比較例2と同様の堆積膜形成装置内のプラズマクリーニングを実施した後に、反応容器101内に円筒状の基体105を設置し、表1に示す条件で、基体105上にa−C:H膜を形成した。
尚、本例における円筒状の基体とは、a−Si:Hを母材とした阻止層、光導電層及び表面層からなる電子写真用感光体である。
[実施例3及び4、比較例7の評価]
実施例3及び3、比較例7で作製したa−C:H膜中に含有される酸素原子の濃度をSIMSにより分析し、比較例7を基準として、以下のランクに区分した。
A:比較例7の50%未満
B:比較例7の50%以上80%未満
C:比較例7の80%以上100%未満
D:比較例7よりも多い
その結果を表12に示す。
Figure 2007056281
表12からわかるように、プラズマクリーニングを実施する際に、第一工程と第二工程を周期的に実施することによって、その後形成するa−C:H膜中への酸素の混入を低減することができることがわかる。
[実施例3及び比較例7の評価]
実施例3及び比較例7で作製した電子写真用感光体を、キヤノン製デジタル電子写真装置iR−6000を使用して、A3用紙に6〜20ポイントの文字を多数並べて作製したテストチャートを用いて5万枚耐久した。
耐久後、電子写真装置iR−6000に設置されるクリーニングブレードの電子写真用感光体の摺擦面を顕微鏡を用いて観察したところ、実施例3で作製した電子写真用感光体を耐久した後のクリーニングブレードの摺擦面は、滑らかであったのに対して、比較例7で作製した電子写真用感光体を耐久した後のクリーニングブレードの摺擦面は微細な凸凹が観測された。
これは、比較例7においては、反応容器内のクリーニングが十分に実施されていない状態で、反応容器内に円筒状の基体を設置したために、反応容器内に残存した堆積膜や微小な紛体が基体に飛散し、形成された電子写真用感光体表面に微小な欠陥が生じたことに起因していると考えられる。
この結果より、本例のクリーニング方法を実施することにより、クリーニング後に形成するa−C:H膜中に欠陥が生じる確立を大幅に減少させることができることがわかる。
[実施例5]
実施例1と同様の方法で、図1に示した堆積膜形成処理装置において、直径80mm、長さ358mmの円筒形状の基体105上に、表1に示す条件でa−C:H膜を、5ロット連続して作製した。
5ロット目のa−C:H膜の形成が終了した後、反応容器101内にダミー部材を設置し、前記した方法により、
(イ)表13に示す条件で、即ち、第一工程と第二工程を周期的に繰り返しながら、堆積膜形成装置内にプラズマによるクリーニングを実施した。一周期毎にプラズマクリーニング後の堆積膜形成装置内のクリーニング状態を目視で確認し、炉内に膜や粉体の残存は確認されなくなるまで、クリーニングを繰り返した。その結果、5回目のクリーニングを終了した時点で、炉内に膜や紛体の残存は確認されなくなった。
(ロ)表14に示す条件で、即ち、第一工程と第二工程を周期的に繰り返しながら、堆積膜形成装置内にプラズマによるクリーニングを実施した。一周期毎にプラズマクリーニング後の堆積膜形成装置内のクリーニング状態を目視で確認し、炉内に膜や粉体の残存は確認されなくなるまで、クリーニングを繰り返した。その結果、7回目のクリーニングを終了した時点で、炉内に膜や紛体の残存は確認されなくなった。
Figure 2007056281
Figure 2007056281
[実施例6]
実施例1と同様の方法で、図1に示した堆積膜形成処理装置において、直径80mm、長さ358mmの円筒形状の基体105上に、表1に示す条件でa−C:H膜を、5ロット連続して作製した。
5ロット目のa−C:H膜の形成が終了した後、反応容器101内にダミー部材を設置し、前記した方法により、
(イ)表15に示す条件で、即ち、第一工程と第二工程を周期的に繰り返しながら、堆積膜形成装置内にプラズマによるクリーニングを実施した。一周期毎にプラズマクリーニング後の堆積膜形成装置内のクリーニング状態を目視で確認し、炉内に膜や粉体の残存は確認されなくなるまで、クリーニングを繰り返した。その結果、5回目のクリーニングを終了した時点で、炉内に膜や紛体の残存は確認されなくなった。
(ロ)表16に示す条件で、即ち、第一工程と第二工程を周期的に繰り返しながら、堆積膜形成装置内にプラズマによるクリーニングを実施した。一周期毎にプラズマクリーニング後の堆積膜形成装置内のクリーニング状態を目視で確認し、炉内に膜や粉体の残存は確認されなくなるまで、クリーニングを繰り返した。その結果、5回目のクリーニングを終了した時点で、炉内に膜や紛体の残存は確認されなくなった。
(ハ)表17に示す条件で、即ち、第一工程と第二工程を周期的に繰り返しながら、堆積膜形成装置内にプラズマによるクリーニングを実施した。一周期毎にプラズマクリーニング後の堆積膜形成装置内のクリーニング状態を目視で確認し、炉内に膜や粉体の残存は確認されなくなるまで、クリーニングを繰り返した。その結果、7回目のクリーニングを終了した時点で、炉内に膜や紛体の残存は確認されなくなった。
Figure 2007056281
Figure 2007056281
Figure 2007056281
実施例3、5及び6の結果からわかるように、プラズマクリーニングを実施する際に、第一工程における装置内圧力をx〔Pa〕、前記第二工程における装置内圧力をy〔Pa〕とした場合、
5x≦y 或いは 5y≦x
が成り立つ条件でクリーニングを行うことで、本発明の効果をより顕著に得ることができることがわかる。
[実施例7]
実施例1と同様の方法で、図1に示した堆積膜形成処理装置において、直径80mm、長さ358mmの円筒形状の基体105上に、表1に示す条件でa−C:H膜を、5ロット連続して作製した。
5ロット目のa−C:H膜の形成が終了した後、反応容器101内にダミー部材を設置し、前記した方法により、表18に示す条件で、即ち、第一工程と第二工程を周期的に繰り返しながら、堆積膜形成装置内にプラズマによるクリーニングを実施した。一周期毎にプラズマクリーニング後の堆積膜形成装置内のクリーニング状態を目視で確認し、炉内に膜や粉体の残存は確認されなくなるまで、クリーニングを繰り返した。その結果、6回目のクリーニングを終了した時点で、炉内に膜や紛体の残存は確認されなくなった。
Figure 2007056281
[実施例8]
実施例1と同様の方法で、図1に示した堆積膜形成処理装置において、直径80mm、長さ358mmの円筒形状の基体105上に、表1に示す条件でa−C:H膜を、5ロット連続して作製した。
5ロット目のa−C:H膜の形成が終了した後、反応容器101内にダミー部材を設置し、前記した方法により、表19に示す条件で、即ち、第一工程と第二工程を周期的に繰り返しながら、堆積膜形成装置内にプラズマによるクリーニングを実施した。一周期毎にプラズマクリーニング後の堆積膜形成装置内のクリーニング状態を目視で確認し、炉内に膜や粉体の残存は確認されなくなるまで、クリーニングを繰り返した。その結果、9回目のクリーニングを終了した時点で、炉内に膜や紛体の残存は確認されなくなった。
Figure 2007056281
実施例3、7及び8の結果からわかるように、二種類の工程からなるプラズマクリーニングを実施する際に、装置内圧力が低い条件でプラズマクリーニングを実施する時間のトータルをT1〔sec〕、装置内圧力が高い条件でプラズマクリーニングを実施する時間のトータルをT2〔sec〕とした場合において、
T1>T2
が成り立つでクリーニングを行うことで、本発明の効果をより顕著に得ることができることがわかる。
(A),(B) 本発明で使用したプラズマ処理装置の一例で、プラズマCVD法によるa−C:H膜の堆積膜形成装置を横から見た概略断面図である。
符号の説明
101 反応容器
102 原料ガス導入管
103 回転機構
104 基体指示部材
105 基体
106 キャップ
107 上蓋
108 基体加熱ヒーター
109 高周波電極
110 マッチングボックス
111 真空計
112 スロットルバルブ
113 排気口

Claims (5)

  1. 水素原子を含む非単結晶炭素からなる堆積膜を形成する堆積膜形成装置内のクリーニング方法において、該クリーニング方法は酸素原子を含むプラズマによって実施される第一工程及び、酸素原子を含みかつ第一工程とは装置内の圧力が異なるプラズマによって実施される第二工程からなり、第一工程における装置内圧力をx〔Pa〕、第二工程における装置内圧力をy〔Pa〕及び、非単結晶炭素からなる堆積膜を形成する際の装置内圧力をz〔Pa〕とした場合において、
    x<z<y 或いは y<z<x
    が成り立つことを特徴とするクリーニング方法。
  2. 水素原子を含む非単結晶炭素からなる堆積膜を形成する堆積膜形成装置内のクリーニング方法において、該クリーニング方法は酸素原子を含むプラズマによって実施される第一工程及び、酸素原子を含みかつ第一工程とは装置内の圧力が異なるプラズマによって実施される第二工程からなり、第一工程及び第二工程を周期的に繰り返し実施することを特徴とするクリーニング方法。
  3. 水素原子を含む非単結晶炭素からなる堆積膜を形成する堆積膜形成装置内のクリーニング方法において、該クリーニング方法は酸素原子を含むプラズマによって実施される第一工程及び、酸素原子を含みかつ第一工程とは装置内の圧力が異なるプラズマによって実施される第二工程からなり、第一工程及び第二工程を周期的に繰り返し実施し、第一工程における装置内圧力をx〔Pa〕、第二工程における装置内圧力をy〔Pa〕及び、非単結晶炭素からなる堆積膜を形成する際の装置内圧力をz〔Pa〕とした場合において、
    x<z<y 或いは y<z<x
    が成り立つことを特徴とするクリーニング方法。
  4. 前記第一工程における装置内圧力をx〔Pa〕、前記第二工程における装置内圧力をy〔Pa〕とした場合において、
    5x≦y 或いは 5y≦x
    が成り立つことを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載のクリーニング方法。
  5. 前記第一工程及び前記第二工程の内、装置内圧力が低い条件でプラズマクリーニングを実施する時間のトータルをT1〔sec〕、装置内圧力が高い条件でプラズマクリーニングを実施する時間のトータルをT2〔sec〕とした場合において、
    T1>T2
    が成り立つことを特徴とする請求項1乃至4いずれかに記載のクリーニング方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014146826A (ja) * 2010-07-15 2014-08-14 Tokyo Electron Ltd 薄膜形成装置の洗浄方法、薄膜形成方法、及び、薄膜形成装置

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