JP2002317265A - スパッタ成膜装置 - Google Patents

スパッタ成膜装置

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JP2002317265A JP2001120174A JP2001120174A JP2002317265A JP 2002317265 A JP2002317265 A JP 2002317265A JP 2001120174 A JP2001120174 A JP 2001120174A JP 2001120174 A JP2001120174 A JP 2001120174A JP 2002317265 A JP2002317265 A JP 2002317265A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 効率的にスパッタ成膜を行う。 【解決手段】 表裏両面に下地基板を保持したホルダプ
レート8を真空槽2に収容し、チャッキング装置18,
18で支軸8bをチャックする。モータ19を駆動して
ホルダプレート8を水平な回転軸の回りに回転させる。
ホルダプレート8の表裏両側に、ホルダプレート8と平
行に延びた円筒状のターゲットブロック30a〜30
c、31a〜31cが配置される。これらのターゲット
ブロックとホルダプレートとの間に生じるグロー放電に
より、それぞれのターゲット材料32からの飛散原子に
よって、ホルダプレート8の表裏両面に保持された下地
基板にスパッタ成膜が行われる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、薄膜の形成に用い
られるスパッタ成膜装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】光学薄膜や導電性薄膜などの各種の薄膜
を形成する際にスパッタリングが行われている。スパッ
タリングでは、グロー放電で生成された陽イオンを電気
的に加速してターゲット材料に衝突させ、これにより叩
き出された原子を下地基板に被着させることによって成
膜が行われる。グロー放電のために真空槽内にはアルゴ
ンガスなどの不活性ガスが導入されるが、化学反応性ス
パッタリングを行う際にはさらに酸素ガス,窒素ガスな
どの反応ガスの導入も行われる。スパッタリングで形成
した薄膜は、抵抗加熱方式や電子線加熱方式に代表され
る真空蒸着法で形成した薄膜と比較して、成膜に時間が
かかるという難点はあるものの、膜構造が緻密で物理,
化学的に安定したものが得られ、また基板への付着力の
強い薄膜が得られるという利点がある。
【0003】スパッタリング装置は、真空槽の内部に下
地基板を保持した基板ホルダと、ターゲットブロックと
を収容して構成され、さらに真空槽の内部を真空引きす
るための真空排気装置と、基板ホルダとターゲットブロ
ックとの間でグロー放電を生じさせるための電気系装置
と、不活性ガスや反応性ガスの供給装置などを備えてい
る。ターゲットブロックは成膜時に陰電極となるターゲ
ットホルダにターゲット材料を固着したもので、下地基
板に正対するように真空槽内部に配置されている。成膜
時のグロー放電によってターゲットブロックが高温度に
なると、ターゲットホルダの電気抵抗が大きくなって放
電電流を抑制し、グロー放電を安定に保つことが困難に
なってくるため、ターゲットブロックには水冷用の配管
を行うのが通常となっている。
【0004】薄膜の量産に適したスパッタリング装置
は、例えば特開平7−70748号公報に記載されてい
るように、成膜対象となる下地基板を垂直な回転軸の回
りに回転するドラム状の基板ホルダの外周面で保持さ
せ、基板ホルダ外周面の外側に設置した複数のターゲッ
トブロックからスパッタリングを行っている。これらの
ターゲットブロックにそれぞれ同じターゲット材料を装
着し、基板ホルダを回転させながら同時に成膜を行うこ
とによって、成膜時間を短縮することが可能となる。ま
た、複数のターゲットブロックに異種のターゲット材料
を装着して用いることも可能で、これによれば一回の真
空引きで異種の薄膜を組み合わせた多層膜を形成するこ
とも可能となる。
【0005】また、特開平11−92924号公報記載
のスパッタリング装置では、垂直な回転軸を中心に傘状
の基板ホルダを回転させ、その下側に配置されたターゲ
ットハウスに収容されたターゲットブロックからスパッ
タリングを行う構造となっている。ターゲットハウス内
には複数のターゲットブロックがターレット式に収容さ
れ、各々のターゲットブロックに異種のターゲット材料
を用い、適宜に交換して使用すれば一回の真空引きで多
層膜を形成することもできる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記装置のように、真
空槽内に複数のターゲットブロックを配置しておくこと
により、一回の真空引きで単層膜,多層膜のいずれにつ
いても効率的な成膜が可能となるが、成膜は基板ホルダ
の片面側だけである。したがって、成膜面積を増やそう
とすると基板ホルダを大径のものにするしかなく、成膜
装置の大型化が避けられない。また、基板ホルダに下地
基板の表裏反転機構を設ければ、一回の真空引きでも下
地基板の両面に順次に成膜を行ったり、あるいは2枚重
ねした下地基板のそれぞれの表側の面に順次に成膜を行
ったりすることが可能となるが、成膜時間が2倍になる
ほか、基板ホルダに下地基板の表裏反転機構を設けなく
てはならず、その精度や信頼性を考慮すると基板ホルダ
の大幅なコストアップが避けられない。
【0007】さらに、量産時にはスパッタ成膜工程が終
わるごとに成膜済みの下地基板を基板ホルダごと真空槽
から取り出し、そして新たな下地基板を保持した別の基
板ホルダを真空槽にセットするという形で作業が進めら
れるため、一台のスパッタ成膜装置には複数の基板ホル
ダが併用される。このため、基板ホルダのそれぞれに下
地基板の表裏反転機構が必要となり、コスト面での負担
はさらに大きくなる。また、上記各公報記載のスパッタ
成膜装置では、ドラム状あるいは傘状の基板ホルダを垂
直な回転軸を中心にして回転させる構造であるため、下
地基板を保持した基板ホルダの重量が増してくると、ク
レーンなどを利用して真空槽の上方から基板ホルダを出
し入れしなくてはならず、その交換作業が面倒なだけで
なく広い作業スペースを要するという欠点もある。
【0008】本発明は上記背景に鑑みてなされたもの
で、その目的は、基板ホルダの構造を複雑化させずに従
来装置の2倍の効率で成膜を行うことができ、また基板
ホルダの交換作業も広い作業スペースを要せずに簡便に
行うことができるようにしたスパッタ成膜装置を提供す
ることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、成膜対象となる下地基板の保持面が表裏両
面に設けられ、真空槽内で水平な支軸により回転自在に
支持された円板状のホルダプレートと、前記支軸の回り
にホルダプレートを回転させる回転機構と、ホルダプレ
ートの表面及び裏面に対して長手方向が平行となるよう
に真空槽内に配置された少なくとも一対のターゲットブ
ロックとを備え、ホルダプレートを前記支軸の回りに垂
直姿勢のまま回転させるとともに、ホルダプレートの表
面及び裏面と、これらの面にそれぞれ対面して配置され
た前記各々のターゲットブロックとの間のグロー放電に
より、ホルダプレートの表面及び裏面に保持された下地
基板に同時にスパッタ成膜を行うことができるようにし
たものである。したがって下地基板の表裏面に同時に成
膜を行ったり、重ね合わされた下地基板のそれぞれの表
側の面に同時に成膜を行うことが可能となる。もちろ
ん、一方の面だけに成膜を行うときには、他方の面側で
はグロー放電を行わないようにすればよい。
【0010】ホルダプレートの表裏両側で成膜を行う際
には、その各々の面側で成膜過程を監視する必要がある
が、そのために本発明のスパッタ成膜装置には、ホルダ
プレートの表裏面とそれぞれ平行であって、各々のター
ゲットブロックの中心からの見込み角度が35度以内と
なる位置で一対のモニタガラスをそれぞれ着脱自在に保
持するモニタガラスホルダと、それぞれのモニタガラス
に測定光を照射してその反射光に基づいて成膜過程を監
視する監視装置とが設けられている。そして、各々のタ
ーゲットブロックとホルダプレート両面との間に生じる
グロー放電によりホルダプレートの表裏両面に保持され
た下地基板とモニタガラスに同時にスパッタ成膜を行
い、前記監視装置により下地基板に形成される薄膜の膜
厚監視ができるようにしている。
【0011】さらに、ホルダプレート及びターゲットブ
ロックを収容する真空槽に隣接して設けられホルダプレ
ートを垂直姿勢のまま収容する予備室と、真空槽に形成
された縦長の出入り口を通してホルダプレートを垂直姿
勢のまま予備室と真空槽との間で搬送する搬送手段と、
前記開口を気密に閉じる扉とを設けておくことによっ
て、この扉を開いたときには、ホルダプレートを垂直姿
勢のまま真空槽に迅速かつ簡便に出し入れすることがで
き、その作業スペースも大幅に節約することが可能とな
る。
【0012】
【発明の実施の形態】図1に本発明のスパッタ成膜装置
の外観を示す。真空槽2及び予備室3はそれぞれの架台
4,5で支持され、互いに隣接するように配置されてい
る。図2及び図3に示すように、真空室2の側壁には縦
長の出入り口6が形成され、通常は扉7によって気密に
閉じられている。
【0013】図1に示すように、予備室3には次に真空
槽2に送り込まれる円板状のホルダプレート8が垂直姿
勢のまま収容されている。ホルダプレート8は成膜工程
中に下地基板を保持する基板ホルダとなる。ホルダプレ
ート8の表裏両面に円周をほぼ等分割するように下地基
板の保持部8aが形成され、表裏に設けられた各々の保
持部8aにはスパッタ成膜の対象となる下地基板10が
装着される。なお、保持部8aに下地基板10を装着す
る際には下地基板10の形状や寸法に応じた治具が用い
られ、異なった形状や寸法の下地基板でも取り付けられ
るようにしておくことが望ましい。
【0014】予備室3内でホルダプレート8は垂直姿勢
のまま台車11上に載せられ、台車11はその底面に設
けられたコロの転動によりレール12上を移動させるこ
とができる。レール12は真空槽2の内部にも設けら
れ、扉7を開放しておけば、出入り口6を通して台車1
1を真空槽2の中にも移動させることができるようにし
てある。なお、予備室3の中は真空引きされることがな
いので、その外壁は必ずしも強固なものでなくてもよ
い。予備室3の前面側には扉14が設けられ、真空槽2
の扉7を開閉操作するとき、そして台車11を真空槽2
に送り込むときに開放される。また、予備室3の背面側
には予備室内の台車11にホルダプレート8を載置し、
あるいは降ろすときに開放される扉が設けられている。
【0015】真空槽2の下には、油拡散ポンプや分子タ
ーボポンプ,スクロール型ドライ真空ポンプなどの適宜
の真空排気装置15が設けられており、真空排気装置1
2を作動させることによって、真空槽2の内部を10-6
Torr以下の高真空にすることができる。また、スパッタ
リングを行うときに真空槽2にアルゴンガスなどの不活
性ガスを導入するためのガス導入装置も真空槽2の下に
設置される。
【0016】真空槽2の前面のほぼ中央部にホルダプレ
ート8を水平な回転軸の回りに回転させる回転機構17
が設けられている。回転機構17は、真空槽11の水平
断面を示す図4に表されているように、真空槽11の前
面壁及び背面壁に組み込まれ、軸方向に進退自在なチャ
ッキング装置18と、背面壁側に取付けられたモータ1
9とからなる。チャッキング装置18は真空槽11の内
部に突出してホルダプレート8に一体化された支軸8b
を両側から保持し、モータ19の回転によりホルダプレ
ート8を回転させる。なお、チャッキング装置18がホ
ルダプレート8の支軸18bを保持したときに、ホルダ
プレート8は台車11からわずかに持ち上げられ、ホル
ダプレート8が回転するときに台車11と干渉しないよ
うにしてある。符号12aはレール12の終端に設けら
れたストッパを示し、このストッパ12で台車11の位
置決めを行うと、ホルダプレート8の支軸8bがチャッ
キング装置18でチャッキングできる位置で停止する。
【0017】真空槽2の上面壁には、モニタガラス支持
機構20a〜20cが組み込まれ、真空槽2の前面壁及
び背面壁にはモニタガラス支持機構20a〜20cの組
み込み位置に対応して合計6台の膜厚監視装置22が設
けられている。図5に示すように、両側のモニタガラス
支持機構20a,20bは、開口24を有するケース2
5と、円板状の1枚のモニタガラス26がそれぞれ両面
に固定された円板状のモニタガラスホルダ27と、ギヤ
を介してモニタガラスホルダ27を一定角度ずつ回転さ
せるステッピングモータ28とを備えている。そして、
モニタガラスホルダ27はホルダプレート8とほぼ同じ
垂直面内に位置し、その表裏に固定されたモニタガラス
26も下地基板10とほぼ同じ垂直面内に位置する。な
お、ケース27を開放してモニタガラスホルダ27を取
り外すことにより、モニタガラス26の交換ができるよ
うにしてある。
【0018】また、中央のモニタガラス支持機構20c
では細長い矩形状のモニタガラスが用いられている。こ
のモニタガラスは水平方向に移動自在なモニタガラスホ
ルダの両面に取付けられており、図3に示すように開口
24から部分的に露呈している。対応して設けられたス
テッピングモータを駆動するとラック−ピニオンを介し
てモニタガラスホルダが水平に移動し、これとともにモ
ニタガラス26が開口24の背後で移動する。
【0019】それぞれの膜厚監視装置22は、モニタガ
ラス支持機構20a〜20cのケースに形成されたそれ
ぞれの開口24に対面して設けられている。膜厚監視装
置22は開口24から露呈したモニタガラス26に垂直
に測定光を投光し、その反射光の光量変化を監視する。
モニタガラスからの反射光量は、下地基板に被着される
薄膜の光学的膜厚(薄膜の物理的膜厚と屈折率との積)
に基づく光干渉によって変化するから、この反射光の増
減を監視することによって、現在成膜中の薄膜がどの程
度の膜厚まで被着されているかを知ることができる。
【0020】図3及び図4に示すように、真空槽2には
ホルダプレート8の表裏面と平行に3本ずつのターゲッ
トブロック30a〜30c、31a〜31cが設けられ
ている。これらのターゲットブロックは、円柱状のター
ゲットホルダの周面に円筒状のターゲット材料32を固
着したもので、ホルダプレート8とターゲットホルダと
の間でグロー放電を生じさせてスパッタリングを行う
と、ターゲット材料32から叩き出された原子が下地基
板10に付着して成膜が行われる。なお、ターゲットブ
ロックとしては、特開平11−71667号公報で知ら
れるようなマグネトロンタイプのものを用いることも可
能である。
【0021】ターゲット材料32から飛散した原子は下
地基板10だけでなく開口24を通してモニタガラス2
6にも被着する。前述したように、下地基板10に形成
される薄膜の膜厚をモニタガラス26上で監視するよう
にしているため、その両者の成膜過程が大きく異なって
いると膜厚測定に誤差が生じてくる。これを避けるに
は、例えばターゲットブロック30aについては、これ
に対応するモニタガラス支持機構20の開口24が、タ
ーゲットブロック30aの中心からホルダプレート8の
表面に降ろした垂線から水平方向に大きく隔たらないよ
うにしておくことが望ましい。
【0022】すなわち、図4に示すように、ターゲット
ブロック30aの中心からホルダプレート8の表面に降
ろした垂線と、ターゲットブロック30aの中心と開口
24の中心とを結ぶ線とのなす見込み角θがあまり大き
くならないようにしておくのがよい。そして、この見込
み角θを35°以下にしておくと、下地基板10の膜厚
監視をモニタガラス26上で行っても実用的には問題の
ないことが確かめられている。もちろん、他のターゲッ
トブロックとそれに対応した開口24についても同様で
ある。なお、図4では図面の複雑化を避けるためにモニ
タガラス支持機構についてはモニタガラスホルダ27と
モニタガラス26だけを図示した。
【0023】スパッタリングを行うときには、下地基板
10にどのような成膜を行うかに応じて各ターゲットブ
ロックに使用するターゲット材料32の種類が決められ
る。例えば、ホルダプレート8の表裏面で保持された全
ての下地基板10にSiO2の保護膜を所定の膜厚まで
被着する場合には、全てのターゲットブロック30a〜
30c、31a〜31cにターゲット材料32としてS
iを用いたものを装着しておく。
【0024】予備室3の扉14及び真空槽2の扉7を開
放し、予備室3内に準備されていたホルダプレート8を
垂直姿勢のまま真空槽2に搬送する。ホルダプレート8
には、その両面に予め成膜対象となる下地基板10が取
付けられている。このホルダプレート8が載置された台
車11を真空槽2に向けて移動させ、台車11をストッ
パ12aに当接させて位置決めする。続いてチャッキン
グ装置18を作動させる。チャッキング装置18の先端
に設けられたキャッチャがホルダプレート8の支軸8b
をキャッチし、強固にこれを保持するとホルダプレート
8がわずかに上昇して台車11から離れる。
【0025】ホルダプレート8がチャッキング装置18
によって保持されたことを確認し、扉7を閉じから真空
排気装置15を作動させ、真空槽2内を高真空にする。
真空槽2の適宜の個所には真空計が取付けられ、真空度
を観察することができる。真空槽2が所定の真空度に達
した後、適当な真空度になるまでアルゴンガスなどの不
活性ガスを真空槽2に導入する。さらに、反応ガスとし
て酸素ガスを真空槽2内に導入する。酸素ガスは継続的
に導入されるが、真空排気装置15を継続的に作動さ
せ、その排気量をバルブ調整により酸素ガスの導入量に
合わせておくことが可能であるから、真空槽2内は一定
の酸素雰囲気に保たれるようになる。
【0026】続いて図示せぬ冷却用配管に通水して各タ
ーゲットブロック30a〜30c、31a〜31cを冷
却する。成膜工程を始める前にモータ19を駆動し、チ
ャッキング装置18ともどもホルダプレート8を水平な
回転軸を中心にゆっくりと回転させる。続いて電源装置
を作動させ、それぞれのターゲットブロック30a〜3
0c、31a〜31cを陰電極、ホルダプレート8が陽
電極となるように高電圧を印加する。これによりグロー
放電が開始され、それぞれのターゲット材料32から飛
散したSi原子は酸素雰囲気中を通って酸化され、Si
2 分子となって下地基板10の表面に付着する。
【0027】さらに、それぞれのターゲット材料32か
ら飛散したSi原子は、対応して設けられているモニタ
ガラス支持機構20a〜20cの開口24を通し、それ
ぞれのモニタガラス26上にも付着する。なお、各々の
ターゲットブロックとホルダプレート8の表裏面との間
にシャッタを設け、このシャッタの開閉により成膜工程
の開始及び終了を制御することも可能である。
【0028】成膜工程では、表裏面にそれぞれ下地基板
10を保持したホルダプレート8が水平な回転軸の回り
に回転し、ターゲットブロック30a〜30c、31a
〜31cと、ホルダプレート8の表裏面との間で一斉に
グロー放電が行われるため、全ての下地基板10に並行
してSiO2 の薄膜が形成されてゆく。そして、ターゲ
ットブロック30a,30bによる成膜の過程は、モニ
タガラス支持機構20a,20bの前面側のモニタガラ
ス26からの反射光を対応する膜厚監視装置22で監視
することができ、またターゲットブロック30cによる
成膜の過程は、モニタガラス支持機構20cの前面側の
モニタガラス26からの反射光に基づいて監視すること
ができる。もちろん、裏面側の下地基板10について
も、モニタガラス支持機構20a,20b,20cの裏
面側のモニタガラス26からの反射光に基づいて監視す
ることができる。
【0029】前面側の下地基板10はホルダプレート8
の回転により、ターゲットブロック30a,30b,3
0cで成膜が行われることになり、その膜厚は、モニタ
ガラス支持機構20a,20b,20cのモニタガラス
26により個別的に測定される膜厚とは異なるが、その
両者間には一定の相関関係があるから、対応するそれぞ
れの膜厚監視装置22からの信号をその相関関係に応じ
て評価することによって、下地基板10の膜厚を把握す
ることが可能となる。なお、ホルダプレート8の裏面側
の下地基板10についても、全く同様にその膜厚を知る
ことができるのはもちろんである。
【0030】こうして所定の膜厚に達したことが測定さ
れた時点でグロー放電が中止され、成膜工程が終了す
る。モータ19の駆動を止め、チャッキング装置18を
徐々に解除してゆくとホルダプレート8が下がり、台車
11の上に再び載置される。真空排気装置15の運転を
止めて真空槽2に徐々に外気を導入して外気圧と等しく
し、適宜の空冷期間を置いた後、予備室3の扉14及び
真空槽2の扉7を開放する。台車11を真空槽2から引
き出して予備室3に移動する。予備室3内には、ホルダ
プレート8の軸方向に収容スペースが設けられているの
で、台車11からホルダプレート8を外してその収容ス
ペースに垂直姿勢のまま保管することができる。そし
て、次に用意されている新たなホルダプレート8を台車
11に移し、同様の手順でこれを真空槽2に送り込むこ
とができる。
【0031】新たに送り込まれたホルダプレート8上の
下地基板10に同様の成膜を行うときには、モニタガラ
ス支持機構20a〜20cに組み込まれているステッピ
ングモータを一定量駆動してモニタガラスホルダ27を
一定角度回転させる。これにより、開口24にはモニタ
ガラス26の新たな面が露呈するので、以後は全く同様
にして成膜を行えばよい。なお、ホルダプレート8の前
面側に設けられたターゲットブロック30a〜30cの
ターゲット材料32にSiを用い、裏面側のターゲット
ブロック31a〜31cのターゲット材料32にTiを
用いれば、いずれも酸素雰囲気中でグロー放電を行うこ
とによって、前面側の下地基板10にはSiO2 薄膜
を、裏面側の下地基板10にはTiO2 薄膜を同時又は
順次に形成することもできる。順次に成膜を行う場合に
は、それぞれの成膜工程中での酸素ガスの導入量を変え
ることも可能であり、いずれにせよ一回の真空引きで効
率的な成膜を行うことができる。
【0032】さらに、ターゲットブロック30a〜30
cの各々の間でそのターゲット材料32の種類を変え、
同様に裏面側のターゲットブロック31a〜31cにつ
いてもターゲット材料32の種類を変えておけば、ホル
ダプレート8表裏に保持された下地基板に同時に多層膜
を形成することも可能となる。この場合には、その膜構
成に応じ、必要なターゲットブロックにだけ高電圧を印
加し、そのターゲットブロックとホルダプレート8との
間でグロー放電を生じさせればよい。モニタガラス支持
機構20a〜20cはターゲットブロックごとに用いる
ことができるので、個々のターゲットブロックごとにそ
の成膜過程を監視すればよい。
【0033】また、多層膜の膜構成によっては、同一の
ターゲットブロックを複数回用いて成膜を行うこともあ
り得るが、そのときにはそのターゲットブロックに対応
して設けられたモニタガラス支持機構のモニタガラスホ
ルダを一回の成膜ごとに一定量移動させ、その都度、開
口24に新たなモニタガラス面を露呈させるようにすれ
ば、より確実な膜厚監視が可能となる。さらに、ホルダ
プレート8の下地基板保持部分に開口を形成し、下地基
板10の表裏面をそれぞれホルダプレート8の表裏に露
呈させるようにしておけば、一回の真空引きで下地基板
10の表裏面に所望の薄膜を形成することができる。
【0034】以上、図示した実施形態に基づいて本発明
について説明してきたが、一枚のホルダプレート8の表
裏面にそれぞれ下地基板10を保持させる代わりに、片
面だけに下地基板10を保持させた二枚のホルダプレー
ト8を背中合わせに同軸に重ね、これらを水平な回転軸
の回りに同時に回転させて成膜を行っても同様の作用が
得られる。なお、本発明を実施するうえでは、真空槽2
や予備室3の形状,寸法は適宜に選択することができ
る。また、ターゲットブロックの個数や形状、設置位置
についても変更が可能で、必ずしも図示した形態にのみ
限られない。
【0035】
【発明の効果】以上のように、本発明装置によれば、ホ
ルダプレートの表裏両面に保持された下地基板に対し、
ホルダプレートの表裏に配置されたターゲットブロック
を利用して成膜を行う構成にしてあるから、単層はもと
より多層構成の薄膜でも一回の真空引きの後で同時に、
又は順次に形成してゆくことができ、従来装置よりも2
倍の効率で成膜を行うことが可能となる。さらに、下地
基板を保持したホルダプレートを真空槽の側方から垂直
姿勢のままで出し入れする構成にしてあるから、ホルダ
プレートの取り出しや装填が簡単になり成膜装置周囲の
スペースも節約することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を用いたスパッタ成膜装置の外観図であ
る。
【図2】真空槽の外観図である。
【図3】真空槽の要部垂直断面図である。
【図4】真空槽の要部水平断面図である。
【図5】モニタガラス支持機構の概略断面図である。
【符号の説明】
2 真空槽 3 予備室 7 扉 8 ホルダプレート 10 下地基板 18 チャッキング装置 19 モータ 20a〜20c モニタガラス支持機構 22 膜厚監視装置 24 開口 26 モニタガラス 27 モニタガラスホルダ 28 ステッピングモータ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 成膜対象となる下地基板の保持面が表裏
    両面に設けられ、真空槽内で水平な支軸により回転自在
    に支持された円板状のホルダプレートと、前記支軸の回
    りにホルダプレートを回転させる回転機構と、ホルダプ
    レートの表面及び裏面に対して長手方向が平行となるよ
    うに真空槽内に配置された少なくとも一対のターゲット
    ブロックとを備え、ホルダプレートを前記支軸の回りに
    垂直姿勢のまま回転させるとともに、ホルダプレートの
    表面及び裏面と、これらの面にそれぞれ対面して配置さ
    れた前記各々のターゲットブロックとの間のグロー放電
    により、ホルダプレートの表面及び裏面に保持された下
    地基板に同時にスパッタ成膜を行うようにしたことを特
    徴とするスパッタ成膜装置。
  2. 【請求項2】 ホルダプレートの表裏面とそれぞれ平行
    であって、各々のターゲットブロックの中心からの見込
    み角度が35度以内となる位置で一対のモニタガラスを
    それぞれ着脱自在に保持するモニタガラスホルダと、そ
    れぞれのモニタガラスに測定光を照射してその反射光に
    基づいて成膜過程を監視する監視装置とを備え、各々の
    ターゲットブロックとホルダプレート両面との間に生じ
    るグロー放電によりホルダプレートの表裏両面に保持さ
    れた下地基板とモニタガラスに同時にスパッタ成膜を行
    い、前記監視装置により下地基板に形成される薄膜の膜
    厚監視を可能としたことを特徴とする請求項1記載のス
    パッタ成膜装置。
  3. 【請求項3】 ホルダプレート及びターゲットブロック
    を収容する真空槽の側方に隣接して設けられ、ホルダプ
    レートを垂直姿勢のまま収容する予備室と、真空槽に形
    成された縦長の出入り口を通してホルダプレートを垂直
    姿勢のまま予備室と真空槽との間で搬送する搬送手段
    と、前記出入り口を気密に閉じる扉とを備えたことを特
    徴とする請求項1又は2記載のスパッタ成膜装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005059199A1 (ja) * 2003-12-19 2005-06-30 Ideal Star Inc. 薄膜堆積装置、及び、薄膜堆積方法
JP2010232633A (ja) * 2009-03-02 2010-10-14 Canon Anelva Corp 基板支持装置、基板処理装置、基板支持方法、基板支持装置の制御プログラム及び記録媒体
JP2016113675A (ja) * 2014-12-16 2016-06-23 株式会社神戸製鋼所 真空処理方法および真空処理装置

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