JP2002316279A - レーザ加工方法及びレーザ加工装置 - Google Patents

レーザ加工方法及びレーザ加工装置

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JP2002316279A
JP2002316279A JP2001118737A JP2001118737A JP2002316279A JP 2002316279 A JP2002316279 A JP 2002316279A JP 2001118737 A JP2001118737 A JP 2001118737A JP 2001118737 A JP2001118737 A JP 2001118737A JP 2002316279 A JP2002316279 A JP 2002316279A
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light
light intensity
ratio
laser beam
penetration
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Application number
JP2001118737A
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English (en)
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Kazuhiko Ono
数彦 小野
Kaoru Adachi
馨 安達
Yasuo Samejima
泰郎 鮫島
Akitoshi Shomura
彰敏 正村
Isamu Miyamoto
宮本  勇
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Komatsu Ltd
Original Assignee
Komatsu Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 レーザビーム溶接によって生じるプラズマ光
から、精度よく被溶接材の溶接状態を把握することが可
能なレーザ加工方法とレーザ加工装置を提供する。 【解決手段】 レーザビーム2を被溶接材1に照射する
と共に、照射部から生じる光をフォトダイオード3によ
り検出して溶接状態を把握する。このとき、観察光強度
に占める短波長側光の比率を検出し、この比率が基準値
以上であるときにレーザビーム照射部が貫通状態にある
と判断する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明はレーザビーム溶接
時の溶接状態を把握するためのレーザ加工方法と、これ
を実施するためのレーザ加工装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】最近のレーザ技術の進歩により炭酸ガス
レーザの大出力化が進み、20kW以上の高パワーレー
ザを用いた厚板の溶接が実用化されるようになってい
る。そして上記実用化に伴い、薄板のレーザビーム溶接
と同様の品質評価システムの開発が求められている。従
来から溶接状態の判断には、被溶接材にレーザビームが
照射された際に生じるプラズマ光の光強度をセンサによ
って測定することにより、被溶接材の溶接状態を把握し
ていた。例えば、特開平8−281456号公報では、
上記プラズマ光を被溶接材の表面から測定し、このとき
得られた光強度の中から1〜10kHzの周波数成分を
抽出し、その光強度の変化から被溶接材の貫通、非貫通
の把握を行っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記センサ
により測定されるプラズマ光の光強度は、被溶接材が溶
融してできるキーホールからの発光と、キーホール上部
に生じるプルームからの発光の和として出力されている
ため、プラズマ光の受光角度によって、得られる信号の
種類及び強度が変化する。すなわち、レーザビームのビ
ーム軸とセンサの光学軸とがなす角度(観察角)が大き
い場合は溶接表面近傍での発光しか検出できていない
が、上記観察角が小さい場合は深い部分での発光まで検
出することができるため、センサを配置する角度によっ
て得られる光強度が異なるのである。このため、上記従
来例で示したように、ある観察角からの測定で得られる
プラズマ光の光強度の変化から、充分な精度でもって被
溶接材の貫通、非貫通等の溶接状態を把握することは困
難であるという問題がある。
【0004】この発明は上記従来の欠点を解決するため
になされたものであって、その目的は、レーザビーム溶
接によって生じるプラズマ光から、精度よく被溶接材の
溶接状態を把握することが可能なレーザ加工方法とレー
ザ加工装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段及び効果】そこで請求項1
のレーザ加工方法は、レーザビーム2の照射部から生じ
る光を観察し、この観察光強度に占める短波長側光の比
率を検出し、この比率が基準値以上であるときにレーザ
ビーム照射部が貫通状態にあると判断することことを特
徴としている。
【0006】上記請求項1のレーザ加工方法によれば、
全体の観察光強度に占める短波長側光の比率を検出し、
この比率が基準値以上であるときにレーザビーム照射部
が貫通状態にあると判断している。このように、全体の
光強度に占める短波長側光の比率によって貫通、非貫通
を判断するように構成したのは、上記短波長側の光が、
光を散乱させる作用を持つ蒸発微粒子(レーザ加工時に
発生)の影響を受けやすいという知見に基づいて成され
たものである。すなわち、上記加工点を上方から観察し
た場合、非貫通状態では、発生した蒸発微粒子が全て加
工点上方部付近に滞留するため、この部分における微粒
子の密度は高くなる。このとき、特に散乱されやすい性
質を持つ短波長側の光は、その多くがこの雲状に分散す
る微粒子によって散乱又は吸収されてしまうため、この
結果、検出器で観察される光強度は他の波長の光よりも
小さくなると考えられる。これに対して、貫通状態で
は、上記蒸発微粒子の一部が加工部の裏面側に抜けるた
め、加工点上方部に存在する微粒子の密度は、非貫通時
よりも減少することになる。この結果、短波長側光の散
乱率が小さくなり、透過されやすくなるため、検出器で
検出される光強度は相対的に増加すると考えられる。そ
してこの現象を利用することによって、レーザ加工部に
おける貫通、非貫通の状態を把握することができる。
【0007】請求項2のレーザ加工方法は、波長が35
0〜750nmの範囲内の光強度を観察し、この内に占
める350〜500nmの光強度の比率を検出すること
を特徴としている。
【0008】上記請求項2のレーザ加工方法によれば、
観察が行い易く、また光強度の比率の差が大きく表れる
350〜500nmの範囲の波長を検出することによっ
て、精度のよいレーザ加工部の解析が可能となり、貫
通、非貫通の状態を正確に把握することができる。この
結果、レーザビーム溶接の高品質化に寄与できる。
【0009】また請求項3のレーザ加工方法は、上記光
強度には、ビーム軸に対して異なった複数の角度からの
観察によって得られる複数の観察光の差を求め、これに
よって得られるキーホールフィンガー部の光強度を用い
ていることを特徴としている。
【0010】上記請求項3のレーザ加工方法によれば、
加工部の内部状態を最もよく表しているとされるキーホ
ールフィンガー部の光強度を求め、これを利用すること
によって、精度のよいレーザ加工部の解析が可能となる
ため、貫通、非貫通の状態を一段と正確に把握すること
ができる。この結果、レーザビーム溶接の高品質化に寄
与できる。
【0011】さらに請求項4のレーザ加工方法は、特定
の波長帯の光の通過を許容すると共に、複数の異なる波
長帯に対応して設けられた複数のフィルタ手段4・4
と、上記各フィルタ手段4・4を通過した光強度を検出
する光検出手段3・3と、上記各光検出手段3・3で検
出した光強度の総和を求めると共に、その内に占める最
も短い波長帯の光強度の比率を求める演算手段と、上記
最も短い波長帯の光強度の比率が基準値以上であるとき
にレーザビーム照射部が貫通状態にあると判断する判断
手段とを有することを特徴としている。
【0012】請求項4のレーザ加工装置によれば、この
ような各検出手段を用いれば、データ処理が容易になる
と共に、上記請求項1〜請求項3のいずれかのレーザ加
工方法の実施に好適に用いることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】次に、この発明のレーザ加工方法
とレーザ加工装置の具体的な実施の形態について、図面
を参照しつつ詳細に説明する。
【0014】図1は、この発明の一実施の形態における
レーザ加工装置の要旨部分を示した斜視図である。図1
における1は被溶接材を示しており、この被溶接材1に
対して垂直な方向にレーザビーム2が入射するように配
置されている。また、上記レーザビーム2による溶接進
行方向の前方からは、約45°の角度でもってHeアシ
ストガス(図示せず)が溶接進行方向とは逆方向に向か
って供給されている。ここで図における5は、上記レー
ザビーム照射時に被溶接材1の表面に発生するプラズマ
光のプルーム部を示している。さらに上記レーザビーム
2の照射点Oを中心として、溶接方向に垂直な面内の円
周上には複数のフォトダイオード(光検出手段)3・3
が設けられており、上記各フォトダイオード3・3は、
全て被溶接材1表面のレーザビーム照射点Oにその光学
軸を向けた状態で配置されている。このとき、上記レー
ザビーム2のビーム軸と各フォトダイオード3の光学軸
とがなす角度(観察角)θは、θ=7°〜90°の範囲
としており、この実施形態では、上記フォトダイオード
3を同一角度に3個ずつ並設して配置するように構成し
ている。また上記並設された各フォトダイオード3・3
には、異なる波長帯の光の通過を許容するバンドパスフ
ィルタ4(フィルタ手段)がそれぞれ装着されている。
すなわち、350〜500nmの波長帯を有する青色光
Bと、500〜600nmの波長帯を有する緑色光G
と、600〜700nmの波長帯を有する赤色光Rとの
3種類の光の通過を許容するバンドパスフィルタ4B、
4G、4Rを装着している。図3に、上記フォトダイオ
ード3と各バンドパスフィルタ4B、4G、4Rの入射
波長帯と感度特性との関係を表したグラフを示す。ま
た、このレーザ加工装置には、この他、各フォトダイオ
ード3・3で検出された光強度のデータ処理を行う演算
部(演算手段)と、この演算部からの信号を受けて被溶
接材1の貫通、非貫通を判断する判断部(判断手段)と
が設けられている。
【0015】ところで、上記レーザビーム照射時に各フ
ォトダイオード3・3で受光されるプラズマ光の光強度
は、被溶接材1が溶融してできるキーホールのフィンガ
ー部(Finger part)及び開口部(Keyhole opening)で
の発光と、キーホール上部に生じるプルーム部(Plum
e)による発光の和として与えられ、上記プラズマ光の
受光角度によって得られる信号の種類及び強度が変化す
る。この点についてより詳細に説明するために、図2に
上記レーザビーム照射時における溶接部近傍の発光状態
の模式断面図を示す。図2において、上記レーザビーム
溶接によって生じる被溶接材1上部のプルーム部の形状
は略球状であるため、その光強度は観察角θに依存せず
一定であると考えられる。これに対して、キーホール開
口部及びフィンガー部からの光強度は観察角θに依存し
て変化する。ここでは、このことを利用して上記プラズ
マ光を分離する方法を示す。すなわち、上記フォトダイ
オード3・3を観察角θ=7°、45°、90°の3点
に配置し、時間変動による光強度をそれぞれ測定する。
すると観察角θ=90°ではプルーム部による光強度P
(90)が、また観察角θ=45°ではプルーム部とキ
ーホール開口部による光強度P(45)が、また観察角
θ=7°ではプルーム部とキーホール開口部及びフィン
ガー部による光強度P(7)が検出されると考えられ
る。これより上記各測定結果のそれぞれの差を求めるこ
とによって、プルームの挙動を示す光強度Pp 、キー
ホール開口部の挙動を示す光強度Po 、キーホールフ
ィンガー部の挙動を示す光強度Pf を得ることができ
る。すなわちPp =P(90)、Po=P(45)−
P(90)、Pf =P(7)−(45)を求めること
によって、上記各領域からの光強度に分離することがで
きる。
【0016】次に、上記各領域(プルーム部、キーホー
ル開口部、キーホールフィンガー部)に分離されたプラ
ズマ光の光強度Pp 、Po 、Pfと、被溶接材1の貫
通、非貫通との関係をより詳細に検討するために、さら
に上記各プラズマ光の光強度を、青色光B、緑色光G、赤
色光Rの3種類の波長帯に分けて検出するように構成し
た。すなわち、観察角θ=7°、45°、90°の3点
の位置に、それぞれフォトダイオード3・3を3個ずつ
並設して配置し、この並設された各フォトダイオード3
・3に、それぞれ入射波長帯の異なる青、緑、赤の3種
のバンドパスフィルタ4B、4G、4Rを装着すること
によって、時間変動による光強度を測定した。図4は、
非貫通時において得られた各領域からの光強度Pp、P
o、Pfを、上記波長帯毎に分離して示した棒グラフで
ある。そして、このグラフのデータをもとに、観察され
る全波長帯(すなわち、350〜700nm)の光強度
に占める赤、緑、青の各波長帯の光強度の比率(以下、
RGB比率という)を求めた。図5の円グラフにその結
果を示す。ここで、図5(a)は非貫通時に得られる各
領域からの光強度Pp、Po、Pfのそれぞれの波長帯
におけるRBG比率を示したグラフであり、図5(b)
は貫通時に得られる各領域からの光強度Pp、Po、P
fのそれぞれの波長帯におけるRBG比率を示したグラ
フである。これより、上記各グラフを比較してみると、
非貫通時と貫通時において光強度の変化率が最も大きく
なるのは、キーホールフィンガー部からの青色光Bの光
強度であることがわかる。そしてこのグラフによれば、
上記青色光Bの光強度は非貫通状態から貫通状態に変化
するときに、上記RGB比率が増加することを示してい
る。
【0017】このようにキーホールフィンガー部からの
青色光Bの光強度の変化率が特に大きくなるのは、上記
レーザビーム溶接時に発生する蒸発微粒子8の影響によ
るものと考えられる。この点について説明するために、
被溶接材1が貫通するまでの溶接部周辺の状態変化を示
した概略模式図を図6(a)〜(c)に示す。まず図6
(a)に示す矢印は赤、緑、青の各波長帯の光であり、
上記プルームの周囲に生じている蒸発微粒子8によって
光が散乱されている状態を示している。このとき、上記
各波長帯の光は、波長が短いほど散乱されやすい(波長
の4乗に逆比例する)という性質を持っているため、上
記3種類の光の中では青色光Bが最もこの蒸発微粒子8
の影響を受けやすいと考えられる。ところで、図6
(b)に示すように、非貫通状態では、発生した蒸発微
粒子8は全て加工点上方部付近に滞留するため、この部
分における微粒子8の密度は高くなる。このため、上方
から加工部を観察した場合、上記散乱されやすい性質を
持つ青色光Bは、その多くがこの微粒子8の雲によって
散乱又は吸収されてしまうため、この結果、フォトダイ
オード3で検出される光強度は他の波長の光よりも小さ
くなると考えられる。これに対して図6(c)に示すよ
うに、貫通状態では、上記蒸発微粒子8の一部が加工部
の裏面側に抜けるため、加工点上方部に存在する微粒子
8の密度は、非貫通時よりも減少することになる。この
結果、青色光の散乱率が小さくなり、光が透過されやす
くなるため、フォトダイオード3で検出される光強度
は、相対的に増加すると考えられる。そしてこのような
理由から、上記青色光Bの光強度のRGB比率が、非貫
通時と貫通時において最も大きく変化したと推定され
る。
【0018】上記のことより、上記プラズマ光のうち、
キーホール内部の溶け込み状態、すなわち貫通、非貫通
の状態を最も良く表しているのはキーホールフィンガー
部からの発光であり、その光の中でも波長が350〜5
00nmの青色光Bの光強度が、貫通時と非貫通時とで
大きく変化することが明らかになった。この結果、検出
されるキーホールフィンガー部からの光全体の光強度に
占める青色光BのRGB比率を求めれば、上記被溶接材
1の貫通、非貫通の状態を把握することができることが
明らかになった。
【0019】次に、上記結果をもとに、RGB比率の変
化から被溶接材1の貫通、非貫通を具体的に検出する方
法について述べる。図7は上記検出手順の一例を示した
フローチャートである。この実施形態においては、図1
に示すレーザ加工装置を用いてプラズマ光の光強度を測
定するように構成した。すなわち、上記フォトダイオー
ド3を観察角θ=7°とθ=45°との2つの角度にそ
れぞれ3個ずつ並設し、各観察角θで観察されるプラズ
マ光の光強度P'(7)、P'(45)を赤、緑、青のそ
れぞれの波長帯の光の通過を許容するバンドパスフィル
タ4・4を通して検出した(ステップS1)。このと
き、上記レーザビーム2のレーザ出力は20kW、溶接
速度は2.7m/minとする。次にステップS2で
は、上記各光強度P'(7)、P'(45)の時間平均を
算出する。この結果を表1に示す。ここで表1には、同
じ溶接条件で、被溶接材1が貫通した時に得られた光強
度P'(7)、P'(45)の値(2パターン)と、非貫
通の時に得られた光強度P'(7)、P'(45)の値
(3パターン)の生データを示している。
【0020】
【表1】
【0021】次にステップS3では、上記で得られた各
光強度P'(7)、P'(45)の時間平均を用いて、単
位波長当たりの光強度P(7)、P(45)を数1に示
す関係式から算出する。この関係式におけるEp(λ)
はフォトダイオード3の分光感度特性を、またEf
(λ)はバンドパスフィルタ4の分光透過率を、RL
負荷抵抗値を示している。この算出結果を表2に示す。
【0022】
【数1】
【0023】
【表2】
【0024】さらにステップS4では、上記各観察角θ
における光強度P(7)、P(45)からキーホールフ
ィンガー部における光強度Pfを算出する。つまり、上
記波長帯毎にθ=7°で得られた光強度と、θ=45°
で得られた光強度との差、すなわち、Pf=P(7)−
P(45)を求める。この結果を表3に示す。
【0025】
【表3】
【0026】次にスッテプS5では、上記で得られたキ
ーホールフィンガー部における光強度Pfから青色光B
のRGB比率R[B]を算出する。すなわち、R[B]=P
f[B]/(Pf[R]+Pf[G]+Pf[B])を求める。
ここで表4には赤、緑、青それぞれのRGB比率R[R]
、R[G]、R[B]を求めた結果を示している。そし
て、この表4をもとに貫通時(2パターン)と非貫通時
(3パターン)における各RGB比率の関係を示したグ
ラフを図8に示す。図8のグラフより、貫通時と非貫通
時におけるRGB比率を比べると、赤色光Rと緑色光G
のRGB比率R[R] 、R[G]については若干の差しか
認められないが、青色光BのRGB比率R[B]について
は、非貫通状態から貫通状態に変化したときに大幅な増
加が認められることが明らかである。さらに、これらの
データから、青色光BのRGB比率が約10%を超えて
いれば貫通状態にあり、また10%以下であれば非貫通
状態にあるということが推定される。なお、非貫通状態
での青色光BのRGB比率は、上記判別値(10%)に
近い値であるが、判別値以下で安定しているため、これ
によって精度のよいレーザ加工部の解析が可能となる。
【0027】
【表4】
【0028】以上の結果より、ステップS6では、青色
光BのRGB比率R[B]がある基準値、すなわち10%
を超えているか否かについての判断を行う。このとき上
記光強度が10%を超えていればステップS7に移行し
て貫通であると判断し、10%を超えていなければステ
ップS8に移行して非貫通していると判断する。
【0029】このように、溶接部の内部状態を最もよく
表していると考えられるキーホールフィンガー部におけ
る青色光BのRGB比率R[B]を求め、この比率が予め
定めておいた基準値を超えているか否かを判断すること
によって、被溶接材1の貫通、非貫通の状態を把握する
ことができる。この結果、精度のよいレーザ加工部の解
析が可能となると共に、レーザビーム2の高品質化に寄
与できる。
【0030】ところで、上記実施の形態では、キーホー
ルフィンガー部における光強度Pfを求めるために2つ
の観察角θ=7°、45°からの光強度を算出し、さら
にこの青色光BのRGB比率R[B]を求めることによっ
て、貫通、非貫通の判断を行うように構成したが、小さ
い観察角θの単一の光強度からでも貫通、非貫通の判断
を行うことが可能である。このことを明らかにするため
に、観察角θ=7°で観察された光強度のみを用いてR
GB比率を求めた。具体的には、上記表1に示した観察
角θ=7°における各光強度P'(7)の時間平均値を
用いて、全波長帯の光強度に占める各波長帯のRGB比
率を算出した。その結果を表5に示す。また表2に示し
た観察角θ=7°における各単位波長当たりの光強度P
(7)についても、上記と同様の方法で各波長帯の光強
度のRGB比率を算出し、その結果を表6に示した。そ
して表5、及び表6をもとに、貫通時(2パターン)と
非貫通時(3パターン)における各波長帯のRGB比率
を示したグラフを図9、及び図10にそれぞれ示す。こ
こで、図9及び図10に示す青色光BのRGB比率R
[B]の変化量は、上記図8に示したキーホールフィンガ
ー部における青色光BのRGB比率R[B]の変化量より
は小さいが、両グラフ共に、非貫通時よりも貫通時の方
が青色光BのRGB比率R[B]は増加することがわか
る。以上のことから、小さい観察角θの単一の光強度か
らでも貫通、非貫通の判断を行うことが可能であるとい
える。
【0031】
【表5】
【0032】
【表6】
【0033】以上にこの発明のレーザ加工方法の実施の
形態について説明をしたが、この発明は上記実施の形態
に限られるものではなく、種々変更して実施することが
可能である。すなわち、上記実施の形態では溶接進行方
向に垂直な面内にフォトダイオード3を設けて光強度の
測定を行ったが、例えば、溶接進行方向の前方、あるい
は後方、又は前後左右いずれの位置にフォトダイオード
3を設けても上記と同様に実施することが可能である。
また上記実施形態では、赤、緑、青の全波長帯の光強度
に占める青色光BのRGB比率を算出したが、例えば、
青色光BのRB比率(赤、青の波長帯の光強度に占める
青色光Bの比率)、又はGB比率(緑、青の波長帯の光
強度に占める青色光Bの比率)等を用いて、貫通、非貫
通を判断することも可能であるし、上記350〜700
nmの範囲よりも広い範囲の波長帯の光強度に占める青
色光の比率を用いることも可能である。さらに、短波長
側光としては、青色光に変えて、紫外線を用いることも
できる。また、上記光検出手段としてフォトダイオード
3を、またフィルタ手段としてバンドパスフィルタ4を
用いたが、これに限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施の形態におけるレーザ加工装
置の要旨部分を示した斜視図である。
【図2】レーザビーム照射時における溶接部近傍の発光
状態を示す模式断面図である。
【図3】上記フォトダイオードと各バンドパスフィルタ
における入射波長帯と感度特性とを示したグラフであ
る。
【図4】非貫通時において得られた各領域からの光強度
Pp、Po、Pfを、波長帯毎に分離して示した棒グラ
フである。
【図5】各領域からの光強度Pp、Po、Pfのそれぞ
れの波長帯におけるRBG比率を示したグラフであり、
(a)は非貫通時、(b)は貫通時に得られた結果を示
している。
【図6】被溶接材が貫通するまでの溶接部周辺の状態変
化を示した概略模式図である。
【図7】RGB比率の変化から被溶接材の貫通、非貫通
を検出する手順の一例を示したフローチャートである。
【図8】貫通時と非貫通時における各波長帯のRGB比
率を示したグラフである。
【図9】貫通時と非貫通時における各波長帯のRGB比
率を示したグラフである。
【図10】貫通時と非貫通時における各波長帯のRGB
比率を示したグラフである。
【符号の説明】
1 被溶接材 2 レーザビーム 3 光検出手段(フォトダイオード) 4 フィルタ手段(バンドパスフィルタ) 8 蒸発微粒子 P'(θ) 光強度の時間平均値 P(θ) 単位波長当りの光強度 Pf キーホールフィンガー部による光強度 R 赤色光 G 緑色光 B 青色光
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 21/71 G01N 21/71 (72)発明者 安達 馨 大阪府枚方市上野3丁目1番1号 株式会 社小松製作所生産技術開発センタ内 (72)発明者 鮫島 泰郎 大阪府枚方市上野3丁目1番1号 株式会 社小松製作所生産技術開発センタ内 (72)発明者 正村 彰敏 大阪府枚方市上野3丁目1番1号 株式会 社小松製作所生産技術開発センタ内 (72)発明者 宮本 勇 兵庫県西宮市甲子園4番町1の12 Fターム(参考) 2G020 AA08 DA05 DA13 DA63 2G043 AA03 CA02 EA10 FA06 GA04 GB03 JA02 JA03 KA02 KA09 LA01 2G065 AA13 AB04 AB09 BA09 BB26 BB27 BC14 DA20 4E068 CA17 CC01 CD08

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザビーム(2)の照射部から生じる
    光を観察し、この観察光強度に占める短波長側光の比率
    を検出し、この比率が基準値以上であるときにレーザビ
    ーム照射部が貫通状態にあると判断することを特徴とす
    るレーザ加工方法。
  2. 【請求項2】 波長が350〜750nmの範囲内の光
    強度を観察し、この内に占める350〜500nmの光
    強度の比率を検出することを特徴とする請求項1のレー
    ザ加工方法。
  3. 【請求項3】 上記光強度には、ビーム軸に対して異な
    った複数の角度からの観察によって得られる複数の観察
    光の差を求め、これによって得られるキーホールフィン
    ガー部の光強度を用いていることを特徴とする請求項1
    又は請求項2のレーザ加工方法。
  4. 【請求項4】 特定の波長帯の光の通過を許容すると共
    に、複数の異なる波長帯に対応して設けられた複数のフ
    ィルタ手段(4・4)と、上記各フィルタ手段(4・
    4)を通過した光強度を検出する光検出手段(3・3)
    と、上記各光検出手段(3・3)で検出した光強度の総
    和を求めると共に、その内に占める最も短い波長帯の光
    強度の比率を求める演算手段と、上記最も短い波長帯の
    光強度の比率が基準値以上であるときにレーザビーム照
    射部が貫通状態にあると判断する判断手段とを有するこ
    とを特徴とするレーザ加工装置。
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