JP2002315589A - ウレアーゼの調節及び成熟のために必要なHelicobacterpyloriの遺伝子及びその用途 - Google Patents
ウレアーゼの調節及び成熟のために必要なHelicobacterpyloriの遺伝子及びその用途Info
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Abstract
成熟のために必要な遺伝子を提供する。 【解決手段】 図4A〜図4Iに示される核酸配列の1
つの部分であり、そしてureE、ureF、ure
G、ureH、ureIと呼ばれる遺伝子に対応する核
酸配列又はその改変された配列に対応しているか、又は
ureI遺伝子の部分の任意のフラグメントにおける図
4A〜図4Iに示されるヌクレオチド配列のヌクレオチ
ド209〜282に対応するureI遺伝子の核酸配列
の部分を除くこれらの核酸配列の少なくとも1つの任意
の部分である、(ここで、上記部分は、H. pyloriが発
現するようなポリペプチドUreE、UreF、Ure
G、UreH又はUreIの特性について、上記部分が
コードするポリペプチドの機能的特性が、保存されてい
るか、減衰されているか又は除去されている)単離され
た核酸
Description
現でも呼ばれる)は、今日、ヒトの胃粘膜、より特定的
には胃潰瘍及び十二指腸潰瘍のクレーターの病巣のまわ
りの表面のみに排他的に見い出されるグラム陰性菌であ
る。この細菌は、当初Campylobacter pyloridis と呼ば
れていた〔Warren et al.(1983) Lancet 1, 1273-127
5〕。
pHの培地に対し感受性をもつが、それでも生理的割合の
尿素の存在下で酸性度を許容することができる〔Marsha
ll et al.(1990) Gastroenterol. 99: 697-702〕。細菌
の微環境内で塩析される、二酸化炭素及びアンモニアの
形に尿素を加水分解することにより、H. pylori のウレ
アーゼは、胃の酸性環境内での細菌の生存を可能にする
ものと想定されている。最近になって、動物のモデルに
対して実施された研究により、ウレアーゼが胃粘膜のコ
ロニー化において重要な因子であることを示唆する要素
が提供された〔Eaton et al.(1991) Infect. Immun. 5
9: 2470-2475〕。ウレアーゼは、同様に、直接的又は間
接的に胃粘膜に損傷をひきおこすのではないかと考えら
れている。
在のところ、幽門洞の胃炎の病因作用物質として認めら
れており、潰瘍の発達に必要な補因子の1つと思われ
る。又、胃がん腫の発達をH. pylori の存在に結びつけ
ることができると思われる。
の菌株は、H. pylori の最も免疫原性のタンパク質の1
つである、細菌の表面に露呈されるきわめて活性の高い
ウレアーゼ(尿素分解酵素)を合成する。ウレアーゼ
は、病因論上のプロセスにおいてある役目を果たすので
はないかと考えられ、このことは、化学的突然変異誘発
により得られたウレアーゼ産生能力の低い菌株がブタの
胃をコロニー化することができなかったということを示
す、ブタに対して実施された実験によって認識されてい
る。それでも、化学的突然変異誘発の後に得られたこれ
らの結果は、一般化された突然変異誘発の際にその他の
遺伝子が不活性化され得たことから、胃をコロニー化さ
せることができなかったことがウレアーゼ産生の低減の
せいであると確実に断言することを可能にするものでは
ない。従って、これは制御可能な突然変異ではなく、そ
のためこの技術は、H. pylori による感染の場合のウレ
アーゼの有害な効果を減少し、ひいては予防するための
手段を考え出す上で、実際的な利点を示すものではな
い。
ウレアーゼならびに遊離アンモニアは、上皮細胞に対す
る直接的細胞障害効果、および胃の病巣の原因となる炎
症性応答を誘発することによる間接的効果を有しうると
いうことが示された。
決定因子の1つであり、構造遺伝子にせよ補助遺伝子に
せよウレアーゼの発現に関連する遺伝子内で特異的に不
活性化されたH. pylori の同質遺伝子菌株の構築は、コ
ロニー化段階におけるウレアーゼの役割を限定するため
に、及び例えば弱毒化菌株の構築によりワクチン接種プ
ロセスにおいて個体を保護するのに利用可能な菌株の構
築に応用するために、非常に大きな重要性をもつもので
ある。
i の染色体の34kbのフラグメント上に局在化され、
又、このフラグメント内に存在する4.2kbの領域に関
連づけられてきた。この4.2kbの領域には、ure
A、ureB、ureC及びureDという用語で呼ば
れる4つの遺伝子が関連づけられた。この領域は、Camp
ylobacter jejuniにおいてシャトルベクターを介して
4.2kbのDNAを移入させた時、ウレアーゼ陽性の表
現型を得ることを可能にした。
のE. coli の細胞の形質転換は、E.coli においてウレ
アーゼ活性の発現を得ることを可能にしなかった。
件の観点からみて、H. pylori 内で得られるようなウレ
アーゼ活性をE. coli において発現させるのに必要な要
素は何かを決定することに成功した。本発明者は、この
点において、E. coli におけるウレアーゼの発現が、E.
coli の窒素調節システムの活性化と同時にウレアーゼ
の構造遺伝子の補助遺伝子の存在にも依存するというこ
とを決定した。又本発明者は、以下でウレアーゼの「補
助遺伝子」という表現で往々にして呼んでいる、E. col
i 内でのウレアーゼの機能的発現を可能にし、かつH. p
ylori 内でウレアーゼの成熟及び調節を決定する複数の
遺伝子を同定し、分離した。
i におけるウレアーゼの機能的発現に決定的役割を果た
すか又は少なくともそれに介入する可能性のある5つの
新しい遺伝子の集合体、ならびに他の遺伝子とは独立し
て個別に考慮したこれらの遺伝子の各々に関する。本発
明は、同様に、刊行物中に記載され〔Labigne et al.(1
991) J. Bacteriol. 173: 1920-1931〕、ウレアーゼの
ureA、ureB、ureC及びureDと呼称され
ている構造遺伝子と関連づけられた状態での、場合によ
り変更されたこれらの遺伝子の集合体にも関する。
新しいインビトロ検出手段ならびにH. pylori による感
染に対する保護のために利用可能な組成物にも関する。
ド鎖に対応し、ureE、ureF、ureG、ure
H、ureIと呼ばれる遺伝子に相当する少なくとも1
つの核配列又はこれらの核配列のうち少なくとも1つの
あらゆる部分によって構成されるか又はそれを含むこと
を特徴とするヌクレオチド配列を目的とする。
Aにより又はRNAにより構成されている。
りコードされるポリペプチドの機能的特性が、H. pylor
i により発現されるようなポリペプチドUreE、Ur
eF、UreG、UreH又はUreIの特性との関係
において、保持又は減衰又は削除されるような形で、あ
るいはこの配列がH. pylori 内でポリペプチドを発現し
ないような形で、単数又は複数のヌクレオチドの欠失、
付加、置換又は逆位により、上述のヌクレオチド配列と
の関係において変更されたヌクレオチド配列にも関す
る。
義づけの枠内において、ヌクレオチド配列は、 a)図4A〜図4Iに示されているヌクレオチド鎖に対
応し、ureE、ureF、ureG、ureH、ur
eIと呼ばれる遺伝子に相当する核配列の集合体、又
は、 b)互いに独立して変更されたこれらの遺伝子に相当す
る核配列(変異体)により形成された集合体であり、変
異体の集合体が、H. pylori によって発現されるような
ポリペプチドUreE、UreF、UreG、UreH
又はUreIとの機能的相同性をもつポリペプチドをコ
ードするか、又は逆に、H. pylori により発現されるよ
うなポリペプチドUreE、UreF、UreG、Ur
eH又はUreIの機能的特性を減衰ひいては削除する
ような変更されたポリペプチドをコードする形のものに
よって構成されているか又はそれを含むことを特徴とす
る。
(ヌクレオチド鎖)は、さまざまな理由で有利なもので
あり、一例としては、以下のものを記載することができ
る:
F、ureG又はureIの中から選択された遺伝子の
発現により得られるようなポリペプチドと機能的相同性
を有するポリペプチドをコードする能力を保持する、上
述の配列のフラグメント;
述のポリペプチドのあらゆる部分をコードする、特にH.
pylori に対して向けられた抗体により認識されるか又
はハプテンもしくは免疫原として挙動することができる
ペプチド又はポリペプチドの部分をコードするフラグメ
ント;
G、ureH又はureIから発現されるようなH. pyl
ori のポリペプチドをコードする能力が備わっていない
上述の配列のフラグメント;
F、ureG、ureH又はureIによりコードされ
るポリペプチドの特性との関係において、減衰、さらに
は削除された特性をもつポリペプチド又はペプチドをコ
ードするフラグメント。
なくとも15個、好ましくは少なくとも20個のヌクレ
オチドを有する。
eG、ureH及びureIは、H.pylori の染色体上
に存在する;これらの遺伝子は、ウレアーゼの構造遺伝
子(ureA、ureB)との関係において、いわゆる
補助遺伝子である。構造遺伝子とは反対に、補助遺伝子
は、ウレアーゼ酵素の形成にとって必要ではない。逆
に、これらの遺伝子は、形成されたウレアーゼの調節及
び/又は成熟手段によって、H. pylori 内で発現される
ようなウレアーゼの機能的発現には介入しない。ウレア
ーゼは、実際には、機能的酵素の形態を付与する段階で
あるH. pylori 内部での成熟段階を受ける前に、不活性
なアポ酵素の形態で発現される。
伝子の存在が、構造遺伝子ureA、ureB、ure
C及びureDで予め形質転換されたE. coli の細胞中
での機能的ウレアーゼの発現にとって不可欠のものであ
ることを確認した。
チド配列の同定は、H. pylori の菌株のウレアーゼ活性
を調整するため、特に弱毒化された菌株を調製するため
の手段を検討することを可能にする。
ヌクレオチド配列は、天然のポリペプチドUreE、U
reF、UreG、UreH及びUreIと機能的な相
同性を有するポリペプチドをコードする。ポリペプチド
間のこれらの相同性は、天然のポリペプチドUreE、
UreF、UreG、UreH及びUreIとして、H.
pylori の内部で機能する、ひいてはアポ酵素からの機
能的ウレアーゼの形成に貢献するというこれらのポリペ
プチドの能力との関係において評価される。
して検出することができる:すなわち、109個の細菌
を1mlの尿素−インドール培地に再懸濁させ、37℃で
インキュベートする。尿素の加水分解は、アンモニアの
遊離をもたらし、こうしてそのpHを増大させることによ
り、オレンジ色からフクシア(fushia)赤への色の変化
が誘発される。
するポリペプチドがH. pylori において又は場合によっ
て別の種において機能的ウレアーゼの産生を可能にする
天然ポリペプチドの能力をもはやもたなくなるように変
更された、遺伝子ureE、ureF、ureG、ur
eH又はureIに相当する核配列の集合体に対応する
ヌクレオチド配列を利用することができる。この場合
は、H. pylori により発現されるような天然ポリペプチ
ドの機能的特性を減衰又は削除しようとする。本発明に
従ったヌクレオチド配列が中に挿入された菌株が、例え
ばアポ酵素の形態の非病原性ウレアーゼを産生した場合
に、機能的特性は減衰したものとみなされる。この病原
性は、以下のテストを利用して評価できる:
2475) によって記載されている技術を利用することによ
り、動物、好ましくはノトバイオートの(gnotobiotiqu
e)仔ブタの胃の中への組換え型菌株の移植をテストす
る。
ようなヌクレオチド配列は、H. pylori 内でウレアーゼ
サブユニットをコードする構造遺伝子ureA及びur
eBに対応する核配列と関連づけることができる。
のヌクレオチド配列は、H. pylori内でウレアーゼをコ
ードする遺伝子ureA、ureB、ureC及び/又
はureDと関連づけられる。
るレプリコン上に局在させることができる。
に入り、かつ遺伝子ureE、ureF、ureG、u
reH又はureIに対応するコードするヌクレオチド
鎖の1つに対応するヌクレオチド配列にも関する。この
点において、本発明は特に以下の鎖に関する:
800〜1309に相当する鎖ureE、又は、ストリ
ンジェント条件下、つまり6×SSCデンハルト(Denh
ard)媒体中、68℃でもしくは5×SSC−50%ホル
ムアミド中、37℃で、鎖ureEもしくはこの鎖に相
補的な配列とハイブリダイズした場合のこの鎖のあらゆ
るフラグメント、
1324〜2091に相当する鎖ureF、又は、スト
リンジェント条件下、つまり6×SSCDenhard 媒体
中、68℃でもしくは5×SSC−50%ホルムアミド
中、37℃で、連鎖ureFもしくはこの鎖に相補的な
配列とハイブリダイズした場合のこの鎖のあらゆるフラ
グメント、
2123〜2719に相当する鎖ureG、又は、スト
リンジェント条件下、つまり6×SSCDenhard 媒体
中、68℃でもしくは5×SSC−50%ホルムアミド
中、37℃で、鎖ureGもしくはこの鎖に相補的な配
列とハイブリダイズした場合のこの鎖のあらゆるフラグ
メント、
2722〜3516に相当する鎖ureH、又は、スト
リンジェント条件下、つまり6×SSCDenhard 媒体
中、68℃でもしくは5×SSC−50%ホルムアミド
中、37℃で、鎖ureHもしくはこの鎖に相補的な配
列とハイブリダイズした場合のこの鎖のあらゆるフラグ
メント、
211〜795に相当する鎖ureI、又は、ストリン
ジェント条件下、つまり6×SSCDenhard 媒体中、6
8℃でもしくは5×SSC−50%ホルムアミド中、3
7℃で、鎖ureIもしくはこの鎖に相補的な配列とハ
イブリダイズした場合のこの鎖のあらゆるフラグメン
ト。
と呼んでいるのは、逆位及び相補的配列のことである。
「逆」という語は、一定の与えられた配列との関係にお
いて、ヌクレオチドの性質上相補的な核酸の5′−3′
の配向(オリエンテーション)の回復を考慮している。
A GGA AAC CGC CAT という配列に対応する特定のヌクレ
オチド鎖にも関する。
含むあらゆるDNA配列にも関する。
ヌクレオチド配列は、例えばその5′及び/又は3′末
端で、検出される物質により標識されている場合、プロ
ーブの構成の中に入り得る。標識としては、放射性同位
元素、酵素、化学的標識又は化学発光標識、蛍光色素、
ハプテン又は抗体、塩基類縁体、さらには物理的標識を
挙げることができる。これらの標識は、場合によって
は、磁性球のような粒状又は膜状の支持体などの固体支
持体に固定することができる。
して利用される配列の5′末端に取り込まれた放射性リ
ン(32P)を挙げることができる。
ドプローブは、例えば約45ヌクレオチドのフラグメン
トのような、上述の遺伝子のあらゆるフラグメントを含
む。
子ureH又は好ましくは遺伝子ureIに由来するフ
ラグメントにより構成されている。
pylori による感染のインビトロ検出のために利用可能
なプライマーを構成することもできる。プライマーー
は、約18〜約30個、好ましくは約25〜約30個の
ヌクレオチドを含む、前述の配列に由来するようなヌク
レオチドフラグメントが含まれていることを特徴とす
る。このようなプライマーは、例えば鎖重合技術に従っ
た遺伝子増幅反応において利用することができる。
ライマーは、規定の条件下で、それぞれ増幅すべきヌク
レオチドフラグメントの5′及び3′末端とハイブリダ
イズするように、2つずつ組合わせて取られる。
きDNAとのプライマーの特異的ハイブリダイゼーショ
ンに必要とされる条件は、欧州出願第200363号、
第201184号、第229701号に記載されている
条件であり、温度は次の式に従って計算される: T(℃)=〔4(C+G)+2(A+T)−10〕 なお、式中、A、T、C、Gは、それぞれ利用されるプ
ライマー中のヌクレオチドA、T、C、Gの数を表わ
す。
例えば、Cetus の欧州特許出願(第200363号、2
01184号及び229701号)に記載されているP
CR(ポリメラーゼ連鎖反応)技術、又はBiotechnolog
y (第6巻、1988年10月)の中に記載されている
「Qβレプリカーゼ」技術などが含まれる。
は、以上で定義づけしてきた配列又はこれらの配列に相
補的な配列と上述のストリンジェント条件下でハイブリ
ダイズする配列である。
は、同様に、H. pylori 又はその他の菌株のその他の遺
伝子又は配列を、H. pylori 、又はE. coli 、アデノウ
イルスのようなその他の宿主の中で発現させるためにも
利用できる。
ているポリペプチドUreE、UreF、UreG、U
reH又はUreIのうちの1つ、又はこれらのポリペ
プチドのうちの少なくとも1つのポリペプチドのあらゆ
る部分に相当することを特徴とするポリペプチドにも関
する。本発明は、特に、H. pylori により発現されるよ
うなUreE、UreF、UreG、UreH又はUr
eI由来のポリペプチドと機能的相同性を示す場合に直
ちに変更されるか、あるいは反対に単数又は複数のアミ
ノ酸の欠失、付加、置換又は逆位によって変更されて、
H. pylori により発現されるようなウレアーゼ活性とい
ったその機能的特性を減衰さらには削除された、あらゆ
るポリペプチドに関する。
G、UreH及びUreIは、特に、H. pylori におけ
るウレアーゼの調節及び成熟に介入する。
Lys Ile Cys Tyr Glu Ile Gly Asn Arg His という11
個のアミノ酸の鎖に対応するものである。
が与えられているポリペプチドは、ポリクローナル又は
モノクローナル抗体の産生のため、又はH. pylori に感
染した生物学的試料の中の抗体の検出のために利用でき
る。
るための既知の技術又はハイブリドーマ技術によって調
製することができる。これらの抗体は、同様に、Marks
ら(J. Mol. Biol. 1991222, 581-597)により記載され
ている技術を用いても調製可能である。
する。上述の11個のアミノ酸の鎖に対する抗体を、ウ
レアーゼの成熟の遮断反応の枠内で利用することが可能
である。
を処置するための組成物におけるモノクローナル又はポ
リクローナル抗体の用途にも関する。
含むことを特徴とする組換え型ベクターをも目的とす
る。このような組換え型ベクターは、例えば、コスミド
又はプラスミドであってよい。
は、それが1991年10月3日にI−1148という
番号でCNCM〔フランス、パリ市の国立微生物培養収
蔵所(Collection Nationale de Cultures de Microorga
nisms)〕に寄託された、E. coli HB101中に含まれ
ているプラスミドpILL753であることを特徴とす
る。
が1991年10月3日にI−1149という番号でC
NCMに寄託された、E. coli HB101に含まれてい
るプラスミドpILL763であることを特徴とする。
すヌクレオチド配列によって形質転換されていることを
特徴とする組換え型宿主細胞(又は組換え型細胞株)を
も目的としている。このように形質転換された宿主細胞
は、場合によっては前述の定義に従って変更されたウレ
アーゼの補助遺伝子のヌクレオチド配列の発現を可能に
しなくてはならない。
は、前述のヌクレオチド配列の1つによって変更され
た、又は、有利なことに自ら発現する変更された補助遺
伝子の産物が、ウレアーゼの効果、特にその病原性効果
を減衰させるのに貢献するような形で変更された、H. p
ylori の菌株である。
92年6月26日にNCIMB40512という番号で
イギリスのNCIMB(National Collections of Indu
strial and Marine BacteriaLTD)に寄託されたH. pylor
i のN6株の突然変異によって得ることができ、ここ
で、この突然変異は、遺伝子ureE、ureF、ur
eG、ureH又はureIのうちの少なくとも1つの
レベル、及び/又は、例えばureA又はureBのよ
うな、単数又は複数の構造遺伝子のレベルで行なわれ
る。
した基準に従って、ウレアーゼ活性が減衰されている組
換え型菌株、特にH. pylori 菌株が形成される。
ウレアーゼ陰性表現型を得ることを可能にし、しかも突
然変異を受けた遺伝子ureE、ureF、ureG、
ureH又はureIの少なくとも1つを含むものであ
る。
ウレアーゼ陰性のH. pylori 菌株を調製することが可能
となる。同様に、遺伝子ureA及びureBの産物が
発現されるのに対して、ureIの内部のいくつかの突
然変異によりH. pylori 内でウレアーゼ陰性表現型を得
ることが可能となる。例えば、例中に記載されている突
然変異No.8がそれである。
ylori 菌株の調製のために特に有利な別の突然変異は、
遺伝子ureGの突然変異である。遺伝子ureGが突
然変異を受けている組換え型H. pylori 菌株は、以下の
ような特性を示す: − このような突然変異を受けた菌株は、免疫応答を開
始させる能力を保持している。 − このような突然変異を受けた菌株は、ウレアーゼ活
性を備えていない。
株を形質転換することが可能である。特に、例えばプラ
スミドを介してこの菌株の中に予め挿入された遺伝子u
reE、ureF、ureG、ureH又はureIの
中の突然変異を実現するためには、E. coli を利用する
ことになる。このように突然変異を受けた遺伝子は、次
に、対立遺伝子の置換を可能にして突然変異を生み出す
ため、別の宿主細胞、例えばH. pylori の中に導入する
ことができる。
遺伝子ureIの欠失は、ウレアーゼ陽性表現型の発現
のためのその他の条件がととのった場合、この表現型を
変えることはない、という点に留意されたい。
プチドUreE、UreF、UreG、UreH又はU
reIを産生するため、及び従来の技術によりこれらを
精製するために利用できる。
組換え型菌株は、同様に、例えばコレラやサルモネラの
遺伝子のような異種遺伝子の輸送及び発現のためにも利
用可能である。
まな技術を用いることができる。例えば、本願の例中で
記載されているような電気穿孔法が利用される。
転換すべき細胞のレベルで電気ショックを与えることか
ら成る段階を削除することによって変更することができ
る。
れていることを特徴とする組換え型細胞株を含む免疫原
性組成物の投与によって、H. pylori による感染に対し
て保護するための手段を提供する。このような免疫原性
組成物は、人間医学で利用可能である。
ゼ活性を低下させるため変更された遺伝子ureE、u
reF、ureG、ureH又はureIに相当する少
なくとも1つの配列を含む、本発明に従ったヌクレオチ
ド配列の菌株内への挿入によりウレアーゼ活性が減衰さ
れたH. pylori の細胞のような菌株を含んでいてよい。
ば、単数又は複数の遺伝子ureA、ureB、ure
C、ureD、ureE、ureF、ureG、ure
H又はureIのヌクレオチド配列の突然変異によっ
て、又はウレアーゼの構造、成熟もしくは調節に介入す
るポリペプチドの部分切除形態の発現によって、減衰さ
れたウレアーゼを産生することができるあらゆる宿主で
ある。
料についてのH. pylori による感染のインビトロ診断の
ためのキットにおいて、 − ureE、ureF、ureG、ureH又はur
eIの中から選択される遺伝子に相当する少なくとも1
つの核配列に特異的なヌクレオチドフラグメントの5′
及び3′末端にハイブリダイズすることができる、上述
の基準を満たす少なくとも一対のヌクレオチドプライマ
ー、 − 処理された試料から核酸を抽出するのに必要な試
薬、 − 増幅したいと考えているフラグメントの増幅を実施
するのに充分な量の、ヌクレオチドプライマーからの前
記ヌクレオチドフラグメントの重合を行なうための試
薬、特に重合酵素、 − プローブとして用いることができ、かつ増幅された
DNAフラグメントと規定条件下でハイブリダイズする
ことができる、少なくとも1つのヌクレオチド鎖、 − 場合によっては、ハイブリダイゼーションを明らか
にするための手段 を含むことを特徴とするキットをも、その目的としてい
る。
キットの中には同様に、 − 例えば抗生物質に対する耐性遺伝子を含んでいるこ
と又はN6の染色体DNAで構成されていることなどに
よって、ハイブリダイゼーションにより容易に検出され
うる、場合によっては1つのプラスミドにより担持され
ている核酸によって構成され、前記フラグメントにはさ
らにこれら2つの末端に少なくとも1つの増幅プライマ
ーが備わり、これらのプライマーが本発明のプライマー
の中から選ばれている又は選ばれていない、増幅反応内
部対照、及び − 内部対照の中に含まれている核酸とハイブリダイズ
することができるプローブ、 − 場合によっては、テストされる試料中に場合により
存在するRNAからcDNAを得るための逆転写酵素、 を包含させることもできる。
試料のうちの「偽陰性」の存在を検出することが可能と
なる。実際、内部対照の特異的プローブが増幅産物を検
出しない場合、おそらく、H. pylori のDNA又はcD
NAの増幅を妨げる阻害物質である、Taqポリメラー
ゼの阻害物質を含む試料が存在する。この場合、テスト
される試料のさまざまな希釈により、H. pylori の核酸
の存在を実証することが可能となる。
れた試料のレベルでの陰性反応により、H. pylori がま
さに欠如していると結論することができる。
しも本発明のプライマーではないという点に留意された
い。ただし、その他のプライマーを選択した場合、感度
が低下する可能性がある。
めの生物学的試料の一例として、生検、胃液、又は場合
によっては唾液もしくは便などの採取標本を用いる。こ
のキットは、同様に、水質汚染検査又は食品検査のため
にも利用できる。
ylori による感染のインビトロ診断のための方法におい
て、 a)一本鎖DNA又はRNAの形態でのアクセス可能性
を与える条件下で、H.pylori を含んでいる可能性があ
る試料の核酸を、H. pylori の核酸が存在する場合それ
とハイブリダイズし、かつプライマーエクステンション
(延長)産物の合成を開始させることができる本発明に
従った少なくとも1対のヌクレオチドプライマーと接触
させる段階であって、ここでH. pylori のヌクレオチド
配列の各ストランドがプライマーと組合わさった時点で
鋳型として役立つ段階、 b)合成された核酸ストランドをその鋳型から分離する
段階、 c)検出できるほど充分な、求められている核酸の増幅
が得られるまで、プライマーとハイブリダイズすること
ができ、かつ段階b)の終了時点で存在する核酸の各ス
トランドからの延長産物の合成を反復する段階、 d)求められている増幅済みの核酸の存在を検出できる
ようにする条件下で、ヌクレオチドプローブと段階c)
の産物とを接触させる段階、 e)場合により形成されたハイブリダイゼーション産物
を検出する段階を含むことを特徴とする方法にも関す
る。
しい実施態様に従うと、テストされる試料の接触の前
に、核酸を抽出するような試料の処理段階がある。
法には、テストされる試料中に場合により存在するRN
AからcDNAを合成するための、逆転写酵素での試料
の核酸の処理から成る、プライマーとの接触段階に先立
つ1つの段階が含まれている。
ビトロ診断のためのキットにおいて、 − 前述の定義に従った一定量のプローブ、 − 検出すべきH. pylori の核酸とプローブとの間のハ
イブリダイゼーション反応の実施に適した媒体、 − 場合により形成されるハイブリッドの検出のための
試薬を含むことを特徴とするキットにも関する。
づくH. pylori による感染のインビトロ診断のための方
法は、 − そのDNA及び/又はRNAが予めアクセス可能に
されているテストすべき試料を、プローブとの核酸のハ
イブリダイゼーションを可能にする条件下で、前述のプ
ローブと接触させる段階; − 核酸とプローブとの間の場合により起こるハイブリ
ダイゼーション反応を明らかにする段階 を含むことを特徴とする。
の核酸の抽出及び選択されたエンドヌクレアーゼでの消
化及び精製、さらに又は化学合成によって得ることがで
きる。
トの合成のためには、Narang, S. A. らがMeth. of Enz
ymol., 68, 90(1979)の中で記載しているようなホスホ
トリエステル法を挙げることができる。ヌクレオチドフ
ラグメントの調製のために適合された別の方法は、Brow
n E. L. らがMeth. ofEnzymol., 68, 109(1979)の中で
記載しているようなホスホトリエステル法である。
てジエチルホスホアミダイトを介入させることなどによ
る自動化された方法によっても実施でき、この場合、合
成は、Beaucage et al., Tetrahedron Letters(1981),
22, 1859-1862の記載に従って行なうことができる。
これはLabigne ら〔J.Bacteriol. 173: 1920-1931(199
1)〕により記載されている菌株に相当する。クローニン
グ実験における宿主としては、E. coli MC1061
〔Maniatis et al.(1983)、分子クローニング、実験室
マニュアル(Molecular Cloning: A Laboratory Manua
l)、Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Ha
rbor N.Y.〕を利用し、ウレアーゼ発現の定量分析のた
めの宿主としては、E. coli HB101(HsdR h
sdM reA supE44 lacZ4 LeuB
6 proA2 thi−1
l. 41: 459-472〕を利用した。この研究において利用し
たベクター及びハイブリッドを、表1に記す。E. coli
菌株をグルコース無しのLブロス(1リットルあたり、
トリプトン10g、酵母エキス5g及びNaCl5g、
pH=7.0)中又はLゲロースのボックス(1.5%の
ゲロースを含む)上で、37℃で培養した。形質転換体
の選択のための抗生物質濃度は、以下のとおりであった
(1リットルあたりのミリグラムの単位で):カナマイ
シン:20、テトラサイクリン:8、アンピシリン:1
00、スペクチノマイシン:100、カルベニシリン:
100。ウレアーゼ活性の発現のためには、炭素源とし
て0.4%のD−グルコースと、窒素源として、相反す
る指示が無い限りろ過滅菌した新たに調製した0.2%
(重量/体積)のL−グルタミン〔Pahel et al.(1982)
J. Bacteriol. 150: 202-213) を含む、アンモニウム
無しのゲロース入りM9最少培地(pH=7.4)から成
る、窒素源濃度を制限した培地上で、E. coli 細菌を培
養した。
の他の一般的なDNA操作は、Maniatisらの標準的技術
に従って行なった〔Maniatis et al.(1983)、分子クロ
ーニング、実験室マニュアル、Cold Spring Harbor Lab
oratory, ColdSpring Harbor N.Y.〕。酵素活性を抑制
する形で、20℃で、Sau3Aを用いた部分的消化を
行なった。制限エンドヌクレアーゼ、DNAポリメラー
ゼIのラージ(大)フラグメント、T4のDNAポリメ
ラーゼ(フラグメントの末端を平滑にするのに利用され
る)及びT4のDNAリガーゼは、Amersham Corp.から
供給された。仔牛の腸アルカリホスファターゼは、Phar
macia から供給された。DNAフラグメントを、1%又
は1.4%のアガロースを含むゲルの水平ブロック上の
電気泳動により分離し、トリス−酢酸塩又はトリス−リ
ン酸塩緩衝液中で処理した〔Maniatis et al.(1983)、
分子クローニング、実験室マニュアル、ColdSpring Har
bor Laboratory, Cold Spring Harbor N.Y.〕。分子量
の標準として1kbのスケールを用いた(Bethesda Resea
rch Laboratories)。臭化エチジウム(0.4μg/ml)
を含むアガロースゲルからのDNAフラグメントの電気
溶出を、前述のとおりに実施した〔J. Bacteriol. 173:
1920-1931(1991), Labigne etal.〕。
nostic Pasteur)1ml中での109 個の細菌の再懸濁、
及び変化する時間の37℃でのインキュベーションによ
り行なった。ウレアーゼ活性によるアンモニアの遊離
は、pHを高め、オレンジ色から赤色への変色を誘発し
た。
et al.(1991) Microb. Ecol. Hlth.Dis. 4: 121-134)、
ベルテロ(Berthelot) 反応によってウレアーゼ活性を測
定した。簡潔に言うと、細菌を、ゲロースボックスから
無菌的0.85%NaCl2.0ml中に収集し、4℃で
10分間、12,000回転/分で遠心分離した。0.
85%NaCl中で沈渣を2回洗浄し、10mMEDTA
を含む100mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.4)
(PEB)中に再懸濁させた。超音波処理された抽出物
を調製するため、細胞を、30w、サイクル50%に調
節したBransonSonifier450型を用いて、30秒のイ
ンパルス4回で溶解させた。細胞破砕物は、ウレアーゼ
の測定前に除去した。調製したばかりの試料(10〜5
0μl)を、200μlの尿素基質溶液(PEB中に調製
した50mM尿素)に添加し、30分間、通常の温度で反
応させた。400μlのフェノール−ニトロプルシド試
薬及び400μlのアルカリ性次亜塩素酸塩試薬の添加
により、反応を停止させた。反応混合物を50℃でイン
キュベートした。基質添加の前に5分間沸とうさせてウ
レアーゼ活性を不活性化したブランクも、同様の要領で
処理した。遊離アンモニアの量は、A625 とアンモニウ
ム濃度(NH4Clからの)との関係を設定する標準曲
線から決定した。2μmol のアンモニアの遊離が、1μ
mol の尿素の加水分解と等価であることを考慮した。ウ
レアーゼ活性は、細菌タンパク質1mgあたりの1分間に
加水分解された尿素のμmol 数の単位で表わした。
emicals)、タンパク質の濃度を測定した。全細胞の抽出
物中のタンパク質を可溶化するため、TPE中に調製し
た細胞懸濁液を遠心分離し、沈渣をオクチル−β−D−
グルコピラノシド溶液中に再懸濁させて、最終界面活性
剤濃度(染料試薬中)を0.1〜0.2%(重量/体
積)とした。
異体の構築 pILL570内にクローニングされたDNAフラグメ
ント内への無作為挿入により突然変異を生じさせるた
め、Mini Tn3-Km の供給システムを利用した。転位因子
のドナーとしてのプラスミドpOX38及びトランスで
作用して酵素トランスポゼースTn3を供給するプラス
ミドpTCA〔Seifert et al. 1985,Genetic Engineer
ing Principles and Methods(遺伝子工学の原理と方
法)第8巻:p123-134, Setlow, J. and Hollaeinder,
A. Editors, PlenumPress New York〕を介入させるSeif
ertら(1986, PNAS USA 83: 735-739) により記載されて
いるMini Tn3系、ならびにlox部位に対して特異的な
リコンビナーゼ(組換え酵素)P1をコードするcre
遺伝子を収容する菌株NS2114を、以下の変更を伴
うDNAフラグメントの突然変異誘発のために利用し
た:
al., 1986)内のβ−ラクタマーゼをコードする遺伝子
のBglI−EcoRIフラグメントを除去し、これを
カナマイシンカセットClaI−C. jejuni 〔Labigne-
Roussel et al.(1988, J. Bacteriol. 170: 1704-1708)
に記載されている1.4kbの長さのもの〕で置換する
ことによって、Mini Tn3を変更した。この新しい挿入因
子Mini Tn3-Km を、プラスミドpILL553の獲得を
誘導する、Seifert ら(1986,前出)によって記載され
ているような移入可能なプラスミドpOX38内に転位
させた。
メントのクローニングのため、Labigne ら(1991, J. Ba
cteriol. 173: 1920-1931)により以前に記載された接
合スペクチノマイシンpILL570自殺ベクターを用
いた。この自殺ベクターは、Tn3に対する免疫性に関
連するDNA配列が欠失しているpILL560(Labi
gne-Roussel et al., 1988, J. Bacteriol. 170: 1704-
1708) から誘導されたものである。
IncP、pRK212.1(Figurski et al., 1979,
PNAS USA 76: 1648-1652)を接合によりE. coli NS2
114株に導入し、cre遺伝子を収容するNS221
4のリファンピシン自然突然変異体を得て、共組込み体
を収容するトランス接合体の選択のためにこれを利用し
た。
μgのスペクチノマイシンを含む培地上に得られた第3
の混合物をボックス上に被着させることによりpILL
570から誘導されたプラスミドの大量のコピーによっ
て、共組込み体〔共組込み(コインテグレーション)の
産物〕の効果的な分離を、正の選択により選択した。
3mp19とM13mp18〔Meissing et al.(1982)
Gene 19: 269-276〕内にDNAの適切なフラグメントを
クローニングした。挿入フラグメントを含むクローン
を、X−Gal(5−ブロモ−4−クロロ−3−インド
リル−β−D−ガラクトピラノシド)及びイソプロピル
−β−D−チオガラクトピラノシドを用いて同定した。
組換えられたプラスミドM13mp18及びM13mp
19の一本鎖を、ポリエチレングリコール法〔Sanger e
t al.(1980) J. Mol. Biol. 143: 161-178〕に従って得
た。必要なSequenase(United States Biochemical cor
p.)を用いて、ジデオキシヌクレオチドを用いるチェイ
ンターミネーター法〔Sanger et al.(1977) Proc. Nat
l. Acad. Sci. USA 74: 5463-5467〕に従って、配列決
定を行なった。二本鎖DNAの配列決定も、同様に、塩
化セシウム勾配上で精製したプラスミドDNAを利用し
て、必要なSequenase を用いて、ジデオキシヌクレオチ
ドを用いるチェインターミネーター法によって行なった
〔Zhang et al.(1988) Nucleic Acids Research 16: 12
20〕。DNA3μgの試料を、まず1MのNaOH溶液
(総容量20μl)で変性させ、次に、2Mの酢酸アン
モニウム(pH4.6)2μlで中和した。100%の氷
結したエタノール60μlを添加し、−70℃で10分
間インキュベートし、4℃で20分間遠心分離した後、
DNAを沈殿させた。80%の氷結したエタノール60
μlで洗浄した後、沈渣を、プライマー0.5pmo を含
む配列決定緩衝液10μl中に再懸濁させ、65℃で3
分間インキュベートした。通常の温度での30分のイン
キュベーション時間の後、配列決定を行なった。
宿主菌株におけるウレアーゼ活性の検出 コスミドpILL585を収容するE. coli の形質転換
体を、(唯一の窒素源として)0.2%の1−グルタミ
ンを添加したグルコース入りM9最少培地又はL培地上
に広げ、37℃で48時間インキュベートした。次に、
形質転換体を、尿素−インドール培地中で行なう定性比
色試験に従って、ウレアーゼ活性に関してスクリーニン
グした。好気性条件下、37℃で、最少培地上で複数の
継代(5継代以上)を受けたE. coli HB101の形質
転換体においてのみ、活性が観察された。従って、これ
が、E. coli のクローン内のウレアーゼの発現の定性的
測定に利用した条件である。窒素の豊富な培地上で培養
された形質転換体には、いかなるウレアーゼ活性も検出
されなかった。
継代の後でさえ、E. coli 細胞内でのC. jejuni におけ
るウレアーゼの発現に必要な最小領域として同定された
4.2kbのフラグメント〔Labigne et al.(1991) J.Bac
teriol. 173:(1920-1931)〕を含むプラスミドpILL
590でのE. coli HB101株の形質転換。このこと
はすなわち、コスミド上に存在するが、しかしプラスミ
ドpILL590に欠如している遺伝子が、E. coli に
おけるウレアーゼの発現に必要であるということを暗に
意味している。
伝子のサブクローニング 組換え型プラスミドpILL590を収容するE. coli
菌株において検出可能なウレアーゼ活性が欠如している
状態で、コスミドpILL585の34kbの挿入フラグ
メントを、エンドヌクレアーゼSau3Aを用いて部分
消化して、7〜12kbのフラグメントを産生させた。こ
れらのフラグメントを、はじめのゲノムの再配置(リア
レンジメント)をことごとく避けるためアルカリホスフ
ァターゼで処理し、BamHIで線形化されたプラスミ
ドpILL570に連結した。E.coli HB101にお
ける形質転換の後、スペクチノマイシンに対する耐性を
もつ各々の形質転換体を、誘導条件下でウレアーゼの加
水分解するその能力についてその後の試験に付した。1
つのクローンが、ウレアーゼ陽性表現型を示した。これ
はpILL753と呼ばれる組換え型プラスミドを収容
していた。このプラスミドは11.2kbの挿入フラグメ
ントを含んでいた。ベクターpILL570の単独の制
限部位EcoRI及びPstIとの関係において、Ba
mHI及びHindIII認識部位をマッピングした(図
1)。プラスミドpILL753の制限地図を前述の組
換え型プラスミドの制限地図と比較することにより、p
ILL753の挿入フラグメントが、プラスミドpIL
L590において前に同定されたウレアーゼの4つの遺
伝子(すなわち、ureA、ureB、ureC及びu
reD)の下流にある4.6kbの付加的DNAフラグメ
ントを有していることが明らかになった。
性の最適化 E. coli 内でH. pylori のウレアーゼの遺伝子の最適な
発現を確保する培養条件を定義するため、さまざまな窒
素源を添加した最少培地での培養後に、pILL753
を収容するクローンの活性を定量的に評価した。いずれ
の場合においても、液体培地で行なった培養においてウ
レアーゼ活性がきわめて低いことが諸々の研究によって
示されたことから、固体の最少基本培地を用いた。
ルタミン酸塩、NH4 Cl及び尿素で補完した培地(各
々最終濃度10mM)での培養の相対的活性は、それぞれ
100%、36%、27%、46%及び20%であっ
た。
した培地上で行なった培養において、最適であった。ウ
レアーゼ活性は、窒素の豊富な培地上で実施し、培養に
は検出されなかった。
性を刺激する効果を有する可能性があるが〔Mulrooney
et al.(1989) J. Gen. Microbiol. 135: 1769-1776 、
及びMobley et al.(1989) Microbiol. Rev. 53: 85-10
8〕、これは、pILL753を収容する細胞のウレア
ーゼ活性については現われなかった。
753を担持するE. coli のクローンにおけるウレアー
ゼの発現経過(コース)の分析は、最大のウレアーゼ活
性が、L−アルギニンを添加した最少培地上で37℃で
3日間好気的に培養した後に得られるということを示し
た(図2)。窒素の豊富な培地上で実施した培養のウレ
アーゼ活性は、微好気生活での培養後に最高であった。
逆に、微好気的条件は、窒素が制限された培養の活性に
ついては抑制的効果を有していた。
3日間の好気的条件下での培養における、pILL75
3を収容するE. coli 細胞のウレアーゼ活性は、タンパ
ク質1mgにつき1分あたり0.9±0.4μmol の尿素
加水分解であった。これと比較して、ウレアーゼの遺伝
子をクローニングするために利用したH. pylori の単離
物は、タンパク質1mgにつき1分あたり23.2±2.
3μmol の比率で(μmol /min/mgタンパク質)尿素を
加水分解していた。
に必要な遺伝子の同定及び局在化 陽性ウレアーゼ表現型に必要なDNA領域を決定するた
め、まず最初に、転位因子Mini Tn3-Km を担持するpI
LL753の誘導体を、前述の作業様式に従って単離し
た(「材料と方法」の項参照)。トランスポゾンを担持
するE. coli HB101の形質転換体を全て、ウレアー
ゼ活性に関してスクリーニングした。これらは、xが図
1の地図上に現われるようなMini Tn3-Km の挿入部位を
指すものとして、pILL753::xと呼称された。
分析のために選択された24の挿入のうち、10個の誘
導体は尿素を加水分解する能力を完全に失っており
(2、3、4、5、6、10、11、12、13及び1
4)、一方、14個はウレアーゼ陽性表現型を保持して
いた。これらの結果は、遺伝子ureA又はureBに
相当する地図を有するあらゆる挿入突然変異(突然変異
体2、3、4、5及び6)がウレアーゼ活性を消し去る
ということを確認しているが、同様に遺伝子ureBか
らさらに下流にある2.6kbのDNAフラグメントが、
窒素を制限する条件下で培養されたE. coli におけるウ
レアーゼ陽性表現型の発現に必要である、ということを
も明らかにしている。逆に、トランスポゾンの突然変異
誘発に関する結果からは、遺伝子ureBのすぐ下流に
ある600bpのフラグメントがE. coli でのウレアーゼ
活性にとって必須であるということは明らかにされなか
った。
の立証を含む付加的な分析を、E. coli の培養での活性
ウレアーゼの発現に必要な条件をより良く理解する目的
で行なった。プラスミド誘導体を担持するE. coli のサ
ブクローンを、上述の窒素制限条件下でのウレアーゼ活
性の定量的測定の対象とした。結果を表2にまとめる。
全てのサブクローンは、同じベクターpILL570の
誘導体であったため、結果を比較することができる。そ
のうちの1つ、プラスミドpILL768は、プラスミ
ドpILL753::16の制限酵素による消化産物か
ら作られた大きいEcoRIフラグメントの自己再連結
によって得られた(図1)。この構築物は、pILL7
53挿入セグメントの3′末端での2.95kbの欠失を
導いた。このプラスミドを担持する細胞は、比較的低い
ウレアーゼ活性を発現する(表2)。プラスミドpIL
L763は、線形化されたベクターpILL570内へ
のプラスミドpILL753::1のClaI−Pst
I制限フラグメントのクローニングにより得られた。前
述の遺伝子ureC及びureDを含む1.75kbのD
NAフラグメントが削除されたこの構築物は、pILL
753を収容する細胞のウレアーゼ活性に比べて約2倍
高いウレアーゼ活性を発現していた。いずれの場合で
も、欠失や挿入によって構成的ウレアーゼ活性が導かれ
ることはなかった。
域の配列の分析 E. coli でのウレアーゼの発現に必要な11.2kbのフ
ラグメントにおいて、遺伝子ureBのすぐ下流に局在
している3.2kbのDNAフラグメントを、図3の戦略
に従って同定した。
及び1.3kbのBamHI−HindIIIフラグメント
を、ファージM13mp18及びM13mp19のDN
A内のプラスミドpILL753::12、pILL7
53::11、pILL753::10の、a)上述の
制限フラグメントのクローニング、b)SpHI−Ba
mHIフラグメント、SpHI−HindIIIフラグメ
ント、c)BamHI−HindIIIフラグメントの後
に、独立して配列決定した;
p19のDNA内に、プラスミドpILL753及びp
ILL589(前述)から来た制限フラグメント、つま
り1.2kbのHindIII、3.8kbのBamHI−P
stI及び1.3kbのBamHI−PvuIIをクローニ
ングした;
された3つのフラグメントにまたがる配列を生成するた
め、12個のオリゴヌクレオチドプライマーを合成し
た。これらのプライマーを、2本鎖DNAの配列決定分
析のために利用した。
eF、ureG及びureHと呼ばれる5つのオープン
リーディングフレーム(ORFs)を明らかにした。こ
れらの遺伝子は全て同一方向に転写され、これらは19
5、170、256、199及び265個のアミノ酸の
ペプチドをコードする。図4A〜図4Iに示されている
配列の逆の相補体上には、著しい長さのORFは全く観
察されなかった。5つのORFは、特徴的開始コドンA
TGで始まる。5つのORFのうち4つには、その前に
E. coli のリボソームに対する結合用コンセンサス(Sh
ine-Dalgarno)配列に類似する部位があった〔Shine et
al.(1974) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 71: 1342-134
6〕。
=G又はA、及びZ=A又はTとして、配列TGGYA
YRN4 YYGCZを伴う窒素に関する調節部位の存在
についての研究の対象となった〔Morett et al.(1989)
J. Mol. Biol. 210: 65-77〕。遺伝子座ureGの上流
210bpのところに、唯一の部位が発見された。その精
確な位置は、図4A〜図4Iに表わされている。E. col
i のプロモータータイプ(σ70)のコンセンサス配列
が、遺伝子ureI、ureF及びureHの上流に観
察された(TTGACA、−35、及びTATAAT、
−10)。
培地上で、37℃で3日間好気性培地で培養された細
菌。 (2)比較のため、DNAをクローニングした元の単離
物であるH. pylori 85Pのウレアーゼ活性は、23±
2.3μmol 尿素/分/mgタンパク質であった。 (3)いかなるウレアーゼ活性も検出されなかった。 (4)特定の測定についての結果:0.73。 (5)特定の測定についての結果:0.10。
的発現の第1のケースをここで紹介する。これは、制限
された窒素源を含む最少培地上で、pILL585ウレ
アーゼ組換え型コスミドを収容するE. coli 細胞を培養
することにより可能であった(前述のLabigne et al. -
1991)。得られた結果により、H. pylori のウレアー
ゼの遺伝子が窒素調節システム(NTR)の制御下にあ
りうるということ、そしてE. coli 細胞内のウレアーゼ
活性が前述の遺伝子集合体の存在に依存することを示す
ことができた。この遺伝子集合体は、前述のLabigne et
al., 1991の刊行物中に記載されている4つの遺伝子u
reA、ureB、ureC及びureDのすぐ下流に
局在していた。これらの新しい遺伝子は、ureI、u
reE、ureF、ureG及びureHと呼ばれる5
つのオープンリーディングフレームを含む3.2kbのフ
ラグメント上にある。
11.2kbのDNAフラグメント(pILL753)の
レベルでの、挿入及び欠失による突然変異の利用によ
り、E.coli 内でのウレアーゼ活性の発現にとって遺伝
子ureA、ureB、ureF、ureG及びure
Hが必要であることを示すことができた。反対に、遺伝
子ureI内部での挿入による突然変異は、E. coli の
細胞内でのウレアーゼ活性に著しい影響を及ぼさなかっ
た。遺伝子ureC及び遺伝子ureDの欠失(プラス
ミドpILL763内のような)は、無傷の状態の遺伝
子座を有するプラスミドを担持する細胞で得られるもの
よりもはるかに強い活性という結果をもたらし、このこ
とは、H. pylori のウレアーゼの遺伝子群(クラスタ
ー)のこの領域の調節因子としての役割を示唆してい
る。
に必要な要素全体をおそらく担持していないということ
は、明らかであると思われる。その主な証拠としては、
一方では、pILL753を収容するE. coli の細胞
が、クローニングのために当初使用されたH. pylori 単
離株のウレアーゼ活性に比べて約25倍弱いウレアーゼ
活性を有していたということ、又他方では、ureHの
下流の領域の欠失(pILL768)がウレアーゼ活性
の著しい低下を導いたということ、が挙げられる。C. j
ejuniが、E. coliの中で得られる結果に比べて酵素発現
のためにさらに少ない遺伝子数を必要とするというのは
興味深いことである。従って、C. jejuniはH. pyloriの
クローニングされた遺伝子の機能を補完できなくてはな
らない。
cia stuartii〔Mulrooney et al.(1988) J. Bacteriol.
170: 2202-2207〕、ウレアーゼ陽性E. coli(Collins e
t al.-1988) 、Klesiella pneumonia 〔Gerlach et al.
(1988) FEMS Microbiol. Lett. 50: 131-135〕、 Prote
us vulgaris〔Morsdorf et al.(1990) FEMS Microbiol.
Lett. 66: 67-74〕、Staphylococcus sarophyticus〔Ga
termann et al.(1989)Infect. Immun. 57: 2998-300
2〕、 Klebsiella aerogenes(Mulrooney et al.-1990)
及びProteus mirabilis〔Jones et al.(1989) J. Bact.
171: 6414-6422及びWalz et al.(1988) J. Bacteriol.
170: 1027-1033〕についても立証された。
ーゼをコードする3つの領域の比較を示し、各々の類似
性と特殊性を表わしている。遺伝子編成及びコードされ
るポリペプチドで表わされる近縁性の度合いは、P. mir
abilisとK. aerogenesの間では、H. pylori に対するこ
れらの各々の近縁性の度合いに比べ、さらに強いもので
ある。H. pylori のポリペプチドUreGは、K. aerog
enesのポリペプチドUreGと強い類似性を呈した(9
2%保存、59%同一)が、一方H. pylori とK. aerog
enesのポリペプチドUreE及びUreFの間の(保存
及び同一の)度合いは、それぞれ(33%及び14
%)、(44%及び11.6%)であった。Mulrooney
らは、補助タンパク質UreE、UreI及びUreG
をコードするK. aerogenesの遺伝子が、ウレアーゼのサ
ブユニットへのニッケルの取り込みによるアポ酵素の活
性化に関与していることを確認した。Klebsiella及びPr
oteusのポリペプチドUreEのカルボキシ末端に一連
のヒスチジン残基が存在することから、Mulrooney ら
は、UreEが、ニッケルと相互作用して次にこれをア
ポ酵素に移入させることができるということを提案し
た。このような一連の残基は、H. pylori のポリペプチ
ドUreEにも、又ウレアーゼ遺伝子のその他のいずれ
の産物にも発見されなかった。
されたアミノ酸配列と、DNAの結合部位(Pabo et a
l.-1981) 又はATPの結合部位(Higgins et al. - 19
85 )に関与するコンセンサス配列との間の類似性の研
究は、遺伝子ureIの産物の内部のDNAの結合部位
の同定を可能にした(図4A〜図4I)。その上、充分
に保存されたATPの結合部位(−GVCGSGKT
−)が、遺伝子ureGの産物のNH2 末端に存在して
いる。
ようないくつかの独特の要素を呈している:すなわち、
まず第1に、遺伝子ureC、ureD、ureIはH.
pylori に独特のものである。次に、ウレアーゼの領域
は、同じ方向に転写され、ureDとureAの間に4
20bp、及びureBとureIの間に200bpの遺伝
子間領域を呈する、3つの遺伝子ブロックから成る。こ
のことは、3つの遺伝子ブロックが独立して調節されう
る、H. pylori 独自の遺伝子編成を示唆している。
は、構成的に行なわれると仮定されている。ここで紹介
する結果は、H. pylori のウレアーゼの遺伝子発現が、
実際、調節システムの制御下にありうるということを示
す傾向をもつ。実際、ひとたびE. coli内に移入された
H. pyloriのウレアーゼ遺伝子の発現は、完全に窒素の
調節システム(NTR)の制御下にある。H. pylori の
ウレアーゼの遺伝子が、E. coliの遺伝子ntrA、n
trB、ntrCの産物の合成に直接依存する可能性は
あるものの、それらがE. coliのntr産物に類似の単
数又は複数のタンパク質をコードするその他の単数又は
複数の遺伝子の発現に依存するという可能性を考慮しな
いわけにはいかない。これらのデータに基づいて、固体
培地又は微好気的雰囲気の存在のような生理学的パラメ
ーターが、インビトロ又はインビボでのH. pyloriにお
けるウレアーゼの発現においてある役割を果たし得ると
考えることができる。
遺伝子の当初のクローニングを実施するのに用いた前述
のLabigne et al.-1991の刊行物中に記載されている菌
株85Pを含む、生検から分離された複数の菌株を、そ
の電気穿孔適性について試験した。1991年10月3
日にI−1150という番号でCNCMに寄託されたN
6と呼称される唯一の菌株が陽性の結果を示した。
ニングされたフラグメントにおける突然変異体の作成:
要素(転位因子)の無作為挿入を可能にするトランスポ
ゾン(Mini Tn3-Km)を用いて、突然変異誘発により突然
変異体を調製する。各転位因子の挿入部位は、誘導され
たプラスミドの制限分析により定めた(図1参照)。
5%v/v 及び9%v/v) 溶液中で洗浄した血液ゲロース
(10%のウマの血液)上のH. pylori の細胞1010個
を採取し、4℃で50μlの体積に再懸濁させた。Cs
Cl上で精製し、蒸留水に対して即時に透析したプラス
ミドDNA500ngを、4℃で1μlの体積で細胞に添
加した。氷上で1分経過した後、DNA細胞を、予め−
20℃に冷却しておいた電気穿孔キュベット(BioRad r
ef: 165-2086、幅0.2cm)の中に移し、次に、25
F、2.5kv及び200オームというパラメーターに設
定された装置「遺伝子パルサー装置−Bio Rad 」の中に
置いた。4.5〜5msecの時間定数で電気パルスを送り
出した後、100μlのSOC緩衝液(2%のバクトト
リプトン、0.5%のバクト酵母エキス、10mMのNa
Cl、2.5mMのKCl、10mMのMgCl2、10mM
のMgSO4、20mMのグルコース)の中に細菌を再懸
濁させ、微好気的雰囲気の下、37℃で48時間、非選
択的血液ゲロース(カナマイシンは含まないが、バンコ
マイシン、トリメトプリム、ポリミキシン、ナリジキシ
ン酸、アンフォテリシンBを含む)上にこれを接種し
た。次に細菌を採取し、1容積のBrucella培地(0.5
ml)中に再懸濁させ、選択的血液ゲロースボックス(2
0μg/mlのカナマイシン及び上述の抗生物質カクテルを
含む)上に100μlの懸濁液を広げた。形質転換さ
れ、カナマイシン耐性をもつ細菌の成長は、微好気的雰
囲気中、37℃で4日間のインキュベーション後に現わ
れる。PCR、サザン法及びウエスタン法を含むその他
の技術は、従来通りの技術である。
内へのMini Tn3-Km の挿入により生成された2つの突然
変異を、詳しく研究した。すなわち、3及び4という番
号を付した突然変異である。各々の挿入の精確な位置
を、図6に示す。これらの挿入に相当するプラスミドを
調製し、精製し、濃縮した。電気穿孔に用いたH. pylor
i N6株の全ての特性を示すカナマイシン耐性の細菌が
得られた。これらの細菌は、尿素を加水分解する能力を
全くもたない。
株であることを確認することができた: ☆ 菌株は、「ウレアーゼ陰性」であるものの、H. pyl
ori 種に属する細菌に特徴的な生化学的特性を有する
(オキシダーゼ、カタラーゼ、酸素に対する感受性)。 ☆ 母細菌(N6)(CNCM No.I−1150)な
らびに同質遺伝子型細菌N6::TnKm-3及びN6::Tn
Km-4は、全DNAの酵素消化の後、同じ制限プロフィー
ルを有する(図8参照)。 ☆ H. pylori 特異プライマーを用いた酵素的増幅及び
増幅産物の配列決定の後、H. pylori の独立菌株が同じ
配列を示すことは決してなく、逆に重大な遺伝子多型現
象を示すのに対し、同じヌクレオチド配列が見い出され
た。 ☆ 突然変異を受けた親菌株のDNAのBamHI及び
HindIIIによる制限プロフィールのサザンタイプの
ハイブリダイゼーションによる分析は、遺伝子の置換を
証明している(図7及びその解釈図6)。
菌株(N6)が、ウレアーゼ遺伝子のクローニングが実
施された元となった菌株ではなく、この菌株は85P株
であること、そして制限部位HindIII及びBamH
Iがある菌株から別の菌株まで保存されないことにあ
る:pILL590から来る8.1kbのフラグメントに
相当するプローブ(図1)は、明らかに、N6と85P
の間で異なるHindIII制限プロフィール、特に1.
25kbと1.15kbのフラグメントの欠如を示している
(図9)。これに対して、4.1kbのHindIII及び
5.1と1.3kbのBamHIのフラグメントは保存さ
れている。従って、遺伝子ureA、ureB、ure
C及びureDに相当する領域全体にわたり分布したオ
リゴヌクレオチドを用いた酵素的増幅(PCR)によ
り、図10に示されている増幅産物1〜6が2つの菌株
で同じであること、そしてHindIII制限部位の欠如
はウレアーゼ領域の主要な再配置ではなく遺伝子多型現
象を反映していたことが確認された。このような確認が
なされたことから、作り出された2つの突然変異体内の
突然変異を受けた対立遺伝子による野生型対立遺伝子の
遺伝子置換を明確に確認することが可能である。
の体内で調製された抗H. pylori 抗体又はH. pylori に
よる感染を受けた患者の血清内に存在する抗H. pylori
抗体を用いたイムノブロッティングによって、突然変異
を受けた菌株N6::TnKm-3及びN6::TnKm-4が、遺
伝子ureBによりコードされる61kD(キロダルト
ン)のポリペプチドをもはや発現せず、従ってこれらの
菌株の遺伝子ureBがまさに中断されていたことが確
認された(図11)。
ら明らかになる。
ローニング及び突然変異誘発A:ハイブリッドコスミド
pILL585及びプラスミド pILL590の線形制限地図(Labigne et al. - 199
1 )。灰色の枠組は、C.jejuni でのウレアーゼの発現
に必要とされるDNAフラグメントを表わす。B :トランスポゾンMini Tn3-Km の無作為挿入。数字
(1〜24)も、円と同様、pILL753内のトラン
スポゾンの挿入部位に対応する;(+)符号はトランス
ポゾンがウレアーゼの発現を不活性化しなかったことを
示し、一方、(−)符号はウレアーゼの発現が消え去っ
たことを示す。C :pILL753の内部での欠失(△)により生成さ
れたハイブリッドプラスミドpILL768及びpIL
L768の線形制限地図。遺伝子(ureA〜ure
H)の局在は、長方形によって表わされている。長方形
の長さは、ポリペプチドを発現するため必要とされるD
NAの長さに対応する。矢印は、転写の向きを示す。図
の下にある枠組の数は、制限フラグメントのキロベース
単位のサイズを表わす。カッコ内の数字は、クローニン
グベクター(pILL575、pILL550又はpI
LL570)のうちの1つの中に挿入されたH. pylori
のDNAフラグメントのサイズに対応する。B、Bam
HI;E、EcoRI、P、PstI、H、HindII
I;C、ClaI;Sm、SmaI。カッコ内の文字
は、制限部位がベクターに属することを表わす。
coliHB101により発現されたウレアーゼ活性 10mMのL−アルギニン(MM)で補完されたL寒天培
地(ML)又はM9最少培地で調製した箱の各々に10
0μlの培養アリコート部分を接種し、0.85%の無
菌的NaCl中に懸濁させた(108細菌/ml)。箱
を、好気的又は微好気的媒体内で、(A)30℃又は
(B)37℃でインキュベートし、必要な時期に活性測
定を行なった。星印は、ウレアーゼ活性が全く検出され
なかったことを表わす。
配列A :ハイブリッドプラスミドpILL753のウレアー
ゼ領域の補助遺伝子の配列決定のための戦略。矢印は、
配列決定されたDNAフラグメントのサイズに相当す
る。矢印の頭は、オリゴヌクレオチドの決定を実施し、
確認するために利用されるオリゴヌクレオチドを表わ
す。B :ヌクレオチド配列の分析から推定した5つの読み取
り枠(オープンリーディングフレーム;ORFs)及び
そのヌクレオチドサイズの概略的表示。ATGは、各遺
伝子に関する開始コドンに相当する。C :H. pylori のウレアーゼの補足的な5つのポリペプ
チドの計算上のサイズ及び分子量を示す。
レオチド配列 配列の上の数は、ヌクレオチドの位置を表わす。配列順
に、予測されるアミノ酸配列は次のとおりである:Ur
eI(bp211〜795)、UreE(bp800〜13
09)、UreF(bp1324〜2091)、UreG
(bp2123〜2719)及びUreH(bp2722〜
3516)。リボソームとの潜在的結合配列(Shine-Da
lgarno, SD部位)には下線を引いてある。囲みのある配
列は、プロモーター様タイプ(σ54)の配列に相当
し、配列の上の矢印は、rho非依存性の転写の終結シ
グナルの要素を伴うループ状の構造を表わす〔Rosenber
g etal.(1979) Annu. Rev.Genet. 13: 319-359〕。アミ
ノ酸配列の下の点線は、DNA(ureI)、又はタン
パク質のATP(ureG)の結合ドメインに相当する
〔Higgins et al.(1985) EMBO J. 4: 1033-1040及びPab
o et al.(1984) Ann. Rev. Biochem. 53: 293-321〕。
レオチド配列 配列の上の数は、ヌクレオチドの位置を表わす。配列順
に、予測されるアミノ酸配列は次のとおりである:Ur
eI(bp211〜795)、UreE(bp800〜13
09)、UreF(bp1324〜2091)、UreG
(bp2123〜2719)及びUreH(bp2722〜
3516)。リボソームとの潜在的結合配列(Shine-Da
lgarno, SD部位)には下線を引いてある。囲みのある配
列は、プロモーター様タイプ(σ54)の配列に相当
し、配列の上の矢印は、rho非依存性の転写の終結シ
グナルの要素を伴うループ状の構造を表わす〔Rosenber
g etal.(1979) Annu. Rev.Genet. 13: 319-359〕。アミ
ノ酸配列の下の点線は、DNA(ureI)、又はタン
パク質のATP(ureG)の結合ドメインに相当する
〔Higgins et al.(1985) EMBO J. 4: 1033-1040及びPab
o et al.(1984) Ann. Rev. Biochem. 53: 293-321〕。
レオチド配列 配列の上の数は、ヌクレオチドの位置を表わす。配列順
に、予測されるアミノ酸配列は次のとおりである:Ur
eI(bp211〜795)、UreE(bp800〜13
09)、UreF(bp1324〜2091)、UreG
(bp2123〜2719)及びUreH(bp2722〜
3516)。リボソームとの潜在的結合配列(Shine-Da
lgarno, SD部位)には下線を引いてある。囲みのある配
列は、プロモーター様タイプ(σ54)の配列に相当
し、配列の上の矢印は、rho非依存性の転写の終結シ
グナルの要素を伴うループ状の構造を表わす〔Rosenber
g etal.(1979) Annu. Rev.Genet. 13: 319-359〕。アミ
ノ酸配列の下の点線は、DNA(ureI)、又はタン
パク質のATP(ureG)の結合ドメインに相当する
〔Higgins et al.(1985) EMBO J. 4: 1033-1040及びPab
o et al.(1984) Ann. Rev. Biochem. 53: 293-321〕。
レオチド配列 配列の上の数は、ヌクレオチドの位置を表わす。配列順
に、予測されるアミノ酸配列は次のとおりである:Ur
eI(bp211〜795)、UreE(bp800〜13
09)、UreF(bp1324〜2091)、UreG
(bp2123〜2719)及びUreH(bp2722〜
3516)。リボソームとの潜在的結合配列(Shine-Da
lgarno, SD部位)には下線を引いてある。囲みのある配
列は、プロモーター様タイプ(σ54)の配列に相当
し、配列の上の矢印は、rho非依存性の転写の終結シ
グナルの要素を伴うループ状の構造を表わす〔Rosenber
g etal.(1979) Annu. Rev.Genet. 13: 319-359〕。アミ
ノ酸配列の下の点線は、DNA(ureI)、又はタン
パク質のATP(ureG)の結合ドメインに相当する
〔Higgins et al.(1985) EMBO J. 4: 1033-1040及びPab
o et al.(1984) Ann. Rev. Biochem. 53: 293-321〕。
レオチド配列 配列の上の数は、ヌクレオチドの位置を表わす。配列順
に、予測されるアミノ酸配列は次のとおりである:Ur
eI(bp211〜795)、UreE(bp800〜13
09)、UreF(bp1324〜2091)、UreG
(bp2123〜2719)及びUreH(bp2722〜
3516)。リボソームとの潜在的結合配列(Shine-Da
lgarno, SD部位)には下線を引いてある。囲みのある配
列は、プロモーター様タイプ(σ54)の配列に相当
し、配列の上の矢印は、rho非依存性の転写の終結シ
グナルの要素を伴うループ状の構造を表わす〔Rosenber
g etal.(1979) Annu. Rev.Genet. 13: 319-359〕。アミ
ノ酸配列の下の点線は、DNA(ureI)、又はタン
パク質のATP(ureG)の結合ドメインに相当する
〔Higgins et al.(1985) EMBO J. 4: 1033-1040及びPab
o et al.(1984) Ann. Rev. Biochem. 53: 293-321〕。
レオチド配列 配列の上の数は、ヌクレオチドの位置を表わす。配列順
に、予測されるアミノ酸配列は次のとおりである:Ur
eI(bp211〜795)、UreE(bp800〜13
09)、UreF(bp1324〜2091)、UreG
(bp2123〜2719)及びUreH(bp2722〜
3516)。リボソームとの潜在的結合配列(Shine-Da
lgarno, SD部位)には下線を引いてある。囲みのある配
列は、プロモーター様タイプ(σ54)の配列に相当
し、配列の上の矢印は、rho非依存性の転写の終結シ
グナルの要素を伴うループ状の構造を表わす〔Rosenber
g etal.(1979) Annu. Rev.Genet. 13: 319-359〕。アミ
ノ酸配列の下の点線は、DNA(ureI)、又はタン
パク質のATP(ureG)の結合ドメインに相当する
〔Higgins et al.(1985) EMBO J. 4: 1033-1040及びPab
o et al.(1984) Ann. Rev. Biochem. 53: 293-321〕。
レオチド配列 配列の上の数は、ヌクレオチドの位置を表わす。配列順
に、予測されるアミノ酸配列は次のとおりである:Ur
eI(bp211〜795)、UreE(bp800〜13
09)、UreF(bp1324〜2091)、UreG
(bp2123〜2719)及びUreH(bp2722〜
3516)。リボソームとの潜在的結合配列(Shine-Da
lgarno, SD部位)には下線を引いてある。囲みのある配
列は、プロモーター様タイプ(σ54)の配列に相当
し、配列の上の矢印は、rho非依存性の転写の終結シ
グナルの要素を伴うループ状の構造を表わす〔Rosenber
g etal.(1979) Annu. Rev.Genet. 13: 319-359〕。アミ
ノ酸配列の下の点線は、DNA(ureI)、又はタン
パク質のATP(ureG)の結合ドメインに相当する
〔Higgins et al.(1985) EMBO J. 4: 1033-1040及びPab
o et al.(1984) Ann. Rev. Biochem. 53: 293-321〕。
レオチド配列 配列の上の数は、ヌクレオチドの位置を表わす。配列順
に、予測されるアミノ酸配列は次のとおりである:Ur
eI(bp211〜795)、UreE(bp800〜13
09)、UreF(bp1324〜2091)、UreG
(bp2123〜2719)及びUreH(bp2722〜
3516)。リボソームとの潜在的結合配列(Shine-Da
lgarno, SD部位)には下線を引いてある。囲みのある配
列は、プロモーター様タイプ(σ54)の配列に相当
し、配列の上の矢印は、rho非依存性の転写の終結シ
グナルの要素を伴うループ状の構造を表わす〔Rosenber
g etal.(1979) Annu. Rev.Genet. 13: 319-359〕。アミ
ノ酸配列の下の点線は、DNA(ureI)、又はタン
パク質のATP(ureG)の結合ドメインに相当する
〔Higgins et al.(1985) EMBO J. 4: 1033-1040及びPab
o et al.(1984) Ann. Rev. Biochem. 53: 293-321〕。
レオチド配列 配列の上の数は、ヌクレオチドの位置を表わす。配列順
に、予測されるアミノ酸配列は次のとおりである:Ur
eI(bp211〜795)、UreE(bp800〜13
09)、UreF(bp1324〜2091)、UreG
(bp2123〜2719)及びUreH(bp2722〜
3516)。リボソームとの潜在的結合配列(Shine-Da
lgarno, SD部位)には下線を引いてある。囲みのある配
列は、プロモーター様タイプ(σ54)の配列に相当
し、配列の上の矢印は、rho非依存性の転写の終結シ
グナルの要素を伴うループ状の構造を表わす〔Rosenber
g etal.(1979) Annu. Rev.Genet. 13: 319-359〕。アミ
ノ酸配列の下の点線は、DNA(ureI)、又はタン
パク質のATP(ureG)の結合ドメインに相当する
〔Higgins et al.(1985) EMBO J. 4: 1033-1040及びPab
o et al.(1984) Ann. Rev. Biochem. 53: 293-321〕。
1: 6414 -6422〕、 K.aerogenes(Mulrooney et al. - 1
990)及びH. pylori のウレアーゼオペロンと関連づけ
られたポリペプチドをコードする遺伝子の相対的位置を
表わす。百分率は、類似した2つの遺伝子間の同一のア
ミノ酸の割合に関するものである。空白の枠は、オペロ
ンに独自の遺伝子を表わす。
(ウレアーゼ-)の総DNAの酵素消化後の制限プロフィ
ール
遺伝子のゲノム編成。DNA特異フラグメントは、図1
0に従った8対のプライマーを用いることにより、H. p
ylori の単離株85P及びN6から抽出した染色体DN
Aから増幅させた。増幅産物を、1.4%のアガロース
ゲル上での電気泳動により分離した。ゲルの各々の側の
値は、標準として用いられた1kbのスケールの寸法(キ
ロベース単位)に相当する。
e遺伝子のゲノム編成。DNA特異フラグメントは、図
10に従った8対のプライマーを用いることにより、H.
pylori の単離株85P及びN6から抽出した染色体D
NAから増幅させた。増幅産物を、1.4%のアガロー
スゲル上での電気泳動により分離した。ゲルの各々の側
の値は、標準として用いられた1kbのスケールの寸法
(キロベース単位)に相当する。
ori 細菌における突然変異体の構築に必要な4つの連続
的段階の概略的表示。 接合1:トランスポゾンMini Tn3-Km を収容するInc
F群の移入可能なプラスミドpOX38を、1)トラン
スポゼースTn3(TnpA)を構成的に発現し、かつ
配列Tn3−38bpの存在を考慮してTn3に対する免
疫性をもつプラスミドpTCA、及び2)突然変異を誘
発するべきH. pylori のクローニングされたフラグメン
トを含む接合自殺ベクターを含む、E. coli HB101
中に導入する。カナマイシンHB101トランス接合個
体を30℃で48時間培養し、細菌をE. coli DH1
(Na1)と接合させる。 接合2:リゾルベースの不在下でのpILL570から
誘導されたプラスミド中でのMini Tn3-Km の転位の結果
として得られた共組込み体(コインテグレート)を、D
H1細胞内の接合カナマイシン共組込み体として選択す
る。 接合3:共組込み体を、トランスポゾン(pOX38−
Mini Tn3-Km)のための始原ドナーから成るものとMini T
n3-Km が挿入されたpILL570から誘導されるハイ
ブリッドプラスミドから成るものという、2つのレプリ
コンへの共組込み体の特異的組換えによる分離を生じる
ことができるcre遺伝子を収容するNS2114株
(Rif)に導入する。共組込み体の分離された形態の
正の選択は、300μg/mlのカナマイシン及び300μ
g/mlのスペクチノマイシンを含む培地上での、カナマイ
シンでのトランス接合体NS2114の選択により得ら
れた。H. pylori の突然変異を受けたDNAの導入から
成る最後の段階は、段階3で得られたE. coli NS21
14(基準菌株)を抽出したプラスミドを用いてH. pyl
ori を電気穿孔することによって実施できる。
9)に従ったMini Tn3の制限地図 星印は、プラスミドpILL570内の、ベクター構築
中に変更された制限部位を表わす。
Claims (16)
- 【請求項1】 図4A〜図4Iに示される核酸配列の1
つの部分であり、そしてureE、ureF、ure
G、ureH、ureIと呼ばれる遺伝子に対応する核
酸配列又はその改変された配列に対応しているか、又は
ureI遺伝子の部分の任意のフラグメントにおける図
4A〜図4Iに示されるヌクレオチド配列のヌクレオチ
ド209〜282に対応するureI遺伝子の核酸配列
の部分を除くこれらの核酸配列の少なくとも1つの任意
の部分である、(ここで、上記部分は、H. pyloriが発
現するようなポリペプチドUreE、UreF、Ure
G、UreH又はUreIの特性について、上記部分が
コードするポリペプチドの機能的特性が、保存されてい
るか、減衰されているか又は除去されている)単離され
た核酸 - 【請求項2】 H. pyloriが発現するようなポリペプチ
ドUreE、UreF、UreG、UreH又はUre
Iの特性について、機能的特性が、保存されているか、
減衰されているか又は欠損しているような形態でか、又
はH. pyloriにおけるポリペプチドを発現しない改変さ
れた配列のような形態で、改変された配列がコードする
ポリペプチドの機能的特性が、1つ以上のヌクレオチド
の欠失、付加、置換又は逆位によって改変されている、
請求項1記載の単離された核酸。 - 【請求項3】 変異体が、H. pyloriが発現するような
ポリペプチドUreE、UreF、UreG、UreH
又はUreIと機能的相同性を有するポリペプチドをコ
ードするか又は、逆に、H. pyloriが発現するようなポ
リペプチドUreE、UreF、UreG、UreH又
はUreIの機能的特性を減衰ひいては削除するような
か又はポリペプチドとしてもはや発現されない改変され
たポリペプチドをコードする、互いに独立して改変され
た、図4A〜図4Iに示されているureE、ure
F、ureG、ureH、ureIと呼ばれる遺伝子に
対応する核酸配列(変異体)によって形成されるセット
からなるか又はそれを含む、請求項1又は2記載のヌク
レオチド配列。 - 【請求項4】 フラグメントが、少なくとも15個のヌ
クレオチドを含み、特に、フラグメントが、 − H. pyloriにおけるureE、ureF、ureG
又はureIから選択される遺伝子の発現によって得ら
れるようなポリペプチドと機能的相同性を有するポリペ
プチドをコードする能力を有するフラグメント、 − 遺伝子ureE、ureF、ureG、ureH又
はureIから発現されるようなH. pyloriのポリペプ
チドをコードする能力を有しないフラグメント、 − H. pyloriのureE、ureF、ureG、ur
eH又はureIがコードするポリペプチドの特性につ
いて減衰さらには削除された特性を有するポリペプチド
又はペプチドをコードするフラグメントから選択され
る、請求項1又は2記載のヌクレオチド配列のフラグメ
ント。 - 【請求項5】 H. pyloriにおけるウレアーゼサブユニ
ットをコードする構造遺伝子ureA及びureBに対
応する核酸配列に関連する、請求項1〜4のいずれか1
項記載のヌクレオチド配列。 - 【請求項6】 H. pyloriにおけるウレアーゼをコード
する遺伝子ureA、ureB、ureC及びureD
に関連する、請求項1〜5のいずれか1項記載のヌクレ
オチド配列。 - 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか1項記載のヌク
レオチド配列からなり、そして配列が、ラベルされてい
る、ヌクレオチドプローブ。 - 【請求項8】 遺伝子増幅反応における使用のための、
約18個〜約30個、好ましくは、約25個〜約30個
のヌクレオチドを含む請求項1〜6のいずれか1項記載
の配列に由来するようなヌクレオチドフラグメントを含
む、ヌクレオチドプライマー。 - 【請求項9】 ストリンジェントな条件下で、請求項1
〜6のいずれか1項記載の配列とハイブリダイズする、
ヌクレオチド配列。 - 【請求項10】 図4A〜図4Iに示されるポリペプチ
ドUreE、UreF、UreG、UreH又はUre
Iの1つに対応するか又はその少なくとも1つの任意の
部分に対応し、そして上記任意の部分が、H. pyloriに
おけるポリペプチドUreE、UreF、UreG、U
reH又はUreIが発現するようなウレアーゼの制御
及び/又は成熟におけるポリペプチドの特性が減衰され
るか又は削除されている、ポリペプチド。 - 【請求項11】 H. pyloriにおけるポリペプチドUr
eE、UreF、UreG、UreH又はUreIが発
現するようなウレアーゼの制御及び/又は成熟における
特性を減衰ひいては削除するために、1個以上のアミノ
酸の付加、置換、欠失又は逆位によって改変された形態
での、請求項10記載のポリペプチド。 - 【請求項12】 請求項1〜6のいずれか1項記載の配
列を含む、リコンビナントベクター。 - 【請求項13】 コスミド又はプラスミドである、請求
項12記載のリコンビナントベクター。 - 【請求項14】 1991年10月3日に番号I−11
48でCNCMに寄託されているE. coliHB101に
含有されるプラスミドplLL753である、請求項1
2又は13記載のリコンビナントベクター。 - 【請求項15】 1991年10月3日に番号I−11
49でCNCMに寄託されているE. coliHB101に
含有されるプラスミドplLL763である、請求項1
2又は13記載のリコンビナントベクター。 - 【請求項16】 ウレアーゼ陰性表現型を発現するか又
はウレアーゼの効果、特にその病原効果の減衰を示すよ
うな条件下で、図4A〜図4Iに示される遺伝子ure
E、ureF、ureG、ureH及びureI又はu
reA若しくはureBから選択される遺伝子の少なく
とも1レベルにおいて突然変異を示す、リコンビナント
H. pylori株。
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