JP2002315128A - 通線具およびケーブルの布設方法 - Google Patents

通線具およびケーブルの布設方法

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JP2002315128A
JP2002315128A JP2001108306A JP2001108306A JP2002315128A JP 2002315128 A JP2002315128 A JP 2002315128A JP 2001108306 A JP2001108306 A JP 2001108306A JP 2001108306 A JP2001108306 A JP 2001108306A JP 2002315128 A JP2002315128 A JP 2002315128A
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Japan
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cable
rod
pipe
laying
linear member
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JP2001108306A
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English (en)
Inventor
Masayoshi Hachiwaka
正義 八若
Takashi Kaneko
隆 金子
Teruo Koyama
輝男 小山
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Mitsubishi Cable Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Cable Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 既にケーブルが布設された管路の内部に新た
なケーブルを追加して布設する多条布設工法において、
追加ケーブルと既設ケーブルとの巻き付きを確実に防止
する。 【解決手段】 ロッド4の先端に、管路の内壁上を転動
する第1ローラ32と、既設ケーブル上を転動する第2
ローラ33と、CCDカメラ51とを備えた通線具3を
取り付ける。CCDカメラ51によって管路内部の様子
を観察しながら、ロッド4を既設ケーブルに巻き付かな
いように管路に挿通させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、既にケーブルが布
設されている管内に新たなケーブルを追加して布設する
ために用いられる通線具および新たなケーブルの布設方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、光ケーブルの需要増大等に対応す
るため、既設ケーブルが布設されている管路に追加のケ
ーブルを布設するいわゆる多条布設が行われている。多
条布設によれば、追加ケーブルを設ける際に別途新たな
管路を配設する必要がなくなるので、ケーブル布設作業
全体の短縮化や低コスト化を図ることができる。
【0003】従来は、多条布設は以下のようにして行わ
れていた。すなわち、まず、既設ケーブルが布設されて
いる管路に対して、当該管路の一端の第1ハンドホール
から他端の第2ハンドホールに向かって比較的剛性の高
いロッドを挿入し、このロッドを当該管路に挿通させ
る。次に、第2ハンドホールにおいて上記ロッドの先端
に布設用ロープ(通線紐)を連結し、当該ロッドを第1
ハンドホール側に引き戻す。これにより、布設用ロープ
はロッドに引っ張られ、その結果、上記管路を挿通す
る。次に、第1ハンドホールにおいて上記ロッドを布設
用ロープから取り外し、その代わりに布設用ロープに追
加ケーブルを連結する。そして、布設用ロープを第2ハ
ンドホール側に引き戻す。その結果、上記管路内に追加
ケーブルが布設されることになる。このような作業をい
くつものハンドホール間において順次実行することによ
り、長距離にわたる多条布設が実現される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記多条布
設工法では、ロッドを管路に挿通させる際、ロッドが既
設ケーブルの下側に潜り込むこと等によって既設ケーブ
ルに巻き付き、ロッドを円滑に挿通させることができな
い場合があった。また、上記ロッドを管路に挿通させた
としても、ロッドが既設ケーブルに巻き付いていた場合
には既設ケーブルに過大な張力が加わり、当該ロッドを
引き戻すときに既設ケーブルを移動させてしまうおそれ
がある。また、当該ロッドを引き戻すときに、当該ロッ
ドとの摩擦によりまたは管路内で既設ケーブルを引きず
ってしまうことにより、既設ケーブルを傷つけてしまう
おそれもある。なお、このような既設ケーブルの損傷
は、追加ケーブルを連結した布設用ロープを引き戻す際
にも生じる可能性がある。
【0005】そのため、管路内にロッドや布設用ロープ
を挿通させる際には、ロッドまたは布設用ロープが既設
ケーブルに巻き付かないように注意する必要がある。ま
た、ロッドや布設用ロープに巻き付きが生じた場合に
は、巻き付いた状態で追加ケーブルの布設を行わないよ
うに、それらの挿通作業をやり直す必要がある。なお、
ロッドが既設ケーブルに巻き付くと、布設用ロープは当
該ロッドに導かれて管路内に挿通されることから、布設
用ロープも必然的に既設ケーブルに巻き付くことにな
る。そのため、特に管路内にロッドを挿入する際に、既
設ケーブルへの巻き付きに注意する必要がある。
【0006】ところが、従来の多条布設工法では、ロッ
ドが既設ケーブルに巻き付いていないかどうかの判断
は、作業者の感覚に委ねられていた。具体的には、管路
にロッドを挿通させるときに、作業者はロッドの送り出
しが円滑に進んでいるかどうかに注意し、ロッドが送り
出しにくくなったときには、当該ロッドが既設ケーブル
に巻き付いているおそれがあると判断していた。また、
ロッドや布設用ロープを引き戻すときの抵抗(言い換え
ると、ロッドや布設用ケーブルの引張張力)が大きい
と、巻き付きが起こっていると判断していた。
【0007】しかし、このような判断方法では、既設ケ
ーブルへの巻き付きを客観的に判断することは難しかっ
た。また、既設の管路には蛇行しているものもあり、管
路の形状は一様ではない。さらに、管路の材質によって
もロッドまたは布設用ケーブルの引張張力は異なってく
る。ところが、従来の方法では、作業者の感覚に依存し
ていたため、このような管路形状または材質の特性を考
慮した判断は難しかった。そのため、既設ケーブルの巻
き付きを正確に判断することは困難であった。
【0008】本発明は、かかる点に鑑みてなされたもの
であり、その目的とするところは、多条布設工法におい
て、追加ケーブルを布設するために用いられる線状部材
(ロッドや布設用ケーブル等)が既設ケーブルに巻き付
くことを確実に防止することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明では、追加ケーブルの布設に際して、既設ケ
ーブルが布設されている管内を撮影し、管内の様子を観
察することとした。
【0010】具体的には、本発明に係る通線具は、既に
ケーブルが布設されている管内に挿通される線状部材の
先端に取り付けられ、該管内における該線状部材の挿通
を案内する通線具であって、上記線状部材の挿通に伴っ
て上記管の内壁上を転動する1または2以上の第1ロー
ラと、上記線状部材の挿通に伴って上記ケーブル上を転
動する1または2以上の第2ローラと、上記線状部材の
挿通方向前方の管内を撮像する撮像手段とを備えている
ものである。
【0011】このことにより、既にケーブルが布設され
ている管内に線状部材を押し込むと、線状部材の先端に
取り付けられた通線具は、第1ローラによって管の内壁
上を円滑に走行する。この際、通線具と既設ケーブルと
は第2ローラを介して接触するので、通線具によって既
設ケーブルを引きずったり、通線具自体によって既設ケ
ーブルを傷つけることはない。また、通線具は第2ロー
ラによって既設ケーブルを押さえつけながら管内を走行
するので、既設ケーブルの下側に潜り込みにくくなる。
【0012】そして、上記通線具には撮像手段が設けら
れているので、線状部材を管内に押し込む際に、管内の
様子は画像によって把握されることになる。そのため、
管内の様子を観察しながら線状部材を挿通させることが
でき、線状部材の巻き付きによる既設ケーブルの損傷を
より確実に防止することができる。
【0013】例えば、上記通線具を前記ロッドに取り付
けた場合(つまり、前記ロッドを線状部材とした場
合)、管内の様子を画像で確認しながらロッドの挿通を
行うことができ、ロッドが既設ケーブルに巻き付きそう
になったときにはロッドを押し込み直すこと等により、
既設ケーブルへの巻き付きを未然に防止することができ
る。また、上記通線具を前記布設用ロープに取り付けた
場合(つまり、前記布設用ロープを線状部材とした場
合)、既に挿通させたロッドが既設ケーブルに巻き付い
ていないかどうかを画像により点検することができる。
そのため、巻き付きの有無を確実に把握することがで
き、巻き付いた状態で布設作業を進行することによって
既設ケーブルを傷つけてしまうといった事態を確実に回
避することができる。
【0014】なお、撮像手段としては、CCDカメラや
イメージファイバ等を好適に用いることができる。さら
に、撮像手段には照明手段として小型電球や可視光伝送
用光ファイバ等を設けることが特に好ましい。
【0015】ところで、既設ケーブルが設けられた既設
の管路の内部には、埃やゴミ等の異物が存在しているこ
とがあり、そのような異物が撮像手段に付着すると、良
好な画像が得られにくくなる。
【0016】そこで、前記線状部材には空気または水の
供給源が接続される一方、該線状部材の内部には空気ま
たは水の供給路が設けられ、上記供給路からの空気また
は水を撮像手段の前方に付着した異物を除去するように
排出する排出手段を更に備えていることが好ましい。
【0017】このことにより、異物を強制的に除去する
ことができ、常に良好な画像を得ることができる。
【0018】撮像手段によって撮影した画像情報を記憶
する記憶手段を備えていてもよい。
【0019】このことにより、通線具を挿通させた後
に、記憶手段に記憶された画像情報に基づいて線状部材
の巻き付きの有無を点検することができる。管内の様子
をリアルタイムに観察しようとすると、撮像手段に電力
等を供給する電源ケーブル等が必要になるが、このよう
に記憶手段を設けることにより、電源ケーブル等を省略
することが可能となる。そのため、通線具および線状部
材の構成を簡単化することができる。
【0020】本発明に係るケーブルの布設方法は、既に
ケーブルが布設されている管内に線状部材を挿通させた
後、該線状部材の一端に新たなケーブルを接続して該線
状部材を他端側に引っ張ることにより、該ケーブルを上
記管内に追加布設するケーブルの布設方法であって、上
記線状部材を上記管内に挿通させる前に、該線状部材の
挿通方向前方の管内を撮像する撮像手段を有する通線具
を該線状部材の先端に取り付け、その後、上記撮像手段
によって上記管内を観察しながら、上記線状部材を上記
既設ケーブルに巻き付いていないことを確認しながら該
管内に挿通させるものである。
【0021】このように、管内の様子を観察しながら線
状部材を挿通させることによって、既設ケーブルに対す
る線状部材の巻き付きは確実に防止される。
【0022】本発明に係る他のケーブルの布設方法は、
既にケーブルが布設されている管内にロッドを挿通させ
た後、該ロッドの一端に布設用ロープを接続して該ロッ
ドを他端側に引っ張ることにより、該布設用ロープを上
記管内に挿通させ、その後、上記布設用ロープの一端か
ら上記ロッドを取り外し、該布設用ロープの該一端に新
たなケーブルを接続した後、該布設用ロープを他端側に
引っ張ることにより、該ケーブルを上記管内に追加布設
するケーブルの布設方法であって、上記ロッドを上記管
内に挿通させる前に、該ロッドの挿通方向前方の管内を
撮像する撮像手段を有する通線具を該ロッドの先端に取
り付け、その後、上記撮像手段によって上記管内を観察
しながら、上記ロッドを上記既設ケーブルに巻き付いて
いないことを確認しながら該管内に挿通させるものであ
る。
【0023】このように、管内の様子を観察しながらロ
ッドを挿通させることにより、既設ケーブルに対するロ
ッドの巻き付きは防止される。また、ロッドの巻き付き
が防止されることによって布設用ロープの巻き付きも防
止され、その結果、追加ケーブルの巻き付きも防止され
ることになる。
【0024】本発明に係る他のケーブルの布設方法は、
既にケーブルが布設されている管内に線状部材を挿通さ
せた後、該線状部材の一端に新たなケーブルを接続して
該線状部材を他端側に引っ張ることにより、該ケーブル
を上記管内に追加布設するケーブルの布設方法であっ
て、上記線状部材を上記管内に挿通させる前に、該線状
部材の挿通方向前方の管内を撮像する撮像手段と撮像し
た画像を記憶する記憶手段とを有する通線具を該線状部
材の先端に取り付け、その後、上記線状部材を上記管内
に挿通させた後、上記記憶手段に記憶された画像情報に
基づいて該線状部材の挿通状態を点検するものである。
【0025】このように、管内の様子を撮影した画像情
報に基づいて線状部材の挿通状態を点検するので、線状
部材が既設ケーブルに巻き付いているか否かを正確に把
握することができ、線状部材が既設ケーブルに巻き付い
た状態のまま追加ケーブルの布設作業を進行してしまう
といった事態は未然に回避される。
【0026】本発明に係る他のケーブルの布設方法は、
既にケーブルが布設されている管内にロッドを挿通させ
た後、該ロッドの一端に布設用ロープを接続して該ロッ
ドを他端側に引っ張ることにより、該布設用ロープを上
記管内に挿通させ、その後、上記布設用ロープの一端か
ら上記ロッドを取り外し、該布設用ロープの該一端に新
たなケーブルを接続した後、該布設用ロープを他端側に
引っ張ることにより、該ケーブルを上記管内に追加布設
するケーブルの布設方法であって、上記ロッドを上記管
内に挿通させる前に、該ロッドの挿通方向前方の管内を
撮像する撮像手段と撮像した画像を記憶する記憶手段と
を有する通線具を該ロッドの先端に取り付け、その後、
上記ロッドを上記管内に挿通させた後、上記記憶手段に
記憶された画像情報に基づいて該ロッドの挿通状態を点
検するものである。
【0027】このように、管内の様子を撮影した画像情
報に基づいてロッドの挿通状態を点検するので、ロッド
が既設ケーブルに巻き付いているか否かを正確に把握す
ることができ、ロッドが既設ケーブルに巻き付いた状態
のまま布設用ロープおよび追加ケーブルを管内に挿通さ
せるといった事態は未然に回避される。
【0028】なお、上記各布設方法において、通線具に
は既設ケーブルとの巻き付きを防止する機能を有してい
るものを用いることが好ましい。
【0029】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、既設の
ケーブルが布設されている管内の様子を観察しながら線
状部材またはロッドを挿通させるので、線状部材または
ロッドが既設ケーブルに巻き付くことを未然に防止する
ことができる。また、他の発明によれば、線状部材また
はロッドを管内に挿通させた後に、既設ケーブルに対す
るそれらの巻き付きの有無を点検するので、線状部材ま
たはロッドが既設ケーブルに巻き付いた状態のままケー
ブルの布設作業が進行するといった事態を回避すること
ができる。したがって、既設ケーブルの損傷を確実に防
止することができ、信頼性の高い多条布設を実現するこ
とができる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。
【0031】図1〜図3に示すように、通線具3は円筒
状の本体部31と、一対の第1ローラ32,32と、一
対の第2ローラ33,33と、本体部31の内部に設け
られたCCDカメラ51とを備えている。なお、図1に
おいては、紙面左右方向を前後方向とし、紙面右方向を
前方、紙面左方向を後方とする。また、図1において、
紙面上下方向を横方向とし、以下そのことを前提として
説明を行うこととする。
【0032】図1に示すように、本体部31の根元側に
は、ロッド4を連結するためのカプラ34aが設けられ
ている。ロッド4は、例えばカーボンやFRP等の高剛
性の材料により形成された略筒状の部材であり、図示は
省略するが、その両端はそれぞれ開口している。ロッド
4の内部には、CCDカメラ51の接続ケーブル51a
や、後述する光ファイバ52および搬送チューブ53等
が内蔵されている(図1の実線および破線参照。なお、
上記接続ケーブル51aはロッド4の内部に配設されて
いるため、実際には外からは見えないものであるが、同
図においては理解容易のために実線で表している)。
【0033】第1ローラ32,32は、略円盤状に形成
されていて、本体部31における前後方向の略中央位置
に設けられた第1取付部35に取り付けられている。第
1ローラ32,32は、本体部31を左右方向に挟んだ
両側にそれぞれ配設されている。
【0034】第1取付部35は、本体部31の横方向両
側部からそれぞれ外方に突出する一対の突出片部35
a,35aと、この各突出片部35aの突出端部から下
方に延びる垂下片部35bとから構成されている。両第
1ローラ32,32は、各垂下片部35bの下端部にそ
れぞれ軸支されている。これにより、各第1ローラ32
は、横方向に延びる回転軸周りに回転可能になってい
る。
【0035】一方、各第2ローラ33は、図3に示すよ
うに、その横方向両端の大径部から横方向中央の小径部
に向かって次第に径が縮小する略鼓状に形成されてい
て、第1取付部35を前後方向に挟んだ両側に設けられ
た2つの第2取付部36,36に取り付けられること
で、本体部31の下側にそれぞれ配設されている。
【0036】各第2取付部36は、各第1取付部35と
略同様に、本体部31の横方向両側部からそれぞれ外方
に突出する一対の突出片部36a,36aと、各突出片
部36aの突出端部から下方に延びる垂下片部36bと
からなり、第2ローラ33の横方向両端部が各垂下片部
36bの下端部に軸支されることで、この一対の垂下片
部36b,36bを互いに連結するように配設されてい
る。こうして、各第2ローラ33は、横方向に延びる回
転軸周りに回転可能に構成されている。
【0037】図4に示すように、ロッド4を管路1に挿
通させる際には、第1ローラ32,32は既設ケーブル
21を跨いだ状態で管路1の内壁上を管軸方向に転動
し、第2ローラ33,33は既設ケーブル21の外周面
上を既設ケーブル21の長手方向に沿って転動する。こ
れにより、各第2ローラ33によって既設ケーブル21
が下方に押し付けられると共に、通線具3は既設ケーブ
ル21の上側に位置付けられる。このため、ロッド4が
既設ケーブル21の下側に回り込むことは規制される。
また、たとえ通線具3が既設ケーブル21の下側に回り
込もうとしたときでも、上記一対の第1ローラ32,3
2が既設ケーブル21を挟んだ両側に位置していること
により、この第1ローラ32,32と既設ケーブル21
とが互いに干渉するため、通線具3の既設ケーブル21
の下側への回り込みは防止される。このように、通線具
3は、ロッド4の既設ケーブル21の下側への回り込み
を規制することにより、既設ケーブル21に対するロッ
ド4の巻き付きを防止する機能を果たしている。
【0038】そして、前述したように、通線具3の本体
部31の内部には、ロッド4を管路1の内部に押し込む
ときにその押し込み方向前方(通線具3の前方)を撮影
するCCDカメラ51と、この通線具3の前方を照らす
光ファイバ52と、CCDカメラ51及び光ファイバ5
2の前側に噴出される水又は空気を搬送する搬送チュー
ブ53とがそれぞれが配設されている。
【0039】図5に示すように、CCDカメラ51は本
体部31の内部に配設された略筒状のホルダ部材6を介
して本体部31に固定されており、これにより、CCD
カメラ51は本体部31の断面における略中心位置に配
設されている。また、CCDカメラ51は、その先端が
本体部31の前端開口よりも所定距離だけ内方に位置す
るように配設されており、本体部31の前端開口とCC
Dカメラ51の先端部との間には所定の空間が形成され
ている。これにより、管路1が蛇行している場合等に本
体部31の前端が管路1の内壁に接触したとしても、C
CDカメラ51は保護されるようになっている。また、
CCDカメラ51の前側には、ホルダ部材6に取り付け
られた保護ガラス51bが設けられている。CCDカメ
ラ51は、この保護ガラス51bによっても保護されて
おり、この保護ガラス51bを介して撮影を行う。
【0040】このCCDカメラ51は、接続ケーブル5
1aを介してモニタ71(図7参照)に接続されてい
る。図1に示すように、接続ケーブル51aは本体部3
1からカプラ34aを通じてロッド4の内部を通り、モ
ニタ71に接続されている。なお、モニタ71は、CC
Dカメラ51が撮影した画像を映し出すためのものであ
り、ハンドホールH1付近に設置されている。このよう
な構成により、CCDカメラ51によって撮影された管
路1の内部の様子は、モニタ71上にリアルタイムに映
し出される。したがって、管路1の外部において、管路
1の内部の様子を正確かつ簡単に把握できるようになっ
ている。
【0041】上記照明光伝送用の光ファイバ52は、図
5及び図6に示すように、ホルダ部材6の内部に4本配
設されており、これら4本の光ファイバ52,52,…
は、CCDカメラ51を取り囲むように周方向に略等間
隔に配設されている。各光ファイバ52は、CCDカメ
ラ51の接続ケーブル51aと同様に、本体部31の内
部からカプラ34aを通ってロッド4の内部に延びてお
り、その基端は第1のハンドホールH1付近に設置され
た光源72(図7参照)に接続されている。一方、各光
ファイバ52の先端は、ホルダ部材6の前端面に凹状に
形成された開口部61内に位置しており、これにより、
各光ファイバ52によって伝送された上記光源72から
の光は、通線具3の前方に照射されるようになってい
る。
【0042】搬送チューブ53は、ホルダ部材6の内部
において、光ファイバ52と周方向にずれた位置であっ
て上記CCDカメラ51の上側の位置に配設されている
(図6参照)。この搬送チューブ53は、CCDカメラ
51の接続ケーブル51aと同様に、本体部31の内部
からカプラ34aを通ってロッド4の内部に延びてお
り、その基端は第1のハンドホールH1付近に設置され
た水又は空気を送り出すポンプ73(図7参照)に接続
されている。一方、搬送チューブ53の先端はホルダ部
材6の前端面に開口しており、これにより、ポンプ73
によって送り出された水又は空気は搬送チューブ53に
よって搬送され、この搬送チューブ53の開口53aか
ら前方に排出されるようになっている(図5の破線矢印
参照)。上記開口53aから水又は空気を噴出すること
とすれば、本体部31の前端開口付近に付着したゴミ等
の異物を吹き飛ばすことができ、CCDカメラ51の前
方の視界を確保することができる。一方、上記開口53
aから小流量の水を排出することとすれば、開口53a
から保護ガラス51bの外表面に向かって水が流れ落ち
るため、保護ガラス51bの汚れを除去することもでき
る(水洗浄)。
【0043】次に、図8(a)〜(c)を参照しなが
ら、通線具3を利用した多条布設工法を説明する。
【0044】図8(a)〜(c)に示すように、管路1
は所定の距離だけ離れて設けられた第1及び第2の2つ
のハンドホールH1,H2を結ぶように地中に配設され
ており、管路1の一端は第1ハンドホールH1に開口し
ている一方、その他端は第2ハンドホールH2に開口し
ている。そして、管路1の内部には、既設ケーブル21
が既に布設されている。
【0045】多条布設に際しては、先ず、第1ハンドホ
ールH1付近に、ロッド4が巻き付けられた第1ドラム
81を設置し、この第1ドラム81から引き出したロッ
ド4の先端に通線具3を接続する。なお、上述したよう
に、通線具3に設けられたCCDカメラ51の接続ケー
ブル51a、可視光伝送用の光ファイバ52及び搬送チ
ューブ53は、いずれもロッド4の内部に配設されてお
り、第1ハンドホールH1近傍に設置されたモニタ7
1、光源72及びポンプ73にそれぞれ接続されてい
る。
【0046】次に、モニタ71に映し出された画像(管
路1の内部の様子を表す画像)を見ながら、ロッド4を
既設ケーブル21に巻き付かないように第2ハンドホー
ルH2側に押し込んでいく。このとき、通線具3の各第
2ローラ33は、既設ケーブル21の外周面に接触しな
がら既設ケーブル21の長手方向に転動する。一方、第
1ローラ32,32は、既設ケーブル21を横方向に挟
んだ両側で管路1の内周面にほぼ当接しながら、この内
周面上を管軸方向に転動する(図4参照)。このように
して、通線具3が既設ケーブル21の下側に回り込むこ
とが防止され、ロッド4の既設ケーブル21への巻き付
きは防止される。また、CCDカメラ51の撮影画像を
見ながら、ロッド4が既設ケーブル21に巻き付きそう
になったときには、ロッド4の押し込みを中止すると共
に、このロッド4を一旦引き戻して、再度、管路1内に
押し込むようにする。こうすることで、ロッド4の巻き
付きを防止しながら、ロッド4を確実に管路1内に挿通
させることができる(図8(a)参照)。
【0047】管路1にロッド4を挿通させた後は、第2
ハンドホールH2側においてロッド4から通線具3を取
り外し、この通線具3の代わりにロッド4の先端に布設
用ロープ91を連結する(図8(b)参照)。なお、図
中の83は、布設用ロープ91が巻き付けられた第2ド
ラムである。
【0048】次に、ロッド4を第1ハンドホールH1側
に引き戻す。ロッド4には布設用ロープ91が連結され
ているので、ロッド4を第1ハンドホールH1側に引き
戻すことにより、布設用ロープ91は管路1内を挿通す
ることになる。なお、前記工程においてロッド4が既設
ケーブル21に巻き付いていないことが確認されてお
り、布設用ロープ91はロッド4に連続して管路1内を
移動するので、布設用ロープ91が既設ケーブル21と
巻き付くようなことはない。
【0049】ロッド4を第1ハンドホールH1まで引き
戻した後は、当該ロッド4を布設用ロープ91から取り
外し、ロッド4の代わりに追加ケーブル22を布設用ロ
ープ91に連結する(図8(c)参照)。なお、図中の
84は、追加ケーブル22が巻き付けられた第3ドラム
である。
【0050】次に、布設用ロープ91を第2ハンドホー
ルH2側に引き戻す。これにより、布設用ロープ91に
連結された追加ケーブル22も第2ハンドホール側に引
き戻される。その結果、追加ケーブル22は管路1内を
挿通することになる。なお、布設用ロープ91は既設ケ
ーブル21に巻き付いていないため、布設用ロープ91
と一体になって管路1内を移動する追加ケーブル22も
また、既設ケーブル21に巻き付くことはない。以上の
ようにして、既設ケーブル21が布設されている管路1
に追加ケーブル22を追加布設する多条布設が実現され
る。
【0051】上記の多条布設工法によれば、通線具3に
CCDカメラ51を設け、管路1の内部の様子を観察し
ながらロッド4を挿通させることとしたので、ロッド4
と既設ケーブル21との絡み合いを確実に防止すること
ができる。なお、通線具3には、管路1の内面上を転動
する第1ローラ32と既設ケーブル21上を転動する第
2ローラ33とが設けられているので、既設ケーブル2
1に巻き付かないようにロッド4を挿通させることが容
易になる。
【0052】このようにCCDカメラ51が撮影した画
像を観察しながらロッド4を挿通させることで、管路1
内においてロッド4と既設ケーブル21とが絡まってい
ないことを客観的かつ正確に把握することができるよう
になる。つまり、管路1内の様子を観察しないと、通線
具3の利用によってロッド4が既設ケーブル21に巻き
付くことを可及的に防止できているとはいえ、実際にそ
れらが巻き付いていないことを確実に把握することはで
きない。しかしながら、上記多条布設工法によれば、管
路1内の様子を観察しながらロッド4を挿通するので、
ロッド4と既設ケーブル21とが絡まっていないことが
明らかになる。
【0053】このように、ロッド4と既設ケーブル21
との巻き付きを確実に防止することができるので、その
後に挿通させる布設用ロープ91の巻き付き、ひいては
追加ケーブル22の巻き付きも確実に防止することがで
きる。その結果、既設ケーブル21および追加ケーブル
22の損傷をより確実に防止することができ、信頼性の
高い多条布設作業を実現することができる。
【0054】なお、本実施形態および他の実施形態にお
いて、既設ケーブル21および追加ケーブル22の種類
は特に限定されるものではなく、例えば、通信用光ファ
イバケーブル、通信用メタルケーブル、電力ケーブル等
であってもよい。
【0055】上記実施形態では、撮像手段としてCCD
カメラ51を用いているが、撮像手段はこれに限定され
るものではない。通線具3からロッド4内に例えばイメ
ージファイバを配設すると共に、このイメージファイバ
をモニタ71に接続することで、管路1内の様子を観察
できるように構成してもよい。
【0056】また、上記実施形態では、第1ハンドホー
ルH1付近に設置された光源72の光を、光ファイバ5
2によって通線具3まで伝送して、この通線具3の前方
を照らすように構成されているが、これに限らず、通線
具3に光源とこの光源用の電源とを設けることで、通線
具3の前方の照明を行ってもよい。
【0057】上記実施形態では、ロッド4の挿通、布設
用ロープ91の挿通、追加ケーブル22の挿通の順に作
業を行ったが、布設用ロープ91の挿通の工程を省略す
ることも可能である。すなわち、管路1内にロッド4を
挿通した後、当該ロッド4に追加ケーブル22を連結
し、ロッド4を一方のハンドホール側に引き戻すことに
よって追加ケーブル22を布設することも可能である。
【0058】管路1の内部の撮影は、ロッド4の挿通時
に限定されるものではない。例えば、CCDカメラ51
が設けられていない通線具を用いてロッド4の挿通を行
い、その後、ロッド4と布設用ロープ91とを連結した
うえで、ロッド4と布設用ロープ91との間または布設
用ロープ91の一部に撮像手段を取り付け、当該撮像手
段によって管路1内の様子を観察しながらロッド4を引
き戻すようにしてもよい。つまり、布設用ロープ91の
挿通時に管路1内の様子を観察するようにしてもよい。
この場合、ロッド4が既設ケーブル21に巻き付いてい
るとその巻き付き状態を改善することはできないが、巻
き付いた状態のまま追加ケーブル22を挿通させてしま
うといった事態は未然に回避することができる。
【0059】上記実施形態は、ロッド4の挿通時に管路
1の内部の様子をリアルタイムに観察するものであった
が、ロッド4を挿通した後に巻き付き状態を点検するだ
けであれば、管路1の内部をリアルタイムに観察する必
要はない。そのような場合は、CCDカメラ51の撮影
画像を記憶する記憶手段(例えば半導体メモリ等)を通
線具3に設け、ロッド4を挿通した後に上記記憶手段を
回収し、ロッド4と既設ケーブル21とが絡み合ってい
ないかどうかを点検するようにしてもよい。さらに通線
具3に電源供給用の電源(例えば小型電池等)を設ける
こととすれば、CCDカメラ51の接続ケーブル51a
が不要になり、通線具3およびロッド4の構成を簡単化
することができる。
【0060】また、上記記憶手段および上記電源供給用
電池を有する通線具を、管路1に布設用ロープ91を挿
通させるときに利用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】通線具を示す平面図である。
【図2】通線具を示す側面図である。
【図3】通線具を示す底面図である。
【図4】通線具を示す正面図である。
【図5】図6のA−A断面を示す断面図である。
【図6】通線具の先端部分を拡大して示す正面図であ
る。
【図7】ケーブルの追加布設作業の様子を示す概略説明
図である。
【図8】(a)〜(c)は、ケーブルの追加布設作業の
様子を示す概略説明図である。
【符号の説明】
1 管路(管) 3 通線具 4 ロッド(線状部材) 21 既設ケーブル 22 追加ケーブル 32 第1ローラ 33 第2ローラ 51 CCDカメラ(撮像手段) 51a 接続ケーブル 52 光ファイバ 53 搬送チューブ(供給路) 53a 搬送チューブの開口(排出手段) 71 モニタ 91 布設用ロープ(線状部材) H1,H2 ハンドホール
フロントページの続き (72)発明者 小山 輝男 東京都千代田区丸の内3丁目4番1号 新 国際ビル 三菱電線工業株式会社東京事務 所内 Fターム(参考) 2H038 CA68 5G369 AA16 BA04 EA01 EA04

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 既にケーブルが布設されている管内に挿
    通される線状部材の先端に取り付けられ、該管内におけ
    る該線状部材の挿通を案内する通線具であって、 上記線状部材の挿通に伴って上記管の内壁上を転動する
    1または2以上の第1ローラと、 上記線状部材の挿通に伴って上記ケーブル上を転動する
    1または2以上の第2ローラと、 上記線状部材の挿通方向前方の管内を撮像する撮像手段
    と、を備えていることを特徴とする通線具。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の通線具であって、 線状部材には空気または水の供給源が接続される一方、
    該線状部材の内部には空気または水の供給路が設けら
    れ、 上記供給路からの空気または水を撮像手段の前方に付着
    した異物を除去するように排出する排出手段を備えてい
    ることを特徴とする通線具。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の通線具であって、 撮像手段によって撮影した画像を記憶する記憶手段を備
    えていることを特徴とする通線具。
  4. 【請求項4】 既にケーブルが布設されている管内に線
    状部材を挿通させた後、該線状部材の一端に新たなケー
    ブルを接続して該線状部材を他端側に引っ張ることによ
    り、該ケーブルを上記管内に追加布設するケーブルの布
    設方法であって、 上記線状部材を上記管内に挿通させる前に、該線状部材
    の挿通方向前方の管内を撮像する撮像手段を有する通線
    具を該線状部材の先端に取り付け、 その後、上記撮像手段によって上記管内を観察しなが
    ら、上記線状部材を上記既設ケーブルに巻き付いていな
    いことを確認しながら該管内に挿通させることを特徴と
    するケーブルの布設方法。
  5. 【請求項5】 既にケーブルが布設されている管内にロ
    ッドを挿通させた後、該ロッドの一端に布設用ロープを
    接続して該ロッドを他端側に引っ張ることにより、該布
    設用ロープを上記管内に挿通させ、 その後、上記布設用ロープの一端から上記ロッドを取り
    外し、該布設用ロープの該一端に新たなケーブルを接続
    した後、該布設用ロープを他端側に引っ張ることによ
    り、該ケーブルを上記管内に追加布設するケーブルの布
    設方法であって、 上記ロッドを上記管内に挿通させる前に、該ロッドの挿
    通方向前方の管内を撮像する撮像手段を有する通線具を
    該ロッドの先端に取り付け、 その後、上記撮像手段によって上記管内を観察しなが
    ら、上記ロッドを上記既設ケーブルに巻き付いていない
    ことを確認しながら該管内に挿通させることを特徴とす
    るケーブルの布設方法。
  6. 【請求項6】 既にケーブルが布設されている管内に線
    状部材を挿通させた後、該線状部材の一端に新たなケー
    ブルを接続して該線状部材を他端側に引っ張ることによ
    り、該ケーブルを上記管内に追加布設するケーブルの布
    設方法であって、 上記線状部材を上記管内に挿通させる前に、該線状部材
    の挿通方向前方の管内を撮像する撮像手段と撮像した画
    像を記憶する記憶手段とを有する通線具を該線状部材の
    先端に取り付け、 その後、上記線状部材を上記管内に挿通させた後、上記
    記憶手段に記憶された画像情報に基づいて該線状部材の
    挿通状態を点検することを特徴とするケーブルの布設方
    法。
  7. 【請求項7】 既にケーブルが布設されている管内にロ
    ッドを挿通させた後、該ロッドの一端に布設用ロープを
    接続して該ロッドを他端側に引っ張ることにより、該布
    設用ロープを上記管内に挿通させ、 その後、上記布設用ロープの一端から上記ロッドを取り
    外し、該布設用ロープの該一端に新たなケーブルを接続
    した後、該布設用ロープを他端側に引っ張ることによ
    り、該ケーブルを上記管内に追加布設するケーブルの布
    設方法であって、 上記ロッドを上記管内に挿通させる前に、該ロッドの挿
    通方向前方の管内を撮像する撮像手段と撮像した画像を
    記憶する記憶手段とを有する通線具を該ロッドの先端に
    取り付け、 その後、上記ロッドを上記管内に挿通させた後、上記記
    憶手段に記憶された画像情報に基づいて該ロッドの挿通
    状態を点検することを特徴とするケーブルの布設方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101117489B1 (ko) * 2010-02-24 2012-02-27 하나테크 주식회사 결합부가 일체로 형성된 케이블보호관

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