JP2002314284A - 電波吸収体 - Google Patents
電波吸収体Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 互いに離れた複数の周波数帯域に対して十分
な吸収性能を発揮することを可能にした電波吸収体を提
供する。 【解決手段】 自由空間のインピーダンスと実質的に等
しいインピーダンスを持つ抵抗皮膜１を表層とし、抵抗
皮膜１から所定の間隔ｄ1 をおいて周波数選択板２を配
置し、更に周波数選択板２から所定の間隔ｄ2 をおいて
短絡面３ａを設置する。
な吸収性能を発揮することを可能にした電波吸収体を提
供する。 【解決手段】 自由空間のインピーダンスと実質的に等
しいインピーダンスを持つ抵抗皮膜１を表層とし、抵抗
皮膜１から所定の間隔ｄ1 をおいて周波数選択板２を配
置し、更に周波数選択板２から所定の間隔ｄ2 をおいて
短絡面３ａを設置する。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、電波の混信や電波
障害を防止する場合に好適な電波吸収体に関し、さらに
詳しくは、互いに離れた複数の周波数帯域に対して十分
な吸収性能を発揮することを可能にした電波吸収体に関
する。
障害を防止する場合に好適な電波吸収体に関し、さらに
詳しくは、互いに離れた複数の周波数帯域に対して十分
な吸収性能を発揮することを可能にした電波吸収体に関
する。
【０００２】
【従来の技術】現代においては、あらゆる周波数帯域の
電波が隈なく利用されているため、電波の混信や電波障
害等の問題が多発している。その対策の一つとして、電
波障害等の原因となる対象物に電波吸収体を施工するこ
とが行われている。
電波が隈なく利用されているため、電波の混信や電波障
害等の問題が多発している。その対策の一つとして、電
波障害等の原因となる対象物に電波吸収体を施工するこ
とが行われている。
【０００３】このような電波吸収体としては、自由空間
のインピーダンスと実質的に等しいインピーダンスを持
つ抵抗皮膜を表層とし、該抵抗皮膜と短絡面との間に約
λε／４（但し、λεは誘電体内での電波の波長を示
す）の厚さを有する誘電体を介在させた所謂λ／４抵抗
皮膜型電波吸収体が挙げられる。このλ／４抵抗皮膜型
電波吸収体は、抵抗皮膜による反射量と短絡面による反
射量とをコントロールして両者を相殺することにより、
電波の反射波を実質的に減少させるようにしたものであ
る。
のインピーダンスと実質的に等しいインピーダンスを持
つ抵抗皮膜を表層とし、該抵抗皮膜と短絡面との間に約
λε／４（但し、λεは誘電体内での電波の波長を示
す）の厚さを有する誘電体を介在させた所謂λ／４抵抗
皮膜型電波吸収体が挙げられる。このλ／４抵抗皮膜型
電波吸収体は、抵抗皮膜による反射量と短絡面による反
射量とをコントロールして両者を相殺することにより、
電波の反射波を実質的に減少させるようにしたものであ
る。
【０００４】近年、λ／４抵抗皮膜型電波吸収体はミリ
波帯についても研究されており、比較的簡単な構造であ
りながら設計周波数を中心とした狭域帯において良好な
吸収性能を発揮することが確認されている。
波帯についても研究されており、比較的簡単な構造であ
りながら設計周波数を中心とした狭域帯において良好な
吸収性能を発揮することが確認されている。
【０００５】しかしながら、λ／４抵抗皮膜型電波吸収
体は特定の狭域帯で良好な吸収性能を示すものの、例え
ば６０ＧＨｚ帯域と７７ＧＨｚ帯域のように互いに離れ
た複数の周波数帯域に対して同時に十分な吸収性能を発
揮することはできなかった。
体は特定の狭域帯で良好な吸収性能を示すものの、例え
ば６０ＧＨｚ帯域と７７ＧＨｚ帯域のように互いに離れ
た複数の周波数帯域に対して同時に十分な吸収性能を発
揮することはできなかった。
【０００６】なお、多層化により複数の周波数帯域の吸
収を同時に達成することが試みられているが、多層化は
電波吸収体の構造を複雑化してコストの上昇をもたら
し、しかもミリ波帯では波長が短いため多層化自体が困
難である。
収を同時に達成することが試みられているが、多層化は
電波吸収体の構造を複雑化してコストの上昇をもたら
し、しかもミリ波帯では波長が短いため多層化自体が困
難である。
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、互い
に離れた複数の周波数帯域に対して十分な吸収性能を発
揮することを可能にした電波吸収体を提供することにあ
る。
に離れた複数の周波数帯域に対して十分な吸収性能を発
揮することを可能にした電波吸収体を提供することにあ
る。
【０００８】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明の電波吸収体は、自由空間のインピーダンスと
実質的に等しいインピーダンスを持つ抵抗皮膜を表層と
し、該抵抗皮膜から所定の間隔をおいて少なくとも１層
の周波数選択板を配置し、更に該周波数選択板から所定
の間隔をおいて短絡面を設置したことを特徴とするもの
である。
の本発明の電波吸収体は、自由空間のインピーダンスと
実質的に等しいインピーダンスを持つ抵抗皮膜を表層と
し、該抵抗皮膜から所定の間隔をおいて少なくとも１層
の周波数選択板を配置し、更に該周波数選択板から所定
の間隔をおいて短絡面を設置したことを特徴とするもの
である。
【０００９】このようにλ／４抵抗皮膜型電波吸収体に
おいて、抵抗皮膜と短絡面との間に所定の間隔をおいて
周波数選択板を配置することにより、周波数選択板で反
射される電波を周波数選択板と表層との間の区間で吸収
し、周波数選択板を透過する電波を短絡面と表層との間
の区間で吸収するので、互いに離れた複数の周波数帯域
に対して同時に十分な吸収性能を発揮することができ
る。
おいて、抵抗皮膜と短絡面との間に所定の間隔をおいて
周波数選択板を配置することにより、周波数選択板で反
射される電波を周波数選択板と表層との間の区間で吸収
し、周波数選択板を透過する電波を短絡面と表層との間
の区間で吸収するので、互いに離れた複数の周波数帯域
に対して同時に十分な吸収性能を発揮することができ
る。
【００１０】また、本発明では電波吸収体の抵抗皮膜と
短絡面との間に周波数選択板を配置するだけであるの
で、吸収体構造の複雑化によるコスト上昇を伴うことは
なく、しかも波長が短いミリ波帯にも容易に適用するこ
とができる。
短絡面との間に周波数選択板を配置するだけであるの
で、吸収体構造の複雑化によるコスト上昇を伴うことは
なく、しかも波長が短いミリ波帯にも容易に適用するこ
とができる。
【００１１】本発明において、抵抗皮膜と周波数選択板
と短絡面の相互間隔により形成される各空間に誘電体か
らなるスペーサを挿入することが好ましい。
と短絡面の相互間隔により形成される各空間に誘電体か
らなるスペーサを挿入することが好ましい。
【００１２】また、周波数選択板は導電性材料を含み、
該導電性材料の形状又は配置間隔に基づいて周波数選択
特性を任意に設定可能であることが好ましい。周波数選
択板として、第１の周波数帯域で透過特性を示し、かつ
第２の周波数帯域で反射特性を示すものを用いれば、例
えば６０ＧＨｚ帯域と７７ＧＨｚ帯域のように互いに離
れた周波数帯域の電波を同時に吸収することが可能にな
る。
該導電性材料の形状又は配置間隔に基づいて周波数選択
特性を任意に設定可能であることが好ましい。周波数選
択板として、第１の周波数帯域で透過特性を示し、かつ
第２の周波数帯域で反射特性を示すものを用いれば、例
えば６０ＧＨｚ帯域と７７ＧＨｚ帯域のように互いに離
れた周波数帯域の電波を同時に吸収することが可能にな
る。
【００１３】
【発明の実施の形態】以下、本発明の構成について添付
の図面を参照して詳細に説明する。
の図面を参照して詳細に説明する。
【００１４】図１は本発明の実施形態からなる電波吸収
体を例示するものである。図において、電波吸収体は自
由空間のインピーダンスと実質的に等しいインピーダン
スを持つ抵抗皮膜１を表層とし、抵抗皮膜１から所定の
間隔をおいて周波数選択板（ＦＳＳ：Frequency Select
ive Surface ）２を配置し、更に周波数選択板２から所
定の間隔をおいて短絡層３の短絡面３ａを設置した構成
になっている。また、抵抗皮膜１と周波数選択板２との
間及び周波数選択板２と短絡面３ａとの間には、それぞ
れ誘電体からなるスペーサ４，５が満たされている。
体を例示するものである。図において、電波吸収体は自
由空間のインピーダンスと実質的に等しいインピーダン
スを持つ抵抗皮膜１を表層とし、抵抗皮膜１から所定の
間隔をおいて周波数選択板（ＦＳＳ：Frequency Select
ive Surface ）２を配置し、更に周波数選択板２から所
定の間隔をおいて短絡層３の短絡面３ａを設置した構成
になっている。また、抵抗皮膜１と周波数選択板２との
間及び周波数選択板２と短絡面３ａとの間には、それぞ
れ誘電体からなるスペーサ４，５が満たされている。
【００１５】抵抗皮膜１は自由空間のインピーダンスと
整合するようにインピーダンスが約３７７Ωに設定され
ている。このような抵抗皮膜１は酸化インジウム錫（Ｉ
ＴＯ：Indium Tin Oxide) の蒸着膜や導電インクの塗布
膜により形成することができる。抵抗皮膜１の厚さは
０．０１〜０．１ｍｍにすると良い。
整合するようにインピーダンスが約３７７Ωに設定され
ている。このような抵抗皮膜１は酸化インジウム錫（Ｉ
ＴＯ：Indium Tin Oxide) の蒸着膜や導電インクの塗布
膜により形成することができる。抵抗皮膜１の厚さは
０．０１〜０．１ｍｍにすると良い。
【００１６】周波数選択板２としては、パッチ型やスロ
ット型のものを使用することができる。図２に示すよう
に、パッチ型の周波数選択板２は導電性材料からなる多
数のパッチ２ａを基材上に等間隔に配置した構成を有
し、特定の周波数帯域の電波のみを反射し、他の周波数
帯域の電波を透過させる。一方、図３に示すように、ス
ロット型の周波数選択板２は導電性材料からなる薄板に
多数のスロット２ｂを等間隔に設けた構成を有し、特定
の周波数帯域の電波のみを透過させ、他の周波数帯域の
電波を反射する。
ット型のものを使用することができる。図２に示すよう
に、パッチ型の周波数選択板２は導電性材料からなる多
数のパッチ２ａを基材上に等間隔に配置した構成を有
し、特定の周波数帯域の電波のみを反射し、他の周波数
帯域の電波を透過させる。一方、図３に示すように、ス
ロット型の周波数選択板２は導電性材料からなる薄板に
多数のスロット２ｂを等間隔に設けた構成を有し、特定
の周波数帯域の電波のみを透過させ、他の周波数帯域の
電波を反射する。
【００１７】パッチ型ＦＳＳ及びスロット型ＦＳＳの周
波数選択特性（周波数と反射比との関係）は、例えば、
図４のように設定することが可能である。図４におい
て、パッチ型ＦＳＳ（破線）は７７ＧＨｚを中心とする
周波数帯域の電波のみを反射し、スロット型ＦＳＳ（実
線）は６０ＧＨｚを中心とする周波数帯域の電波のみを
透過するようになっている。このような周波数選択特性
は、パッチ２ａ及びスロット２ｂの形状や配置間隔に基
づいて任意に設定することが可能である。パッチ２ａ及
びスロット２ｂの形状としては、正方形、円形、十字
型、トライポール型等の種々の形状を適用することがで
きる。
波数選択特性（周波数と反射比との関係）は、例えば、
図４のように設定することが可能である。図４におい
て、パッチ型ＦＳＳ（破線）は７７ＧＨｚを中心とする
周波数帯域の電波のみを反射し、スロット型ＦＳＳ（実
線）は６０ＧＨｚを中心とする周波数帯域の電波のみを
透過するようになっている。このような周波数選択特性
は、パッチ２ａ及びスロット２ｂの形状や配置間隔に基
づいて任意に設定することが可能である。パッチ２ａ及
びスロット２ｂの形状としては、正方形、円形、十字
型、トライポール型等の種々の形状を適用することがで
きる。
【００１８】上記周波数選択板２としては、フレキシブ
ル回路に使用される銅張ポリイミドフィルムや銅張ポリ
エチレンテレフタレートフィルムの銅張部分を選択的に
エッチングしたもの、スクリーン印刷によりポリイミド
フィルムやポリエチレンテレフタレートフィルムに導電
インクを塗布したもの、或いはこれらフィルムに酸化イ
ンジウム錫等の金属薄膜を蒸着し、該金属薄膜を選択的
にエッチングしたものを用いることができる。
ル回路に使用される銅張ポリイミドフィルムや銅張ポリ
エチレンテレフタレートフィルムの銅張部分を選択的に
エッチングしたもの、スクリーン印刷によりポリイミド
フィルムやポリエチレンテレフタレートフィルムに導電
インクを塗布したもの、或いはこれらフィルムに酸化イ
ンジウム錫等の金属薄膜を蒸着し、該金属薄膜を選択的
にエッチングしたものを用いることができる。
【００１９】短絡層３には、あらゆる形態の金属（板、
箔、金網、蒸着膜等）、炭素繊維等による繊維強化樹
脂、導電インク、導電プラスチック等を使用することが
できる。なお、抵抗皮膜１、周波数選択板２、短絡層３
の全てに酸化インジウム錫の蒸着膜を使用した場合に
は、可視光の透過をするように電波吸収体を透明化する
ことが可能になる。
箔、金網、蒸着膜等）、炭素繊維等による繊維強化樹
脂、導電インク、導電プラスチック等を使用することが
できる。なお、抵抗皮膜１、周波数選択板２、短絡層３
の全てに酸化インジウム錫の蒸着膜を使用した場合に
は、可視光の透過をするように電波吸収体を透明化する
ことが可能になる。
【００２０】スペーサ４，５としては、一般に誘電率が
低い発泡スチロール等の発泡材が適しているが、寸法精
度を高めるためにはポリテトラフロロエチレン等の高分
子材料を用いることも可能である。
低い発泡スチロール等の発泡材が適しているが、寸法精
度を高めるためにはポリテトラフロロエチレン等の高分
子材料を用いることも可能である。
【００２１】上記電波吸収体において、波長λ1 の周波
数を中心とする周波数帯域Ａの電波と、波長λ2 の周波
数を中心とする周波数帯域Ｂの電波とを同時に吸収可能
にするには、周波数選択板２により周波数帯域Ａ，Ｂの
いずれか一方を反射し、他方を透過するように設定し、
かつスペーサ４，５の誘電率ε1 ，ε2 及び波長λ1，
λ2 に基づいて、抵抗皮膜１と周波数選択板２との間隔
ｄ1 及び周波数選択板２と短絡面３ａとの間隔ｄ2 を適
切に設定すれば良い。
数を中心とする周波数帯域Ａの電波と、波長λ2 の周波
数を中心とする周波数帯域Ｂの電波とを同時に吸収可能
にするには、周波数選択板２により周波数帯域Ａ，Ｂの
いずれか一方を反射し、他方を透過するように設定し、
かつスペーサ４，５の誘電率ε1 ，ε2 及び波長λ1，
λ2 に基づいて、抵抗皮膜１と周波数選択板２との間隔
ｄ1 及び周波数選択板２と短絡面３ａとの間隔ｄ2 を適
切に設定すれば良い。
【００２２】即ち、周波数選択板２により波長λ1 の周
波数帯域Ａを反射し、波長λ2 の周波数帯域Ｂを透過す
るように設定した場合、間隔ｄ1 ，ｄ2 は下記数式１及
び数式２から求めることができる。
波数帯域Ａを反射し、波長λ2 の周波数帯域Ｂを透過す
るように設定した場合、間隔ｄ1 ，ｄ2 は下記数式１及
び数式２から求めることができる。
【００２３】
【数１】
【００２４】
【数２】
【００２５】なお、周波数選択板２のインピーダンスが
無視できない程度に大きい場合は、周波数選択板２の寄
与分δを数式２の左辺に加えれば良い。周波数選択板２
の厚さをｄf とし、誘電率をεf とすると、δ＝ｄf √
εf である。
無視できない程度に大きい場合は、周波数選択板２の寄
与分δを数式２の左辺に加えれば良い。周波数選択板２
の厚さをｄf とし、誘電率をεf とすると、δ＝ｄf √
εf である。
【００２６】上述のように自由空間のインピーダンスと
実質的に等しいインピーダンスを持つ抵抗皮膜１を表層
とし、抵抗皮膜１から間隔ｄ1 をおいて周波数選択板２
を配置し、更に周波数選択板２から間隔ｄ2 をおいて短
絡面３ａを設置したことにより、波長λ1 の周波数を中
心とする周波数帯域Ａの電波は周波数選択板２で反射さ
れ、数式１の関係に基づいて周波数選択板２と表層１と
の間の区間で吸収される。また、波長λ2 の周波数を中
心とする周波数帯域Ｂの電波は周波数選択板２を透過し
て短絡面３ａで反射され、数式２の関係に基づいて短絡
面３ａと表層１との間の区間で吸収される。
実質的に等しいインピーダンスを持つ抵抗皮膜１を表層
とし、抵抗皮膜１から間隔ｄ1 をおいて周波数選択板２
を配置し、更に周波数選択板２から間隔ｄ2 をおいて短
絡面３ａを設置したことにより、波長λ1 の周波数を中
心とする周波数帯域Ａの電波は周波数選択板２で反射さ
れ、数式１の関係に基づいて周波数選択板２と表層１と
の間の区間で吸収される。また、波長λ2 の周波数を中
心とする周波数帯域Ｂの電波は周波数選択板２を透過し
て短絡面３ａで反射され、数式２の関係に基づいて短絡
面３ａと表層１との間の区間で吸収される。
【００２７】従って、周波数帯域Ａ，Ｂが互いに離れて
いる場合であっても、これら周波数帯域Ａ，Ｂの両方に
対して優れた電波吸収性能を発揮することができる。
いる場合であっても、これら周波数帯域Ａ，Ｂの両方に
対して優れた電波吸収性能を発揮することができる。
【００２８】例えば、自動車の自動巡航制御レーダにお
いては、６０ＧＨｚと７７ＧＨｚの周波数帯域が割り当
てられており、その偽像防止用電波吸収体には６０ＧＨ
ｚと７７ＧＨｚの両方の周波数帯域に対して吸収性能を
発揮することが要求されている。そこで、上述した周波
数帯域Ａ，Ｂの中心周波数をそれぞれ７７ＧＨｚと６０
ＧＨｚに設定することにより、自動巡航制御レーダの割
り当て周波数帯域がいずれの場合であっても、偽像防止
用電波吸収体として良好に機能させることが可能にな
る。
いては、６０ＧＨｚと７７ＧＨｚの周波数帯域が割り当
てられており、その偽像防止用電波吸収体には６０ＧＨ
ｚと７７ＧＨｚの両方の周波数帯域に対して吸収性能を
発揮することが要求されている。そこで、上述した周波
数帯域Ａ，Ｂの中心周波数をそれぞれ７７ＧＨｚと６０
ＧＨｚに設定することにより、自動巡航制御レーダの割
り当て周波数帯域がいずれの場合であっても、偽像防止
用電波吸収体として良好に機能させることが可能にな
る。
【００２９】なお、上記実施形態では抵抗皮膜と短絡面
との間に１層の周波数選択板を配置した場合について説
明したが、本発明では周波数選択板を２層以上設けるよ
うにしても良い。即ち、抵抗皮膜と短絡面との間にｎ層
（ｎ：任意の整数）の周波数選択板を設けるようにすれ
ば、（ｎ＋１）種類の吸収帯域を設定することが可能に
なる。この場合、上記数式２の替わりに下記数式３を適
用すれば良い。
との間に１層の周波数選択板を配置した場合について説
明したが、本発明では周波数選択板を２層以上設けるよ
うにしても良い。即ち、抵抗皮膜と短絡面との間にｎ層
（ｎ：任意の整数）の周波数選択板を設けるようにすれ
ば、（ｎ＋１）種類の吸収帯域を設定することが可能に
なる。この場合、上記数式２の替わりに下記数式３を適
用すれば良い。
【００３０】
【数３】
【００３１】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、自
由空間のインピーダンスと実質的に等しいインピーダン
スを持つ抵抗皮膜を表層とし、該抵抗皮膜から所定の間
隔をおいて少なくとも１層の周波数選択板を配置し、更
に該周波数選択板から所定の間隔をおいて短絡面を設置
したことにより、周波数選択板で反射される電波を周波
数選択板と表層との間の区間で吸収し、周波数選択板を
透過する電波を短絡面と表層との間の区間で吸収するこ
とが可能になるので、互いに離れた複数の周波数帯域に
対して同時に十分な吸収性能を発揮することができる。
由空間のインピーダンスと実質的に等しいインピーダン
スを持つ抵抗皮膜を表層とし、該抵抗皮膜から所定の間
隔をおいて少なくとも１層の周波数選択板を配置し、更
に該周波数選択板から所定の間隔をおいて短絡面を設置
したことにより、周波数選択板で反射される電波を周波
数選択板と表層との間の区間で吸収し、周波数選択板を
透過する電波を短絡面と表層との間の区間で吸収するこ
とが可能になるので、互いに離れた複数の周波数帯域に
対して同時に十分な吸収性能を発揮することができる。
【００３２】従って、周波数選択板として６０ＧＨｚ帯
域で透過特性を示し、かつ７７ＧＨｚ帯域で反射特性を
示すものを使用すれば、自動巡航制御レーダの割り当て
周波数帯域がいずれの場合であっても、偽像防止用電波
吸収体として良好に機能させることが可能になる。
域で透過特性を示し、かつ７７ＧＨｚ帯域で反射特性を
示すものを使用すれば、自動巡航制御レーダの割り当て
周波数帯域がいずれの場合であっても、偽像防止用電波
吸収体として良好に機能させることが可能になる。
【図１】本発明の実施形態からなる電波吸収体を示す断
面図である。
面図である。
【図２】パッチ型の周波数選択板を例示する平面図であ
る。
る。
【図３】スロット型の周波数選択板を例示する平面図で
ある。
ある。
【図４】パッチ型及びスロット型の周波数選択板の周波
数選択特性を示すグラフである。
数選択特性を示すグラフである。
１ 抵抗皮膜 ２ 周波数選択板 ２ａ パッチ ２ｂ スロット ３ 短絡層 ３ａ 短絡面 ４，５ スペーサ ｄ1 抵抗皮膜と周波数選択板との間隔 ｄ2 周波数選択板と短絡面との間隔
フロントページの続き Ｆターム(参考） 4F100 AA28 AA33 AA37 AB01 AK12 AK18 AK42 AK49 AP00 AR00A AR00B AR00C AR00D AT00E BA05 BA07 BA10A BA10E CA21C DG01 DJ01 EH66 GB41 JD01C JD14 JG01C JG04A JG05B JG05D JG10C JN06C 5E321 AA41 BB23 BB25 BB41 BB44 GG11 5J020 AA03 AA06 BA06 BD02 EA03 EA09
Claims (4)
- 【請求項１】 自由空間のインピーダンスと実質的に等
しいインピーダンスを持つ抵抗皮膜を表層とし、該抵抗
皮膜から所定の間隔をおいて少なくとも１層の周波数選
択板を配置し、更に該周波数選択板から所定の間隔をお
いて短絡面を設置した電波吸収体。 - 【請求項２】 前記抵抗皮膜と前記周波数選択板と前記
短絡面の相互間隔により形成される各空間に誘電体から
なるスペーサを挿入した請求項１に記載の電波吸収体。 - 【請求項３】 前記周波数選択板は導電性材料を含み、
該導電性材料の形状又は配置間隔に基づいて周波数選択
特性を任意に設定可能である請求項１又は請求項２に記
載の電波吸収体。 - 【請求項４】 前記周波数選択板は第１の周波数帯域で
透過特性を示し、かつ第２の周波数帯域で反射特性を示
すものである請求項１乃至請求項３のいずれか１項に記
載の電波吸収体。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2001117172A JP2002314284A (ja) | 2001-04-16 | 2001-04-16 | 電波吸収体 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2001117172A JP2002314284A (ja) | 2001-04-16 | 2001-04-16 | 電波吸収体 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2002314284A true JP2002314284A (ja) | 2002-10-25 |
Family
ID=18967787
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2001117172A Pending JP2002314284A (ja) | 2001-04-16 | 2001-04-16 | 電波吸収体 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2002314284A (ja) |
Cited By (27)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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