JP2002314045A - 強誘電体薄膜の形成方法、強誘電体メモリおよび強誘電体メモリの製造方法 - Google Patents

強誘電体薄膜の形成方法、強誘電体メモリおよび強誘電体メモリの製造方法

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JP2002314045A
JP2002314045A JP2001112598A JP2001112598A JP2002314045A JP 2002314045 A JP2002314045 A JP 2002314045A JP 2001112598 A JP2001112598 A JP 2001112598A JP 2001112598 A JP2001112598 A JP 2001112598A JP 2002314045 A JP2002314045 A JP 2002314045A
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ferroelectric
ferroelectric thin
precursor
electrode
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Tatsuo Sawazaki
立雄 沢崎
Eiji Natori
栄治 名取
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Seiko Epson Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 PZTやSBTなどの強誘電体薄膜の結晶化の際
に、配線やトランジスタへの熱による影響を減らし、強
誘電体メモリの特性向上、歩留まり向上のため、レーザ
ービームの焦点を前駆酸化物の表面の所定部分に合わせ
集中的に短時間で熱を与え、組成のずれを最小にできる
製造方法を提供する。 【解決手段】 強誘電体メモリの製造においては、強誘
電体薄膜の前駆体となる結晶を含む酸化物薄膜(20)
を基板上に直接あるいは他の層を介して形成し、その後
レーザービームを該前駆体に照射して熱処理を施すこと
により強誘電体薄膜(21)を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、強誘電体薄膜の形
成方法および強誘電体メモリの製造方法および強誘電体
メモリに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、強誘電体薄膜をキャパシタとして
用いる強誘電体メモリ装置の技術開発および製品化が進
んでいる。強誘電体メモリは、半導体メモリセル用キャ
パシタに自発分極を有する強誘電体薄膜を用いた不揮発
性メモリである。このメモリは強誘電体薄膜の高速な分
極反転と残留分極を利用するため、高速書き込みや低消
費電力といった特徴を持ち、次世代メモリとして注目を
集めている。強誘電体は自発的な電気分極を持ち、電場
をかけることにより自発分極の方向が反転する。かける
電圧の正負を切りかえることにより正または負の電荷を
表面に誘起することが出来る。この誘起された正または
負の電荷は保持されるため、強誘電体メモリは不揮発性
である。
【0003】強誘電体材料としては、Pb含有ペロブスカ
イト型強誘電体であるPb(Zr,Ti)O3(以降PZTと呼ぶ)や、
Bi層状構造強誘電体であるSrBi2Ta2O9(以降SBTと呼ぶ)
などの複合酸化物がよく知られている。強誘電体薄膜の
製造方法としては溶液回転塗布法、CVD法、スパッタ法
などがこれまでに検討されているが、どの方法にも一長
一短がある。その中で溶液回転塗布法は組成や膜厚の均
一性が良い、組成の制御が容易、装置価格が安いなどの
理由で広く用いられている。またミスト(霧)化した強
誘電体材料溶液を基板上に堆積する方法も知られてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】PZTやSBTなどの強誘電
体薄膜を得るためには高い温度で熱処理を施し結晶化さ
せる必要がある。一般にPZTでは600℃〜700℃、SBTでは
700℃〜800℃の熱処理が必要とされており、基板ごと高
音に維持された熱処理炉中で結晶化される。しかしなが
らこのような高温で熱処理を施すと原子拡散のために下
部電極や上部電極の抵抗が高くなったり、強誘電体特性
が劣化するという問題がある。またこれらの強誘電体薄
膜は分極特性の向上のために基板に対してある特定の結
晶面を優先配向させることが好ましい。しかしながらSB
Tの場合には結晶構造が複雑でかつ結晶構造の異方性が
大きいために一般に分極特性の上から好ましい結晶配向
を持たせることが極めて困難である。
【0005】またトランジスタが形成された基板上に強
誘電体キャパシタを形成する際に、熱負荷によりトラン
ジスタ特性が劣化するといった問題がある。以上の理由
から強誘電体薄膜の結晶化の際に、極力電極やトランジ
スタへの熱による影響を減らすことが、強誘電体メモリ
の特性向上、歩留まり向上のために必要不可欠である。
【0006】また一般に強誘電体メモリの製造工程にお
いては、強誘電体薄膜の形成後に不要部分を取り除く工
程が含まれる。この強誘電体薄膜のエッチング加工工程
中に、エッチングダメージにより強誘電特性が劣化する
という問題がある。また同様に電極や層間絶縁膜の形成
およびエッチング時にも形成プロセス中の水素に起因す
るダメージやエッチングダメージが発生する。エッチン
グダメージはその後の回復熱処理により取り除かれる
が、工程が増えてコストが高くなり、また完全に強誘電
特性が復元されるとは限らないといった問題があった。
また回復熱処理中に配線やトランジスタの特性が劣化す
る問題があった。したがって強誘電体薄膜がエッチング
ダメージを受けない製造方法が必要である。
【0007】上述の課題を解決するために特開平11-297
947に開示されている技術によれば、誘電体材料を含ん
だ流動体を基板上に吐出した後にエキシマレーザーを照
射する。しかしこの方法では、レーザー照射時に蒸発に
よる組成ずれが顕著であり、誘電体薄膜形成後に融点の
低いPbやBiなどが不足することが明らかになった。その
ために材料中には蒸発を見越して低融点の金属成分を多
く含ませる必要がある。しかしながらこれらの金属は人
体に有害であり、また公害防止の観点からも使用量を極
力減らす必要がある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の強誘電体薄膜の
形成方法では、強誘電体薄膜の前駆体となる結晶を含む
酸化物薄膜を基板上に直接あるいは他の層を介して形成
し、その後レーザービームを該前駆体に照射することに
より結晶化させて強誘電体薄膜を形成する。
【0009】また本発明の強誘電体メモリの製造方法で
は、強誘電体薄膜の前駆体にレーザービームを照射して
結晶化して強誘電体薄膜キャパシタを形成する。また強
誘電体薄膜の前駆体の上に上部電極などの他の層を形成
した後に、レーザービームを照射して前駆体を結晶化し
て強誘電体薄膜キャパシタを形成する。また強誘電体薄
膜の前駆体のうちレーザービームを照射した部分のみを
強誘電体薄膜キャパシタとし、その他の部分を層間絶縁
膜とすることにより強誘電体薄膜のエッチング工程を省
略する。
【0010】
【作用】本発明の強誘電体薄膜の形成方法では、強誘電
体薄膜の前駆体となる結晶を含む酸化物薄膜を基板上に
直接あるいは他の層を介して形成し、その後レーザービ
ームを該前駆体に照射して結晶化させることにより強誘
電体薄膜を形成する。前駆体が結晶を含む酸化物である
ため、特開平11-297947に開示されている誘電体材料を
含んだ流動体にレーザーを照射する場合に比べて、蒸発
などによる組成のずれを最小限にすることが可能であ
る。またレーザービームの焦点を前駆体酸化物表面にあ
わせることにより、該前駆体に集中的にしかも短時間で
熱を与えることができるため、基板や他の層の温度上昇
を抑えることが可能である。またこのようにキャパシタ
以外への熱の影響を抑えることが出来るため、瞬間的に
高エネルギーのレーザーを照射することにより、従来の
方法よりもキャパシタ部分を高音に加熱することが可能
になる。その結果酸化物中の原子は高いエネルギーを与
えられ拡散が容易になり結晶化が短時間で進む。また前
駆体の酸化物が吸収しやすい波長を持つレーザーを照射
することにより構成原子が活性化して反応性が高くな
り、より結晶性の高い強誘電体薄膜の作製が可能にな
る。
【0011】またSBT薄膜の形成においては、前駆体で
ある微結晶酸化物の結晶構造が比較的単純で等方的であ
るため、前駆体の酸化物のある特定の結晶面を優先配向
させることが容易である。この配向した前駆体酸化物に
レーザービームを照射すると、配向した前駆体をもとに
SBTが結晶化する結果、結晶配向したSBT薄膜が得られ
る。
【0012】本発明の強誘電体メモリの製造方法におい
ては、レーザービームを照射して強誘電体薄膜のキャパ
シタを形成するために、基板や他の層への熱の影響が少
ない。そのため基板全体を熱処理炉で処理する場合より
も高い温度まで強誘電体薄膜前駆体の温度を上げること
が可能である。これにより高品質な強誘電体薄膜キャパ
シタの形成が可能になり、さらにはレーザー照射時間が
短縮できる。またその結果、従来方法で必要であった長
時間の熱処理が不要になり、製造コストが低くなる。
【0013】また本発明の強誘電体メモリの製造方法に
おいては、強誘電体薄膜前駆体の必要な部分のみにレー
ザービームを照射して強誘電体薄膜キャパシタを形成
し、他の部分を層間絶縁膜として用いる。これにより強
誘電体薄膜のエッチング工程が不要になり、さらには層
間絶縁膜の形成及びエッチングも不要になる。さらには
従来必要であった強誘電体薄膜キャパシタのエッチング
ダメージを回復するためのアニールが不要になる。その
結果特性の優れた強誘電体メモリの製造が低コストで可
能になる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に実施例を示すが、これらは
本発明を例示するものであり、本発明はこれらに限定さ
れるものではない。
【0015】
【実施例1】本発明の実施例1の模式図を図1に示す。基
板上にDCスパッタリング法でPt膜を200nm成膜した。そ
の後PZTのゾルゲル溶液を塗布する。出発原料として、P
b(CH3COO)2・3H2O、Zr(t-OC4H9)4、Ti(i-OC3H7)4の混合
溶液を用いた。この混合溶液を回転塗布法で塗布した
後、150℃で乾燥させ、酸素雰囲気中で450℃で30秒の熱
処理を施した。以上の工程を2度繰り返すことにより所
望の厚みを得た。この時点で得られた酸化物薄膜のX線
回折パターンにはパイロクロア型の結晶の存在を示すピ
ークが観察された。その後、ライン状に整形されたエキ
シマレーザービームを酸化物の表面にスキャン照射して
結晶化させた。用いたレーザー照射システムの模式図を
図2に示す。X-Yステージに載せられた前駆体酸化物つき
基板を移動することにより酸化物の所望の部分にレーザ
ーを照射した。得られた強誘電体薄膜の結晶構造はペロ
ブスカイト型であることがX線回折から明らかになっ
た。
【0016】
【実施例2】本発明の実施例2の模式図を図1に示す。基
板上にDCスパッタリング法でPt膜を200nm成膜した。そ
の後SBTのMOD溶液を塗布する。出発原料として、Ta(OCO
C7H15)5、Bi(OCOC7H15)3、Sr(OCOC7H15)2をn-オクタン
に溶かした混合溶液を用いた。この混合溶液をミスト堆
積法で塗布した後、150℃で乾燥させ、さらに酸素中で2
50℃4分の仮焼成を行った。これにより塗布膜中に含ま
れる不要な化合物のほとんどが酸化・分解され膜中から
消失する。さらに昇温速度50℃/秒で650℃まで温度を上
げて60秒間熱処理を施した。以上の工程を2度繰り返す
ことにより所望の厚みを得た。この時点で得られた酸化
物薄膜のX線回折パターンにはフルオライト型の結晶の
存在を示すピークが観察された。また観察されたX線回
折パターンにはフルオライトの(111)面からピークが
強く現れた。その後、ライン状に整形されたエキシマレ
ーザービームを酸化物の表面にスキャン照射して結晶化
させた。用いたレーザー照射システムの模式図を図2に
示す。X-Yステージに載せられた前駆体酸化物つき基板
を移動することにより酸化物の所望の部分にレーザーを
照射した。得られた強誘電体薄膜の結晶構造は層状ペロ
ブスカイト型であることがX線回折から明らかになっ
た。また得られたX線回折パターンには層状ペロブスカ
イトの(115)面からピークが強く現れた。
【0017】
【実施例3】本発明の実施例1の模式図を図1に示す。基
板上にDCスパッタリング法でPt膜を200nm形成した。そ
の後PZTをRFスパッタリング法で200nm成膜した。ターゲ
ットにはPZT酸化物の燒結ターゲットを用い、スパッタ
リング中のPZT基板温度は300℃に保った。この時点で得
られた酸化物薄膜のX線回折パターンにはパイロクロア
型の結晶の存在を示すピークが観察された。その後、ラ
イン状に整形されたエキシマレーザービームを酸化物の
表面にスキャン照射して結晶化させた。用いたレーザー
照射システムの模式図を図2に示す。X-Yステージに載せ
られた前駆体酸化物つき基板を移動することにより酸化
物の所望の部分にレーザーを照射した。得られた強誘電
体薄膜の結晶構造はペロブスカイト型であることがX線
回折から明らかになった。
【0018】
【実施例4】本発明の実施例1の模式図を図1に示す。基
板上にDCスパッタリング法でPt膜を200nm成膜した。そ
の後PZTをMOCVD法で200nm成膜した。原料としてはPb(C2
H5)4、Zr(t-OC4H9)4、Ti(i-OC3H7)4を有機溶媒に溶かし
たものを用い、それぞれ供給量を独立に制御し所望の組
成を得た。成膜中の基板温度は400℃に保った。この時
点で得られた酸化物薄膜のX線回折パターンにはパイロ
クロア型の結晶の存在を示すピークが観察された。その
後、ライン状に整形されたエキシマレーザービームを酸
化物の表面にスキャン照射して結晶化させた。用いたレ
ーザー照射システムの模式図を図2に示す。X-Yステージ
に載せられた前駆体酸化物つき基板を移動することによ
り酸化物の所望の部分にレーザーを照射した。得られた
強誘電体薄膜の結晶構造はペロブスカイト型であること
がX線回折から明らかになった。
【0019】
【比較例1】実施例2の構成において、650℃の熱処理を
省略した場合には、得られた薄膜のX線回折パターンに
はフルオライト型の結晶組織からのピークは観察されな
かった。この薄膜をレーザービーム照射して結晶化させ
たが、目的とする層状ペロブスカイトは得られなかっ
た。その理由は、レーザービーム照射時に融点の低いBi
が優先的に蒸発し組成がずれたためであることが組成分
析から明らかになった。
【0020】
【実施例5】本発明の実施例5の模式図を図3に示す。ト
ランジスタが形成された基板上に下部電極を形成し、次
に実施例2に記載の方法で強誘電体薄膜の前駆体酸化物
を形成する。次にスポット上のレーザービームを前駆体
の一部のみに照射して強誘電体薄膜キャパシタとした。
その後上部電極を形成し、既知の方法で下部電極、強誘
電体薄膜キャパシタ、上部電極をエッチング加工した。
その後エッチングにより劣化した強誘電体薄膜の特性を
回復させるために再びスポット上のレーザービームを強
誘電体キャパシタ部分に照射した。その後層間絶縁膜で
埋め込んだ後にトランジスタと接続した。この方法によ
れば、強誘電体メモリの製造においてトランジスタへの
熱負荷を最小限に押さえることが可能である。
【0021】
【比較例2】実施例5において前駆体酸化物を結晶化す
るために、基板ごと熱処理炉に入れて熱処理を施した。
その後上部電極を形成し、既知の方法で下部電極、強誘
電体薄膜キャパシタ、上部電極をエッチング加工し、層
間絶縁膜で埋め込んだ後にトランジスタと接続した。こ
の場合はトランジスタ部分が熱処理の影響で特性が劣化
した。
【0022】
【実施例6】実施例6の模式図を図4に示す。トランジス
タが形成された基板上に下部電極を形成し、次に実施例
2に記載の方法で強誘電体薄膜の前駆体酸化物を形成す
る。その後上部電極を形成し、既知の方法で下部電極、
強誘電体薄膜キャパシタ、上部電極をエッチング加工し
た。次にスポット上のレーザービームを上部電極の上か
ら前駆体の一部のみに照射して強誘電体薄膜キャパシタ
とした。この方法によれば、前駆体酸化物の結晶化は下
部電極、強誘電体薄膜キャパシタ、上部電極のエッチン
グ工程が終了した後であるために、強誘電体キャパシタ
が受けるエッチングダメージの回復のための熱処理が不
要になる。
【0023】
【実施例7】実施例7の模式図を図5および図6に示す。
基板上にストライプ状に加工された下電極をもうけ、そ
の上に実施例2に記載の方法で強誘電体の前駆体薄膜を
形成した。その後スポット状のレーザービームを前駆体
薄膜の所望の部分のみに照射し、結晶化させて強誘電体
薄膜とした。その後既知の方法でストライプ状の上電極
を、強誘電体薄膜に重なるように形成した。以上の方法
により基板上のストライプ状下電極と、これに直交した
ストライプ状上電極と、上下のストライプ電極に挟持さ
れた強誘電体薄膜からなり、上下のストライプ電極の交
差部が強誘電体メモリセルとして働き、この強誘電体メ
モリセルがマトリックス上に配置されたマトリックスメ
モリセルの製造が可能になる。またこの実施例で製造さ
れた強誘電体薄膜キャパシタは上下の電極に挟まれてい
るため、加わる電圧は強誘電体薄膜の膜面に垂直方向の
みであるため、強誘電体には均一な電界がかかり良好な
分極特性が得られる。
【0024】
【比較例3】実施例7において前駆体薄膜を全て結晶化
して強誘電体としたときのマトリックスメモリセルの断
面の模式図を図7に示す。この場合には強誘電体薄膜の
膜面に垂直に電圧がかかる部分と、斜めに電圧がかかる
部分が混在する。そのため強誘電体の分極特性が劣化す
る。
【0025】
【実施例8】実施例8の模式図を図8に示す。あらかじめ
絶縁膜をもうけた基板上に第1のストライプ状電極をも
うけた。その上に実施例2に記載の方法で強誘電体薄膜
の前駆体酸化物をもうけた。この際ストライプ状電極の
段差を前駆体酸化物で埋め込み表面を平坦化した。その
後スポット状のレーザービームを前駆体薄膜の所望の部
分のみに照射し、結晶化させて強誘電体薄膜とした。そ
の後既知の方法で第2のストライプ状電極を、強誘電体
薄膜に重なるようにもうけた。以上の方法を繰り返すこ
とにより、基板上のストライプ状電極と、これに直交し
たストライプ状電極と、上下のストライプ電極に挟持さ
れた強誘電体薄膜からなり、上下のストライプ電極の交
差部が強誘電体メモリセルとして働き、この強誘電体メ
モリセルがマトリックス上に配置されたマトリックスメ
モリセルを、任意の数だけ多層化された構造をもつ強誘
電体メモリの製造が可能になる。
【0026】
【発明の効果】本発明の強誘電体薄膜の形成方法では、
強誘電体薄膜の前駆体となる結晶を含む酸化物薄膜を基
板上に直接あるいは他の層を介して形成し、その後レー
ザービームを該前駆体に照射することにより強誘電体薄
膜を形成する。レーザービームの焦点を前駆体酸化物表
面にあわせることにより、該前駆体に集中的にしかも短
時間で熱を与えることができるため、基板や他の層の温
度上昇を押さえることが可能である。また前駆体が結晶
含む酸化物であるため、レーザービーム照射により前駆
体の温度が急激に上昇しても蒸発などによる組成のずれ
を最小限にすることが可能である。
【0027】本発明の強誘電体メモリの製造方法におい
ては、強誘電体薄膜のキャパシタの形成にレーザービー
ム照射をするために、基板や他の層への熱の影響が少な
い。そのため基板ごと熱処理炉で処理する場合よりも高
い温度まで強誘電体薄膜前駆体の温度を上げることが可
能である。これにより高品質な強誘電体薄膜キャパシタ
の形成が可能になり、さらには熱処理時間が短縮でき
る。
【0028】また本発明の強誘電体メモリの製造方法に
おいては、強誘電体薄膜前駆体の必要な部分のみにレー
ザービームを照射して強誘電体薄膜キャパシタを形成
し、他の部分を層間絶縁膜として用いる。これにより強
誘電体薄膜のエッチング工程が不要になり、また層間絶
縁膜の形成及びエッチングも不要になる。さらには従来
必要であった強誘電体薄膜キャパシタのエッチングダメ
ージを回復するためのアニールが不要になる。その結果
特性の優れた強誘電体メモリの製造が低コストで可能に
なる。また強誘電体薄膜の前駆体である微結晶酸化物で
基板上の凹凸を平坦化できるために、低コストで強誘電
体メモリセルの多層化が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の強誘電体薄膜の形成方法により作製し
た強誘電体薄膜の断面の模式図。
【図2】本発明で用いたレーザービーム照射装置の模式
図。
【図3】本発明の強誘電体メモリの製造方法を示す図。
【図4】本発明の強誘電体メモリの製造方法を示す図。
【図5】本発明の強誘電体メモリの製造方法を示す図。
【図6】本発明の強誘電体メモリの製造方法を示す図。
【図7】比較例のマトリックスメモリセルの断面の模式
図。
【図8】本発明の強誘電体メモリの製造方法を示す図。
【符号の説明】
1. 基板 2. 電極膜 3. 強誘電体前駆体酸化物 4. レーザー発振機 5. ミラー 6. レンズ 7. 強誘電体薄膜前駆体つき基板 8. X-Yステージ 9. 制御パソコン 11. Si基板 12. ソース 13. ゲート絶縁膜 14. ゲート電極 15. ソース 16. トランジスタ 17. 素子分離領域 18. 層間絶縁膜 19. 下部電極 20. 強誘電体前駆体酸化物 21. 強誘電体薄膜 22. 上部電極 23. 絶縁膜 24. 配線 25. コンタクトホール 26. プラグ電極 27. 基板 28. ストライプ状下電極 29. 強誘電体薄膜 30. A-A'の断面の模式図 31. 強誘電体前駆体酸化物 32. ストライプ状上電極 33. B-B'の断面の模式図 34. 絶縁膜 35. 第1のストライプ状電極 36. 第2のストライプ状電極 37. 第3のストライプ状電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5F083 FR01 FR02 JA14 JA15 JA17 JA38 PR22 PR23 PR33

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 強誘電体薄膜の前駆体となる結晶を含む
    酸化物薄膜を基板上に直接あるいは他の層を介して形成
    し、その後レーザービームを該前駆体に照射して結晶化
    させることを特徴とする強誘電体薄膜の形成方法。
  2. 【請求項2】 強誘電体薄膜の前駆体となる結晶を含む
    酸化物薄膜を基板上に直接あるいは他の層を介して形成
    し、その上にさらに他の層を形成し、その後レーザービ
    ームを照射して結晶化させることを特徴とする強誘電体
    薄膜の形成方法。
  3. 【請求項3】 Pb含有ベロブスカイト型強誘電体薄膜の
    形成において、前駆体の少なくとも一部がパイロクロア
    型結晶構造を有する酸化物であることを特徴とする請求
    項1〜2に記載の強誘電体薄膜の形成方法。
  4. 【請求項4】 Bi層状構造強誘電体薄膜の形成におい
    て、前駆体の少なくとも一部がフルオライト型結晶構造
    を有する酸化物であることを特徴とする請求1〜2に記載
    の強誘電体薄膜の形成方法。
  5. 【請求項5】 ライン状のレーザービームを照射するこ
    とを特徴とする請求項1〜4に記載の強誘電体薄膜の形成
    方法。
  6. 【請求項6】 スポット状のレーザービームを照射する
    ことを特徴とする請求項1〜4に記載の強誘電体薄膜の形
    成方法。
  7. 【請求項7】 強誘電体薄膜原料を溶液塗布法にて基板
    上に直接あるいは他の層を介して塗布し、その後熱処理
    を施すことにより強誘電体薄膜の前駆体となる結晶を含
    む酸化物薄膜を形成することを特徴とする請求項1〜6に
    記載の強誘電体薄膜の形成方法。
  8. 【請求項8】 霧状の強誘電体薄膜原料を基板上に直接
    あるいは他の層を介して堆積させ、その後熱処理を施す
    ことにより強誘電体薄膜の前駆体となる結晶を含む酸化
    物薄膜を形成することを特徴とする請求項1〜6に記載の
    強誘電体薄膜の形成方法。
  9. 【請求項9】 強誘電体薄膜の前駆体となる酸化物薄膜
    を、化学的気相法にて基板上に直接あるいは他の層を介
    して形成することを特徴とする請求項1〜6に記載の強誘
    電体薄膜の形成方法。
  10. 【請求項10】 強誘電体薄膜の前駆体となる酸化物薄
    膜を、物理的気相法にて基板上に直接あるいは他の層を
    介して形成することを特徴とする請求項1〜6に記載の強
    誘電体薄膜の形成方法。
  11. 【請求項11】 前駆体の酸化物薄膜が基板に対して優
    先配向した結晶面を持つことを特徴とする請求項1〜8に
    記載の強誘電体薄膜の形成方法。
  12. 【請求項12】 請求項1から11に記載の強誘電体薄膜
    の形成方法を用いて、基板上に設けた第1の電極の上に
    強誘電体薄膜の前駆体となる酸化物を形成し、レーザー
    ビームを照射して強誘電体薄膜キャパシタを形成し、さ
    らにその上に第2の電極を形成することを特徴とする強
    誘電体メモリの製造方法。
  13. 【請求項13】 請求項2から11に記載の強誘電体薄膜
    の形成方法を用いて、基板上に設けた第1の電極の上に
    強誘電体薄膜の前駆体となる酸化物を形成し、さらにそ
    の上に第2の電極を形成した後にレーザービームを照射
    して強誘電体薄膜キャパシタを形成することを特徴とす
    る強誘電体メモリの製造方法。
  14. 【請求項14】 強誘電体薄膜の前駆体の第1の電極と
    第2の電極にはさまれる部分のみにレーザービームを照
    射して強誘電体薄膜キャパシタとすることを特徴とする
    請求項12〜13に記載の強誘電体メモリの製造方法。
  15. 【請求項15】 強誘電体薄膜の前駆体の第1の電極と
    第2の電極にはさまれる部分のみにレーザービームを照
    射して強誘電体薄膜キャパシタとし、その他の部分を層
    間絶縁膜とすることを特徴とする請求項12〜14に記載の
    強誘電体メモリの製造方法。
  16. 【請求項16】 強誘電体メモリの製造方法において、
    基板上の第1の電極を強誘電体薄膜の前駆体で埋め込み
    表面を平坦化し、強誘電体薄膜の前駆体の第1の電極と
    第2の電極にはさまれる部分のみにレーザービームを照
    射して強誘電体薄膜キャパシタとし、その他の部分を層
    間絶縁膜とすることを特徴とする請求項15に記載の強誘
    電体メモリの製造方法。
  17. 【請求項17】 製造工程中に劣化した強誘電体キャパ
    シタの特性を回復させるために、レーザービームを該強
    誘電体キャパシタに照射することを特徴とする請求項12
    〜16に記載の強誘電体メモリの製造方法。
  18. 【請求項18】 請求項12〜17に記載の強誘電体メモリ
    の製造方法において、基板上の第1のストライプ電極
    と、これに直交した第2のストライプ電極と、第1と第2
    のストライプ電極に挟持された強誘電体薄膜からなり、
    第1と第2のストライプ電極の交差部が強誘電体薄膜キャ
    パシタとして働き、この強誘電体メモリセルがマトリッ
    クス上に配置されたマトリックスメモリセルを備えるこ
    とを特徴とする強誘電体メモリの製造方法。
  19. 【請求項19】 請求項12〜18に記載の強誘電体メモリ
    の製造方法において、メモリセルが2層以上に多層化さ
    れたことを特徴とする強誘電体メモリの製造方法。
  20. 【請求項20】 強誘電体薄膜の前駆体の酸化物にレー
    ザービームを照射することにより強誘電体薄膜キャパシ
    タとしたことを特徴とする強誘電体メモリ。
  21. 【請求項21】 強誘電体薄膜の前駆体の酸化物の第1
    の電極と第2の電極にはさまれる部分のみにレーザービ
    ームを照射して強誘電体薄膜キャパシタとしたことを特
    徴とする請求項20に記載の強誘電体メモリ。
  22. 【請求項22】 強誘電体薄膜の前駆体の酸化物の第1
    の電極と第2の電極にはさまれる部分のみにレーザービ
    ームを照射して強誘電体薄膜キャパシタとし、その他の
    部分を層間絶縁膜としたことを特徴とする請求項21に記
    載の強誘電体メモリ。
  23. 【請求項23】 基板上の第1の電極を強誘電体薄膜の
    前駆体で埋め込み表面を平坦化し、強誘電体薄膜の前駆
    体の第1の電極と第2の電極にはさまれる部分のみにレー
    ザービームを照射して強誘電体薄膜キャパシタとし、そ
    の他の部分を層間絶縁膜としたことを特徴とする請求項
    22に記載の強誘電体メモリ。
  24. 【請求項24】 基板上の第1のストライプ電極と、こ
    れに直交した第2のストライプ電極と、第1と第2のスト
    ライプ電極に挟持された強誘電体薄膜からなり、第1と
    第2のストライプ電極の交差部が強誘電体薄膜キャパシ
    タとして働き、この強誘電体メモリセルがマトリックス
    上に配置されたマトリックスメモリセルを有することを
    特徴とする請求項20から23に記載の強誘電体メモリ。
  25. 【請求項25】 マトリックスメモリセルが2層以上に
    多層化されたことを特徴とする請求項24に記載の強誘電
    体メモリ。
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