JP2002313885A - 位置決め装置 - Google Patents

位置決め装置

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JP2002313885A
JP2002313885A JP2001115298A JP2001115298A JP2002313885A JP 2002313885 A JP2002313885 A JP 2002313885A JP 2001115298 A JP2001115298 A JP 2001115298A JP 2001115298 A JP2001115298 A JP 2001115298A JP 2002313885 A JP2002313885 A JP 2002313885A
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Takeshi Nakamura
中村  剛
Nobuhito Saji
伸仁 佐治
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Abstract

(57)【要約】 【課題】プロセス室内に挿入された導入軸が受ける吸引
力(或いは反発力)を減少させる位置決め装置を提供す
る。 【解決手段】プロセス室の気密を保った状態で、プロセ
ス室外からプロセス室内のワークを位置決めするための
位置決め装置は、互いに対向する一対の開口22a、2
2b、および、前記一対の開口22a、22bを介して
外部と連通したプロセス室Pを有する筐体20と、少な
くとも1自由度で移動可能であって、前記プロセス室P
をシールしつつ前記一対の開口22a、22bを貫通す
る軸部材30とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プロセス室の気密
を保った状態で、プロセス室外からプロセス室内のワー
クを位置決めするための位置決め装置に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体製造装置などにおいては、真空や
特殊ガス雰囲気に維持したプロセス室内で、ワークをス
テージに載置して移動させて加工処理することが行われ
ている。
【0003】このような用途に用いられる装置(例え
ば、米国特許第4726689号に記載の装置)では、
導入軸が、その軸方向の断面積(A)、および、プロセ
ス室(真空)と室外(大気圧)との差圧(ΔP)の積
(ΔP×A)に比例した力を吸引力(室外よりもプロセ
ス室のほうが高圧の場合は反発力)として受ける。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この吸引力は、導入軸
の断面積が小さいときにはそれほど問題とはならない
が、導入軸の断面積が大きくなるに連れて無視できない
大きさとなる。
【0005】そこで、本発明は、かかる従来技術の問題
点に鑑み、プロセス室内に挿入された導入軸が受ける吸
引力(或いは反発力)が小さい位置決め装置を提供する
ことを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明の位置決め装置は、互いに対向する一対の
開口、および、前記一対の開口を介して外部と連通した
プロセス室を有する筐体と、少なくとも1自由度で移動
可能であって、前記プロセス室をシールしつつ前記一対
の開口を貫通する導入軸とを備えてなる。
【0007】
【作用】本発明の位置決め装置は、導入軸が対向する一
対の開口を貫通していることにより、導入軸に作用する
吸引力(或いは反発力)がキャンセルされる。つまり、
導入軸にスラスト力がまったく作用しないため、導入軸
の駆動装置に余計な負担がかからず移動方向による不均
衡さがなくなる。また、例えば導入軸が水平に近い状態
に配置される場合では、一対の開口で支持されることに
より、片側のみで支持される場合と比べて、導入軸のた
わみも抑えられる。従って、位置決め精度も向上する。
【0008】ここで、シールとしては、例えば差動排気
シールを用いることができる。差動排気シールとは、筐
体の排気面と対向面との微小な間隙から洩れ込む気体を
排気することにより、筐体の排気面と対向面間が非接触
の状態で、対向面を挟む両側の雰囲気(例えば大気圧と
高真空)を一定の状態に保つように機能するものをい
う。以下に述べる実施の形態においては、排気面を有す
る部材を差動排気シールという。
【0009】本発明において、導入軸は、対向する一対
の開口の一方または両方の外側において、支持部材によ
って支持される。この支持部材は、固定されたものでも
よいし、導入軸の軸方向とは実質的に直交する方向に移
動するもの(いわゆる、X軸ステージ)であってもよ
い。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の好
適な実施の形態について説明する。
【0011】図1は、本発明の第1の実施の形態の位置
決め装置の正面図である。図1において、上下方向をY
軸方向とし、左右方向をX軸方向とする。また、図2
は、図1の軸受部を含む開口付近の詳細図である。
【0012】図1に示すように、本実施の形態の位置決
め装置においては、プロセス室Pを有する筐体20の対
向する面に設けられた一対の孔22a、22bに、Y軸
方向に駆動される円柱状の軸部材30が貫通挿入されて
いる。孔22a、22bの内周面には、差動排気シール
50がそれぞれ設けられており、これにより、プロセス
室Pがシールされている。また、孔22a、22bの外
側には、軸部材30を取り囲むように軸受部70がそれ
ぞれ設けられている。
【0013】図2に示すように(図2には孔22aだけ
を示すが孔22bについても同様)、孔22a内には、
Y軸差動排気シール50が設けられている。Y軸差動排
気シール50は、孔22a、22bに嵌合する略円筒形
状のハウジング56を有し、その内周面50aが排気面
を構成している。排気面50aは、2列の環状の溝部5
2、53を備え、これら環状の溝部52、53から筐体
20に形成された連通孔54、55を介して不図示の吸
引ポンプまで接続されている。
【0014】なお、ハウジング56の角部には、Oリン
グ57がそれぞれ配置されている。また、ハウジング5
6の最も軸受部70よりで軸部材30に接する部分に
は、溝部58が設けられている。溝部58はハウジング
56内に形成された連通路59を介して、後述する軸受
部70内の通路75と接続されている。
【0015】Y軸差動排気シール50において、排気面
50a(溝部52、53を除く)及び軸受部70の静圧
軸受72、73の部分は、他の部分に比べ、軸部材30
外周面との隙間が十分小さくなるように設定されてい
る。
【0016】また、孔22a、22bの外側には筐体2
0に隣接して、略円筒状の軸受部70が取り付けられて
いる。図2に示すように、軸受部70は、ハウジング5
6に一端を嵌合されたハウジング71と、ハウジング7
1内に配置された一対の円筒状の静圧軸受(静圧気体軸
受)72、73とから構成されている。
【0017】静圧軸受72、73は、軸部材30を包囲
しており、ハウジング71に形成された連通孔や給気管
(図示せず)を介して、不図示の圧送ポンプに接続され
ている。又、ハウジング71内には2つの静圧軸受7
2、73の側部から排出された気体を大気中に逃がすた
めの通路75を備えている。なお、静圧軸受に関して
は、多孔質絞り式のものを用いているが、これに限定さ
れるものではない。また、本実施の形態では、静圧軸受
に供給する流体として空気を用いているが、他の気体や
磁性流体などを用いても良い。
【0018】次に、本実施の形態に係る位置決め装置の
動作について説明する。軸部材30の端部は、駆動源
(不図示)に接続されており、軸部材30をY軸方向に
駆動するようになっている。このとき、不図示の圧送ポ
ンプから、軸受部70の不図示の連通路を介して空気が
圧送され、静圧軸受72、73の内周面から噴出するよ
うになっているので、かかる空気圧により、軸部材30
は、静圧軸受72、73に対して非接触的に支持され、
摩擦などの抵抗なく、筐体20に対して相対移動可能と
なっている。
【0019】また、排気面50aを有するY軸差動排気
シール50は、不図示の吸引ポンプにより、溝部52、
53及び連通路54、55を介して軸部材30の周面3
0a(対向シール面)との間の空気を吸引しているの
で、排気面50aと軸部材30との間のスキマ(静圧軸
受72、73により一定に維持)を介して、外部から
の、あるいは静圧軸受72、73から漏れ出た空気が侵
入することを防止できる。特に、ワークの加工処理のた
め、筐体20内のプロセス室Pを負圧環境にしたような
場合にも、差動排気シール50により、外部からの空気
の侵入を阻止できるので、プロセス室Pの負圧環境を維
持でき好ましい。
【0020】このように、本実施の形態によると、軸部
材30が対向する一対の孔22a、22bを貫通してい
ることにより、軸部材30に作用する吸引力(或いは反
発力)がキャンセルされる。つまり、軸部材30にスラ
スト力がまったく作用しないため、軸部材30の駆動装
置に余計な負担がかからず移動方向による不均衡さがな
くなる。また、例えば軸部材30が水平に近い状態に配
置される場合では、一対の孔22a、22bで支持され
ることにより、片側のみで支持する場合と比べて軸部材
30のたわみも抑えられる。従って、位置決め精度も向
上する。
【0021】さらに、本実施の形態によれば、軸部材3
0を筐体20の外部から駆動しているので、プロセス室
P内に駆動系を設ける必要がなく、プロセス室P内の汚
染などを防止できると共に、駆動系のメンテナンスが容
易となる。また、本実施の形態では、軸部材30が2点
で支持されるので、軸部材30のたわみが小さいという
利点もある。
【0022】以上、本発明を実施の形態を参照して説明
してきたが、本発明は上記実施の形態に限定して解釈さ
れるべきではなく、適宜変更・改良が可能であることは
もちろんである。例えば、排気面50aの溝部は、それ
ぞれ2列にしたが、これに限定されず、吸引ポンプの性
能、プロセス室内外の差圧の大きさ、等に応じ、1列あ
るいは3列以上としても良い。また、排気面と対向シー
ル面との隙間の大きさも吸引ポンプ等の性能との兼ね合
いで決まるもので、数μmから数100μmまで適宜選
択可能である。さらに、軸受としては、実施の形態に示
す静圧軸受72、73に限らず、各種の軸受を用いるこ
とができ、たとえば転がり軸受(玉軸受、ころ軸受な
ど)を用いることもできる。又、差動排気シール50と
筐体20とは一体でも別体でも良い。
【0023】加えて、本実施の形態においては、筐体2
0を固定部とし、軸部材30を移動部としているが、こ
れとは逆に、軸部材30を固定部として、筐体20を移
動部とすることもできる。また、軸部材30をその軸回
りに回転させるようにしてもよい。これにより、2自由
度での位置決めが可能になる。
【0024】なお、本実施の形態において用いる軸部材
30と筺体20の開口22aと22bとのシールは、例
えばOリングや筐体の外側において軸部材を被覆するよ
うに設けられた伸縮自在の金属ベローズなどの差動排気
シール以外のシールであってもよい。
【0025】次に、本発明の第2の実施の形態について
説明する。本実施の形態は、第1の実施の形態の位置決
め装置において、軸部材をY軸方向に移動させる代わり
にその軸回りに回転可能としたものである。図3に、本
実施の形態の位置決め装置の要部断面図を示す。なお、
本実施の形態において、第1の実施の形態と同様の部材
には同じ符号を付してその説明を省略する。
【0026】図3に示すように、本実施の形態は、段付
きとなった軸部材30の一端側の凹部となった部分に軸
受部70’が設けられている点において、第1の実施の
形態と相違している。軸受部70’は、ハウジング56
に一端を嵌合されたハウジング76と、ハウジング76
内に配置された一対の円筒状の静圧軸受(静圧気体軸
受)77、78とから構成されている。
【0027】静圧軸受77、78は、軸部材30を包囲
しており、ハウジング76に形成された連通孔や給気管
(図示せず)を介して、不図示の圧送ポンプに接続され
ている。又、ハウジング76内には2つの静圧軸受7
7、78の側部から排出された気体を大気中に逃がすた
めの通路79を備えている。なお、静圧軸受に関して
は、サイズが異なる点、および、軸部材30の段部側面
と対向する静圧軸受77、78の両端面も軸受面とされ
ている点を除けば、静圧軸受72、73と同様の構成で
ある。また、本実施の形態では、静圧軸受に供給する流
体として空気を用いているが、他の気体や磁性流体など
を用いても良い。
【0028】段付きとなった軸部材30の一端は、軸受
部70’の外側において、図示しない駆動装置によって
回転自在に支持されている。これにより、軸部材30
は、その軸回りに回転することができる。
【0029】本実施の形態によっても、第1の実施の形
態と同様に、軸部材30が対向する一対の孔22a、2
2bを貫通していることにより、軸部材30に作用する
吸引力(或いは反発力)がキャンセルされる。つまり、
軸部材30にスラスト力がまったく作用しないため、軸
部材30の駆動装置に余計な負担がかからず移動方向に
よる不均衡さがなくなる。また、例えば軸部材30が水
平に近い状態に配置される場合では、一対の孔22a、
22bで支持されることにより、片側のみで支持する場
合と比べて軸部材30のたわみも抑えられる。従って、
位置決め精度も向上する。
【0030】さらに、本実施の形態によれば、軸部材3
0を筐体20の外部から駆動しているので、プロセス室
P内に駆動系を設ける必要がなく、プロセス室P内の汚
染などを防止できると共に、駆動系のメンテナンスが容
易となる。また、本実施の形態では、軸部材30が2点
で支持されるので、軸部材30のたわみが小さいという
利点もある。
【0031】本実施の形態においても、シールとしては
差動排気シール以外のシールを用いることができる。ま
た、静圧軸受としては、転がり軸受なども用いることが
できる。
【0032】次に、本発明の第3の実施の形態について
説明する。本実施の形態は、第1の実施の形態の位置決
め装置において、X軸方向に移動可能なX軸ステージに
軸部材を支持させたものである。図4(a)は、本実施
の形態の位置決め装置の平面図である。図4(b)は、
本実施の形態の位置決め装置の正面図である。図4
(a)において、上下方向をX軸方向とし、左右方向を
Y軸方向とし、図4(b)において、上下方向をZ軸方
向とする。なお、本実施の形態において、第1の実施の
形態と同様の部材には同じ符号を付してその説明を省略
する。
【0033】図4(a)、(b)に示すように、本実施
の形態の位置決め装置は、プロセス室Pを有する筐体2
0の対向する面に設けられたX軸方向に伸延する一対の
スリット状の長孔22a、22bに円柱状の軸部材30
が貫通挿入されていると共に、軸部材30が貫通されて
これをY軸方向にスライド可能に支持する一対のX軸ス
テージ9、10が一対の長孔22a、22bを塞いだ状
態で筐体20の外壁面に沿ってX軸方向に相対的にスラ
イド可能となるように筐体20の外側にそれぞれ配置さ
れたものである。
【0034】X軸ステージ9、10は、それぞれ中央に
円形の開口11a、11bを有している。開口11a、
11b内には、第1の実施の形態で説明したY軸差動排
気シール(第2の差動排気シール手段)50がそれぞれ
設けられている。X軸ステージ9、10の開口11a、
11b内には、円柱状の軸部材30がともに挿通されて
おり、差動排気シール50に、シール面であるその周面
の一部を包囲されている。
【0035】X軸ステージ9の右側面およびX軸ステー
ジ10の左側面には、断面がコ字状のスライダ12が配
置されている。かかるスライダ12は、固定部である筐
体20に配置されたガイドレール13に、スライダ12
内を循環する不図示の多数の転動体を介して係合してお
り、ガイドレール13に沿ってX軸方向に滑動自在とな
っている。これらスライダ12、ガイドレール13及び
多数の転動体で転がり案内軸受の一種であるリニアガイ
ドが構成される。
【0036】また、図4(b)に示すように、筐体20
の左右の側面には、X軸差動排気シール60が設けられ
ている。差動排気シール60は、筐体20に形成された
長孔22a、22bの周囲に沿って延在するトラック状
となっている。このトラック状の部分のX軸ステージ
9、10と対向する面60aが排気面として機能する。
さらに、差動排気シール60は、2本のトラック状の溝
部(図示せず)を形成しており、これらの溝部は、差動
排気シール60の内部通路62、63を介して、筐体2
0に形成された連通路64に連通している。この連通孔
は、不図示の吸引ポンプに接続されている。排気面60
aのうち、溝部を除く部分は、その外側の筐体20がX
軸ステージ9、10と対向している部分に比べ、X軸ス
テージ9、10側にわずかに突出している。そしてリニ
アガイド12、13により、この突出部分と、これに対
向するX軸ステージ9、10の面(対向シール面)と
が、外側の部分に比べ十分に小さな間隔を隔てて対向す
るように設定されている。
【0037】また、X軸ステージ9、10の開口11
a、11bに、第1の実施の形態で説明した略円筒状の
軸受部70が取り付けられている。
【0038】次に、本実施の形態に係る位置決め装置の
動作について説明する。X軸ステージ9、10は、リニ
アガイド12、13により低フリクション状態で筐体2
0に対して支持されているので、不図示の外部駆動源に
より連動して駆動されることで、筐体20に対してX軸
方向に移動可能となっている。このとき、軸部材30
は、X軸ステージ9、10と共にX軸方向に移動する
が、筐体20の(本発明の開口に該当する)長孔22
a、22bは、かかる軸部材30のX軸方向移動を許容
するようになっている。言い換えると、X軸ステージ
9、10は、長孔22a、22bの長手方向長さに規定
される範囲内で、筐体20に対してX軸方向に相対移動
可能となっている。
【0039】この際、排気面60aを有する差動排気シ
ール60は、不図示の吸引ポンプからの吸引力に基づ
き、筐体20の連通路を介して、X軸ステージ9、10
の左右の側面(対向シール面)との間の空気を吸引して
いるので、X軸ステージ9、10と筐体20との間のス
キマを介して、外部より空気や異物が侵入することを防
止できる。従って、ワークの加工処理のため、筐体20
内のプロセス室Pを負圧環境にしたような場合にも、差
動排気シール60により、外部からの空気の侵入を阻止
できるので、プロセス室Pの負圧環境を維持でき好まし
い。
【0040】一方、軸部材30の左端は、X軸ステージ
9上に設置された駆動源(不図示)に接続されており、
軸部材30を左右方向に駆動するようになっている。こ
のとき、不図示の圧送ポンプから、軸受部70の不図示
の連通路を介して空気が圧送され、第2の軸受である静
圧軸受の内周面から噴出するようになっているので、か
かる空気圧により、軸部材30は、静圧軸受に対して非
接触的に支持され、摩擦などの抵抗なく、X軸ステージ
9、10に対して相対移動可能となっている。
【0041】また、排気面50aを有する差動排気シー
ル50は、不図示の吸引ポンプにより、溝部及び連通路
を介して軸部材30の周面(対向シール面)との間の空
気を吸引しているので、排気面50aと軸部材30との
間のスキマ(静圧軸受により一定に維持)を介して、外
部からの、あるいは静圧軸受から漏れ出た空気が侵入す
ることを防止できる。特に、ワークの加工処理のため、
筐体20内のプロセス室Pを負圧環境にしたような場合
にも、差動排気シール50により、外部からの空気の侵
入を阻止できるので、プロセス室Pの負圧環境を維持で
き好ましい。
【0042】本実施の形態によっても、第1の実施の形
態と同様に、軸部材30が対向する一対の長孔22a、
22bを貫通していることにより、軸部材30に作用す
る吸引力(或いは反発力)がキャンセルされる。つま
り、軸部材30にスラスト力がまったく作用しないた
め、軸部材30の駆動装置に余計な負担がかからず移動
方向による不均衡さがなくなり、また、軸部材30のた
わみも抑えられる。従って、位置決め精度も向上する。
【0043】さらに、本実施の形態によれば、軸部材3
0を筐体20の外部から駆動しているので、プロセス室
P内に駆動系を設ける必要がなく、プロセス室P内の汚
染などを防止できると共に、駆動系のメンテナンスが容
易となる。また、本実施の形態では、軸部材30が2点
で支持されるので、軸部材30のたわみが小さいという
利点もある。
【0044】また、差動排気シール60の吸引力は、上
述したトラック状の範囲に限られるので、たとえ筐体2
0を大型化しても差動排気シール60の全長は長くなら
ず、従って軸受を構成するスライダとガイドレールの支
持反力は変わらない。しかも、X軸ステージ9、10の
筐体20と対向する面のうち、排気面60aより外側の
部分の受ける力は大気圧と等しくなるので、X軸ステー
ジ9、10の表裏面に働く圧力分布を考えると、表裏で
差圧が存在するのは、排気面60aから内側の限られた
部分となる。従って、リニアガイド12、13が支持す
べき力は、この限られた面積の差圧の総和に抗する力で
よいから小さくて済む。また、プロセス室Pを負圧とし
た場合、筐体20の容積を大きくして、軸部材30のス
トローク量を増大させたとしても、軸部材30の受ける
力は不変であり、軸部材30の端面に加わるプロセス室
内外の差圧による力は変わらない。
【0045】また、本実施の形態の位置決め装置は、構
造がコンパクトであるという利点を有している。
【0046】以上、本発明を実施の形態を参照して説明
してきたが、本発明は上記実施の形態に限定して解釈さ
れるべきではなく、適宜変更・改良が可能であることは
もちろんである。例えば、排気面50a及び60aの溝
部は、それぞれ2列にしたが、これに限定されず、吸引
ポンプの性能、プロセス室内外の差圧の大きさ、等に応
じ、1列あるいは3列以上としても良い。また、排気面
と対向シール面との隙間の大きさも吸引ポンプ等の性能
との兼ね合いで決まるもので、数μmから数100μm
まで適宜選択可能である。さらに、軸受としては、実施
の形態に示す静圧軸受やリニアガイド12、13に限ら
ず、各種の軸受を用いることができ、たとえば軸部材3
0の軸受として転がり軸受(玉軸受、ころ軸受など)を
用いることもでき、X軸ステージ9、10の案内軸受と
して、リニアガイド12、13の代わりに公知の気体や
磁性流体を媒体とした静圧案内軸受や他の転がり案内軸
受(クロスローラガイド等)を用いてもよい。
【0047】又、差動排気シール60と筐体20とは一
体でも別体でも良い。さらに、排気面60aを筐体20
の外側の部分より突出させる代わりに、排気面60aの
2本の溝部のうち、外側の方の溝部を大気と連通させる
ように、大気と連通する溝を設けても良い。加えて、軸
部材30に回転駆動機構を設ければ、外部より、X軸ス
テージ9、10に対して軸部材30を任意に相対回転さ
せることができ、それにより3軸の位置決め装置を構成
することができる。それとは逆に相対回転を阻止したい
場合には、軸部材として断面が矩形などの多角形状の軸
や、楕円状の軸あるいはスプライン軸などを用いると、
別個に相対回転阻止手段などを設ける必要がなく好まし
い。さらに、長孔22a、22b、排気面60a、排気
面の溝部の形状も、上述した形状に限定されない。
【0048】また、本実施の形態では、差動排気シール
60を長孔22a、22bに隣接して筐体20の側に設
けたが、これに代え、X軸ステージ9、10の側に設け
るようにしても良い。この場合、X軸ステージ9、10
の移動可能な全範囲において、長孔22a、22bに正
対する方向から見た場合、排気面60aが長孔22a、
22bを囲んでいるように排気面60aを形成する必要
がある。但し、その条件を満たす範囲で、できるだけ排
気面60aで囲まれる面積が小さくなるように設定する
ことが案内軸受の受ける支持反力の大きさを抑制する上
で好ましい。
【0049】加えて、本実施の形態においては、筐体2
0を固定部とし、X軸ステージ9、10を移動部として
いるが、これとは逆に、X軸ステージ9、10を固定部
として、筐体20を移動部とすることもできる。かかる
場合、2つの差動排気シールを固定部となったX軸ステ
ージ側に集約して設置することで、配管などの取りまわ
しを容易にすることができる。
【0050】次に、上述の第1〜第3の実施の形態をよ
り具体化した第4〜第9の実施の形態について説明す
る。これらの実施の形態では、高真空中に設置されるワ
ークに所定の処理等を施す設備で、特に磁場の影響を嫌
うようなものに好適に用いることのできるものについて
述べる。すなわち、これらの実施の形態では、磁場に影
響を与えるモータをプロセス室からできるだけ離し、か
つ、モータ自体が移動しない構成としている。
【0051】まず、本発明の第4の実施の形態につい
て、図5〜図8に基づいて説明する。図5は、本実施の
形態の位置決め装置の平面図(一部断面図)である。図
6は、図5に示した位置決め装置の正面図である。図7
は、図5に示した位置決め装置の右側側面図である。図
8は、図5に示した位置決め装置の左側側面図((a)
は全体図、(b)は一部を示す図)である。図5におい
て、上下方向をX軸方向とし、左右方向をY軸方向と
し、図6において、上下方向をZ軸方向とする。
【0052】本実施の形態の位置決め装置は、第3の実
施の形態と同様に、プロセス室Pを有する筐体(チャン
バ)120の対向する面に設けられたX軸方向に伸延す
る一対のスリット状の長孔122a、122bに円柱状
の軸部材130が貫通挿入されていると共に、軸部材1
30が貫通されてこれをY軸方向にスライド可能に支持
する一対のX軸ステージ109、110が一対の長孔1
22a、122bを塞いだ状態で筐体120の外壁面に
沿ってX軸方向に相対的にスライド可能となるように筐
体120の外側にそれぞれ配置されたものである。そし
て、本実施の形態では、2つのX軸ステージ109、1
10が連結部材141、142で連結されており、これ
らがモータ143eを含むアクチュエータ143により
一体として駆動される。
【0053】なお、軸部材130からは、プロセス室P
内に位置するように、ワークが載置されるテーブル10
1が突設されている。また、本実施の形態において、X
軸ステージ109、110、筐体120、および、軸部
材130等は、ベース102上に配置されている。筐体
120の上面には、不図示の処理装置用の部屋に連通す
る開口120aが設けられている。場合によっては、こ
の開口に例えば石英ガラス等の窓が取付られる。また、
テーブル101上には、Xバーミラー124、Yバーミ
ラー125が配置されているとともに、これらに対向し
て筐体120内には、位置決め用のX軸レーザ干渉計1
26およびY軸レーザ干渉計127がそれぞれ配置され
ている。128は不図示のレーザ光源から出射されるレ
ーザ光を2つのレーザ干渉計126、127に導くべく
分岐させるためのビームスプリッタ、129はレーザ光
の向きを変え、レーザ干渉計127へ導くためのビーム
ベンダである。また、筐体120の側面には、ウェハな
どを移載するためのゲートバルブ120dが設けられて
いる。なお、筺体120の底面およびベース102に設
けられている開口は、筺体内の真空引きのための真空ポ
ンプが取付られるための空間である。プロセス室Pの形
状はテーブル101が収まる上部を広く、床面120b
寄りの下部を狭くしている。これはテーブル101の移
動範囲を確保しつつ、プロセス室の容積を最小限にする
ためであり、テーブル101を支柱101aを介して立
設しているのもそのためである。このようにすることに
より、プロセス室の受ける真空引きによる力を最小限に
できることに加え、下部の幅が短いことにより、軸部材
130のたわみの最小化を図れるメリットもある。
【0054】X軸ステージ109、110は、それぞれ
中央に円形の開口111a、111bを有している。開
口111a、111b内には、第1の実施の形態で説明
したY軸差動排気シール150がそれぞれ設けられてい
る。X軸ステージ109、110の開口111a、11
1b内には、円柱状の軸部材130がともに挿通されて
おり、差動排気シール150に、シール面であるその周
面の一部を包囲されている。
【0055】固定部である筺体120の右側面および左
側面には、それぞれ断面がコ字状のスライダ112が配
置されている。かかるスライダ112は、X軸ステージ
109および110に配置されたガイドレール113
に、スライダ112内を循環する不図示の多数の転動体
を介して係合しており、ガイドレール113に沿ってX
軸方向に滑動自在となっている。これらスライダ11
2、ガイドレール113及び多数の転動体で転がり案内
軸受の一種であるリニアガイドが構成される。
【0056】また、筐体120の左右の側面には、第3
の実施の形態で説明したのと同様のX軸差動排気シール
160が設けられている。差動排気シール160は、筐
体120に形成された長孔122a、122bの周囲に
沿って延在するトラック状となっている。このトラック
状の部分のX軸ステージ109、110と対向する面1
60aが排気面として機能する。さらに、差動排気シー
ル160の排気面160aには、2本のトラック状の溝
部(図示せず)を形成しており、これらの溝部は、差動
排気シール160の内部通路(図示せず)を介して、筐
体120に形成された連通路(図示せず)に連通してい
る。この連通孔は、不図示の吸引ポンプに接続されてい
る。排気面160a(溝部を除く)は、その外側の筐体
120がX軸ステージ109、110と対向している部
分に比べ、X軸ステージ109、110側にわずかに突
出している。そしてリニアガイド112、113によ
り、この突出部分と、これに対向するX軸ステージ10
9、110の面(対向シール面)とが、外側の部分に比
べ十分に小さな間隔を隔てて対向するように設定されて
いる。
【0057】また、X軸ステージ109、110の開口
111a、111bに、第1の実施の形態で説明した略
円筒状の軸受部170a、170bがそれぞれ取り付け
られている。
【0058】上述したように、本実施の形態では、2つ
のX軸ステージ109、110が連結部材141、14
2で連結されており、これらがアクチュエータ143に
より一体として駆動される。アクチュエータ143は、
ナットベアリングユニット143aと、案内レール14
3bと、ボールネジねじ軸143cと、カップリング1
43dと、モータ143eとを含んでいる。連結部材1
42と固定接続されたナットベアリングユニット143
aは、ボールネジねじ軸143cの回転に伴い、X軸方
向に移動する。
【0059】そして、X軸ステージ109、110を駆
動するための機構として、連結部材141、142およ
びモータ143以外に、軸部材130が挿入固定された
回転止め145下に、X軸補助案内軸受146およびX
軸補助案内レール147を具備するリニアガイドが設け
られている。軸部材130の径方向に力が加わるのを防
ぐために、回転止め145とX軸補助案内軸受146と
の間は、板ばね149が配置されている。また、回転止
め145はその両端が回転止めガイド148a、148
bで静圧軸受によって支持されている。回転止めガイド
148a及び148bの一端はX軸ステージ109に固
定され、他端は受け部材148cに固定されている。
【0060】一方、本実施の形態では、軸部材130を
Y軸方向に駆動するために、アクチュエータ181(モ
ータ181a、カップリング181b、プーリ支持部1
81c、駆動プーリ181dを含む)、駆動プーリ18
1dに架張された駆動ベルト182、駆動プーリ181
dと対になった従動プーリ183、駆動ベルト182の
上側に固定されたY軸スライダ184、Y軸スライダ1
84と平行に配置された2本のY軸案内レール185
a、185b、Y軸案内レール185a、185bと対
をなし、Y軸スライダ184の底部に固定されたY軸案
内軸受186a、186b(186bのみ図示せず)等
が設けられている。これにより、モータ181aを駆動
することにより、軸部材130をY方向に移動させるこ
とが可能となっている。なお、Y軸スライダ184の上
面には前記X軸補助案内レール147が固定されてい
る。
【0061】つまり、本実施の形態の位置決め装置は、
X軸アクチュエータと、Y軸アクチュエータと、補助ス
テージとを備えている。そして、X軸アクチュエータ
は、ベースに固定されたX軸モータ143eと、モータ
の回転運動をX軸方向の直線運動に変換し、X軸ステー
ジをX軸方向に位置決めするX軸駆動機構とを備えてい
る。一方、Y軸アクチュエータは、ベースに固定された
Y軸モータ181aと、モータの回転運動をY軸方向の
直線運動に変換し、軸部材130をY軸方向に位置決め
するY軸駆動機構とを備えている。また、補助ステージ
は、X軸アクチュエータによるX軸ステージの移動に伴
い軸部材がX軸方向に移動するのを許容するようになっ
ている。なお、レーザ干渉計126、127、ビームス
プリッタ128、ビームベンダ129は、筺体120の
底面120bに固定された支持部材120cに載置、固
定されている。支持部材120cは、筺体120とは、
床面120bとのみ接しており、側壁や上部の広くなっ
ている部分の床面とは接しないようにしてある。これは
不図示の除振機構により最も振動の少ない床面120b
に支持部材を介してレーザ干渉計等を設置することによ
り、振動の影響の極小化をはかり、位置決め精度を高め
るためである。また、筐体120の側壁から上の部分は
プロセス室内部を減圧したときにプロセス室内外の圧力
差によりわずかではあるが変形を生じる。従って、この
ことからもプロセス室内外の圧力差による変形がほとん
どない床面120bに固定された支持部材120cを介
してレーザ干渉計等を設けていることは、高精度な位置
決めのために好ましい。
【0062】本実施の形態によっても、上述した第3の
実施の形態と同様の効果を得ることができる。また、本
実施の形態では、2つのX軸ステージ109、110が
連結されて一体として駆動させられるという特徴があ
る。さらに、本実施の形態では、XY2方向への駆動の
ためのモータ143e、181aがプロセス室Pから離
れており、モータ143e、181a自体も移動しない
ので、プロセス室Pでの処理に用いられるビームがモー
タからの磁場の影響を受けるのを最小限にすることがで
きる。
【0063】次に、本発明の第5の実施の形態につい
て、図9および図10に基づいて説明する。図9は、本
実施の形態の位置決め装置の平面図(一部断面図)であ
る。図10は、本実施の形態のY軸軸受部の詳細図であ
る。図9において、上下方向をX軸方向とし、左右方向
をY軸方向とする。また、本実施の形態において、第4
の実施の形態と同様の部材には同じ符号を付すことと
し、その説明を省略する。
【0064】本実施の形態の位置決め装置は、X軸ステ
ージ109、110のそれぞれにアクチュエータ143
が連結部材142を介して接続されている点において、
上述した第4の実施の形態の位置決め装置と相違してい
る。そして、2つのアクチュエータ143は同期して駆
動させられる。
【0065】又、第4の実施の形態では、Y軸スライダ
184の駆動にプーリ及びベルトを使用していたのに対
し、本実施の形態では、ボールねじ187を用いてい
る。ボールねじのナットが、Y軸スライダ184の下面
に固定されている。
【0066】本実施の形態によっても、上述した第4の
実施の形態と同様の効果を得ることができる。また、本
実施の形態では、2つのX軸ステージ109、110が
それぞれ別に設けられたアクチュエータ143によって
同期駆動させられるという特徴がある。さらに、本実施
の形態では、XY2方向への駆動のためのモータ143
e、181aがプロセス室Pから離れており、モータ1
43e、181a自体も移動しないので、プロセス室P
での処理に用いられるビームがモータからの磁場の影響
を受けるのを最小限にすることができる。
【0067】なお、本実施の形態では、図10(a)に
示すように、2つのX軸ステージ109、110が同じ
量だけ変位した場合には、軸部材130と2つのX軸ス
テージ109、110との間隔は保たれる。しかし、2
つのX軸ステージ109、110の変位量が異なる場合
には、図10(b)に示すように、2つのX軸ステージ
109、110と軸部材130との間隔が場所によって
異なってしまう。そこで、このような傾きを生じさせな
いためには、2つのアクチュエータによるX軸ステージ
109、110のX方向変位量が等しくなるように制御
すればよい。逆に、2つのアクチュエータ143による
X軸ステージ109、110のX方向変位量をわずかに
変えるように制御することにより、軸部材130のZ軸
を中心としたXY平面内における傾き角度を微調整する
ことができる。但し、この場合の調整可能な範囲は、図
10(b)に示すように、軸部材130と150及び1
70とが接触しない範囲内に限られる。これにより、高
精度の位置決めが可能になる。
【0068】次に、本発明の第6の実施の形態につい
て、図11に基づいて説明する。図11は、本実施の形
態の位置決め装置の側面図であって、図7に相当する図
である。また、本実施の形態において、第4の実施の形
態と同様の部材には同じ符号を付すこととし、その説明
を省略する。
【0069】本実施の形態は、連結部材141とX軸ス
ライダ109、110との間を、供給された電気信号に
応じて伸縮自在の圧電素子149を介して接続した点に
おいてのみ第4の実施の形態と相違している。これによ
り、左右の圧電素子149の伸縮量を制御することによ
り、軸部材130をZ軸回りに微小回転させることが可
能になる。すなわち第5の実施の形態と同様の作用、効
果が得られる。なお、同様の効果を得ることができる素
子として圧電素子149のほかに磁歪素子を用いること
もできるが、磁場変動を考えると、圧電素子を用いるこ
とが好ましい。
【0070】次に、本発明の第7の実施の形態につい
て、図12〜図14に基づいて説明する。図12は、本
実施の形態の位置決め装置の要部側面図(図13のY−
Y線での断面で示す)である。図13は、図12のX-X
線での断面図である。図14は、本実施の形態の位置決
め装置の回転止め部分の模式図である。また、本実施の
形態において、第4の実施の形態と同様の部材には同じ
符号を付すこととし、その説明を省略する。
【0071】図12および図13に示すように、本実施
の形態では、内周部に差動排気シール150及び軸受部
170を備えたハウジング171とX軸ステージ109
との間にOリング157が配置されている。また、ハウ
ジング171の外側に円環状の予圧リング193が配置
されており、予圧リング193の内向きフランジ部とX
軸ステージ109との間に、ハウジング171の外向き
フランジ部が挟まれている。また、ハウジング171の
フランジ部の上下2カ所の切り欠き部には2つの圧電素
子191a、191bが配置されており、予圧リング1
93とハウジング171との間に保持されている。ま
た、予圧リング193は、ボルト197、皿ばね19
8、スリーブ199,後述する鋼球195,及びハウジ
ング171のフランジ171aを介してX軸ステージ1
09に固定されている。ハウジング171のフランジ部
171a及び圧電素子191a、191bの前後には、
リング状の保持器192a、192bが配置されてい
る。保持器192a、192bのハウジング171のフ
ランジ部と対向する部分には多数の孔が形成されてお
り、各孔には小径(保持器192a、192bの幅より
も若干大きい)の鋼球195がはめ込まれている。そし
て、予圧リング193とX軸ステージ109との間には
わずかな間隙があり、皿ばね198の弾性力により、ハ
ウジング171のフランジ部には前後から鋼球195に
より予圧を受けた状態で保持されている。又、ボルト1
97にはスリーブ199が挿入される。スリーブ199
の長さは、ボルト197をスリーブ199の端面に当接
するまで締め付け、スリーブ199をボルト197とX
軸ステージ109との間に挟持した状態としたときに、
皿ばね198による予圧が適度な値となるように設定さ
れている。更に、ハウジング171とX軸ステージ10
9との間には、僅かな間隙が設けられている。これらの
予圧リング193のフランジ部、保持器192a、19
2bおよび鋼球195からなるXZ平面案内により、軸
受部170のハウジング171はY方向には動けず、X
Z平面内の微動のみ許される。なお、鋼球195などを
具備した転がり案内に代えて、静圧案内を用いてもよ
い。X軸ステージ110の側も同様の構成である。
【0072】本実施の形態では、圧電素子191a、1
91bが外部から供給された信号に基づいてZ方向に伸
縮する。このとき、圧電素子191aの伸縮量と圧電素
子191bの伸縮量とを符号を逆で同じ大きさに制御す
ることで、圧電素子191a、191bのラジアル方向
の伸縮とOリング157の変形とによってハウジング1
71がラジアル方向(Z軸方向)に微動する。そして、
X軸ステージ109及び110のハウジング171が互
いに逆方向に微動するよう制御することにより、軸部材
130をX軸を中心として、軸部材130とハウジング
171及び軸受172とのすきまの範囲内で回転させる
ことができる。これにより、軸部材130のX軸を中心
としたYZ平面内における傾き角度の微調整を実現する
ことができる。
【0073】また、本実施の形態では、回転止め14
5’において、軸部材130が、2つの腕部196a、
196bを有する微動回転部196に挿入固定されてい
る。腕部196a、196bと回転止め145’に設け
られた開口の上下壁との間には、圧電素子194a、1
94bが配置されている。従って、圧電素子194aの
伸縮量と圧電素子194bの伸縮量とを同じ大きさに制
御することによって、軸部材130のY軸回りの回転角
度を微調整することができる。なお、本実施の形態と前
記第5、または第6の実施の形態とを組み合わせること
により、軸部材130をX軸まわり、Y軸まわりに加
え、Z軸まわりについても微小回転させることが可能と
なる。また、圧電素子191a、191bのいずれか一
方を例えばコイルバネ、ゴム、その他の弾性体と置換え
てもよい。
【0074】更に、複数の鋼球195に代えて、予圧リ
ング193及びX軸ステージ109,110と、ハウジ
ング171の外向きフランジとの間にそれぞれOリング
を挟むようにし、予圧リングは皿ばねを介さず、X軸ス
テージ109,110に固定するようにしても良い。こ
の場合、ハウジング171は、ラジアル方向(Z軸方
向)の微動のみではなく、傾きも変化しうるので、更に
調整可能な範囲を広くできる。
【0075】次に、本発明の第8の実施の形態につい
て、図15に基づいて説明する。図15は、本実施の形
態の位置決め装置に含まれる軸部材の断面図である。ま
た、本実施の形態において、第7の実施の形態と同様の
部材には同じ符号を付すこととし、その説明を省略す
る。
【0076】本実施の形態の位置決め装置は、対向する
圧電素子191a、191b;191c、191dが2
組配置されていると共に、各圧電素子191a、191
b;191c、191dと予圧リング193との間に小
径のボール200a、200b;200c、200dが
配置されている点においてのみ、第7の実施の形態と相
違している。これにより、本実施の形態では、軸部材1
30のX軸を中心としたYZ平面内における傾き角度お
よびZ軸を中心としたXY平面内における傾き角度の微
調整を実現することができる。なお、ボール200a、
200b;200c、200dは、伸縮量が微量なら省
くことができる。また、ボール200a、200b;2
00c、200dの代わりにヒンジを用いることもでき
る。また、2組の圧電素子のそれぞれの組の一方の圧電
素子をコイルバネやその他の弾性体に置き換えてもよ
い。
【0077】
【発明の効果】本発明の位置決め装置は、導入軸が対向
する一対の開口を貫通していることにより、導入軸に作
用する吸引力(或いは反発力)がキャンセルされる。つ
まり、導入軸にスラスト力がまったく作用しないため、
導入軸の駆動装置に余計な負担がかからず移動方向によ
る不均衡さがなくなり、また、導入軸のたわみも抑えら
れる。従って、位置決め精度も向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の位置決め装置の正
面図である。
【図2】図1の軸受部を含む開口付近の詳細図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態の位置決め装置の要
部断面図である。
【図4】本発明の第3の実施の形態の位置決め装置の平
面図および正面図である。
【図5】本発明の第4の実施の形態の位置決め装置の平
面図(一部断面図)である。
【図6】図5に示した位置決め装置の正面図である。
【図7】図5に示した位置決め装置の右側側面図であ
る。
【図8】図5に示した位置決め装置の左側側面図であ
る。
【図9】本発明の第5の実施の形態の位置決め装置の平
面図(一部断面図)である。
【図10】図9の位置決め装置のY軸軸受部の詳細図で
ある。
【図11】本発明の第6の実施の形態の位置決め装置の
側面図である。
【図12】本発明の第7の実施の形態の位置決め装置の
要部側面図である。
【図13】図12のX-X線での断面図である。
【図14】図12に示す位置決め装置の回転止め部分の
模式図である。
【図15】本発明の第8の実施の形態の位置決め装置に
含まれる軸部材の断面図である。
【符号の説明】 20 筐体 22a、22b 孔 30 軸部材 50 差動排気シール 70 軸受部
フロントページの続き Fターム(参考) 2F078 CA01 CB09 CB16 CC02 CC13 3J102 AA02 CA36 EA02 EA13 EA22 GA18 5F031 HA53 HA57 HA58 HA59 HA60 KA06 KA07 KA08 KA10 LA02 MA11 NA04 NA05 NA07 NA13 PA06 PA18 PA23

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに対向する一対の開口、および、前
    記一対の開口を介して外部と連通したプロセス室を有す
    る筐体と、 少なくとも1自由度で移動可能であって、前記プロセス
    室をシールしつつ前記一対の開口を貫通する導入軸とを
    備えてなる位置決め装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007132466A (ja) * 2005-11-11 2007-05-31 Smc Corp 耐モーメント対策静圧気体軸受機構
JP2013096305A (ja) * 2011-11-01 2013-05-20 Denso Corp 排気ガス制御弁、およびその組付方法
CN103968076A (zh) * 2013-01-31 2014-08-06 刘邦健 转子密封结构

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