JP2007132466A - 耐モーメント対策静圧気体軸受機構 - Google Patents

耐モーメント対策静圧気体軸受機構 Download PDF

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Abstract

【課題】変動負荷が作用するロッドを、ダスト発生による清浄度の低下、軸受摩耗の進行を抑制しながら支持するようにした耐モーメント対策静圧気体軸受機構を提供する。
【解決手段】ロッド2をその軸線方向の2個所において支持する第1及び第2の静圧気体軸受31,32を備える。上記第1の静圧気体軸受31は固定支持され、第2の静圧気体軸受32は、可動支持機構34を介して支持される。上記可動支持機構は、上記ロッド2に作用する負荷に応じて、二つの静圧気体軸受に支持されるロッドの表面の一部がそれらの静圧気体軸受と接触するのを抑止する方向に、第1の静圧気体軸受31に対して第2の静圧気体軸受32の軸心を相対的に変位させるアクチュエータ35を備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、変動負荷が作用するロッドのために耐モーメント対策を施した静圧気体軸受機構に関するものであり、更に具体的には、真空環境下や清浄環境下で使用するワークの直線搬送のためのロッドの支持に適する静圧気体軸受機構に関するものである。
真空環境対応が可能な直線搬送装置や、クリーンルーム等の清浄環境下において使用する搬送装置においては、上記搬送のためのロッドを備え、そのロッドの軸受部にすべり軸受やボールブッシュなどの接触支持方式を用い、必要に応じて、その軸受部分のダスト発生に対処するのが一般的である。このように軸受部が接触支持方式の場合には、基本的にダストの発生を防止することができず、しかも、ロッドの駆動速度の上昇に伴ってダストの発生がより増大し、それによって清浄度が低下し、軸受摩耗の進行が著しくなって、装置の耐久性が低下するという問題がある。
このような問題を避けるためには、駆動速度の高速化を制限する必要があり、それによりワーク処理生産性の低下を招くことになる。
一方、ロッドを非接触支持方式の静圧気体軸受で支持することが、従来から極めて一般的に知られている。この非接触支持方式の静圧気体軸受を上述した搬送装置におけるロッドの支持に適用すれば、ダストの発生を極限的に抑止することができ、真空環境下や清浄環境下でワークの搬送の高速化を図ることも可能になる。
しかしながら、ロッドの自重あるいはロッドに作用する外力により、静圧気体軸受で支持するロッドの支持部分にモーメントが作用し、それによってロッドの一部が静圧気体軸受に接触する可能性があり、この場合には、上記接触支持方式の場合と同様な問題が生じることになる。
本発明の技術的課題は、上記の問題を解決し、変動負荷が作用するロッドを、ダスト発生による清浄度の低下、軸受摩耗の進行を抑制しながら支持し、清浄度の低下抑制と駆動速度向上を実現できるようにした耐モーメント対策静圧気体軸受機構を提供することにある。
本発明の他の技術的課題は、真空環境下や清浄環境下で使用するワークの直線搬送のためのロッドの支持に適する静圧気体軸受機構を提供することにある。
本発明の他の技術的課題は、ロッドと軸受の接触によってダストが発生する可能性がある状態を検出し、緊急的にダスト発生を抑制できるようにした静圧気体軸受機構を提供することにある。
上記課題を解決するための本発明の耐モーメント対策静圧気体軸受機構は、ロッドをその軸線方向の2個所において支持する第1及び第2の静圧気体軸受を備え、上記第1の静圧気体軸受が固定支持されると共に、第2の静圧気体軸受が可動支持機構を介して支持されており、上記可動支持機構は、上記ロッドに作用する負荷に応じて、二つの静圧気体軸受に支持されるロッドの表面の一部がそれらの静圧気体軸受と接触するのを抑止する方向に、第1の静圧気体軸受に対して第2の静圧気体軸受の軸心を相対的に変位させるアクチュエータを備えていることを特徴とするものである。
本発明の静圧気体軸受機構の好ましい実施形態においては、上記ロッドが、水平配置の軸線方向に駆動され、先端に作業用器材を有する作業用ロッドであり、上記負荷は、ロッドの軸線方向駆動に伴って変動するロッドの静圧気体軸受から突出する部分の重量、及び/または、上記作業用器材に作用する外力に基づくモーメントであって、それらを上記ロッドの駆動プログラムに応じて演算したものであり、第2の静圧気体軸受に、その演算結果に基づいて上記アクチュエータを駆動する制御装置を備えているものとして構成される。
本発明の静圧気体軸受機構の他の好ましい実施の形態においては、上記第2の静圧気体軸受を支持する可動支持機構のアクチュエータは、その静圧気体軸受を支持する受圧部材を備え、上記制御装置は、それにより制御される圧力調整弁からその受圧部材の両面側に給排される空気圧力のバランスにより、静圧気体軸受を制御位置に変位させる機能を有しているものとして構成される。
また、本発明の静圧気体軸受機構の一つの実施形態として、上記第1の静圧気体軸受の両端部に、ロッドとの接触を検出する接触検出器を設け、ロッドの駆動を制御する制御装置に、その接触検出器により検出したロッドの接触信号に基づいて、ロッドの駆動停止または上記接触に基づいて発生するダストの排除動作を行う制御機能を持たせることができる。
上記本発明の静圧気体軸受機構は、上記ロッドを、真空環境下または清浄環境下で使用するワークの直線搬送のためのロッドとすることができる。
上記構成を有する本発明の静圧気体軸受機構においては、ロッドの軸線方向駆動に伴って該ロッドの静圧気体軸受から突出する部分の重量が変化し、あるいは、ロッドの先端の作業用器材に外力等が作用することが分かっていれば、それらに基づくモーメントが予め制御装置における演算によって得られるので、その演算結果に基づいて上記第2の静圧気体軸受のアクチュエータを駆動することにより、即ち、制御装置によって制御される圧力調整弁から、第2の静圧気体軸受を支持する受圧部材の両面側に必要な空気圧力を給排して、第2の静圧気体軸受の軸心に必要な変位を与えることにより、二つの静圧気体軸受に支持されるロッドの表面の一部がそれらの静圧気体軸受と接触するのを避けることができる。
従って、ロッドにおけるモーメント発生時に軸支持能力が大幅に減少する静圧気体軸受特性に対し、第2の静圧気体軸受の可動支持機構におけるアクチュエータを介して、発生モーメント相殺負荷を印加することになり、それにより、静圧気体軸受支持能力の低減特性を回避し、軸受支持能力を大幅に低下させることなく、静圧気体軸受機構によるロッドの非接触支持が可能となる。
また、上記第1の静圧気体軸受の両端部に、ロッドとの接触を検出する接触検出器を設け、ロッドの駆動を制御する制御装置に、その接触検出器により検出したロッドの接触信号に基づいてロッドの駆動制御機能を持たせれば、真空環境あるいは清浄環境へのダストの侵入を防止することができる。
以上に詳述したように、本発明の静圧気体軸受機構によれば、変動負荷が作用するロッドを、ダスト発生による清浄度の低下、軸受摩耗の進行を抑制しながら支持し、清浄度の低下抑制と駆動速度向上を実現することができ、真空環境下や清浄環境下で使用するワークの直線搬送のためのロッドの支持に適する静圧気体軸受機構を得ることができる。また、ロッドと軸受の接触によってダストが発生する可能性がある状態を検出し、緊急的にダスト発生を抑制できるようにすることができる。
図1は、本発明に係る静圧気体軸受機構を真空用搬送装置に適用した実施の一例を示している。
同図から分かるように、上記真空用搬送装置は、概略的には、半導体の製造等に供する真空プロセスチャンバー1に対してワークの出し入れ等を行う水平駆動の搬送用ロッド2を備え、該ロッド2の先端にトレー(図示省略)を取り付けて、該ロッド2をその軸線方向に駆動するようにしたもので、水平配置の上記ロッド2を支持するための本発明に係る静圧気体軸受機構3と、上記ロッド2をその軸線方向に駆動する駆動機構5と、該駆動機構5の駆動軸と上記ロッド2を連結するフローティング継ぎ手6と、ロッド2の回転を抑制する回転抑制機構7とを備えている。
上記ロッド2を含むその駆動系は、上記プロセスチャンバー1と連通して真空系を構成するロッド収容筒部20内に配置され、それらが外部環境から隔離されている。
更に具体的には、上記ロッド2と、それに連結された回転抑制機構7における筒部内収容部材と、フローティング継ぎ手6と、駆動機構5における内部移動体52等は、以下に説明する支持ブロック10、軸受ハウジング11、チューブ51等の内部に形成されているロッド収容筒部20内にある。
なお、ここでは、上記ロッド2を、その先端に上記トレーを取り付けて軸線方向に駆動し、ワークを搬送するようにしたものとして説明するが、該ロッド2は、ワークの搬送用ばかりでなく、該ロッド2の先端に各種作業用器材を設けて、任意の作業用ロッドとすることもできる。
上記ロッド2を支持する静圧気体軸受機構3は、図2に明瞭に示すように、ロッド2をその軸線方向の間隔を置いた2個所で支持する第1及び第2の静圧気体軸受31,32を備えている。上記第1の静圧気体軸受31は、それ自体が固定支持されたものであり、すなわち、図示しない基台上に設置された第2の静圧気体軸受32の支持ブロック10から、第1の静圧気体軸受31側に軸受ハウジング11が突設され、この軸受ハウジング11内に、軸受部材31aを収容することにより、第1の静圧気体軸受31が構成されている。
上記軸受部材31aは、多孔または多孔質材料からなり、ロッド2との間に微少間隙を介在させて、その間隙に形成される空気層を介してロッド2を非接触で支持するようにしたものであり、上記軸受ハウジング11内には上記空気層を形成するための圧縮空気を送給する送気口12を設けている。
また、上記軸受ハウジング11内における軸受部材31aのチャンバー1側に、上記送気口12から送給した空気を吸引排出するための吸引口13を開設している。
この吸引口13において適切な吸引を行わなければ、第1の静圧気体軸受31において送気口12から供給する空気がプロセスチャンバー1内に流入し、該チャンバー1内の真空維持が困難になる。そのため、プロセスチャンバー1と吸引口13内とを微少通気断面で連通させ、吸引口13の部分は、そこに接続される真空ポンプにより、第1の静圧気体軸受31からチャンバー1内へ空気が流入するのを抑止できるように、上記チャンバー1内の圧力よりも若干低く設定される。その結果、プロセスチャンバー1内の真空維持が可能となり、しかも、上記吸引口13からの排気によりプロセスチャンバー内へのダスト流入防止による清浄度確保が可能となる。また、この吸引口13からの吸引は、上記プロセスチャンバー1の真空度確保と同時に、第1の静圧気体軸受31から空気を排出しながらも軸受背圧を確保し、ロッドの非接触支持を可能にするものであることが必要である。
一方、上記第2の静圧気体軸受32は、上記第1の静圧気体軸受31のプロセスチャンバー1とは反対の側において、上記支持ブロック10内に形成した軸受室10a内に、軸受部材32aを収容した軸受ハウジング33を、可動支持機構34を介して上下に可動に支持させることにより構成している。
軸受ハウジング33内に収容された軸受部材32aは、前記第1の静圧気体軸受31における軸受部材31aと同様に、多孔または多孔質材料からなり、ロッド2との間に微少間隙を介在させて、その間隙に形成される空気層を介してロッド2を非接触で支持するものである。
上記可動支持機構34は、上記ロッド2に作用する変動負荷(モーメント)に応じて、第1及び第2の静圧気体軸受31,32に支持されるロッド2の表面の一部が、それらの静圧気体軸受31,32における軸受部材31aまたは32aと接触するのを抑止する方向に、第1の静圧気体軸受31に対して第2の静圧気体軸受32の軸心を相対的に変位させるもので、その変位のためのアクチュエータ35を備えている。
更に具体的に説明すると、上記第2の静圧気体軸受32の軸受ハウジング33は、その上面に連結した連結部材36の周囲を、ベローズからなる可動シール部材37で支持ブロック10内の軸受室10aにおける上部開口の周囲に吊下することにより、該可動シール部材37の外側の軸受室10a内空間を外部から隔離し、該軸受室10aの内底に開口させた吸引口15によりその空間を真空ポンプに接続するようにしている。
また、上記連結部材36は、その中央に送気口38を設けて、それを軸受ハウジング33の開口を通して軸受部材32aの周囲に連通させ、上記送気口38を通して、軸受部材32aとロッド2の表面との間に空気層を形成するための圧縮空気を送給するようにしている。送気口38を通して軸受部材32a内に供給され、軸受室10a内に排出された圧縮空気は、上記吸引口15から吸引排出されるが、この空気の排出を行いながらも軸受背圧を確保し、ロッド2の非接触支持を可能にするための圧力関係を保持させることが必要である。
上記支持ブロック10上には、上述したように、第2の静圧気体軸受32の軸心を変位させるための可動支持機構34を構成する上記アクチュエータ35を設けている。このアクチュエータ35は、上記支持ブロック10上に固定された収容ボディ40内に、受圧部材としてのダイヤフラム41で上下に区画された圧力室42a,42bを備え、該ダイヤフラム41に固定板43a,43bを介して立設したダイヤフラム軸44a,44bを収容ボディ40にシールを介して摺動自在に支持させ、それらのダイヤフラム軸44a,44b内には、上記連結部材36に設けた送気口38に連通する通孔45a,45bを設けて、外部に導出するダイヤフラム軸44aの先端には、圧縮空気の供給源に接続するための継ぎ手46を連結し、また、上記軸受ハウジング33側に延びるダイヤフラム軸44bは、その先端を上記連結部材36に立設した凸軸部36aに連結している。更に、上記ダイヤフラム41で区画された収容ボディ40内の圧力室42a,42bは、それぞれ、管継ぎ手47a,47bを介して、制御装置によって制御された流体圧を出力する圧力調整弁に接続している。
従って、上記可動支持機構34によれば、圧力調整弁から出力される流体圧により上記アクチュエータ35のダイヤフラム41が上下に駆動され、そのダイヤフラム41の両面側に給排される空気圧力のバランスにより、そのダイヤフラム41に連結したダイヤフラム軸44a,44b及び連結部材36を介して、軸受ハウジング33が上下方向の制御された位置に変位することになる。
なお、上記アクチュエータ35は、ロッド2に作用するモーメント量に応じて第2の静圧気体軸受32の軸心を調整できるものであればよく、そのため、上記受圧部材としては、ダイヤフラム41だけでなく、ピストンの両側に制御された流体圧力を作用させるシリンダ等を用いることもできる。
このように、上記軸受部材32aを収容した軸受ハウジング33は、ダイヤフラム41にダイヤフラム軸44a,44b及び連結部材36を介して支持されると共に、ベローズからなる可動シール部材37によっても支持されているが、上記可動シール部材37としてはバネ定数が非常に小さいものを使用するため、その支持作用は非常に小さいものであり、結果的に上記軸受ハウジング33は可動支持機構34によってその位置を制御されることになる。なお、喩えベローズにより軸受ハウジング33に推力が作用したとしても、それは上記アクチュエータ35の力で相殺することができる。
上記制御装置は、ロッド2に作用する負荷(モーメント)に応じて、前記圧力調整弁によりアクチュエータ35における圧力室42a,42bに必要な流体圧を供給するように制御するためのものである。上記ロッドに作用する負荷とは、ロッド2の軸線方向駆動に伴って変動するロッド2の静圧気体軸受31からプロセスチャンバー1側に突出する部分の重量や、ロッド2の先端に取り付けた作業用器材に作用する外力に基づくモーメントであって、それらを制御装置における上記ロッド2の駆動プログラム、例えば、制御装置において予め駆動機構5における内部移動体52の移動位置や、ロッド2の先端に負荷される外力に応じて演算したモーメントであり、第2の静圧気体軸受32は、その演算結果に基づいて上記アクチュエータ35が駆動されるものである。
この駆動は、二つの静圧気体軸受31,32に支持されるロッド2の表面の一部がそれらの静圧気体軸受31,32における軸受部材31a,32aと接触するのを抑止する方向に、第1の静圧気体軸受31に対して第2の静圧気体軸受32の軸心を相対的に変位させるもので、具体的には、例えば、ロッド2軸線方向に駆動されてプロセスチャンバー1側に突出することにより、それに作用する上記モーメントが大きくなるときには、可動支持機構34により軸受ハウジング33を押し下げる方向に変位させることになる。
また、図2及び図3に示すように、前記第1の静圧気体軸受31には、ロッド2の接触検出機構17を設けている。
この接触検出機構17は、ロッド2と一定のクリアランスを有する軸受部材31aの両端部に、ロッド2との接触を検出する接触検出器として、該ロッド2が傾動して接触したときに電気的に導通される伝導体18,18を配設し、電源19から通電端子19aを介して、それらの伝導体18,18とロッド2との間に電圧を印加して、制御装置においてそれらの接触による電圧変化から接触検出を行い、接触検出機構17によるロッドの接触信号に基づいて、必要な対応動作、例えば、ロッド2の駆動停止または上記接触に基づいて発生するダストの排除動作を行わせるものである。
なお、上記接触検出器における接触検出を行う制御装置としては、前述した第2の静圧気体軸受32の軸心を変位させるための制御装置と共通のものを用い、あるいは、別異の制御装置を用いることもできる。
上記ロッド2をその軸線方向に直線駆動する前記駆動機構5としては、任意駆動機構を利用することができるが、ここでは、マグネットカップリング式のものを用いている。このマグネットカップリング式の駆動機構5は、図1及び図4に示すように、支持部材50に支持されて、前記ロッド収容筒部20の一部を形成するチューブ51内に、前記内部移動体52を収容すると共に、そのチューブ51外側に、上記内部移動体52と磁気的に結合する外部移動体56を設けている。
上記内部移動体52及び外部移動体56は、それぞれの移動体の軸線方向に着磁されたリング状のマグネット53a,57aと、リング状のヨーク53b,57bとを交互に積層してそれらを結合することにより構成した本体部53,57を備え、内部移動体52は、その本体部53における軸方向両端部にチューブ51の内面に沿って転動する転動子54を、該チューブ内面との間のクリアランスを調整自在に配設して、上記本体部53をチューブ51内周面に対して非接触で移動可能とし、また、上記外部移動体56は、外部に配置した適宜駆動手段でその軸線方向に駆動するように構成される。この駆動手段は、平均駆動速度を最大化するショックレスアクチュエータを用いることが望まれる。
なお、上記マグネットカップリング式の駆動機構5に代えて、例えば、ピストンを直線駆動するようにしたシリンダを用いることもできる。また、上記マグネットカップリング式の駆動機構5を含むこれらの駆動機構5において、一部にダストが発生する可能性がある場合には、この駆動機構5の近辺においてそのダストを含む気体を真空排気するように構成することもできる。
上記駆動機構5における内部移動体52は、その本体部53から軸方向に突出する駆動軸55を備え、この駆動軸55と上記ロッド2との間をフローティング継ぎ手6で連結している。
このフローティング継ぎ手6は、図5に詳細に示すように、駆動機構5の駆動軸55に連結される連結部材61と、該連結部材61の軸線に対して直交する平行移動板63が、リテーナに保持されたボール64によって平行移動自在に保持されていて、該平行移動板63に連結することにより軸線が上記連結部材61に対して平行移動する平行移動軸62と、該平行移動軸62における揺動軸保持部62aにボール部65aを回動自在に保持させることにより、該平行移動軸62に対して揺動自在に連結した揺動軸65とを備えたものである。この揺動軸65は、ロッド2の端部に連結されている。
上記駆動機構5の駆動軸55とロッド2との間にこのようなフローティング継ぎ手6を介在させることにより、静圧気体軸受に支持されるロッド2と機械的に拘束される駆動機構5における駆動軸55の軸線のずれを吸収させることができるが、その必要がなければこのフローティング継ぎ手を省略することもできる。
また、ロッド2には、その回転を抑制する回転抑制機構7を備えている。
この回転抑制機構7は、図6及び図7に示すように、ロッド2における中空軸部分71内に配置されて該ロッド2と一体的に回転するように端部が該ロッド2に連結されたスプラインシャフト72と、該シャフト72にその軸線方向に摺動自在で回転方向には拘束されるように嵌挿され、周方向に複数の磁石73aを配した内部磁石73と、上記中空軸部分71の外側において、前記第2の静圧気体軸受32における支持ブロック10と駆動機構5における支持部材50との間に固定的に配置された筒状ハウジング75に固定され、周方向に上記内部磁石73の各磁石73aと対応する複数の磁石74aを有する外部磁石74とで構成されたものである。
従って、駆動機構5によってロッド2がその軸線方向に駆動されても、外部磁石74とそれに対応する位置にスプラインシャフト72上を移動する内部磁石73との磁力結合により、ロッド2の回転が抑制している。
このように、外部磁石74をロッド2の中空軸部分71に接触させることなく該外部磁石74の位置を固定することにより、非接触式でロッド2の回転抑制が可能となるが、上記外部磁石74をロッド2の中空軸部分71の周囲で回転させるように構成すると、プロセスチャンバー1内でワークの反転等を行わせることも可能になる。
上記実施例では、ロッドの回転抑制機構7として内部磁石73及び外部磁石74の磁気結合を利用した構成を示しているが、本発明における回転抑制機構7は、かかる構成に限られるものではなく、例えば、ロッド2の一部の偏心位置にウエイトを付設するなど、望ましくはダストを発生しないことを前提とした各種回転抑制の機構を採用することができる。
また、上記本発明の静圧気体軸受機構は、上記ロッド2を、真空環境下において使用する真空用搬送装置に適用する場合について説明したが、清浄環境下で使用するワークの直線搬送のためのロッドとすることができる。
本発明に係る静圧気体軸受機構を備えた真空用搬送装置の実施例の全体的な構成を示す縦断面図である。 上記実施例における静圧気体軸受機構の制御系を含む縦断面図である。 上記静圧気体軸受機構における接触検出器の部分拡大縦断面図である。 上記実施例における駆動機構の構成を示す部分拡大縦断面図である。 上記実施例におけるフローティング継ぎ手の構成を示す部分拡大縦断面図である。 上記実施例における回転抑制機構の構成を示す部分拡大縦断面図である。 図6におけるA−A位置での断面図である。
符号の説明
2 ロッド
3 静圧気体軸受機構
5 駆動機構
17 接触検出機構
31 第1の静圧気体軸受
32 第2の静圧気体軸受
35 アクチュエータ

Claims (5)

  1. ロッドをその軸線方向の2個所において支持する第1及び第2の静圧気体軸受を備え、
    上記第1の静圧気体軸受が固定支持されると共に、第2の静圧気体軸受が可動支持機構を介して支持されており、
    上記可動支持機構は、上記ロッドに作用する負荷に応じて、二つの静圧気体軸受に支持されるロッドの表面の一部がそれらの静圧気体軸受と接触するのを抑止する方向に、第1の静圧気体軸受に対して第2の静圧気体軸受の軸心を相対的に変位させるアクチュエータを備えている、
    ことを特徴とする耐モーメント対策静圧気体軸受機構。
  2. 上記ロッドが、水平配置の軸線方向に駆動され、先端に作業用器材を有する作業用ロッドであり、
    上記負荷は、ロッドの軸線方向駆動に伴って変動するロッドの静圧気体軸受から突出する部分の重量、及び/または、上記作業用器材に作用する外力に基づくモーメントであって、それらを上記ロッドの駆動プログラムに応じて演算したものであり、
    第2の静圧気体軸受には、その演算結果に基づいて上記アクチュエータを駆動する制御装置を備えている、
    ことを特徴とする請求項1に記載の耐モーメント対策静圧気体軸受機構。
  3. 上記第2の静圧気体軸受を支持する可動支持機構のアクチュエータは、その静圧気体軸受を支持する受圧部材を備え、上記制御装置は、それにより制御される圧力調整弁からその受圧部材の両面側に給排される空気圧力のバランスにより、静圧気体軸受を制御位置に変位させる機能を有している、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の耐モーメント対策静圧気体軸受機構。
  4. 第1の静圧気体軸受の両端部に、ロッドとの接触を検出する接触検出器を設け、
    ロッドの駆動を制御する制御装置に、その接触検出器により検出したロッドの接触信号に基づいて、ロッドの駆動停止または上記接触に基づいて発生するダストの排除動作を行う制御機能を持たせた、
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の耐モーメント対策静圧気体軸受機構。
  5. 上記ロッドが、真空環境下または清浄環境下で使用するワークの直線搬送のためのロッドである、
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の耐モーメント対策静圧気体軸受機構。
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