JP2002313548A - 調理器および調理器用トッププレート - Google Patents

調理器および調理器用トッププレート

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JP2002313548A
JP2002313548A JP2001110949A JP2001110949A JP2002313548A JP 2002313548 A JP2002313548 A JP 2002313548A JP 2001110949 A JP2001110949 A JP 2001110949A JP 2001110949 A JP2001110949 A JP 2001110949A JP 2002313548 A JP2002313548 A JP 2002313548A
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Japan
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cooker
aqueous emulsion
top plate
water
och
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JP2001110949A
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English (en)
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Naoko Ubukawa
直子 生川
Shigeki Kawase
茂樹 河瀬
Akihiro Umeda
章広 梅田
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Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C17/00Surface treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by coating
    • C03C17/28Surface treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by coating with organic material
    • C03C17/30Surface treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by coating with organic material with silicon-containing compounds

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
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  • Organic Chemistry (AREA)
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  • Surface Treatment Of Glass (AREA)
  • Materials Applied To Surfaces To Minimize Adherence Of Mist Or Water (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた防汚性を有する調理器および調理器用
トッププレートを提供すること。 【解決手段】 界面活性剤の存在下で生成したフルオロ
カーボンシラン加水分解物と、シリケートとを含有する
水性エマルジョンのpHを調整した後、基材である結晶化
ガラスに塗布乾燥して、表面に耐熱性撥水コーティング
層を形成する。これによって、トッププレート2の耐熱
防汚性が優れたものとなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、調理器および調理
器用トッププレートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】電磁誘導加熱式調理器や、発熱体から放
射される赤外線によって加熱する電熱式調理器、ガステ
ーブルなどの加熱調理器のトッププレートとして、結晶
化ガラスが広く用いられている。たとえば、電磁誘導加
熱式調理器は、図1に示すようにトッププレート2上に
設置した金属なべ3を電磁誘導加熱で加熱して調理する
調理機器である。このような調理器のトッププレートに
は調理中にさまざまな汚れがこびりつく。この中でも油
汚れ、砂糖醤油の汚れなどが焼きつくとトッププレート
に強固にこびりつき、除去するのが困難になる。
【0003】そこで、フッ化アルキル鎖を含む分子をト
ッププレートに共有結合させ、撥水・撥油性の薄膜をト
ッププレートの表面に形成することにより、付着した汚
れを簡単に除去できるようにする方法が考えられていた
(特開平4−194266号公報)。
【0004】また、ガラス基材の表面に撥水・撥油性を
提供することができるシラン含有水溶液について種々の
提案がなされている。ガラス基板表面に撥水性の透明被
膜を形成し、撥水性ガラスを製造するためにSi(O
R)2で表されるシリコンアルコキシドと、アルコキシ
ル基の一部がフルオロアルキル基で置換された置換シリ
コンアルコキシドと、アルコールと、水と、酸または塩
基とを混合した溶液を用いる方法が開発されている(特
開平4−338137号公報)。
【0005】また、特別なキュアリング操作を必要とせ
ずに、基材に撥水撥油性を提供することができる、優れ
た加水分解性アルコキシシラン化合物のエマルジョンが
開発されている(米国特許第5,550,184号公
報)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、フッ化
アルキル鎖を含む分子をトッププレートに共有結合させ
る方法では、耐熱性が低いという問題点があった。これ
は、一般に調理器のトッププレートに使用される結晶化
ガラスは熱衝撃と機械的強度に優れているが、結晶化を
促進するためにリチウムイオンなどのアルカリイオンが
含まれている。トッププレートは、調理中300℃以上
の温度になる場合もあり、このような高温状態では結晶
化ガラス内部のアルカリイオンが表面に拡散して薄膜の
Siと結合している酸素の部分に上記アルカリイオンが
アタックしてSiと酸素との共有結合が切れてしまい、
薄膜がはがれてしまうためである。
【0007】また、ガラス基材の表面に撥水・撥油性コ
ーティング膜を提供することができるシラン含有水溶液
においては、一部がフルオロアルキル基で置換されたシ
リコンアルコキシドはアルコール/水系の溶媒に溶けに
くいため、濃度を高くすることができないという問題が
ある。さらに、この水溶液は、シリコンアルコキシドと
アルコールを含有する溶液に酸または塩基が含有されて
いるために、反応が時間とともに進行して粘度が上昇し
てしまうことから、その貯蔵性が良くないという問題も
ある。さらにまた、アルコールを使用するという点で環
境に良くないという問題もある。
【0008】そこで本発明はこれら上記課題を解決する
もので、トッププレートに、より優れた撥水性および耐
熱性のコーティング層を有する調理器および調理器用ト
ッププレートを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明の調理器および調理器用トッププレートは、ト
ッププレートを構成する結晶化ガラス表面に、pHを調整
したフルオロカーボンシラン加水分解物含有水性エマル
ジョンを塗布して耐熱性撥水コーティング層を形成した
ものである。
【0010】これによって、ガラス表面に油などの汚れ
がこびりつくことを防止できるだけでなく、結晶化ガラ
ス中に含有されるアルカリイオンに起因する撥水・撥油
性コーティング膜のはがれを防止できる。
【0011】
【発明の実施の形態】請求項1に記載の発明はトッププ
レートが主に結晶化ガラスから構成される調理器および
調理器用トッププレートにおいて、前記結晶化ガラス表
面にフッ化炭素基を含む分子が共有結合した撥水・撥油
性のコーティング膜が形成されていることによって、優
れた防汚性、耐焦げ付き性、撥水・撥油性を発揮する。
【0012】請求項2に記載の発明は、撥水・撥油性の
コーティング膜を Rf−(CH2p−Si{−(O−CH2CH2n−OR'}3(1) (Rfは炭素原子が3〜18個のパーフルオロアルキル
基またはそれらの混合物であり、複数のR’は炭素原子
が1〜3個の同一のもしくは異なるアルキル基であり、
p=2〜4、およびn=2〜10である)により表され
る少なくとも1種のフルオロカーボンシランから界面活
性剤の存在下で生成された加水分解物と、 Si−R4(2) (RはOCH3、OCH2CH3,および(OCH2
2mOCH3(m=1〜10)からなる群から選択さ
れる1または2以上の基である)により表されるシリケ
ートと、を含有する水性エマルジョンを結晶化ガラス基
材の表面に塗布乾燥して形成した耐熱撥水コーティング
層とすることにより、結晶化ガラスに含まれるアルカリ
イオンの影響を受けにくく、耐熱性に優れているので焦
げ付きなども効果的に防止できる。また、強度に優れて
いるので傷付きにくく、鍋底などの接触による傷付きな
どが低減される。
【0013】請求項3に記載の発明は、撥水・撥油性の
コーティング膜を、水性エマルジョン中のフルオロカー
ボンシランの含有量が0.1〜20wt%であり、前記フ
ルオロカーボンシランに対するシリケートのモル分率が
0.3〜10であり、前記フルオロカーボンシランとそ
の加水分解物を生成するために使用される界面活性剤と
の重量比が1:1〜10:1であり、かつ該水性エマル
ジョンのpHを7以上に調整したフルオロカーボンシラン
加水分解物含有水性エマルジョンを結晶化ガラス基材の
表面に塗布乾燥して形成した耐熱撥水コーティング層と
することにより、安定した水性エマルジョンをコーティ
ングすることができる。
【0014】請求項4に記載の発明は、撥水・撥油性の
コーティング膜を Rf−(CH2p−Si{−(O−CH2CH2n−OR'}3(1) (Rfは炭素原子が3〜18個のパーフルオロアルキル
基またはそれらの混合物であり、複数のR’は炭素原子
が1〜3個の同一のもしくは異なるアルキル基であり、
p=2〜4、およびn=2〜10である)により表され
る少なくとも1種のフルオロカーボンシランから C919−C64−O−(CH2CH2O)50−H(3) により表されるノニオン系界面活性剤の存在下で生成さ
れた加水分解物と、 Si−R4(2) (RはOCH3、OCH2CH3,および(OCH2
2mOCH3(m=1〜10)からなる群から選択さ
れる1または2以上の基である)により表されるシリケ
ートと、を含有する水性エマルジョンを結晶化ガラス基
材の表面に塗布乾燥して形成した耐熱性撥水コーティン
グ層とすることにより、結晶化ガラスに含まれるアルカ
リイオンの影響を受けにくく、耐熱性に優れているので
焦げ付きなども効果的に防止できる。また、強度に優れ
ているので傷付きにくく、鍋底などの接触による傷付き
などが低減される。
【0015】請求項5に記載の発明は、撥水・撥油性コ
ーティング膜を、水性エマルジョン中のフルオロカーボ
ンシランの含有量が0.1〜20wt%であり、前記フル
オロカーボンシランに対するシリケートのモル分率が
0.3〜10であり、前記フルオロカーボンシランとそ
の加水分解物を生成するために使用される界面活性剤と
の重量比が1:1〜10:1であり、かつ該水性エマル
ジョンのpHを4以上に調整したフルオロカーボンシラン
加水分解物含有水性エマルジョンを結晶化ガラス基材の
表面に塗布乾燥して形成した耐熱性撥水コーティング層
とすることにより、安定した水性エマルジョンをコーテ
ィングすることができる。
【0016】
【実施例】本発明の実施例を図面及び表に基づいて説明
する。
【0017】本発明の耐熱性撥水コーティング層を形成
する水性エマルジョンにおいて、加水分解性アルコキシ
シラン化合物は、 Rf−(CH2p−Si{−(O−CH2CH2n−OR'}3(1) で表され、Rfは炭素原子が3〜18個のパーフルオロ
アルキル基またはそれらの混合物であり、複数のR’は
炭素原子が1〜3個の同一のもしくは異なるアルキル基
であり、p=2〜4、およびn=2〜10であるフルオ
ロカーボンシランが用いられる。好ましくは、Rfは平
均で8〜12個の炭素原子を有する混合されたパーフル
オロアルキル基であり、R’はメチルであり、p=2、
およびn=2〜4である。さらに好ましくはn=2〜3
である。nが2であるとき、好ましいフルオロカーボン
シラン加水分解物は、パーフルオロアルキルエチルトリ
ス(2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)シランの
加水分解物であり、nが3であるとき、好ましいフルオ
ロカーボンシラン加水分解物は、パーフルオロアルキル
エチルトリス(2−(2−メトキシエトキシ)エトキ
シ)シランの加水分解物である。2種以上のフルオロカ
ーボンシランを混合して使用してもよい。
【0018】また、本発明の水性エマルジョンは、耐熱
性を向上させるために、前記フルオロカーボンシランの
加水分解物と共重合する成分を含有する。水中で加水分
解し、溶化するという点から、本発明では、 Si−R4(2) で表され、RはOCH3、OCH2CH3,および(OC
2CH2mOCH3(m=1〜10)からなる群から選
択される1または2以上の機であるシリケートが用いら
れる。油溶性のSi(OCH34またはSi(OCH2
CH34を水に溶解させることは、従来、水/アルコー
ル系のみで行われていたが、通常、3時間以上攪拌する
ことにより水でも加水分解し、溶解される。加水分解さ
れたフルオロカーボンシラン水性エマルジョンとの攪拌
時間を短縮でき簡易に調整できるという観点より、Si
−{(OCH2CH2mOCH34(m=1〜3)で表
される水溶性のシリケートがより好ましく、Si−
{(CH2CH22OCH34で表される水溶性のシリ
ケートが特に好ましい。
【0019】本発明の水性エマルジョンにおいて使用さ
れる界面活性剤は安定なフルオロカーボンシラン加水分
解物を形成する。エマルジョンは、全体的に加水分解さ
れた状態にアルコキシシランを保ち、そしてその加水分
解されたアルコキシシラン化合物の自己縮合を抑制する
のに十分に高いHLB値を有する有効量の界面活性剤の
存在化で、水中で加水分解可能なアルコキシシランを乳
化することにより得られる。本発明において使用可能な
界面活性剤は、アニオン型、カチオン型、非イオン型、
および両性型から選択することができる。好ましい界面
活性剤は、HLBの値が12より大きく、さらに好まし
くは16より大きいものである。12から16のHLB
値を有する界面活性剤を使用する場合には、安定なエマ
ルジョンとするために、通常、非常に多量の界面活性剤
を配合しなければならない。上記のHLB値を満足すれ
ば、相溶性の2種以上の界面活性剤を混合して用いても
よい。
【0020】具体的には、Rf−FH2CH2−O−(C
2CH2O)11−H、C919−C64−O−(CH2
2O)50−Hなどのノニオン系界面活性剤、Rf−CH
2CH2SCH2CH(OH)CH2N(CH33+Cl-
などのカチオン系界面活性剤、C1225(OCH2
24OSO3 -NH4 +、C1227−C64−SO3 -Na
+などのアニオン系界面活性剤をあげることができる。
fはパーフルオロアルキル基であり、通常、3〜18
個の炭素原子を有する。界面活性剤は水性エマルジョン
を基材に塗布して乾燥した後には熱エージングによっ
て、界面活性剤の化学構造の中、少なくとも親水部分の
構造は通常失われるが、より短時間の熱エージングで失
われるような親水部分を有するものが好ましい。ポリエ
チレングリコールの親水部分は、乾燥により分解して短
時間で消失することから、具体的には界面活性剤の分子
鎖中にポリエチレングリコールを有するノニオン系界面
活性剤などが挙げられる。
【0021】水性エマルジョン中のフルオロカーボンシ
ランの含有量は、少なくとも0.1wt%、好ましくは2
〜20wt%、さらに好ましくは7〜15wt%である。
0.1wt%より少ないと撥水性が不充分であり、20wt
%より多くなると水性エマルジョンの安定性が得られに
くい。フルオロカーボンシランに対するシリケートのモ
ル分率は、0.3〜10である。モル分率が0.3より
小さいと、コーティング層の耐熱性が不充分であり、一
方、10より大きいと、水性エマルジョンがゲル化して
しまいコーティング層の耐熱性がそこなわれてしまう。
水性エマルジョンの取り扱いやすさという点から、安定
な水性エマルジョンを得るためには、フルオロカーボン
シランに対するシリケートのモル分率が0.3〜5であ
ることが好ましく、0.4〜2がさらに好ましい。水性
エマルジョン中のフルオロカーボンシランとその加水分
解物の形成に使用される界面活性剤との重量比は、1:
1〜10:1であり、好ましくは10:2〜10:5で
あり、さらに好ましくは10:3である。界面活性剤の
割合が低すぎると水性エマルジョンを安定に保つことが
できず、割合が高すぎると乾燥後も親水性基が基材上に
残りやすく、良好な撥水性を提供することができない。
【0022】また、コーティング層が350℃で5時間
経過後も撥水性を保つような耐熱性にするためには、水
性エマルジョンのpHをアルカリ性に調整する必要があ
る。pHの値が高いほど、耐熱性は向上し、pHを11以上
に調整することが好ましい。ただし、フルオロカーボン
シランの加水分解物を形成させるために界面活性剤とし
て、 C919−C64−O−(CH2CH2O)50−H (3) により表されるノニオン系界面活性剤を用いた場合に
は、水性エマルジョンのpHを4以上に調整することによ
り耐熱性撥水コーティング層が得られる。なお、pHの調
整はアンモニア水などの適当なアルカリを用いて行う。
本発明の水性エマルジョンは、顔料、殺生物剤、紫外線
吸収剤、および酸化防止剤などの添加剤を、水性エマル
ジョンの特性およびコーティング層の耐熱性に影響を及
ぼさない範囲で含有することができる。
【0023】基材への水性エマルジョンの塗布は、ディ
ッピング法、スプレー法、スピンコート法など公知の方
法により行う。ガラス基材に塗布する場合には、透明性
を損なわないという点でディッピング法が好ましい。乾
燥工程を促進するために、過熱してもよい。通常、乾燥
は100〜300℃の温度範囲で1〜24時間にわたり
行われる。水性エマルジョンを塗布乾燥した基材は、必
要に応じて、乾燥後水で洗浄し、残留している界面活性
剤を除去する。
【0024】本発明の調理器および調理器用トッププレ
ートは、トッププレートの下方に設けられたコイルが磁
力線を発することによって調理面上に載置された調理容
器を加熱する電磁誘導過熱式調理器や、トッププレート
の下方に設けられたハロゲンヒータやニクロムヒータな
どの発熱体から放射される赤外線によって調理面上の被
加熱物を過熱する電熱式調理器、ガステーブルのトップ
プレートなど、結晶化ガラスで構成されるトッププレー
トを有する調理器に使用可能である。
【0025】以下、本発明を実施例をあげて説明する
が、本発明は本実施例のみに限定されるものではない。
以下の実施例および比較例において使用された水性エマ
ルジョンは、水に界面活性剤を溶解し、ついで撹拌しな
がらフルオロカーボンシランをゆっくりと添加し、フル
オロカーボンシランの自己縮合を抑制し加水分解された
状態に保ち、さらに他の成分を添加することにより調整
した。
【0026】(実施例1〜3)使用したフルオロカーボ
ンシラン加水分解物は、Rf−(CH22−Si{−
(O−CH2CH22−OCH3}で表されるものであ
る。RfはF(CF2kCH2CH2(k=6、1〜2wt
%;k=8、62〜64wt%;k=10、23から30
wt%、;k=12〜18、2〜6wt%)で表されるパー
フルオロアルキルの混合物である。界面活性剤は、Rf
−FH2CH2−O−(CH2CH2O) 11−Hで表され
るノニオン系界面活性剤を用いた。水性エマルジョン中
の含有量は、フルオロカーボンシラン100重量部に対
して30重両部とした。シリケートとしてはテトラキス
〔2−(2−メトキシエトキシ)エチル〕シリケート
(Si(DEGM)4)を用いた。pHは、pHメータを用
いてアンモニア水を加えることにより10.8に調整し
た。調整された水性エマルジョンを放置し、1週間後に
目視によりゲル化あるいは沈殿していないかを観察し
た。水のようにさらさらの場合を安定とした。次に、基
材として、電磁調理器のトッププレートに用いられる耐
熱結晶化ガラスを用いて試験片を作成した。水性エマル
ジョンの塗布は、ディップコーティングにより行った。
ディップコーティングは、300mm/分の速度で下げ、
その状態で10分待ち、50mm/分の速度で引き上げ
た。塗布後の乾燥は、200℃で60分間行った。得ら
れた試験片を用いて、塗布表面の透明性を目視観察し、
コーティング前と変わらない場合を「透明」とした。ま
た、コーティングを行った基材の表面に純水を滴下し、
接触角計(協和界面科学製)により接触角を測定した。
水性エマルジョンの安定性、塗布表面の透明性、撥水性
をそれぞれ(表1)に示す。
【0027】(比較例1〜4)比較例1〜3は、それぞ
れ実施例1〜3と同様な組成のフルオロカーボンシラン
加水分解物含有水性エマルジョンを調整した後、塩酸を
用いてpHを2.0に調整した。また、比較例4は、シリ
ケートを添加せずに水性エマルジョンを調整、pHを1
0.8に調整した。水性エマルジョンの安定性、塗布表
面の透明性、撥水性をそれぞれ(表1)に示す。
【0028】
【表1】
【0029】実施例1〜3は、350℃で10時間経過
後も、コーティング層表面の撥水角は、エージング前と
同等であり、優れた耐熱性を示している。組成は1〜3
とそれぞれ同一であり、pHを2.0に調整した比較例1
〜3と比較すると、耐熱性において著しい差があること
がわかる。また、比較例4はpHが10.8であってもシ
リケートを添加しないと、膜の付着性が悪くなる。
【0030】(実施例4〜7)10wt%のRf−(C
22−Si{−(O−CH2CH22−OCH3
3(R fはF(CF2kCH2CH22(k=6、1〜2wt
%;k=8、62〜64wt%;k=10、23〜30wt
%;k=12〜18、2〜6wt%)で表されるパーフル
オロアルキルの混合物)で表されるフルオロカーボンシ
ラン、フルオロカーボンシラン100重量部に対して3
0重量部のRf−CH2CH2−O−(CH2CH 2−O−
(CH2CH2O)211−Hで表されるノニオン系界面活
性剤、およびフルオロカーボンシランに対するシリケー
トのモル分率が1となるようにテトラキス〔−(2−メ
トキシエトキシ)エチル〕シリケート(Si(DEG
M)4)を添加して水性エマルジョンを調整し、pHを
9.8、10.0、11.0、11.6に調整し、それ
ぞれ実施例4,5,6,7とした。水性エマルジョンの
安定性、コーティング層の透明性、および撥水性を(表
2)に示す。
【0031】
【表2】
【0032】実施例4〜7は、水性エマルジョンがアル
カリ性であっても、pHを高くするほど、向上した耐熱性
を有する撥水性コーティング層が得られることを示して
いる。
【0033】(実施例8〜13)実施例1〜3で使用し
た界面活性剤に代えて、C919−C64−O−(CH2
CH2O)50−Hで表されるノニオン系界面活性剤を用
いた。さらに、実施例8〜10では、水性エマルジョン
を調整した後、pHを調整せずにそのまま用い、実施例1
1〜13では、アンモニア水を用いてpHを10.8に調
整した。結果を(表3)に示す。
【0034】(比較例5〜9)比較例5〜9も、C9
19−C64−O−(CH2CH2O)50−Hで表されるノ
ニオン系界面活性剤を用いた。さらに、比較例5〜7で
は、塩酸を用いてpHを2.0に調整した。比較例8およ
び9は、シリケートを添加せずに水性エマルジョンを調
整、比較例9ではpHを10.8に調整した。
【0035】
【表3】
【0036】実施例8と実施例11と比較例5、実施例
9と実施例12と比較例6、実施例10と実施例13と
比較例7は、それぞれ組成が同一で、pHが異なる例であ
るが、これらの比較から、C919−C64−O−(C
2CH2O)50−Hで表される界面活性剤を用いた場合
には、pHを4.0以上に調整することにより、優れた耐
熱性撥水コーティング層を形成できることを示してい
る。また、比較例8および9は、pHを4.0以上に調整
してもシリケートを加えていないと優れたコーティング
層が得られないことを示している。
【0037】
【発明の効果】以上の請求項1から5記載の発明によれ
ば、トッププレートを構成する結晶化ガラス表面にフル
オロカーボンシラン加水分解物含有水性エマルジョンの
pHを調整した後、塗布乾燥することにより得られるコー
ティング層を形成することによって、トッププレート表
面は優れた耐熱撥水性をもつため、防汚性に優れた調理
器および調理器用トッププレートを提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の調理器例の概略図
【符号の説明】
1 電磁調理器本体 2 トッププレート 3 鍋
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09K 3/18 104 C09K 3/18 104 F24C 14/00 F24C 14/00 C 15/10 15/10 B (72)発明者 梅田 章広 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 3K051 AB02 AD10 AD38 CD44 4G059 AA15 AC22 FA03 FA05 FB06 4H020 BA36 4J038 DL021 DL071 JC32 NA07 PB02 PC03

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トッププレートが主に結晶化ガラスから
    構成される調理器であって、前記結晶化ガラス表面にフ
    ッ化炭素基を含む分子が共有結合した撥水・撥油性のコ
    ーティング膜が形成されていることを特徴とする調理器
    および調理器用トッププレート。
  2. 【請求項2】 撥水・撥油性のコーティング膜が Rf−(CH2p−Si{−(O−CH2CH2n−OR'}3(1) (Rfは炭素原子が3〜18個のパーフルオロアルキル
    基またはそれらの混合物であり、複数のR’は炭素原子
    が1〜3個の同一のもしくは異なるアルキル基であり、
    p=2〜4、およびn=2〜10である)により表され
    る少なくとも1種のフルオロカーボンシランから界面活
    性剤の存在下で生成された加水分解物と、 Si−R4(2) (RはOCH3、OCH2CH3,および(OCH2
    2mOCH3(m=1〜10)からなる群から選択さ
    れる1または2以上の基である)により表されるシリケ
    ートとを含有する水性エマルジョンを結晶化ガラス基材
    の表面に塗布乾燥して形成した耐熱撥水コーティング層
    であることを特徴とする請求項1に記載の調理器および
    調理器用トッププレート。
  3. 【請求項3】 撥水・撥油性のコーティング膜が、水性
    エマルジョン中のフルオロカーボンシランの含有量が
    0.1〜20wt%であり、前記フルオロカーボンシラン
    に対するシリケートのモル分率が0.3〜10であり、
    前記フルオロカーボンシランとその加水分解物を生成す
    るために使用される界面活性剤との重量比が1:1〜1
    0:1であり、かつ該水性エマルジョンのpHを7以上に
    調整したフルオロカーボンシラン加水分解物含有水性エ
    マルジョンを結晶化ガラス基材の表面に塗布乾燥して形
    成した耐熱撥水コーティング層であることを特徴とする
    請求項1又は2に記載の調理器および調理器用トッププ
    レート。
  4. 【請求項4】 撥水・撥油性のコーティング膜が Rf−(CH2p−Si{−(O−CH2CH2n−OR'}3(1) (Rfは炭素原子が3〜18個のパーフルオロアルキル
    基またはそれらの混合物であり、複数のR’は炭素原子
    が1〜3個の同一のもしくは異なるアルキル基であり、
    p=2〜4、およびn=2〜10である)により表され
    る少なくとも1種のフルオロカーボンシランから C919−C64−O−(CH2CH2O)50−H(3) により表されるノニオン系界面活性剤の存在下で生成さ
    れた加水分解物と、 Si−R4(2) (RはOCH3、OCH2CH3,および(OCH2
    2mOCH3(m=1〜10)からなる群から選択さ
    れる1または2以上の基である)により表されるシリケ
    ートとを含有する水性エマルジョンを結晶化ガラス基材
    の表面に塗布乾燥して形成した耐熱性撥水コーティング
    層であることを特徴とする請求項1に記載の調理器およ
    び調理器用トッププレート。
  5. 【請求項5】 撥水・撥油性コーティング膜が、水性エ
    マルジョン中のフルオロカーボンシランの含有量が0.
    1〜20wt%であり、前記フルオロカーボンシランに対
    するシリケートのモル分率が0.3〜10であり、前記
    フルオロカーボンシランとその加水分解物を生成するた
    めに使用される界面活性剤との重量比が1:1〜10:
    1であり、かつ該水性エマルジョンのpHを4以上に調整
    したフルオロカーボンシラン加水分解物含有水性エマル
    ジョンを結晶化ガラス基材の表面に塗布乾燥して形成し
    た耐熱性撥水コーティング層であることを特徴とする請
    求項1又は4に記載の調理器および調理器用トッププレ
    ート。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008138109A (ja) * 2006-12-04 2008-06-19 Kazufumi Ogawa 撥水撥油防汚処理液とその製造方法およびそれを用いた撥水撥油防汚処理方法
ES2660430A1 (es) * 2016-07-21 2018-03-22 Bsh Electrodomésticos España, S.A. Placa de campo de cocción y campo de cocción con dicha placa

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