JP2002313522A - プラグキャップ及びスパークプラグユニット - Google Patents

プラグキャップ及びスパークプラグユニット

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JP2002313522A
JP2002313522A JP2001114161A JP2001114161A JP2002313522A JP 2002313522 A JP2002313522 A JP 2002313522A JP 2001114161 A JP2001114161 A JP 2001114161A JP 2001114161 A JP2001114161 A JP 2001114161A JP 2002313522 A JP2002313522 A JP 2002313522A
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浩二 岡崎
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正好 松井
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    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02FCYLINDERS, PISTONS OR CASINGS, FOR COMBUSTION ENGINES; ARRANGEMENTS OF SEALINGS IN COMBUSTION ENGINES
    • F02F1/00Cylinders; Cylinder heads 
    • F02F1/24Cylinder heads
    • F02F1/242Arrangement of spark plugs or injectors

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 リード線取出構造等が簡素でコンパクトなプ
ラグキャップおよびスパークプラグ本体に装着したスパ
ークプラグユニットとを提供する。 【解決手段】 主体金具先端側のおねじ部とシリンダヘ
ッドのめねじ部とのねじ嵌合を廃止し、主体金具とプラ
グホールPH前端側の底部に形成された座面との間でス
パークプラグ本体5を押圧固定することとした。しか
も、筒状部40の前端側に、後方外側から同心状に係合
するとともに、主体金具を軸線方向前方側に押圧するプ
ラグ係合部42を形成する一方、筒状部40の後端側に
シリンダヘッドCHに取り付け固定可能な固定部43が
形成されている。さらに、プラグキャップ12は、リー
ド線収容部45を備えており、スパークプラグユニット
1は、このようなプラグキャップ12がスパークプラグ
本体5に装着されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関の燃焼室
の圧力を検出するスパークプラグ本体に装着されるプラ
グキャップと、そのプラグキャップをスパークプラグ本
体に装着したスパークプラグユニットとに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、内燃機関の燃焼室の圧力(筒
内圧)を測定することにより、例えばノッキング検出、
燃焼圧のピーク位置検出、失火検出等を行い、内燃機関
の運転制御に役立てられている。そして、筒内圧の測定
には環状の圧電セラミック等の圧電素子を備えた圧力セ
ンサが用いられることがある。このような圧力センサは
例えばプラグの一実施例であるスパークプラグの主体金
具に配置され、主体金具に形成されるおねじ部とシリン
ダヘッドのめねじ部とのねじ嵌合によって装着される。
燃焼圧によってスパークプラグが押し上げられ、スパー
クプラグのシリンダヘッドへの締め付け荷重が変動する
ので、この荷重変動に応じて圧電素子が発する電気的出
力をリード線を介して外部へ取り出すことにより、筒内
圧が測定される。
【0003】上記のような圧力センサの一例として、特
開平6−290853号公報の図1に示されるような圧
力センサ内蔵タイプがある。このタイプは、圧電素子、
電極板等をセンサケースに収容した圧力センサを主体金
具の取付座部に一体的に取り付け、主体金具先端部のお
ねじ部とシリンダヘッドのめねじ部とのねじ嵌合によっ
て装着する方式である。一方、上記公報の図8に示され
るような圧力センサ単独タイプも知られている。このタ
イプは、圧電素子、電極板等をセンサケースに収容して
一体の圧力センサを構成し、主体金具の取付座部(又は
ガスケット)とシリンダヘッドとの間に圧力センサを配
置して、主体金具のおねじ部とシリンダヘッドのめねじ
部とのねじ嵌合によって装着する方式である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】いずれのタイプも、筒
内圧の変動を正確に測定するため、圧力センサはシリン
ダヘッドの奥部側に燃焼室と近接して配置され、筒内圧
に基づく電気的出力を取り出すリード線は、主体金具に
対して圧力センサ配置側(燃焼室側)とは反対側に延出
される。そして、スパークプラグをシリンダヘッドにね
じ込み固定するねじ嵌合部(主体金具のおねじ部とシリ
ンダヘッドのめねじ部とのねじ嵌合によって構成され
る)が燃焼室に連通している。したがって、燃焼室内で
の燃焼圧力の発生によって、高圧の燃焼ガスがねじの嵌
合隙間に流入する昇圧時には、スパークプラグが燃焼室
の外側方向へ押し上げられる。一方、燃焼室内の圧力低
下によって、嵌合隙間内に流入した燃焼ガスが流出する
降圧時には、スパークプラグが元の位置に戻ろうとす
る。このとき、ねじ嵌合部への燃焼ガスの流入に比べて
ガスの抜けが悪く、流出が遅れる傾向が認められる。そ
の結果、実際の燃焼室圧力の変化に対する圧力センサ出
力は、昇圧時には追従性が比較的良いが、降圧時の追従
性が悪化し、ヒステリシスを生じる。
【0005】さらには、これらの従来構造ではいずれ
も、燃焼室での燃焼による圧力エネルギが、上記したね
じ嵌合部で一部吸収され、その後圧力センサの取付位置
である主体金具の取付座部等に到達することになるの
で、圧力センサでの測定値と真の筒内圧との差が検出精
度の向上を阻害する要因となっていた。
【0006】そこで、本発明者らはこれらの課題を解決
するための新規な圧力センサ付スパークプラグの構成
(以下、改善構成という)を特開平9−49483号公
報にて提案した。すなわち、改善構成は、内燃機関の装
着凹部(プラグホール)側に形成されるめねじ部と螺合
するおねじ部を有する袋ナットによって、スパークプラ
グを内燃機関に固定するとともに、この袋ナットがスパ
ークプラグの主体金具の取付座部に当接することによっ
て、圧力センサを取付座部と内燃機関との間で押圧固定
することとした。これによって改善構成は、主体金具先
端側のおねじ部とシリンダヘッドのめねじ部とのねじ嵌
合によって構成される従来構造のねじ嵌合部をなくすこ
とができ、測定時のヒステリシスの軽減と圧力センサの
検出精度向上とにおいて、顕著な効果を得ることができ
た。しかし一方で、改善構成を実際の内燃機関に取り入
れるにあたり、新たな課題の発生を見るに至った。
【0007】上記改善構成において、袋ナットがスパー
クプラグ及び圧力センサの固定手段として取り入れら
れ、しかもこの袋ナットのおねじ部はプラグホール側の
めねじ部と螺合する。したがって、圧力センサの電気的
出力を取り出すためのリード線の配線スペースや、ねじ
装着のための締め付け用工具の係合スペース等を、プラ
グホール内において確保しようとすると、既存のものよ
りも相当大径のプラグホールが必要になる。しかも、リ
ード線の配線スペースを得るために、プラグホールの軸
断面形状の非円形化や、軸断面円形状のプラグホールへ
のリード線配線用の軸方向溝の加工工程の追加等を要す
る場合もある。しかしながら、内燃機関のシリンダヘッ
ドには、吸排気弁及びそれらの作動機構等が配置されて
おり、プラグホールはできる限り小径化することが望ま
しい。したがって、既存の内燃機関に改善構成を適用し
ようとしても設置スペース等の関係からそのままでは採
用できない場合があり、これではせっかくスパークプラ
グと圧力センサとを一体化させた利点を生かすことがで
きない。
【0008】よって、本発明の課題は、内燃機関の燃焼
室の圧力をヒステリシスが少なくかつ精度よく検出でき
るスパークプラグ本体を、リード線取出構造等の簡素化
と小型コンパクト化を図りつつプラグホールへ取り付け
ることのできるプラグキャップと、そのプラグキャップ
をスパークプラグ本体に装着したスパークプラグユニッ
トとを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段及び作用・効果】上記課題
を解決するために、本発明のプラグキャップは、内燃機
関の燃焼室の圧力に基づく電気的出力を取り出すための
リード線を有する圧力センサを主体金具に配置するとと
もに、該圧力センサが前記内燃機関のシリンダヘッドの
プラグホール前端側の底部に形成された座面に係止され
ることが予定され、かつ筒状の前記主体金具の内側に配
置された軸状の中心電極と、該主体金具の軸線方向前端
部に結合され、火花放電ギャップを隔てて前記中心電極
と対向位置する接地電極とを有するスパークプラグ本体
に装着されるプラグキャップであって、前記軸線方向に
沿って前記主体金具の後方に配置される筒状部の前端側
に、前記主体金具に対し後方外側から同心状に係合する
とともに、該主体金具を軸線方向前方側に押圧するプラ
グ係合部を形成する一方、前記筒状部の後端側に、前記
プラグ係合部が前記主体金具を押圧した状態にて、前記
シリンダヘッドに取り付け固定可能な固定部が形成さ
れ、かつ、前記筒状部の前端側から後端側にかけて前記
リード線を前記軸線方向に沿って収容するリード線収容
部を備えていることを特徴とする。
【0010】また、本発明のスパークプラグユニット
は、上記のプラグキャップが上記のスパークプラグ本体
に装着されていることを特徴とする。
【0011】このように、これらの発明においては、主
体金具先端側のおねじ部とシリンダヘッドのめねじ部と
のねじ嵌合を廃止し、主体金具とプラグホール前端側の
底部に形成された座面との間でスパークプラグ本体を押
圧固定することとしたので、内燃機関の燃焼室の圧力を
ヒステリシスが少なくかつ精度よく検出できる。しか
も、軸線方向に沿って主体金具の後方に配置される筒状
部の前端側に、主体金具に対し後方外側から同心状に係
合するとともに、主体金具を軸線方向前方側に押圧する
プラグ係合部を形成する一方、筒状部の後端側に、プラ
グ係合部が主体金具を押圧した状態にて、シリンダヘッ
ドに取り付け固定可能な固定部が形成されている。さら
に、プラグキャップは、筒状部の前端側から後端側にか
けてリード線を軸線方向に沿って収容するリード線収容
部を備えており、スパークプラグユニットは、このよう
なプラグキャップがスパークプラグ本体に装着されてい
る。
【0012】したがって、筒状部の前端側に形成された
プラグ係合部で主体金具を軸線方向前方側に押圧し、こ
の状態を保持しながら、筒状部の後端側に形成された固
定部によって、プラグキャップ(筒状部)をシリンダヘ
ッドへ容易に取り付け固定することができる。また、そ
の際圧力センサから引き出されたリード線は筒状部のリ
ード線収容部に収納されるので、スパークプラグ本体及
びプラグキャップの取り付け固定の邪魔にならず、スム
ーズな組み立て作業が行える。このように、上記プラグ
キャップを用いることによって、スパークプラグ本体
を、プラグホール前端側の底部に形成された座面に、リ
ード線取出構造等の簡素化を図りつつ小型コンパクトに
取り付け固定して、スパークプラグユニットとなすこと
ができる。
【0013】なお、リード線収容部は、筒状部の外面に
形成してもよいし、また、筒状部の内部空間をそのまま
リード線収容部として利用することもできる。あるい
は、リード線の一部は筒状部の外面に形成したリード線
収容部に、他の部分は筒状部の内部空間のリード線収容
部に各々収容する場合もある。
【0014】また、固定部が、筒状部の後端部外周面に
おいて少なくとも周方向の一部を外向きに突出させたフ
ランジ部を有するように構成すれば、このフランジ部を
プラグホールの開口周縁にて外部からシリンダヘッドに
固定できるので、取り付け操作が一層迅速かつ正確に行
える。
【0015】そして、かかる筒状部の内側において、イ
グニッションコイルと、そのイグニッションコイルの外
周面を取り囲む形態の、磁路形成用の筒状のヨーク部材
とを有することにより、筒状部にイグニッションコイル
とヨーク部材とを内装する形で収納することができる。
その結果、筒状部の内側に生ずるデッドスペースが削減
され、プラグキャップ並びにスパークプラグユニットを
一層小型コンパクトに構成することができる。
【0016】一方、圧力センサからリード線を介して取
り出された電気的出力を増幅するためのセンサ出力増幅
回路が、筒状部に保持される場合には、リード線が軸線
方向に沿って筒状部に備えられたリード線収容部に収容
されることとあいまって、センサ出力の減衰を極力小さ
くすることができる。したがって、圧力センサからの電
気的出力は、筒状部を経由して検出装置、制御装置等に
安定して供給されるようになる。また、筒状部の内部空
間をイグニッションコイルの収容空間として有効に利用
することができる。
【0017】また、主体金具に対するプラグ係合部の装
着時押さえ荷重が980N以上に設定されている。これ
によって、約60〜100MPaにも達する燃焼ガス圧
に対して、スパークプラグユニットの気密性を十分に保
持することができる。なお、スパークプラグ本体に対す
るプラグキャップの装着により主体金具やプラグ係合部
が塑性変形を起こさないために、あるいは、シリンダヘ
ッドに対するスパークプラグユニットの固定により、シ
リンダヘッドや固定部が損傷しないために、装着時押さ
え荷重の上限は、10000N以下に抑える必要があ
る。
【0018】さらに、スパークプラグ本体がプラグホー
ルに挿入された状態において、主体金具に外向きに突出
する形態で形成された鍔状のセンサ保持部と、プラグホ
ールの座面との間で圧縮されることにより、これらセン
サ保持部とプラグホールの座面との間をシールする環状
のガスケットを備えている。そして、ガスケットは、そ
のガスケットを軸線方向に圧縮する圧縮荷重として作用
する押さえ荷重Fと、ガスケットの圧縮変位αとの関係
を測定するとともに、ガスケットの初期外径を2R1、
同内径を2R2として、ガスケットへの付加圧力PをF
/{π(R1−R2)}にて算出したときに、付加圧
力Pが58.8〜117.6MPa{MKS単位系換算
6〜12kgf/mm}となる範囲に対応する圧縮変
位αの変化量Δαが、0.5mm以上に設定されてい
る。
【0019】ところで、最近の自動車用エンジン等にお
いては、排気ガス規制が強化されるに伴い、混合気もリ
ーン領域のものが多く使用されるようになってきている
(いわゆるリーンバーンエンジン)。リーンの混合気は
燃料混合比率が低いため、燃焼室内におけるスパークプ
ラグ本体の接地電極と、混合気の導入方向との関係によ
っては、混合気の火花ギャップへの流入が接地電極に遮
られて点火ミスを生じることがある。そのため、最近の
リーンバーンエンジンにおいては、混合気への点火の確
実性を向上させるために、接地電極が点火に最適な位置
となるように、周方向の角度位置が指定されるケースが
多い。
【0020】しかしながら、主体金具のおねじ部とシリ
ンダヘッドのめねじ部とのねじ嵌合によってスパークプ
ラグ本体をシリンダヘッドに装着する方式のエンジンに
おいては、ねじ部のねじ山開始端と接地電極との間の位
置関係も一定していないのが通常である。そのため、ガ
スケットへの適度な締付け力が生ずる圧力Pの範囲(以
下、適性圧力範囲という)である58.8〜117.6
MPaに到達するまで主体金具のおねじ部をねじ込んだ
ときに、接地電極は必ずしも上記最適点火位置に位置す
るとは限らず、例えば目標位置から大きくずれてしまう
こともありうる。
【0021】そこで、このようなねじ嵌合装着式のエン
ジンにおいて接地電極を上記最適点火位置に位置合わせ
するには、上記適性圧力範囲に対応するガスケットの圧
縮変位αの変化量Δα(押さえ荷重Fに対するガスケッ
トの潰れ代を表わす)をねじピッチ以上に設定して、接
地電極を最適点火位置に回転調整する必要があった。つ
まり、JIS B8031(内燃機関用スパークプラ
グ)によれば、ガスケット付スパークプラグのねじピッ
チは、M18Sで1.5mm、M14SとM12Sで
1.25mm、M10Sで1mmであるから、Δαをこ
れらねじピッチ以上に設定することにより、上記適度な
締付け力が維持された状態における接地電極の回転調整
範囲を1回転分以上確保しなければならなかった。
【0022】しかし、本発明においては、主体金具先端
側のおねじ部とシリンダヘッドのめねじ部とのねじ嵌合
を廃止し、主体金具のセンサ保持部とプラグホール前端
側の底部に形成された座面との間でスパークプラグ本体
を押圧固定することとしたので、接地電極の最適点火位
置への回転調整にあたりねじ締めを行う必要がない。し
たがって、付加圧力Pが58.8〜117.6MPaと
なる範囲に対応するガスケットの圧縮変位αの変化量Δ
αを、0.5mm以上に設定することができる。すなわ
ち、ガスケットの圧縮変位αの変化量Δαは、上記適性
圧力範囲に対応した塑性変形(ガスケットの潰れ)を可
能とし、かつ主体金具のセンサ保持部とプラグホールの
座面との間のシール性を確保するために最低限必要な
0.5mm以上あればよいことになる。そして、かかる
スパークプラグユニットによれば、圧力センサによる燃
焼圧力波形からヒステリシスを減少させることができ、
圧力センサの検出精度が向上する。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に示す実施例を参照して説明する。図1は、本発明の一
実施例である圧力センサ内蔵型スパークプラグユニット
1(スパークプラグユニット)を組立状態にて示す縦断
面図である。圧力センサ内蔵型スパークプラグユニット
1は、大きく分けてスパークプラグ本体5とプラグキャ
ップ12とからなる。スパークプラグ本体5は、主体金
具2に圧力センサ3が一体化されるとともに、軸線O方
向前端側に火花放電ギャップgが、同じく後端側に火花
放電ギャップgに高電圧を印加するための端子金具4が
形成されたものである。
【0024】スパークプラグ本体5の主体金具2は筒状
に形成され、その軸線O方向の前端側には、シリンダヘ
ッドCH前端の挿通孔16aに挿入するための取付部1
6が形成され、その基端側に隣接して鍔状のセンサ保持
部17が周方向に突設されている。また、取付部16の
内周面には、軸状の絶縁体14を止め着けるための周方
向のリブ52が形成されている。
【0025】絶縁体14の内部には図示しない貫通孔が
軸線方向に形成され、その前端側に中心電極51が、後
端側に端子金具4が配置され、両者が貫通孔内に充填さ
れた図示しない導電性ガラスシール層や抵抗体組成物に
より電気的に結合されている。そして、主体金具2の取
付部16の前端面には接地電極50が溶接され、中心電
極51との間で火花放電ギャップgを形成する。また、
主体金具2の後端部外周面には、後述するプラグ係合部
42を係合させるための円筒状のプラグキャップ係合部
2kが形成されている。
【0026】次に、プラグキャップ12には、高電圧を
発生させるためのイグニッションコイル7と、圧力セン
サ3のリード線8とが組み込まれている。また、イグニ
ッションコイル7に端子金具4を電気的に接続するため
の端子部9と、スパークプラグ本体5に自身を着脱可能
に係合させるための係合部11とを有する。
【0027】そして、係合部11にてプラグキャップ1
2をスパークプラグ本体5に係合・固定することによ
り、端子部9が端子金具4に着脱可能に結合される。こ
の構成によると、スパークプラグ本体5を、主体金具2
の取付部16においてプラグホールPHの挿通孔16a
に挿入した後、スパークプラグ本体5にプラグキャップ
12を後付け接続することができる。これにより、プラ
グホールPHにスパークプラグ本体5及びプラグキャッ
プ12を取り付ける際に、これらへのリード線8の巻き
付きといった不具合が全く生じなくなる。
【0028】また、リード線8の後端は、プラグキャッ
プ12に一体化された出力取出コネクタ部(以下、単に
コネクタ部ともいう)13に、回路ユニット29を経由
して接続されている。シリンダヘッドCHへのスパーク
プラグ本体5の取付位相角を一定に保ち、接地電極50
を最適点火位置に位置合わせするには、予め主体金具2
の後方側開口部2a周縁等に接地電極50の周方向位置
に対応させてマークを付しておき、取付部16をプラグ
キャップPHの挿通孔16aに挿入する際に、このマー
クを燃焼室CR内の混合気の流れを阻害しない既知の回
転方向位置に合わせればよい。なお、コネクタ部13に
制御回路側からの信号線ケーブルを接続する際に不都合
を生じないように、コネクタ部13の周方向位置を調整
したい場合には、プラグキャップ12をスパークプラグ
本体5に対して軸線O周りに相対的に回転可能に係合す
ればよい。
【0029】スパークプラグ本体5は、主体金具2の後
方側開口部2aから絶縁体14を突出させた形態を有
し、その絶縁体14の突出部14a後端に端子金具4が
配置される。プラグキャップ12の係合部11は、絶縁
体突出部14aを挿入するための挿入孔15が軸線O方
向に形成された、弾性材料、ここではシリコンゴム等の
耐熱性ゴム成形体からなる弾性保持部材11とされてい
る。その挿入孔15の奥には、端子部9が配置されてい
る。そして、挿入孔15を弾性的に拡径させながらここ
に絶縁体突出部14aを軸線Oの方向に押し込むことに
より、該挿入孔15の内面にて絶縁体突出部14aが保
持され、端子金具4が端子部9と接触導通する。弾性保
持部材11を使用することにより、挿入孔15に絶縁体
突出部14aを押し込むだけでプラグキャップ12をス
パークプラグ本体5に簡単に接続することができる。ま
た、弾性材料の弾性力により挿入孔15の内面にて突出
部14aを密着保持することができ、フラッシュオーバ
等も生じにくい。
【0030】なお、端子部9はばね状に形成され、この
実施例では軸線Oの方向においてカップ状の金具57内
に配置されている。そして、その金具57にイグニッシ
ョンコイル7からの図示しないリード部が接続され、端
子部9、端子金具4及び中心電極51を介して接地電極
50との間に形成される火花放電ギャップgに高電圧が
印加される。ばね状の端子部9は、金具57と端子金具
4との間で圧縮弾性変形した状態で、挿入孔15の内面
と突出部14aとの摩擦により保持され、その弾性復帰
力により金具57と端子金具4との電気的接触を確保す
る働きをなす。
【0031】次に、弾性保持部材11の挿入孔15が開
口する側の端部には、ユニット側第二端子部10をなす
リング状のソケット金具10が一体化されている。挿入
孔15に絶縁体14の突出部14aを押し込むことによ
り、主体金具2上に取り付けられたセンサ出力端子部6
とソケット金具10とが接触導通する。ソケット金具1
0をリング状に形成することで、センサ出力端子部6と
の電気的導通を確実に図ることができる。
【0032】次に、主体金具2は、前述の通り、軸線O
方向前端側に内燃機関への取付部16が形成されるとと
もに、その取付部16の軸線O方向後端位置に対応して
周方向のセンサ保持部17が突設されている。そして、
リング状の圧力センサ組立体18の内側に、取付部16
が前端側から軸線O方向に嵌め込まれ、センサ保持部1
7の前端面に当接する形で該圧力センサ組立体18が支
持されている。
【0033】図2に示すように、圧力センサ組立体18
の前方側には、圧力センサ組立体18の前端面と当接し
てこれを覆う底部19aと、その底部19aの外周縁か
ら軸線方向後方に立ち上がる筒状に形成されて圧力セン
サ組立体18の外周面を覆う側壁部19bとを有するセ
ンサカバー19が設けられている。圧力センサ組立体1
8は、センサカバー19の底部19aに近い側から、リ
ング状の板パッキン59、リング状の圧電セラミック素
子からなる圧力センサ3、リング状の電極板60及びリ
ング状の絶縁板61がこの順序にて積層された構造を有
する。電極板60からのリード部62は絶縁板61に形
成されたスリット61aを経て後方に引き出され、絶縁
被覆カバー8cで覆われたリード線8の芯線8aと接続
されている。本実施例では、リード線8は、絶縁被覆カ
バー8cで覆った芯線8aの外側を、シールド被覆8b
にて覆った同軸シールドケーブルとして構成されてお
り、前端がリード部62と接続されたリード線8は、主
体金具2のプラグキャップ係合部2kの外側を通って後
方側に延出している。
【0034】図1に戻り、プラグキャップ12において
イグニッションコイル7は、一方が一次コイルとなり他
方が二次コイルとなる第一コイル22と第二コイル23
との各々の軸線が、該スパークプラグ本体5の軸線Oと
一致する形態となるように配置されている。スパークプ
ラグ本体5のプラグ取付部16を、内燃機関側のプラグ
ホールPHの底部に形成された挿通孔16aに挿入した
取付状態においては、弾性保持部材11とコイル収納部
24とは、プラグホールPH内に収容されることが予定
されている。これにより、深いプラグホールPHの底に
圧力センサ内蔵型スパークプラグユニット1を取り付け
た場合でも、プラグホールPH内のスパークプラグ本体
5の上方に生ずる空間を活用して、ここにイグニッショ
ンコイル7が収納され、シリンダヘッド周辺の省スペー
ス化に大きく寄与する。この場合、弾性保持部材11と
コイル収納部24との軸線O方向の合計寸法は、当然
に、プラグホールPHの深さに対応して設定しておく必
要がある。
【0035】コイル収納部24は円筒状の外観形態を有
するものであるが、本実施例では、コイル収納部24内
において第二コイル23が第一コイル22の内側に位置
するように同心的に配置されている。このようにするこ
とで、イグニッションコイル7の全体の長さ方向寸法を
削減でき、コンパクト化が実現されている。具体的に
は、第二コイル23の内側に軟磁性材料からなるコア2
9が配置され、ヨーク部材25は第二コイル23の外周
面を取り囲む形態にて配置されている。ヨーク部材25
の軸線方向両端部は、それぞれコア29の両端に対応す
る位置まで延びており、イグニッションコイル7内で発
生した磁束に対し、それら両端部を除いて略閉じた形態
の磁路が形成されている。
【0036】具体的には、コア29は積層珪素鋼板から
削り出された円形断面の軸状を呈するものであり、両端
部には、バイアス磁界印加用の永久磁石29a,29a
が配置されている。このバイアス磁界印加により、磁束
飽和点に到達する磁界レベルが引き上げられ、電流変換
効率を高めることができる。そして、そのコア29が、
図1(b)に示すように、コアケースを兼ねた樹脂製の
内ボビン(外周面には、図示しない巻線用の螺旋溝が形
成してある)70に収容され、その外面に第二コイル
(本実施例では二次コイル)23が巻線形成されてい
る。なお、内ボビン70は、軸線方向先端側が閉じた筒
状形状とされ、その端面には、金具57の後端部を位置
決めするための凹部70aが形成されている。
【0037】そして、第二コイル23の外側には樹脂製
の外ボビン71が配置されている。外ボビン71も筒状
に構成され、外周面には図示しない巻線用の螺旋溝が形
成してあり、ここに第一コイル(本実施例では一次コイ
ル)22が巻線形成されている。
【0038】また、コイル収納部24の後端には、取付
状態においてプラグホールPH外に位置する形で、回路
部129と、リード線8が接続されるコネクタ部13と
が組み込まれたヘッド部30が一体的に形成されてい
る。回路部129をコイル収納部24の後端側に設け
て、プラグホールPH外に出すことで、プラグホールP
H内は、その内面形状に対応したコイル収納部24の収
納空間として、より効率的に活用されることとなる。ま
た、コネクタ部13がプラグホールPHの外へ出ている
ことで、該コネクタ部13への信号線ケーブル等の接続
が容易となることはいうまでもない。
【0039】ヘッド部30には、コイル収納部24の後
端部外周面に、イグニッションコイル7の後端部に対応
して、樹脂150が充填された回路ケース67が一体形
成され、ここに回路部129が収容されている。また、
コネクタ部13は回路ケース67の側面から側方に突出
する形で形成されており、信号線ケーブルのプラグを接
続するための開口部13aが形成されている。また、本
実施例では、回路ケース67の側壁の一部を、ケース本
体67bとは別体に形成されたコネクタプレート113
にて形成し、そのコネクタプレート113にコネクタ部
13が形成されている。
【0040】回路部129は、イグニッションコイル7
への通電・遮断を司るイグナイタ(図示せず)を含むも
のであり、また、本実施例ではリード線8を経て入力さ
れるセンサ出力の変換回路を含むものである。この変換
回路は、次の少なくとも1つの機能を有するものとして
構成することができる: (1)電荷電圧変換回路; (2)電圧変換回路(例えば電圧増幅回路); (3)電流変換回路(例えば電流増幅回路); (4)インピーダンス変換回路。
【0041】図4は、回路部129をセンサ出力変換回
路として構成した一例を示すものである。図4(a)に
おいて、オペアンプIC1の2つの負入力端子に、圧力
センサ3(図2)からの信号線が接続され、正入力端子
が接地されて、接地レベルを基準電圧として設定してい
る。燃焼室内にて圧力が発生すると圧力センサ3(図
2)に電荷が発生し、オペアンプICに接続された負帰
還コンデンサC1により電圧変換される。オペアンプI
Cは、この負帰還コンデンサC1とともに、圧力センサ
3にて発生する電荷を、増幅された電圧信号として出力
する電荷電圧変換回路を構成する。なお、負帰還コンデ
ンサC1と並列に挿入された抵抗R1は、オペアンプI
Cの出力飽和を防止するためのものであり、圧力センサ
3からの信号線上に設けられた抵抗R2は、オペアンプ
ICの端子保護用である。オペアンプICの出力は、図
示しない配線部を介してコネクタ部13に供給される。
なお、センサからの入力電圧に対するインピーダンス変
換のみを目的とする場合は、回路部129は、図4
(b)に示すような電圧フォロワ回路とすることもでき
る。
【0042】なお、プラグホール内の円筒状の空間を有
効活用するために、弾性保持部材11は円筒状に形成さ
れ、その軸線O方向後端側には、これに対応する外径の
円筒状のコイル収納部24を結合して、両者が一体の筒
状形態をなすように構成している。
【0043】次に、プラグキャップ12は、イグニッシ
ョンコイル7の外周面を取り囲む形態の、磁路形成用の
筒状のヨーク部材25を有している。また、ヨーク部材
25の外周面は、樹脂製のコイルケース27で覆われて
いる。さらに、コイルケース27の外周面は、軸線O方
向に沿って主体金具2の後方に配置される筒状部40で
覆われている。
【0044】筒状部40は金属パイプ41を主体として
構成され、筒状部40の前端側には、主体金具2に対し
後方外側から同心状に係合するとともに、主体金具2を
軸線O方向前方側に押圧するプラグ係合部42が形成さ
れている。また、筒状部40の後端側には、プラグ係合
部42が主体金具2を押圧した状態にて、シリンダヘッ
ドCHに取り付け固定可能な固定部43が形成されてい
る。この固定部43は、具体的には、筒状部40の後端
部外周面において少なくとも周方向の一部を外向きに突
出させたフランジ部44を有し、このフランジ部44
は、プラグホールPHの開口周縁にてシリンダヘッドC
Hに、ボルト等の固着具46にて固定されている。さら
に、筒状部40の前端側から後端側にかけての外周面に
おいて、リード線8を軸線O方向に沿って収容するリー
ド線収容部45となるスリットを備えている(以下、ス
リット45ともいう)。このスリット45にリード線8
を収容することで、金属パイプ41の内側にリード線8
が存在せず、デッドスペース削減効果が一層高められて
いる。また、リード線8は弾性保持部材11の内部を通
過させずにすみ、リード線8の配置が簡単になる。
【0045】センサ保持部17とプラグホールPHの座
面Sとの間には、圧縮力が作用することにより塑性変形
して、これら両者間をシールする環状のガスケットGK
が介挿されている。ガスケットGKは、図5にその一例
を示すように、環状の金属板素材に対し、その径方向に
1ケ所ないし2ケ所以上設定された曲げ位置において、
それぞれ周方向の曲げ部を形成することにより得られる
環状に形成されている。図5(b)では、板部材の半径
方向両縁部を、2つの曲げ部77c,77cによりそれ
ぞれ逆向きに曲げて全体をS字状に形成している。な
お、センサ保持部17側の当接面部77aは、中心側が
突出する斜面状に形成することで、ガスケット高さHが
2.5mm以上確保されるようにしている。
【0046】ガスケットGKの変形挙動を図6の模式図
にて説明すれば、付加圧力が小さい初期の段階では、ガ
スケットGKは主に弾性的に橈み変形し、変位増大に伴
い圧力(応力)が比較的大きく上昇する形となる(第1
ステージ)。付加圧力があるレベルに達すると、塑性変
形を伴う挫屈を開始し、変位増大に対する圧力増加の勾
配が緩くなる(第2ステージ)。
【0047】そして、図5に示すガスケットGKの初期
外径を2R1、同内径を2R2、押さえ荷重(圧縮荷重)
をFとして、ガスケットGKへの付加圧力PをF/{π
(R1−R2)}にて算出したときに、図6の変形曲
線において、付加圧力Pが58.8〜117.6MPa
{MKS単位系換算6〜12kgf/mm}となる範
囲(適性圧力範囲:第2ステージに相当)に対応する、
圧縮変位αの変化量Δαが0.5mm以上に設定される
ものとなっている。これにより、圧力センサ3による燃
焼圧力波形からヒステリシスを減少させることができ、
圧力センサ3の検出精度が向上する。また、主体金具2
に対するプラグ係合部42の装着時押さえ荷重Fを98
0N以上に設定することによって、約60〜100MP
aにも達する燃焼ガス圧に対して、圧力センサ内蔵型ス
パークプラグユニット1の気密性を十分に保持すること
ができる。
【0048】以下、プラグキャップ12の組立て方法に
ついて概説する。図3(a)に示すように、ヨーク部材
25の外側をコイルケース27にて覆い、コイル収納部
24側の第二アセンブリ81を組み立てる。次いで、別
途組み立てた第一アセンブリ80に第二アセンブリ81
を結合する。次に、図3(b)に示すように、第一アセ
ンブリ80と第二アセンブリ81との結合体を筒状部4
0に挿入する。このとき、リード線8を筒状部40のス
リット45に押し込んで収納し、リード線8の後端部を
フランジ部44の挿通孔47から引き出し、回路部12
9に接続しておく。この状態で、ヘッド部30の回路ケ
ース67をコイルケース27の後端部に嵌着する。
【0049】既に述べたように、イグニッションコイル
7を収納するコイル収納部24は、弾性保持部材11と
別体形成されて該弾性保持部材11の後端側に嵌合され
ている(図1参照)。このようにすると、図3(a)に
示すように、弾性保持部材11側の第一アセンブリ80
と、コイル収納部24側の第二アセンブリ81とを別段
取りにて組み立てた後、図3(b)に示すように両アセ
ンブリ81、82を結合すればよいから、2つの組立工
程を並行して(あるいは別場所にて)行なうことが可能
となり、組立工程の利便性向上及び組立て時間の短縮を
図ることが可能となる。
【0050】本実施例では、弾性保持部材11の挿入孔
15を、後端部にて開放させるとともに、その開放部を
接続孔15aとして使用している。そして、コイル収納
部24側に形成された接続プラグ部材73(この実施例
でコイルケース27に結合されている)を接続孔15a
に押し込むことにより、弾性保持部材11とコイル収納
部24とが着脱可能に結合されるようになっている。接
続プラグ部材73は筒状とされ、その内側空間は、端子
部9の収納部として利用されている。また、カップ状の
金具を同軸的にはめ込むことにより、その固定部として
も機能している。なお、接続プラグ部材73の外周面に
は、抜け止め用の環状のリブ73aが複数形成されてい
る。上記の構成においては、信号線ケーブル等の接続が
容易となる方向にコネクタ部13を向けた状態で、弾性
保持部材11とコイル収納部24とを結合することがで
きる。
【0051】以上、本発明の実施例を説明したが、本発
明はこれに限定されるものではなく、請求項に記載した
範囲を逸脱しない限り、当業者が通常有する知識に基づ
く改良を適宜付加することができる。
【0052】その一例として、プラグキャップの変形例
を用いた圧力センサ内蔵型スパークプラグユニットを図
7に示す。この実施例の圧力センサ内蔵型スパークプラ
グユニット100におけるプラグキャップ112では、
リード線8は筒状部140の内側を通るとともに、ヨー
ク部材125の外周面上に形成されたリード線収容部1
26に収納される。すなわち、ヨーク部材125の外周
面上において軸線O方向に、リード線8を収容するリー
ド線収容部126が形成されている。
【0053】具体的には、ヨーク部材125は、板状の
軟磁性金属板材、例えば複数枚の珪素鋼板を積層したも
のを幅方向に筒状に丸めることにより、その幅方向両縁
間にリード線収容部126となるスリットを形成したも
のである(以下、スリット126ともいう)。このスリ
ット126にリード線8を収容することで、コイル収納
部124の外側にリード線8がはみ出さず、デッドスペ
ース削減効果が一層高められている。また、以上の変更
に対応させて、前端がリード部62(図2)と接続され
たリード線8は、主体金具2のプラグキャップ係合部2
k’に形成されたリード線挿通孔2h内を通って後方側
に延出しており、それに続くリード線8の延出部は弾性
保持部材111の内部に埋設されて、デッドスペース削
減効果を奏している。
【0054】ところで、この実施例では、リード線挿通
孔2hを有するプラグキャップ係合部2k’は、ボック
スレンチ等の取付用工具を係合させるための六角状の工
具係合部を既存のまま用いることができる。リード線8
のシールド被覆8bは、導体である金属線を編み合わせ
て形成したものであるが、その材質として軟鋼細線やニ
ッケル細線などの軟磁性材料を採用すれば、ヨーク部材
125のスリット126が軟磁性材料で埋まり、磁路断
面積の減少を補うことができる。
【0055】また、ヨーク部材125の外周面は、樹脂
製のコイルケース127で覆われている。コイルケース
127には、ヨーク部材125側のスリット126と対
応する位置に、スリット126と対応する形状のケース
側収容空間が形成され、それらスリット126とケース
側収容空間とが一体的にリード線収容部200(図8
(b)参照)を形成する。コイルケース127にケース
側収容空間を形成することで、ヨーク部材125をコイ
ルケース127で覆った後でも、スリット126とケー
ス側収容空間とが一体化したリード線収容部200にリ
ード線8を挿入すればよいから、組立てが容易である。
【0056】例えば、図8(a)及び(b)に示すよう
に、コイルケース127には、スリット126に沿って
その内側に入り込む溝形成部127aを一体に設けるこ
とができる。この場合、ケース側収容空間は、スリット
126に倣う形態にて溝形成部127aに形成された有
底溝127bとすることができる。このようにすると、
スリット126がコイルケース127と一体の溝形成部
127aにより埋められるので、コイルケース127の
イグニッションコイル7に対する密閉性を高めることが
できる。また、樹脂製の溝形成部127aに形成された
有底溝127b内にリード線8を圧入するようにすれ
ば、有底溝127b内にリード線8をより安定的に保持
することができる。
【0057】さらに、ヘッド部130の回路ケース16
7の内側に筒状のリード線保持部90が載置される。こ
のリード線保持部90は、後端面に放射状に形成され、
リード線8を係合保持する複数(図8の実施例では6
個)の溝92を周方向に所定の角度間隔で設けたリード
線配設部91を有している。これによって、リード線8
の後端部を、信号線ケーブル等の接続が容易となる方向
に容易に位置合わせして外部へ取り出すことができる。
【0058】以下、プラグキャップ112の組立て方法
について、図8により説明する。図8(a)に示すよう
に、スリット126内に溝形成部127aを配置した状
態で、ヨーク部材125の外側をコイルケース127に
て覆い、コイル収納部124側の第二アセンブリ81を
組み立てる。次いで、別途組み立てた第一アセンブリ8
0に第二アセンブリ81を結合し、リード線8を有底溝
127b(図8(b))に押し込む。この状態で、ヘッ
ド部130の回路ケース167をコイルケース127の
後端部に嵌着する。そして、第一アセンブリ80と第二
アセンブリ81との結合体を筒状部140に挿入する。
【0059】このとき、リード線8は筒状部140の内
側を通り、リード線8の後端部はフランジ部144の開
口147から引き出される。さらに、リード線8の後端
部は、リード線保持部90の内側を通り、信号線ケーブ
ル等の接続が容易となる方向に位置する溝92に係合し
た状態でリード線保持部90から外部へ延出され、コネ
クタ部123(図7参照)が取り付けられる。
【0060】なお、図7及び図8において、図1及び図
3と共通する部分には同一の符号を付与して詳細な説明
は省略する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例たるプラグキャップを用いた
圧力センサ内蔵型スパークプラグユニットの一例を組立
状態にて示す縦断面図及びX-X断面図。
【図2】センサカバー及びセンサ組立体の構造を示す分
解斜視図。
【図3】図1のプラグキャップの組立て方法の一例を示
す工程説明図。
【図4】回路部の構成例をいくつか示す図。
【図5】ガスケットの一例を示す側面部分断面図及び平
面図。
【図6】ガスケットの変形曲線の一例を示す図。
【図7】本発明のプラグキャップの変形例を用いた圧力
センサ内蔵型スパークプラグユニットを組立状態にて示
す縦断面図及びY-Y断面図。
【図8】図7のプラグキャップの組立て方法の一例を示
す工程説明図。
【符号の説明】
1 圧力センサ内蔵型スパークプラグユニット(ス
パークプラグユニット) 2 主体金具 3 圧力センサ 5 スパークプラグ本体 7 イグニッションコイル 8 リード線 12 プラグキャップ 17 センサ保持部 25 ヨーク部材 40 筒状部 42 プラグ係合部 43 固定部 44 フランジ部 45 リード線収容部 50 接地電極 51 中心電極 129 センサ出力増幅回路 CH シリンダヘッド CR 燃焼室 GK ガスケット PH プラグホール S 座面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02P 15/00 303 F02P 15/00 303B H01T 13/40 H01T 13/40 21/02 21/02 (72)発明者 松井 正好 愛知県名古屋市瑞穂区高辻町14番18号 日 本特殊陶業株式会社内 Fターム(参考) 3G019 KA12 KA14 KA28 KB08 KB09 KC02 KC03 KD17 3G024 AA04 AA05 BA27 GA26 5G059 JJ19 KK03

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の燃焼室の圧力に基づく電気的
    出力を取り出すためのリード線を有する圧力センサを主
    体金具に配置するとともに、該圧力センサが前記内燃機
    関のシリンダヘッドのプラグホール前端側の底部に形成
    された座面に係止されることが予定され、かつ筒状の前
    記主体金具の内側に配置された軸状の中心電極と、該主
    体金具の軸線方向前端部に結合され、火花放電ギャップ
    を隔てて前記中心電極と対向位置する接地電極とを有す
    るスパークプラグ本体に装着されるプラグキャップであ
    って、 前記軸線方向に沿って前記主体金具の後方に配置される
    筒状部の前端側に、前記主体金具に対し後方外側から同
    心状に係合するとともに、該主体金具を軸線方向前方側
    に押圧するプラグ係合部を形成する一方、 前記筒状部の後端側に、前記プラグ係合部が前記主体金
    具を押圧した状態にて、前記シリンダヘッドに取り付け
    固定可能な固定部が形成され、 かつ、前記筒状部の前端側から後端側にかけて前記リー
    ド線を前記軸線方向に沿って収容するリード線収容部を
    備えていることを特徴とするプラグキャップ。
  2. 【請求項2】 前記固定部は、前記筒状部の後端部外周
    面において少なくとも周方向の一部を外向きに突出させ
    たフランジ部を有しており、このフランジ部は前記プラ
    グホールの開口周縁にて前記シリンダヘッドに固定可能
    とされている請求項1記載のプラグキャップ。
  3. 【請求項3】 前記筒状部は、その内側において、イグ
    ニッションコイルと、該イグニッションコイルの外周面
    を取り囲む形態の、磁路形成用の筒状のヨーク部材とを
    有する請求項1又は2記載のプラグキャップ。
  4. 【請求項4】 前記筒状部は、前記圧力センサから前記
    リード線を介して取り出された電気的出力を増幅するた
    めのセンサ出力増幅回路を保持している請求項1ないし
    3のいずれかに記載のプラグキャップ。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれかに記載のプ
    ラグキャップが前記スパークプラグ本体に装着されてい
    ることを特徴とするスパークプラグユニット。
  6. 【請求項6】 前記主体金具に対する前記プラグ係合部
    の装着時押さえ荷重が980N以上に設定されている請
    求項5記載のスパークプラグユニット。
  7. 【請求項7】 前記スパークプラグ本体が前記プラグホ
    ールに挿入された状態において、前記主体金具に外向き
    に突出する形態で形成された鍔状のセンサ保持部と、前
    記プラグホールの座面との間で圧縮されることにより、
    これらセンサ保持部とプラグホールの座面との間をシー
    ルする環状のガスケットを備え、 前記ガスケットは、そのガスケットを前記軸線方向に圧
    縮する圧縮荷重として作用する前記押さえ荷重Fと、前
    記ガスケットの圧縮変位αとの関係を測定するととも
    に、前記ガスケットの初期外径を2R1、同内径を2R2
    として、前記ガスケットへの付加圧力PをF/{π(R
    1−R2)}にて算出したときに、該圧力Pが58.
    8〜117.6MPaとなる範囲に対応する前記圧縮変
    位αの変化量Δαが、0.5mm以上に設定されている
    請求項6記載のスパークプラグユニット。
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