JP2002312956A

JP2002312956A - 光ピックアップ送り装置

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Publication number: JP2002312956A
Application number: JP2001118792A
Authority: JP
Inventors: Hiroyuki Shishido; 宏行宍戸; Yoshihiro Noguchi; 義弘野口; Yukihiro Sugiyama; 幸広杉山
Original assignee: Kenwood KK
Current assignee: Kenwood KK
Priority date: 2001-04-17
Filing date: 2001-04-17
Publication date: 2002-10-25
Anticipated expiration: 2021-04-17
Also published as: JP3751217B2

Abstract

(57)【要約】【課題】光ピックアップに動力を良好に伝達でき耐久
性、追従性を向上させ異音、バックラッシュを防止する
光ピックアップ送り装置を提供する。【解決手段】開口する穴１０ａの近傍に記録媒体を保
持するターンテーブル１１を搭載したメインシャシ１０
を有し、このメインシャシ１０の底面にスキュ部材２４
を介して取り付けられて送り軸２１により摺動可能に支
持した光ピックアップ２２を穴１０ａに露出させてスキ
ュ部材２４により傾斜してスキュ調整を可能にしたサブ
シャシ２０を設け、メインシャシ１０に装着して所定の
駆動源１３により駆動して光ピックアップ２２を送り軸
２１に沿って摺動させるリードスクリュ１２を備え、ス
キュ部材２４によりサブシャシ２０が傾斜して相対位置
が変化する光ピックアップ２２とリードスクリュ１２と
の間で荷重を吸収して一定の係合力で連結する伝達アー
ム２３を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、光ピックアップ送
り装置に係り、より詳細にはメインシャシに対してサブ
シャシを傾ける光ピックアップのスキュ調整時に光ピッ
クアップとリードスクリュとの係合を好適に維持する光
ピックアップ送り装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、例えば、ＣＤ−ＲＯＭ、ＤＶＤ、
ＭＤなどの光ディスク（以下、ディスクと称す）を記録
または再生するディスク再生装置には、ターンテーブル
を設けてディスクを載置したメインシャシに対して送り
軸に光ピックアップを支持したサブシャシを配置して傾
けることで、光ピックアップのスキュ調整を可能にした
構造がよく用いられている。従来、このディスク再生装
置には、サブシャシとともに傾斜する光ピックアップを
リードスクリュに係合させて送り軸に沿って良好に摺動
させる光ピックアップ送り装置を備えていた。図１０
は、このような光ピックアップをリードスクリュにより
摺動させる従来の光ピックアップ送り装置の一実施形態
を示す構成図である。また、図１１は、従来の光ピック
アップ送り装置の他の実施形態を示す構成図である。ま
た、図１２は、従来の光ピックアップ送り装置の更なる
他の実施形態を示す構成図である。

【０００３】図１０に示すように、光ピックアップをリ
ードスクリュにより摺動させる従来の光ピックアップ送
り装置の一実施形態は、ディスクを再生又は記録するデ
ィスク再生装置の本体内（図示せず）に収納されてお
り、開口する穴６０ａの近傍にディスクを回転自在に保
持するターンテーブル６１を搭載したメインシャシ６０
と、このメインシャシ６０の底面にスキュ部材７４を介
して取り付けられて平行して延在する送り軸７１により
摺動可能に支持した光ピックアップ７２を穴６０ａに露
出させてスキュ部材７４の動作により傾斜して光ピック
アップ７２のスキュ調整を可能にしたサブシャシ７０と
を備えている。

【０００４】ここで、サブシャシ７０は、スキュ部材７
４を介してメインシャシ６０に弾性体７５により引き付
けるように支持されている。また、スキュ部材７４は、
略タマゴ形状を備えてサブシャシ７０に回転可能に支持
し、メインシャシ６０に係合してサブシャシ７０を図１
０に示したＸ方向に対して傾斜させるラジアル調整カム
７４ａと、サブシャシ７０を図１０に示したＹ方向に対
して傾斜させるタンジェンシャル調整カム７４ｂとを備
えている。また、サブシャシ７０には、光ピックアップ
７２を摺動させるリードスクリュ７６と、このリードス
クリュ７６を駆動させる駆動源７７とを載置している。
この駆動源７７は、回転力を与えるモータ７７ａと、こ
のモータ７７ａの回転を減速するギヤ列７７ｂとを備え
ている。そして、光ピックアップ７２は、リードスクリ
ュ７６に板バネ７３（または樹脂バネ）を介して連結し
ている。

【０００５】従って、サブシャシ７０は、光ピックアッ
プ７２、送り軸７１、リードスクリュ７６、駆動源７
７、及びスキュ部材７４を載置しており、スキュ部材７
４を回転させてサブシャシ７０を傾斜させるスキュ調整
時に、送り軸７１とリードスクリュ７６との相対位置が
不変になるように形成している。これにより光ピックア
ップ７２は、サブシャシ７０が傾斜するスキュ調整時に
も、板バネ７３を介してリードスクリュ７６から良好に
駆動源７７の回転力を伝達することができる。しかしな
がら、このサブシャシ７０では、多くの載置部品、特
に、モータ７７ａ及びギヤ列７７ｂなどの重くて大きい
部品を複数載置しているため、この重さで弾性体７５に
より引き付けたメインシャシ６０から離れてしまい耐振
特性が悪くなるとともにスペース的にも不利になるとい
う不具合があった。

【０００６】そこで、従来の光ピックアップ送り装置に
は、サブシャシに載置したモータ、ギヤ列、及びリード
スクリュをメインシャシに載置した構造がある。まず、
モータ及びギヤ列をメインシャシに載置した従来の光ピ
ックアップ送り装置の他の実施形態は、図１１に示すよ
うに、モータ８３ａ及びギヤ列８３ｂからなる駆動源８
３をメインシャシ８０に配置して耐振特性やスペース的
に向上させている。そして、ギヤ列８３ｂは、メインシ
ャシ８０にサブシャシ９０を弾性体９５により引き付け
て装着する際、リードスクリュ９６に螺合して動力を伝
達できるようになる。また、ギヤ列８３ｂは、スキュ部
材９４の回転によりサブシャシ９０を傾斜させるスキュ
調整時にリードスクリュ９６との相対位置が変化して外
れないように所定の余裕を保持して噛み合う構造に形成
している。

【０００７】一方、これとは異なり、モータ及びギヤ列
とともにリードスクリュをメインシャシに載置した従来
の光ピックアップ送り装置の更なる他の実施形態が知ら
れている。この光ピックアップ送り装置は、図１２に示
すように、モータ１０３ａ及びギヤ列１０３ｂからなる
駆動源１０３とリードスクリュ１０２とをメインシャシ
１００に配置し、光ピックアップ１１２を平行に延在す
る送り軸１１１によりサブシャシ１１０に配置してい
る。そして、リードスクリュ１０２は、メインシャシ１
００にサブシャシ１１０を弾性体１１５により引き付け
て装着する際、光ピックアップ１１２の板バネ１１３が
螺合して動力を伝達できるようになる。従って、従来の
光ピックアップ送り装置の更なる他の実施形態は、図１
０及び図１１に示した光ピックアップ送り装置に比べて
サブシャシ１１０に載置する部品を一層削減でき耐振特
性やスペース的に向上させることができる。ここで、光
ピックアップ１１２の板バネ１１３は、スキュ部材１１
４の回転によりサブシャシ１１０を傾斜させるスキュ調
整時に、リードスクリュ１０２との相対位置が変化して
外れないように所定の付勢力で当接させて螺合するよう
に形成している。

【０００８】このように、従来の光ピックアップ送り装
置は、図１１及び図１２に示したように、モータ、ギヤ
列、及びリードスクリュをメインシャシに配置してサブ
シャシに載置する部品を低減して荷重が加わることを防
止することで、耐振特性やスペース的に向上させてい
た。

【０００９】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
光ピックアップ送り装置では、図１１に示したメインシ
ャシ８０にモータ８３ａ及びギヤ列８３ｂからなる駆動
源８３を配置した場合、ギヤ列８３ｂとリードスクリュ
９６とをスキュ調整時に外れないように所定の余裕を保
持して噛み合せるため、ギヤ同士の噛み合いが変化し
て、耐久性、異音、バックラッシュなどの点で不利にな
るという不具合があった。また、従来の光ピックアップ
送り装置では、図１２に示したメインシャシ１００にモ
ータ１０３ａ、ギヤ列１０３ｂ、及びリードスクリュ１
０２を配置した場合、板バネ１１３がスキュ調整時にリ
ードスクリュ１０２から外れないように所定の付勢力に
より当接させて螺合しているため、スキュ調整時に板バ
ネ１１３（または樹脂バネ）の荷重変動が激しく、耐久
性及び光ピックアップ１１２の追従性が悪くなるという
不具合があった。本発明はこのような課題を解決し、光
ピックアップに動力を良好に伝達でき耐久性、追従性を
向上させ異音、バックラッシュを防止する光ピックアッ
プ送り装置を提供することを目的とする。

【００１０】

【課題を解決するための手段】本発明は上述の課題を解
決するために、開口する穴の近傍に記録媒体を回転自在
に保持するターンテーブルを搭載したメインシャシと、
このメインシャシの底面にスキュ部材を介して取り付け
られて平行して延在する送り軸により摺動可能に支持し
た光ピックアップを穴に露出させてスキュ部材の動作に
より傾斜して光ピックアップのスキュ調整を可能にした
サブシャシと、メインシャシに装着して所定の駆動源に
より駆動して光ピックアップを送り軸に沿って摺動させ
るリードスクリュと、光ピックアップをリードスクリュ
に連結するとともにスキュ部材によりサブシャシが傾斜
して光ピックアップとリードスクリュとの相対位置が変
化することで加わる荷重（負荷）を吸収して一定の係合
力で連結する伝達アームとを設ける。

【００１１】ここで、伝達アームは、光ピックアップに
固定する固定部材と、この固定部材に遊動可能に支持さ
れてリードスクリュのネジ部に螺合する遊動アームと、
固定部材に装着して遊動アームを付勢する弾性部材とを
備えることが好ましい。また、遊動アームは、弾性部材
により付勢してリードスクリュをサブシャシに引き付け
てメインシャシからサブシャシが離れる荷重変化を少な
く抑えてガタを防止することが好ましい。また、遊動ア
ームは、リードスクリュに螺合する螺合部と、この螺合
部から棒状に延在する軸部と、この軸部の先端に球状に
形成したボールジョイント部とを備え、軸部及びボール
ジョイント部を固定部材に切り欠いた嵌入部に嵌入する
ことで軸部を軸とする回転及び嵌入部に沿った上下の動
作を可能にすることが好ましい。また、遊動アームは、
ピックアップのラジアル方向及びタンジェンシャル方向
のスキュ調整に応じて軸部を軸とする回転及び嵌入部に
沿った上下の動作を行い荷重を吸収することが好まし
い。また、固定部材の嵌入部内には、遊動アームのボー
ルジョイント部が弾性部材の付勢により所定方向に摺動
してガタを防止するように傾斜した受け面を設けること
が好ましい。また、ボールジョイント部は、中心に切り
欠きを設けて嵌入部内で外側に付勢するように設けるこ
とでガタを防止することが好ましい。また、固定部材に
は、嵌入部の近傍両側にほぼ半円状に突出して遊動アー
ムの嵌入部に沿った上下の動作を案内するリブを設ける
ことが好ましい。また、リブは、嵌入部の両側に突出し
て遊動アームを上下に案内するとともに、この突出する
両側いずれか一方に切り欠き部を設けて弾性を備えて付
勢するように形成することで、遊動アームが上下の動作
に加えて左右両側に回動して光ピックアップの送り軸が
送り方向に対して左右両側に傾く際に加わる荷重変動を
吸収できるように設けることが好ましい。また、駆動源
は、モータと、このモータの回転を減速するギヤ列とか
らなり、リードスクリュとともにメインシャシに装着す
ることが好ましい。また、記録媒体は、ＣＤ−ＲＯＭ、
ＤＶＤ、ＭＤなどの光ディスクであることが好ましい。

【００１２】

【発明の実施の形態】次に、添付図面を参照して本発明
による光ピックアップ送り装置の実施の形態を詳細に説
明する。図１は、本発明による光ピックアップ送り装置
の実施の形態を示す構成図である。また、図２は、図１
に示した伝達アーム２３の詳細を示す分解斜視図であ
る。また、図３は、図２に示したＣ−Ｃ線の断面を示す
断面図である。また、図４は、図１に示した光ピックア
ップ送り装置を組み立てた状態を示す図である。また、
図５は、図４に示したＤ−Ｄ線の断面を示す断面図であ
る。また、図６は、図４に示したＥ−Ｅ線の断面を示す
断面図である。また、図７は、図１に示した伝達アーム
２３のスキュ調整時における動作を示す動作説明図であ
り、図７（ａ）は図１に示した矢印Ａ方向から見た動作
を、図７（ｂ）は図１に示した矢印Ｂ方向から見た動作
を各々示している。また、図８は、図２に示した伝達ア
ームの他の実施例を示す図である。また、図９は、図２
に示した伝達アームの更なる他の実施例を示す図であ
る。

【００１３】図１に示すように、本発明による光ピック
アップ送り装置の実施の形態は、図１０に示した従来技
術と同様に、光ディスク（以下、ディスクと称す）を再
生又は記録するディスク再生装置の本体内（図示せず）
に収納されており、開口する穴１０ａの近傍にディスク
１（図４参照）を回転自在に保持するターンテーブル１
１を搭載したメインシャシ１０と、このメインシャシ１
０の底面にスキュ部材２４を介して取り付けられて平行
して延在する送り軸２１により摺動可能に支持した光ピ
ックアップ２２を穴１０ａに露出させてスキュ部材２４
の動作により傾斜して光ピックアップ２２のスキュ調整
を可能にしたサブシャシ２０とを備えている。

【００１４】ここで、サブシャシ２０は、スキュ部材２
４を介してメインシャシ１０に弾性体２５により引き付
けるように支持されている。また、スキュ部材２４は、
略タマゴ形状を備えてサブシャシ２０に回転可能に支持
し、メインシャシ１０に係合してサブシャシ２０を図１
に示したＸ方向に対して傾斜させるラジアル調整カム２
４ａと、サブシャシ２０を図１に示したＹ方向に対して
傾斜させるタンジェンシャル調整カム２４ｂとを備えて
いる。このラジアル調整カム２４ａは、光ピックアップ
２２を支持する平行に延在した片側の送り軸２１両端に
設けられており、回転により位相及び変位が送り軸２１
の両端で各々異なって得られるように配置されている。
また、タンジェンシャル調整カム２４ｂは、ラジアル調
整カム２４ａを設けた送り軸２１に対して平行に延在す
る他方の送り軸２１の近傍に設けられ、ラジアル調整カ
ム２４ａと同様に回転することで位相及び変位が得られ
るように形成しているまた、メインシャシ１０には、図
１２に示した従来技術と同様に、モータ１３ａ及びギヤ
列１３ｂからなる駆動源１３とリードスクリュ１２とを
搭載することで、サブシャシ２０に載置する部品を削減
して耐振特性やスペース的に向上させている。そして、
リードスクリュ１２は、メインシャシ１０にサブシャシ
２０を弾性体２５により引き付けるように装着する際、
光ピックアップ２２と連結して動力を伝達するように形
成している。ここで、リードスクリュ１２に光ピックア
ップ２２を連結する場合、図１２に示した従来技術とは
異なり、板バネまたは樹脂バネを用いることなく、伝達
アーム２３により連結して動力を伝達するように形成し
ている。

【００１５】この伝達アーム２３は、図２に示すよう
に、光ピックアップ２２の側面に固定する固定部材３２
と、この固定部材３２に遊動可能に支持されてリードス
クリュ１２（図１参照）のネジ部に螺合する遊動アーム
２３と、固定部材３２に装着して遊動アーム３３を付勢
するコイルスプリングからなる弾性部材３４とにより形
成されている。ここで、固定部材３２は、光ピックアッ
プ２２の側面に突出して略中央部に凹状に切り欠いた嵌
合部３２ａを備えている。また、固定部材３２は、嵌合
部３２ａを形成した片側両端に略半円状に突出するリブ
３２ｂを各々形成している。一方、遊動アーム３３は、
略コ字状に突出してリードスクリュ１２に螺合する螺合
部３３ａと、この螺合部３３ａから棒状に延在する軸部
３３ｂと、この軸部３３ｂの先端に球状に形成したボー
ルジョイント部３３ｃとを一体に形成している。この螺
合部３３ａは、図３に示すように、略コ字状の内部にリ
ードスクリュ１２と螺合する突起部３３ｄを形成してい
る。そして、この遊動アーム３３は、図２に示したよう
に、軸部３３ｂ及びボールジョイント部３３ｃを固定部
材３２の切り欠いた嵌入部３２ａに嵌入して弾性部材３
４により付勢している。これにより遊動アーム３３は、
固定部材３２に支持されて図２に示した軸部３３ｂを軸
とするＸ方向の回転及び嵌入部３２ａに沿ったＺ方向の
上下動作を可能にしている。

【００１６】そして、伝達アーム２３は、図１に示した
メインシャシ１０にサブシャシ２０を弾性体２５により
引き付けるように装着する際、図４に示すように、リー
ドスクリュ１２に螺合させることで光ピックアップ２２
を送り軸２１に沿って摺動させることが可能になる。こ
の際、光ピックアップ２２は、ターンテーブル１１に載
置したディスク１の半径、即ち、内周から外周間のデー
タゾーンＧを摺動して所定の情報を記録又は再生する。
また、伝達アーム２３は、図５に示すように、固定部材
３２に弾性部材３４を装着して遊動アーム３３を斜め方
向の力Ｆにより付勢している。これにより伝達アーム２
３は、図１に示したリードスクリュ１２をサブシャシ２
０側に引き付けてメインシャシ１０からサブシャシ２０
が離れる荷重変化を少なくし、且つ、図５に示したＸ方
向のガタ付きも同時に防止している。さらに、伝達アー
ム２３は、図６に示すように、固定部材３２の嵌入部３
２ａ内にボールジョイント部３３ｃを受ける傾斜した受
け面３２ｃを設けている。従って、伝達アーム２３は、
弾性部材３４（図５参照）が遊動アーム３３を前述した
斜め方向の力Ｆで付勢してボールジョイント部３３ｃを
受け面３２ｃに沿って斜めに摺動させるため、図６に示
したＹ方向のガタ付きを防止できる。

【００１７】次に、このように形成された本発明による
光ピックアップ送り装置の実施の形態の動作について詳
細に説明する。まず、光ピックアップ２２のラジアルス
キュ調整を実行した場合、図１に示したラジアル調整カ
ム２４ａが回転してサブシャシ２０をＸ方向に対して傾
斜させる。この際、光ピックアップ２２と送り軸２１と
は、リードスクリュ１２に対して傾斜することで相対位
置が変化する。これと同時に伝達アーム２３は、図７
（ａ）に示すように、固定部材３２に支持された遊動ア
ーム３３がＸ方向に回転して光ピックアップ２２とリー
ドスクリュ１２との相対位置の変化によって加わる荷重
（負荷）を吸収する。

【００１８】一方、光ピックアップ２２のタンジェンシ
ャルスキュ調整を実行した場合、図１に示したタンジェ
ンシャル調整カム２４ｂが回転してサブシャシ２０をＹ
方向に対して傾斜させる。この際、光ピックアップ２２
と送り軸２１とは、リードスクリュ１２に対して傾斜す
ることで相対位置が変化する。これと同時に伝達アーム
２３は、図７（ｂ）に示すように、遊動アーム３３が固
定部材３２の略半円状のリブ３２ｂに沿ってＺ方向に回
動することで光ピックアップ２２とリードスクリュ１２
との相対位置の変化によって加わる荷重（負荷）を吸収
する。ここで、遊動アーム３３は、固定部材３２に嵌入
したボールジョイント部３３ｃを中心として螺合部３３
ａをリブ３２ｂに沿ってＺ方向に回動させるとともに、
この回動を弾性部材３４（図示せず）により付勢してメ
インシャシ１０からサブシャシ２０が離れる荷重変化を
少なくしている。

【００１９】このように本発明による光ピックアップ送
り装置の実施の形態によると、遊動アーム３３の螺合部
３３ａが光ピックアップ２２のラジアル方向及びタンジ
ェンシャル方向のスキュ調整時に図７に示したＸ方向と
Ｚ方向とに回動して荷重を吸収するため、リードスクリ
ュ１２との螺合状態が変化せず耐久性を向上でき、異
音、バックラッシュを防止することができる。また、本
発明による光ピックアップ送り装置の実施の形態による
と、前述したようにリードスクリュ１２との螺合状態が
変化しないため、荷重変動が少なくリードスクリュ１２
から駆動力を良好に伝達できるとともに、光ピックアッ
プ２２の追従性を向上させることができる。

【００２０】ここで、伝達アーム２３は、図２に示した
固定部材３２の嵌入部３２ａにボールジョイント部３３
ｃを嵌入して遊動アーム３３を支持した実施例を説明し
たが、これに限定されるものではなく、例えば、ボール
ジョイント部に弾性をもたせて嵌入部内で付勢させてガ
タ付きを防止しても良い。このような伝達アームの他の
実施例は、図８に示すように、遊動アーム４３のボール
ジョイント部４３ｃに略中心部を切り欠いて弾性を備え
た切り欠き部４３ｅを設けている。従って、この伝達ア
ーム４０は、遊動アーム４３のボールジョイント部４３
ｃが固定部材４２の嵌入部４２ａ内で図８に示した外側
に付勢する力Ｆを加えてガタを防止する。この際、固定
部材４２の嵌入部４２ａ内には、外側に付勢する力Ｆに
よりボールジョイント部４３ｃを固定部材４２側、即
ち、Ｙ方向に引き付ける傾斜した受け面４２ｃを設ける
ことで、より効果的にガタ付きを抑えている。

【００２１】このような伝達アームの他の実施例によれ
ば、固定部材４２に遊動アーム４３をボールジョイント
部４３ｃにより回動可能に支持しているため、図２に示
した伝達アームと同様の効果を得られるとともに、この
ボールジョイント部４３ｃに切り欠き部４３ｅを設けて
嵌入部４２ａ内で付勢させることで図２に示した伝達ア
ームに比べてより効果的にガタ付きを防止できる。

【００２２】また、伝達アームは、遊動アームが図７に
示したＸ方向及びＺ方向に回動する実施例を説明した
が、これに限定するものではなく、例えば、図９に示す
ように、Ｙ方向にも回動させても良い。このような伝達
アームの更なる他の実施例は、図９に示したように、固
定部材５２から一対に突出する略半円状のリブ５２ｂの
いずれか一方に切り欠いた切り欠き部５２ｄを設けて弾
性を備えて付勢するように形成している。従って、この
伝達アーム５０は、遊動アーム５３が図９に示したＸ方
向及びＺ方向に加えてＹ方向にも回動するため、光ピッ
クアップ２２の送り軸２１が送り方向に対して左右両側
のＹ方向に傾くことで加わる荷重変動を吸収することが
可能になる。

【００２３】このように伝達アームの更なる他の実施例
によれば、図９に示したように、遊動アーム５３をＸ方
向及びＺ方向に回動可能に支持しているため、図２に示
した伝達アームと同様の効果が得られるとともに、この
遊動アーム５３がＸ方向及びＺ方向に加えてＹ方向にも
回動することで光ピックアップ２２の傾きに対するほぼ
全ての方向に加わる荷重変動を吸収することが可能にな
る。

【００２４】以上、本発明による光ピックアップ送り装
置の実施の形態を詳細に説明したが、本発明は前述した
実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱
しない範囲で変更可能である。例えば、伝達アームの固
定部材に遊動アームを図２に示したコイルスプリングか
らなる弾性部材により付勢した実施の形態を説明した
が、これに限定されるものではなく、板バネなどの弾性
を備える弾性部材を用いても良い。また、スキュ部材と
してラジアル調整カム及びタンジェンシャル調整カムな
どのタマゴ状のカムを用いた実施の形態を説明したが、
これに限定されるものではなく、例えば、サブシャシを
介してメインシャシに締結したネジの締結状態によりサ
ブシャシが傾くように設けても良い。

【００２５】

【発明の効果】このように本発明による光ピックアップ
送り装置によれば、光ピックアップとリードスクリュと
の相対位置が変化する光ピックアップのスキュ調整時に
伝達アームが遊動して荷重を吸収しながら光ピックアッ
プとリードスクリュとを連結するため、リードスクリュ
での螺合状態が変化せず調整範囲を広くとれるととも
に、サーチ精度及び耐久性を向上して、異音、バックラ
ッシュの発生を防止することができる。また、本発明に
よる光ピックアップ送り装置によれば、前述したように
リードスクリュでの螺合状態が変化しないため、荷重変
動が少なくリードスクリュから駆動力を良好に光ピック
アップに伝達して精度の高い送りが可能になるととも
に、光ピックアップの追従性を向上させることができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による光ピックアップ送り装置の実施の
形態を示す構成図。

【図２】図１に示した伝達アームの詳細を示す分解斜視
図。

【図３】図２に示したＣ−Ｃ線の断面を示す断面図。

【図４】図１に示した光ピックアップ送り装置を組み立
てた状態を示す図。

【図５】図４に示したＤ−Ｄ線の断面を示す断面図。

【図６】図４に示したＥ−Ｅ線の断面を示す断面図。

【図７】図１に示した伝達アームのスキュ調整時におけ
る動作を示す動作説明図。

【図８】図２に示した伝達アームの他の実施例を示す
図。

【図９】図２に示した伝達アームの更なる他の実施例を
示す図。

【図１０】従来の光ピックアップ送り装置の一実施形態
を示す構成図。

【図１１】従来の光ピックアップ送り装置の他の実施形
態を示す構成図。

【図１２】従来の光ピックアップ送り装置の更なる他の
実施形態を示す構成図。

【符号の説明】

１ディスク１０メインシャシ１０ａ穴１１ターンテーブル１２リードスクリュ１３駆動源１３ａモータ１３ｂギヤ列２０サブシャシ２１送り軸２２光ピックアップ２３伝達アーム２４スキュ部材２４ａラジアル調整カム２４ｂタンジェンシャル調整カム２５弾性体３２固定部材３２ａ嵌合部３２ｂリブ３３遊動アーム３３ａ螺合部３３ｂ軸部３３ｃボールジョイント部３４弾性部材

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者杉山幸広東京都渋谷区道玄坂１丁目14番６号株式会社ケンウッド内Ｆターム(参考） 5D068 AA02 BB01 CC03 EE09 EE17 GG15 5D117 AA02 JJ10 KK08 KK25

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】開口する穴の近傍に記録媒体を回転自在
に保持するターンテーブルを搭載したメインシャシと、前記メインシャシの底面にスキュ部材を介して取り付け
られて平行して延在する送り軸により摺動可能に支持し
た光ピックアップを前記穴に露出させ、前記スキュ部材
の動作により傾斜して前記光ピックアップのスキュ調整
を可能にしたサブシャシと、前記メインシャシに装着して所定の駆動源により駆動し
て前記光ピックアップを前記送り軸に沿って摺動させる
リードスクリュと、前記光ピックアップを前記リードスクリュに連結すると
ともに、前記スキュ部材により前記サブシャシが傾斜し
て前記光ピックアップと前記リードスクリュとの相対位
置が変化することで加わる荷重（負荷）を吸収して一定
の係合力で連結する伝達アームとを設けたことを特徴と
する光ピックアップ送り装置。
【請求項２】請求項１に記載の光ピックアップ送り装
置において、前記伝達アームは、前記光ピックアップに固定する固定
部材と、この固定部材に遊動可能に支持されて前記リー
ドスクリュのネジ部に螺合する遊動アームと、前記固定
部材に装着して前記遊動アームを付勢する弾性部材とを
備えたことを特徴とする光ピックアップ送り装置。
【請求項３】請求項２に記載の光ピックアップ送り装
置において、前記遊動アームは、前記弾性部材により付勢して前記リ
ードスクリュを前記サブシャシに引き付けて前記メイン
シャシから前記サブシャシが離れる荷重変化を少なく抑
えてガタを防止することを特徴とする光ピックアップ送
り装置。
【請求項４】請求項２に記載の光ピックアップ送り装
置において、前記遊動アームは、前記リードスクリュに螺合する螺合
部と、この螺合部から棒状に延在する軸部と、この軸部
の先端に球状に形成したボールジョイント部とを備え、
前記軸部及びボールジョイント部を前記固定部材に切り
欠いた嵌入部に嵌入することで前記軸部を軸とする回転
及び前記嵌入部に沿った上下の動作を可能にしたことを
特徴とする光ピックアップ送り装置。
【請求項５】請求項４に記載の光ピックアップ送り装
置において、前記遊動アームは、前記ピックアップのラジアル方向及
びタンジェンシャル方向のスキュ調整に応じて前記軸部
を軸とする回転及び前記嵌入部に沿った上下の動作を行
い荷重を吸収することを特徴とする光ピックアップ送り
装置。
【請求項６】請求項３に記載の光ピックアップ送り装
置において、前記固定部材の嵌入部内には、前記遊動アームのボール
ジョイント部が前記弾性部材の付勢により所定方向に摺
動してガタを防止する傾斜した受け面を設けたことを特
徴とする光ピックアップ送り装置。
【請求項７】請求項３に記載の光ピックアップ送り装
置において、前記ボールジョイント部は、中心に切り欠きを設けて前
記嵌入部内で外側に付勢するように設けることでガタを
防止することを特徴とする光ピックアップ送り装置。
【請求項８】請求項３に記載の光ピックアップ送り装
置において、前記固定部材には、前記嵌入部の近傍両側
にほぼ半円状に突出して前記遊動アームの前記嵌入部に
沿った上下の動作を案内するリブを設けたことを特徴と
する光ピックアップ送り装置。
【請求項９】請求項８に記載の光ピックアップ送り装
置において、前記リブは、前記嵌入部の両側に突出して前記遊動アー
ムを上下に案内するとともに、この突出する両側いずれ
か一方に切り欠き部を設けて弾性を備えて付勢するよう
に形成することで、前記遊動アームが前記上下の動作に
加えて左右両側に回動して前記光ピックアップの前記送
り軸が送り方向に対して左右両側に傾く際に加わる荷重
変動を吸収できるように設けたことを特徴とする光ピッ
クアップ送り装置。
【請求項１０】請求項１に記載の光ピックアップ送り
装置において、前記駆動源は、モータと、このモータの回転を減速する
ギヤ列とからなり、前記リードスクリュとともに前記メ
インシャシに装着していることを特徴とする光ピックア
ップ送り装置。
【請求項１１】請求項１に記載の光ピックアップ送り
装置において、前記記録媒体は、ＣＤ−ＲＯＭ、ＤＶＤ、ＭＤなどの光
ディスクであることを特徴とする光ピックアップ送り装
置。