JP2002311951A - 自動作曲装置及び自動作曲プログラム - Google Patents

自動作曲装置及び自動作曲プログラム

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JP2002311951A
JP2002311951A JP2001113745A JP2001113745A JP2002311951A JP 2002311951 A JP2002311951 A JP 2002311951A JP 2001113745 A JP2001113745 A JP 2001113745A JP 2001113745 A JP2001113745 A JP 2001113745A JP 2002311951 A JP2002311951 A JP 2002311951A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 作曲完成後の曲イメージを把握しながらの自
動作曲を可能とする。 【解決手段】 表示手段に表示されているピッチ変化曲
線の形状を変更するために、変更入力手段を用いて所定
区間毎の端点を移動した際に、該移動した端点に割り当
てられるピッチを発音する。すなわち、ピッチ変化曲線
における所定区間毎の端点を変更入力手段により移動す
ると、該ピッチ変化曲線の形状が変化する。端点を移動
した際には移動した端点に割り当てられるピッチを発音
することから、ユーザは端点移動後のピッチを確認しな
がらピッチ変化曲線の形状を変更することができる。そ
して、この形状変更後のピッチ変化曲線に基づいて自動
作曲が行われて楽音情報は生成される。このようにする
と、ユーザが端点に割り当てられるピッチを確認しなが
らピッチ変化曲線の形状を変更できるので、自動作曲の
結果生成される曲のイメージを非常に捉えやすくなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、所定の入力パラ
メータに従って自動的にメロディや伴奏等の作曲を行う
自動作曲装置及び自動作曲プログラムに関する。特にパ
ラメータ入力の際に所定の盛り上がりカーブ(ピッチ変
化曲線)を用いる場合に、該盛り上がりカーブの所定区
間毎の端点に割り当てる音高(ピッチ)を表示する若し
くは発音することによって、ユーザが作曲完成後の曲イ
メージを把握しながら自動作曲を行うことができるよう
にした自動作曲装置及び自動作曲プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、パーソナルコンピュータの普及に
伴い、コンピュータを用いて楽器を演奏したり、作曲し
たり、編曲したり、音色を合成したりするコンピュータ
ミュージックを用いて、誰でもが音楽を自由に楽しめる
ようになってきた。特に、コンピュータを用いた作曲の
分野では、音楽的な専門知識の少ない初心者であっても
簡単に作曲を行うことのできる自動作曲が出現してい
る。このような自動作曲装置として、所定の盛り上がり
カーブ(つまりピッチ変化曲線)に沿って音高(ピッ
チ)を適宜に決定していくことでメロディを自動作曲す
るものが従来から知られている(例えば、本発明人の請
求に係る特開2000−221976号など)。この盛り上がりカ
ーブは曲全体にわたって所定の区間毎(例えば、1楽節
区間毎)に設定されており、該盛り上がりカーブに沿っ
てメロディの骨格音に対してピッチ(以下、骨格音ピッ
チと呼ぶ)を順次割り当てていくことによって、該該区
間毎における盛り上がりカーブの形状と同じような形状
の起伏を持ったメロディを生成することができるように
なっている。この盛り上がりカーブにおける所定区間毎
の端点は各所定区間の骨格音ピッチ(つまり、所定区間
内に存在する多数の骨格音ピッチのうちの先頭と最後の
2つ)を表し、マウス等の操作により設定された端点の
ピッチはメロディ生成の際の骨格音ピッチ(のうちの2
つ)として用いられる。そこで、ユーザはこうした所定
区間毎における盛り上がりカーブの端点をポインティン
グデバイス等を用いて移動操作して該盛り上がりカーブ
の形状を適宜に変化することによって、曲全体にわたっ
てユーザ所望の起伏を持ったメロディを自動作曲するこ
とができる。すなわち、ユーザは盛り上がりカーブの形
状を変化させることで、メロディの概要を考慮しながら
自動作曲を行うことができるようになっている。例え
ば、ユーザは「サビ」部分にあたる区間における盛り上
がりカーブの最後の端点ピッチを該区間の先頭の端点ピ
ッチよりも高い位置に配置すると、当該区間におけるメ
ロディ前半からメロディ後半にかけて次第に盛り上がっ
ていく(ピッチが上がっていく)メロディを生成するこ
とができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
では盛り上がりカーブ(ピッチ変化曲線)の端点を移動
操作して適宜の位置に配置して該カーブの形状を変更す
ることができ、自動作曲時にこの盛り上がりカーブに沿
ってメロディを割り当てることによってメロディの自動
生成を行うようになっていた。しかし、従来の自動作曲
装置においては盛り上がりカーブをドラッグ操作して端
点を所定位置に配置した際に、端点に対しどのような骨
格音ピッチが割り当てられるかは端点を配置した位置と
所定の基準位置との表示上での相対的な位置関係の比較
からユーザ自身が大まかなピッチを判断するしかなく、
実際に端点に割り当てられるピッチがどのような音(例
えば、音名、音高名、階名等)になるのかを正確に把握
することが非常に困難である、という問題点があった。
【0004】本発明は上述の点に鑑みてなされたもの
で、メロディを自動作曲する際に用いられる盛り上がり
カーブの端点を操作した際に、該端点に割り当てられる
音の種類等を所定の態様でユーザに知らせることによ
り、自動作曲されるメロディの音楽的な特徴(特に曲の
起伏)をユーザが把握しやすいようにした自動作曲装置
及び自動作曲プログラムを提供しようとするものであ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明に係る請求項1に
記載の自動作曲装置は、所定のピッチ変化曲線を表示す
る表示手段と、前記ピッチ変化曲線の形状を所定区間毎
の端点を移動することによって変更する変更入力手段
と、前記変更入力手段による変更指示に従って、移動し
た端点に割り当てられるピッチを発音する楽音出力手段
と、前記形状変更されたピッチ変化曲線に基づいて自動
作曲を行い楽音情報を生成する作曲手段とを具備する。
【0006】この発明によると、表示手段に表示された
ピッチ変化曲線の形状を変更するために、変更入力手段
を用いて所定区間毎の端点を移動した際に、該移動した
端点に割り当てられるピッチを発音することから、ユー
ザは形状変更後のピッチ変化曲線に基づく自動作曲によ
り生成される楽音情報の概要を把握しやすくなる。すな
わち、表示手段には所定のピッチ変化曲線が表示されて
おり、該ピッチ変化曲線における所定区間毎の端点を変
更入力手段により移動することができるようになってい
る。所定区間毎の端点を移動すると、該ピッチ変化曲線
の形状が変化する。楽音出力手段は所定区間毎の端点を
移動した際に、移動した端点に割り当てられるピッチを
発音することから、ユーザは端点移動後に割り当てられ
るピッチを確認しながらピッチ変化曲線の形状を変更す
ることができる。作曲手段は、形状変更後のピッチ変化
曲線に基づいて自動作曲を行い楽音情報を生成する。こ
のようにすると、ユーザは移動した端点に割り当てられ
るピッチを確認しながらピッチ変化曲線の形状を変更す
ることができることから、自動作曲の結果生成される曲
のイメージが非常に捉えやすくなる。
【0007】本発明に係る請求項4に記載の自動作曲装
置は、所定のピッチ変化曲線を表示する表示手段と、前
記ピッチ変化曲線の形状を所定区間毎の端点を移動する
ことによって変更する変更入力手段と、前記変更入力手
段による変更指示に従って、移動した端点に割り当てら
れるピッチを所定の表示態様で表示する表示制御手段
と、前記形状変更されたピッチ変化曲線に基づいて自動
作曲を行い楽音情報を生成する作曲手段とを具備する。
これによると、所定区間毎の端点を移動してピッチ変化
曲線の形状を変更する際に、移動した端点に割り当てら
れるピッチを所定の表示態様で表示する。こうすること
によっても、自動作曲の結果生成される曲のイメージを
ユーザが捉えやすくなることから、非常に便利である。
【0008】本発明は、装置の発明として構成し、実施
することができるのみならず、方法の発明として構成し
実施することができる。また、本発明は、コンピュータ
またはDSP等のプロセッサのプログラムの形態で実施
することができるし、そのようなプログラムを記憶した
記憶媒体の形態で実施することもできる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照してこの発
明の実施の形態を詳細に説明する。
【0010】図1は、この発明に係る自動作曲装置を内
蔵した電子楽器の実施の形態を示すハード構成ブロック
図である。本実施例に示す電子楽器は、マイクロプロセ
ッサユニット(CPU)1、リードオンリメモリ(RO
M)2、ランダムアクセスメモリ(RAM)3からなる
マイクロコンピュータによって制御されるようになって
いる。CPU1は、この電子楽器全体の動作を制御する
ものである。このCPU1に対して、データ及びアドレ
スバス1Dを介してリードオンリメモリ(ROM)2、
ランダムアクセスメモリ(RAM)3、検出回路4、ス
イッチ検出回路5、表示回路6、音源回路7、効果回路
8、外部記憶装置9、MIDIインタフェース(I/
F)10および通信インタフェース(I/F)11がそ
れぞれ接続されている。更に、CPU1には、タイマ割
込み処理(インタラプト処理)における割込み時間や各
種時間を計時するタイマ1Aが接続されている。すなわ
ち、タイマ1Aは時間間隔を計数したり、作曲した楽曲
を自動演奏する際に用いる演奏テンポを設定したりする
ためのテンポクロックパルスを発生する。このテンポク
ロックパルスの周波数は、パネル操作子5Aの中の例え
ばテンポ設定スイッチ等によって調整される。このよう
なタイマ1AからのテンポクロックパルスはCPU1に
対して処理タイミング命令として与えられたり、あるい
はCPU1に対してインタラプト命令として与えられ
る。CPU1は、これらの命令に従って各種処理を実行
する。
【0011】ROM2は、CPU1により実行あるいは
参照される各種制御プログラム(例えば、後述するメロ
ディ生成処理などのプログラム)や各種データ(例え
ば、メロディ生成用データやコード進行データ、あるい
は伴奏スタイルデータなど)等を格納するものである。
RAM3は、作曲した楽曲を自動演奏する際に用いる自
動演奏情報やCPU1が所定のプログラムを実行する際
に発生する各種データなどを一時的に記憶するワーキン
グメモリとして、あるいは現在実行中の制御プログラム
やそれに関連するデータを記憶するメモリ等として使用
される。RAM3の所定のアドレス領域がそれぞれの機
能に割り当てられ、レジスタやフラグ、テーブル、メモ
リなどとして利用される。演奏操作子4Aは楽音の音高
を選択するための複数の鍵を備えた、例えば鍵盤等のよ
うなものであり、各鍵に対応してキースイッチを有して
おり、この演奏操作子4A(鍵盤等)は楽音演奏のため
に使用できるのは勿論のこと、自動作曲を行う際に用い
るメロディのピッチやリズムなどを入力するための入力
手段として使用することもできる。検出回路4は、演奏
操作子4Aの各鍵の押圧及び離鍵を検出することによっ
て検出出力を生じる。パネル操作子(スイッチ等)5A
は、楽曲を自動作曲する際における各種作曲条件等を入
力するための各種のスイッチ等を含んで構成される。勿
論、音高、音色、効果等を選択・設定・制御するために
用いる数値データ入力用のテンキーや文字データ入力用
のキーボード、あるいはディスプレイ6A上に表示され
る所定のポインティングデバイスを操作するために用い
るマウスなどの各種操作子を含んでいてよい。スイッチ
検出回路5は、パネル操作子5Aの各スイッチの操作状
態を検出し、その操作状態に応じたスイッチ情報をデー
タ及びアドレスバス1Dを介してCPU1に出力する。
表示回路6は自動作曲時に用いられる盛り上がりカーブ
(ピッチ変化曲線)や各種作曲条件等の各種情報を、例
えば液晶表示パネル(LCD)やCRT等から構成され
るディスプレイ6Aに表示するのは勿論のこと、自動演
奏に関する各種情報あるいはCPU1の制御状態などを
ディスプレイ6Aに表示する。
【0012】音源回路7は、複数のチャンネルで楽音信
号の同時発生が可能であり、データ及びアドレスバス1
Dを経由して与えられた楽音データ(例えば、自動作曲
を行うことにより生成されたメロディ(及び伴奏)など
の楽音データ)を入力し、この楽音データに基づいて楽
音信号を発生する。音源回路7から発生された楽音信号
は、効果回路8を介して効果付与されてアンプやスピー
カなどを含むサウンドシステム8Aから発音される。楽
音データの形式はMIDI形式のようなディジタル符号
化されたものであってもよいし、PCM、DPCM、A
DPCMのような波形サンプルデータ方式からなるもの
であってもよい。この音源回路7と効果回路8とサウン
ドシステム8Aの構成には、従来のいかなる構成を用い
てもよい。例えば、音源回路7はFM、PCM、物理モ
デル、フォルマント合成等の各種楽音合成方式のいずれ
を採用してもよく、また専用のハードウェアで構成して
もよいし、CPU1によるソフトウェア処理で構成して
もよい。
【0013】外部記憶装置9は、自動作曲を行った結果
生成されたメロディ(及び伴奏)などの楽音データや、
CPU1が実行する各種制御プログラム等の制御に関す
るデータなどを記憶するものである。前記ROM2に制
御プログラムが記憶されていない場合に、この外部記憶
装置9(例えばハードディスク)に制御プログラムを記
憶させておき、それをRAM3に読み込むことにより、
ROM2に制御プログラムを記憶している場合と同様の
動作をCPU1にさせることができる。このようにする
と、制御プログラムの追加やバージョンアップ等が容易
に行える。なお、外部記憶装置9はハードディスク(H
D)に限られず、フロッピィーディスク(FD)、コン
パクトディスク(CD−ROM・CD−RAM)、光磁
気ディスク(MO)、あるいはDVD(Digital Versat
ile Diskの略)等の着脱自在な様々な形態の外部記憶媒
体を利用する記憶装置であればどのようなものであって
もよい。半導体メモリなどであってもよい。
【0014】MIDIインタフェース(I/F)10
は、他のMIDI機器10A等からMIDI規格の楽音
情報(つまり、MIDIデータ)を当該電子楽器へ入力
したり、あるいは当該電子楽器からMIDI規格の楽音
情報(MIDIデータ)を他のMIDI機器10A等へ
出力するためのインタフェースである。他のMIDI機
器10Aはユーザによる操作に応じてMIDIデータを
発生する機器であればよく、鍵盤型、弦楽器型、管楽器
型、打楽器型、身体装着型等どのようなタイプの操作子
を具えた(若しくは、操作形態からなる)機器であって
もよい。
【0015】なお、MIDIインタフェース10は専用
のMIDIインタフェースを用いるものに限らず、RS
−232C、USB(ユニバーサル・シリアル・バ
ス)、IEEE1394(アイトリプルイー1394)
等の汎用のインタフェースを用いてMIDIインタフェ
ース10を構成するようにしてもよい。この場合、MI
DIイベントデータ以外のデータをも同時に送受信する
ようにしてもよい。MIDIインタフェース10として
上記したような汎用のインタフェースを用いる場合に
は、他のMIDI機器10AはMIDIイベントデータ
以外のデータも送受信できるようにしてよい。勿論、楽
音情報に関するデータフォーマットはMIDI形式のデ
ータに限らず、他の形式であってもよく、その場合はM
IDIインタフェース10と他のMIDI機器10Aは
それにあった構成とする。
【0016】通信インタフェース(I/F)11は、例
えばLANやインターネット、電話回線等の有線あるい
は無線の通信ネットワークXに接続されており、該通信
ネットワークXを介して、サーバコンピュータ11Aと
接続され、当該サーバコンピュータ11Aから制御プロ
グラムや各種データを電子楽器側に取り込むためのイン
タフェースである。すなわち、ROM2や外部記憶装置
9(例えば、ハードディスク)等に制御プログラムや各
種データが記憶されていない場合に、サーバコンピュー
タ11Aから制御プログラムや各種データをダウンロー
ドするために用いられる。クライアントとなる電子楽器
は、通信インターフェース11及び通信ネットワークX
を介してサーバコンピュータ11Aへと制御プログラム
や各種データのダウンロードを要求するコマンドを送信
する。サーバコンピュータ11Aは、このコマンドを受
け、要求された制御プログラムや各種データを、通信ネ
ットワークXを介して本電子楽器へと配信し、本電子楽
器が通信インタフェース11を介して、これら制御プロ
グラムや各種データを受信して外部記憶装置9(例え
ば、ハードディスク)等に蓄積することにより、ダウン
ロードが完了する。なお、通信インタフェース11及び
通信ネットワークXは、有線のものに限らず無線のもの
であってもよい。また、双方を具えていてもよい。
【0017】なお、上述した電子楽器において、演奏操
作子4Aは鍵盤楽器の形態に限らず、弦楽器や管楽器、
あるいは打楽器等どのようなタイプの形態でもよい。該
演奏操作子4Aは、なくてもよい。また、電子楽器は演
奏操作子4Aやディスプレイ6Aあるいは音源回路7な
どを1つの装置本体に内蔵したものに限らず、それぞれ
が別々に構成され、MIDIインタフェースや各種ネッ
トワーク等の通信手段を用いて各装置を接続するように
構成されたものであってもよいことはいうまでもない。
さらに、本発明に係る自動作曲装置を適用する装置は電
子楽器の形態に限らず、パーソナルコンピュータや携帯
通信端末、カラオケや自動演奏ピアノのような自動演奏
装置あるいはゲーム機器など、どのような形態の装置・
機器に適用してもよい。
【0018】次に、図1に示した電子楽器で行う自動作
曲に関する処理について、図2A及び図2Bを用いて説
明する。図2A及び図2Bは、上述した電子楽器で実行
する「メロディ生成処理」の一実施例を示すフローチャ
ートである。図2Aはメロディ生成処理における前半の
処理を、図2Bはメロディ生成処理における後半の処理
をそれぞれ示す。すなわち、電子楽器は、図2Aに示し
た前半処理を実行した後に図2Bに示した後半処理を引
き続き実行する。以下、図2A及び図2Bに示したフロ
ーチャートに従って、当該処理の動作を説明する。
【0019】まず、図2Aに示した「メロディ生成処
理」の前半処理について説明する。ステップS1では、
メロディ生成用データを供給する。このメロディ生成用
データの供給方法としては、例えば、メロディ生成用デ
ータが予めテンプレートとして外部記憶装置9等に多数
用意されており、そのいずれかのテンプレートをユーザ
が選択することによってメロディ生成用データを供給す
る方法がある。ステップS2では、コード進行データを
供給する。このコード進行データの供給方法についても
上記メロディ生成用データと同様に、予めテンプレート
として外部記憶装置9等に多数用意されており、そのい
ずれかをユーザが選択することによって供給する方法が
ある。こうした場合におけるメロディ生成用データやコ
ード進行データの選択は、ユーザに選択肢を提示してい
ずれかをユーザに選択させることにより供給するように
してもよいし、所定のキーワード(例えば、演歌調やジ
ャズ調等の音楽ジャンルや、結婚式や運動会等のシチュ
エーションなど)、若しくは所定の感覚的な用語(例え
ば、明るい、暗い、派手、地味など)をユーザが指定し
て、それにマッチするテンプレートを検索して供給する
ようにしてもよい。すなわち、所定のキーワードや感覚
的な用語毎に複数種類のメロディ生成用データやコード
進行データが対応しており、選択されたキーワードや感
覚的な用語に対応した複数種類のメロディ生成用データ
やコード進行データのうちのいずれかがそれぞれランダ
ムに選択される。勿論、所定のキーワードや感覚的な用
語毎に対して1つのメロディ生成用データやコード進行
データが対応していてもよい。メロディ生成用データ
は、音符数(多、中、小)、拍子種類、シンコペーショ
ンの有無、楽曲の小節数、楽節構成等のリズム特徴デー
タと、絶対的な音域幅(つまり、ダイナミクス)やピッ
チの変化幅といった所定の音楽ルール等のピッチ生成用
データとからなる。コード進行データは、1楽曲分(例
えば、4楽節32小節分)のコード進行を表すデータか
らなる。
【0020】ステップS3では、供給されたコード進行
データに基づき、所定の音階音テーブル(図示せず)を
参照して音階音(例えば、アベイラブルノートスケー
ル)を検出する。上記音階音テーブルは音階音を各コー
ド毎に定義したデータであり、この音階音テーブルによ
って各コードに含まれる音階音を決定する。こうして決
定された音階音は、重要打点以外の各打点に対してピッ
チを割り当てる際に用いられる(後述する図2Bにおけ
るステップS16及びステップS17参照)。ステップ
S4では、骨格音ピッチの自動/手動モードを設定す
る。すなわち、重要打点に割り当てるピッチ(つまり骨
格音ピッチ)の生成方法としては、骨格音ピッチをラン
ダムに生成する「自動モード」による方法と、ユーザが
設定した盛り上がりカーブに追従する骨格音ピッチを生
成する「手動モード」による方法とがあり、ユーザは重
要打点に割り当てるべき骨格音ピッチをそのいずれの方
法によって生成するのかを選択することができるように
なっている。これらによって生成される骨格音ピッチ
は、典型的にはコード構成音からなるピッチである。
【0021】ステップS5では、上述のステップS4に
おいて「自動モード」または「手動モード」のいずれの
モードが設定されたかの判定を行う。骨格音ピッチの生
成方法として「手動モード」が設定されている場合には
(ステップS5のYES)、後述の図3に示す「盛り上
がりカーブ手動設定処理」を実行する(ステップS
6)。そして、該「盛り上がりカーブ手動設定処理」終
了後には、コード進行データとメロディ生成用データ中
に含まれるダイナミクスや音楽ルール等(つまり、ピッ
チ生成用データ)に基づいて、上記「盛り上がりカーブ
手動設定処理」においてユーザ設定された端点ピッチ以
外の骨格音ピッチを自動生成して(ステップS7)、該
前半の処理を終了し、引き続き後述の図2Bに示す後半
処理を開始する。この際に生成される端点ピッチ以外の
骨格音ピッチはユーザが設定した端点の骨格音ピッチに
追従して生成されるものであり、例えば端点で決まるダ
イナミクスの範囲内のピッチが骨格音ピッチとして生成
される。他方、骨格音ピッチの生成方法として「手動モ
ード」が設定されていない場合、すなわち、「手動モー
ド」ではなく「自動モード」が設定されている場合には
(ステップS5のNO)、コード進行データとメロディ
生成用データ中に含まれるダイナミクスや音楽ルール等
に基づいて、曲全体にわたる全ての骨格音ピッチ(つま
り端点ピッチを含む)の自動生成を行う(ステップS
8)。そして、生成した所定区間毎における端点の骨格
音ピッチに基づき、盛り上がりカーブをディスプレイ6
A上に表示する(ステップS9)。盛り上がりカーブを
表示する際には、所定区間の端点毎に、端点に割り当て
られた音名(CやEなど)/音高名(C4やE4など)/階
名(ドやミなど)などを適宜に表示する(ステップS1
0)。この端点音名/音高名/階名などの表示は常時行
わなくてもよく、例えば、端点上あるいはその近傍にマ
ウスカーソルを位置させたときに、所定時間あるいはマ
ウスカーソルが位置している間だけ、音名/音高名/階
名などを表示するようにしてもよい(後述する図5に具
体例を示す)。ステップS11では、ディスプレイ6A
上に表示された盛り上がりカーブの複数端点のうちのい
ずれかの端点に対してマウス等を用いたクリック操作が
行われたか否かを判定する。いずれかの端点に対してク
リック操作が行われている場合には(ステップS11の
YES)、クリック操作対象の端点の骨格音ピッチに基
づく楽音(端点楽音)を発生する(ステップS12)。
すなわち、端点に割り当てられたピッチの音を発音す
る。いずれの端点に対してもクリック操作が行われてい
ない場合には(ステップS11のNO)、ステップS1
2の処理を行うことなく該前半の処理を終了して、引き
続き図2Bに示す後半の処理を開始する。
【0022】次に、図2Bに示した「メロディ生成処
理」の後半処理について説明する。該後半処理は、前半
処理の終了後に(図2AのステップS7、ステップS1
1、ステップS12参照)引き続き行われる処理であ
る。ステップS13では、メロディ生成用データ中に含
まれるリズム特徴データに基づいて、1曲分のリズムパ
ターン(例えば、音符の存在位置を規定したデータ)を
生成する。まず、数小節からなるモチーフ(例えば、楽
曲の先頭部分やサビの部分)のリズムパターンをリズム
特徴データに基づいて(若しくはユーザの入力操作に従
って)生成し、該生成したモチーフとリズム特徴データ
の楽曲構成等から1曲分のリズムパターンが生成され
る。例えば、1曲分のリズムパターンは、楽節記号を反
映すべく、同一記号楽節は対応する楽節と同一リズム、
類似記号楽節は対応する楽節と一部(例えば前半部分)
のみを同一リズムにすることなどによって得られる。ス
テップS14では、リズムパターン中の重要打点を検出
する。重要打点とはメロディを構成する全打点のうちの
音楽的に重要な打点であり、一例として各小節の強拍す
なわち第1、第3拍にある打点あるいは第1、第3拍の
近くの打点が重要打点として検出され、その他の打点は
非重要打点として検出される。勿論、こうした強拍ある
いはその近傍の打点に限らず、他の条件に従って重要打
点を検出するようにしてもよい。
【0023】ステップS15では、検出した各重要打点
に骨格音ピッチを割り当てる。ステップS16では、メ
ロディ生成用データ中に含まれるダイナミクスや音楽ル
ールと検出された音階音(図2AのステップS3参照)
とに基づいて、重要打点間のピッチを自動生成する。ス
テップS17では、重要打点以外の各打点に生成した重
要打点間のピッチを割り当てる。すなわち、重要打点以
外の各打点(つまり非重要打点)のピッチを作成する
(スケール音を適宜割り当てる)。ステップS18で
は、必要に応じて、コード進行データと伴奏スタイルデ
ータに基づいて伴奏データを生成する。例えば、楽曲の
スタイル毎に複数の伴奏スタイルデータ(1乃至複数の
パートについて所定コードタイプに沿って作成された1
乃至複数小節分の演奏データ)をROM2やRAM3な
どに予め記憶しておき、パネル操作子5Aの所定スイッ
チを用いてユーザが指定した、あるいはメロディ生成用
データ中に含まれた伴奏スタイルデータを指定するため
の指定データ(例えば楽曲スタイル)に対応した伴奏ス
タイルデータを読み出し、コード進行データに基づいて
伴奏スタイルデータに含まれる音高データを該コード進
行データにマッチするよう修正し、これを1曲分繰り返
すことで伴奏データは生成される。楽曲のスタイルとし
ては、「都会的な」、「土くさい」、「トロピカル
な」、「ダンサブルな」等がある。なお、この伴奏デー
タの生成は必須でなく、伴奏データは必要に応じて生成
するようにすればよい。ステップS19では、生成した
メロディ(及び伴奏データ)を所定の出力形態で出力す
る。例えば、メロディ(及び伴奏)の出力形態として
は、演奏する(通常の自動演奏、携帯通信端末等の着信
メロディ、カラオケ伴奏等)、楽譜等に表示する、記録
媒体に保存する、電子メールに添付して他者に送信す
る、Webサーバにアップロードする、などの多種多様
な出力形態であってよい。
【0024】なお、メロディ生成処理は上述したような
アルゴリズムのものに限らず、他のどのようなアルゴリ
ズムのものであってもよい。例えば、上述した図2A及
び図2Bに示した実施例においては、一旦「自動モー
ド」または「手動モード」を設定したら、設定されたモ
ードのみで骨格音ピッチを生成する例を説明している。
しかし、これに限らず、「自動モード」または「手動モ
ード」のどちらかのモードで骨格音ピッチを生成した後
に、他のモードに移行して骨格音ピッチを生成しなおす
ようにアルゴリズムを構成してもよい。骨格音ピッチを
生成しなおすようにアルゴリズムを構成する場合の一例
として、自動生成した骨格音ピッチを手動で修正するこ
とができるようにしてもよいし、逆に手動で設定した骨
格音ピッチが全く気に入らなかった場合に自動生成によ
って全ての骨格音ピッチを新たに生成しなおすようにし
てもよい。あるいは、一部の骨格音ピッチのみを自動生
成によって新たに生成しなおすことができるようにして
もよい。なお、上述した実施例においては盛り上がりカ
ーブを骨格音ピッチのみに反映する場合の例を示したが
これに限らず、例えば音量などにも反映させるようにし
てもよい。
【0025】図1に示した電子楽器においては、自動作
曲の際に用いる骨格音ピッチの生成方法として「手動モ
ード」を選択すると、ディスプレイ6A上に盛り上がり
カーブが表示され、ユーザは手動で表示された該盛り上
がりカーブの形状を所定区間毎に変化することによっ
て、ユーザ所望の起伏を持ったメロディを自動作曲する
ことができるようになっている(図2AのステップS5
〜ステップS7参照)。そこで、この「手動モード」時
に実行される「盛り上がりカーブ手動設定処理」につい
て説明する。図3は、「盛り上がりカーブ手動設定処
理」(図2AのステップS6参照)の一実施例を示すフ
ローチャートである。以下、図3に示したフローチャー
トに従って、当該処理の動作を説明する。
【0026】まず、ディスプレイ6A上に表示された所
定区間毎における盛り上がりカーブの端点のいずれか
が、ユーザによる操作に従うマウス等でドラッグ操作さ
れたか否かを判定する(ステップS21)。端点のいず
れかがドラッグ操作された場合には(ステップS21の
YES)、コード音吸い込みモードであるか、音階音吸
い込みモードであるか、通常のモードであるかを判定す
る(ステップS22及びステップS25)。これらのコ
ード音吸い込みモード、音階音吸い込みモード、通常の
モードなどのモード設定は予め設定されていてもよい
し、その都度ユーザが設定してもよい。例えば、キーボ
ード上に配置されたキーの1つである「SHIFT」キーを
押しながらドラッグ操作が行われた場合にはコード音吸
い込みモードが設定され、「CTRL」キーを押しながらド
ラッグ操作が行われた場合には音階音吸い込みモードが
設定され、マウスのみによる単独でのドラッグ操作が行
われた場合には通常のモードが設定される。コード音吸
い込みモードが設定されている場合には(ステップS2
2のYES)、端点に対応する骨格音ピッチをドラッグ
操作位置に最も近いコード音へ吸い込みを行う(ステッ
プS23)。音階音吸い込みモードが設定されている場
合には(ステップS22がNOであり、ステップS25
がYES)、端点に対応する骨格音ピッチをドラッグ操
作位置に最も近い音階音へ吸い込みを行う(ステップS
26)。通常のモードが設定されている場合には(ステ
ップS22及びステップS25が共にNO)、端点に対
応する骨格音ピッチをドラッグ操作位置の音高に設定す
る(ステップS27)。
【0027】この実施例においては、盛り上がりカーブ
は所定区間(例えば1楽節区間)毎に設定されてディスプ
レイ6A上に表示されるものであって、この所定区間毎
の盛り上がりカーブにおける端点の表示位置は骨格音ピ
ッチを表し、マウス等の操作により設定された端点の表
示位置がメロディ生成の際の骨格音ピッチに対応する。
こうした盛り上がりカーブにおける端点ピッチの設定
は、端点をマウス等のポインティングデバイス(つまり
マウスカーソル)で指定し、こうしたポインティングデ
バイスと共に上下方向にドラッグ操作することで行われ
る。すなわち、端点を上下方向にドラッグすることで該
端点のピッチが変化する。この際に、変更可能なピッチ
はコード音に限定してもよいし、スケール音に限定して
もよい。もちろん限定無しの12音名全てに変更可能と
してもよい。上述の「盛り上がりカーブ設定処理」にお
いては、コード音吸い込みモード、スケール音吸い込み
モード、通常モードのいずれかで変更可能なピッチを限
定している(図3のステップS22及びステップS25
参照)。コード音吸い込みモードでは、変更可能なピッ
チをコード音に限定する。すなわち、コード音に限定し
た場合には背景のコードにあったピッチのメロディを生
成することができ、オーソドックスなメロディをつくる
ことができる。スケール音吸い込みモードでは、変更可
能なピッチをスケール音に限定する。すなわち、スケー
ル音に限定した場合には、音痴の無い(すなわち、背景
のコードとマッチしない音が生じない)メロディを生成
することができる。通常モードでは、変更可能なピッチ
を限定しない。すなわち、ピッチの限定をしないとした
場合には、背景のコードにしばられない斬新なメロディ
を生成することができる。また、コード音吸い込みモー
ドやスケール音吸い込みモードに設定した場合におい
て、ドラッグ操作によりコード音やスケール音を構成す
るピッチに対応する表示位置の近傍に端点を移動したと
きには、端点を該ピッチに対応する表示位置へと自動的
に吸い込ませて(ジャンプさせて)表示するようにすると
よい。すなわち、コード音やスケール音を構成するピッ
チに対応する表示位置にしか端点を移動できないように
するとよい。
【0028】ステップS24では、ディスプレイ6A上
に表示された所定区間毎における盛り上がりカーブの端
点毎に音名(CやEなど)/音高名(C4やE4など)/階
名(ドやミなど)などを表示する。この端点の音名/音高
名/階名表示は常時行わなくてもよく、所定の操作時の
みに表示するようにしてもよいことは既に説明した(上
述した図2AのステップS10参照)。また、端点がコ
ード音か、音階音か、それ以外の音かを表示するように
してもよい。この場合には、例えば、端点の色や音名/
階名表示の色を変えたり、端点の近傍に「コード音」
「音階音」などのように表示してもよいし、若しくはこ
れらを所定の記号(例えば、コード音は「C」、音階音
は「S」など)で表現してそれらを表示するようにして
もよい。さらに、こうした音名表示、音高名表示、階名
表示のいずれの表示を行うかをユーザが適宜に選択する
ことができるようにしてもよい。
【0029】ステップS28では、端点楽音を発生す
る。ステップS29では端点をユーザがマウス等を用い
てクリック操作したか否かを判定し、クリック操作され
ている場合には(ステップS29のYES)端点楽音を
発生する(ステップS30)。すなわち、ユーザが端点
に割り当てられた骨格音ピッチを確認することができる
ようにするために、ユーザのクリック操作に応じてクリ
ック操作された端点のピッチを発音する。この端点のク
リック操作にあわせて発音するピッチは、生成されるメ
ロディの音色でもよいし、まったく関係の無い音色でも
よい。音長、音量はあらかじめ定めた所定値とすればよ
い。このように、端点をクリックしたときに設定されて
いるピッチを発音させるようにすれば、設定されている
ピッチをあとから確認することができる。なお、こうし
た場合に、クリック操作した端点から該端点以降の端点
毎に、端点楽音を順次に連続発音するようにしてもよ
い。あるいは、マウスで端点をドラッグ操作した場合
に、隣の音(コード音、音階音、全ての音)へ達する毎
に端点楽音を発生するようにしてもよいし、ドラッグ操
作が終了した時点で初めて端点楽音を発生するようにし
てもよい。ステップS31では、ディスプレイ6A上に
表示された全ての所定区間の盛り上がりカーブに基づく
骨格音ピッチの設定操作が終了したか否かを判定する。
全ての所定区間の盛り上がりカーブに基づく骨格音ピッ
チの設定操作が終了した場合には(ステップS31のY
ES)、該「盛り上がりカーブ手動設定処理」を終了す
る。一方、全ての所定区間の盛り上がりカーブに基づく
骨格音ピッチの設定操作が終了していない場合には(ス
テップS31のNO)、ステップS21の処理に戻っ
て、上述したステップS21〜ステップS31までの処
理を繰り返し実行する。すなわち、該「盛り上がりカー
ブ手動設定処理」に従う端点毎の設定を続行する。
【0030】以上のように、端点ピッチを手動設定した
際に該ピッチを発音させるようにしたことにより、ユー
ザは端点ピッチを手動設定する際に実際の音を確認しな
がら盛り上がりカーブの設定を行うことができるように
なる。また、端点ピッチを手動設定または自動設定した
際に、該ピッチの音名、音高名、階名などを盛り上がり
カーブと共に表示するようにしたことから、ユーザは視
覚的に音を確認することができるようになる。
【0031】盛り上がりカーブは1曲全体にわたって所
定区間毎に設定されており、所定区間毎のカーブの端点
やその近傍をマウス等のポインティングデバイスで上下
方向にドラッグすることにより、端点が配置された位置
に対応するように定義されたピッチがメロディ生成の際
に骨格音ピッチとして用いられることは上述した通りで
ある。そこで、こうした盛り上がりカーブを用いた骨格
音ピッチの設定について、図4に示す具体例を用いて説
明する。図4は「手動モード」時にディスプレイ6A上
に表示される盛り上がりカーブの一実施例を示す概念図
であって、図4上段は骨格音ピッチ設定前の初期表示の
盛り上がりカーブを示すものであり、図4下段は骨格音
ピッチ設定後の盛り上がりカーブを示すものである。こ
の実施例における縦軸はピッチを表し、横軸は楽節区間
(第1楽節区間〜第4楽節区間)毎の時間長さを表す。
なお、この実施例では各楽節区間毎の端点を「○」表示
によって示し、端点毎に音高名(C4やE4など)を表
示した盛り上がりカーブを示した。
【0032】まず、「手動モード」が設定されると(図
2AのステップS5参照)、図4上段に示すような盛り
上がりカーブがディスプレイ6Aに表示される。すなわ
ち、図4上段に示した盛り上がりカーブは初期表示(す
なわち、骨格音ピッチの設定操作が行われる前の表示)
であって、この初期表示の盛り上がりカーブの端点は全
て、所定の基準ピッチ(ユーザが予め設定した基準ピッ
チ、若しくはコード進行データに従って自動的に決定さ
れる基準ピッチ)に対応する表示位置に配置され、各楽
節区間(第1楽節区間〜第4楽節区間)毎の端点は直線
で結ばれるようにして表示がなされる。そして、所定位
置に基準ピッチの音高名を表示する。例えば、基準ピッ
チが「E4」であり、この基準ピッチ「E4」に対応す
る端点の表示位置が図4上段に示すような中央の位置で
あるような場合には、直線形状の盛り上がりカーブが初
期表示として表示される。勿論、初期表示として表示す
る盛り上がりカーブはこうした基準ピッチに対応する所
定の表示位置に直線形状に表示されるものに限らず、折
れ線形状で表示されるものであってもよい。例えば、コ
ード進行データに従って各楽節区間毎の先頭及び最後の
端点の骨格音ピッチを予めランダムに決定しておくこと
によって、初期表示として折れ線形状をした盛り上がり
カーブを表示するようにしてもよい。すなわち、初期表
示する盛り上がりカーブとして、図4後段に示したよう
な骨格音ピッチ設定後の表示と同様の表示の盛り上がり
カーブを表示するようにしてもよい。こうした場合に
は、各楽節区間の端点毎にランダムに決定された骨格音
ピッチを端点近傍位置などの所定位置に表示するように
するとよい。
【0033】上述したように、ユーザは初期表示された
盛り上がりカーブの端点のいずれかを適宜にマウス等の
ポインティングデバイスで指示して上下方向にドラッグ
操作し、図4上段に示したような直線形状の盛り上がり
カーブを図4後段に示したような折れ線形状の盛り上が
りカーブへとその形状を変更する(すなわち、「手動モ
ード」設定時における盛り上がりカーブの手動設定)こ
とによって、該盛り上がりカーブの形状と同様の起伏を
持ったユーザ所望のメロディを自動作曲することができ
るようになる。例えば、第1楽節区間の先頭の端点をポ
インティングデバイスで指示してから(点線で示した矢
印及び端点参照)下方向にドラッグ操作すると、該ポイ
ンティングデバイスで指示されている端点がドラッグ操
作に伴い下方に移動する(実線で示した矢印及び端点参
照)。端点をユーザ所望の位置まで移動しドラッグ操作
を終了すると、端点はドラッグ操作が終了した時点の位
置に表示される。そして、端点が表示されている表示位
置に対応する骨格音ピッチが表示される。すなわち、端
点を上下方向にドラッグして表示位置を変更する際に
は、該端点の骨格音ピッチの表示を該ドラッグ操作後の
変更位置に応じて順次に変更表示する。
【0034】この実施例においては、最初骨格音ピッチ
が「E4」であった端点が骨格音ピッチ「C4」に対応
する表示位置へと移動されることによって、先頭の端点
の骨格音ピッチは「E4」から「C4」に変更される。
一方、第1楽節区間の最後の端点については上方向にド
ラッグ操作されることにより、最初骨格音ピッチが「E
4」であった端点が、骨格音ピッチ「B♭4」に対応す
る表示位置へと移動されている。すなわち、最後の端点
の骨格音ピッチは「E4」から「B♭4」に変更されて
いる。第2楽節区間では、先頭の端点の骨格音ピッチは
「E4」のままであり(すなわち、ドラッグ操作されて
いない)、最後の端点の骨格音ピッチは「E4」から
「D♭4」へ変更されている。第3楽節区間では、先頭
の端点の骨格音ピッチは「E4」から「A4」に、最後
の端点の骨格音ピッチは「E4」から「F♯4」へ変更
されている。第4楽節区間では、先頭の端点の骨格音ピ
ッチは「E4」から「A3」に、最後の端点の骨格音ピ
ッチは「E4」から「C5」へ変更されている。こうし
た端点の骨格音ピッチを変更することによって生成され
た設定後の盛り上がりカーブに沿って、各重要打点に骨
格ピッチを、重要打点以外の各打点に重要打点間ピッチ
を割り当てていくことによりメロディが生成される(図
2BのステップS15及びステップS17参照)。例え
ば、第1楽節区間に表示した塗りつぶしの丸(●表示)
は、端点以外の各打点(重要打点及び重要打点以外の打
点)に割り当てられたピッチの一例を示すものである
(実際の表示中には表示されないが、ここでは理解しや
すくするために便宜的に表示した)。この図から理解で
きるように、端点以外の各打点には該第1楽節区間にお
ける割り込みカーブに沿ったピッチが割り当てられる。
【0035】なお、上述した実施例においては端点の近
傍に音高名を表示した例を示したがこれに限らず、端点
を示す「○」表示の中に音高名などを表示するようにし
てもよい。また、基準ピッチや各端点の骨格音ピッチの
表示は予め表示しておく必要はなく、マウス等で端点等
がクリック操作されたときにのみ表示するようにしても
よい(図2AのステップS10又は図2BのステップS
24参照)。図5は、マウス等で端点等がクリック操作
されたときにのみ各端点の骨格音ピッチを表示する場合
の一実施例を示す概念図である。ただし、この実施例で
は一部区間の盛り上がりカーブのみを代表的に示した。
この図5から理解できるように、端点をクリック操作す
る前には端点の骨格音ピッチを表示しない(クリック前
参照)。このような表示状態の盛り上がりカーブに対し
て、端点をマウス等のポインティングデバイス(矢印で
示す)で指示しクリック操作を行うと、該端点の骨格音
ピッチを表示する(クリック後参照)。勿論、これに限
らず、クリック操作することなく単にポインティングデ
バイスで端点を指示した際に、該端点の骨格音ピッチを
表示するようにしてもよい。このようにして、端点また
はその近傍をポインティングデバイスで指示したときに
のみ、該ピッチの音名、音高名、階名などを表示するよ
うにすると、普段の盛り上がりカーブの表示はこうした
表示のないすっきりとした盛り上がりカーブが表示され
るので、ユーザにとり非常に見やすい表示となる。そし
て、ユーザは必要なときにだけ必要な端点についての
み、視覚的に音を確認することができるようになり便利
である。
【0036】なお、メロディ生成処理(図2A及び図2
B参照)により生成されるメロディ(及び伴奏)の楽音
データのフォーマットは、イベントの発生時刻を曲や小
節内における絶対時間で表した『イベント+絶対時間』
形式のもの、イベントの発生時刻を1つ前のイベントか
らの時間で表した『イベント+相対時間』形式のもの、
音符の音高と符長あるいは休符と休符長で楽音データを
表した『音高(休符)+符長』形式のもの、演奏の最小
分解能毎にメモリの領域を確保し、演奏イベントの発生
する時刻に対応するメモリ領域にイベントを記憶した
『ベタ方式』形式のものなど、どのような形式のもので
もよい。
【0037】
【発明の効果】この発明によれば、画面上に表示された
盛り上がりカーブの端点の指定に従って、該端点に割り
当てられた骨格音ピッチを表示あるいは発音するように
したことから、ユーザが自動作曲されるメロディ全体の
イメージを把握しながら盛り上がりカーブの設定を行う
ことができるようになる、という効果を得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明に係る自動作曲装置を内蔵した電子
楽器の実施の形態を示すハード構成ブロック図である。
【図2A】 図1に示した電子楽器で実行する「メロデ
ィ生成処理」における前半の処理の一実施例を示すフロ
ーチャートである。
【図2B】 図2Aに示した「メロディ生成処理」にお
ける前半の処理に引き続き行われる後半の処理の一実施
例を示すフローチャートである。
【図3】 「盛り上がりカーブ手動設定処理」の一実施
例を示すフローチャートである。
【図4】 「手動モード」時にディスプレイ上に表示さ
れる盛り上がりカーブの一実施例を示す概念図である。
【図5】 マウス等で端点等がクリック操作されたとき
にのみ各端点の骨格音ピッチを表示する場合の一実施例
を示す概念図である。
【符号の説明】
1…CPU、1A…タイマ、2…ROM、3…RAM、
4…検出回路、4A…演奏操作子、5…スイッチ検出回
路、5A…パネル操作子、6…表示回路、6A…ディス
プレイ、7…音源回路、8…効果回路、8A…サウンド
システム、9…外部記憶装置、10…MIDIインタフ
ェース、10A…MIDI機器、11…通信インタフェ
ース、11A…サーバコンピュータ、X…通信ネットワ
ーク、1D…データ及びアドレスバス

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定のピッチ変化曲線を表示する表示手
    段と、 前記ピッチ変化曲線の形状を所定区間毎の端点を移動す
    ることによって変更する変更入力手段と、 前記変更入力手段による変更指示に従って、移動した端
    点に割り当てられるピッチを発音する楽音出力手段と、 前記形状変更されたピッチ変化曲線に基づいて自動作曲
    を行い楽音情報を生成する作曲手段とを具備した自動作
    曲装置。
  2. 【請求項2】 前記楽音出力手段は、前記変更入力手段
    による変更指示が確定した時点で、指示された端点に割
    り当てられたピッチを発音することを特徴とする請求項
    1に記載の自動作曲装置。
  3. 【請求項3】 前記楽音出力手段は、前記変更入力手段
    による変更指示が現在のピッチと異なるピッチに移動さ
    れた時点で、指示された端点に割り当てられたピッチを
    発音することを特徴とする請求項1に記載の自動作曲装
    置。
  4. 【請求項4】 所定のピッチ変化曲線を表示する表示手
    段と、 前記ピッチ変化曲線の形状を所定区間毎の端点を移動す
    ることによって変更する変更入力手段と、 前記変更入力手段による変更指示に従って、移動した端
    点に割り当てられるピッチを所定の表示態様で表示する
    表示制御手段と、 前記形状変更されたピッチ変化曲線に基づいて自動作曲
    を行い楽音情報を生成する作曲手段とを具備した自動作
    曲装置。
  5. 【請求項5】 前記表示制御手段は、前記変更入力手段
    により端点上又は端点の近傍が指示された場合に、該端
    点に割り当てられるピッチを所定の表示態様で表示する
    ことを特徴とする請求項4に記載の自動作曲装置。
  6. 【請求項6】 所定のピッチ変化曲線を表示するステッ
    プと、 前記ピッチ変化曲線の形状を所定区間毎の端点を移動す
    ることによって変更するステップと、 移動した端点に割り当てられるピッチを発音するステッ
    プと、 前記形状変更されたピッチ変化曲線に基づいて自動作曲
    を行い楽音情報を生成するステップとを具備する自動作
    曲プログラム。
  7. 【請求項7】 所定のピッチ変化曲線を表示するステッ
    プと、 前記ピッチ変化曲線の形状を所定区間毎の端点を移動す
    ることによって変更するステップと、 移動した端点に割り当てられるピッチを所定の表示態様
    で表示するステップと、 前記形状変更されたピッチ変化曲線に基づいて自動作曲
    を行い楽音情報を生成するステップとを具備する自動作
    曲プログラム。
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CN112992106A (zh) * 2021-03-23 2021-06-18 平安科技(深圳)有限公司 基于手绘图形的音乐创作方法、装置、设备及介质
US11132983B2 (en) 2014-08-20 2021-09-28 Steven Heckenlively Music yielder with conformance to requisites

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