JP2002311404A - 変調光発生装置、光波干渉測定装置、露光装置、及びマイクロデバイスの製造方法 - Google Patents

変調光発生装置、光波干渉測定装置、露光装置、及びマイクロデバイスの製造方法

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JP2002311404A
JP2002311404A JP2001116830A JP2001116830A JP2002311404A JP 2002311404 A JP2002311404 A JP 2002311404A JP 2001116830 A JP2001116830 A JP 2001116830A JP 2001116830 A JP2001116830 A JP 2001116830A JP 2002311404 A JP2002311404 A JP 2002311404A
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Toru Kawaguchi
透 川口
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  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 外部変動の影響を受けにくく、安定して変調
光を発生することができる変調光発生装置を提供する。 【解決手段】 光源11から射出され、1/2波長板1
2によって偏光面が所定方位に設定された直線偏光をウ
ォラストンプリズム13により第1の光束L10及び第
2の光束L20に分離する。分離された第1の光束L1
0及び第2の光束L20は、レンズ系16により集束さ
れて所定の角度をもって音響光学素子17に入射する。
音響光学素子17によって異なる周波数が与えられた第
1の光束L11及び第2の光束L21をウォラストンプ
リズム21で同一の光路に結合させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、変調光発生装置、
光波干渉測定装置、露光装置、及びマイクロデバイスの
製造方法に係り、特に異なる周波数で変調された変調光
を発生する変調光発生装置、当該変調光発生装置で発生
した変調光を参照光(基準光)として固定鏡に照射する
とともに測定光(計測光)として移動鏡に照射し、得ら
れる光を互いに干渉させて固定鏡に対する移動鏡の相対
位置を計測する光波干渉測定装置、当該光波干渉測定装
置を備える露光装置、及び当該露光装置を用いて製造さ
れるマイクロデバイスの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体素子、撮像素子、液晶表示素子、
又は薄膜磁気ヘッド等のマイクロデバイスの製造工程の
1つであるフォトリソグラフィ工程においては、マスク
やレチクル(以下、マスクと総称する)に形成されたパ
ターンの像を、フォレジスト等の感光剤が塗布されたウ
ェハやガラスプレート等(以下、これらを総称する場合
は、基板と称する)に転写する露光装置が用いられる。
近年においては、ステップ・アンド・リピート方式の露
光装置及びステップ・アンド・スキャン方式の露光装置
が用いられることが多い。
【0003】上記ステップ・アンド・リピート方式の露
光装置は、基板を二次元的に移動自在な基板ステージ上
に載置し、このステージによりウェハを歩進(ステッピ
ング)させて、マスクのパターン像の縮小像をウェハ上
の各ショット領域に順次露光する動作を繰り返す露光装
置である。また、ステップ・アンド・スキャン方式の露
光装置は、基板を二次元的に移動自在な基板ステージ上
に載置するとともにマスクを二次元的に移動自在なマス
クステージ上に載置して、基板のショット領域を露光す
る際に、所定形状に整形された照明光に対してマスクを
相対的に移動させ、マスクの移動に同期して基板を走査
移動させつつマスクのパターン像を順次基板に転写し、
他のショット領域を露光する際には基板をステッピング
させる露光装置である。
【0004】上記ステップ・アンド・リピート方式の露
光装置及びステップ・アンド・スキャン方式の露光装置
の何れも基板ステージの位置を正確に計測するためのレ
ーザ干渉計を備え、更にステップ・アンド・スキャン方
式の露光装置は、マスクステージの正確な位置を計測す
るためのレーザ干渉計を備える。このレーザ干渉計は、
異なる周波数で変調された変調光を発生する変調光発生
装置を備え、変調光発生装置から発生した変調光を位置
が固定の固定鏡と基板ステージ又はマスクステージに取
り付けられた移動鏡とに照射して得られる光を干渉させ
て固定鏡に対する移動鏡の相対位置を計測する光波干渉
測定装置である。図18は、従来の変調光発生装置及び
光波干渉測定装置の構成図である。
【0005】図18において、100は従来の変調光発
生装置であり、200は変調光発生装置100を備える
従来の光波干渉測定装置である。変調光発生装置100
は、光源101、光源101の射出光が透過する1/2
波長板102、反射面を光路にほぼ45度傾けて配置さ
れ、1/2波長板102の透過光をその偏光方向に応じ
て透過光と反射光とに分離する偏光ビームスプリッタ
(PBS)103、偏光ビームスプリッタ103の透過
光の光路上に配置された音響光学素子(AOM)のよう
な周波数シフタ105a、偏光ビームスプリッタ103
の反射光の光路上に設けられ光路を偏光ビームスプリッ
タ103の透過光の光路と平行に偏向する反射鏡10
4、反射鏡104による偏向光の光路上に配置された音
響光学素子のような周波数シフタ105b、周波数シフ
タ105bの後の光路上に設けられ、周波数シフタ10
5bを透過した光の光路を周波数シフタ105aの透過
光の光路と直交させるように偏向する反射鏡106、及
び反射鏡106で偏向した光路と周波数シフタ105a
の透過光の光路とが直交する位置に配置された偏光ビー
ムスプリッタ107を有する。
【0006】図18中において、光路に直交し両端に矢
印が付された記号(例えば、符号Pを付した記号)は、
その光の偏光方向が紙面内(XY平面内)であることを
意味し、光路上に黒丸とそれを覆う丸印からなる記号
(例えば、符号Sを付した記号)は、その光の偏光方向
が紙面と直交する方向(Z軸方向)であることを意味す
る。また、これらの記号を重ね合わせた記号(例えば、
符号PSを付した記号)は、その光が紙面内の偏光した
光と紙面に直交する方向に偏光した光との両方を含んで
いることを意味する。以下、説明の便宜のため、紙面内
に偏光した状態を偏光Pといい、紙面に直交する方向に
偏光した状態を偏光Sという。
【0007】光源101は周波数がfであって、偏光P
の光を射出する。光源101から射出された光が1/2
波長板102を通過してX軸周りに45度回転した直線
偏光となり、この光が偏光ビームスプリッタ103によ
り偏光Pと偏光Sとに分離される。偏光ビームスプリッ
タ103を通過するのは偏光Pの光であり、反射される
のは偏光Sの光である。偏光ビームスプリッタ103を
通過した偏光Pの光は周波数シフタ105aに入射して
周波数変調され、周波数がf+f1の偏光Pの光とな
る。一方、偏光ビームスプリッタ103によって反射さ
れた偏光Sの光は周波数シフタ105bに入射して周波
数変調され、周波数がf+f2の偏光Sの光となる。周
波数シフタ105a,105bによって周波数変調され
た光は、偏光ビームスプリッタ107でほぼ同軸にさ
れ、変調光発生装置100から射出される。
【0008】次に、以上説明した変調光発生装置100
から射出される光を用いた光波干渉測定装置について説
明する。光波干渉測定装置200は、変調光発生装置1
00から射出された光を反射・透過させて反射光を基準
光(参照光)として、透過光を計測光(測定光)として
分岐するビームスプリッタ201を備える。ビームスプ
リッタ201で分岐された基準光の光路上には、偏光子
207a及び偏光子207aを透過した光を光電変換し
た参照信号を出力する検出器208aが順に配置され
る。
【0009】一方、ビームスプリッタ201で分岐され
た計測光の光路上には、計測光に含まれる偏光Sの光を
コーナーキューブ型の固定鏡203の方向に反射し、偏
光Pの光を透過させて移動ステージ205上に取り付け
られたコーナーキューブ型の移動鏡204の方向へ至ら
しめるとともに、固定鏡203の反射光と移動鏡204
の反射光とを同軸とする偏光ビームスプリッタ202が
設けられる。偏光ビームスプリッタ202で同軸とされ
た光の光路上には、基準光の光路とほぼ平行に偏向する
反射鏡206が配置され、偏向された光の光路上には、
偏光子207b及び偏光子207bを透過した光を光電
変換した計測信号を出力する検出器208bが順に配置
される。また、上記検出器208aから出力される基準
信号と検出器208bから出力される計測信号との位相
を比較して固定鏡203に対する移動鏡204の相対位
置を求める演算装置209を備える。
【0010】変調光発生装置100からは、周波数がf
+f1の偏光Pの光と周波数がf+f2の偏光Sの光と
が射出され、これらの光はビームスプリッタ201によ
って基準光と計測光とに分岐される。分岐された計測光
は偏光ビームスプリッタ202により、その偏光方向に
応じて分離される。周波数がf+f1の偏光Pの光は偏
光ビームスプリッタ202を透過し、周波数がf+f2
の偏光Sの光は偏光ビームスプリッタ202で反射され
る。測定光路MPに入射した光は、移動ステージ205
上に取り付けられた移動鏡204で光路をずらされて反
射された後、偏光ビームスプリッタ202に戻り、偏光
ビームスプリッタ202を透過する。一方、参照光路R
Pに入射した光は固定鏡203で光路をずらされて反射
された後、偏光ビームスプリッタ202に戻り、偏光ビ
ームスプリッタ202で測定光路MPを介した光とほぼ
同軸とされる。
【0011】偏光ビームスプリッタ202で再び同軸と
なった光束は、反射鏡206で反射され、偏光子207
bを透過した後、検出器208bに入射する。偏光子2
07bの偏光方向は、偏光Sの光及び偏光Pの光に対し
て45度傾いており、偏光子207bを透過した周波数
がf+f1の光と周波数がf+f2の光とが干渉し、そ
の干渉光が検出器208bで光電変換され、その周波数
差|f1−f2|に等しいビートシグナルが演算装置2
09に計測信号として入力される。
【0012】一方、ビームスプリッタ201で分岐され
た基準光は、偏光子207aを透過した後、検出器20
8aに入射する。ここで、偏光子207aは、偏光子2
07bと同様に、偏光Sの光及び偏光Pの光に対して4
5度傾いて配置され、偏光子207aを透過した周波数
がf+f1の光と周波数がf+f2の光とが干渉し、そ
の干渉光が検出光208aで光電変換され、その周波数
差|f1−f2に等しいビートシグナルが演算装置20
9に参照信号として入力される。演算装置209は、検
出器208aから出力される基準信号と検出器208b
から出力される計測信号との位相を比較し、移動ステー
ジ205の光軸方向変位を求める。尚、以上説明した従
来の変調光発生装置及び光波干渉測定装置の詳細につい
ては、例えば特開平11−237206号公報を参照さ
れたい。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図18を参
照して説明した従来の光波干渉測定装置200は、その
計測原理上、異なる周波数で周波数変調された2つの光
束を必要とするため、異なる周波数で変調された変調光
を発生する変調光発生装置100を備える必要がある。
変調光発生装置100は、前述したように偏光ビームス
プリッタ103を用いて光源101から射出された光を
その偏光状態に応じて分離し、2つの周波数シフタ10
5a,105bによって光の偏光状態に応じて異なった
周波数変調を与えた後、偏光ビームスプリッタ107に
よって同軸の光としている。
【0014】従来の変調光発生装置100は、2つの周
波数シフタ105a,105bを変調する光に対して独
立に備える構成上、外部からの振動があると周波数シフ
タ105aと周波数シフタ105bとの相対位置ずれが
生じたり、周波数シフタ105a,105bの取り付け
角度の変動が生じる等の不具合がある。また、温度変動
があると入射する光に対して周波数シフタ105a,1
05bが与える変調周波数が変動する。更に、外部から
の振動や温度変動があると、変調光発生装置100から
発生する変調光の波面収差が悪化する等の悪影響もあ
る。このように、従来の変調光発生装置100は外部か
らの振動、温度変化、その他の外部変動があると、総合
的な安定性が悪いという問題があった。
【0015】また、上述の温度変化による変調周波数の
変動を抑えるために、変調光発生装置100内部の温度
調整を行う温度調整装置を備え、更には周波数シフタ1
05a,105b各々の温度調整を行う温度調整装置が
備えられる。しかしながら、これらの温度調整装置を備
えると、部品点数が増大して複雑且つ高価となり、また
新たな要因で変調光発生装置100が不安定になるとい
う問題も生ずる。
【0016】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
であり、外部変動の影響を受けにくく、安定して変調光
を発生することができる変調光発生装置を提供すること
を主たる目的とする。また、本発明は、当該変調光発生
装置を備えることにより、固定鏡に対する移動鏡の相対
位置を安定して高精度に計測することができる光波干渉
測定装置を提供し、更に、当該光波干渉測定装置で計測
された高精度の位置計測結果に基づいてマスクと基板と
の相対位置が正確に合わされた状態でマスクのパターン
をレチクルに転写することができる露光装置を提供し、
当該露光装置を用いて製造されるマイクロデバイスの製
造方法をも提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の第1の観点による変調光発生装置は、入射
光の偏光状態に応じて該入射光を第1及び第2の光束
(L10、L20)に分離する分離手段(13)と、前
記第1及び第2の光束(L10、L20)を所定の角度
となるように集束させる集束手段(16)と、前記集束
手段(16)を介した前記第1及び第2の光束(L1
0、L20)の光路中に配置されて、前記第1及び第2
の光束(L10、L20)に対して異なる周波数変調を
与える変調手段(17)と、前記周波数変調が与えられ
た前記第1及び第2の光束(L11、L21)をほぼ同
一の光路に結合させる結合手段(21)とを備えること
を特徴としている。この発明によれば、分離手段により
偏光状態に応じて分離された第1の光束及び第2の光束
が、所定の角度をもって変調手段に入射して異なる周波
数が与えられた後で、結合手段で同一の光路に結合され
るようにしており、周波数変調が同一の手段によって達
成されている。よって、偏光状態の異なる光束に異なる
周波数変調を与えるために別々の素子を用いていた従来
と比較すると、1つの手段で周波数変調を与えているた
め、外部変動の影響を受けにくく、安定して変調光を発
生することができる。また、本発明の第2の観点による
変調光発生装置は、上記第1の観点による変調光発生装
置において、前記変調手段(17)と前記結合手段(2
1)との間の光路中に配置されて、前記変調手段(1
7)を介した前記第1及び第2の光束(L11、L2
1)を所定の角度となるように集束させる第2の集束手
段(31)と、前記第2の集束手段(31)を介した前
記第1及び第2の光束(L11、L21)の光路中に配
置されて、前記第1及び第2の光束(L11、L21)
に対して異なる周波数変調を与える第2の変調手段(3
2)とを更に備えることを特徴としている。この発明に
よれば、変調手段で周波数変調が与えられた第1の光束
及び第2の光束に対して、第2の変調手段を用いて異な
る周波数変調を与えるようにしているため、第1の光束
及び第2の光束に与える周波数変調を自由に可変するこ
とができる結果、第1の光束及び第2の光束の周波数差
の設定の自由度を高くすることができる。また、本発明
の第3の観点による変調光発生装置は、上記第1の観点
による変調光発生装置において、前記変調手段(17)
に隣接して配置されて、前記第1及び第2の光束に対し
て異なる周波数変調を与える第2の変調手段(51)を
更に備えることを特徴としている。また、本発明の第4
の観点による変調光発生装置は、上記第2の観点又は第
3の観点による変調光発生装置において、前記変調手段
(17)は第1の音響光学素子を有し、前記第2の変調
手段(32、51)は第2の音響光学素子を有し、前記
第1及び第2の音響光学素子内の超音波の進行方向は、
互いに逆向きに設定されることを特徴としている。ま
た、本発明の第5の観点による変調光発生装置は、上記
第2の観点から第4の観点の何れかの観点による変調光
発生装置において、前記第2の変調手段(32、51)
は、前記第2の集束手段(31)からの前記第1及び第
2の光束が含まれる面とは異なる面に沿って、前記周波
数変調された前記第1及び第2の光束を射出するように
位置決めされることを特徴としている。また、本発明の
第6の観点による変調光発生装置は、上記第5の観点に
よる変調光発生装置において、前記第2の変調手段(3
2)と前記結合手段(21)との間の光路中に配置され
て、前記第2の集束手段(31)からの前記第1及び第
2の光束が含まれる面に沿って前記第2の変調手段(3
2)から射出される前記第1及び第2の光束を遮光する
ための遮光手段(36)を更に備えることを特徴として
いる。また、本発明の第7の観点による変調光発生装置
は、上記第1の観点から第6の観点の何れかの観点によ
る変調光発生装置において、前記変調手段(17)が、
前記集束手段(16)からの前記第1及び第2の光束
(L10、L20)が含まれる面とは異なる面に沿っ
て、前記周波数変調された前記第1及び第2の光束(L
11、L21)を射出するように位置決めされることを
特徴としている。また、本発明の第8の観点による変調
光発生装置は、上記第7の観点による変調光発生装置に
おいて、前記変調手段(17)と前記第2の変調手段
(32)との間の光路中に配置されて、前記集束手段
(16)からの前記第1及び第2の光束(L10、L2
0)が含まれる面に沿って前記変調手段(17)から射
出される前記第1及び第2の光束(L11、L21)を
遮光するための第2の遮光手段(35)を更に備えるこ
とを特徴としている。また、本発明の第9の観点による
変調光発生装置は、上記第1の観点から第8の観点の何
れかの観点による変調光発生装置において、前記分離手
段(13)と前記結合手段(21)との間の光路中に配
置されて、前記第1及び第2の光束の前記所定の角度を
調整するための調整手段(60a、60b)を更に備え
ることを特徴としている。また、本発明の第10の観点
による変調光発生装置は、上記第1の観点から第9の観
点の何れかの観点による変調光発生装置において、前記
周波数変調が与えられた前記第1及び第2の光束を、そ
の偏光状態を保存した状態で導波する偏波面保存導波手
段(65、67a、67b)を更に備えることを特徴と
している。また、本発明の第11の観点による変調光発
生装置は、上記第11の観点による変調光発生装置にお
いて、前記偏波面保存導波手段(65、67a、67
b)が、前記第1の光束を導波する第1の偏波面保存導
波手段(67a)と、前記第2の光束を導波する第2の
偏波面保存導波手段(67b)とを備えることを特徴と
している。また、本発明の第12の観点による変調光発
生装置は、上記第10の観点による変調光発生装置にお
いて、前記偏波面保存導波手段は、前記結合手段(2
1)を介した前記第1及び第2の光束の光路中に配置さ
れることを特徴としている。上記課題を解決するため
に、本発明の光波干渉測定装置は、上記の変調光発生装
置と、前記変調光発生装置から射出される変調光(M
L)の光路中に設けられて、前記変調光(ML)を、測
定光路(MP)を進行する測定光と参照光路(RP)を
進行する参照光とに分岐する分岐手段(202)と、前
記参照光路(RP)上に設けられた参照鏡(76、20
3)と、前記測定光路(MP)上に設けられて、前記参
照鏡(76、203)に対して相対的に移動可能な移動
鏡(78、204)と、前記参照光及び前記測定光を干
渉させて受光する受光手段(202、208a,208
b)とを備えることを特徴としている。この発明によれ
ば、前述の変調光発生装置を備えているため、固定鏡に
対する移動鏡の相対位置を安定して高精度に計測するこ
とができる。また、上記課題を解決するために、本発明
の露光装置は、マスク(R)上のパターン(DP)を基
板(W)上へ転写する露光装置において、上記の光波干
渉測定装置と、前記基板(W)を載置するための基板ス
テージ(87)と、を備え、前記移動鏡(78、20
4)は前記基板ステージ(87)に設けられていること
を特徴としている。また、本発明の露光装置は、マスク
(R)上のパターン(DP)を基板(W)上へ転写する
露光装置において、上記の光波干渉測定装置と、前記マ
スク(R)を載置するためのマスクステージ(81)
と、を備え、前記移動鏡(78、204)は前記マスク
ステージ(81)に設けられていることを特徴としてい
る。本発明のマイクロデバイスの製造方法は、上記の露
光装置を用いて前記パターン(DP)を前記基板(W)
上へ転写する転写工程(S26)を含むマイクロデバイ
スの製造方法であって、前記光波干渉測定装置を用いて
前記マスク(R)と前記基板(W)との相対的な位置関
係を調整する工程と、前記転写工程(S26)にて転写
された前記基板(W)を現像する現像工程(S27)と
を有することを特徴としている。この発明によれば、前
記の光波干渉測定装置で計測された高精度の位置計測結
果に基づいてマスクと基板との相対位置が正確に合わさ
れた状態でマスクのパターンをレチクルに転写すること
ができるので、微細なパターンをウェハ上に形成する上
で極めて好適である。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態による変調光発生装置、光波干渉測定装置、露光
装置、及びマイクロデバイスの製造方法について詳細に
説明する。尚、以下の説明においては、各図面にXYZ
直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつ
つ各部材の位置関係について説明する。各図面のXYZ
直交座標系は、XY平面が水平面に平行な面に設定さ
れ、Z軸が鉛直上方向に設定されるとする。尚、以下の
説明においては、説明の便宜上、Y方向に偏光した状態
を偏光Pといい、Z方向に偏光した状態を偏光Sとい
う。
【0019】〔第1実施形態による変調光発生装置〕図
1は、本発明の第1実施形態による変調光発生装置の構
成及び本発明の一実施形態による光波干渉測定装置の構
成を示す上面図であり、図2は、本発明の第1実施形態
による変調光発生装置の構成を示す斜視図である。図1
及び図2に示したように、本発明の第1実施形態による
変調光発生装置10は、偏光Pの光(直線偏光)を射出
する光源11と、光源11から射出された偏光Pの光の
偏光面(偏光方位)を回転する1/2波長板12を備え
る。光源11からは偏光Pの光が射出されており偏光S
の光は殆ど存在しないため、1/2波長板12を設けて
偏光Pの光の偏光面(偏光方位)を回転することによっ
て偏光Sの光と偏光Pの光の各々の偏光成分を有する光
を得ている。尚、1/2波長板12を省略し、光源11
を光軸中心に回転する構成としても良い。尚、以下では
光源11から射出される光の周波数をfとする。
【0020】13は、1/2波長板12を通過した光の
偏光状態に応じて、入射する光を第1の光束L10と第
2の光束L20とに分離する分離手段としてのウォラス
トンプリズムである。図3は、ウォラストンプリズム1
3の構成及びウォラストンプリズム13が入射する光を
その偏光状態に応じて分離する原理を説明するための図
である。図3に示すように、ウォラストンプリズム13
は頂角αをなす2つの端面が共に結晶の光学軸OX1に
平行となるように形成された一軸性結晶よりなるプリズ
ム13aと、1つの端面が光学軸OX2と平行に形成さ
れ、この端面と頂角αをなす端面が結晶の光学軸OX2
と角αとなすように形成されたプリズム13bとを、互
いの光学軸OX1,OX2が直交するように組み合わせ
たプリズムである。図3に示した例ではプリズム13a
の光学軸OX1はZ軸と平行に設定され、プリズム13
bの光学軸OX2はY軸と平行に設定されている。
【0021】ここで、プリズム13a,13bは一軸性
結晶により形成され、その光学軸OX1,OX2が入射
光の進行方向に対して直交する方向に設定されているた
め、偏光Pの光に対するプリズム13aの屈折率とプリ
ズム13bの屈折率とは相違する。同様に、偏光Sの光
に対するプリズム13aの屈折率とプリズム13bの屈
折率とは相違する。いま仮に、偏光Pの光に対するプリ
ズム13bの屈折率がプリズム13aの屈折率よりも高
いとすると、偏光Pの光に対して偏光方向が直交する偏
光Sの光については、偏光Pの光の場合に生ずる現象と
逆の現象が起こる。よって、偏光Sの光に対するプリズ
ム13bの屈折率はプリズム13aの屈折率よりも低く
なる。
【0022】よって、偏光Sの光と偏光Pの光がプリズ
ム13a,13bの境界に同一の入射角をもって偏光P
Sの光として入射する場合を考えると、偏光Pの光は屈
折率の高いプリズム13bから低いプリズム13aに入
射しているため屈折角は大きくなり、偏光Sの光は屈折
率の低いプリズム13bから高いプリズム13aに入射
しているため屈折角は小さくなる。プリズム13a,1
3bの境界における屈折角の相違により、偏光Pの光と
偏光Sの光とは異なる方向に進行するため、偏光Pの光
及び偏光Sの光は分離してウォラストンプリズム13か
ら射出される。以上説明した原理によって、ウォラスト
ンプリズム13は、入射する光の偏光状態に応じて入射
光を分離する。尚、ウォラストンプリズム13の射出面
から射出される第1の光束L10及び第2の光束L20
は、射出面の法線に対して対称に射出されることが好ま
しい。
【0023】図1及び図2に示した例では、ウォラスト
ンプリズム13は、第1の光束L10として偏光Pの光
を射出し、第2の光束L20として偏光Sの光を射出し
ている。ウォラストンプリズム13で分離された第1の
光束L10及び第2の光束L20は、レンズ系14によ
りほぼ平行な光束に変換された後、開口板15を通過す
る。この開口板15は迷光を防止する目的で設けられ、
第1の光束L10と第2の光束L20とが通過する箇所
に円形形状の開口15a,15bが形成されている。
尚、第1の光束L10が通過する光路と第2の光束L2
0が通過する光路との距離は数ミリメートル程度であ
る。
【0024】開口板15を通過した第1の光束L10及
び第2の光束L20は、集束手段としてのレンズ系16
により所定の角度をもって集束され、変調手段としての
音響光学素子17に入射する。音響光学素子17は外部
から供給される高周波信号SF1によって周波数f1で
駆動されており、入射する第1の光束L10及び第2の
光束L20に異なる周波数変調を与える。音響光学素子
17は、略矩形状形状の音響光学媒体の一方の側面に電
極板、超音波発生用のトランスデューサ、及び電極板を
順次固定して配置し、他方の側面に吸音材が固定されて
なり、一方の側面に配置された電極板の間に図示せぬ高
周波電源から周波数f1の駆動信号が供給され、これに
より音響光学媒質中を進行する超音波が形成される。音
響光学媒体の他方の側面に固定されている吸音材は、対
向するトランスデューサからの超音波(進行波)を吸収
して、反射波の発生を防止するために設けられる
【0025】上記音響光学媒体としては、通常のガラス
の他に、2酸化テルル(TeO2)の単結晶、水晶、石
英、モリブデン酸鉛単結晶等が使用できる。また、上記
吸音材としては、音響インピーダンスが音響光学媒体の
それと近く、且つ音波を吸収し易い材料が使用できる。
音響インピーダンスとは、密度と音速との積である。具
体的に、吸音材としては、鉛又はアルミニウム等の金属
膜が使用できる。また、トランスデューサとしては、リ
チウムナイオベイト(LiNbO3)の単結晶、LiI
3 の単結晶、Ba3NaNb515の単結晶等が使用で
きる。
【0026】ここで、音響光学素子17が入射する第1
の光束L10及び第2の光束L20に異なる周波数変調
を与える原理について説明する。図4は、入射する第1
の光束L10及び第2の光束L20に異なる周波数変調
を与える原理を説明するための図である。いま、図4
(a),(b)に示したように、音響光学素子17が供
給される高周波信号SF1で駆動されることにより、音
響光学素子17内には符号SW1を付して示した方向
(+Y軸方向)に進行する超音波が生ずる。図4(a)
に示したように、超音波の進行方向SW1に対して向か
う向きであって斜め方向から周波数fの光束L10が音
響光学素子17に入射すると、その一部は回折を受けず
にそのまま通過するが、大部分は音響光学素子17中を
進行する超音波により音響ブラッグ回折作用を受ける。
尚、図4(a)では回折を受けずに通過する光束(0次
回折光)をL10(0)で示し、回折作用を受けた光束
(+1次回折光)をL10(1)で示している。ここで、
0次回折光L10(0)は音響光学素子17中を進行する
超音波との相互作用がないため周波数は変化しないが、
+1次回折光は超音波との相互作用により周波数変調を
受け、f+f1の周波数に変調される。
【0027】一方、図4(b)に示したように、超音波
の進行方向SW1に沿う向きであって斜め方向から周波
数fの光束L20が音響光学素子17に入射すると、そ
の一部は回折を受けずにそのまま通過するが、大部分は
音響光学素子17中を進行する超音波により音響ブラッ
グ回折作用を受ける。尚、図4(b)では回折を受けず
に通過する光束(0次回折光)をL20(0)で示し、回
折作用を受けた光束(−1次回折光)をL20(-1)で示
している。この場合も図4(a)の場合と同様に、0次
回折光L20(0)は音響光学素子17中を進行する超音
波との相互作用がないため周波数は変化しないが、−1
次回折光は超音波との相互作用により周波数変調を受
け、f−f1の周波数に変調される。
【0028】このようにして、音響光学素子17に対し
て異なる入射角をもって入射する第1の光束L10及び
第2の光束L20は、その入射角に応じて異なる周波数
変調を受ける。尚、以下の説明では、音響光学素子17
により周波数変調を受けた第1の光束L10(図4
(a)中のL10(1))を「第1の光束L11」とい
い、周波数変調を受けた第2の光束L20(図4(a)
中のL20(-1))を「第2の光束L21」という。尚、
第1の光束L10と第2の光束L20とが音響光学素子
17の入射面の法線に対して対称に入射する場合には、
第1の光束L11と第2の光束L21は、音響光学素子
17の射出面の法線に対して対称に射出される。
【0029】図1及び図2に戻り、音響光学素子17か
ら射出された第1の光束L11及び第2の光束L21
は、レンズ系18によりほぼ平行な光束に変換され、開
口板19を通過する。この開口板19は、音響光学素子
17から射出される不図示の高次回折光が迷光となり得
る可能性があるため、この光束を遮光するために設けら
れる。開口板19には、第1の光束L11と第2の光束
L21とが通過する箇所に矩形形状の開口19a,19
bがそれぞれ形成されている。尚、ここでも第1の光束
L11が通過する光路と第2の光束L21が通過する光
路との距離は数ミリメートル程度である。
【0030】開口板19を通過した第1の光束L11及
び第2の光束L21は、レンズ系20により集束され、
結合手段としてのウォラストンプリズム21の入射面の
法線に対して対称に入射し、図3に示した光路を逆に進
行してほぼ同一の光路に結合される。本実施形態では、
ウォラストンプリズム21から射出される光が、本実施
形態の変調光発生装置10から射出される変調光MLと
なる。ここで、変調光MLは、周波数がf+f1の第1
の光束L11と周波数がf−f1の第2の光束L21と
を含んでおり、第1の光束L11と第2の光束L21と
の周波数差は、2・f1である。
【0031】以上説明した本発明の第1実施形態による
変調光発生装置10から射出される変調光MLは、本発
明の一実施形態による光波干渉測定装置200で用いら
れる。ここで、光波干渉測定装置200は、図18に示
したものと同様の構成であるため、ここでは簡単に説明
する。上述した本発明の第1実施形態による変調光発生
装置10からは、周波数がf+f1の偏光Pの光と周波
数がf+f2の偏光Sの光とが射出され、これらの光は
分岐手段としてのビームスプリッタ201によって基準
光(参照光)と計測光(測定光)とに分岐される。分岐
された計測光は偏光ビームスプリッタ202により、そ
の偏光方向に応じて分離される。周波数がf+f1の偏
光Pの光は偏光ビームスプリッタ202を透過し、周波
数がf−f1の偏光Sの光は偏光ビームスプリッタ20
2で反射される。測定光路MPに入射した光は、移動ス
テージ205上に取り付けられた移動鏡204で光路を
ずらされて反射された後、偏光ビームスプリッタ202
に戻り、偏光ビームスプリッタ202を透過する。一
方、参照光路RPに入射した光は参照鏡としての固定鏡
203で光路をずらされて反射された後、偏光ビームス
プリッタ202に戻り、偏光ビームスプリッタ202で
測定光路MPを介した光とほぼ同軸とされる。尚、本発
明の一実施形態による光波干渉測定装置200は、コー
ナーキューブ型の固定鏡203及び固定鏡204を備え
るものとする。
【0032】偏光ビームスプリッタ202で再び同軸と
なった光束は、反射鏡206で反射され、偏光子207
bを透過した後、検出器208bに入射する。偏光子2
07bの偏光方向は、偏光Sの光及び偏光Pの光に対し
て45度傾いており、偏光子207bを透過した周波数
がf+f1の光と周波数がf−f1の光とが干渉し、そ
の干渉光が検出器208bで光電変換され、その周波数
差2・f1に等しいビートシグナルが演算装置209に
計測信号として入力される。一方、ビームスプリッタ2
01で分岐された基準光は、偏光子207aを透過した
後、検出器208aに入射する。尚、検出器208a,
208b及び偏光ビームスプリッタ202は、本発明に
いう受光手段に相当する。
【0033】ここで、偏光子207aは、偏光子207
bと同様に、偏光Sの光及び偏光Pの光に対して45度
傾いて配置され、偏光子207aを透過した周波数がf
+f1の光と周波数がfーf1の光とが干渉し、その干
渉光が検出光208aで光電変換され、その周波数差2
・f1に等しいビートシグナルが演算装置209に基準
信号として入力される。演算装置209は、検出器20
8aから出力される基準信号と検出器208bから出力
される計測信号との位相を比較し、移動ステージ205
の光軸方向変位を求める。このようにして、固定鏡20
3に対する移動鏡204の相対位置ずれが測定される。
【0034】以上説明したように、本発明の第1実施形
態による変調光発生装置は、偏光状態に応じて分離され
た第1の光束L10と第2の光束L20に対して1つの
音響光学素子17を用いて異なる周波数変調を与えてい
るため、異なる偏光状態の光に対して別々の素子を用い
て異なる周波数変調を与えていた従来と比較して、振
動、温度等の外部変動の影響を受けにくく、更に部品点
数が少ないので、安定した変調光を得ることができる。
また、温度変調に対しては音響光学素子17のみに温度
調整装置を設ければ良いので、更に部品点数を減少させ
ることができ、安定性を増大させることができる。
【0035】〔第2実施形態による変調光発生装置〕次
に、本発明の第2実施形態による変調光発生装置につい
て説明する。図5は、本発明の第2実施形態による変調
光発生装置の構成を示す斜視図であり、図1及び図2に
示した本発明の第1実施形態による変調光発生装置が備
える部材と同一の部材には同一の符号が付してある。図
5に示した本発明の第2実施形態による変調光発生装置
30が図1及び図2に示した本発明の第1実施形態によ
る変調光発生装置10と異なる点は、図1及び図2に示
した変調光発生装置10が備える開口板19とレンズ系
20との間に、レンズ系31、音響光学素子32、レン
ズ系33、及び開口板34を更に備えた点である。
【0036】レンズ系31は、開口板19を通過した第
1の光束L11及び第2の光束L21を所定の角度とな
るように集束させるものであり、本発明にいう第2の集
束手段に相当する。音響光学素子32は、本発明にいう
第2の変調手段に相当し、外部から供給される高周波信
号SF2によって周波数f2で駆動されており、入射す
る第1の光束L11及び第2の光束L21に異なる周波
数変調を与える。音響光学素子32は、音響光学素子1
7と同様の構成であり、略矩形状形状の音響光学媒体の
一方の側面に電極板、超音波発生用のトランスデュー
サ、及び電極板を順次固定して配置し、他方の側面に吸
音材が固定されてなり、一方の側面に配置された電極板
の間に図示せぬ高周波電源から周波数f2の駆動信号が
供給され、これにより音響光学媒質中を進行する超音波
が形成される。音響光学素子32が第1の光束L11と
第2の光束L21とに周波数変調を与える原理は図4を
用いて説明した原理と同様である。
【0037】但し、音響光学素子17の場合には、その
内部を進行する超音波の進行方向SW1は、+Y軸方向
に設定されていたが、音響光学素子17の内部を進行す
る超音波の進行方向SW2は−Y軸方向に設定されてい
る。よって、音響光学素子17及び音響光学素子32の
内部を進行する超音波はその進行方向が互いに逆向きに
設定されているため、音響光学素子32によって与えら
れる変調の符号は、音響光学素子17によって与えられ
る変調の符号と逆となる。
【0038】つまり、周波数がf+f1である第1の光
束L11は、音響光学素子32内を進行する超音波の進
行方向SW2に対して沿う向きであって斜め方向から音
響光学素子32に入射しているため、変調後の周波数
は、f+f1−f2となる。一方、周波数がf−f1で
ある第2の光束L21は、音響光学素子32内を進行す
る超音波の進行方向SW2に対して向かう向きであって
斜め方向から音響光学素子32に入射しているため、変
調後の周波数は、f−f1+f2となる。以下の説明で
は、音響光学素子32により周波数変調を受けた第1の
光束L11を「第1の光束L12」といい、周波数変調
を受けた第2の光束L21を「第2の光束L22」とい
う。尚、第1の光束L11及び第2の光束L21が音響
光学素子32で周波数変調されるときも、前述した場合
と同様に0次回折光が生じている。
【0039】レンズ系33は、音響光学素子32から射
出された第1の光束L12及び第2の光束L22をほぼ
平行な光束に変換する。開口板34は、開口板19と同
様に、音響光学素子32から射出される高次回折光(不
図示)が迷光となり得る可能性があるため、この光束を
遮光するために設けられる。開口板34には、第1の光
束L12と第2の光束L22とが通過する箇所に矩形形
状の開口34a,34bがそれぞれ形成されている。
尚、ここでも第1の光束L12が通過する光路と第2の
光束L22が通過する光路との距離は数ミリメートル程
度に設定される。開口板34を通過した第1の光束L1
2及び第2の光束L22は、前述したレンズ系20によ
って収束された後、ウォラストンプリズム21に入射し
てほぼ同軸の光路に結合され、ウォラストンプリズム2
1から射出される光が、本実施形態の変調光発生装置1
0から射出される変調光MLとなる。
【0040】前述した本発明の第1実施形態による変調
光発生装置10から射出される変調光MLは、周波数が
f+f1の第1の光束L11と周波数がf−f1の第2
の光束L21とを含んでおり、その周波数差は2・f1
であった。通常、音響光学素子32を駆動する周波数は
50〜80MHz程度である。従って、第1実施形態に
よる変調光発生装置10から得られる変調光MLに含ま
れる第1の光束L11と第2の光束L21との周波数差
は、100〜160MHz程度となる。
【0041】本発明の第2実施形態による変調光発生装
置30から射出される変調光MLは、周波数がf+f1
−f2の第1の光束L12と周波数がf−f1+f2の
第2の光束L22とを含むため、第1の光束L12と第
2の光束L22との周波数差は、2・|f1−f2|と
なる。よって、本発明の第2実施形態による変調光発生
装置30では、音響光学素子17を駆動する周波数f1
と音響光学素子32を駆動する周波数f2との組み合わ
せにより、第1の光束L12と第2の光束L22との周
波数差を任意に設定することができる。
【0042】例えば、音響光学素子17を駆動する周波
数f1を50MHzに設定し、音響光学素子32を駆動
する周波数f2を50.1MHzに設定すれば、変調光
MLに含まれる第1の光束L12と第2の光束L22と
の周波数差は200kHzとなる。第1実施形態による
変調光発生装置10では変調光MLの周波数差を100
MHz以下に設定することができないため、例えば光波
干渉測定装置200で求められる変調光MLの周波数差
が数百kHz以内である場合には変調光発生装置10を
用いることができない。このように、本実施形態では、
第1の光束L12と第2の光束L22との周波数差の設
定の自由度を高くすることができる。
【0043】〔第3実施形態による変調光発生装置〕次
に、本発明の第3実施形態による変調光発生装置につい
て説明する。図6は、本発明の第3実施形態による変調
光発生装置の構成を示す斜視図であり、図5に示した本
発明の第2実施形態による変調光発生装置が備える部材
と同一の部材には同一の符号が付してある。図6に示し
た本発明の第3実施形態による変調光発生装置40が図
5に示した本発明の第2実施形態による変調光発生装置
30と異なる点は、音響光学素子17及び音響光学素子
32が、X軸の周りにY軸からZ軸に向かう方向に角度
θだけ回転して配置し、更に、開口板19,34に代え
て、開口板35,36をそれぞれ配置した点である。
【0044】尚、本実施形態では、角度θが45度に設
定されている。また、開口板35、36はは中央部に長
手矩形形状の開口35a,36aがそれぞれ形成されて
おり、開口板35は開口35aの長手方向がZ軸に沿う
ように配置され、開口板36は開口36aの長手方向が
Y軸に沿うように配置されている。尚、開口板35は本
発明にいう第2の遮光手段に相当し、開口板36は本発
明にいう遮光手段に相当する。
【0045】音響光学素子17を上記の配置とするの
は、入射する第1の光束L10及び第2の光束L20が
含まれる面とは異なる面に沿って、周波数変調を与えた
第1の光束L11及び第2の光束L21を射出するため
であり、音響光学素子32を上記の配置とするのは、入
射する第1の光束L11及び第2の光束L21が含まれ
る面とは異なる面に沿って、周波数変調を与えた第1の
光束L12及び第2の光束L22を射出するためであ
る。ここで、音響光学素子17,32に入射する第1の
光束及び第2の光束と音響光学素子17,32から射出
される第1の光束及び第2の光束との関係について説明
する。図7は、音響光学素子17,32に入射する第1
の光束及び第2の光束と音響光学素子17,32から射
出される第1の光束及び第2の光束との関係を説明する
ための図である。尚、図7において、図6に示した部材
に相当する部材には同一の符号を付してある。
【0046】図7において、音響光学素子17に入射す
る第1の光束L10及び第2の光束L20はXY平面に
平行な平面P1に含まれている。前述のように、音響光
学素子17はX軸の周りにY軸からZ軸に向かう方向に
45度の角度をもって配置されているため、音響光学素
子17内を進行する超音波の進行方向は、Y軸及びY軸
に対して45度の角度をなす方向となる。このため、音
響光学素子17は、入射する第1の光束L10及び第2
の光束L20を、平面P1に直交する平面P2内に含ま
れる第1の光束L11及び第2の光束L21として射出
する。尚、第1の光束L11及び第2の光束L21はそ
の射出方向が異なるのみで、音響光学素子17によって
前述した第2実施形態の場合と同様な周波数変調が与え
られる。
【0047】この第1の光束L11及び第2の光束L2
1はレンズ系18,31等を介して収束された後、音響
光学素子32に入射する。音響光学素子32も音響光学
素子17と同様に、X軸の周りにY軸からZ軸に向かう
方向に45度の角度をもって配置されている。よって、
音響光学素子32は、入射する第1の光束L11及び第
2の光束L21を、平面P2に直交する平面P3内に含
まれる第1の光束L12及び第2の光束L22として射
出する。尚、第1の光束L11及び第2の光束L21が
音響光学素子32を通過する際には、第2実施形態の場
合と同様な周波数変調が与えられる。
【0048】ここで、第1の光束L10及び第2の光束
L20が音響光学素子17に入射した場合、及び、第1
の光束L11及び第2の光束L21が音響光学素子32
に入射した場合の何れの場合であっても、0次回折光が
発生する。ここで、0回折光は、音響光学素子17,3
2中を進行する超音波と相互作用をしないため、そのま
ま素通りする。従って、第1の光束L10及び第2の光
束L20が音響光学素子17に入射した際に発生する0
次回折光は、XY平面に平行な面(第1の光束L10及
び第2の光束L20を含む面P1にも平行)に含まれ
る。また、第1の光束L11及び第2の光束L21が音
響光学素子32に入射した際に発生する0次回折光は、
ZX平面に平行な面(第1の光束L11及び第2の光束
L21を含む面P2にも平行)に含まれる。
【0049】図6に示したように、音響光学素子17か
ら射出された0次回折光並びに第1の光束L11及び第
2の光束L21はレンズ系18を通過した後に開口板3
5に至るが、開口板35に形成された開口35aはその
長手方向がZ軸方向に設定されているため、図7中の面
P2に含まれる第1の光束L11及び第2の光束L21
は通過するが、面P2に直交する面に含まれる0次回折
光は遮光される。同様に、音響光学素子32から射出さ
れた0次回折光並びに第1の光束L12及び第2の光束
L22はレンズ系33を通過した後に開口板36に至る
が、開口板36に形成された開口36aはその長手方向
がY軸方向に設定されているため、図7中の面P3に含
まれる第1の光束L12及び第2の光束L22は通過す
るが、面P3に直交する面に含まれる0次光は遮光され
る。
【0050】このように、本実施形態では、音響光学素
子17及び音響光学素子32を備えており、変調光ML
に含まれる第1の光束L21と第2の光束L22の周波
数差の設定の自由度が高い上に、入射する第1の光束及
び第2の光束が含まれる面とは異なる面に沿って周波数
変調を与えた第1の光束及び第2の光束を射出するよう
に音響光学素子17,32を配置することにより、0次
回折光が含まれる面と周波数変調を与えた第1の光束及
び第2の光束が含まれる面とを異ならしめるようにした
ので、迷光を効果的に除去することができる。
【0051】尚、上記実施形態では音響光学素子17及
び音響光学素子32を共にX軸の周りにY軸からZ軸に
向かう方向に45度の角度をもって配置した場合を例に
挙げて説明したが、音響光学素子17及び音響光学素子
32の何れか一方のみであってもよい。また、音響光学
素子17及び音響光学素子32を配置する角度は45度
に限らず任意に設定してもよい。このとき開口板35,
36は、音響光学素子17及び音響光学素子32が配置
される角度に応じて、開口35a,36aの長手方向が
設定される。
【0052】〔第4実施形態による変調光発生装置〕図
8は、本発明の第4実施形態による変調光発生装置の構
成を示す斜視図であり、図1及び図2に示した本発明の
第1実施形態による変調光発生装置が備える部材と同一
の部材には同一の符号が付してある。図8に示した本発
明の第4実施形態による変調光発生装置50が図1及び
図2に示した本発明の第1実施形態による変調光発生装
置10と異なる点は、音響光学素子17に隣接して配置
されて、音響光学素子17を介した第1の光束及び第2
の光束に対して異なる周波数変調を与える第2の変調手
段としての音響光学素子51を設けた点である。
【0053】音響光学素子17は、前述した通り、外部
から供給される高周波信号SF1によって周波数f1で
駆動されており、入射する第1の光束L10及び第2の
光束L20に異なる周波数変調を与える。これに対し、
音響光学素子17に隣接して設けられた音響光学素子5
1は、外部から供給される高周波信号SF2によって周
波数f2で駆動されている。また、音響光学素子51中
を進行する超音波の進行方向SW2と音響光学素子17
中を進行する超音波の進行方向SW1とは互いに逆向き
に設定されている。
【0054】ウォラストンプリズム13で分離された第
1の光束L10及び第2の光束L20がレンズ系14、
開口板15、及びレンズ系16を介して、所定の角度で
音響光学素子17に入射するまでは前述した第1実施形
態と同様である。ここで、音響光学素子17及び音響光
学素子51が、入射する第1の光束L10及び第2の光
束L11に対して異なる周波数変調を与える様子につい
て説明する。図9は、本発明の第4実施形態による変調
光発生装置が備える音響光学素子17,51が入射する
第1の光束L10及び第2の光束L20に対して異なる
周波数変調を与える様子を示す図である。尚、図9では
第1の光束L10を実線で図示しており、第2の光束L
20を破線で図示している。
【0055】第1の光束L10が音響光学素子17に入
射すると、第1の光束L10の内の一部の光束L10a
は、音響光学素子17中を進行する超音波によってブラ
ッグ回折を受けるとともに周波数変調を受けるが、第1
の光束L10の残りの光束L10bは、音響光学素子1
7中を進行する超音波と相互作用せずにそのまま通過す
る。音響光学素子17に入射する第1の光束L10の周
波数をfとすると、周波数変調された光束(光束L10
a)の周波数はf+f1となり、そのまま通過する光束
(0次回折光:光束L10b)の周波数はfのままであ
る。尚、光束L10a及び光束L10bは音響光学素子
17の射出面の法線に対して対称に射出される。
【0056】これら第1の光束L10a,L10bが音
響光学素子51に入射すると、光束L10aは音響光学
素子51をそのまま通過して第1の光束L13aとな
り、光束L10bは音響光学素子51中を進行する超音
波によりブラッグ回折を受けるとともに周波数変調を受
けて第1の光束L13bとなる。よって、音響光学素子
51から射出される第1の光束L13には、周波数がf
+f1である光束L13aと周波数がf−f2である光
束L13bとが含まれることになる。
【0057】一方、第2の光束L20が音響光学素子1
7に入射すると、第1の光束L10と同様に、一部の光
束L20aは、音響光学素子17中を進行する超音波に
よってブラッグ回折を受けるとともに周波数変調を受け
るが、第1の光束L20の残りの光束L20bは、音響
光学素子17中を進行する超音波と相互作用せずにその
まま通過する。第2の光束L20の周波数をfとする
と、周波数変調された光束(光束L20a)の周波数は
f−f1となり、そのまま通過する光束(0次回折光:
光束L20b)の周波数はfのままである。尚、光束L
20a及び光束L20bも音響光学素子17の射出面の
法線に対して対称に射出される。
【0058】これら第2の光束L20a,L20bが音
響光学素子51に入射すると、光束L20aは音響光学
素子51をそのまま通過して第1の光束L23aとな
り、光束L20bは音響光学素子51中を進行する超音
波によりブラッグ回折を受けるとともに周波数変調を受
けて第2の光束L23bとなる。よって、音響光学素子
51から射出される第2の光束L23には、周波数がf
−f1である光束L23aと周波数がf+f2である光
束L23bとが含まれることになる。尚、第1の光束L
10及び第2の光束L20が音響光学素子17の入射面
の法線に対して対称に入射すれば、第1の光束L13及
び第2の光束L23は音響光学素子51の射出面の法線
に対して対称に射出される。
【0059】音響光学素子51から射出された第1の光
束L13及び第2の光束L23は、レンズ系18、開口
板19、及びレンズ系20を順に通過して、ある角度を
もってウォラストンプリズム21に入射し、ほぼ同軸の
光路に結合されて変調光MLとして射出される。ここ
で、変調光MLに含まれる第1の光束L13には周波数
がf+f1の光束L13a及び周波数がf−f2の光束
L13bが存在し、第2の光束L23には周波数がf+
f2の光束L23a及び周波数がf−f1の光束L23
bが存在する。
【0060】よって、この変調光MLを用いて光波干渉
測定装置200で干渉させると、周波数差が(2・f
1)、(2・f2)、及び|f1−f2|の3種類の信
号が得られる。ここで、音響光学素子17が例えば50
MHzの周波数f1で駆動され、音響光学素子51が例
えば50.1MHzの周波数f2で駆動されているとす
ると、光波干渉測定装置200で得られる信号(2・f
1)は100MHzであり、信号(2・f2)は10
0.1MHzであり、信号|f1−f2|は100kH
zである。従って、光波干渉測定装置200で処理する
場合に信号(f1−f2)が必要であるときには、ロー
パスフィルタを用いて信号(2・f1)及び信号(2・
f2)を遮断すれば良い。また、本実施形態において
は、前述した第3実施形態のように、音響光学素子17
及び音響光学素子51をX軸の周りにY軸からZ軸に向
かう方向に所定の角度をもって配置する構成としても良
い。
【0061】〔その他の実施形態による変調光発生装
置〕以上、本発明の第1実施形態〜第4実施形態による
変調光発生装置について説明したが、本発明の変調光発
生装置は上記第1実施形態〜第4実施形態に制限される
ことはなく、本発明の範囲内で自由に変更が可能であ
る。例えば、上記第1実施形態〜第4実施形態では、光
源11から射出された偏光Pの光(直線偏光)を1/2
波長板12を用いて円偏光に変換して、偏光Pの光と偏
光Sの光とを得ていたが、これらに代えて偏光Pの光と
偏光Sの光を射出するゼーマンレーザを用いても良い。
【0062】また、第1実施形態〜第4実施形態による
変調光発生装置では、ウォラストンプリズム13を用い
て偏光Sの光と偏光Pの光とを分離していたが、ニコル
プリズム、グラントムソンプリズム、その他の偏光プリ
ズムを用いても良い。ウォラストンプリズム13を用い
る場合には、分離された偏光Pの光束L10及び偏光S
の光束L11は射出面の垂線に対してほぼ対称に射出さ
れていたが、ニコルプリズム又はグラントムソンプリズ
ムを用いる場合には、分離された光束の射出方向はウォ
ラストンプリズムの場合のように対称ではないので、射
出された光束を音響光学素子17に導くリレー光学系を
工夫する必要がある。また、ウォラストンプリズム21
についてもニコルプリズム、グラントムソンプリズム、
その他の偏光プリズムを用いることができるが、この場
合も音響光学素子17、音響光学素子32、又は音響光
学素子51から射出された光束を工夫してニコルプリズ
ム、グラントムソンプリズム、その他の偏光プリズムに
導く必要がある。
【0063】また、上記第1実施形態〜第4実施形態に
よる変調光発生装置では、レンズ系16が第1の光束L
10及び第2の光束L20を集束して第1の光束L10
及び第2の光束L20を所定の角度をもって音響光学素
子17に入射させ、又はレンズ系31が第1の光束L1
1及び第2の光束L21を集束して第1の光束L11及
び第2の光束L21を所定の角度をもって音響光学素子
32に入射させていた。音響光学素子17又は音響光学
素子32の入射角度を調整するために、図10に示す構
成としても良い。
【0064】図10は、第1の光束及び第2の光束の音
響光学素子17への入射角度を調整する部材を配置した
構成例を示す図である。図10では、開口板15とレン
ズ系16との間に、音響光学素子17に入射する第1の
光束L10及び第2の光束L20の入射角度をそれぞれ
調整する調整手段としての平行平面板60a,60bを
配置した例を示している。この平行平面板60a,60
bは例えば透明ガラスにより形成される。平行平面板6
0a,60bは、第1の光束L10の光路及び第2の光
束L20の光路上にそれぞれ配置され、Z軸に平行な回
転軸の周りで回動自在に構成されている。
【0065】例えば平行平面板60aをY軸からX軸方
向に回転させると第1の光束L10の光路が−Y軸方向
にずれるため、レンズ系16への入射位置が変化する。
レンズ系16は、その光軸からの入射位置に応じて異な
る角度をもって入射光束を屈折する作用を有するため、
平行平面板60aの回転角を調整することにより第1の
光束L10が音響光学素子17へ入射する角度を調整す
ることができる。これは、平行平面板60bを回転させ
る場合も同様である。尚、平行平面板60a,60b
は、ウォラストンプリズム13から音響光学素子17に
至るまでの光路においてレンズ系14からレンズ系16
に至るまでの光路(所謂瞳空間)であれば配置位置は特
に制限されない。
【0066】また、第1実施形態では音響光学素子17
から射出された第1の光束L11及び第2の光束L2
1、第2実施形態及び第3実施形態では音響光学素子3
2から射出された第1の光束L12及び第2の光束L2
2、第4実施形態では音響光学素子51から射出された
第1の光束L13及び第2の光束L23がウォラストン
プリズム21に入射する角度を調整する部材を、音響光
学素子17,32,51とウォラストンプリズム21と
の間の光路に設けても良い。更に、第2の実施形態及び
第3の実施形態においては、音響光学素子17と音響光
学素子32との間の光路に音響光学素子32に対する第
1の光束L11及び第2の光束L21の入射角度を調整
するための平行平面板60a,60bと同様の部材を設
けても良い。
【0067】また、上記第1実施形態〜第4実施形態で
は、ウォラストンプリズム13で分離された第1の光束
L10及び第2の光束L20を、レンズ系14、開口板
15、及びレンズ系16からなるリレー光学系を用いて
集束させて音響光学素子17に入射させていたが、この
リレー光学系に代えて図11に示す構成としても良い。
図11は、第1の光束及び第2の光束を集束して音響光
学素子17へ導く他の構成例を示す図である。図11に
示した例では、ウォラストンプリズム13と音響光学素
子17との間に、第1の光束L10を反射して所定の角
度をもって音響光学素子17に入射させる反射鏡61a
と、第2の光束L20を反射して所定の角度をもって音
響光学素子17に入射させる反射鏡61bとが配置され
ている。かかる構成とすることで、光学部材の数を減少
することができるため、構成を単純化することにより、
外部変動の影響を受けにくく安定化させる上では好適で
ある。
【0068】尚、図1及び図2に示した第1実施形態及
び図8に示した第4実施形態においては、レンズ系1
8、開口板19、及びレンズ系20に代えて図11に示
した反射鏡61a,61bと同様の反射鏡を設けても良
い。また、図5に示した第2実施形態及び図6に示した
第3実施形態においては、レンズ系18、開口板35、
及びレンズ系31に代えて、又はレンズ系33、開口板
34、及びレンズ系20に代えて図11に示した反射鏡
61a,61bと同様の反射鏡を設けても良い。但し、
図6に示した第3実施形態では、レンズ系18、開口板
35、及びレンズ系31に代えて設けられる反射鏡61
a,61bの配置を、X軸の周りで90度回転して配置
する必要がある。更に、反射鏡61a,61b等の反射
鏡を用いた構成とする場合も、音響光学素子17、音響
光学素子32、又はウォラストンプリズム21に対する
第1の光束及び第2の光束の入射角度を調整することが
できる部材(例えば楔形状のガラス板)を配置するか、
反射鏡61a,61b自身を動かして入射角を調整でき
る構成とすることが好ましい。
【0069】以上説明した実施形態では、第1の光束、
第2の光束、及び変調光MLをレンズ系等の光学部材で
リレーしていたが、本発明の変調光発生装置は、これら
の偏波状態を保存した状態で導波する偏波面保存導波手
段としての偏波面保存光ファイバを用いて導波するよう
にしても良い。図12は、偏波面保存光ファイバを用い
て第1の光束、第2の光束、又は変調光MLを導波する
構成例を示す図である。尚、図12に示した例では、図
1及び図2に示した第1の実施形態による変調光発生装
置に適用した場合を図示している。前述した第1実施形
態では、ウォラストンプリズム21からはぼ同軸にして
射出された光を変調光MLとしていたが、図12(a)
に示した例では、ウォラストンプリズム21から射出さ
れた光を偏波面保存光ファイバ65を用いて導波し、偏
波面保存光ファイバ65から射出される光を変調光ML
としている。尚、偏波面保存光ファイバ65の射出端側
には変調光MLの射出方向を調整する部材(例えば、楔
形状のガラス板)66を配置しても良い。
【0070】また、図12(b)に示すように、レンズ
系18の後段に偏波面保存光ファイバ67a,67bを
設けて第1の光束L11を偏波面保存光ファイバ67a
で、第2の光束L21を偏波面保存光ファイバ67bで
それぞれ導波するようにしても良い。尚、上記偏波面保
存光ファイバ67aは本発明にいう第1の偏波面保存導
波手段に相当し、偏波面保存光ファイバ67bは本発明
にいう第2の偏波面保存導波手段に相当する。
【0071】図12(b)に示した構成とする場合に
は、偏波面保存光ファイバ67a,67bの後段にそれ
ぞれレンズ系68a、68bを配置し、更に、第1の光
束L11及び第2の光束L21の位置を調整する部材6
9a,69bをそれぞれ配置して、反射鏡70,71に
より第1の光束L11と第2の光束L21とをほぼ同軸
にして変調光MLとしても良い。または、図12(c)
に示したように、偏波面保存光ファイバ67a,67b
の後段に第1の光束L11及び第2の光束L21の位置
を調整する部材72a,72bをそれぞれ配置し、更に
レンズ系20及びウォラストンプリズム21を配置した
構成としても良い。また、偏波面保存光ファイバ67
a,67bと同様の偏波面保存光ファイバをウォラスト
ンプリズム13と音響光学素子17との間に設けても良
い。更に、第2実施形態及び第3実施形態にあっては音
響光学素子17と音響光学素子32との間に設けても良
い。
【0072】〔その他の実施形態による光波干渉測定装
置〕図1に示した本発明の一実施形態による光波干渉測
定装置200は、固定鏡203及び移動鏡204として
コーナーキューブ型のものを備えた場合を例に挙げて説
明したが、図13に示すように平面反射鏡を備えた場合
でも適用することができる。図13は、光波干渉測定装
置200の第1変形例を示す図である。図13に示した
例では、平面反射鏡の固定鏡76が配置され、偏光ビー
ムスプリッタ202と固定鏡76との間の参照光路RP
上には1/4波長板75が配置されている。また、移動
ステージ205上には平面反射鏡の固定鏡78が配置さ
れ、偏光ビームスプリッタ202と移動鏡78との間の
測定光路MP上には1/4波長板77が配置されてい
る。
【0073】ビームスプリッタ201を透過した変調光
MLは偏光ビームスプリッタ202で偏光Sの光と偏光
Pの光とに分離される。偏光ビームスプリッタ202で
反射された光束は1/4波長板75を通過して固定鏡7
6に至り、固定鏡76で反射された後、再び1/4波長
板75を通過して偏光ビームスプリッタ202に入射す
る。一方、偏光ビームスプリッタ202を通過した光束
は1/4波長板77を通過した後、移動鏡78で反射さ
れた後、再び1/4波長板77を通過して偏光ビームス
プリッタ202に入射する。その後、参照光路RP及び
測定光路MPを通過した光束は、偏光ビームスプリッタ
202で同軸とされ偏光子207bを介して干渉して検
出器208bで検出される。
【0074】図14は、光波干渉測定装置200の第2
変形例を示す図である。図14に示した例では、図13
に示した構成に加えて参照光路RPの延長線上にコーナ
ーキューブ型の反射鏡が更に設けられている。ビームス
プリッタ201を透過した変調光MLは偏光ビームスプ
リッタ202で偏光Sの光と偏光Pの光とに分離され
る。偏光ビームスプリッタ202で反射された光束は1
/4波長板75を通過して固定鏡76に至り、固定鏡7
6で反射された後、再び1/4波長板75を通過して偏
光ビームスプリッタ202に入射する。一方、偏光ビー
ムスプリッタ202を通過した光束は1/4波長板77
を通過した後、移動鏡78で反射された後、再び1/4
波長板77を通過して偏光ビームスプリッタ202に入
射する。その後、参照光路RP及び測定光路MPを通過
した光束は、反射鏡79に入射して光路をずらされて反
射され、再び偏光ビームスプリッタ202に入射し、偏
光Pの光と偏光Sの光とに分離される。
【0075】偏光ビームスプリッタ202を透過した光
束は1/4波長板75を通過して固定鏡76に至り、固
定鏡76で反射された後、再び1/4波長板75を通過
して偏光ビームスプリッタ202に入射する。一方、偏
光ビームスプリッタ202で反射された光束は1/4波
長板77を通過した後、移動鏡78で反射された後、再
び1/4波長板77を通過して偏光ビームスプリッタ2
02に入射する。その後、参照光路RP及び測定光路M
Pを通過した光束は、偏光ビームスプリッタ202で同
軸とされ偏光子207bを介して干渉して検出器208
bで検出される。このように、図14に示した光波干渉
測定装置200は、入射する光束を参照光路RP及び測
定光路MPに2回通過させる構成である。
【0076】〔露光装置〕次に、本発明の一実施形態に
よる露光装置について説明する。図15は、本発明の一
実施形態による露光装置の概略構成を示す図である。
尚、図15に示した露光装置は、レチクルRとウェハW
とを同期移動させつつレチクルRに形成されたパターン
の像を順次ウェハWに転写する所謂ステップ・アンド・
スキャン方式の露光装置である。図15において、80
は、g線(波長436nm)、i線(波長365nm)
を射出する超高圧水銀ランプ、又はKrFエキシマレー
ザ(波長248nm)、ArFエキシマレーザ(波長1
93nm)、若しくはF2エキシマレーザ(波長193
nm)等の光源を含み、これらの光源から射出される光
の光強度分布を一様にするとともに、所定の形状に整形
した照明光ILを射出する照明光学系である。
【0077】81は、マスクとしてのレチクルRを載置
するレチクルステージであり、投影光学系PLの光軸A
Xの方向に微動可能で、且つその光軸AXに垂直な面内
で2次元移動及び微小回転可能に構成される。レチクル
ステージ81の一端には、移動鏡82が取り付けられて
おり、この移動鏡82の鏡面に対向した位置にレーザ干
渉計84が配置されている。また、前述した照明光学系
80には固定鏡83が取り付けられている。尚、固定鏡
83は投影光学系PLに取り付けても良い。移動鏡82
は前述した光波干渉測定装置200が備える移動鏡20
4又は移動鏡78に相当し、固定鏡83は固定鏡203
又は固定鏡76に相当する。レーザ干渉計84は、前述
した変調光発生装置を有する光波干渉測定装置200に
相当する。
【0078】尚、図15では図示を簡略化しているが、
移動鏡82はX軸に垂直な鏡面を有する移動鏡及びY軸
に垂直な鏡面を有する移動鏡から構成されている。ま
た、レーザ干渉計84は、X軸に沿って移動鏡82にレ
ーザビームを照射する2個のX軸用のレーザ干渉計及び
Y軸に沿って移動鏡82にレーザビームを照射するY軸
用のレーザ干渉計より構成され、X軸用の1個のレーザ
干渉計及びY軸用の1個のレーザ干渉計によりレチクル
ステージ81のX座標及びY座標が計測される。また、
X軸用の2個のレーザ干渉計の計測値の差により、レチ
クルステージ81の回転角が計測される。レーザ干渉計
84によって検出されたレチクルステージ81のX座
標、Y座標、及び回転角の情報は主制御系85に供給さ
れる。主制御系85は供給されたステージ位置情報をモ
ニターしつつ駆動系86へ制御信号を出力し、レチクル
ステージ81の位置決め動作を制御する。
【0079】レチクルステージ81上に載置されたレチ
クルRには透明なガラス基板表面にクロム等によって半
導体素子、液晶表示素子等のデバイスパターンDPが形
成されている。照明光学系80から射出された照明光I
LによってレチクルRが照明されると、レチクルRに形
成されたデバイスパターンDPの像が投影光学系PLを
介してウェハW上に転写される。ウェハWは、ウェハス
テージ87上に載置されている。尚、レチクルRのデバ
イスパターンDPが形成された面(パターン面)とウェ
ハWの表面とは、投影光学系PLに関して光学的に共役
に設定される。
【0080】ウェハステージ87はXY平面内において
ウェハWを移動させるXYステージ、Z軸方向にウェハ
Wを移動させるZステージ、ウェハWをXY平面内で微
小回転させるステージ、及びZ軸に対する角度を変化さ
せてXY平面に対するウェハWの傾きを調整するステー
ジ等から構成される。ウェハステージ87の上面の一端
にはウェハステージ87の移動可能範囲以上の長さを有
する移動鏡88が取り付けられ、移動鏡88の鏡面に対
向した位置にレーザ干渉計80が配置されている。ま
た、前述した投影光学系PLには固定鏡89が取り付け
られている。移動鏡88は前述した光波干渉測定装置2
00が備える移動鏡204又は移動鏡78に相当し、固
定鏡89は固定鏡203又は固定鏡76に相当する。レ
ーザ干渉計90は、前述した変調光発生装置を有する光
波干渉測定装置200に相当する。
【0081】尚、図15では図示を簡略化しているが、
移動鏡88はX軸に垂直な鏡面を有する移動鏡及びY軸
に垂直な鏡面を有する移動鏡から構成されている。ま
た、レーザ干渉計90は、X軸に沿って移動鏡88にレ
ーザビームを照射する2個のX軸用のレーザ干渉計及び
Y軸に沿って移動鏡88にレーザビームを照射するY軸
用のレーザ干渉計より構成され、X軸用の1個のレーザ
干渉計及びY軸用の1個のレーザ干渉計によりウェハス
テージ87のX座標及びY座標が計測される。また、X
軸用の2個のレーザ干渉計の計測値の差により、ウェハ
ステージ87の回転角が計測される。レーザ干渉計90
によって計測されたウェハステージ87のX座標、Y座
標、及び回転角の情報は主制御系85に供給される。主
制御系85は供給されたステージ位置情報をモニターし
つつ駆動系91へ制御信号を出力し、ウェハステージ8
7の位置決め動作を制御する。
【0082】レチクルRに形成されたデバイスパターン
DPの像をウェハW上に転写するときには、まず、主制
御系85は図示せぬアレチクルライメント系を用いてレ
チクルRの正確な位置情報を計測するとともに、ウェハ
アライメント系を用いてウェハWの正確な位置情報を計
測した後、これらの計測結果とレーザ干渉計84及びレ
ーザ干渉計90の検出結果とに基づいてレチクルRとウ
ェハWの相対的な位置を調整する。次に、駆動系86及
び駆動系90へ制御信号を出力して、レチクルRとウェ
ハWとの移動を開始させ、照明光ILをレチクルRに照
射する。その後は、レーザ干渉計84及びレーザ干渉計
90の検出結果をモニタしつつ、レチクルRとウェハW
とを同期移動させてデバイスパターンDPの像全てをウ
ェハW上に転写する。
【0083】以上、本発明の一実施形態について説明し
たが、本発明は上記実施形態に制限されず、本発明の範
囲内で自由に変更が可能である。例えば、上記実施形態
ではステップ・アンド・スキャン方式の露光装置を例に
挙げて説明したが、ステップ・アンド・リピート方式の
露光装置にも適用可能である。また、本実施形態の露光
装置の照明光学系80が備える光源は、超高圧水銀ラン
プ、KrFエキシマレーザ、ArFエキシマレーザ、又
はF2レーザ(157nm)のみならず、X線や電子線
などの荷電粒子線を用いることができる。例えば、電子
線を用いる場合には電子銃として、熱電子放射型のラン
タンヘキサボライト(LaB6)、タンタル(Ta)を
用いることができる。また、前述した実施形態において
は、半導体素子又は液晶表示素子を製造する場合を例に
挙げて説明したが、もちろん、薄膜磁気ヘッドの製造に
用いられてデバイスパターンをセラミックウェハ上へ転
写する露光装置、及びCCD等の撮像素子の製造に用い
られる露光装置等にも本発明を適用することができる。
【0084】次に本発明の一実施形態による露光装置を
リソグラフィ工程で使用したマイクロデバイスの製造方
法の実施形態について説明する。図16は、マイクロデ
バイス(ICやLSI等の半導体チップ、液晶パネル、
CCD、薄膜磁気ヘッド、マイクロマシン等)の製造例
のフローチャートを示す図である。図16に示すよう
に、まず、ステップS10(設計ステップ)において、
マイクロデバイスの機能・性能設計(例えば、半導体デ
バイスの回路設計等)を行い、その機能を実現するため
のパターン設計を行う。引き続き、ステップS11(マ
スク製作ステップ)において、設計した回路パターンを
形成したマスク(レチクル)を製作する。一方、ステッ
プS12(ウェハ製造ステップ)において、シリコン等
の材料を用いてウェハを製造する。
【0085】次に、ステップS13(ウェハ処理ステッ
プ)において、ステップS10〜ステップS12で用意
したマスクとウェハを使用して、後述するように、リソ
グラフィ技術等によってウェハ上に実際の回路等を形成
する。次いで、ステップS14(デバイス組立ステッ
プ)において、ステップS13で処理されたウェハを用
いてデバイス組立を行う。このステップS14には、ダ
イシング工程、ボンティング工程、及びパッケージング
工程(チップ封入)等の工程が必要に応じて含まれる。
最後に、ステップS15(検査ステップ)において、ス
テップS14で作製されたマイクロデバイスの動作確認
テスト、耐久性テスト等の検査を行う。こうした工程を
経た後にマイクロデバイスが完成し、これが出荷され
る。
【0086】図17は、半導体デバイスの場合におけ
る、図16のステップS13の詳細なフローの一例を示
す図である。図17において、ステップS21(酸化ス
テップ)においてはウェハの表面を酸化させる。ステッ
プS22(CVDステップ)においてはウェハ表面に絶
縁膜を形成する。ステップS23(電極形成ステップ)
においてはウェハ上に電極を蒸着によって形成する。ス
テップS24(イオン打込みステップ)においてはウェ
ハにイオンを打ち込む。以上のステップS21〜ステッ
プS24のそれぞれは、ウェハ処理の各段階の前処理工
程を構成しており、各段階において必要な処理に応じて
選択されて実行される。
【0087】ウェハプロセスの各段階において、上述の
前処理工程が終了すると、以下のようにして後処理工程
が実行される。この後処理工程では、まず、ステップS
25(レジスト形成ステップ)において、ウェハに感光
剤を塗布する。引き続き、ステップS26(露光ステッ
プ)において、上で説明したリソグラフィシステム(露
光装置)及び露光方法によってマスクの回路パターンを
ウェハに転写する。次に、ステップS27(現像ステッ
プ)においては露光されたウェハを現像し、ステップS
28(エッチングステップ)において、レジストが残存
している部分以外の部分の露出部材をエッチングにより
取り去る。そして、ステップS29(レジスト除去ステ
ップ)において、エッチングが済んで不要となったレジ
ストを取り除く。これらの前処理工程と後処理工程とを
繰り返し行うことによって、ウェハ上に多重に回路パタ
ーンが形成される。
【0088】以上説明した本実施形態のマイクロデバイ
ス製造方法を用いれば、露光工程(ステップS26)に
おいて上記の露光装置及び上で説明した露光方法が用い
られ、真空紫外域の照明光により解像力の向上が可能と
なり、しかも露光量制御を高精度に行うことができるの
で、結果的に最小線幅が0.1μm程度の高集積度のデ
バイスを歩留まり良く生産することができる。
【0089】また、半導体素子等のマイクロデバイスだ
けではなく、光露光装置、EUV露光装置、X線露光装
置、及び電子線露光装置等で使用されるレチクル又はマ
スクを製造するために、マザーレチクルからガラス基板
やシリコンウェハ等ヘ回路パターンを転写する露光装置
にも本発明を適用できる。ここで、DUV(深紫外)や
VUV(真空紫外)光等を用いる露光装置では、一般的
に透過型レチクルが用いられ、レチクル基板としては石
英ガラス、フッ素がドープされた石英ガラス、蛍石、フ
ッ化マグネシウム、又は水晶等が用いられる。また、プ
ロキシミティ方式のX線露光装置や電子線露光装置等で
は、透過型マスク(ステンシルマスク、メンブレンマス
ク)が用いられ、マスク基板としてはシリコンウェハ等
が用いられる。なお、このような露光装置は、WO99
/34255号、WO99/50712号、WO99/
66370号、特開平11−194479号、特開2000−12453
号、特開2000−29202号等に開示されている。
【0090】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明によれ
ば、分離手段により偏光状態に応じて分離された第1の
光束及び第2の光束が、所定の角度をもって変調手段に
入射して異なる周波数が与えられた後で、結合手段で同
一の光路に結合されるようにしており、周波数変調が同
一の手段によって達成されている。よって、偏光状態の
異なる光束に異なる周波数変調を与えるために別々の素
子を用いていた従来と比較すると、1つの手段で周波数
変調を与えているため、外部変動の影響を受けにくく、
安定して変調光を発生することができるという効果があ
る。また、本発明によれば、変調手段で周波数変調が与
えられた第1の光束及び第2の光束に対して、第2の変
調手段を用いて異なる周波数変調を与えるようにしてい
るため、第1の光束及び第2の光束に与える周波数変調
を自由に可変することができる結果、第1の光束及び第
2の光束の周波数差の設定の自由度を高くすることがで
きるという効果がある。また、本発明によれば、前述の
変調光発生装置を備えているため、固定鏡に対する移動
鏡の相対位置を安定して高精度に計測することができる
という効果がある。また、本発明によれば、前記の光波
干渉測定装置で計測された高精度の位置計測結果に基づ
いてマスクと基板との相対位置が正確に合わされた状態
でマスクのパターンをレチクルに転写することができる
ので、微細なパターンをウェハ上に形成する上で極めて
好適であるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態による変調光発生装置
の構成及び本発明の一実施形態による光波干渉測定装置
の構成を示す上面図である。
【図2】 本発明の第1実施形態による変調光発生装置
の構成を示す斜視図である。
【図3】 ウォラストンプリズム13の構成及びウォラ
ストンプリズム13が入射する光をその偏光状態に応じ
て分離する原理を説明するための図である。
【図4】 入射する第1の光束L10及び第2の光束L
20に異なる周波数変調を与える原理を説明するための
図である。
【図5】 本発明の第2実施形態による変調光発生装置
の構成を示す斜視図である。
【図6】 本発明の第3実施形態による変調光発生装置
の構成を示す斜視図である。
【図7】 音響光学素子17,32に入射する第1の光
束及び第2の光束と音響光学素子17,32から射出さ
れる第1の光束及び第2の光束との関係を説明するため
の図である。
【図8】 本発明の第4実施形態による変調光発生装置
の構成を示す斜視図である。
【図9】 本発明の第4実施形態による変調光発生装置
が備える音響光学素子17,51が入射する第1の光束
L10及び第2の光束L20に対して異なる周波数変調
を与える様子を示す図である。
【図10】 第1の光束及び第2の光束の音響光学素子
17への入射角度を調整する部材を配置した構成例を示
す図である。
【図11】 第1の光束及び第2の光束を集束して音響
光学素子17へ導く他の構成例を示す図である。
【図12】 偏波面保存光ファイバを用いて第1の光
束、第2の光束、又は変調光MLを導波する構成例を示
す図である。
【図13】 光波干渉測定装置200の第1変形例を示
す図である。
【図14】 光波干渉測定装置200の第2変形例を示
す図である。
【図15】 本発明の一実施形態による露光装置の概略
構成を示す図である。
【図16】 マイクロデバイスの製造方法の一例を示す
フローチャートである。
【図17】 半導体デバイスの場合における、図16の
ステップS13の詳細なフローの一例を示す図である。
【図18】 従来の変調光発生装置及び光波干渉測定装
置の構成図である。
【符号の説明】
13 ウォラストンプリズム(分
離手段) 16 レンズ系(集束手段) 17 音響光学素子(変調手段) 21 ウォラストンプリズム(結
合手段) 31 レンズ系(第2の集束手
段) 32,51 音響光学素子(第2の変調
手段) 36 開口板(遮光手段) 35 開口板(第2の遮光手段) 60a,60b 平行平面板(調整手段) 65,67a,67b 偏波面保存光ファイバ(偏
波面保存導波手段) 76 固定鏡(参照鏡) 78 移動鏡 81 レチクルステージ(マスク
ステージ) 82,88 移動鏡 83,89 固定鏡 87 ウェハステージ(基板ステ
ージ) 202 偏向ビームスプリッタ(分
岐手段、受光手段) 203 固定鏡(参照鏡) 204 移動鏡 208a,208b 検出器(受光手段) DP デバイスパターン(パター
ン) L10,L12,L13 第1の光束 L20,L22,L23 第2の光束 ML 変調光 MP 測定光路 R レチクル(マスク) RP 参照光路 W ウェハ(基板)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2F064 AA01 BB01 BB05 FF01 GG04 GG12 GG13 GG21 GG22 GG23 GG38 GG39 GG70 2H079 AA04 BA04 CA11 CA24 DA03 HA11 KA09 5F046 BA04 BA05 CC01 CC02 CC16

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入射光の偏光状態に応じて該入射光を第
    1及び第2の光束に分離する分離手段と、 前記第1及び第2の光束を所定の角度となるように集束
    させる集束手段と、 前記集束手段を介した前記第1及び第2の光束の光路中
    に配置されて、前記第1及び第2の光束に対して異なる
    周波数変調を与える変調手段と、 前記周波数変調が与えられた前記第1及び第2の光束を
    ほぼ同一の光路に結合させる結合手段とを備えることを
    特徴とする変調光発生装置。
  2. 【請求項2】 前記変調手段と前記結合手段との間の光
    路中に配置されて、前記変調手段を介した前記第1及び
    第2の光束を所定の角度となるように集束させる第2の
    集束手段と、 前記第2の集束手段を介した前記第1及び第2の光束の
    光路中に配置されて、前記第1及び第2の光束に対して
    異なる周波数変調を与える第2の変調手段とを更に備え
    ることを特徴とする請求項1記載の変調光発生装置。
  3. 【請求項3】 前記変調手段に隣接して配置されて、前
    記第1及び第2の光束に対して異なる周波数変調を与え
    る第2の変調手段を更に備えることを特徴とする請求項
    1記載の変調光発生装置。
  4. 【請求項4】 前記変調手段は第1の音響光学素子を有
    し、 前記第2の変調手段は第2の音響光学素子を有し、 前記第1及び第2の音響光学素子内の超音波の進行方向
    は、互いに逆向きに設定されることを特徴とする請求項
    2又は請求項3記載の変調光発生装置。
  5. 【請求項5】 前記第2の変調手段は、前記第2の集束
    手段からの前記第1及び第2の光束が含まれる面とは異
    なる面に沿って、前記周波数変調された前記第1及び第
    2の光束を射出するように位置決めされることを特徴と
    する請求項2から請求項4の何れか一項に記載の変調光
    発生装置。
  6. 【請求項6】 前記第2の変調手段と前記結合手段との
    間の光路中に配置されて、前記第2の集束手段からの前
    記第1及び第2の光束が含まれる面に沿って前記第2の
    変調手段から射出される前記第1及び第2の光束を遮光
    するための遮光手段を更に備えることを特徴とする請求
    項5記載の変調光発生装置。
  7. 【請求項7】 前記変調手段は、前記集束手段からの前
    記第1及び第2の光束が含まれる面とは異なる面に沿っ
    て、前記周波数変調された前記第1及び第2の光束を射
    出するように位置決めされることを特徴とする請求項1
    から請求項6の何れか一項に記載の変調光発生装置。
  8. 【請求項8】 前記変調手段と前記第2の変調手段との
    間の光路中に配置されて、前記集束手段からの前記第1
    及び第2の光束が含まれる面に沿って前記変調手段から
    射出される前記第1及び第2の光束を遮光するための第
    2の遮光手段を更に備えることを特徴とする請求項7記
    載の変調光発生装置。
  9. 【請求項9】 前記分離手段と前記結合手段との間の光
    路中に配置されて、前記第1及び第2の光束の前記所定
    の角度を調整するための調整手段を更に備えることを特
    徴とする請求項1から請求項8の何れか一項に記載の変
    調光発生装置。
  10. 【請求項10】 前記周波数変調が与えられた前記第1
    及び第2の光束を、その偏光状態を保存した状態で導波
    する偏波面保存導波手段を更に備えることを特徴とする
    請求項1から請求項9の何れか一項に記載の変調光発生
    装置。
  11. 【請求項11】 前記偏波面保存導波手段は、前記第1
    の光束を導波する第1の偏波面保存導波手段と、前記第
    2の光束を導波する第2の偏波面保存導波手段とを備え
    ることを特徴とする請求項10記載の変調光発生装置。
  12. 【請求項12】 前記偏波面保存導波手段は、前記結合
    手段を介した前記第1及び第2の光束の光路中に配置さ
    れることを特徴とする請求項10記載の変調光発生装
    置。
  13. 【請求項13】 請求項1から請求項12の何れか一項
    に記載の変調光発生装置と、前記変調光発生装置から射
    出される変調光の光路中に設けられて、前記変調光を、
    測定光路を進行する測定光と参照光路を進行する参照光
    とに分岐する分岐手段と、 前記参照光路上に設けられた参照鏡と、 前記測定光路上に設けられて、前記参照鏡に対して相対
    的に移動可能な移動鏡と、 前記参照光及び前記測定光を干渉させて受光する受光手
    段とを備えることを特徴とする光波干渉測定装置。
  14. 【請求項14】 マスク上のパターンを基板上へ転写す
    る露光装置において、 請求項13記載の光波干渉測定装置と、 前記基板を載置するための基板ステージと、を備え、 前記移動鏡は前記基板ステージに設けられていることを
    特徴とする露光装置。
  15. 【請求項15】 マスク上のパターンを基板上へ転写す
    る露光装置において、 請求項13記載の光波干渉測定装置と、 前記マスクを載置するためのマスクステージと、を備
    え、 前記移動鏡は前記マスクステージに設けられていること
    を特徴とする露光装置。
  16. 【請求項16】 請求項14又は請求項15記載の露光
    装置を用いて前記パターンを前記基板上へ転写する転写
    工程を含むマイクロデバイスの製造方法であって、 前記光波干渉測定装置を用いて前記マスクと前記基板と
    の相対的な位置関係を調整する工程と、 前記転写工程にて転写された前記基板を現像する現像工
    程とを有することを特徴とするマイクロデバイスの製造
    方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN1322308C (zh) * 2005-04-21 2007-06-20 中国科学院上海光学精密机械研究所 微小转角干涉测量装置
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WO2012127808A1 (ja) * 2011-03-22 2012-09-27 パナソニック株式会社 光マイクロホン

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