JP2002310097A - 車両用軸流ファン - Google Patents

車両用軸流ファン

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JP2002310097A JP2002028461A JP2002028461A JP2002310097A JP 2002310097 A JP2002310097 A JP 2002310097A JP 2002028461 A JP2002028461 A JP 2002028461A JP 2002028461 A JP2002028461 A JP 2002028461A JP 2002310097 A JP2002310097 A JP 2002310097A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 軸流ファンにおいて、送風空気が軸方向に流
れず、外径方向に流れてしまうことを抑制する。 【解決手段】 ボス部211の軸方向と直交する方向か
ら見て、ブレード211の前縁部212bが軸端面21
1aより空気流れ上流側にずれるように構成するととも
に、ブレード212の根元側から軸端面211aを滑ら
かな曲面213にて繋ぐ。これにより、軸端面211a
側からブレード212の根元側に空気が流通することが
できるので、軸端面211a側からブレード212の根
元側に向かって流れる空気により、ブレード212の根
元側における翼面と空気との抵抗が小さくなるので、ブ
レード212の根元側での失速を抑制できる。したがっ
て、ボス部211前方側の空気を有効に外方向(ブレー
ド212)に導くことができるので、送風機200の送
風量及びファン効率が低下してしまうことを抑制でき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ボス部(ハブ)か
ら放射状に延びる複数枚のブレードを有する車両用軸流
ファンに関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】ラジエ
ータ及びラジエータに冷却風を送風する送風機は、通
常、車両前端部等の空気を取り入れ易い部位に搭載され
ているため、送風機は、走行風圧の影響を強く受ける。
【0003】具体的には、送風機に用いられている軸流
ファンは、空気が軸方向に通り抜けるため、軸方向の走
行風圧を受けると、ブレードの翼面と空気との速度差が
小さくなり、翼面と空気との抵抗が小さくなる。
【0004】一方、軸流ファン(送風機)を稼動させた
まま車両が停止するアイドリング状態では、走行風圧が
殆ど無い状態では、翼面と空気との抵抗が大きくなるの
で、周速が小さいブレード212の根元側では、空気が
ブレード212の翼面から剥離して失速してしまい、図
7に示すように、送風空気が軸方向に流れず、外径方向
に流れてしまう。
【0005】そして、送風空気が外径方向に流れてしま
うと、空気が実質的に流通することができる空間寸法W
1が、送風空気が軸方向に流れるときの空気が実質的に
流通することができる空間寸法Woに比べて小さくなっ
てしまうので、送風機の送風量及びファン効率が低下し
てしまう。
【0006】なお、この現象(問題)は、軸流ファンの
後流側にエンジン等の空気抵抗が大きい壁面が存在する
場合に、特に、顕著に発生する。
【0007】本発明は、上記点に鑑み、車両用軸流ファ
ンにおいて、送風空気が軸方向に流れず、外径方向に流
れてしまう際の風量低下を抑制することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、請求項1に記載の発明では、ボス部(2
11)から放射状に延びる複数枚のブレード(212)
を有し、車両に搭載された熱交換器(100)に空気を
送風する軸流ファン(210)であって、ボス部(21
1)の軸方向端面のうちブレード(212)の負圧面
(212a)側に位置する軸端面(211a)は、この
軸端面(211a)側からブレード(212)の根元側
に空気が流通するように構成されていることを特徴とす
る。
【0009】これにより、軸端面(211a)側からブ
レード(212)の根元側に向かって流れる空気によ
り、ブレード(212)の根元側における翼面と空気と
の抵抗が小さくなるので、ブレード(212)の根元側
での失速を抑制できる。したがって、ボス部(211)
前方側の空気を有効に外方向(ブレード(212))に
流すことができるので、風量低下を抑制することができ
る。
【0010】請求項2に記載の発明では、ボス部(21
1)から放射状に延びる複数枚のブレード(212)を
有し、車両に搭載された熱交換器(100)に空気を送
風する軸流ファン(210)であって、ボス部(21
1)の軸方向と直交する方向から見て、ブレード(21
2)の前縁部(212b)は、ボス部(211)の軸方
向端部に位置する軸端面(211a)より空気流れ上流
側にずれていることを特徴とする。
【0011】これにより、軸端面(211a)側からブ
レード(212)の根元側に空気を流通させることがで
きるので、請求項1に記載の発明と同様に、軸端面(2
11a)側からブレード(212)の根元側に向かって
流れる空気により、ブレード(212)の根元側におけ
る翼面と空気との抵抗が小さくなる。したがって、ボス
部(211)前方側の空気を有効に外方向(ブレード
(212))に導くことができるので、風量低下を抑制
することができる。
【0012】請求項3に記載の発明では、ブレード(2
12)の根元側から軸端面(211a)は、滑らかな曲
面(213)にて繋がっていることを特徴とする。
【0013】これにより、軸端面(211a)側からブ
レード(212)の根元側に向かって空気をスムーズに
流通させることができるので、ブレード(212)の根
元側における翼面と空気との抵抗がより小さくすること
ができ、ブレード(212)の根元側での失速を確実に
抑制できる。
【0014】請求項4に記載の発明では、曲面(21
3)は、ボス部(211)の軸方向から見て、曲面(2
13)の輪郭線(213a)が流線形を描くように形成
されていることを特徴とする。
【0015】これにより、軸端面(211a)側からブ
レード(212)の根元側に向かって空気をスムーズに
流通させることができるので、ブレード(212)の根
元側における翼面と空気との抵抗がより小さくすること
ができ、ブレード(212)の根元側での失速を確実に
抑制できる。
【0016】請求項5に記載の発明では、曲面(21
3)からブレード(212)の圧力面側に連なるように
延びて外周側に拡がるスカート部(213b)が、ブレ
ード(212)の根元側において、ブレード(212)
の前縁部から後縁部側に渡って形成されていることを特
徴とする。
【0017】これにより、上流側から下流側に空気を滑
らかに流すことができる。
【0018】なお、請求項6に記載の発明のごとく、ボ
ス部(211)とブレード(212)とは、樹脂にて一
体成形してもよい。
【0019】因みに、上記各手段の括弧内の符号は、後
述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す
一例である。
【0020】
【発明の実施の形態】(第1実施形態)本実施形態は本
発明に係る車両用軸流ファンを、車両用ラジエータに冷
却風を送風する送風機に適用したものであって、図1は
本実施形態に係る送風機100の搭載状態を示す模式図
であり、図2は図1(a)を抽象化した模式図である。
【0021】図1(a)中、ラジエータ100はエンジ
ンE/Gの冷却水と空気とを熱交換して冷却水を冷却す
る熱交換器であり、送風機200はラジエータ100に
冷却風に送風する送風手段である。なお、ラジエータ1
00及び送風機200は、通常、車両前端部等の空気を
取り入れ易い部位に搭載されている。
【0022】ここで、ラジエータ100は、冷却水が流
通する複数本の扁平状に形成されたチューブ111及び
チューブ111間に配設されて空気との伝熱面積を増大
させる波状のフィン(図示せず。)等からなるもので、
このフィンとチューブ111とをろう付けすることによ
り、冷却水と空気とを熱交換するラジエータコアが構成
されている。
【0023】なお、本実施形態では、チューブ111
は、上下方向に延びており、その端部には、各チューブ
111に連通するヘッダタンク120が配設されてい
る。ここで、紙面上端側のヘッダタンク120は、各チ
ューブ111に冷却水を分配するものであり、紙面下端
側のヘッダタンク120は、熱交換を終えた冷却水を集
合回収するものである。
【0024】また、送風機200は、図1(b)に示す
ように、ボス部211から放射状に延びる複数枚のブレ
ード212からなる軸流ファン210、及び軸流ファン
210を回転駆動するシャフト220(図1(a)参
照)等からなるものであり、シャフト220はエンジン
E/Gのクランクシャフト(図示せず。)から動力を得
ている。
【0025】なお、ボス部211のうちシャフト220
が挿入される部位には、金属製のスリーブ(図示せ
ず。)が装着され、ボス部211とブレード212と
は、樹脂(本実施形態では、ポリプロピレン)にて一体
成形されている。
【0026】したがって、本明細書で言う「ボス部21
1とブレード212とは、樹脂にて一体成形されてい
る」とは、必ずしもボス部212の全体が樹脂製である
と言うことを意味するものではない。勿論、ボス部21
2の全体を樹脂製としてもよいことは言うまでもない。
【0027】因みに、軸流ファンとは、JIS B 0
132 番号1012に規定されているように、気体
(空気)が軸方向に通り抜けるファンを言う。
【0028】そして、本実施形態では、図2に示すよう
に、ボス部211の軸方向と直交する方向(紙面垂直方
向)から見て、ブレード212の負圧面212a(図3
(b)参照)の稜線であるブレード211の前縁部21
2bは、ボス部211の軸方向端部に位置する軸端面2
11aより空気流れ上流側にずれるように構成されてい
る。
【0029】具体的には、図3(a)、(b)に示すよ
うに、ブレード212の根元側(ボス部211側)のう
ち前縁部212b側の約半分の領域が、負圧面212a
側に位置する軸端面211aより空気流れ上流に突出し
たような形状となっている。
【0030】なお、ブレードの負圧面とは、例えば流体
工学(東京大学出版会)に記載されているように、ブレ
ードの翼面のうち空気の吹き出しの向きの面(圧力面)
と反対の面を言い、ブレードの前縁部とは、上記書籍に
記載されているように、ブレードのうち進行方向前端部
を言う。
【0031】また、ブレード212の根元側のうち軸端
面211aより空気流れ上流に突出した部分は、図3
(a)に示すように、ブレード212の根元側から軸端
面211aに掛けて滑らかな曲面213にて繋がってお
り、この曲面213は、ボス部211の軸方向から見る
と、図1(b)に示すように、曲面213の輪郭線21
3aが流線形又は翼形を描くように形成されている。
【0032】ここで、流線形とは、上記書籍に記載され
ているように、空気流れと物体(この例では、曲面21
3)との間に剥離が発生し難い形状を言い、翼形とは、
上記書籍に記載されているように、空気抵抗よりかなり
大きな揚力が発生するような形状を言う。
【0033】ところで、図1(a)及び図2中、シュラ
ウド230は、軸流ファン230とラジエータ100と
の隙間を覆うことにより、軸流ファン210から吹き出
した空気が軸流ファン210に吸引されて、軸流ファン
210の前後のみで空気が再循環してしまうことを防止
して、ラジエータ100への送風量が減少することを防
止するものである。
【0034】次に、本実施形態の作用効果を述べる。
【0035】本実施形態では、ボス部211の軸方向と
直交する方向から見て、ブレード211の前縁部212
bが軸端面211aより空気流れ上流側にずれるように
構成されているので、軸端面211a側からブレード2
12の根元側に空気が流通することができる。
【0036】したがって、軸端面211a側からブレー
ド212の根元側に向かって流れる空気(図2、図1
(b)参照)により、ブレード212の根元側における
翼面と空気との抵抗が小さくなるので、ブレード212
の根元側での失速を抑制できる。
【0037】したがって、空気が外径方向に流れること
を抑制できるので、空気が実質的に流通することができ
る空間寸法が小さくなってしまうことを抑制でき、送風
機200の送風量及びファン効率が低下してしまうこと
を抑制できる。
【0038】また、ブレード212の根元側から軸端面
211aは、滑らかな曲面213にて繋がっているの
で、軸端面211a側からブレード212の根元側に向
かって空気をスムーズに流通させることができる。した
がって、ブレード212の根元側における翼面と空気と
の抵抗がより小さくすることができるので、ブレード2
12の根元側での失速を確実に抑制できる。
【0039】また、曲面213は、ボス部211の軸方
向から見て、曲面213の輪郭線213aが流線形又は
翼形を描くように形成されているので、軸端面211a
側からブレード212の根元側に向かって空気をスムー
ズに流通させることができる。
【0040】また、曲面213はドーム状に湾曲した曲
面であるので、ブレード21の根元側の機械的強度を高
めることができる。
【0041】因みに、図4は送風量に対する、ファン効
率、静圧及びファンの駆動トルクを示す試験結果であ
り、このグラフから明らかなように、本実施形態に係る
軸流ファンでは、従来の技術に係る軸流ファンと同等の
トルクにて、静圧及びファン効率の両者が向上している
ことが判る。
【0042】因みに、ファン効率及び静圧の用語の定義
は、JIS B 0132によるものであり、試験方法
はJIS B 8340に準拠したものである。
【0043】(第2実施形態)本実施形態は、図5、6
に示すように、曲面213からブレード212の圧力面
側に連なるように延びて外周側に拡がるスカート部21
3bを、ブレード212の根元側において、ブレード2
12の前縁部から後縁部側に渡って形成したものであ
る。
【0044】これにより、上流側から下流側に空気を滑
らかに流すことができる。
【0045】(その他の実施形態)上述の実施形態で
は、ラジエータ100の冷却用に本発明に係る車両用軸
流ファンを適用したが、本発明はこれに限定されるもの
ではなく、コンデンサ等のその他の熱交換器用の送風機
にも適用することができる。
【0046】なお、本発明は、上述の実施形態からも明
らかなように、軸端面211a側からブレード212の
根元側に空気が流通し易くすることで、ブレード212
の根元側における失速を抑制するものであるので、軸流
ファン210の外径Dに対してボス部211の直径が小
さくなるほど、ボス部211の影響(軸端面211a側
からブレード212の根元側に流れる空気量)が小さく
なる。
【0047】したがって、本発明は、軸流ファン210
の外径Dに対してボス部211の直径の比(d/D)が
大きい軸流ファンほど有効である。因みに、発明者等の
検討によれば、d/Dが0.35以上の軸流ファンに対
して、特に有効であることを確認している。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の第1実施形態に係る軸流ファ
ンの側面図であり、(b)は本発明の実施形態に係る軸
流ファンの正面図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る軸流ファンの側面
模式図である。
【図3】(a)は本発明の第1実施形態に係る軸流ファ
ンの斜視図であり、(b)は(a)のA−A断面図であ
る。
【図4】送風量に対する、ファン効率、静圧及びファン
の駆動トルクを示すグラフである。
【図5】(a)は本発明の第2実施形態に係る軸流ファ
ンの側面図であり、(b)は本発明の実施形態に係る軸
流ファンの正面図である。
【図6】本発明の第2実施形態に係る軸流ファンのブレ
ード及びボス部の断面図である。
【図7】従来の技術に係る軸流ファンの側面図である。
【符号の説明】
210…軸流ファン、211…ボス部、211a…軸端
面、212…ブレード、213…曲面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 織田 信一 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 Fターム(参考) 3H033 AA02 BB02 BB08 CC02 DD03 DD12 DD30 EE08 EE19

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ボス部(211)から放射状に延びる複
    数枚のブレード(212)を有し、車両に搭載された熱
    交換器(100)に空気を送風する軸流ファン(21
    0)であって、 前記ボス部(211)の軸方向端面のうち前記ブレード
    (212)の負圧面(212a)側に位置する軸端面
    (211a)は、この軸端面(211a)側から前記ブ
    レード(212)の根元側に空気が流通するように構成
    されていることを特徴とする車両用軸流ファン。
  2. 【請求項2】 ボス部(211)から放射状に延びる複
    数枚のブレード(212)を有し、車両に搭載された熱
    交換器(100)に空気を送風する軸流ファン(21
    0)であって、 前記ボス部(211)の軸方向と直交する方向から見
    て、前記ブレード(212)の前縁部(212b)は、
    前記ボス部(211)の軸方向端部に位置する軸端面
    (211a)より空気流れ上流側にずれていることを特
    徴とする車両用軸流ファン。
  3. 【請求項3】 前記ブレード(212)の根元側から前
    記軸端面(211a)は、滑らかな曲面(213)にて
    繋がっていることを特徴とする請求項1又は2に記載の
    車両用軸流ファン。
  4. 【請求項4】 前記曲面(213)は、前記ボス部(2
    11)の軸方向から見て、前記曲面(213)の輪郭線
    (213a)が流線形を描くように形成されていること
    を特徴とする請求項3に記載の車両用軸流ファン。
  5. 【請求項5】 前記曲面(213)から前記ブレード
    (212)の圧力面側に連なるように延びて外周側に拡
    がるスカート部(213b)が、前記ブレード(21
    2)の根元側において、前記ブレード(212)の前縁
    部から後縁部側に渡って形成されていることを特徴とす
    る請求項3又は4に記載の車両用軸流ファン。
  6. 【請求項6】 前記ボス部(211)と前記ブレード
    (212)とは、樹脂にて一体成形されていることを特
    徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載の車両
    用軸流ファン。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN1314901C (zh) * 2003-05-14 2007-05-09 台达电子工业股份有限公司 轴流式风扇
JP2009013854A (ja) * 2007-07-03 2009-01-22 Usui Kokusai Sangyo Kaisha Ltd 軸流ファン
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DE102007022663B4 (de) * 2006-05-15 2015-05-21 Denso Corporation Gebläseeinheit

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