JP2002309228A - 表面処理剤及びインクジェット用被記録材 - Google Patents

表面処理剤及びインクジェット用被記録材

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JP2002309228A
JP2002309228A JP2001119325A JP2001119325A JP2002309228A JP 2002309228 A JP2002309228 A JP 2002309228A JP 2001119325 A JP2001119325 A JP 2001119325A JP 2001119325 A JP2001119325 A JP 2001119325A JP 2002309228 A JP2002309228 A JP 2002309228A
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alumina
ink
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fine particles
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JP2001119325A
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Hirosuke Okura
宏祐 大藏
Hidemasa Mori
英正 毛利
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Taiho Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Taiho Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 顔料タイプ及び染料タイプのいず
れのインクに対しても優れた擦過性、吸収性及び定着性
を有するインクジェットプリンター用被記録材及び表面
処理剤を提供することを目的とする。 【解決手段】 支持体上に、酸化ケイ素の微粒子
の表面積に対して、0.1〜99%の水性酸化アルミニ
ウム系超微粒子が処理された粉体と、バインダーとから
なる塗工液を塗布する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、表面処理剤及び
インクジェット用被記録材に関し、更に詳しくは、顔料
タイプのインク及び染料タイプのインクのいずれにおい
ても定着性及び耐水性に優れたところの高い印字品質の
画像を被記録材に形成することができるようにする表面
処理剤、及び顔料タイプのインク及び染料タイプのイン
クのいずれにおいても定着性及び耐水性に優れたところ
の高い印字品質の画像を形成することのできるインクジ
ェット用被記録材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のインクジェットプリンター用のイ
ンク、特に水性インクジェットプリンター用のインク
は、染料タイプが主流であった。染料タイプのインクに
よる印字品質を向上させることを目的とする表面処理剤
として、0.1μm以下の微細なアルミナ粒子と水溶性
樹脂のバインダーとからなる塗工液があり、この塗工液
を被記録材用被記録材用基材の表面に塗工してなる塗工
層を有する被記録材があった。
【0003】前記被記録材は、インク中の染料と塗工層
中のアルミナとが結合することによりインクの耐水性が
向上し、さらに、この被記録材は、アルミナ粒子の間に
インクが毛細管現象により素早く吸収されるので、イン
クの吸収速度が速いという特徴を有していた。
【0004】一方、染料タイプのインクは耐光性が悪
く、染料タイプで印字された印刷物は、長期保存に向か
ないという問題があった。
【0005】そこで、色材として、染料に代えて顔料を
用いた顔料タイプのインクが注目されてきた。
【0006】しかし、顔料タイプのインクを用いて被記
録材上に形成した印字等の画像は、例えば指で擦ること
により、簡単に画像が剥離したり、かすれたり、汚れた
りするというように、顔料タイプのインクは擦過性が悪
いと言う問題があった。図1に示すように、インク中に
存在する顔料粒子が被記録材に含まれるアルミナ粒子に
比べて大きいので、インクの液体成分のみがアルミナ粒
子間の細孔に吸収され、固形分である顔料粒子は、被記
録材の表面に留まることが原因であると、考えられる。
したがって、顔料タイプのインクを良好に吸収し、定着
させることのできる被記録材及びそのように優れた被記
録材を形成することのできる表面処理剤が望まれる。
【0007】また、染料タイプのインクジェットプリン
ター用インクと顔料タイプのインクジェットプリンター
用インクとが共に利用されるようになる将来において
は、いずれのタイプのインクを使用しても高印字品質で
画像を形成することのできる被記録材及びそのように優
れた被記録材を形成することのできる表面処理剤が望ま
れる。
【0008】さらに、アルミナ粒子は、高価であるの
で、安価な材料を用いた、染料タイプに対応した被記録
材料及びそのように優れた被記録材を形成することので
きる表面処理剤も望まれている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】また、この発明は、顔
料タイプ及び染料タイプのいずれのインクジェットプリ
ンター用インクに対しても優れた擦過性、吸収性、定着
性、及び耐水性を有するインクジェット用被記録材、及
びそのように優れたインクジェット用被記録材となるよ
うに被記録材用基材の表面を処理する表面処理剤を提供
することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
のこの発明の手段は、(1) シリカ微粒子の表面積の
多くとも99%がアルミナの超微粒子で処理されてなる
粉体を含むことを特徴とする表面処理剤であり、(2)
バインダーをさらに含み、前記粉体と前記バインダー
との比率が固形分比で3:1〜10:1であることを特
徴とする表面処理剤であり、(3) 前記(1)又は
(2)において、前記シリカ微粒子の平均粒子径:前記
アルミナの超微粒子の平均粒子径との比率が2:1〜2
00:1であることを特徴とし、(4) 前記(1)〜
(3)のいずれかにおいて、前記シリカ微粒子と、前記
アルミナの超微粒子との含有率が重量比で、10:0.
1〜1:1であることを特徴とし、(5) 前記(1)
〜(4)のいずれかに記載の表面処理剤で被記録材用基
材の表面に形成してなるインク受理層を有してなるイン
クジェット用被記録材である。
【0011】
【発明の実施の形態】この発明のインクジェット用被記
録材は、特定の粉体を含有するインク受理層と、前記イ
ンク受理層を支持する被記録材用基材とを有する。この
インク受理層は、この発明に係る表面処理剤の製造方法
により製造された表面処理剤を用いて形成することがで
きる。
【0012】前記被記録材用基材としては、この発明に
係る表面処理剤を塗工することによりインクジェットプ
リンター用インクで印字等の画像を形成することのでき
るインク受理層を支持することのできる支持体であれば
よく、具体的には、紙類、布帛類、プラスチックフィル
ム、発泡シート、ガラス板、セラミックス板、洋皮紙、
及び金属シート等を挙げることができる。
【0013】前記紙類としては、上質紙、手漉き紙、和
紙及び印刷用紙等を挙げることができる。前記布帛類と
しては、織布及び不織布等を挙げることができる。前記
プラスチックフィルムとしては、ポリエチレンテレフタ
レートフィルム、及び合成紙等を挙げることができる。
前記発泡シートとしては、発泡ポリエチレンテレフタレ
ートシート、発泡ポリエチレンシート、及び発泡ポリプ
ロピレンシート等を挙げることができる。前記金属シー
トとしては、ステンレス箔、ステンレス薄板、アルミ
箔、アルミ薄板、アルミ蒸着フィルム、鉄箔、及び普通
鋼薄板等の金属シートを挙げることができる。
【0014】前記各種の材質により形成されることので
きる前記被記録材用基材の形態としては、特に限定され
ず、例えば、フィルム、シート、平板、湾曲体、凹凸
体、編織体、発泡体等を挙げることができる。
【0015】前記被記録材用基材としては、他に紙類、
布帛類、プラスチックフィルム、発泡シート、ガラス
板、セラミックス板、洋皮紙、及び金属シート等から選
択された2以上の被記録材用基材を貼り合わせて成る複
合材から成る被記録材用複合基材を挙げることができ
る。
【0016】もっとも、この発明においては、多くの好
適な被記録材用基材は、フィルム又はシートである。
【0017】前記被記録材用基材上に形成されるインク
受理層は、特定の粉体をバインダー中に分散して成り、
この発明に係る表面処理剤を塗工することにより形成さ
れる。前記表面処理剤中に含有される粉体は、シリカ微
粒子の表面積の多くととも99%、好ましくは0.1〜
99%、特に好ましくは60〜90%が、アルミナの超
微粒子で被覆処理されてなる。
【0018】前記シリカ微粒子としては、例えば、無水
ケイ酸、及び含水二酸化ケイ素等の微粒子を挙げること
ができる。前記無水ケイ酸としては、α−石英、β−石
英、リンケイ石、クリストバル石、コーサイト、スティ
ショフ石、無定形二酸化ケイ素、及びコロイド状二酸化
ケイ素等が挙げられる。前記含水二酸化ケイ素として
は、タンパク石、及び珪藻土等が挙げられる。
【0019】なお、この発明にいおていは、特に断らな
い限り、「シリカ」は、「無水ケイ酸」と「含水二酸化
ケイ素」とを包含する。例えば好適なシリカ微粒子とし
ては、アエロジル130、アエロジル200、アエロジ
ル200V、アエロジル200CF、アエロジル30
0、及びアエロジル300CF(いずれも日本アエロジ
ル社製)等を挙げることができる。
【0020】シリカ微粒子の好ましい平均一次粒子径
は、0.01〜2μmの範囲であり、特に好ましい平均
一次粒子径は、0.05〜0.1μmの範囲である。こ
の平均一次粒子径は、例えば電子顕微鏡による観察によ
り測定される一個一個の粒子の粒径についての平均粒子
径である。シリカの粒子径が前記範囲にあると、インク
受理層内でのシリカの分散が良好となり、また、シリカ
微粒子が形成する比較的大きな細孔を伝ってインク受理
層の内部にまで、顔料粒子が吸収されるので、顔料タイ
プのインクに対する吸収性、定着性及び擦過性に優れ
る。
【0021】顔料タイプのインクに用いられる顔料の平
均一次粒子径は、ブラックで約0.1μm、イエロー、
マジェンタ、シアンでそれぞれ0.05〜0.08μm
であるが、実際は、二次凝集していて1μm程度になっ
ている。しかし、家庭用のインクジェットプリンター自
体が小型であり、ノズルが目詰まりしやすいという問題
があるので、将来的にさらに顔料の粒子径は、小さくな
る可能性がある。
【0022】この発明におけるシリカ微粒子の平均一次
粒径が上記のように小さいと、この発明における表面処
理剤で塗工されてなるインク受理層に、ますます小さく
なった粒子径の顔料を含有するインクジェットプリンタ
ー用インクで画像を形成すると、顔料がインク受理層内
の深くにまで浸透することができるので、画像の定着性
が向上する。
【0023】前記アルミナとしては、例えば、無水アル
ミニウム酸化物、及び含水アルミニウム酸化物等を挙げ
ることができる。前記無水アルミニウム酸化物として
は、例えばα−アルミナ、β−アルミナ、γ−アルミ
ナ、δ−アルミナ、θ−アルミナ、χ−アルミナ等を挙
げることができる。一方、含水アルミニウム酸化物とし
ては、例えばベーマイト、ギブサイト、バイヤライト、
ノルストランダイト、ダイアスポア、トーダイト、アル
ミナゲル等のアルミナ水和物(「水酸化アルミニウム」
と称することもできる。)等を挙げることができる。
【0024】なお、この発明においては、特に断らない
限り、「アルミナ」は、「無水アルミナ」と「アルミナ
水和物」とを包含する。
【0025】前記アルミナのうちでは、例えば気相法に
より製造されるアルミナ、すなわち酸水素反応の際に発
生する水の存在下で、前記酸水素反応に特徴的な温度に
おいて、気体状の金属塩化物を加水分解することにより
得られるアルミナが好ましい。前記アルミナとしては、
具体的には、δ−アルミナを挙げることができる。
【0026】前記アルミナの形態としては、例えば、所
定の粒子径を有する粉体等を挙げることができる。前記
形態を有するアルミナにおいては、好ましい平均一次粒
子径は、5〜100nmの範囲であり、特に好ましい平
均一次粒子径は、5〜50nmの範囲である。前記形態
を有するアルミナの平均一次粒子径がこの範囲内にある
と、インク受理層内でのアルミナの分散がさらに良好と
なる。なお、この平均一次粒子径は、例えば、電子顕微
鏡を用いて測定される平均粒子径である。
【0027】尚、インク受理層は、前記アルミナのうち
の一種のみを含有しても良く、また二種以上を含有して
いても良い。
【0028】粉体中のシリカ微粒子とアルミナの含有配
分は、シリカ微粒子に対して多くとも99%のアルミナ
の超微粒子で処理される範囲であれば、いずれの比率で
含有していてもよい。なお、塗工液への粉体の分散しや
すさを考慮すると、シリカ微粒子:アルミナは重量比
で、10〜0.1:1〜1であることが好ましい。
【0029】また、前記シリカ微粒子の平均粒子径:前
記アルミナの超微粒子の平均粒子径との比率は、2:1
〜200:1であることが好ましい。シリカ微粒子とア
ルミナの超微粒子との径の比率が上記範囲であると、シ
リカ微粒子がインク受理層に均一に分散されやすく、ま
たシリカ微粒子にアルミナの超微粒子が付着しやすくな
るという利点がある。
【0030】シリカ微粒子の表面積の多くとも99%が
アルミナの超微粒子で処理されることによって、例え
ば、シリカ微粒子の表面にアルミナの超微粒子が、シリ
カ微粒子の表面積の多くとも99%の割合で付着し、被
覆した状態になる。中でも、インク受理層中にシリカ微
粒子が均一に分散し、各シリカ微粒子の表面が全体的又
は一部的にアルミナの超微粒子によって覆われているこ
とが好ましい。また、インク受理層の中には、シリカ微
粒子に付着していないアルミナ微粒子が含まれていても
よい。
【0031】インク受理層中に含有される粉体の含有量
は、通常、粉体:バインダーとの比率が固形分比で3:
1〜10:1である。粉体の含有量がこの範囲内にある
と、インクジェット用被記録材に印字したときに、イン
クの吸収速度が大きいという利点がある。
【0032】シリカ微粒子の表面積に対してアルミナの
超微粒子で処理されて成る粉体を含有するインク受理層
を図2に示す。顔料粒子が、シリカ微粒子間に吸収され
るので、顔料タイプのインクに対して優れた擦過性、吸
収性、及び定着性が得られる。さらに、染料タイプのイ
ンクを使用した場合においても、シリカ微粒子表面に吸
着したアルミナの超微粒子と染料とが結合し、アルミナ
粒子同士の間隙にインクが毛細管現象により素早く吸収
されるので、優れた擦過性、吸収性、定着性、及び耐水
性が得られる。
【0033】前記バインダーとしては、例えば、澱粉及
びその変性物、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセ
タール、水溶性ポリアミド、ヒドロキシエチルセルロー
ス、ヒドロキシメチルセルロース、カルボキシメチルセ
ルロース、並びにポリビニルピロリドン等の有機親水性
高分子物質を挙げることができる。
【0034】前記有機親水性高分子物質の中でも、ポリ
ビニルアルコール、ポリビニルアセタール並びに水溶性
ポリアミドが好ましく、特にポリビニルホルマール、ポ
リビニルアセタール、ポリビニルアルコール又はこれら
の組み合わせが好ましい。
【0035】前記ポリビニルアセタールのうちでは、特
に分子量が10×10〜20×10であり、アセタ
ール化度が0.3〜10mol%であるポリビニルアセ
トアセタールが好ましい。前記ポリビニルアセタールの
分子量及びアセタール化度が前記の範囲内であれば、こ
のインク受理層を形成するのに使用される表面処理剤が
ゲル化することなく、前記表面処理剤を被記録材用基材
に塗工することにより良質なインク受理層を容易に形成
することができる。そして、前記インク受理層は、充分
な厚みと耐水性とを有しているから、インクジェットプ
リンターのインクによってインク受理層に形成された画
像は鮮明であり、しかも水で流れることもない。
【0036】前述したように、前記インク受理層は、こ
の発明に係る表面処理剤を被記録用基材の表面に塗工す
ることにより製造されることができる。
【0037】好適な前記表面処理剤は、粉体及びバイン
ダーを水系溶媒に分散してなる塗工液である。ここで、
水系溶媒は水及び水溶性有機溶媒を言う。
【0038】水溶性有機溶媒としては、水に可溶性の有
機溶媒であれば良く、例えば、水溶性の低級脂肪族アル
コール、水溶性のグリコール類、及び前記低級脂肪族ア
ルコールと他の水溶性溶媒との混合液であるアルコール
系混合溶媒等を挙げることができる。
【0039】前記低脂肪族アルコールとしては、例えば
メタノール、エタノール、プロパノ−ル、イソプロピル
アルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルア
ルコール、及びtert−ブチルアルコール等を挙げる
ことができる。
【0040】前記グリコール類としては、例えばエチレ
ングリコール、ジエチレングリコール、トリメチレング
リコール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレン
グリコール、1,2−プロパンジオール、1,2−ブタ
ンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタン
ジオール、及び2−エチル−1,3−ヘキサンジオール
等を挙げることができる。
【0041】前記アルコール系混合溶媒としては、例え
ば、水、蟻酸、及び酢酸からなる群より選択される少な
くとも一種の溶媒と前記低級脂肪族アルコールとの混合
溶媒等を挙げることができ、具体的には、例えば、メタ
ノール/水系混合溶媒等を挙げることができる。
【0042】この発明の表面処理剤における前記粉体の
濃度は、通常10〜60重量%、好ましくは、15〜5
0重量%である。前記粉体の濃度がこの範囲にあると、
特にインク受理層の安定形成が可能になり、またこの塗
工液を被記録材用基材に塗布することによって得られる
インク受理層におけるインク吸収性、インク定着性及び
耐水性の向上を図ることができるという利点がある。
【0043】この表面処理剤における前記バインダーの
濃度は、通常3〜20重量%、好ましくは、5〜15重
量%である。前記バインダーの濃度が前記範囲内にある
と、特にこの表面処理剤を被記録材用基材に塗布するこ
とによって得られるインク受理層におけるインク吸収
性、インク定着性の向上が図られ、また適度なインク吸
収速度が得られるという利点がある。
【0044】この発明に係る表面処理剤は、粉体及びバ
インダーを水系溶媒に分散し、前記粉体及びバインダー
が前述した含有量となるようにすることができれば、種
々の調整法により製造されることができる。
【0045】前記表面処理剤の調製方法としては、例え
ば、粉体及びバインダーを混合し、前記水系分散媒に分
散させる方法、バインダーを水又は前記水系分散媒に溶
解又は分散させたバインダー液に粉体を分散させる方
法、予めアルミナ分散液を作り、このアルミナ分散液
に、シリカ粉体を分散させ、及びバインダーを溶解させ
る方法、前記バインダー液にシリカ粉体を分散させた溶
液と、前記アルミナ分散液とを混合させる方法、前記バ
インダー液と前記アルミナ分散液とを混合した後、シリ
カ粉体を分散させる方法等を挙げることができるが、も
っとも好ましいのはこの発明に係る表面処理剤の製造方
法である。いずれの方法によるにせよ、シリカ微粒子と
アルミナ超微粒子とを水系溶剤、又はバインダー等に分
散させる際には、シリカ微粒子とアルミナ超微粒子と
が、凝集して巨大な凝集生成物を形成しないように、ゆ
っくりと混合、攪拌することが望ましい。
【0046】この発明に係る表面処理剤の製造方法にお
いては、シリカ微粒子を含有する第1塗工液とアルミナ
の超微粒子を含有する第2塗工液とを混合する。第1塗
工液は、この第1塗工液全体に対してシリカ微粒子15
〜20重量%とバインダー特にポリビニルアセタール2
〜5重量%と水系溶剤とを含有してなる。なお、水系溶
剤及びその他の任意成分の含有量は、シリカ微粒子及び
バインダーの含有量が前記範囲内に有ることを条件にし
て全体が100となるように調整される。第2塗工液
は、この第2塗工液に対してアルミナの超微粒子15〜
25重量%とバインダー2〜5重量%と水系溶剤とを含
有してなる。なお、水系溶剤及びその他の任意成分の含
有量は、アルミナの超微粒子及びバインダーの含有量が
前記範囲内に有ることを条件にして全体が100となる
ように調整される。
【0047】第1塗工液中ではシリカの表面がマイナス
に耐電し、第2塗工液中ではアルミナの表面がプラスに
耐電しているので、第1塗工液と第2塗工液とを混合す
ると、シリカとアルミナとが凝集することなく、シリカ
の表面にアルミナが静電引力により付着しシリカ表面が
アルミナの超微粒子で被覆されることになる。
【0048】第1塗工液と第2塗工液との混合割合は、
第1塗工液100重量部に対し、第2塗工液が1〜99
重量部となるように調整される。
【0049】第2塗工液の調製に際し、アルミナは、予
め分散剤と共に水系溶剤に分散させてアルミナ分散液と
しておくのが好ましい。前記分散剤として、蟻酸、酢
酸、ニコチン酸等の有機酸、及び硝酸アルミニウム九水
塩を使用するのが好ましい。また、硝酸マグネシウム、
硝酸カルシウム、硝酸ニッケル、及び硝酸亜鉛等の金属
硝酸塩を併用することができる。
【0050】表面処理剤を調製するに際して、サンドミ
ル、スタティックミキサ、及び高圧分散機等の分散装置
を用いることにより、粉体の分散をより均一にすること
ができる。
【0051】前記いずれかの方法で得られた表面処理剤
については、例えば、真空脱泡法等の脱泡法により脱泡
処理することが好ましい。
【0052】この発明に係る表面処理剤には、この発明
の目的を阻害しない範囲で、レベリング剤、pH調製助
剤、粘度調製剤、消泡剤、脱泡剤、分散安定剤、増白
剤、離型剤、紫外線吸収剤、及び酸化防止剤等を配合す
ることができる。
【0053】前記インク受理層は、前記表面処理剤を前
記被記録材用基材に塗工することにより形成される。
【0054】前記塗工液を前記被記録材用基材に塗工す
る方法としては、例えば、ブレードコータ、リバースコ
ータ、ダイコータ、コンマコータ、又はエアナイフコー
タ等を用いた塗工方法を挙げることができる。前記塗工
液を前記被記録材用基材に塗工する方法としては、他
に、例えば、噴射ガスを採用したエアゾールによる塗工
方法、手動ポンプ等を採用したスプレーによる塗工方
法、はけ塗り、へら塗り、及びコーティングロッドによ
る塗工方法等を挙げることができる。前記いずれの塗工
方法によっても、前記被記録材用基材に前記表面処理剤
を均一に塗工することができ、均一な厚さを有するイン
ク受理層を形成することができる。
【0055】前記表面処理剤は、前記被記録材用基材上
に直接塗工してもよく、また、前記被記録材用基材の表
面を例えばプライマで処理してから、前記被記録材用基
材の表面に塗工してもよい。
【0056】前記インク受理層の厚さは、特に制限がな
く、通常、10〜60μmの厚さに形成され、実用上好
ましくは、20〜50μmの厚さに形成される。
【0057】以上の方法により前記被記録材用基材の表
面に前記表面処理剤を塗工することにより形成されたイ
ンク受理層を有するインクジェット用被記録材は、顔料
タイプのインクを用いた場合において、インクジェット
プリンターで印字した際に優れた擦過性、吸収性及び定
着性を有するという特長を有する。
【0058】さらに、微細なアルミナ粒子をシリカ粒子
の表面に処理したこの発明のインクジェット用被記録材
は、染料タイプ及び顔料タイプのいずれのインクを用い
た場合も、優れた擦過性、吸収性及び定着性を有すると
いう特徴を有する。
【0059】
【実施例】(実施例1)(顔料インク及び染料インク両
用インクジェット用被記録材の製造) 被記録材用基材(東レ株式会社製、ルミラーE−42、
白PET、100μm厚のフィルム)の表面に、以下に
示すような調製をした表面処理剤を乾燥膜厚が40μm
になるように塗工し、乾燥させてインクジェット用被記
録材を製造し、試験片とした。この試験片につき、以下
に示す評価方法により評価した。評価結果を表1に示し
た。
【0060】・塗工液の組成 平均粒子径1.5μmのシリカ微粒子(日本シリカ社製
ニップシールE220)を25重量%含む分散媒分散
液100重量部と、固形分8.0%のバインダー60重
量部とをビーズミルを用いて混合し、第1塗工液とし
た。分散媒には、水:イソプロピルアルコールが7:3
である水/アルコール混合溶媒を用いた。バインダーに
は、ポリビニルアセタール(セキスイ化学工業(株)
製、エスレック kx−1、固形分8.0%)を用い
た。
【0061】平均一次粒子径0.013μmのδ−アル
ミナ粉体(日本アエロジル(株)製AlC)を3
5重量%含む水分散液64重量%と、固形分8.0%の
バインダー35重量%とをビーズミルを用いて混合し、
第2塗工液とした。バインダーには、ポリビニルアセタ
ール(セキスイ化学工業(株)製、エスレック kx−
1、固形分8.0%)を用いた。
【0062】この第1塗工液100重量部と、第2塗工
液43重量部とをビーズミルを用いて混合し、表面処理
剤とした。この表面処理剤中のシリカ微粒子とアルミナ
との重量割合は50:50であった。
【0063】・評価試験 評価機として顔料インクを使用したエプソン社製カラー
インクジェットプリンターMC−2000と、染料イン
クを使用したエプソン社製カラーインクジェットプリン
ターPM−820DCを用いた。
【0064】定着速度の評価は、Y(イエロー)、M
(マジェンタ)、C(シアン)、R(レッド)、G(グ
リーン)、B(ブルー)、BK(ブラック)の各インク
を印字した試験片の印字直後の定着状態を目視により観
察し、インクが定着しているかどうかを判定し、定着し
ているものを○、していないものを×と評価した。
【0065】吸収量については、Y、M、C、特にR、
G、B、BKの各インクを印字した時の印字の境界部で
の滲みの有無を目視により観察し、滲みが有るかどうか
を判定し、滲みが全くないものを○、若干泳ぎこみがあ
るものを△、泳ぎこみが多いものを×と評価した。
【0066】擦過性については、Y、M、C、R、G、
B、BKの各インクを印字した試験片を印字後5分後に
指で3回擦ったときの尾引の有無にて判定し、尾引が全
くないものを○、尾引がほとんどないものを△、尾引が
あるものを×と評価した。
【0067】耐水性については、Y、M、C、R、G、
B、BKの各インクを印字した試験片を印字後5分後に
流水中に1分間浸漬し、引き上げ後に目視により観察
し、印字に滲みが発生したかどうかを判定し、滲みのな
いものを○、滲みがほとんどないものを△、滲みがある
ものを×と評価した。
【0068】(実施例2)第1塗工液を200重量部、
第2塗工液を35重量部使用する他は、前記実施例1と
同様にしてインクジェット用被記録材を製造した。この
場合、表面処理剤中のシリカ微粒子とアルミナとの重量
割合は70:30であった。
【0069】試験片につき、前記実施例1と同様の評価
方法により評価した。評価結果を表1に示した。
【0070】(実施例3)第1塗工液を500重量部、
第2塗工液を2重量部使用する他は、前記実施例1と同
様にしてインクジェット用被記録材を製造した。この場
合、表面処理剤中のシリカ微粒子とアルミナとの重量割
合は99:1であった。
【0071】試験片につき、前記実施例1と同様の評価
方法により評価した。評価結果を表1に示した。
【0072】(実施例4)平均一次粒子径が0.03μ
mであるシリカ微粒子(日本アエロジル株式会社製、商
品名アエロジル50)を用いた他は前記実施例1におけ
るのと同じ第1塗工液を調製し、この第1塗工液を用い
た他は、前記実施例1と同様にしてインクジェット用被
記録材を製造した。この場合、表面処理剤中のシリカ微
粒子とアルミナとの重量割合は50:50であった。
【0073】試験片につき、前記実施例1と同様の評価
方法により評価した。評価結果を表1に示した。
【0074】(実施例5)平均一次粒子径が0.016
μmであるシリカ微粒子(日本アエロジル株式会社製、
商品名アエロジル50)を用いた他は前記実施例1にお
けるのと同じ第1塗工液を調製し、この第1塗工液を用
いた他は、前記実施例1と同様にしてインクジェット用
被記録材を製造した。この場合、表面処理剤中のシリカ
微粒子とアルミナとの重量割合は70:30であった。
【0075】試験片につき、前記実施例1と同様の評価
方法により評価した。評価結果を表1に示した。
【0076】
【表1】
【0077】(比較例1)第1塗工液のみを使用した他
は、実施例1と同様にしてインクジェット用被記録材を
製造した。
【0078】試験片につき、前記実施例1と同様の評価
方法により評価した。評価結果を表2に示した。
【0079】(比較例2)第2塗工液のみを使用した他
は、実施例1と同様にしてインクジェット用被記録剤を
製造した。
【0080】試験片につき、前記実施例1と同様の評価
方法により評価した。評価結果を表2に示した。
【0081】(比較例3)実施例4における第1塗工液
のみを使用した他は、実施例1と同様にしてインクジェ
ット用被記録剤を製造した。
【0082】試験片につき、前記実施例1と同様の評価
方法により評価した。評価結果を表2に示した。
【0083】(比較例4)実施例5における第1塗工液
のみを使用した他は、実施例1と同様にしてインクジェ
ット用被記録剤を製造した。
【0084】試験片につき、前記実施例1と同様の評価
方法により評価した。評価結果を表2に示した。
【0085】
【表2】
【0086】試験結果を表1に記載した。
【0087】実施例1〜5のシリカ微粒子とアルミナ超
微粒子とを含むインク受理層を有する被記録材は、顔料
タイプ及び染料タイプのいずれのインクに対しても優れ
た擦過性、吸収性、定着性、及び耐水性を示した。中で
もシリカ微粒子とアルミナ超微粒子とを等量含む実施例
3の被記録材が特に優れていた。
【0088】
【発明の効果】この発明によると、顔料タイプ及び染料
タイプのいずれのインクジェットプリンター用インクに
対しても優れた擦過性、吸収性、定着性、及び耐水性を
有するインクジェット用被記録材、及びそのように優れ
たインクジェット用被記録材となるように被記録材用基
材の表面を処理することのできる表面処理剤を提供する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の染料タイプのインクジェット用被記録材
におけるインク受理層の断面図である。
【図2】この発明のインクジェット用被記録材における
インク受理層の断面図である。
【符号の説明】
1 顔料粒子、2 シリカ粒子、3 アルミナ粒子、4
バインダー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 7/12 C09D 201/00 201/00 B05D 5/04 // B05D 5/04 B41J 3/04 101Y Fターム(参考) 2C056 EA13 FC06 2H086 BA01 BA15 BA19 BA33 4D075 CA02 CA35 CA38 CA50 DA04 DA06 DA25 DB02 DB04 DB06 DB07 DB13 DB14 DB16 DB18 DB20 DB36 DC27 EA06 EA07 EA10 EA23 EB19 EB39 EB52 EB55 EB56 4J037 AA18 CA12 DD02 DD05 EE03 EE28 EE48 FF15 FF18 FF25 FF30 4J038 BA091 BA121 CE021 CE061 CK031 DH001 HA446 KA06 MA12 MA14 NA00 NA04 NA11 PC02 PC03 PC08 PC09 PC10

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリカ微粒子の表面積の多くとも99%
    がアルミナの超微粒子で処理されてなる粉体を含むこと
    を特徴とする表面処理剤。
  2. 【請求項2】 バインダーをさらに含み、前記粉体と前
    記バインダーとの比率が固形分比で3:1〜10:1で
    あることを特徴とする請求項1に記載の表面処理剤。
  3. 【請求項3】 前記シリカ微粒子の平均粒子径:前記ア
    ルミナの超微粒子の平均粒子径との比率が2:1〜20
    0:1であることを特徴とする請求項1又は2に記載の
    表面処理剤。
  4. 【請求項4】 前記シリカ微粒子と、前記アルミナの超
    微粒子との含有率が重量比で、10:0.1〜1:1で
    あることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記
    載の表面処理剤。
  5. 【請求項5】 前記請求項1〜4のいずれか1項に記載
    の表面処理剤で被記録材用基材の表面に形成してなるイ
    ンク受理層を有してなることを特徴とするインクジェッ
    ト用被記録材。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016074830A (ja) * 2014-10-07 2016-05-12 三菱マテリアル株式会社 親水撥油剤、表面被覆材、塗布膜、樹脂組成物、油水分離濾材及び多孔質体

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