JP2002308826A - ヒドロキシ安息香酸ベンジルエステルの製造方法 - Google Patents

ヒドロキシ安息香酸ベンジルエステルの製造方法

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JP2002308826A
JP2002308826A JP2002053639A JP2002053639A JP2002308826A JP 2002308826 A JP2002308826 A JP 2002308826A JP 2002053639 A JP2002053639 A JP 2002053639A JP 2002053639 A JP2002053639 A JP 2002053639A JP 2002308826 A JP2002308826 A JP 2002308826A
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acid
benzyl
dibenzyl ether
hydroxybenzoate
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Pieter Ooms
ピーター・オームス
Bernd-Ulrich Schenke
ベルント−ウルリヒ・シエンケ
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Bayer AG
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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C67/00Preparation of carboxylic acid esters
    • C07C67/24Preparation of carboxylic acid esters by reacting carboxylic acids or derivatives thereof with a carbon-to-oxygen ether bond, e.g. acetal, tetrahydrofuran

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ジベンジルエーテルから出発して、穏やか
な反応条件下で行なうことができ、経済的に有効な方法
で良好な収率をもたらすヒドロキシ安息香酸ベンジルエ
ステルの製造方法の提供。 【解決手段】 ジベンジルエーテルとアルキルカルボニ
ルオキシ安息香酸又はアルコキシカルボニルオキシ安息
香酸及び並びに場合によりそれらの無水物とを、触媒と
して1つ以上の酸の存在下で反応させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ジベンジルエーテ
ルとアルキルカルボニルオキシ安息香酸又はアルコキシ
カルボニルオキシ安息香酸とを、1:1から1:50の
モル比で、10から200℃及び0.1から50バール
の範囲の圧力で、触媒としての酸の存在下で反応させる
ことによる、ヒドロキシ安息香酸ベンジルエステルの製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】サリチル酸ベンジルは香気組成物中の安
定化剤及び日焼け止め剤として使用される。サリチル酸
ベンジル及びその製造方法は既に公知である。
【0003】例えば、ベンジルアルコールを使用するサ
リチル酸のエステル化又はサリチル酸エステルのエステ
ル交換反応によるサリチル酸ベンジルの製造がEP−A
117,502に記載されている。
【0004】サリチル酸ベンジルは、サリチル酸アルカ
リ金属塩と塩化ベンジルとを、場合により相間移動触媒
の存在下で反応させることによっても製造することがで
きる(JP63/218652、EP−A534 81
7)。この欠点は処理しなければならない塩が生成し、
従ってこれらの工程の経済的な実行可能性(feasi
bility)が減少することである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ジベ
ンジルエーテルから出発して、穏やかな反応条件下で行
なうことができ、経済的に有効な方法(manner)
で良好な収率をもたらすヒドロキシ安息香酸ベンジルエ
ステルの製造のための方法を開発する(develo
p)ことである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、式
【0007】
【化5】
【0008】式中、R1からR5は、同一又は異なってよ
く、C1−C6−アルキル、C1−C6−アルコキシ、C1
−C6−ハロゲノアルキル、C1−C6−ハロゲノアルコ
キシ、CN、CO(C1−C6−アルキル)、NO2、又
はハロゲンである、のヒドロキシ安息香酸ベンジルエス
テルの製造方法に関し、該方法は、式
【0009】
【化6】
【0010】式中、R1、R2、及びR3は上で定義した
とおりである、のジベンジルエーテルと、或いはそのよ
うなジベンジルエーテル及び式
【0011】
【化7】
【0012】式中、R1、R2、及びR3は上で定義した
とおりである、のベンジルアルコールの混合物と、式
【0013】
【化8】
【0014】式中、R4及びR5は上で定義したとおりで
あり、そしてR6は、水素、又は直鎖若しくは分枝の、
飽和若しくは不飽和の、場合によりハロゲン置換され
た、1から50個の炭素原子を有するアルキル、アラル
キル、アリール、アルコキシ、アラルコキシ又はアリー
ルオキシ基である、のアルキルカルボニルオキシ安息香
酸又はアルコキシカルボニルオキシ安息香酸とを、触媒
として1つ以上の酸の存在下で反応させることを含む方
法である。
【0015】本発明の方法は、経済的に有効な方法及び
穏やかな反応条件下で行なわれる。
【0016】基R1からR5は、一般には次のように定義
される。
【0017】アルキルは、一般には直鎖又は分枝の、1
から6個(好適には1から4個、特に好適には1から2
個)の炭素原子を有する炭化水素基を意味する。例え
ば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチ
ル、イソブチル、ペンチル、イソペンチル、ヘキシル及
びイソへキシルが挙げられる。メチル及びエチルが好適
である。
【0018】アルコキシは、一般には直鎖又は分枝の、
1から6個(好適には1から4個、特に好適には1から
2個)の炭素原子を有するアルコキシ基を意味する。例
えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキ
シ、ブトキシ、イソブトキシ、ペントキシ、イソペント
キシ、ヘキソキシ及びイソへキソキシが挙げられる。メ
トキシ及びエトキシが好適である。
【0019】ハロゲノアルキルは、一般には1から10
個(好適には1から8個、特に好適には1から5個)の
ハロゲン原子を有する、1から6個(好適には1から4
個、特に好適には1から2個)の炭素原子を有する、直
鎖又は分枝の炭化水素基を意味する。例えば、クロロメ
チル、フルオロメチル、トリフルオロメチル、フルオロ
エチル、フルオロプロピル、及びヘキサフルオロブチル
が挙げられる。フルオロメチル及びトリフルオロメチル
が好適である。
【0020】ハロゲノアルコキシは、一般には1から1
0個(好適には1から8個、特に好適には1から5個)
のハロゲン原子を有する、1から6個(好適には1から
4個、特に好適には1から2個)の炭素原子を有する、
直鎖又は分枝のアルコキシ基を意味する。例えば、クロ
ロメトキシ、フルオロメトキシ、トリフルオロメトキ
シ、フルオロエトキシ、フルオロプロポキシ、及びヘキ
サフルオロブトキシが挙げられる。フルオロメトキシ及
びトリフルオロメトキシが好適である。
【0021】ハロゲンは、一般にはフッ素、塩素、臭
素、又はヨウ素を意味する。フッ素又は塩素が好適であ
る。
【0022】R1からR5のための好適な置換基は、メチ
ル、トリフルオロメチル、メトキシ、フッ素又は塩素で
ある。
【0023】アルキル、アラルキル、アリール、アルコ
キシ、アラルコキシ、及びアリールオキシ基(すなわ
ち、R6について)は、一般には1から50個(好適に
は1から10個)の炭素原子を有する。
【0024】例えば、以下のヒドロキシ安息香酸ベンジ
ルエステルが、本発明の方法に従って製造することがで
きる。それらは、2−ヒドロキシ安息香酸ベンジル(サ
リチル酸ベンジル);3−ヒドロキシ安息香酸ベンジ
ル;4−ヒドロキシ安息香酸ベンジル;3−クロロ−2
−ヒドロキシ安息香酸ベンジル;4−クロロ−2−ヒド
ロキシ安息香酸ベンジル;5−クロロ−2−ヒドロキシ
安息香酸ベンジル;6−クロロ−2−ヒドロキシ安息香
酸ベンジル;3−ブロモ−2−ヒドロキシ安息香酸ベン
ジル;3−フルオロ−2−ヒドロキシ安息香酸ベンジ
ル;4−フルオロ−2−ヒドロキシ安息香酸ベンジル;
2−フルオロ−3−ヒドロキシ安息香酸ベンジル;2−
フルオロ−4−ヒドロキシ安息香酸ベンジル;3−フル
オロ−2−ヒドロキシ安息香酸ベンジル;2−フルオロ
−5−ヒドロキシ安息香酸ベンジル;2−フルオロ−6
−ヒドロキシ安息香酸ベンジル;2−ヒドロキシ−3−
メチル安息香酸ベンジル;2−ヒドロキシ−4−メチル
安息香酸ベンジル;3−ヒドロキシ−2−メチル安息香
酸ベンジル;4−ヒドロキシ−2−メチル安息香酸ベン
ジル;2−フルオロ−6−ヒドロキシ−4−メトキシ安
息香酸ベンジル;3−トリフルオロメチル−2−ヒドロ
キシ安息香酸ベンジル;4−トリフルオロメチル−2−
ヒドロキシ安息香酸ベンジル;2−トリフルオロメチル
−3−ヒドロキシ安息香酸ベンジル;2−フルオロエチ
ル−4−ヒドロキシ安息香酸ベンジル;及び4−フルオ
ロブチル−2−ヒドロキシ安息香酸ベンジルである。
【0025】本発明の方法で使用されるジベンジルエー
テルは、無置換のジベンジルエーテル又は置換したジベ
ンジルエーテルである。無置換のジベンジルエーテルを
使用することが特に好適である。
【0026】本発明の方法において、例えば塩化ベンジ
ルからのベンジルアルコールの製造において生成するジ
ベンジルエーテル又はジベンジルエーテル/ベンジルア
ルコール混合物を使用することも可能である。混合物中
のジベンジルエーテルの含量は、50から100重量
%、好適には60から99重量%、特に好適には70か
ら98重量%であることができる。
【0027】本発明の方法のためには、例えば以下のア
ルキルカルボニルオキシ安息香酸及びアルコキシカルボ
ニルオキシ安息香酸を挙げることができる。それらは、
2−ホルミルオキシ安息香酸、3−ホルミルオキシ安息
香酸、4−ホルミルオキシ安息香酸、2−アセトキシ安
息香酸、(2−アセチルサリチル酸)、3−アセトキシ
安息香酸、4−アセトキシ安息香酸、2−プロピオニル
オキシ安息香酸、2−ブチリルオキシ安息香酸、2−ベ
ンゾイルオキシ安息香酸、2−アセトキシ−3−クロロ
安息香酸、2−アセトキシ−4−クロロ安息香酸、2−
アセトキシ−5−クロロ安息香酸、2−アセトキシ−6
−クロロ安息香酸、2−アセトキシ−3−ブロモ安息香
酸、2−アセトキシ−3−クロロ安息香酸、2−ホルミ
ルオキシ−3−フルオロ安息香酸、2−アセトキシ−3
−フルオロ安息香酸、2−アセトキシ−4−フルオロ安
息香酸、3−アセトキシ−2−フルオロ安息香酸、2−
フルオロ−4−プロピオニルオキシ安息香酸、2−ブチ
ロキシ−3−フルオロ安息香酸、2−フルオロ−5−ヒ
ドロキシ安息香酸、6−アセトキシ−2−フルオロ安息
香酸、2−アセトキシ−3−メチル安息香酸、2−アセ
トキシ−4−メチル安息香酸、3−アセトキシ−2−メ
チル安息香酸、4−アセトキシ−2−メチル安息香酸、
6−アセトキシ−2−フルオロ−4−メトキシ安息香
酸、2−アセトキシ−3−トリフルオロメチル安息香
酸、2−アセトキシ−4−トリフルオロメチル安息香
酸、3−アセトキシ−2−トリフルオロメチル安息香
酸、4−アセトキシ−2−フルオロエチル安息香酸、2
−アセトキシ−4−フルオロブチル安息香酸、2−メト
キシカルボニルオキシ安息香酸、2−エトキシカルボニ
ルオキシ安息香酸、3−メトキシカルボニルオキシ安息
香酸、又はトリフルオロアセトキシ安息香酸である。
【0028】2から30個の、特には2から12個の炭
素原子を有するアルキルカルボニルオキシ安息香酸及び
アルコキシカルボニルオキシ安息香酸が好適である。ア
ルキルカルボニルサリチル酸が非常に特に好適である。
【0029】本発明の方法は、好適には生成する水を取
り除いて行なわれる。蒸留により又は不活性ガス、例え
ば窒素を通すことにより水を取り除くことが適当であ
る。生成する水を取り除くためには、水吸収剤(wat
er−drawing agent)、例えばゼオライ
ト、酸化アルミニウム、又はクレー土(clay ea
rth)を使用することが好適である。水吸収剤として
使用される、アルキルカルボニルオキシ安息香酸又はア
ルコキシカルボニルオキシ安息香酸の対応する無水物の
存在下で反応を行なうことにより生成する水を取り除く
ことが特に好適である。アセチルサリチル酸無水物が非
常に特に好適である。
【0030】本発明の方法において、ジベンジルエーテ
ルに基づいて、0.5から50モルの(好適には1から
30モルの、特に好適には2から20モルの)アルキル
カルボニルオキシ安息香酸又はアルコキシカルボニルオ
キシ安息香酸を使用することが好適である。
【0031】本発明の方法が、対応するアルキルカルボ
ニルオキシ安息香酸無水物又はアルコキシカルボニルオ
キシ安息香酸無水物の存在下で反応が行なわれる場合に
は、ジベンジルエーテルに基づいて0.1から10モル
の(好適には0.5から7.5モルの、特に好適には1
から5モルの)無水物が好適には使用される。1モルの
無水物は水を取って(uptake)反応して、2モル
のカルボン酸を生成するので、本発明の方法において
は、少量のカルボン酸を使用することが可能である。好
適には、ジベンジルエーテルに基づいて0.25から2
5モルの(好適には0.5から15モルの、特に好適に
は1から10モルの)カルボン酸が使用される。
【0032】本発明の方法において、酸は均一な(ho
mogeneous)又は不均一な(heteroge
neous)触媒として使用される。
【0033】本発明の方法のための触媒として使用され
る酸は、一般には1から6、好適には1から5、特に好
適には1から4のpHである。
【0034】本発明の方法のために適当な触媒は、無機
酸、例えば硫酸、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、フ
ッ化水素酸、過塩素酸、クロロスルホン酸又はリン酸、
有機酸、例えばトリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、
エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、4−トルエン
スルホン酸、又はトルフルオロメタンスルホン酸、及び
ルイス酸、例えば三フッ化ホウ素、塩化アルミニウム、
臭化アルミニウム、ヨウ化アルミニウム、塩化亜鉛、塩
化スズ、塩化チタン又は塩化ジルコニウムである。
【0035】硫酸、トルフルオロメタンスルホン酸、4
−トルエンスルホン酸、及び三フッ化ホウ素が好適であ
り、硫酸、トルフルオロメタンスルホン酸、及び三フッ
化ホウ素が特に好適である。
【0036】酸は均一な触媒として使用されるか又は他
に不均一な触媒として不活性な支持体上で使用される。
【0037】本発明の方法においては、不均一な酸性触
媒は、好適には酸性イオン交換体、例えばスルホニル化
(sulfonylated)ポリマー、例えばスルホ
ニル化ポリスチレン、スルホニル化スチレンジビニルベ
ンゼン共重合体、及びスルホニル化フェノール−ホルム
アルデヒド樹脂である。
【0038】スルホニル化ポリスチレン及びスルホニル
化スチレン−ジビニルベンゼン共重合体が好適であり、
スルホニル化ポリスチレンが特に好適である。
【0039】イオン交換体は、ポリスチレン又はスチレ
ン−ジビニルベンゼン共重合体とスルホン化剤、例えば
硫酸又はクロロスルホン酸との反応により得られる。
【0040】その製造方法は周知であり、例えばEnc
yclopedia of Polymer Scie
nce and Technology、1967、第
7巻、692−705頁に記載されている。
【0041】標準的な市販のイオン交換体、例えば登録
商標名Lewatit、Amberlyst、Ambe
rlite、Dowex、Duolite、Nafio
n、Permutit、Chempro、及びImac
で販売れている製造物が適当である。
【0042】イオン交換体は球状であることができ、直
径が0.3から3.0mmの粒径を有することができ
る。イオン交換体はゲル状又はマクロポーラス(mac
roporous)であることができる。水湿潤形態
で、約75から85重量%の水含量を含むそれらの酸機
能(function)の全容量(capacity)
は、イオン交換体の乾燥物質1gに基づいて、イオン交
換体の0.7から2.1mval/mlの範囲又は3.
5から5mval/mlの範囲である。
【0043】イオン交換体は適当な場合には、場合によ
り減圧下で熱により、場合により親水性の有機液体、例
えば使用されるカルボン酸又は使用されるカルボン酸無
水物での洗浄により、或いは場合により有機液体、例え
ばトルエン、キシレン、又はメチレンクロリドとの共沸
蒸留により乾燥される。
【0044】そのようなイオン交換体は、撹拌容器中で
懸濁された触媒と共に働く場合には、ジベンジルエーテ
ルに基づいて0.1から100重量%(好適には0.5
から90重量%、及び特に好適には1.0から80重量
%)の量で使用される。
【0045】固定床触媒上の向流又は並流(cocur
rent)又は細流相(trickle phase)
中での連続した手順の場合において、毎時、膨潤した
(swollen)イオン交換体の1リットル当たり
0.05gから5000gのジベンジルエーテルの空間
速度、好適には0.1から4000g/l h及び、特
に好適には1.0から3000g/l hが使用され
る。
【0046】本発明の方法のある特定な態様において
は、触媒は、一般式 Habcd 式中、Hは、水素及び/又は金属カチオンであり、X
は、リン、ケイ素、ホウ素又はゲルマニウムであり、M
は、タングステン、モリブデン、バナジウム、又はクロ
ムであり、aは、3、4、5又は6であるが、但し、ヘ
テロポリ酸又はそれらの塩は電気的中性であり、bは、
1又は2であり、cは、12又は18であり、そしてd
は、40又は62である、のヘテロポリ酸(ポリオキシ
メタレート(polyoxymetallates))
である。
【0047】言及し得る金属カチオンは、アルカリ金
属、例えばリチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウ
ム、又はセシウム又はマンガン、ニッケル、コバルト、
銅、又はランタンである。
【0048】ケギン形(Keggin type)(C
hem.Rev.98(1998)p.12)のヘテロ
ポリ酸、すなわち、b=1、c=12、及びd=40、
ここでXは水素である化合物が好適である。
【0049】リン酸又はケイ酸を有するモリブデン、タ
ングステン、及びバナジウムオキシド、例えばリンタン
グステン酸、ケイタングステン酸、リンモリブデン酸、
ケイモリブデン酸、リンバナジン酸(phosphov
anadic acid)及びケイバナジン酸(sil
icovanadic acid)が好適である。リン
タングステン酸、ケイタングステン酸、リンモリブデン
酸及びケイモリブデン酸が特に好適である。
【0050】それらの製造方法は周知であり、例えばR
oempp Lexikon Chemie 第10
版、Stuttgart/New York、199
7、第3巻、1741頁、及びChemical Re
views 98、(1998)、3−49頁、Cat
al. Rev.Sci.Eng.,37、311から
321(1995)に記載されている。
【0051】ヘテロポリ酸、及びそれらの適当な水和物
が、均一な触媒として使用されるか、又は他に不均一な
触媒として不活性な支持体上で使用できる。触媒は、例
えば粉体として又は成形体(molded bodie
s)として使用でき、そして反応の後で、例えば濾過、
沈降、又は遠心分離により分離できる。
【0052】固定床としての配置(arrangeme
nt)の場合には、触媒は好適には支持体に適用(ap
plied)され、そして成形体、例えば球体、円柱体
(cylinders)、ロッド(rods)、中空円
筒、リング(rings)等として使用される。
【0053】適当な支持材料は、活性化炭素(acti
vated carbon)、シリカゲル、酸化アルミ
ニウム、アルミノケイ酸塩、例えばゼオライト、又はフ
ィロケイ酸塩、クレー土、酸化チタン、及び酸化ジルコ
ニウムである。
【0054】これらの不均化された(heteroge
nized)触媒は、適当な場合には減圧下で熱によ
り、適当な場合には親水性の有機液体、例えば使用され
るカルボン酸又は使用されるカルボン酸無水物での洗浄
により、或いは適当な場合には有機液体、例えばトルエ
ン、キシレン、又はメチレンクロリドとの共沸蒸留によ
り、場合により乾燥される。
【0055】撹拌容器中で懸濁された触媒と共に働く場
合には、酸は、ジベンジルエーテルに基づいて0.1か
ら100重量%(好適には0.5から90重量%及び特
に好適には1.0から80重量%)の量で使用される。
【0056】固定床触媒上の向流又は並流又は細流相中
での連続した手順の場合において、毎時、不動化した
(immobilized)酸の1リットル当たり0.
05gから5000gのジベンジルエーテルの空間速
度、好適には0.1から4000g/l h及び、特に
好適には1.0から3000g/l hが使用される。
【0057】本発明の方法は、好適には反応物の強力な
(intensive)混合により行なわれる。強力な
混合は、当業者に公知の種々の方法、例えば撹拌機、ノ
ズル、じゃま板(baffles)、スタティックミキ
サー、ポンプ、狭いチューブ中の乱流及び超音波により
達成することができる。そのような装置は、Ullma
nn’s Encyclopedia of Indu
strial Chemistry、第5版、B巻、U
nit Operations、sections、2
5、26、B4、568−570頁、Verlag C
hemie、Weinheim 1988に詳細に記載
されている。
【0058】本発明の方法の好適な態様は、ジベンジル
エーテルを、場合により支持体上に析出した(depo
sited)、酸並びにアルキルカルボニルオキシ安息
香酸又はアルコキシカルボニルオキシ安息香酸及び無水
物の混合物又は懸濁液へ加え、そして反応が終了したと
きに、触媒を濾過又は遠心分離により分離することを含
む。
【0059】さらなる好適な態様は、ジベンジルエーテ
ル及びアルキルカルボニルオキシ安息香酸又はアルコキ
シカルボニルオキシ安息香酸及び無水物を、例えばチュ
ーブ中に配置された触媒床にわたり(over)頂上か
ら下側へ(downwards)並流的に通過させ、そ
してヒドロキシ安息香酸ベンジルがチューブの最低部
(foot)の底で取り出される並流的な手順である。
【0060】本発明の方法のさらなる好適な態様におい
ては、これは細流相中で行なわれ、不均一な触媒(好適
には支持された酸)は固定床触媒の形態である。触媒床
は、好適には液体の流れの分配を改良し触媒床の湿潤を
改良するための中間プレートを含む、垂直なチューブラ
(tubular)反応器が好適である。
【0061】懸濁した触媒の場合及びまた固定床の方法
の変法(variants)の場合の両方では、後処理
は水非混和性の溶媒(好適にはトルエン)を反応生成物
へ加えることにより行なってよい。粗いヒドロキシ安息
香酸ベンジルエステルを含む有機相を取り出した(re
moval)後、有機相を、例えば蒸留によりさらに精
製することができる。
【0062】本発明の方法は、バッチ式で(batch
wise)、連続式で、又は半連続式で行なうことがで
きる。
【0063】本発明の方法の温度は、好適には15から
200、特に好適には25から190、非常に特に好適
には30から180℃で行なわれる。
【0064】反応が115℃以上で行なわれる場合に
は、増加した圧力下、すなわち蒸気圧に対応する圧力下
で行なうことが必要である。必要とされるゲージ圧は、
少なくとも反応混合物の蒸気圧に等しい。圧力は約50
バールまで、好適には25バールまでであってよい。
【0065】適当な場合には、本発明の方法は慣用の保
護ガス、例えば窒素、ヘリウム又はアルゴン下で行なう
ことができる。
【0066】本発明の方法は、以下の反応式で例示する
ことができる。
【0067】
【化9】
【0068】本発明の方法により、ヒドロキシ安息香酸
ベンジルエステルを、高い転化及び良好な選択性を伴っ
て良好な収率で得られる。本発明の方法は、装置への高
い支出を伴わないで容易に行なうことができる。
【0069】以下の実施例はさらに、本発明の方法を詳
細に例示する。先の開示で述べられた発明は、これらの
実施例によってその精神及び範囲のどちらも制限されな
い。当業者は、以下の手順の条件の既知の変形(var
iaton)が使用できることを容易に理解するであろ
う。以下の実施例で与えられるパーセントは重量%であ
る。
【0070】実施例 実施例1 ジベンジルエーテル49.6g(0.25モル)、2−
アセトキシ安息香酸(2−アセチルサリチル酸)(Ac
ros)45.0g(0.25モル)及び濃硫酸(Ri
edel−de Haen)0.25gをじゃま板及び
櫂型(paddle)スターラーを備えたフラスコ中で
激しく撹拌(250rpm)しながら窒素下で120℃
で加熱した。3時間の反応時間の後、混合物を急激に冷
却し、そしてトルエン及び水を加えた後、有機相を分離
し、ガスクロマトグラフィーを用いて分析した。反応混
合物はジベンジルエーテル/サリチル酸ベンジル/酢酸
ベンジル/2−アセチルサリチル酸ベンジル(2−ac
etylbenzyl salicylate)を1.
8:40.2:37.3:2.4の比率で含み、これ
は、ジベンジルエーテルの98%の転化(conver
sion)に相当した。
【0071】実施例2 濃硫酸(Riedel−de Haen)0.5gを使
用する以外は実施例1を繰り返した。0.5時間後、反
応混合物はジベンジルエーテル/サリチル酸ベンジル/
酢酸ベンジル/2−アセチルサリチル酸ベンジルを0.
2:37.5:33.6:1.7の比率で含み、これは
99%の転化に相当した。
【0072】実施例3 2−アセトキシ安息香酸90g(0.5モル)及び濃硫
酸(Riedel−de Haen)0.5gを使用
し、90℃とする以外は実施例1を繰り返した。5時間
の反応時間の後、反応混合物はジベンジルエーテル/サ
リチル酸ベンジル/酢酸ベンジル/2−アセチルサリチ
ル酸ベンジルを6.2:17.6:25.5:25.0
の比率で含み、これは93%の転化に相当した。
【0073】実施例4 トリフルオロメタンスルホン酸(Acros)0.1g
を使用し、90℃とする以外は実施例1を繰り返した。
0.5時間の反応時間の後、反応混合物はジベンジルエ
ーテル/サリチル酸ベンジル/酢酸ベンジル/2−アセ
チルサリチル酸ベンジルを6.9:26.5:36.
1:1.1の比率で含み、これは93%の転化に相当し
た。
【0074】実施例5 トリフルオロメタンスルホン酸亜鉛塩(Fluka)
0.25gを使用する以外は実施例1を繰り返した。1
時間の反応時間の後、反応混合物はジベンジルエーテル
/サリチル酸ベンジル/酢酸ベンジル/2−アセチルサ
リチル酸ベンジルを10.3:28.6:33.4:
2.2の比率で含み、これは87%の転化に相当した。
【0075】実施例5 ボロントリフルオリドジエータレ−ト(boron t
rifluoridedietherate)(Flu
ka)0.5gを使用する以外は実施例1を繰り返し
た。7時間の反応時間の後、反応混合物はジベンジルエ
ーテル/サリチル酸ベンジル/酢酸ベンジル/2−アセ
チルサリチル酸ベンジルを15.7:30.6:32.
2:11.9の比率で含み、これは81%の転化に相当
した。
【0076】実施例6 リンモリブデン酸(Aldrich)0.25gを使用
する以外は実施例1を繰り返した。1時間の反応時間の
後、反応混合物はジベンジルエーテル/サリチル酸ベン
ジル/酢酸ベンジル/2−アセチルサリチル酸ベンジル
を68.7:3.5:5.0:3.5の比率で含み、こ
れは9%の転化に対応した。
【0077】実施例7 スルホニル化スチレン−ジビニルベンゼン共重合体Le
watit(登録商標)SC102(Bayer)0.
25gを使用する以外は実施例1を繰り返した。1時間
の反応時間の後、反応混合物はジベンジルエーテル/サ
リチル酸ベンジル/酢酸ベンジル/2−アセチルサリチ
ル酸ベンジルを7.1:16.9:21.9:0.3の
比率で含み、これは92%の転化に相当した。
【0078】本発明の主たる特徴及び態様は以下の通り
である。
【0079】1.式
【0080】
【化10】
【0081】式中、R1からR5は、同一又は異なってよ
く、C1−C6−アルキル、C1−C6−アルコキシ、C1
−C6−ハロゲノアルキル、C1−C6−ハロゲノアルコ
キシ、CN、CO(C1−C6−アルキル)、NO2、又
はハロゲンである、のヒドロキシ安息香酸ベンジルエス
テルの製造方法であって、式
【0082】
【化11】
【0083】式中、R1、R2、及びR3は上で定義した
とおりである、のジベンジルエーテルと、又はそのよう
なジベンジルエーテル及び式
【0084】
【化12】
【0085】式中、R1、R2、及びR3は上で定義した
とおりである、のベンジルアルコールの混合物と、式
【0086】
【化13】
【0087】式中、R4及びR5は上で定義したとおりで
あり、そしてR6は、水素、又は直鎖若しくは分枝の、
飽和若しくは不飽和の場合によりハロゲン置換の、1か
ら50個の炭素原子を有するアルキル、アラルキル、ア
リール、アルコキシ、アラルコキシ又はアリールオキシ
基である、のアルキルカルボニルオキシ安息香酸又はア
ルコキシカルボニルオキシ安息香酸とを、触媒としての
1つ以上の酸の存在下で、反応させることを含む方法。
【0088】2.酸が、pH値が1から6である無機
酸、有機酸、又はルイス酸であることを特徴とする上記
1に記載の方法。
【0089】3.酸が、酸性イオン交換体であることを
特徴とする上記1に記載の方法。
【0090】4.酸性イオン交換体が、スルホニル化ポ
リマーであることを特徴とする上記3に記載の方法。
【0091】5.酸性イオン交換体が、フッ素化又はペ
ルフッ素化スルホニル化ポリマー、フッ素化又はペルフ
ッ素化スルホニル化スチレン−ジビニルベンゼン共重合
体、及び/又はフッ素化又はペルフッ素化スルホニル化
フェノール−ホルムアルデヒド樹脂であることを特徴と
する上記3に記載の方法。
【0092】6.酸が、式 Habcd 式中、Hは、水素及び/又は金属カチオンであり、X
は、リン、ケイ素、ホウ素又はゲルマニウムであり、M
は、タングステン、モリブデン、バナジウム、又はクロ
ムでありaは、3、4、5又は6であるが、但し、ヘテ
ロポリ酸又はそれらの塩は電気的中性であり、bは、1
又は2であり、cは、12又は18であり、そしてd
は、40又は62である、のヘテロポリ酸であることを
特徴とする上記1に記載の方法。
【0093】7.ヘテロポリ酸は、リンタングステン
酸、ケイタングステン酸、リンモリブデン酸、又はケイ
モリブデン酸であることを特徴とする上記6に記載の方
法。
【0094】8.ジベンジルエーテルが、無置換である
ことを特徴とする上記1に記載の方法。
【0095】9.ジベンジルエーテルが、式
【0096】
【化14】
【0097】式中、R1からR3は、同一又は異なってよ
く、C1−C6−アルキル、C1−C6−アルコキシ、C1
−C6−ハロゲノアルキル、C1−C6−ハロゲノアルコ
キシ、CN、CO(C1−C6−アルキル)、NO2、又
はハロゲンである、の置換ジベンジルエーテルであるこ
とを特徴とする上記1に記載の方法。
【0098】10.アシルオキシ安息香酸が、ジベンジ
ルエーテルに基づいて0.5から50モル使用されるこ
とを特徴とする上記1に記載の方法。
【0099】11.反応が,水吸収剤の存在下で行なわ
れることを特徴とする上記1に記載の方法。
【0100】12.反応が、蒸留により又は窒素を通す
ことにより水を除去することを伴って行なわれることを
特徴とする上記1に記載の方法。
【0101】13.反応が、アルキルカルボニルオキシ
安息香酸又はアルコキシカルボニルオキシ安息香酸に対
応するその無水物の存在下で行なわれることを特徴とす
る上記1に記載の方法。
【0102】14.該無水物を、ジベンジルエーテルに
基づいて0.1から10モル使用することを特徴とする
上記13に記載の方法。
【0103】15.温度が15から200℃の範囲で行
なわれることを特徴とする上記1に記載の方法。
【0104】16.酸が、無機酸、有機酸及びルイス酸
からなる群から選択され、ジベンジルエーテルの量に基
づいて0.05から10重量%の量で使用されることを
特徴とする上記1に記載の方法。
【0105】17.酸が、固定床として配置された無機
酸、有機酸及びルイス酸からなる群から選択され、そし
て、毎時不均化された酸の1リットル当たり1.0から
3000gの空間速度で使用されることを特徴とする上
記1に記載の方法。
【0106】18.場合によりフッ素化されたスルホニ
ル化ポリスチレン、場合によりフッ素化された又はペル
フッ素化されたスルホニル化スチレン−ジビニルベンゼ
ン共重合体、及び場合によりフッ素化された又はペルフ
ッ素化されたスルホニル化フェノール−ホルムアルデヒ
ド樹脂からなる群から選択された1つ以上の酸性イオン
交換体が、懸濁した触媒としてジベンジルエーテルの量
に基づいて0.5から100重量%の量で使用されるこ
とを特徴とする上記3に記載の方法。
【0107】19.場合によりフッ素化されたスルホニ
ル化ポリスチレン、場合によりフッ素化された又はペル
フッ素化されたスルホニル化スチレン−ジビニルベンゼ
ン共重合体、及び場合によりフッ素化された又はペルフ
ッ素化されたスルホニル化フェノール−ホルムアルデヒ
ド樹脂からなる群から選択された1つ以上の酸性イオン
交換体が、固定床として配置され、そして、毎時イオン
交換体の1リットル当たり1.0から3000gのジベ
ンジルエーテルの空間速度で使用されることを特徴とす
る上記3に記載の方法。
【0108】20.1つ以上のヘテロポリ酸が、懸濁し
た触媒として、ジベンジルエーテルの量に基づいて0.
05から100重量%の量で使用されることを特徴とす
る上記6に記載の方法。
【0109】21.1つ以上のヘテロポリ酸が、固定床
として、毎時不均化されたヘテロポリ酸の1リットル当
たり1.0から3000gのジベンジルエーテルの空間
速度で使用されることを特徴とする上記6に記載の方
法。
フロントページの続き (72)発明者 ベルント−ウルリヒ・シエンケ ドイツ46236ボトロプ・オイペンシユトラ ーセ11 Fターム(参考) 4H006 AA02 AC48 BA66 BA67 BA72 KA06 KA74 KC30 4H039 CA66 CD90

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式 【化1】 式中、R1からR5は、同一又は異なってよく、C1−C6
    −アルキル、C1−C6−アルコキシ、C1−C6−ハロゲ
    ノアルキル、C1−C6−ハロゲノアルコキシ、CN、C
    O(C1−C6−アルキル)、NO2、又はハロゲンであ
    る、のヒドロキシ安息香酸ベンジルエステルの製造方法
    であって、式 【化2】 式中、R1、R2、及びR3は上で定義したとおりであ
    る、のジベンジルエーテルと、又はそのようなジベンジ
    ルエーテル及び式 【化3】 式中、R1、R2、及びR3は上で定義したとおりであ
    る、のベンジルアルコールの混合物と、式 【化4】 式中、R4及びR5は上で定義したとおりであり、そして
    6は、水素、又は直鎖若しくは分枝の、飽和若しくは
    不飽和の場合によりハロゲン置換の、1から50個の炭
    素原子を有するアルキル、アラルキル、アリール、アル
    コキシ、アラルコキシ又はアリールオキシ基である、の
    アルキルカルボニルオキシ安息香酸又はアルコキシカル
    ボニルオキシ安息香酸とを、触媒としての1つ以上の酸
    の存在下で、反応させることを含む方法。
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