JPH0656726A - リン酸で改質された粘土触媒を使用するアルキル第三級アルキルエーテルの合成 - Google Patents

リン酸で改質された粘土触媒を使用するアルキル第三級アルキルエーテルの合成

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JPH0656726A
JPH0656726A JP5141629A JP14162993A JPH0656726A JP H0656726 A JPH0656726 A JP H0656726A JP 5141629 A JP5141629 A JP 5141629A JP 14162993 A JP14162993 A JP 14162993A JP H0656726 A JPH0656726 A JP H0656726A
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tert
catalyst
acid
clay
alkyl
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JP5141629A
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John F Knifton
ジョン・フレデリック・ナイフトン
John Ronald Sanderson
ジョン・ロナルド・サンダーソン
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Huntsman Corp
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Texaco Chemical Co
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C41/00Preparation of ethers; Preparation of compounds having groups, groups or groups
    • C07C41/01Preparation of ethers
    • C07C41/09Preparation of ethers by dehydration of compounds containing hydroxy groups

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Catalysts (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 触媒の存在下に第三級アルコールと第一級ア
ルコールからアルキル第三級アルキルエーテル、例えば
MTBEを製造する方法であって、リン酸もしくはフル
オロリン酸で改質されたモンモリロナイト粘土を触媒と
して使用することを特徴とする製造方法。 【効果】 生成物の収率が改善され、例えば、MTBE
が粗生成物中に40%までの濃度で製造される。生成物
が、160℃以上の操作温度で、例えばイソブチレン−
MTBE生成物に富む相と、より重い水性メタノール相
とに分離する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、リン酸もしくはフルオ
ロリン酸で改質されたモンモリロナイト粘土触媒を含む
触媒の存在下に、tert−ブタノールのような第三級アル
コールと、メタノールのような第一級アルコールとを反
応させることにより、メチル−tert−ブチルエーテル
(以下、MTBEという)のようなアルキル第三級アル
キルエーテルを製造する改良された方法に関する。
【0002】
【発明の効果】この触媒は、未改質のモンモリロナイト
粘土を使用する場合に比べて、生成物の収率を改善す
る。例えば、通常MTBEが粗生成物中に40%までの
濃度で製造されるに至った。もう一つの望ましい特徴
は、生成物の混合体が、160℃以上の操作温度で、例
えばイソブチレン−MTBE生成物に富む相と、より重
い水性メタノール相とに分離することである。
【0003】
【従来の技術】アルキル第三級アルキルエーテル、特に
MTBEは、高オクタン価ガソリンへの配合成分として
有用である。
【0004】ある種のアルコールと別のアルコールとを
反応させて目的生成物を形成することにより、非対象エ
ーテルを含むエーテル類を製造しうるということは、当
業者に公知である。触媒および/または縮合剤を含有す
る反応混合物を分離し、さらに処理して、目的生成物を
得ることができる。このようなさらなる処理は、一般に
1回以上の蒸留操作を含む。
【0005】鉛やマンガンに基づく現在のガソリン添加
剤が次第に排除されるにつれ、高オクタン価ガソリンの
配合成分としてMTBEがますます使用されてきてい
る。現在、MTBEを製造する工業的方法はすべて、カ
チオン性イオン交換樹脂を触媒とする、イソブチレンと
メタノールとの液相反応(式1)に基づいている(例え
ば、Hydrocarbon Processing,Oct. 1984, p63、Oil an
d Gas J.,Jan. 1, 1979, p76 およびChem. Economics
Handbook-SRI,Sept. 1986, p543-7051Pを参照)。MT
BEの合成に使用されるカチオン性イオン交換樹脂は、
通常、スルホン酸官能性を有するものである(J. Tejer
o, J. Mol. Catal., 42(1987) 257 およびC. Subramama
m et al., Can. J. Chem. Eng., 65(1987) 613を参
照)。
【0006】
【化1】
【0007】容認しうるガソリン添加剤としてのMTB
Eの使用が拡大するにつれ、原料の入手可能性の問題が
大きくなっている。歴史的にみて、供給が制約となる原
料はイソブチレンである(Oil and Gas J., June 8, 19
87, p55 )。したがって、構成単位としてイソブチレン
を必要としないMTBEの製造方法が得られるならば、
それは有利であろう。tert−ブタノール(TBA)はイ
ソブタンの酸化によって工業的に容易に得られるため、
メタノールとtert−ブタノールとの反応によってMTB
Eを製造する効率的な方法が得られるならば、それは有
利であろう。
【0008】Rao らへの米国特許第4,144,138
号明細書(1979)には、エーテル化反応の留出液を
共沸蒸留してメタノール−エーテル共沸塔頂留分を回収
し、それを水洗して純粋なエーテルラフィネートおよび
エーテル−メタノール釜残を得て、この釜残を共沸蒸留
してエーテル−メタノール塔頂留分を得て、それを水洗
に再循環させることによる、MTBEの回収方法が開示
されている。
【0009】メタノールとtert−ブタノールからのMT
BEの製造は、S. V. Rozhkov らの、Prevrashch Uglev
odorodov, Kislotno-Osnovn. Geterogennykh Katal. Te
zisyDokl. Vses Konf., 1977, 150(C. A. 92:58165y)
に論じられている。ここでは、tert−ブタノールとメタ
ノールは、KU−2強酸性スルホポリスチレンカチオン
交換樹脂上で、穏やかな条件のもとでエーテル化を受け
る。この参考文献は、このような方法の基本的なパラメ
ータに関するデータを含む。また、カチオン交換樹脂上
でのエーテル化のための工場施設は大きな問題を呈しな
いが、多量のtert−ブタノールおよびメタノールをイソ
ブチレンとともに再循環させることが、この方式をいく
ぶんさらに高価なものにしてしまうという事実を、考慮
しなければならないことが指摘される。また、カチオン
交換樹脂上の反応の進行は、普通、種々の吸着因子およ
び拡散因子により、膨潤現象により、また、溶液とイオ
ン交換体相との間の成分の可変的な分布により、複雑化
する。そのうえ、有機骨格(ポリスチレンまたはポリメ
タクリレート)を有する該酸性カチオン交換樹脂は、一
般に操作温度に関して安定性の範囲が非常に限られてお
り、120℃を超える温度では、通常、樹脂の非可逆的
な破壊および触媒活性の損失が生じる。
【0010】Frolich への米国特許第2,282,46
9号明細書には、リン酸に含浸したけいそう土からなる
触媒上、80〜180℃(華氏約175〜350度)で
MTBEを製造する方法が開示されている。
【0011】「Catalysis: Selective Developments」と
題する文献(Chem. Systems Report84-3, 239-249)
は、3.4320節において、スメクタイト粘土を触媒
として興味深いものにするその特異な性質を論じてい
る。これらの構造は層状であり、四面体座と八面体座と
の2:1の関係を示す。それに加え、カチオン交換およ
びインターカレーション(intercalation)、ならびに層
間距離を調節することができるという事実との組合せ
が、興味深い可能性を提供する。
【0012】「Progress in Inorganic Chemistry」の3
5巻41頁(1987)には、「酸性」モンモリロナイ
ト粘土触媒を包含する粘土鉱物触媒が論じられている。
この種の触媒をピラリング(pillaring)する方法が論じ
られている。ピラリングは、粘土のラメラ状固形分を、
より耐熱性の二次元ゼオライト型物質に転換することが
できる。
【0013】イギリス公開特許第2,179,563号
公報(1987)は、改質された層状粘土触媒を、プロ
トンによる触媒作用を示すことができる反応に使用する
ことを開示している。この発明において特に興味深いも
のは、四面体シリカ、八面体アルミナおよび四面体シリ
カの連続層からなる、膨潤性を示すことができるスメク
タイト、雲母およびバーミキュライトのような3層シー
ト型のものであった。
【0014】米国特許第4,590,294号明細書
(1986)は、水素イオン交換された層状粘土を触媒
成分として使用して、エチレン、ヘキセン−1、ヘプテ
ン−1、オクテン−1、4−メチルペンテン−1、ヘキ
セン−2、1,5−ヘキサジエンおよびシクロヘキセン
からなる群より選ばれるオレフィンをカルボン酸と反応
させることを含む、エステルの製造方法を開示してい
る。この引用例は、tert−ブタノールを脱水してイソブ
チレンにすると同時に、メタノールと反応させてMTB
Eを製造するための方法を提案しているとは思われな
い。
【0015】米国特許第4,822,921号明細書
(1989)は、リン酸を含浸させた酸化チタンのよう
な不活性担体を含む触媒の存在下に、tert−ブタノール
とメタノールとを反応させることによる、MTBEの製
造方法を開示している。
【0016】米国特許第4,827,048号明細書
(1989)は、酸化チタンのような不活性担体に担持
された、12−リンタングステン酸または12−リンモ
リブデン酸のようなヘテロポリ酸を含む触媒の存在下
に、tert−ブタノールとメタノールとを反応させること
による、MTBEの製造方法を開示している。
【0017】米国特許第5,081,318号明細書
(1992)は、フルオロスルホン酸で改質されたゼオ
ライト触媒を使用して、tert−ブタノールからMTBE
を合成する1段階法を開示している。
【0018】米国特許第5,059,725号明細書
(1991)は、tert−ブタノールとメタノールとを、
硫酸アンモニウムまたは硫酸を付着させた第IV族金属酸
化物を含む触媒上で反応させる、MTBEの1段階合成
を開示している。
【0019】ヨーロッパ公開特許第92306039.
6号は、触媒の存在下に第三級アルコールと第一級アル
コールからアルキル第三級アルキルエーテルを製造する
方法であって、その触媒がフルオロスルホン酸で改質さ
れたモンモリロナイト粘土であることを特徴とする方法
を記載している。
【0020】ヨーロッパ公開特許第92307336.
5号は、触媒の存在下に第三級アルコールと第一級アル
コールからアルキル第三級アルキルエーテルを製造する
方法であって、フッ化水素で改質された結晶質アルミノ
ケイ酸塩ホージャサイト型Yゼオライトを触媒として使
用することを特徴とする方法を記載している。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】第三級アルコールの急
速な転換を可能にし、高温に耐えることができる触媒を
使用して、第三級アルキルアルコールと第一級アルコー
ルから、MTBEのようなアルキル第三級アルキルエー
テルを、選択的に1段階で合成することができる方法が
求められる。
【0022】本発明の目的は、第三級アルコールの急速
な転換を可能にし、高温に耐えることができる触媒を使
用して、第三級アルコール、例えばtert−ブタノール
と、第一級アルコール、例えばメタノールから、MTB
Eのようなアルキル第三級アルキルエーテルを選択的に
1段階で合成することである。
【0023】
【課題を解決するための手段】リン酸もしくはフルオロ
リン酸で改質されたモンモリロナイト粘土を、このよう
なアルコールからアルキル第三級アルキルエーテルを選
択的に合成するための触媒として使用しうるということ
が見出された。後記の実施例は、本発明の改質モンモリ
ロナイト粘土を使用する場合のMTBEの良好な収率、
ならびに粗メタノール/tert−ブタノール原料を長期間
使用する場合の、他の触媒を使用する場合よりも大幅に
高いMTBE/イソブチレン収率を実証する。
【0024】本発明は、触媒の存在下に第三級アルコー
ルと第一級アルコールからアルキル第三級アルキルエー
テルを製造する方法であって、リン酸もしくはフルオロ
リン酸で改質されたモンモリロナイト粘土を触媒として
使用することを特徴とする方法を提供する。より具体的
には、触媒の存在下にtert−ブタノールとメタノールか
らMTBEを製造する方法であって、リン酸もしくはフ
ルオロリン酸で改質されたモンモリロナイト粘土を触媒
として使用することを特徴とする方法を提供する。ジフ
ルオロリン酸の使用が特に好ましい。
【0025】本発明の製造方法は、通常、エーテル化触
媒の存在下にtert−ブタノールとメタノールとを反応さ
せることによって実施することができる。エーテル化は
1段階で実施され、触媒は、フルオロリン酸で改質され
たモンモリロナイト粘土を含むことが好ましい。
【0026】この反応は次のように表すことができる。
【0027】
【化2】
【0028】一般に、目的とするMTBEを製造するた
めには、メタノールおよびtert−ブタノールという共反
応体どうしを、いかなる比率で混合してもよいが、目的
のMTBEの収率を最大限にしたいならば、原料混合物
中のメタノール対tert−ブタノールのモル比を10:1
〜1:10にすることが好ましい。MTBEに対する選
択率を最大限にし、パスあたりの転換率を最適化するた
めには、液状供給物中のメタノールを過剰にすることが
望ましい。最も好ましいメタノール対tert−ブタノール
のモル比は1:1〜5:1である。必要に応じて、該te
rt−ブタノールとメタノールとの原料混合物は、水;ア
セトンのようなケトン;2−プロパノールのような他の
アルコール;ジ−tert−ブチルペルオキシド、tert−ブ
チルヒドロペルオキシドおよびアリル−tert−ブチルペ
ルオキシドのような過酸化物;ギ酸−tert−ブチルのよ
うなエステル;ならびにMTBE生成物をはじめとする
他の成分を含有する粗供給原料であってもよい。
【0029】ある種の状況においては、粗生成物混合体
の相が、イソブチレン−MTBE生成物に富む相と、よ
り重質の水性メタノール相とに分離するほど、tert−ブ
タノール転換率が高い(例えばパスあたり>40%)と
いうことが特に望ましい。このような生成物の相分離
は、可能な限り低いエーテル化温度で、特に160〜2
00℃で得られることが好ましいであろう。
【0030】また、この同じ方法を多様なアルキル第三
級アルキルエーテルの製造に応用してもよい。例えば、
この方法を、メタノール、エタノール、n−プロパノー
ルおよびn−ヘキサノールのようなC1 〜C6 第一級ア
ルコールと;tert−ブタノールおよびtert−アミルアル
コールのようなC4 〜C10第三級アルコールとの反応に
応用してもよい。この場合、メタノールとtert−アミル
アルコール(2−メチル−2−ブタノール)との反応
は、メチル−tert−アミルエーテル(TAME)を生む
であろう。あるいはまた、各種アルコールの混合物、例
えばC1 〜C5 アルコールの混合物を反応させて、アル
キル第三級アルキルエーテルの混合物を得ることもでき
る。
【0031】ある種のリン酸およびフルオロリン酸で改
質された粘土、特にジフルオロリン酸で改質されたモン
モリロナイト粘土を触媒として、式2の反応に使用する
ことにより、良好な成果が実現された。
【0032】この触媒を形成するために使用される粘土
は、シリカ−アルミナ粘土である。化学的には、粘土は
主にケイ素、アルミニウムおよび酸素からなり、場合に
よっては少量のマグネシウムおよび鉄が含まれている。
これらの構成成分の比率の変化、およびこれらの結晶格
子形状が、それぞれ独自の特性を有する約50の異なる
粘土を生み出している。
【0033】反応(式2)に特に有効なものはスメクタ
イト粘土である。スメクタイト粘土は、Chem. Systems
Report,84-3に掲載された論文に取り上げられている。
これらの粘土は、大きな表面積をもたらす小さな粒度お
よび特異なインターカレーション特性を有している。こ
れらは、有用な触媒をもたらす改質を可能にする独特な
構造を示すアルミノケイ酸塩である。これらは、八面体
座のシートが四面体座のシートの間に配位された層状シ
ートからなり、層間距離は膨張によって調節することが
できる。この層状化は、F. Figueras による、Catal. R
ev.-Sci. Eng.,30, 457(1988)の論文に示されて
いる。スメクタイトを粘土鉱物の中でも興味深いものと
するものは、カチオン交換、インターカレーションおよ
び適当な溶媒などでの処理によって層間距離を調節する
ことができるという事実の組合せである。
【0034】3層シートの種類には、モンモリロナイ
ト、バーミキュライトおよびある種の脆い雲母がある。
この種の粘土の理想的な基本構造は、基本構造式Si8
Al420(OH)4 を有するパイロフィライトのそれ
である。
【0035】モンモリロナイトの構造は、一般に、式
【化3】 (式中、Mは、ラメラ間(均衡性)カチオン、通常はナ
トリウムまたはリチウムであり、x、yおよびnは整数
であり、このときxの値はその鉱物の出所による)によ
って示される。
【0036】このモンモリロナイト粘土は、実施例1〜
4に示すように、リン酸またはフルオロリン酸で処理さ
れる。
【0037】モンモリロナイト粘土を改質することに有
用な酸は、リン酸(H3 PO4 )の他にも、モノフルオ
ロリン酸[O=P(OH)2 F]、ジフルオロリン酸
[O=P(OH)F2 ]およびヘキサフルオロリン酸
(HPF6)より選ぶことができる。
【0038】表1の実施例1および2に実証するよう
に、ジフルオロリン酸を使用した場合に良好な成果が見
られた。実施例3および4は、モノフルオロリン酸およ
びリン酸を使用する場合の良好な成果を実証する。
【0039】改質を受けるモンモリロナイト粘土は、粉
末、ペレット、顆粒、球体、付形物および押出し物の形
態であることができる。本明細書に記載された実施例
は、粉末を使用する特定の利点を実証する。フルオロリ
ン酸で処理することができる市販の中性モンモリロナイ
ト粘土の一例は、通常の水分16%を含有し、>149
μm (100メッシュ)の粒度を有する、Engelhard 社
のグレード2C粉末である。
【0040】フルオロリン酸で改質された粘土の調製
は、フルオロリン酸を蒸留水またはアセトンのような有
機溶剤に溶かした溶液を、粉末形態にあることが好まし
い中性粘土に加えることにより、実施することができ
る。そして、この混合物を窒素ブランケット下に約1〜
48時間攪拌し、蒸留水および/または適当な有機溶剤
で洗浄し、減圧下に約20〜100℃で、次いで20〜
300℃で乾燥させる。このフルオロリン酸改質粘土
は、一般に1meq/g まで、またはそれ以上の滴定酸性度
を有する。
【0041】リン酸またはフルオロリン酸で改質された
粘土は、MTBEを製造するための改良された性質を数
多く有するということが見出された。tert−ブタノール
とメタノールからMTBEを1段階で合成する(式2)
際の代表的なリン酸またはフルオロリン酸で改質された
粘土の性能を、以下の実施例によって示す。
【0042】反応は、攪拌スラリー反応器または固定床
連続流反応器のいずれかで実施することができる。触媒
濃度は、目的とする触媒作用を発揮するのに十分である
べきである。
【0043】エーテル化は一般に20〜250℃で実施
することができる。好ましい範囲は80〜200℃であ
る。上述のように、160℃以上では、生成物中に二つ
の相が観察される。全操作圧力は、14〜210MPa
(0〜1,000psig)またはそれ以上であることがで
きる。好ましい圧力範囲は、52〜106MPa (50〜
500psig)である。
【0044】通常、MTBEは、5まで、またはそれ以
上の全液時空間速度(LHSV)および比較的穏やかな
条件において、粗生成液中約40重量%までの濃度で連
続的に製造される。LHSVは次のように定める。
【0045】
【数1】
【0046】以下の実施例においては、次の式を使用し
てtert−ブタノール(TBA)の転換率(重量%)を評
価した。
【0047】
【数2】
【0048】MTBEおよびイソブチレン(C48
の選択率(モル%)は、次の式から評価した。
【0049】
【数3】
【0050】
【実施例】ここからの実施例は、リン酸もしくはフルオ
ロリン酸で改質された、特に粉末形態である粘土を使用
して、tert−ブタノール(TBA)とメタノール(Me
OH)からメチル−tert−ブチルエーテル(MTBE)
を製造する1段階合成(式2)を示す。これらの実施例
は、例示のためにのみ記載するものであり、本発明にな
んら制限を加えるものではないことを理解しなければな
らない。
【0051】以下の事柄に注目することができる。 1)実施例1の方法によって調製したジフルオロリン酸
改質モンモリロナイト粘土を使用した表1および実施例
2のエーテル化データを、未処理の粘土を使用した場合
のデータ(比較例Aおよび表4)と比較すると、以下の
事柄を指摘することができる。
【0052】a)実施例2のジフルオロリン酸で処理し
た粘土を使用した場合のTBA転換率は、あらゆる操作
温度において、未処理の粘土を使用した場合よりも、測
定に現れる程に高い。
【0053】b)実施例2のジフルオロリン酸改質粘土
を使用すると、160〜180℃で、イソブチレン−M
TBE生成物に富む相と、より重い水性メタノール相と
に相分離を起こす。
【0054】2)モノフルオロリン酸改質粘土を使用す
る実施例3および表4、ならびにリン酸改質粘土を使用
する実施例4および表5において、優れたエーテル化触
媒活性が実現されている。
【0055】実施例1 この実施例は、ジフルオロリン酸で改質されたモンモリ
ロナイト粘土の調製を示す。
【0056】中性モンモリロナイト粘土(Engelhard 社
のグレードF2C、粉末)100gに、ジフルオロリン
酸(10.0g )の蒸留水(100ml)溶液を加えた。
この混合物を室温で窒素雰囲気下に24時間攪拌し、固
形物をろ過し、蒸留水で洗浄したのち、減圧下に40℃
で4時間、さらに150℃で一夜乾燥させた。
【0057】回収した白色粉末を分析すると、リン0.
02%および水1.3%を含み、酸性度が0.07meq/
g であることがわかった。
【0058】実施例2 この実施例は、ジフルオロリン酸で改質されたモンモリ
ロナイト粘土を使用する、tert−ブタノールとメタノー
ルからのMTBEの製造を示す。
【0059】合成は、316ステンレス鋼から構成さ
れ、上昇流的に操作され、炉の中に取り付けられた管状
反応器(内径13mm、長さ300mm)において実施し
た。この炉は、±1.0℃に制御することができ、<±
1ml/hの流量制御を可能にするポンプを備えていた。こ
の反応器はまた、圧力調整装置ならびに温度、圧力およ
び流量を監視するための機器を備えたものであった。
【0060】実験の初めに、実施例1の方法によって調
製したジフルオロリン酸改質粘土粉末25mlを反応器に
仕込んだ。グラスウールのスクリーンを反応器の頂部お
よび底部に配置して、触媒が中間部分にとどまるように
した。
【0061】メタノール/tert−ブタノール(モル比
1.1:1の混合体)を上昇流的に50ml/hの流量で触
媒床に通した。この間、反応器を120℃に保持し、全
圧は2,070kPa であった。粗生成液の試料を、流れ
の途中で周期的に316ステンレス鋼ボンベに捕集し、
GLCおよびGC−IRによって分析した。
【0062】これらの条件のもとで採取した試料の典型
的な分析データを表1にまとめる。同じ手順を使用し
て、他の一連の温度(140℃、160℃および180
℃)での性能を測定した。これらの結果をも表1にまと
める。
【0063】
【表1】
【0064】120℃、140℃および160℃での転
換率およびイソブチレン/MTBEの選択率は表2のと
おりであった。
【0065】
【表2】
【0066】実施例3および4 これらの実施例では、実施例2の手順に従い、tert−ブ
タノール/メタノール(1:1.1混合物)からのMT
BEとイソブチレンとの同時合成について、モノフルオ
ロリン酸改質モンモリロナイト粘土粉末(実施例3)お
よび顆粒状のリン酸改質粘土(実施例4)をそれぞれ評
価した。
【0067】実施例1の方法によって調製した、モノフ
ルオロリン酸を担持したモンモリロナイト粘土およびリ
ン酸を担持した顆粒状粘土は、表3の組成を示した。
【0068】
【表3】
【0069】モノフルオロリン酸改質粘土の場合の結果
を表4に示し、リン酸改質粘土の場合のMTBE/イソ
ブチレンのデータを表5にまとめる。
【0070】
【表4】
【0071】
【表5】
【0072】比較例A 本比較例は、tert−ブタノールとメタノールからMTB
Eを製造する際の、未改質モンモリロナイト粘土の性能
を示す。
【0073】実施例2の器具および手順を使用して、未
処理のモンモリロナイト粘土(Englehard 社のグレード
2Cクレー粉末)25mlを反応器系に仕込み、一連の温
度(120℃、140℃、160℃および180℃)で
性能を調査した。TBA/MeOH(1:1.1)の供
給速度を50ml/hに維持した。結果を表6にまとめる。
【0074】
【表6】
【0075】試料2および6について計算されたTBA
転換率およびC48 /MTBE選択率は、表7のとお
りである。
【0076】
【表7】

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 触媒の存在下に第三級アルコールと第一
    級アルコールからアルキル第三級アルキルエーテルを製
    造する方法であって、リン酸もしくはフルオロリン酸で
    改質されたモンモリロナイト粘土を触媒として使用する
    ことを特徴とする製造方法。
  2. 【請求項2】 触媒の存在下にtert−ブタノールとメタ
    ノールからメチル−tert−ブチルエーテルを製造する方
    法であって、リン酸もしくはフルオロリン酸で改質され
    たモンモリロナイト粘土を触媒として使用することを特
    徴とする製造方法。
  3. 【請求項3】 上記第三級アルコールと上記第一級アル
    コールとを、20〜200℃の温度および14〜210
    MPa (大気圧〜1,000psig)の圧力で上記触媒と連
    続的に接触させて、上記のアルキル第三級アルキルエー
    テルを得る請求項1または2記載の製造方法。
JP5141629A 1992-06-19 1993-06-14 リン酸で改質された粘土触媒を使用するアルキル第三級アルキルエーテルの合成 Pending JPH0656726A (ja)

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US900999 1986-08-27
US07/900,999 US5183947A (en) 1992-06-19 1992-06-19 One step synthesis of methyl t-butyl ether from t-butanol using fluorophosphoric acid-modified clay catalysts

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JP5141629A Pending JPH0656726A (ja) 1992-06-19 1993-06-14 リン酸で改質された粘土触媒を使用するアルキル第三級アルキルエーテルの合成

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