JP2002307733A - サーマルヘッドおよびその製造方法 - Google Patents

サーマルヘッドおよびその製造方法

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JP2002307733A JP2001118771A JP2001118771A JP2002307733A JP 2002307733 A JP2002307733 A JP 2002307733A JP 2001118771 A JP2001118771 A JP 2001118771A JP 2001118771 A JP2001118771 A JP 2001118771A JP 2002307733 A JP2002307733 A JP 2002307733A
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Mitsuo Hirabayashi
光男 平林
Riichi Hanaoka
利一 花岡
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聡 中嶋
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Abstract

(57)【要約】 【課題】粗悪なサーマル紙を高速で印字しても摩耗によ
る印字不具合が発生せず、かつ特殊な硬度の素材使用の
ヘッドや複雑な構成のヘッド構造を採用しないで、保護
膜の耐摩耗性の向上と印字鮮明性の図ったサーマルヘッ
ドおよびサーマルヘッドの製造方法を提供することにあ
る。 【解決手段】アルミナ基板上に厚みを0.1から40ミ
クロンメートルのガラスグレーズ層を形成し、発熱抵抗
体とアルミ配線を積層し所定の形状に設けられた後、S
34保護膜を形成してなるサーマルヘッドにおいて、
Si34保護膜5を形成しその最表面にSiO2保護膜
6を積層する。これにより、グレーズ層の厚みを薄く形
成すると、蓄熱の少ないグレーズ層を形成でき印字鮮明
さも向上出来る。さらにグレーズ層の平坦化が簡便な方
法で達成でき、印字・印画品質、特に高速印字に際して
の印字品質とサーマルヘッドの耐摩耗性の向上される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、POS用プリンタやラ
ベルプリンタ等に使用され、高速印字および画像用印画
に際して印字摩耗、印画品質の向上を図り得るサーマル
ヘッドおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、サーマルヘッドは低騒音、メンテ
ナンスフリー、低ランニングコストなどの利点が着目さ
れ、電子測定装置、ファクシミリ装置、POS端末のプ
リンタなどの各種記録装置に使用されるようになった。
一方、これらの情報機器普及に伴い小形軽量化、高速印
字化、多色印字化、汎用サーマル紙への対応が要求され
ており、このため用いられるサーマルヘッドにも耐摩耗
かつ高熱効率のものが望まれている。
【0003】一般にサーマルヘッドとしては、アルミナ
純度が95%以上で厚さ0.5から1.0mm程度のア
ルミナ系セラミックを印刷法で形成したセラミックス支
持体上に、厚さ30ミクロンメートルから80ミクロン
メートル程度の蓄熱層となるガラスグレーズ層を形成
し、その上に例えば窒化チタン等の多数の発熱抵抗体を
スパッタ蒸着法等で成膜し、さらにその上に発熱抵抗体
に接続される電極膜を付け、フォトエッチング法で発熱
ドット部の間隔を空け、かつ所定パターンで共通電極お
よび個別電極から成る導電体層を形成し、この発熱部の
最外層には耐摩耗保護層が形成される。
【0004】この構成では、前記ガラスグレーズ層が各
発熱抵抗体から発生する熱の放散および蓄熱を制御し、
印字品質に大きく影響を与えている。
【0005】そして、このガラスグレーズ層を保温層と
した場合、高速印字の際の印字品質に影響する熱応答性
に限界があることが知られている。このため、印字性能
を満足しつつ、印字効率を上げるためにはガラスグレー
ズ層をより精密に厚み制御して用いれば良いことが知ら
れている。
【0006】上記の構成で高速印字に対応させようとす
ると、グレーズ層の蓄熱による影響を考慮に入れ、グレ
ーズ層の厚みをなるべく薄くする必要がある。
【0007】一方、サーマルヘッドの上記利便性に伴い
プリンタが広く普及し、大量生産により使われるサーマ
ル紙は低価格と品質の低下傾向を示している。そこで印
字不良や印字障害が発生し、サーマルヘッドの摩耗問題
が急浮上し大きな問題となってきている。このような課
題を無くし高速紙送りしても良好に印字し、耐久性の高
い、摩耗による印字不具合などを考慮しなくても良いプ
リンタが望まれている。
【0008】この課題に対して、特開平5−57936
号は金属製支持体と耐熱樹脂との間にSiO2を接着層と
して放熱と蓄熱を制御する提案をしている。しかしこの
提案では摩耗性には触れていない。
【0009】また、特開平7−195720号はグレー
ズ供給量を制御スクリーン印刷法あるいはスプレー法に
より形成する提案をしている。しかしグレーズ層の厚み
を25ミクロンメートルから85ミクロンメートルまで
と厚く規定し、低価格対応には困難と思われる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の技術
的課題を解決したもので、グレーズ層の厚みを薄く形成
すると共に、グレーズ層の平坦化が簡便な方法で達成で
きること、また最表面に高密度低粘度の保護膜を製膜し
耐摩耗性を向上したことにより、印字・印画品質、特に
高速印字に際しての印字品質とサーマルヘッドの耐摩耗
性の向上を図ったサーマルヘッドおよびサーマルヘッド
の製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明に係るサーマルヘ
ッドは、絶縁基板上に形成された厚み0.1から40ミ
クロンメートルのガラスグレーズ層と、該ガラスグレー
ズ層の上部に所定の形状で積層された発熱抵抗体とアル
ミ配線と、前記発熱体と前記アルミ配線の上部に、Si
34の保護膜およびSiO2の保護膜からなる2層の保
護膜とを有することを特徴とする。
【0012】これにより、Si34の硬い保護膜とSi
2の軟らかい保護膜を備えているので、硬い保護膜を
磨耗するが衝撃を和らげる軟らかい保護膜は磨耗しにく
いサーマル紙、反対に軟らかい保護膜を磨耗するが硬い
保護膜を磨耗しにくいサーマル紙のどちらにも対応でき
るヘッドとすることができ、印字鮮明さを向上させるこ
とが出来る。
【0013】また、前記SiO2保護膜の曲率半径が1
0mm以上に形成することを特徴とする。これにより、
無機質の多く含有する発色層のサーマル紙とヘッド保護
膜とが、加圧しつつ高速で接触し衝撃力が加わる際、大
きな曲率半径のヘッドのため水平成分に分割された小さ
な衝撃力しか加わらず耐摩耗性が向上されることにな
る。
【0014】また、前記SiO2保護膜にSiCを添加
溶融し形成することを特徴とする。これにより、サーマ
ル紙に対しても耐摩耗性を向上した強い構造と材質にな
っている。
【0015】また、前記SiO2保護膜にC−SiCを
溶融添加し形成することを特徴とする。これにより摩耗
性の高いサーマル紙に対しても強い構造と材質になって
いる。
【0016】また、前記グレーズ層をスパッタリング法
で形成することを特徴とする請求項第1項から第4項記
載のサーマルヘッド製造方法。これにより、厚みが精密
に制御できるグレーズ層が形成できる。
【0017】
【発明の実施の形態】(実施例1):薄膜+SiO2
護膜の場合 本発明を実施例に基づき図面を参照して説明する。
【0018】アルミナ基板1上に平坦なグレーズ層2が
形成された本発明のサーマルヘッドの実施例を図1を用
いて説明する。
【0019】アルミナ純度が95%以上のアルミナ系セ
ラミックを厚さ0.6mmの印刷法により形成したセラ
ミックス基板上に、蓄熱層となるガラスグレーズ層2
を、スパッタリング法によって形成する。
【0020】その工程は、セラミックス基板をスパッタ
リング装置に置き、4×10−3Paまで真空引きを行
い、7×10−1Paの真空度までアルゴンガスを導入
する。そして酸化シリコンSiO2製のターゲットが負
極になるように高周波電力を印加しスパッタリングし、
膜厚を20ミクロンメートル成膜する。
【0021】このグレーズ層2の上に五酸化タンタルT
25製の発熱抵抗体3をスパッタリング法や蒸着法等
の成膜法で形成される。発熱抵抗体3は五酸化タンタル
Ta 25を使用したが、他にTa−SiO2、TiO2
Cr−SiO2、Nb−SiO2 、TaN等が使用でき
る。
【0022】更にスパッタリング法でアルミニウム電極
層4を膜厚約1ミクロンメートルで成膜し、エッチング
処理により所定の形状にパタ−ンニングする。
【0023】更にSi34製の耐摩耗保護層5をスパッ
タリング法で厚み10ミクロンメートルほど被着する。
【0024】保護膜5としては、サーマルヘッドの保護
膜となりうる耐熱性、耐蝕性および耐摩耗性の材料であ
れば利用可能である。具体的には、窒化珪素(Si
34)、炭化珪素(SiC)、酸化タンタル(Ta25)、
酸化アルミニウム(AL23)、サイアロン(SiALO
N)、酸化珪素(SiO2)、窒化アルミニウム(ALN)、
窒化ホウ素(BN)、酸化セレン(SeO)、窒化チタン(T
IN)、炭化チタン(TiC)、炭窒化チタン(TICN)、
窒化クロム(CrN)、およびこれらの混合物等が考えら
れる。
【0025】また、保護膜5には、物性調整のため金属
等の微量の添加物が含まれてもよい。保護膜5厚さは
0.1μm〜30μm程度が良く、好ましくは2μm〜
10μmである。
【0026】さらにAl23やPbOやCdO等を添加
しつつ最外層に厚さ5ミクロンメートルのSiO2保護
膜6を印刷し焼成法によって形成する。その工程は、電
気炉で溶融・焼成し、膜厚を5ミクロンメートルで成膜
する。
【0027】所定の接続端子に電気的につなぎ、プリン
タとして完成しサーマル紙に印字させた。評価用のサー
マル紙として、サーマルヘッドに摩耗の少ない普通紙と
無機質が多くサーマルヘッドに対する摩耗作用が顕著な
粗悪紙を使った印字耐久試験の結果は、表1の様になっ
た。印字も鮮明で、保護膜5の摩耗量の少ない良好なサ
ーマルヘッドとなった。印字は300万ラインの印字耐
久試験でも鮮明であり、抵抗値の変動や印字不具合等の
不良は発生しなかった。
【0028】
【表1】 ここで、高速印字においてグレーズ層2が厚すぎると信
号オフ時にも蓄熱が残って尾引き現象や印字潰れが生
じ、一方、画像印画においては、グレーズ層2の蓄熱効
果で印画濃度を確保するためにある程度のグレーズ層2
層厚みが必要となり、この厚みを適切に制御することが
難しかった。
【0029】と言うのも現状グレーズ層2は、溶融粘度
が高いガラスを焼成方法で形成しているため、曲率半径
が大きくなってくる。一方、平坦な保護膜5にするため
には、厚付けのグレーズ層2を形成することになり、厚
くなったグレーズ層2により蓄熱作用が働き、印字尾引
不良や、印字不鮮明の課題が発生してくる。
【0030】つまり被着されるグレーズ層2の曲率半径
を適度に設定することによりサーマル紙や感熱性ラベル
との接触性は良くなるものの、グレーズ層2厚みの調節
が困難である。また、保護膜5を平坦にして薄膜ヘッド
への衝撃角度の緩和するには、グレーズ層2の平坦化の
課題が浮上してくる。本発明は、グレーズ層2をスパッ
タリング方法で上記課題を解決し、前記実施例1に示し
た。
【0031】さらにグレーズ層2は、アルミナ基板1に
薄く製膜し、蓄熱と放熱を瞬時に応答を良くしている。
一方、グレーズ層2の曲率でサーマル紙とサーマルヘッ
ドとの接触圧力が高まり、良好な熱伝導性の確保と印字
鮮明性を得ている。しかし、サーマル紙の発色部に含ま
れる無機質成分とサーマルヘッドの保護膜5との摩耗作
用が高まり、印字不良を誘発する原因となっている。
【0032】本発明のグレーズ層2は曲率半径が大き
く、サーマル紙との接触角度が小さくなり、サーマル紙
の発色部に含まれる摩耗成分が保護膜5と作る角度も小
さくなる。つまり、摩耗性が高いサーマル紙に対して高
速で押付圧力を上げること、サーマルヘッドの保護膜5
の曲率半径を小さくすることは、摩耗を促進する事にな
る。
【0033】サーマル紙の摩耗紙が印字や走行時に発生
する衝撃力は、曲率半径を大きくなると水平成分に多く
分割され、垂直成分が極少になる。本来柔らかく粘りの
ある保護膜5にとって、塑性変形して衝撃力を緩和し、
耐久摩耗作用を大幅に軽減出来る事になる。
【0034】この実施例では、グレーズ層2の幅Wを
1.8mmとしグレーズ層2の厚みTを20ミクロンメ
ートルとし、曲率半径Rを20mmと成した。厚みT
(ミクロンメートル)と幅W(mm)と曲率半径Rの関
係は、図2に示すようになる。しかし、スパッタリング
法によるグレーズ層2膜厚は、平坦性が確保されてい
る。
【0035】曲率半径は、10mm以上で平坦部の幅W
が0.01mmから1mmまで、厚み30ミクロンメー
トル以下の範囲で、走行するサーマル紙と保護膜5とな
す角度は0から0.05度の範囲になる。サーマルヘッ
ドとして適切な蓄熱、熱拡散を与えるグレーズ層2が実
現できるのが分る。
【0036】ここでグレーズ層2の厚みTは0.1ミク
ロンメートルから50ミクロンメートルまで程度が考え
られ、好ましくは10ミクロンメートルから40ミクロ
ンメートルまでが良好である。その場合曲率半径Rは、
10mm以上とするのがよいことが分る。
【0037】なお、高速印字の場合に印字パルス発生頻
度が多くなり、発熱部7直下のグレーズ層2が蓄熱し過
ぎて印字の際に尾引きや印字潰れを生じるから厚みTを
薄くする必要がある。
【0038】また、本発明のSiO2保護膜に、焼成加
工を容易にするため、酸化鉛など低融点にする添加物を
加えても良い。熱伝導性や耐摩耗性などサーマルヘッド
の規定の物性を満足すればよい。
【0039】また、本発明のアルミナ基板1の代わり
に、鉄・ステンレス・ニッケル・クロム等の金属基板
や、シリコン・ジルコニア・チタニアなどセラミック基
板や、ポリイミド・ポリアミドイミド・エポキシなど合
成樹脂基板でも良い。熱伝導性や耐熱性などサーマルヘ
ッドの規定の物性を満足すればよい。
【0040】また、グレーズ層2に、蓄熱性や放熱性を
改良するため、添加剤を加えても良い。たとえば、チタ
ン、アルミニューム、マグネシューム、鉄、金、銀、ス
ズ、鉛、カドニューム、亜鉛、ニッケル、クロム、ジル
コニューム等の金属や合金でも添加可能です。そのほか
に上記金属の酸化物、窒化物、塩化物、フッ化物も考え
られる。
【0041】表2は、サーマルヘッドのグレーズ層2の
厚みとグレーズ層2の幅を規定した場合の曲率半径を計
算した。曲率半径が10mm以上のサーマルヘッドの平
坦性が、本発明の摩耗性の有るサーマル紙に対して、有
効な構成を示す。
【0042】
【表2】
【0043】(実施例2) :薄膜+SiC保護膜の場
合 図2を用いて本発明のサーマルヘッドの実施例2を説明
する。アルミナ基板1上に平坦なグレーズ層2が形成す
る。
【0044】厚さ0.6mmのセラミックス基板上に、
蓄熱層となるガラスグレーズ層2を、スパッタリング法
によって厚み30ミクロンメートルで形成する。
【0045】前記グレーズ層2の上に五酸化タンタルT
25製の発熱抵抗体3をスパッタリング法で形成され
る。更にスパッタリング法でアルミニウム電極層4を膜
厚約1ミクロンメートルで成膜し、エッチング処理によ
り所定の形状にパタ−ンニングする。
【0046】更にSi34製の耐摩耗保護層5をスパッ
タリング法で厚み5ミクロンメートルほど被着する。さ
らに低融点にするためPbOを、耐摩耗性向上のためS
iCを、添加しつつ最外層に厚さ5ミクロンメートルの
SiO2保護膜を印刷し焼成法によって形成する。
【0047】所定の接続端子に電気的につなぎ、プリン
タとして完成しサーマル紙に印字させた。評価用のサー
マル紙として、サーマルヘッドに摩耗の少ない普通紙と
無機質が多くサーマルヘッドに対する摩耗作用が顕著な
粗悪紙を使った印字耐久試験の結果は、表1の様になっ
た。
【0048】印字も鮮明で、保護膜5の摩耗量の少ない
良好なサーマルヘッドとなった。印字は300万ライン
の印字耐久試験でも鮮明であり、抵抗値の変動や印字不
具合等の不良は発生しなかった。
【0049】つまり、曲率半径が大きい保護膜5にサー
マル紙が高速で接触すると保護膜5に水平方向のダメー
ジが加わり、保護膜5に引っかき摩耗につながる課題が
発生してきた。しかし、印字や走行時にサーマル紙の摩
耗紙への衝撃力は、比較的低硬度の保護膜5のクッショ
ン作用(塑性変形)で弱められ、耐久時の摩耗作用を大
幅に軽減する事になった。結果、実施例2のサーマルヘ
ッドの保護膜5に高硬度材質のSiCが含まれるため、
摩耗性が高いサーマル紙に対して、保護膜摩耗量を低減
する事ができた。
【0050】(実施例3) :薄膜+C−SiC保護膜
の場合 図3を用いて本発明のサーマルヘッドの実施例3を説明
する。アルミナ基板1上に平坦なグレーズ層2が形成す
る。
【0051】厚さ0.6mmのセラミックス基板上に、
蓄熱層となるガラスグレーズ層2を、スパッタリング法
によって厚み25ミクロンメートルで形成する。
【0052】前記グレーズ層2の上に五酸化タンタルT
25製の発熱抵抗体3をスパッタリング法で形成され
る。更にスパッタリング法でアルミニウム電極層4を膜
厚約1ミクロンメートルで成膜し、エッチング処理によ
り所定の形状にパタ−ンニングする。
【0053】更にSi34保護層5をスパッタリング法
で厚み5ミクロンメートルほど被着する。さらに低融点
にするためPbOを、耐摩耗性向上のためC−SiC
を、添加しつつ最外層に厚さ5ミクロンメートルのSi
2保護膜を印刷し焼成法によって形成する。
【0054】所定の接続端子に電気的につなぎ、プリン
タとして完成しサーマル紙に印字させた。評価用のサー
マル紙として、サーマルヘッドに摩耗の少ない普通紙と
無機質が多くサーマルヘッドに対する摩耗作用が顕著な
粗悪紙を使った印字耐久試験の結果は、表1の様になっ
た。印字も鮮明で、保護膜5の摩耗量の少ない良好なサ
ーマルヘッドとなった。印字は300万ラインの印字耐
久試験でも鮮明であり、抵抗値の変動や印字不具合等の
不良は発生しなかった。
【0055】(従来例) :薄膜の場合 アルミナ基板1上に平坦なグレーズ層2が形成された本
発明のサーマルヘッドの実施例を図1を用いて説明す
る。
【0056】アルミナ純度が95%以上のアルミナ系セ
ラミックを厚さ0.6mmに印刷法で形成したセラミッ
クス基板上に、蓄熱層となるガラスグレーズ層2を、ス
パッタリング法によって形成する。
【0057】その工程は、セラミックス基板をホウケイ
酸ガラスを所定の形状に印刷し、350度45分の焼成
法で、膜厚70ミクロンメートルで成膜する。
【0058】このグレーズ層2の上に五酸化タンタルT
25製の発熱抵抗体3をスパッタリング法や蒸着法等
の成膜法で形成される。発熱抵抗体3は五酸化タンタル
Ta 25を使用したが、他にTa−SiO2、TiO2
Cr−SiO2、Nb−SiO2 、TaN等が使用でき
る。
【0059】更にスパッタリング法でアルミニウム電極
層4を膜厚約1ミクロンメートルで成膜し、エッチング
処理により所定の形状にパタンニングする。
【0060】さらに最外層にSi34製の耐摩耗保護層
5をスパッタリング法で厚み10ミクロンメートルほど
被着する。所定の接続端子に電気的につなぎ、プリンタ
として完成しサーマル紙に印字させた。評価用のサーマ
ル紙として、サーマルヘッドに摩耗の少ない普通紙と無
機質が多くサーマルヘッドに対する摩耗作用が顕著な粗
悪紙を使った印字耐久試験の結果は、表1の様になっ
た。印字は100万ラインから300万ラインの印字耐
久試験で不鮮明になり、抵抗値の変動不具合とドット抜
け不良も頻発した。さらに裏付けるように保護膜5の摩
耗量は急激に拡大し、実使用上多くの課題を発生すると
思われる不良なサーマルヘッドとなった。
【0061】本発明は、Si34の保護膜5の上層にS
iO2保護膜6を形成したが、SiO2保護膜6の上層に
Si34を形成しても構わないものである。
【0062】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、従
来困難であった焼成方法によるグレーズ層の小さな曲率
半径を解消し、平坦なグレーズ層の形成が精密にきわめ
て簡単に調節することができる。また本発明では摩耗性
の高いサーマル紙に対して保護膜へのダメージが大幅に
軽減化され、高速印字への対応と耐久性向上ができる。
さらに、グレーズ層の放熱特性が向上し、発熱や冷却の
速度が速くなり、より鮮明な印字が可能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1によるサーマルヘッドの断面
図である。
【図2】従来例によるサーマルヘッドの断面図である。
【図3】本発明の実施例2によるサーマルヘッドの断面
図である。
【図4】本発明の実施例3によるサーマルヘッドの断面
図である。
【符号の説明】
1 アルミナ基板 2 グレーズ層 3 発熱抵抗体 4 電極層 5 Si34保護膜 6 SiO2系保護膜 7 SiCのSiO2系保護膜 8 C-SiCのSiO2系保護膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中嶋 聡 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコ ーエプソン株式会社内 Fターム(参考) 2C065 JC08 JC12 JF03 JF05 JF11 JF12 JF14 JH05 JH11

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁基板上に形成された厚み0.1から
    40ミクロンメートルのガラスグレーズ層と、 該ガラスグレーズ層の上部に所定の形状で積層された発
    熱抵抗体とアルミ配線と、前記発熱体と前記アルミ配線
    の上部に、Si34の保護膜およびSiO2の保護膜か
    らなる2層の保護膜とを有することを特徴とするサーマ
    ルヘッド。
  2. 【請求項2】 前記SiO2の保護膜の曲率半径が10
    mm以上に形成することを特徴とする請求項1記載のサ
    ーマルヘッド。
  3. 【請求項3】 前記SiO2の保護膜にSiCを添加溶
    融し形成することを特徴とする請求項1又は2記載のサ
    ーマルヘッド。
  4. 【請求項4】 前記SiO2の保護膜にC−SiCを溶
    融添加し形成することを特徴とする請求項1乃至3記載
    のサーマルヘッド。
  5. 【請求項5】 前記グレーズ層をスパッタリング法で形
    成することを特徴とする請求項1乃至4記載のサーマル
    ヘッド製造方法。
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