JP2002307168A - アークスタッド溶接ガン - Google Patents

アークスタッド溶接ガン

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JP2002307168A
JP2002307168A JP2001110717A JP2001110717A JP2002307168A JP 2002307168 A JP2002307168 A JP 2002307168A JP 2001110717 A JP2001110717 A JP 2001110717A JP 2001110717 A JP2001110717 A JP 2001110717A JP 2002307168 A JP2002307168 A JP 2002307168A
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stud
arc
deck plate
welding
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JP2001110717A
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English (en)
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Toshimasa Endo
年誠 遠藤
Satoshi Murayama
聡 村山
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Okabe Co Ltd
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Okabe Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】スタッドの下端部と母材との間にデッキプレー
トが介在した状態でアークスタッド溶接を実施する際に
生じる溶融金属の飛散を低減して、溶接精度を向上する
とともに作業性を改善する。 【解決手段】スタッド9の下端部と被溶接物としての母
材10との間にデッキプレート13が介在した状態でア
ークを形成してスタッド9を母材10に溶植する際に、
スタッド9の下端外周部に配設されるアークシールド1
2を保持ベース17及び保持部材19,20を介して下
方へ押圧した状態においてアークを形成する。これによ
り、アークシールド12の少なくとも一部がデッキプレ
ート13の溶融により下方へ突抜けて溶融金属の飛散を
防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スタッドの下端部
と被溶接物としての母材との間にアークを形成してスタ
ッドを母材に溶植するアークスタッド溶接に関する。よ
り詳しくは、スタッドと母材との間にデッキプレートが
介在する場合に対応したアークスタッド溶接ガンに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来のアークスタッド溶接においては、
ガン本体に支持ロッドを介して高さ調整可能に設けられ
た支持脚部を母材上に載置した状態で溶接作業が実施さ
れている。この作業形態はスタッドの下端部と母材との
間にデッキプレートが介在した状態で溶接を実施する場
合にも同様であり、実際にはデッキプレートの下方の母
材との間隙から溶融金属が飛散して作業に危険が伴うと
いう問題があった。特に、デッキプレートと母材との間
の間隙が大きい場合には、溶接時の溶融金属の飛散が激
しく、溶接を実施すること自体が困難な場合もあった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上のよう
な従来技術の問題点を解決するためになされたもので、
スタッドの下端部と母材との間にデッキプレートが介在
した状態で溶接を実施する際に生じる溶融金属の飛散を
低減して、溶接精度を向上するとともに作業性を改善す
ることを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】幾多の実験研究により、
従来のアークスタッド溶接ガンにより、スタッドの下端
部と母材との間にデッキプレートが介在した状態で溶接
を実施した場合に、溶融金属が飛散する原因が確認され
ている。すなわち、従来のアークスタッド溶接ガンでは
アークシールドがデッキプレート上に載置される支持脚
部に装着され、溶接中にアークシールドがデッキプレー
トより下方へ下降する構造は採用されていないため、溶
融金属がアークシールドにより囲まれていないデッキプ
レートの下方の母材との隙間から外部へ飛散することが
判明している。本発明では、この点に着目して、デッキ
プレートの下方の母材との隙間からの溶融金属の飛散を
防止すべく、溶接ガンを改良した。
【0005】請求項1の発明では、アークスタッド溶接
ガンを構成するガン本体に支持された保持ベースとスタ
ッドの下端外周部に配設されるアークシールドとの間に
保持部材を介在させて両者を所定の間隔に保持し、母材
との間にデッキプレートが介在した状態でスタッドを溶
接する際には、前記保持ベース及び保持部材を介してア
ークシールドをデッキプレート上に押圧しながらアーク
を形成することにより、前記アークシールドの少なくと
も一部がデッキプレートの溶融により下方へ突抜けて溶
融金属の飛散を防止するという技術手段を採用した。ま
た、請求項2の発明では、アークスタッド溶接ガンを構
成するガン本体に溶接ガンを支持する支持脚部を設ける
とともに、スタッドの下端外周部に配設されるアークシ
ールドを下方に押圧する押圧手段を設け、母材との間に
デッキプレートが介在した状態でスタッドを溶接する際
には、前記支持脚部をデッキプレート上に当接させると
ともに、アークシールドを前記押圧手段によりデッキプ
レート上に押圧しながらアークを形成することにより、
前記アークシールドの少なくとも一部がデッキプレート
の溶融により下方へ突抜けて溶融金属の飛散を防止する
という技術手段を採用した。さらに、請求項3の発明で
は、前記スタッドの周囲を磁性体により囲うという技術
手段を採用した。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明は、母材に接触させたスタ
ッドを制御手段により自動的に引上げてアークを発生さ
せるコンタクト方式や、スタッドの先端部にセットした
キャップを母材に接触させてアークを発生させるギャッ
プ方式などのアークスタッド溶接に広く適用することが
できる。すなわち、スタッドの下端部と母材との間でア
ークを形成し、そのアークにより生じる溶融金属によっ
てスタッドを母材に溶植するものであれば、広く適用が
可能である。また、スタッドの形状や直径のいかんに関
わらず広く適用することができる。例えば、種々の寸法
の頭付きスタッドや異形スタッドなどに適用できる。な
お、本発明は、スタッドの下端部と母材との間にデッキ
プレートが介在した状態で溶接するデッキ貫通溶接の形
態を主眼とするものであるが、本発明に係る溶接ガン
は、デッキプレートを介在せずにスタッドを母材に直接
溶接する形態の場合にも使用し得ることはいうまでもな
い。さらに、ガン本体に支持された保持ベースとアーク
シールドとの間に設置される前記保持部材等を磁性体で
構成するなどして、スタッドの周囲を磁性体により囲う
ようにすれば、溶接時に母材側に発生する磁気作用によ
って生じる、いわゆるアークブロー現象等を軽減するこ
とができる。また、これにより、溶接時のアークによっ
てスタッドの直下のデッキプレート部分が的確に溶融さ
れ、アークシールドが通過し得る開口部が安定的に形成
されるので、アークシールドの下方への突抜けによる溶
融金属の飛散防止機能をより確実に発揮することがで
き、精度のよい溶接状態を効率的に得ることが可能にな
る。
【0007】
【実施例】以下、図面を用いて本発明の実施例に関して
説明する。図1は本発明のアークスタッド溶接ガンに関
する一実施例を示した概略全体図であり、図2はその要
部を拡大して示した要部拡大図である。図示のように、
本実施例に係る溶接ガン1は、公知のように、ガン本体
2の握り部3に設けた操作用ボタン4を操作することに
より、溶接用ケーブル5,6からアダプタ7及びチャッ
ク8を介して該チャック8に装着したスタッド9に溶接
電流を供給し、鉄骨等の被溶接物としての母材10との
間でアーク放電を起すように構成されている。電源の極
性に関しては、母材10側がプラス、スタッド9側がマ
イナスに接続される。また、本実施例では、図2に示し
たように、スタッド9の下端部にアーク発生用のキャッ
プ11をセットし、その外周をアークシールド12で囲
むギャップ方式を採用した場合を例示した。なお、図
中、13は母材10上に載置されたデッキプレートであ
る。また、14は絶縁部材であり、溶接用ケーブル6に
接続したアダプタ7とガン本体2に内装された作動シャ
フトとの間を電気的に絶縁している。しかして、操作用
ボタン4を押圧操作すると、スタッド9に溶接電流が供
給され、母材10との間でアーク放電が開始されるとと
もに、ガン本体2内に設置された電磁機構に通電され、
絶縁部材14と一体的に進退動作する作動シャフトを固
持してスタッド9の位置が保持される。そして、スタッ
ド9の下端部の溶け代を溶融するのに要する溶融時間を
勘案して予め設定した時間が経過すると、電磁機構への
通電が停止され、前記作動シャフトの固持が解除され
る。その結果、ガン本体2に内装されたスプリングの弾
性力により作動シャフトが前進し、絶縁部材14、アダ
プタ7及びチャック8を介してスタッド9の下端部がア
ーク放電により形成された溶融金属中に突入して溶接が
行われることになる。なお、スタッド9の下端部の溶融
金属中への突入の直後に、前記溶接電流の供給は停止さ
れる。
【0008】次に、本発明の特徴部分に関して詳細に説
明する。図1及び図2に示したように、本実施例では、
ガン本体2に設けられた固定部15に離して装着された
2本の支持用ロッド16の下端部に保持ベース17を固
着し、該保持ベース17の下面に形成した係合凹部18
を介して、鋼材等の磁性体などからなりスタッド9が通
過可能な間隙部を形成した円弧状の上下の保持部材1
9,20を係合し、その下部にアークシールド12をセ
ットすることにより、保持ベース17との間を所定の間
隔に保持するように構成しており、この点に特徴を有す
るものである。上方の保持部材19には、上端部に保持
ベース17に形成した係合凹部18に係合可能な係合凸
部21が形成され、下端部に係合凹部22が形成されて
いる。下方の保持部材20には、上端部に前記係合凹部
22に係合可能な係合凸部23が形成され、下端部にア
ークシールド12の上部に係合可能な係合凹部24が形
成されている。そして、それらの係合凹部と係合凸部を
それぞれ係合し、係合凹部24にアークシールド12を
係合することにより、図2に示した溶接直前の準備状態
がセットされる。なお、本実施例では、保持部材19,
20は、それぞれスタッド9が通過可能な間隙部を備え
た円弧状に形成されており、係合凹部22と係合凸部2
3を係合して両者を組合わせたセット状態において、平
面形状が図3のA−A断面図に示したようにリング状を
形成するように構成している。したがって、溶接後にお
いては、スタッド9のように頭付きスタッドの場合で
も、前記間隙部を介して上下の保持部材19,20を個
々に取外すことが可能である。
【0009】しかして、溶接作業に当っては、先ず支持
用ロッド16の固定位置を蝶ネジ25により調整するこ
とにより保持ベース17の高さを調整して、スタッド9
の溶け代に関する設定を行う。すなわち、チャック8に
スタッド9を装着し、そのスタッド9の周囲に図2のよ
うに保持部材19,20及びアークシールド12をセッ
トした上、チャック8を前進させた状態において、アー
クシールド12の下端より突出するスタッド9の突出量
が溶け代に適合するように、支持用ロッド16の締付け
位置を介して保持ベース17の高さ位置を調整する。な
お、この場合、デッキプレート13の介在によりスタッ
ド9と母材10との間隙が拡大されるので、その点を勘
案して所定の溶け代が確保できるようにスタッド9の突
出量を十分な大きさに設定する。
【0010】保持ベース17の高さ調整によるスタッド
9の溶け代に関する設定が済んだら溶接作業に移行す
る。溶接作業は、図2に示したように、保持ベース17
の下方に保持部材19,20をセットするとともに、そ
の下方にアークシールド12をセットした状態で、母材
10上に載置したデッキプレート13の上面にアークシ
ールド12の下面を押付けながら操作用ボタン4を押圧
操作することにより行われる。この場合、スタッド9の
下部にセットされたキャップ11がデッキプレート13
上に当接した状態でガン本体2が押下される結果、前記
溶け代の設定で突出させた分、スタッド9が相対的に押
上げられ、ガン本体2に内装した前記作動シャフトを介
してスプリングが圧縮変形する。そして、操作用ボタン
4が押圧操作されると、前述のように、スタッド9に溶
接電流が供給され、母材10との間でアーク放電が開始
されるとともに、ガン本体2内に設置された電磁機構に
通電されて前記作動シャフトが固持され、スタッド9は
上方へ押上げられた位置で保持される。ここで、重要な
ことは、アーク放電が開始され、アークによりデッキプ
レート13が溶けてアークシールド12が通過し得る十
分な大きさの開口部が形成されると、図4に示したよう
に、アークシールド12の下部がその開口部を介して下
方へ突抜け、アークシールド12の下面が母材10の上
面に当接ないし近接することにより、溶融金属の飛散が
防止されるということである。この場合、前述のよう
に、保持部材19,20を磁性体で構成すれば、いわゆ
るアークブロー現象を軽減することができ、アークによ
ってスタッド9の直下部分のデッキプレート13が的確
に溶融され、アークシールド12が通過し得る開口部が
安定的に形成されるので、アークシールド12の下方へ
の突抜けによる溶融金属の飛散防止機能をより確実に発
揮できることが実験的にも確認されている。そして、設
定時間が経過すると、電磁機構への通電が停止して前記
作動シャフトの固持が解除され、ガン本体2に内装され
たスプリングの弾性力により作動シャフトが前進して、
絶縁部材14、アダプタ7及びチャック8を介してスタ
ッド9の下端部がキャップ11の高さに溶け代として設
定した長さを加えた分だけ下降し、アーク放電により形
成された溶融金属中に突入して溶接が行われることにな
る。このスタッド9の溶融金属中への突入に伴う溶融金
属の飛散がアークシールド12により防止されることは
いうまでもない。前述のように、スタッド9の下端部が
溶融金属中へ突入した直後に、前記溶接電流の供給は停
止される。
【0011】以上のように、本発明によれば、ガン本体
2に支持用ロッド16を介して支持された保持ベース1
7の下方にセットした保持部材19,20の下方にアー
クシールド12をセットして、母材10上に載置したデ
ッキプレート13の上面にアークシールド12の下面を
押付けながらアーク溶接を実施するようにしたので、ア
ーク放電によりデッキプレート13が溶けて開口し、そ
の開口部がアークシールド12の下部が通過し得る大き
さまで拡大した時点では、アークシールド12が押付け
力により直ちに図4に示したように下降し、少なくとも
その一部がデッキプレート13を突抜けて母材10上に
当接ないし近接する。その結果、デッキプレート13の
下方の母材10との間隙からの溶融金属の飛散が防止さ
れ、とりわけスタッド9の溶融金属中への突入時の飛散
が効果的に防止される。したがって、溶融金属の飛散に
よる切り欠きや余盛りの偏向のない良好な溶接状態が安
定的に得られる。すなわち、従来技術では溶融金属の飛
散により安定した溶接が技術的に困難であり、スタッド
9と母材10との間隙が大きい場合には溶接自体が不可
能であった、デッキプレート13を介在した場合に対す
る溶接性能を大幅に改善することができる。そして、幾
多の実験研究により、スタッド9の下部周囲に配設され
る保持部材19,20を鋼材等の磁性体にて構成した場
合には、前述のように、アークブロー現象が軽減され、
スタッド9の直下のデッキプレート13が集中的に的確
に溶融されるだけでなく、母材の端部近傍における溶接
の場合にも、従来現場で行われているように端部側に鉄
片を置かなくとも、切り欠きや余盛りの偏向のない良好
な溶接状態が得られることが判明している。なお、保持
部材19,20の厚さや高さ、その具体的形状、材質等
によりアークブロー現象を軽減できる程度も違ってくる
ため、スタッド9の太さやデッキプレート13の厚さ等
に応じて、必要とされる保持部材19,20の厚さや高
さ等を実験等により求めて実施するようにすれば、より
効果的である。
【0012】アーク放電が終了した場合には、母材10
上に溶植されたスタッド9から保持部材19,20をそ
れぞれ間隙部を介して取外した上、チャック8をスタッ
ド9から離脱し保持ベース17の間隙部を介してガン本
体2を取外すことにより、所定の溶接作業が終了する。
しかる後、チャック8に次のスタッド9を装着し、前記
保持部材19,20を同様にセットして、以上の溶接作
業を繰返し実施することになる。
【0013】図5はアークスタッド溶接ガンに関する他
の実施例の要部を拡大して示した要部拡大図である。本
実施例は、本発明を前記ギャップ方式に替えてコンタク
ト方式に適用した一例を示したものである。前記実施例
と同様の構成部分には同じ符号を付して説明すると、本
実施例に係る溶接ガン26の場合には、前記キャップ1
1を用いずに、例えばスタッド9の下端部に形成した小
孔に嵌め込んだフラックスの先端部を母材10の上面に
接触させるようにした点で相違する。そして、本実施例
の場合には、操作用ボタン4が押圧操作されると、スタ
ッド9に弱い初期電流が供給されるとともに、ガン本体
に内装された電磁機構によりスタッド9が引上げられ、
その際に前記初期電流によりフラックス部分にパイロッ
トアークが発生する。しかる後、電流が増大して目的の
アーク溶接が行われることになる。以上のように、本実
施例は、アークの形成の仕方に関しては異なるが、デッ
キプレート13が介在する場合における溶融金属の飛散
防止に関しては、前記実施例と全く同様の機能を奏し、
溶融金属の飛散による切り欠きや余盛りの偏向のない良
好な溶接状態が安定的に得られる。
【0014】図6〜図9は保持部材に関する他の実施例
を示した斜視図である。図6の実施例に係る保持部材2
7は、完全な円筒状に形成したものである。この保持部
材27の場合には分解ができないため、頭部を有しない
異形スタッドなどに対して好適である。例えば、頭付き
スタッドなどに対しては、溶接後のスタッドから外れる
ように、頭部の外径より大きい内径のものを使用する必
要がある。図7の実施例に係る保持部材28は、円筒の
一部を開閉部29として、ヒンジ30により回動可能に
構成したものである。この保持部材28の場合には、開
閉部29を開くことにより溶接後のスタッドから簡便に
外すことが可能なことから、内径に関する制約は解消さ
れる。なお、ヒンジ30部分に戻しバネ31を付設して
開閉部29を閉じる方向に付勢することも有効である。
図8の実施例に係る保持部材32は、円筒の一部を開閉
部33として、溝部34と凸部35との係合によりスラ
イド可能に構成したものである。なお、溝部34の下端
部に係止段部36を形成したり開閉部33の上端部に係
止ツバ部を形成することにより、開閉部33が下方へ抜
落ちないように構成できる。図9の実施例に係る保持部
材37は、内面を円形、外面を多角形に形成し、その一
部を開閉部38に構成したものである。なお、開閉部3
8は、ヒンジ39あるいは溝結合等を介して回動ないし
スライドさせることにより開閉可能に構成される。
【0015】図10は本発明に係る他の形態の実施例の
要部を拡大して示した要部拡大図である。本実施例にお
いては、前記実施例と同様にガン本体2の固定部15に
離して装着された2本の支持用ロッド40を用い、保持
ベース41に貫通させ、その支持用ロッド40に外嵌し
たスプリング42により保持ベース41を下方へ押圧す
るように構成するとともに、下端部に支持脚部43を固
定し、溶接ガンの荷重を支持するように構成した点で特
徴を有する。すなわち、本実施例を使用するに際して
は、支持脚部43の各脚部44を母材10上に載置され
たデッキプレート13の上面に当接させ、支持用ロッド
40を介して作用する溶接ガンの荷重を支持する。他
方、保持ベース41の下方に上下の保持部材19,20
を係合し、その下部にアークシールド12をセットする
ことにより、保持ベース41とアークシールド12との
間を所定の間隔に保持する点では、前記実施例の場合と
同様であり、またそれらの係合手段に関しても異なると
ころはない。ただ、アークシールド12をデッキプレー
ト13の上面に押付ける押圧手段として前記スプリング
42を採用した点で特徴を有する。なお、本実施例で
は、アークシールド12の押圧手段として、スプリング
42を支持用ロッド40に外嵌した形態を採用したが、
保持ベース41と保持部材間ないし保持部材相互間に弾
性手段を組込む形態も可能である。
【0016】しかして、本実施例の場合には、溶接ガン
に作用する荷重は、支持脚部43の各脚部44を介して
デッキプレート13により支持されることから、より安
定した姿勢で溶接作業を実施することができる。しか
も、押圧手段としてのスプリング42によりアークシー
ルド12が溶接中、デッキプレート13上に押圧される
ことから、アークによりアークシールド12の直下部分
のデッキプレート13が溶けてアークシールド12が通
過し得る開口部が形成され次第、直ちにアークシールド
12の下部が突抜けて母材10上に当接ないし近接す
る。その結果、前記実施例と同様に、デッキプレート1
3の下方の母材10との間隙からの溶融金属の飛散が防
止され、とりわけスタッド9の溶融金属中への突入時の
飛散が効果的に防止されることになる。すなわち、本実
施例によれば、溶接ガンに作用する荷重は支持脚部43
を介してデッキプレート13により支持されるととも
に、アークシールド12はスプリング42からなる押圧
手段によりデッキプレート13に十分な開口が形成され
次第、直ちに自動的に下降するので、作業負担を軽減で
きるとともに、熟練度による個人差を解消し、安定した
溶接作業が可能になる。
【0017】
【発明の効果】本発明によれば、次の効果を得ることが
できる。 (1)被溶接物としての母材上にデッキプレートが介在
する溶接においても、溶接中のアークシールドの下降に
より、デッキプレートの下方の母材との間隙からの溶融
金属の飛散が的確に防止されるので、従来、デッキプレ
ートが介在すると技術的に困難であった、切り欠きや余
盛りの偏向のない良好な溶接状態が簡便かつ安定的に得
られる。 (2)溶接ガンの荷重を支持脚部で支持するとともに、
アークシールドを押圧手段によりデッキプレート上に押
付けながらアークを形成するようにすれば、作業負担を
軽減できるとともに、熟練度による個人差を解消し、安
定した溶接作業が可能になる。 (3)さらに、スタッドの周囲を磁性体により囲うよう
にすれば、アークブロー現象が軽減され、アークによる
デッキプレートの開口が更に安定化して良好な溶接作業
が可能になる。 (4)また、母材の端部近傍に溶接する場合でも、従来
のように端部側に鉄片を置かなくとも精度のよい溶接が
可能となることから作業性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例を示した概略全体図である。
【図2】 同実施例の要部を拡大して示した要部拡大図
である。
【図3】 図2のA−A断面を拡大して示したA−A断
面図である。
【図4】 アークシールドの下降状態を示した断面説明
図である。
【図5】 本発明の他の実施例の要部を拡大して示した
要部拡大図である。
【図6】 保持部材に関する他の実施例を示した斜視図
である。
【図7】 保持部材に関する他の実施例を示した斜視図
である。
【図8】 保持部材に関する他の実施例を示した斜視図
である。
【図9】 保持部材に関する他の実施例を示した斜視図
である。
【図10】 本発明に係る他の形態の実施例の要部を拡
大して示した要部拡 大図である。
【符号の説明】
1…溶接ガン、2…ガン本体、3…握り部、4…操作用
ボタン、5,6…溶接用ケーブル、7…アダプタ、8…
チャック、9…スタッド、10…母材、11…キャッ
プ、12…アークシールド、13…デッキプレート、1
4…絶縁部材、15…固定部、16…支持用ロッド、1
7…保持ベース、18…係合凹部、19,20…保持部
材、21…係合凸部、22…係合凹部、23…係合凸
部、24…係合凹部、25…蝶ネジ、26…溶接ガン、
27,28…保持部材、29…開閉部、30…ヒンジ、
31…戻しバネ、32…保持部材、33…開閉部、34
…溝部、35…凸部、36…係止段部、37…保持部
材、38…開閉部、39…ヒンジ、40…支持用ロッ
ド、41…保持ベース、42…スプリング、43…支持
脚部、44…脚部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スタッドの下端部と被溶接物としての母
    材との間にアークを形成してスタッドを母材に溶植する
    アークスタッド溶接ガンにおいて、そのガン本体に支持
    された保持ベースとスタッドの下端外周部に配設される
    アークシールドとの間に保持部材を介在させて両者を所
    定の間隔に保持し、母材との間にデッキプレートが介在
    した状態でスタッドを溶接する際には、前記保持ベース
    及び保持部材を介してアークシールドをデッキプレート
    上に押圧しながらアークを形成することにより、前記ア
    ークシールドの少なくとも一部がデッキプレートの溶融
    により下方へ突抜けて溶融金属の飛散を防止し得るよう
    に構成したことを特徴とするアークスタッド溶接ガン。
  2. 【請求項2】 スタッドの下端部と被溶接物としての母
    材との間にアークを形成してスタッドを母材に溶植する
    アークスタッド溶接ガンにおいて、そのガン本体に溶接
    ガンを支持する支持脚部を設けるとともに、スタッドの
    下端外周部に配設されるアークシールドを下方に押圧す
    る押圧手段を設け、母材との間にデッキプレートが介在
    した状態でスタッドを溶接する際には、前記支持脚部を
    デッキプレート上に当接させるとともに、アークシール
    ドを前記押圧手段によりデッキプレート上に押圧しなが
    らアークを形成することにより、前記アークシールドの
    少なくとも一部がデッキプレートの溶融により下方へ突
    抜けて溶融金属の飛散を防止し得るように構成したこと
    を特徴とするアークスタッド溶接ガン。
  3. 【請求項3】 前記スタッドの周囲を磁性体により囲う
    ように構成したことを特徴とする請求項1又は2に記載
    のアークスタッド溶接ガン。
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