JP2002307156A - ダイキャスト方法および金型装置 - Google Patents

ダイキャスト方法および金型装置

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JP2002307156A
JP2002307156A JP2001112310A JP2001112310A JP2002307156A JP 2002307156 A JP2002307156 A JP 2002307156A JP 2001112310 A JP2001112310 A JP 2001112310A JP 2001112310 A JP2001112310 A JP 2001112310A JP 2002307156 A JP2002307156 A JP 2002307156A
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casting
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slide core
mold
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Osamu Hiramatsu
修 平松
Masahiro Kawaguchi
真広 川口
Masaki Ota
太田  雅樹
Masabumi Ito
正文 伊藤
Yoshiharu Yoshida
吉田  義治
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Toyota Industries Corp
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Toyota Industries Corp
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    • B22D17/00Pressure die casting or injection die casting, i.e. casting in which the metal is forced into a mould under high pressure
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    • B22D17/22Dies; Die plates; Die supports; Cooling equipment for dies; Accessories for loosening and ejecting castings from dies
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  • Mechanical Engineering (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】抜き勾配の小さい内周面または外周面を有する
鋳造品を得る。 【解決手段】金型装置は、固定型224,可動型226
および固定型224に相対回転可能かつ軸方向に相対移
動可能に設けられたスライドコア250を備える。固定
型224と可動型226とがパーティング面230,2
32において密着した状態で、スライドコア250がキ
ャビティ面240,242によって形成される内部空間
内に位置し、鋳造品220の形状に対応するキャビティ
236を形成する。スライドコア250の外周面により
鋳造品220の内周面を成形する。キャビティ236内
に金属の溶湯を注入し、溶湯が凝固して鋳造品220が
成形された後に、スライドコア250を鋳造品220に
対して回転させつつ離脱させる(矢印A)。鋳造品22
0の直径が均一な円筒面とすることが必要なストレート
内周面130,132,134を成形することができ、
鋳造品220の内周面の機械加工を少なくするか、ある
いは不要にすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は円筒またはそれに近
い形状の内周面と外周面との少なくとも一方を備えた鋳
造品を鋳造する方法およびその方法の実施に好適な金型
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】金型装置を用いて鋳造品を鋳造するダイ
キャスト方法により鋳造品を鋳造する際、鋳造品に円筒
またはそれに近い形状の内周面を形成することが必要に
なる場合がある。例えば、アルミニウム合金により可変
容量型斜板式圧縮機のハウジングを鋳造する場合に、斜
板室の圧力を制御する制御弁用の弁穴が必要になった
り、斜板式圧縮機のシリンダブロックを鋳造する場合に
シリンダボアが必要になったりするのである。これら弁
穴やシリンダボアの内周面は、直径が一定の円筒面とさ
れることが必要であるが、鋳造時には、それらを成形す
るスライドコアを鋳造品から離脱させるために、抜き勾
配を付けることが必要となる。抜き勾配なしで鋳造し、
無理に鋳造品を金型装置から離脱させると、鋳造品の内
周面を形成している部分の一部が欠ける「かじり」と称
される欠陥が生じるからである。また、離脱に要する力
である離脱所要力が大きくなって、金型装置全体の大型
化や耐久性低下の一因になる。そのため、抜き勾配を付
けた鋳造品を鋳造し、後に内周面を工作機械により切削
加工せざるを得ず、しかも、抜き勾配の存在により取り
代が大きくなることを避け得なかった。
【0003】それに対し、特開平7−60399号公報
に、鋳造品の内周面の抜き勾配を可及的に小さくするた
めの一方法が提案されている。上記スライドコアを、鋳
造品の材料の熱膨張率と同等以上の熱膨張率をもつ材料
により形成するのである。このようにすれば、溶湯金属
が凝固して鋳造品となる時点にはスライドコアが鋳造品
とほぼ同じ温度に加熱されており、その後、鋳造品の温
度低下と共にスライドコアの温度も低下する。そして、
スライドコアが鋳造品の材料と同等以上の熱膨張率を有
する材料から成るため、鋳造品の収縮量と同等以上の収
縮がスライドコアに生じる。したがって、スライドコア
を鋳造品から離脱させることが容易となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題,課題解決手段および効
果】しかしながら、上記公報に記載の方法には、スライ
ドコアの材料が、金型に適する材料であって、しかも、
鋳造品の材料と同等以上の熱膨張率を有するものに限定
されてしまう問題があった。また、鋳造品の外周面の抜
き勾配をなくし、あるいは小さくするためには利用でき
ない。本発明は、以上の事情を背景とし、鋳造品の断面
形状が円形である内周面と外周面との少なくとも一方
を、抜き勾配なしで、あるいは従来より小さい抜き勾配
で形成することを可能にすることを課題としてなされた
ものであり、本発明によって、下記各態様のダイキャス
ト方法および金型装置が得られる。各態様は請求項と同
様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他
の項の番号を引用する形式で記載する。これは、あくま
でも本発明の理解を容易にするためであり、本明細書に
記載の技術的特徴およびそれらの組合わせが以下の各項
に記載のものに限定されると解釈されるべきではない。
また、一つの項に複数の事項が記載されている場合、そ
れら複数の事項を常に一緒に採用しなければならないわ
けではない。一部の事項のみを選択して採用することも
可能なのである。
【0005】なお、以下の各項において、 (1)項が請求
項1に相当し、 (2)項が請求項2に、 (7)項が請求項3
に、 (8)項が請求項4にそれぞれ相当し、(10)項と(11)
項とを合わせたものが請求項5に相当する。
【0006】(1)断面形状が円形である内周面と外周
面との少なくとも一方を備えた鋳造品を、内部にキャビ
ティを備えた金型装置により鋳造する方法であって、前
記キャビティに溶湯を注入し、溶湯が凝固して前記鋳造
品が成形された後に、前記金型装置の前記内周面または
外周面を成形した部分と鋳造品とを相対回転させつつ両
者を離脱させることを特徴とするダイキャスト方法。
【0007】鋳造品に内周面または外周面を形成する必
要がある場合には、金型装置にそれら内周面または外周
面を成形する外周面または内周面を形成し、キャビティ
を画定するキャビティ面の一部を構成するようにする。
鋳造品は断面形状が円形である内周面と外周面との一方
のみを備えたものでも、両方を備えたものでもよい。ま
た、内周面と外周面との両方を備えているからといっ
て、その両方ともに本発明を適用することは不可欠では
なく、内周面と外周面との一方を複数個備えている場合
も、それらすべてに本発明を適用することは不可欠では
ない。それらの1個以上に本発明を適用すればよいので
ある。
【0008】溶湯の凝固後に、鋳造品の内周面または外
周面を備えた部分を、金型装置のそれら内周面または外
周面を成形した部分から離脱させるのであるが、その
際、両者を単純な軸方向相対移動によって離脱させるよ
り、軸方向相対移動に相対回転を組み合わせた複合運動
によって離脱させる方が容易である。したがって、鋳造
品の内周面または外周面の抜き勾配を従来より小さくし
ても金型装置から離脱させることができ、内周面や外周
面の直径と軸方向長さとの比や、鋳造品の内周面や外周
面を備えた部分と金型装置のそれら部分を成形する部分
との熱膨張率の関係等の条件によっては、抜き勾配を零
とすることも可能になる。したがって、本発明は、必ず
しも前記公報に記載の技術の適用を排除するものではな
く、併用することも可能であり、その場合には、鋳造品
の内周面や外周面を成形する金型装置の部材の材質の選
択可能範囲が広がる効果が得られる。
【0009】本発明の採用によって、鋳造品の内周面ま
たは外周面の抜き勾配が小さくできれば、後の切削加工
の取り代を小さくすることができ、その分、材料の歩留
まりを向上させ、かつ切削加工コストを低減させること
ができる。あるいは、切削加工を省略して研削加工のみ
で内周面または外周面を仕上げることが可能になり、あ
るいは研削加工すら省略して機械加工を一切不要にし得
る場合もある。そして、機械加工を完全に省略し得る場
合には、製造コストを最も効果的に低減させ得ることは
勿論、鋳造品の内周面あるいは外周面に鋳造時に形成さ
れるチル層と称される硬い層がそのまま残存することと
なり、鋳造品の強度や耐摩耗性が向上する効果も得られ
る。以上の説明から明かなように、本発明は、最終的に
は直径が均一な円筒面とすることが必要な内周面あるい
は外周面に適用することを直接の目的としてなされたも
のであるが、勾配があっても差し支えない内周面や外周
面に適用することも可能である。この場合にも、抜き勾
配をなくし、あるいは小さくすることは、鋳造品から製
造される製品の重量軽減や、鋳造時における材料歩留ま
り向上等の観点から望ましいことなのである。 (2)前記鋳造品が円形穴を備えたものであり、前記金
型装置のその円形穴を成形した部分と前記鋳造品とを互
いに相対回転させつつ離間させる (1)項に記載のダイキ
ャスト方法。
【0010】前述のように、本発明によれば鋳造品の内
周面と外周面との両方の抜き勾配をなくし、あるいは小
さくすることができるのであるが、内周面に本発明を適
用する方が容易である場合が多い。例えば、内周面の成
形のために、従来から次項に記載のスライドコアが使用
されており、このスライドコアを軸方向移動のみならず
回転も可能にすることは容易なのである。 (3)前記金型装置として、断面形状が円形であり、金
型装置の本体部である金型とその金型に対して相対回転
および軸方向相対移動が可能なスライドコアとを備えた
ものを使用し、前記鋳造品の成形後に、スライドコアを
金型に対して回転させつつ前記円形穴から離脱させる
(2)項に記載のダイキャスト方法。 (4)前記内周面と外周面との少なくとも一方が、直径
が段階的に異なる部分を同心に複数備えたものである
(1)項ないし(3)項のいずれかに記載のダイキャスト方
法。
【0011】例えば、前述の弁穴は、直径が段階的に異
なる段付き穴とされることが多く、この場合には、深さ
が同じで全体の直径が均一である単純な円形穴に比較し
て鋳造品を金型装置から離脱させることが容易であり、
本項は本願発明の特に好適な実施形態の一つである。 (5)前記鋳造品が圧縮機のハウジングであり、前記内
周面がそのハウジングに形成された円形穴の内周面であ
る (1)項ないし (4)項のいずれかに記載のダイキャスト
方法。
【0012】前述の弁穴や、ハウジングの斜板室を囲む
部分に形成されて、ピストンに形成される自転防止部と
摺接し、ピストンの自転を防止する自転防止穴が上記円
形穴の例である。 (6)前記鋳造品が圧縮機のシリンダブロックであり、
前記内周面がそのシリンダブロックのシリンダボアの内
周面である (1)項ないし (4)項のいずれかに記載のダイ
キャスト方法。 (7)断面形状が円形である内周面と外周面との少なく
とも一方を備えた鋳造品を鋳造する金型装置であって、
前記内周面と外周面との一方を成形する部材が、前記鋳
造品のその一方以外の部分を成形する少なくとも1つの
部材に対して相対回転および軸方向相対移動が可能であ
り、かつ、それら両部材を相対回転させつつ軸方向に相
対移動させる駆動装置を含むことを特徴とする金型装
置。本金型装置は前記 (1)項に記載のダイキャスト方法
の実施に好適である。後に実施形態の項において説明す
るように、鋳造品の多くの部分が一対の金型により成形
され、その鋳造品の一部に断面形状が円形である内周面
と外周面との少なくとも一方が形成されることが多く、
その場合には、上記内周面あるいは内周面を形成する部
材が一対の金型の双方に対して相対回転および軸方向相
対移動可能とされるのが普通であるが、製品の形状によ
っては、内周面あるいは内周面を形成する部分を一対の
金型の一方である第一金型と一体に構成し、一対の金型
を相対回転させつつ開閉することにより、内周面あるい
は内周面を形成する部分を他方の金型である第二金型に
対して相対回転させることも可能である。なお、この場
合には、型開き時に鋳造品が第二金型側に残るようにす
ることが必要である。 (8)前記駆動装置が、前記相対回転と前記軸方向相対
移動との一方を生じさせる駆動源と、その一方に基づい
て相対回転と軸方向相対移動との他方を生じさせる運動
発生装置とを含む (7)項に記載の金型装置。
【0013】金型装置部材と鋳造品との相対回転と軸方
向相対移動との一方を駆動源により生じさせ、その一方
に基づいて他方を運動発生装置により発生させれば、1
つの駆動源により2つの運動を発生させることができ、
その分金型装置の構造を単純化し得る。 (9)前記内周面と外周面との一方を成形する部材が内
周面を成形する部材である (7)項または (8)項に記載の
金型装置。 (10)前記内周面を成形する部材がスライドコアを含
み、前記鋳造品の前記内周面以外の部分を成形する部材
が開閉可能な一対の金型を含む (7)項ないし (9)項のい
ずれかに記載の金型装置。 (11)前記駆動装置が、前記一対の金型の一方に対し
て軸方向相対移動可能な軸方向移動部材と、その軸方向
移動部材と前記金型の一方との間に設けられ、その一方
に対して軸方向移動部材を軸方向に移動させるアクチュ
エータと、前記軸方向移動部材と前記スライドコアとの
間に設けられ、軸方向移動部材とスライドコアとを相対
回転可能かつ軸方向に相対移動不能に接続する接続装置
と、前記金型の一方と前記スライドコアとにそれぞれ設
けられ、互いに係合することにより、それら金型の一方
とスライドコアとの軸方向の相対移動に伴ってそれら金
型の一方とスライドコアとの相対回転を生じさせる第一
係合部および第二係合部とを含む(10)項に記載の金型装
置。本項の駆動装置は前記 (8)項に記載の駆動装置の一
実施形態でもある。軸方向移動部材は上記金型の一方に
対して相対回転不能とされることが望ましい。なお、本
項の金型装置において、円形穴の内周面を成形するスラ
イドコアを、円形突部の外周面を成形する可動スリーブ
に変えれば、可動スリーブと円形突部との分離が容易と
なる。 (12)前記第一係合部と前記第二係合部とが、前記金
型の一方と前記スライドコアとの互いに嵌合する嵌合面
の一方と他方とにそれぞれ設けられ、スライドコアの軸
方向に対して傾斜した方向に延びる傾斜溝部を有する係
合溝とその係合溝に嵌入した係合突部とを含む(11)項に
記載の金型装置。本項に記載の特徴によれば、(11)項に
おける第一,第二係合部を容易に構成することができ
る。特に、係合溝をスライドコアの嵌合面(外周面)
に、係合突部を金型の嵌合面(内周面)に設ければ、逆
にする場合に比較して、係合溝の機械加工が容易となる
利点がある。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態である
金型装置を使用し、かつ、本発明の一実施形態であるダ
イキャスト方法により製造される斜板式圧縮機を例に取
り、図面に基づいて詳細に説明する。図1に本実施形態
における自動車用空調装置に用いられる斜板式圧縮機を
示す。図1において、10はシリンダブロックであり、
シリンダブロック10の中心軸線周りの一円周上には、
軸方向に延びる複数のシリンダボア12が形成されてい
る。シリンダボア12の各々には、片頭ピストン14
(以下、ピストン14と略称する)が往復運動可能に配
設されている。シリンダブロック10の軸方向の一端面
(図1の左側の端面であり、前端面と称する)には、フ
ロントハウジング16が取り付けられ、他方の端面(図
1の右側の端面であり、後端面と称する)には、リヤハ
ウジング18がバルブプレート20を介して取り付けら
れている。フロントハウジング16,リヤハウジング1
8,シリンダブロック10等により斜板式圧縮機のハウ
ジングが構成されている。リヤハウジング18とバルブ
プレート20との間には、吸入室22,吐出室24が形
成され、それぞれ、図示しない吸入ポート,供給ポート
を経て、図示しない冷凍回路に接続される。バルブプレ
ート20には、吸入孔32,吸入バルブ34,吐出孔3
6,吐出バルブ38等が設けられている。
【0015】上記ハウジング内には、回転軸50が、シ
リンダブロック10の中心軸線を回転軸線として回転可
能に設けられている。回転軸50は、その両端部におい
てそれぞれフロントハウジング16,シリンダブロック
10にベアリングを介して回転可能に支持されている。
シリンダブロック10の中心部には、支持穴56が形成
されており、その支持穴56において上記ベアリングを
介して支持されているのである。回転軸50のフロント
ハウジング16側の端部は、図示しない駆動源としての
車両エンジンに、電磁クラッチ等のクラッチ装置を介し
て連結されている。したがって、車両エンジンの作動時
に、クラッチ装置によって回転軸50が車両エンジンに
接続されれば、回転軸50が自身の軸線まわりに回転さ
せられる。
【0016】回転軸50には、斜板60が軸方向に相対
移動可能かつ傾動可能に取り付けられている。斜板60
には、中心線を通る貫通穴61が形成され、この貫通穴
61を回転軸50が貫通している。貫通穴61は、両端
開口側ほど図1における上下方向に内のり寸法が漸増さ
せられ、それら両端部の横断面形状が長穴をなしてい
る。回転軸50にはまた、回転板62が固定され、スラ
ストベアリング64を介してフロントハウジング16に
受けられている。斜板60は、ヒンジ機構66により、
回転軸50と一体的に回転させられるとともに、軸方向
の移動を伴う傾動を許される。ヒンジ機構66は、回転
板62に固定的に設けられた支持アーム67と、斜板6
0に固定的に設けられ、支持アーム67のガイド穴68
にスライド可能に嵌合されたガイドピン69と、斜板6
0の貫通穴61と、回転軸50の外周面とを含むもので
ある。
【0017】前記ピストン14は、斜板60の外周部を
跨ぐ状態で係合させられる係合部70と、係合部70と
一体に設けられ、シリンダボア12に嵌合される頭部7
2とを備えている。本実施形態における頭部72は、中
空頭部とされて軽量化が図られている。頭部72,シリ
ンダボア12およびバルブプレート20が共同して圧縮
室74を形成している。また、係合部70は一対の球冠
状のシュー76を介して斜板60の外周部と係合させら
れている。係合部70には、図示を省略する自転防止部
が一体に設けられ、その自転防止部とフロントハウジン
グ16の内周面とが摺接することにより、ピストン14
の自転が防止されている。
【0018】斜板60の回転運動は、シュー76を介し
てピストン14の往復直線運動に変換される。ピストン
14が上死点から下死点へ移動する吸入行程において、
吸入室22内の冷媒ガスが吸入孔32,吸入バルブ34
を経てシリンダボア12内の圧縮室74に吸入される。
ピストン14が下死点から上死点へ移動する圧縮行程に
おいて、シリンダボア12内の圧縮室74の冷媒ガスが
圧縮され、吐出穴36,吐出バルブ38を経て吐出室2
4に吐出される。
【0019】本斜板式圧縮機は可変容量型であり、高圧
側である吐出室24と低圧側である吸入室22との圧力
差を利用して斜板室86内の圧力が制御されることによ
り、ピストン14の前後に作用するシリンダボア12内
の圧縮室の圧力と斜板室86の圧力との差が調節され、
斜板60の傾斜角度が変更されてピストン14のストロ
ークが変更され、圧縮機の吐出容量が調節される。具体
的には、吸入室22と吐出室24と斜板室86との間に
設けられた圧力制御装置90の制御により、斜板室86
が吐出室24に連通させられたり、遮断されたりするこ
とによって、斜板室86の圧力が制御される。圧力制御
装置90については後に説明する。
【0020】リヤハウジング18およびシリンダブロッ
ク10内には、吐出室24と斜板室86とを連通させる
給気通路80が形成され、この給気通路80の途中に、
圧力制御装置90が設けられている。また、回転軸50
の内部には、排出通路100が設けられている。排出通
路100は、一端において前記支持穴56に開口させら
れるとともに、他端においてフロントハウジング16内
空間に開口させられ、その空間を経て斜板室86に連通
させられている。支持穴56は排出ポート104を経て
吸入室22に連通させられている。
【0021】回転軸50の内部には、排出通路100が
設けられている。排出通路100は、一端において前記
支持穴56に開口させられるとともに、他端において斜
板室86に開口させられている。支持穴56は排出ポー
ト104を経て吸入室22に連通させられている。
【0022】圧力制御装置90について説明する。リヤ
ハウジング18には、ハウジングの中心軸線と直交する
方向に延びる弁穴110が形成されている。図2に示す
ように、弁穴110は、断面形状が円形を成す円形穴で
あり、また、直径が段階的に異なる部分を同心に複数備
えるものである。さらに具体的には、圧縮機のハウジン
グの中心軸線から遠い開口側から中心軸線に近い奥側へ
順に内径が複数段階に減少する段付きの有底穴である。
弁穴110は、自身の軸線方向に隔たった複数個所に、
直径が軸方向に一定の円筒面であり、かつ、それぞれ直
径の大きさの異なるストレート内周面130,132,
134を備える。一番奥側の内周面がストレート内周面
134であり、開口側のものほど内径が大きい。弁穴1
10のこれらストレート内周面130,132,134
の間にはそれぞれ、弁穴110の奥側から開口側へ直径
が漸増するテーパ内周面136,137,138,13
9,140が形成されている。
【0023】弁穴110には、圧力制御装置90の一構
成要素であるスリーブ144が嵌合されている。スリー
ブ144は、図2に示すように、概して中空の段付円筒
状をなす中空円筒状部材であり、厳密には複数の部材が
互いに組み付けられて成るものである。スリーブ144
は、自身の中心軸線方向に隔たった複数個所に、直径が
一定で、かつ、互いに直径の大きさの異なるストレート
外周面150,152,154を備え、弁穴110のス
トレート内周面130,132,134にそれぞれ嵌合
されている。上記ストレート外周面150,152,1
54にはOリング等のシール部材160,162,16
4がそれぞれ保持され、弁穴110内に互いに気密に仕
切られた3つの空間がスリーブ144の軸方向に並んで
形成されている。弁穴110の奥側から数えて1つ目の
気密空間は、スリーブ144内に形成された吐出圧室1
70に連通させられるとともに、低圧通路172(図1
参照)を経て吸入室22に連通させられている。2つ目
の気密空間は、スリーブ144に形成された円環状室1
74に連通させられるとともに、リヤハウジング18お
よびシリンダブロック10を貫通して形成された制御圧
通路176(図1参照)を経て斜板室86に連通させら
れている。3つ目の気密空間は、スリーブ144内部に
形成された吸入圧室178に連通させられるとともに、
リヤハウジング18内に形成された高圧通路180を経
て吐出室24に連通させられている。高圧通路180お
よび制御圧通路176が、前記給気通路80を構成して
いるのである。
【0024】吐出圧室170内には、弁子190が配設
され、付勢手段としての圧縮コイルスプリング192に
より、弁座196に着座する向きに付勢されている。ス
リーブ144の嵌合穴には、ロッド200が軸方向に摺
動可能に嵌合されており、ロッド200の先端部に弁子
190が一体的に移動可能に取り付けられている。
【0025】吸入圧室178には、蛇腹状をなして伸縮
可能であるベローズ206が収容されている。ベローズ
206の外部空間が上記吸入圧室178とされ、ベロー
ズ206の内部空間は大気圧室208とされている。ベ
ローズ206は、付勢手段としての圧縮コイルスプリン
グ210によって伸長方向(吐出圧室170側)へ付勢
されている。ベローズ206の先端部を保持する保持部
材212とロッド200とが互いに連結され、ベローズ
206の伸縮に応じてロッド200が前進,後退させら
れることにより、弁子190および弁座196を含む開
閉弁が開閉される。ベローズ206は、吸入圧室178
に導入される吸入圧力Psに応じて伸縮するようにされ
ており、吸入圧室178の圧力が高くなれば収縮し、低
くなれば伸長する。ベローズ206は、吸入圧室178
の吸入圧力Psが設定圧力より低くなれば、ロッド20
0を吐出圧室170側へ移動させる。このロッド200
の移動により、弁子190が圧縮コイルスプリング18
6の付勢力に抗して弁座196から離間させられる。こ
のようにして開閉弁が開かれれば、高圧通路180,吐
出圧室170,円環状室174および制御圧通路176
を経て、吐出室24と斜板室86とが連通させられる。
【0026】次に、圧力制御装置90の作動を説明す
る。本圧力制御装置90は、吸入圧力Psの変動に応じ
て斜板室圧力Pcを制御する。具体的には、冷房負荷が
高い状態では吸入圧力Psも高く、設定圧力より大きい
ため、低圧通路172を介して吸入室22に連通させら
れた吸入圧室178内のベローズ206が収縮させられ
る。したがって、弁子190は弁座196に着座させら
れて開閉弁が閉じられることにより、吐出圧室170と
円環状室174との連通が遮断される。一方、排出通路
100および排出ポート104を経て斜板室86が吸入
室22に連通させられているため、斜板室圧力Pcが低
下させられ、ピストン14の前後に作用する圧力差によ
り斜板60が最大傾斜角まで傾かされ、圧縮機の吐出容
量が最大となる。
【0027】冷房負荷の低下とともに吸入圧力Psが低
下し、設定圧力より小さくなると、ベローズ206が伸
長させられてロッド200が吐出圧室170側へ前進さ
せられ、弁子190が弁座196から離間させられる。
その結果、吐出圧室170と円環状室174とが連通さ
せられ、吐出室24の冷媒ガスが高圧通路180,吐出
圧室170,円環状室174,制御圧通路176を経て
斜板室86に導入される。その結果、斜板室86の圧力
が高くなり、斜板60の傾斜角が小さくなって、圧縮機
の吐出容量が小さくなる。さらに吸入圧力Psが低下す
れば、斜板60が最小傾斜角となって、圧縮機の吐出容
量が最小となる。
【0028】このように構成される圧力制御装置90を
収容する弁穴110を含む部分(以下、鋳造品220と
称する。)は、本発明の一実施形態である金型装置を使
用して、本発明の一実施形態であるダイキャスト方法に
よって鋳造される。本ダイキャスト方法に使用される金
型装置の概念図を図3に示す。なお、本来、弁穴110
が形成される部分は、リヤハウジング18を構成する他
の部分と一体に形成されるものであり、図3に示す金型
装置は実際の金型装置の構造とは異なる。複雑な形状の
リヤハウジング18を成形するために、互いに開閉する
固定型と可動型との他に、複数の可動部材を備えて複雑
な構造を有するのであるが、実際の金型装置を図示して
も本発明が理解しづらくなるのみであるために、本発明
に関連の薄い部分の図示は省略し、弁穴110の形成に
関係する部分のみを図3に模式的に示したのである。
【0029】そのため、金型装置は、互いに接近,離間
させられることにより開閉される固定型224と可動型
226とを備えた単純なものとして図示されている。以
下、金型装置が図示の通りのものであり、一対の固定盤
と、それら固定盤の間に配設され、開閉用シリンダ等の
型締装置の駆動によって一方の固定盤に接近,離間可能
な可動盤とを備えた通常の鋳造装置に取り付けて使用さ
れるものと仮定して説明する。固定盤と可動盤との互い
に対向する側の面に、それぞれ固定型224と可動型2
26とが精度良く位置決めされた状態で取り付けられて
使用されるものと仮定するのである。固定型224およ
び可動型226は、詳細な図示は省略するが、複数の板
状部材が重ね合わされて成るものである。
【0030】固定型224および可動型226は、図3
に示すように、互いに対向する側の面であるパーティン
グ面230,232において開閉可能であり、可動型2
26が開閉用シリンダの駆動力により固定型224に対
して接近させられてパーティング面230,232同士
が密着させられる。これらパーティング面230,23
2が互いに密着させられた状態で、型224,226の
内部には鋳造品220の弁穴110の内周面以外の部分
に対応する形状のキャビティ236が形成される。各パ
ーティング面230,232において互いに対応する位
置にキャビティ面240,242がそれぞれ形成され、
これらキャビティ面240,242により鋳造品220
の外形が画定される。
【0031】金型装置はまた、鋳造品220の弁穴11
0の内周面を成形する部材であるスライドコア250を
備えている。スライドコア250がキャビティ236内
に位置させられた状態で、キャビティ236に図示しな
い湯道等を経て金属(例えば、アルミニウムを主体とす
る材料であるアルミニウム合金)の溶湯が射出されるこ
とにより鋳造品220が鋳造される。スライドコア25
0は、固定型224に、ガイドブッシュ252を介して
相対回転および軸方向相対移動可能に保持されている。
スライドコア250(厳密にはスライドコア250の先
端部)の外周面において、弁穴110の内周面が成形さ
れる。スライドコア250は、図5に示すように、断面
形状が円形であり、かつ、直径が段階的に異なる部分を
同心に複数備えるものである。スライドコア250は、
弁穴110のストレート内周面130,132,134
に対応して、直径が軸方向に一定である円筒面を成すス
トレート外周面254,256,258を有するもので
あり、スライドコア250の先端側ほど直径の小さい外
周面とされる。スライドコア250のストレート外周面
254,256,258の間には、抜き勾配θ1,θ2
θ3,θ4,θ5 が付けられたテーパ外周面260,26
1,262,263,264が形成されている。これら
テーパ外周面260〜264により、弁穴110の前記
テーパ内周面136〜140が成形される。
【0032】スライドコア250は、駆動装置270に
よって固定型224に対して相対回転させられつつ軸方
向に相対移動させられる。駆動装置270は、固定型2
24に軸方向に相対移動可能に保持された軸方向移動部
材272と、軸方向移動部材272を軸方向に移動させ
るアクチュエータとしての液圧シリンダ274とを含む
ものである。図示の例においては、軸方向移動部材27
2が液圧シリンダ272のピストンロッドと一体に形成
されている。軸方向移動部材272とスライドコア25
0とは、接続装置280によって相対回転可能かつ軸方
向に相対移動不能に接続されている。本実施形態におけ
る接続装置280は、円筒状を成す継手部材282内に
形成された縦断面形状T字形の係合凹部284に対し
て、スライドコア250と一体的に設けられた縦断面形
状T字形の係合突部286が相対回転可能かつ軸方向に
相対移動不能に係合させられ、また、継手部材282内
に形成された別の係合凹部290に、軸方向移動部材2
72に一体的に設けられた縦断面形状T字形の係合突部
292が相対回転可能かつ軸方向に相対移動不能に係合
させられている。なお、係合凹部284,290と係合
突部286,292との間で発生する摩擦軽減のため
に、ころがり軸受を継手部材282と係合突部286,
292との間に設けることが望ましい。
【0033】スライドコア250の外周面の軸方向のほ
ぼ中間部には、円筒状部材であるスリーブ310が嵌合
されている。スリーブ310は、固定型224に位置決
めピン312(複数本が望ましい)によって精度良く位
置決めされるとともに相対回転が強固に防止された状態
で、ボルト314が締め付けられることにより固定型2
24に固定され、一体のものとして機能する。スライド
コア250の外周面のスリーブ310に対応する位置に
は、係合突部300が外周側へ延び出す状態で一体的に
設けられている。一方、スリーブ310には、図4に示
すように、周壁を貫通して係合溝320が形成され、係
合突部300が係合させられている。係合溝320は、
スライドコア250の軸方向に対して傾斜した方向に延
びる傾斜溝部322と、傾斜溝部322に連なり、軸方
向に平行に延びる軸方向溝部324とを備える。スライ
ドコア250が鋳造品220を鋳造する際の前進端位置
にある状態では、係合突部300は、傾斜溝部322の
軸方向溝部324に隣接する側の端部とは反対側の端部
側に位置させられる。スライドコア250が後退させら
れれば、係合突部300が傾斜溝部322に沿って相対
移動することにより、スライドコア250が軸方向に後
退させられつつ回転させられる。このように、液圧シリ
ンダ274がスライドコア250に軸方向相対移動を生
じさせる駆動源を構成し、上記係合溝320を備えたス
リーブ310および係合突部300が、上記軸方向相対
移動に基づいて相対回転を生じさせる運動発生装置を構
成している。係合溝320が第一係合部を、係合突部3
00が第二係合部をそれぞれ構成している。スライドコ
ア250に傾斜溝部322を備える係合溝320を形成
し、スリーブ310(固定型224側)に係合突部30
0を設けてもよい。
【0034】以上のように構成された金型装置を使用し
たダイキャスト方法について説明する。まず、開閉用シ
リンダが駆動され、可動型226が固定型224に接近
させられてパーティング面230,232同士が密着さ
せられた状態で型締めされる。可動型226と固定型2
24とが閉じられた状態で、これら型224,226内
部にキャビティ236が形成されるとともに、このキャ
ビティ236内にスライドコア250の先端部が位置さ
せられる。この状態で、キャビティ236内に金属の溶
湯が注入される。
【0035】キャビティ236への溶湯充填完了後、設
定時間の間、溶湯が凝固するのが待たれる。それにより
鋳造品220が成形されるが、その鋳造品220の弁穴
110は、スライドコア250の外周面により成形され
る。上記設定時間の経過後、液圧シリンダ274を駆動
させると、スライドコア250がスリーブ310の係合
溝320の作業によって、鋳造品220に対して相対回
転させられ、かつ、軸方向に後退させられる(図3矢印
A)。このようにすれば鋳造品220からスライドコア
250を容易に離脱させることができる。回転運動を伴
うことなく、無理にスライドコア250を引き抜けば、
鋳造品220のスライドコア250との接触部にかじり
と称される欠損が発生するのであるが、本金型装置によ
る場合はこの欠損の発生を良好に防止することができる
のである。
【0036】上記スライドコア250の引き抜き後、可
動型226が固定型224から離間させられることによ
り型224,226が開かれる。その際、鋳造品220
は固定型224から離れて可動型226と共に移動する
が、型開きの末期または終了後に、可動型226に設け
られた図示しないエジェクタ装置が作動させられ、鋳造
品220を可動型226から押し離す。
【0037】本実施形態のようにスライドコア250を
鋳造品220から容易に離脱させることができれば、抜
き勾配を小さくした、あるいは抜き勾配を完全になくし
たスライドコアによって鋳造品220の内周面を成形で
きる。例えば、弁穴110のように、スリーブ144の
シール部材160,162,164と接触させられるシ
ール面であるストレート内周面130,132,134
は、テーパのない円筒面に精度良く成形される必要があ
るが、その他の部分についてはその必要がない。したが
って、スライドコア250の外周面のうち、精度の要求
されるストレート内周面130,132,134に対応
する部分(ストレート外周面254,256,258)
については抜き勾配をなくす一方、それ以外の部分に対
応する部分であるテーパ外周面260〜264について
は抜き勾配を付けて鋳造品220からの離脱をさらに容
易にする。ストレート内周面130,132,134が
テーパのない円筒面に精度良く成形されれば、鋳造後の
機械加工を省略でき、あるいは、少なくとも機械加工を
施す部分を少なくでき、機械加工に要する時間および費
用を低減させることができる。テーパ内周面136〜1
40が形成されても、従来のように、軸方向全体に抜き
勾配を設けて成形した後に機械加工によって段付穴の内
周面を形成していたのに比較して、材料の歩留まりが高
くなるとともに機械加工の所要時間を短縮し得、製造コ
ストを低減できる。また、上記ストレート内周面13
0,132,134を機械加工せずに鋳肌面のまま残せ
ば、硬度および強さの大きいチル層がそのまま残留する
こととなり、鋳造品220の強度および耐摩耗性が向上
する。
【0038】本発明に係るダイキャスト方法および金型
装置は、円形穴を備える鋳造品として、図1に示すシリ
ンダブロック10のシリンダボア12の内周面や、フロ
ントハウジング16の内周面の成形にも適用することが
できる。シリンダボア12の内周面は、ピストン14の
頭部72が摺動させられ、また、フロントハウジング1
6の内周面は、ピストン14の係合部70に一体に設け
られた自転防止部が摺接させられるため、特に精度の高
いストレート内周面とされる必要がある部分であり、ス
ライドコアの抜き勾配を小さくし、あるいは抜き勾配な
しとすれば、これら内周面の機械加工を省略し、あるい
は少なくすることができる。シリンダボア12の内周面
のように軸方向に貫通した貫通穴の内周面を成形するこ
ともできるし、フロントハウジング16の内周面のよう
に底部を有する凹部を成形することもできるのである。
【0039】金型装置を、鋳造品の外周面を成形する部
材を備えるものとしてもよい。その一実施形態を図6に
基づいて説明する。本実施形態の金型装置も、前記固定
型224,可動型226と同様の構成を有する固定型4
02と可動型404とを備える。可動型404には、可
動スリーブ410が相対回転および軸方向相対移動が可
能に保持されている。可動スリーブ410には、前記実
施形態において図示,説明した駆動装置270と同じ構
成を有する駆動装置が連結されている。可動スリーブ4
10はロッド412の先端に固定的に設けられており、
このロッド412が駆動装置により回転させられつつ軸
方向に移動させられるようになっているのであるが、こ
こでは駆動装置の図示,説明は省略する。可動スリーブ
410の抜き勾配のない、あるいは抜き勾配の小さい内
周面414によって鋳造品426の、円形断面を有する
円形突部427の外周面428が形成されるとともに、
固定型402,可動型404の各キャビティ面420,
422によって鋳造品426の上記外周面428以外の
部分の外形が画定される。これらキャビティ面420,
422および内周面414により、鋳造品426の形状
に対応するキャビティ430が形成されるのである。本
実施形態においても、可動スリーブ410を回転させつ
つ鋳造品426から容易に離脱させることができ(図6
の矢印A参照)、円形突部427をテーパのない、ある
いはテーパの小さい外周面を備えたものとすることがで
きる。
【0040】以上、本発明のいくつかの実施形態を詳細
に説明したが、これらは例示に過ぎず、本発明は、前記
〔発明が解決しようとする課題,課題解決手段および効
果〕の項に記載された態様を始めとして、当業者の知識
に基づいて種々の変更、改良を施した形態で実施するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である金型装置を使用し、
かつ、本発明の一実施形態であるダイキャスト方法によ
り製造される構成部材を含む斜板式圧縮機を示す正面断
面図である。
【図2】上記斜板式圧縮機の一部を拡大して示す正面断
面図である。
【図3】前記金型装置を概念的に示す正面断面図であ
る。
【図4】上記金型装置の一部を示す正面図である。
【図5】上記金型装置の鋳造品の内周面を成形する部材
を、鋳造品の内周面とともに示す正面図である。
【図6】本発明の別の実施形態である金型装置の要部を
概略的に示す正面断面図である。
【符号の説明】
10:シリンダブロック 12:シリンダボア 1
6:フロントハウジング18:リヤハウジング 1
10:弁穴 130,132,134:ストレート内
周面 136〜140:テーパ内周面 220:
鋳造品 224:固定型 226:可動型 23
6:キャビティ 240,242:キャビティ面
250:スライドコア 270:駆動装置 27
2:軸方向移動部材 280:接続装置 300:
係合溝 302:傾斜溝部320:係合突部 40
2:固定型 404:可動型 410:可動スリー
ブ 414:内周面 426:鋳造品 428:
外周面 430:キャビティ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 太田 雅樹 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機製作所内 (72)発明者 伊藤 正文 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機製作所内 (72)発明者 吉田 義治 愛知県大府市共和町茶屋8番地 豊田スル ザー株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 断面形状が円形である内周面と外周面と
    の少なくとも一方を備えた鋳造品を、内部にキャビティ
    を備えた金型装置により鋳造する方法であって、 前記キャビティに溶湯を注入し、溶湯が凝固して前記鋳
    造品が成形された後に、前記金型装置の前記内周面また
    は外周面を成形した部分と鋳造品とを相対回転させつつ
    両者を離脱させることを特徴とするダイキャスト方法。
  2. 【請求項2】 前記鋳造品が円形穴を備えたものであ
    り、前記金型装置のその円形穴を成形した部分と前記鋳
    造品とを互いに相対回転させつつ離間させる請求項1に
    記載のダイキャスト方法。
  3. 【請求項3】 断面形状が円形である内周面と外周面と
    の少なくとも一方を備えた鋳造品を鋳造する金型装置で
    あって、 前記内周面と外周面との一方を成形する部材が、前記鋳
    造品のその一方以外の部分を成形する少なくとも1つの
    部材に対して相対回転および軸方向相対移動が可能であ
    り、かつ、それら両部材を相対回転させつつ軸方向に相
    対移動させる駆動装置を含むことを特徴とする金型装
    置。
  4. 【請求項4】 前記駆動装置が、前記相対回転と前記軸
    方向相対移動との一方を生じさせる駆動源と、その一方
    に基づいて相対回転と軸方向相対移動との他方を生じさ
    せる運動発生装置とを含む請求項3に記載の金型装置。
  5. 【請求項5】 前記内周面を成形する部材がスライドコ
    アを含み、前記鋳造品の前記内周面以外の部分を成形す
    る部材が開閉可能な一対の金型を含み、かつ、前記駆動
    装置が、 前記一対の金型の一方に対して軸方向相対移動可能な軸
    方向移動部材と、 その軸方向移動部材と前記金型の一方との間に設けら
    れ、その一方に対して軸方向移動部材を軸方向に移動さ
    せるアクチュエータと、 前記軸方向移動部材と前記スライドコアとの間に設けら
    れ、軸方向移動部材とスライドコアとを相対回転可能か
    つ軸方向に相対移動不能に接続する接続装置と、 前記金型の一方と前記スライドコアとにそれぞれ設けら
    れ、互いに係合することにより、それら金型の一方とス
    ライドコアとの軸方向の相対移動に伴ってそれら金型の
    一方とスライドコアとの相対回転を生じさせる第一係合
    部および第二係合部とを含む請求項3または4に記載の
    金型装置。
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