JP2001289162A - 圧縮機におけるピストン及びピストン製造方法 - Google Patents

圧縮機におけるピストン及びピストン製造方法

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JP2001289162A
JP2001289162A JP2000101026A JP2000101026A JP2001289162A JP 2001289162 A JP2001289162 A JP 2001289162A JP 2000101026 A JP2000101026 A JP 2000101026A JP 2000101026 A JP2000101026 A JP 2000101026A JP 2001289162 A JP2001289162 A JP 2001289162A
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reinforcing
wall
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JP2000101026A
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Takayuki Kato
崇行 加藤
Masahiro Kawaguchi
真広 川口
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Toyoda Automatic Loom Works Ltd
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    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
    • F04BPOSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS
    • F04B27/00Multi-cylinder pumps specially adapted for elastic fluids and characterised by number or arrangement of cylinders
    • F04B27/08Multi-cylinder pumps specially adapted for elastic fluids and characterised by number or arrangement of cylinders having cylinders coaxial with, or parallel or inclined to, main shaft axis
    • F04B27/0873Component parts, e.g. sealings; Manufacturing or assembly thereof
    • F04B27/0878Pistons

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Abstract

(57)【要約】 【課題】ピストンの先端壁の軽量化を図ってピストンを
更に軽量にする。 【解決手段】ピストン17の内部は中空部171となっ
ている。ピストン17は、先端壁30を含む第1のピス
トン片31と、シューに接する第2のピストン片32と
を結合して構成されている。先端壁30の外端面36上
には位置決め用孔361が設けられている。先端壁30
の内端面側には補強用盛り上がり部50が設けられてい
る。補強用盛り上がり部50の先端面は、周壁35に連
なる環状の凹条371と、環状の凹条371の内側に設
けられた環状の凸条372とからなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回転軸と一体的に
回転するカム体の回転によって往復動され、中空部を有
するピストン及びピストン製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】特開平10−281065号公報、特開
平11−294320号公報に開示されるピストンは、
軽量化のために中空形状にしてある。このような中空形
状のピストンは、傾角可変に斜板を収容するクランク室
内の圧力を制御して斜板の傾角を制御する可変容量型圧
縮機における容量制御を向上する上でも有効である。
【0003】特開平10−281065号公報のピスト
ンの先端壁には基準孔が形成されている。基準孔は、ピ
ストンの外周面を加工するための加工手段の支持手段で
あるセンタを装着するためのものである。ピストンの外
周面を切削加工するような場合には、切削加工機械の支
持装置のセンタを基準孔に装着し、センタを中心として
ピストンを回転してピストンの外周面を切削加工する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ピストンの軽量化は、
中空部を形成する壁の厚みを小さくするほど有利であ
る。シリンダボア内を往復動するピストンの先端壁には
冷媒ガスの圧力が掛かり、曲げ変形による応力は先端壁
の中央で最大となる。ピストンの先端壁は平板形状であ
るが、前記した基準孔の存在は先端壁の強度低下をもた
らす。しかし、強度確保のために平板形状の先端壁の厚
みを大きくすると、ピストンが重くなる。
【0005】本発明は、前記した先端壁の軽量化を図っ
てピストンを更に軽量にすることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】そのために、請求項1乃
至請求項10の発明は、回転軸と一体的に回転するカム
体の回転によって往復動され、中空部を有するピストン
を対象とし、請求項1の発明では、前記中空部を形成す
る先端壁に対し、前記先端壁の外端面側には凹部を設け
ると共に、前記先端壁の内端面側には補強用盛り上がり
部を設けた。
【0007】補強用盛り上がり部を先端壁の内端面側に
設けた構成は、応力分散作用をもたらし、凹部の存在に
も関わらず必要な強度を確保しつつ先端壁の材料の量を
減らしてピストンを軽量にすることが可能となる。
【0008】請求項2の発明では、請求項1において、
前記補強用盛り上がり部の少なくとも一部は、前記先端
壁の厚み方向に見て前記凹部と重なり合っているように
した。
【0009】先端壁の厚み方向に見て凹部と補強用盛り
上がり部とを重ならせた構成は、強度低下の特に生じ易
い凹部の付近の強度低下の回避に有効である。請求項3
の発明では、請求項1及び請求項2のいずれか1項にお
いて、前記中空部はピストンの中心軸線を包囲し、前記
補強用盛り上がり部は、前記中心軸線側から前記中空部
を形成する周壁の内周面に向けて放射状に拡がる形状と
した。
【0010】放射状に拡がる補強用盛り上がり部を先端
壁の内端面側に設けた構成は、応力分散作用をもたら
し、必要な強度を確保しつつ先端壁の材料の量を減らし
てピストンを軽量にすることが可能となる。
【0011】請求項4の発明では、請求項3において、
前記補強用盛り上がり部の先端面は、前記中空部を形成
する周壁の内周面から前記中心軸線に向かうにつれて、
前記先端壁の外端面側に近づいてゆき、次いで前記外端
面から遠ざかる形状とした。
【0012】このような補強用盛り上がり部の先端面の
形状は、応力分散作用に優れており、必要な強度を確保
しつつ先端壁の材料の量を減らしてピストンをさらに軽
量にすることが可能となる。
【0013】請求項5の発明では、請求項4において、
前記補強用盛り上がり部の先端面は、前記周壁の内周面
に連なると共に、前記中心軸線を包囲する環状の凹条
と、前記環状の凹条に連なるように、かつ前記中心軸線
を包囲するように前記環状の凹条の内側に設けられた環
状の凸条とを備えているようにした。
【0014】中心軸線を包囲する環状の凹条及び環状の
凸条は、先端壁における応力分散作用をさらに向上す
る。請求項6の発明では、請求項1乃至請求項3のいず
れか1項において、前記補強用盛り上がり部は、前記周
壁の内周面から離間しているようにした。
【0015】周壁の内周面から離間している補強用盛り
上がり部は、先端壁の中心軸線付近の部位における応力
分散に有効である。請求項7の発明では、請求項6にお
いて、前記補強用盛り上がり部は前記中心軸線と交差す
るようにした。
【0016】中心軸線と交差している補強用盛り上がり
部は、先端壁の中心軸線付近の部位における応力分散に
有効である。請求項8の発明では、請求項1乃至請求項
3、及び請求項6及び請求項7のいずれか1項におい
て、前記補強用盛り上がり部は複数の補強突条からな
り、前記複数の補強突条は、前記中心軸線を通る半径線
に沿って形成した。
【0017】半径線に沿った複数の補強突条は、先端壁
の軽量化を図りつつ応力分散作用をもたらす上で優れて
いる。請求項9の発明では、請求項8において、前記複
数の補強突条は、前記中心軸線の周りに等間隔に配置さ
れているようにした。
【0018】複数の補強突条を中心軸線の周りに等間隔
に配置した構成は、中心軸線の周りに関する応力分散の
均等化に有利である。請求項10の発明では、請求項1
乃至請求項9のいずれか1項において、前記先端壁を含
む第1のピストン片と、前記中空部を形成すると共に、
前記カム体に摺接するシューに接する第2のピストン片
とを結合してピストンを構成した。
【0019】第1のピストン片と第2のピストン片とを
結合したピストンは、先端壁の内端面上に補強用盛り上
げ部を所定の形状に容易に形成する上で有利である。請
求項11の発明では、回転軸と一体的に回転するカム体
の回転によって往復動されるピストンであり、ピストン
の中心軸線を包囲する中空部を有し、前記中空部を形成
する先端壁を含む第1のピストン片と、前記中空部を形
成すると共に、前記カム体に摺接するシューに接する第
2のピストン片とを結合して構成したピストンを対象と
し、前記第1のピストン片の先端壁の内端面上にひけ巣
発生防止用盛り部を成形すると共に、前記先端壁の外端
面上に凹部を成形する型の内に溶湯を流し込み、前記流
し込まれた溶湯が固化する前に、前記ひけ巣発生防止用
盛り部の先端面に圧力を加え、前記流し込まれた溶湯が
固化して成形された準ピストン片における前記ひけ巣発
生防止用盛り部の少なくとも一部を補強用盛り上がり部
として前記第1のピストン片を形成するようにした。
【0020】ひけ巣は材料強度を低下させる要因の1つ
であり、ひけ巣の発生量が多い場合には材料の量を増や
して強度低下を回避する必要がある。ひけ巣発生防止用
盛り部に圧力を加えると、先端壁内におけるひけ巣発生
が抑制される。先端壁内におけるひけ巣発生を抑制する
ためのひけ巣発生防止用盛り部は、補強用盛り上がり部
として好適である。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体化した第1の
実施の形態を図1〜図4に基づいて説明する。
【0022】図1は可変容量型圧縮機の内部構造を示
す。制御圧室121を形成するフロントハウジング12
とシリンダブロック11とには回転軸13が支持されて
いる。回転軸13は、外部駆動源(例えば車両エンジ
ン)から回転駆動力を得る。回転軸13には回転支持体
14が止着されていると共に、斜板15が回転軸13の
軸方向へスライド可能かつ傾動可能に支持されている。
斜板15に止着されたガイドピン16は、回転支持体1
4に形成されたガイド孔141にスライド可能に嵌入さ
れている。斜板15は、ガイド孔141とガイドピン1
6との連係により回転軸13の軸方向へ傾動可能かつ回
転軸13と一体的に回転可能である。斜板15の傾動
は、ガイド孔141とガイドピン16とのスライドガイ
ド関係、及び回転軸13のスライド支持作用により案内
される。
【0023】斜板15の傾角は、制御圧室121内の圧
力制御に基づいて変えられる。制御圧室121内の圧力
が増大すると斜板15の傾角が減少し、制御圧室121
内の圧力が減少すると斜板15の傾角が増大する。制御
圧室121内の冷媒は、図示しない放圧通路を介してリ
ヤハウジング19内の吸入室191へ流出しており、リ
ヤハウジング19内の吐出室192内の冷媒は、図示し
ない圧力供給通路を介して制御圧室121へ供給可能で
ある。前記圧力供給通路上には容量制御弁25が介在さ
れており、吐出室192から制御圧室121へ供給され
る冷媒流量が容量制御弁25によって制御される。吐出
室192から制御圧室121へ供給される冷媒流量が増
大すると制御圧室121内の圧力が増大し、吐出室19
2から制御圧室121へ供給される冷媒流量が減少する
と制御圧室121内の圧力が減少する。即ち、斜板15
の傾角は、容量制御弁25によって制御される。
【0024】斜板15の最大傾角は、斜板15と回転支
持体14との当接によって規定される。斜板15の最小
傾角は、回転軸13上のサークリップ24と斜板15と
の当接によって規定される。
【0025】シリンダブロック11において回転軸13
の周りには複数のシリンダボア111(図では2つのみ
示す)が配列されている。各シリンダボア111にはア
ルミニウム製のピストン17が収容されている。回転軸
13と一体的に回転する斜板15の回転運動は、シュー
18を介してピストン17の前後往復運動に変換され、
ピストン17がシリンダボア111内を前後動する。シ
ュー18は、カム体である斜板15に摺接する。
【0026】吸入室191内の冷媒は、ピストン17の
復動動作〔図1(a)において右側から左側への移動〕
によりバルブプレート20上の吸入ポート201から弁
形成プレート21上の吸入弁211を押し退けてシリン
ダボア111内へ流入する。シリンダボア111内へ流
入した冷媒は、ピストン17の往動動作〔図1(a)に
おいて左側から右側への移動〕によりバルブプレート2
0上の吐出ポート202から弁形成プレート22上の吐
出弁221を押し退けて吐出室192へ吐出される。吐
出弁221はリテーナ形成プレート23上のリテーナ2
31に当接して開度規制される。
【0027】吐出室192と吸入室191とは、外部冷
媒回路26を介して接続している。吐出室192から外
部冷媒回路26へ流出した冷媒は、凝縮器27、膨張弁
28及び蒸発器29を経由して吸入室191へ還流す
る。
【0028】図2及び図3に示すように、ピストン17
の内部は中空部171となっている。ピストン17は、
先端壁30を含む第1のピストン片31と、シュー18
に接する第2のピストン片32とを結合して構成されて
いる。第2のピストン片32は、シュー18を保持する
ための一対の凹部331を備えた保持部33と、周壁3
4とからなる。第1のピストン片31は、先端壁30と
周壁35とからなる。第1のピストン片31の周壁35
と第2のピストン片32の周壁34とは嵌合されてお
り、第1のピストン片31と第2のピストン片32との
接合部が溶接されている。周壁34の内周面341は円
周面であり、周壁34の外周面342は円周面である。
又、周壁35の内周面351は円周面であり、周壁35
の外周面352は円周面である。周壁34の内周面34
1及び外周面342、並びに周壁35の内周面351及
び外周面352の中心軸線Lは同一であり、中空部17
1は中心軸線Lを包囲している。
【0029】弁形成プレート21に対向する先端壁30
の外端面36は、弁形成プレート21に対して平行な平
面となっている。外端面36には凹部としての位置決め
用孔361が形成されている。位置決め用孔361は中
心軸線L上にある。位置決め用孔361は、特開平10
−281065号公報に開示されるように、ピストン1
7の外周面を切削加工するための切削加工機械の支持手
段であるセンタの装着位置として利用される。あるい
は、位置決め用孔361は、特願平11−169815
号に記載のように、シリンダブロックのシリンダボアに
ピストンを組み込むための位置決め用治具によってピス
トンの位置を規定しておく場合に利用される。
【0030】先端壁30の内端面37は、周壁35に連
なる環状の凹条371と、環状の凹条371の内側に設
けられた環状の凸条372とからなる。凹条371の最
下位部位370から中心軸線Lの軸線方向へ突出した凸
条372及び凹条371は、先端壁30に対する補強用
盛り上がり部50となる。凹条371の最下位部位37
0を除く凹条371及び凸条372の表面は、補強用盛
り上がり部50の先端面となる。
【0031】中心軸線Lを通る平面S(図4に一例を図
示)で環状の凹条371の任意の1箇所を切断したとき
の断面形状は、円弧373である。中心軸線Lの周りで
円弧373を1周りさせれば環状の凹条371が形成さ
れる。即ち、円弧373は環状の凹条371の母線とな
る。又、中心軸線Lを通る平面Sで環状の凸条372の
任意の1箇所を切断したときの断面形状は、円弧374
である。中心軸線Lの周りで円弧374を1周りさせれ
ば環状の凸条372が形成される。即ち、円弧374は
環状の凸条372の母線となる。凸条372は球面の一
部となっている。
【0032】円弧373の半径は、円弧374の半径よ
りもかなり小さくしてある。平面S上において、円弧3
73は中空部171を形成する周壁35の内周面351
に滑らかに繋がっており、円弧374は円弧373に滑
らかに繋がっている。即ち、環状の凹条371は周壁3
5に滑らかに連なっており、環状の凸条372は環状の
凹条371に滑らかに連なっている。環状の凹条371
及び環状の凸条372は、ピストン17の中心軸線Lを
包囲している。
【0033】図4において、環状の凹条371の領域
は、内周面351と鎖線円Kとの間のであり、環状の凸
条372の領域は、鎖線円Kの内部である。環状の凸条
372の一部は、先端壁30の厚み方向(中心軸線Lの
軸線の方向)に見て位置決め用孔361と重なり合って
いる。
【0034】第1の実施の形態では以下の効果が得られ
る。 (1-1)従来の単純な平板形状の先端壁では、この先端
壁の内端面と周壁35の内周面351との接続部が直角
形状となり、応力が前記直角形状の接続部に集中し易
い。先端壁の内端面と周壁35の内周面351との接続
部を凹曲線形状(所謂R形状)にすると、前記接続部に
おける応力集中が緩和される。そこで、先端壁の厚みを
小さくすると、中心軸線L付近における先端壁の部分に
過剰な応力集中が生じる。そのため、前記接続部を凹曲
線形状にしたとしても、先端壁全体の厚みを単純に小さ
くすることはできない。
【0035】本実施の形態における環状の凹条371を
形成する円弧373は、周壁35の内周面351から中
心軸線Lに向かうにつれて先端壁30の外端面36側に
近づいてゆき、次いで外端面36から遠ざかる。環状の
凸条372を形成する円弧374は、内周面351側か
ら中心軸線Lに向かうにつれて先端壁30の外端面36
から遠ざかってゆく。即ち、中空部171を形成する先
端壁30の内端面37は、中空部171を形成する周壁
35の内周面351から中心軸線Lに向かうにつれて、
外端面36に近づいてゆき、次いで外端面36から遠ざ
かる形状となっている。このような先端壁30の内端面
37の形状は、応力分散作用に優れている。即ち、環状
の凹条371は、周壁35と先端壁30との接続部への
応力集中を緩和し、環状の凸条372は、中心軸線L付
近における先端壁30の部分への応力集中を緩和する。
応力分散作用に優れた内端面37の形状は、単純な平板
形状の先端壁に比べ、先端壁30における必要な強度を
確保しつつ材料の量を減らしてさらに軽量にすることを
可能とする。
【0036】(1-2)中心軸線Lと交差する環状の凸条
372の一部は、先端壁30の厚み方向に見て位置決め
用孔361と重なり合っている。環状の凸条372の領
域における先端壁30の厚みは、中心軸線Lと交差する
環状の凸条372の部位で最も大きい。環状の凸条37
2における厚みの最も大きい部位と、位置決め用孔36
1とを先端壁30の厚み方向に見て重ならせた構成は、
強度低下の特に生じ易い位置決め用孔361の付近の強
度低下の回避に有効である。
【0037】(1-3)中心軸線Lを包囲する環状の凹条
371及び環状の凸条372は、先端壁30の材料の量
を減らして必要な強度を確保する上で最適な応力分散作
用をもたらす。
【0038】(1-4)環状の凹条371の母線となる円
弧373は、応力分散をもたらすための環状の凹条37
1の適正な形状設定の容易性の上で好適である。 (1-5)環状の凸条372の母線となる円弧374は、
応力分散をもたらすための環状の凸条372の適正な形
状設定の容易性の上で好適である。
【0039】(1-6)先端壁30を備えた第1のピスト
ン片31は、型成形、切削加工あるいはプレス成形等に
よって形成される。第1のピストン片31と第2のピス
トン片32とを結合したピストン17は、先端壁30の
内端面37を所定の形状に容易に形成する上で有利であ
る。
【0040】次に、図5の第2の実施の形態を説明す
る。第1の実施の形態と同じ構成部には同じ符号が付し
てある。第2のピストン片32Aと共にピストン17A
を構成する第1のピストン片31Aは、第2のピストン
片32Aの周壁34の内側に全て収まるように第2のピ
ストン片32Aに嵌合して結合されている。
【0041】次に、図6の第3の実施の形態を説明す
る。第1の実施の形態と同じ構成部には同じ符号が付し
てある。この実施の形態におけるピストン17Bでは、
第1の実施の形態における周壁34に相当する周壁35
Bが第1のピストン片31B側に一体形成されている。
第2のピストン片32Bには保持周壁38が形成されて
いる。保持周壁38は周壁35Bに嵌入結合されてい
る。
【0042】第2及び第3の実施の形態においても第1
の実施の形態と同じ効果が得られる。次に、図7及び図
8の第4の実施の形態を説明する。第1の実施の形態と
同じ構成部には同じ符号が付してある。
【0043】ピストン17Cを構成する第1のピストン
片31Cにおける先端壁30Cの内端面37Cは、周壁
35の内周面351に連なるテーパ375と、テーパ3
75に連なるテーパ376と、平坦面377とからな
る。図8に示す(中心軸線Lを通る)平面Sによってテ
ーパ375の任意の1箇所を切断した切断形状は直線で
ある。同様に、平面Sによってテーパ376の任意の1
箇所を切断した切断形状は直線である。テーパ375
は、内周面351から中心軸線Lにむかうにつれて外端
面36に近づいてゆき、テーパ376は、内周面351
側から中心軸線Lにむかうにつれて外端面36から遠ざ
かってゆく。このような形状の内端面37Cを備えた補
強用盛り上がり部50Cは、第1〜第3の実施の形態に
おける内端面37に比べて応力分散作用の点で若干劣る
が、先端壁30Cの軽量化の効果は得られる。
【0044】次に、図9(a),(b)の第5の実施の
形態を説明する。第1の実施の形態と同じ構成部には同
じ符号が付してある。ピストン17Dの第1のピストン
片31Dを構成する先端壁40は平板形状であり、先端
壁40の内端面41は外端面36に対して平行な平面と
なっている。図9(b)に示すように、内端面41には
複数の補強突条39(本実施の形態では6本)が一体形
成されている。複数の補強突条39は、中心軸線Lから
周壁35の内周面351側へ放射状に拡がるように配置
してある。各補強突条39の始端部391は、中心軸線
Lの付近で集合しており、各補強突条39の終端部39
2は周壁35の内周面351に連なっている。始端部3
91の集合する補強突条39の部位の一部は、先端壁4
0の厚み方向に見て位置決め用孔361に重なり合って
いる。複数の補強突条39は、中心軸線Lを通る半径線
に沿い、かつ中心軸線Lの周りに等間隔に配置されてい
る。本実施の形態では、複数の補強突条39は、中心軸
線Lの周りに60°の等角度間隔で配置されている。補
強突条39の先端面393は、内端面41に対して平行
であり、補強突条39の高さはどこでも同じである。
【0045】第5の実施の形態では以下の効果が得られ
る。 (5-1)従来の単純な平板形状の先端壁では、この先端
壁の内端面と周壁35の内周面351の接続部が直角形
状となり、応力が前記直角形状の接続部に集中し易い。
先端壁の厚みを増せば、前記直角形状の接続部に集中す
る応力に対抗し得る強度が得られるが、先端壁の増厚は
先端壁の重量増加をもたらす。そこで、前記直角形状の
接続部に集中する応力に対抗し得る必要最小限の壁厚を
設定して先端壁の重量増加を可及的に抑制した場合、先
端壁の中央部に対する応力集中が過大になる。
【0046】内端面41上に突設した複数の補強突条3
9は、内端面41における表面積を増大する。内端面4
1における表面積の増大は、先端壁40に対する応力集
中を緩和する上で有効である。又、内端面41上に複数
の補強突条39を突設した構成は、先端壁の厚みを単純
に増大した場合よりも先端壁40の重量増加を抑制でき
る。従って、複数の補強突条39を備えた先端壁40
は、単純な平板形状の先端壁に比べ、先端壁40におけ
る必要な強度を確保しつつ材料の量を減らしてさらに軽
量にすることを可能とする。
【0047】(5-2)補強突条39は、その長さ方向へ
の応力分散に優れている。中心軸線Lを中心とした回転
対称な先端壁40に関しては、その半径方向へ応力分散
することによって先端壁40における必要な強度を確保
するのが適正である。先端壁40の内端面41上に半径
線に沿って放射状に補強突条39を設けた構成は、先端
壁40における半径方向の応力分散を行なう上で有利で
ある。
【0048】(5-3)全ての補強突条39を周壁35の
内周面351に連ならせた構成は、周壁35と先端壁4
0との接続部における応力分散に有効である。(5-4)
全ての補強突条39の始端部391を中心軸線L上で集
合させた構成は、先端壁40の中心軸線L付近の部位に
おける応力分散及び強度向上に有効である。補強突条3
9の始端部391の集合する先端壁40の部位の一部
を、先端壁40の厚み方向に見て位置決め用孔361に
重ならせた構成は、位置決め用孔361の存在による先
端壁40の強度低下を補償する。
【0049】(5-5)先端壁40の周方向への応力分散
は、半径方向への応力分散ほどではないにしても重要で
ある。複数の補強突条39を中心軸線Lの周りに等間隔
に配置した構成は、中心軸線Lの周りに関する応力分
散、即ち周方向への応力分散の均等化に有利である。
【0050】(5-6)先端壁40を備えた第1のピスト
ン片31Dは、型成形、切削加工あるいはプレス成形等
によって形成される。第1のピストン片31Dと第2の
ピストン片32とを結合したピストン17Dは、先端壁
40の内端面41上に補強突条39を所定の形状に容易
に形成する上で有利である。
【0051】次に、図10(a),(b)の第6の実施
の形態を説明する。第5の実施の形態と同じ構成部には
同じ符号が付してある。この実施の形態では、ピストン
17Eを構成する第1のピストン片31Eの先端壁40
の内端面41上には複数の補強突条42が設けられてい
る。複数の補強突条42は、中心軸線Lの近傍から周壁
35の内周面351側へ放射状に向かって内周面351
に到達している。補強突条42の始端部421は、中心
軸線Lの近傍で集合している。複数の補強突条42は中
心軸線Lを通る半径線上にはないが、複数の補強突条4
2は、中心軸線Lの周りに等間隔に配置されている。補
強突条42は、第5の実施の形態の補強突条39と同様
の効果をもたらす。
【0052】次に、図11(a),(b)の第7の実施
の形態を説明する。第5の実施の形態と同じ構成部には
同じ符号が付してある。この実施の形態のピストン17
Fを構成する第1のピストン片31Fに形成された複数
の補強突条43は、中心軸線L付近に集中しており、補
強突条43と周壁35の内周面351とは接続していな
い。補強突条43の一部は、中心軸線Lの方向に見て位
置決め用孔361と重なり合っている。複数の補強突条
43は、中心軸線Lを通る半径線に沿い、かつ中心軸線
Lの周りに等間隔に配置されている。複数の補強突条4
3は、中心軸線L付近で応力分散を専ら行なう。
【0053】この実施の形態では、第5の実施の形態に
おける(5-1)項、(5-2)項、(5-4)項〜(5-6)
項と同じ効果が得られる。次に、図12(a),(b)
の第8の実施の形態を説明する。第5の実施の形態と同
じ構成部には同じ符号が付してある。
【0054】この実施の形態のピストン17Gを構成す
る第1のピストン片31Gに形成された円柱形状の補強
用盛り上がり部44は、中心軸線Lと交差するように中
心軸線L付近に集中している。補強用盛り上がり部44
と中心軸線Lとは交差しており、補強用盛り上がり部4
4の一部は、中心軸線Lの軸線方向に見て位置決め用孔
361と重なっている。補強用盛り上がり部44は、中
心軸線Lから周壁35の内周面351に向けて放射状に
拡がっているが、補強用盛り上がり部44と周壁35の
内周面351とは接続していない。補強用盛り上がり部
44は、中心軸線L付近で応力分散を専ら行なう。中心
軸線Lの周りにおける周方向へ連続する補強用盛り上が
り部44は、中心軸線Lの周りに関する応力分散、即ち
周方向への応力分散の均等化に関して最適である。
【0055】この実施の形態では、第5の実施の形態に
おける(5-1)項、(5-2)項、(5-4)項〜(5-6)
項と同じ効果が得られる。次に、図13(a),(b)
の第9の実施の形態を説明する。第5の実施の形態と同
じ構成部には同じ符号が付してある。
【0056】この実施の形態のピストン17Hを構成す
る第1のピストン片31Hに形成された補強用盛り上が
り部45は、中心軸線Lを包囲するリング形状をしてい
る。補強用盛り上がり部45は、中心軸線Lから半径方
向に離れた位置から周壁35の内周面351に向けて放
射状に拡がっているが、補強用盛り上がり部45と周壁
35の内周面351とは接続していない。補強用盛り上
がり部45は、中心軸線L付近で応力分散を専ら行な
う。中心軸線Lの周りにおける周方向へ連続する補強用
盛り上がり部45は、中心軸線Lの周りに関する応力分
散、即ち周方向への応力分散の均等化に関して好適であ
る。
【0057】この実施の形態では、第5の実施の形態に
おける(5-1)項、(5-5)項、(5-6)項と同じ効果
が得られる。次に、図14(a),(b)の第10の実
施の形態を説明する。第8の実施の形態と同じ構成部に
は同じ符号が付してある。
【0058】この実施の形態では、ピストン17Jを構
成する第1のピストン片31Jの先端壁40の内端面4
1上には補強用盛り上がり部44及び複数の補強突条4
6が設けられている。補強突条46は、補強用盛り上が
り部44の外周面及び周壁35の内周面351の両方に
連なっている。複数の補強突条46は、中心軸線Lを通
る半径線に沿い、かつ中心軸線Lの周りに等間隔に配置
されている。補強用盛り上がり部44は、第8の実施の
形態における補強用盛り上がり部44と同じ効果をもた
らす。複数の補強突条46は、第5の実施の形態におけ
る(5-2)項及び(5-3)項と同じ効果をもたらす。
【0059】次に、図15(a),(b)の第11の実
施の形態を説明する。第8の実施の形態と同じ構成部に
は同じ符号が付してある。この実施の形態では、ピスト
ン17Kを構成する第1のピストン片31Kの先端壁4
0の内端面41上には補強用盛り上がり部44及び複数
の補強突条47が設けられている。複数の補強突条47
は、中心軸線Lを通る半径線に沿って放射状に拡がって
周壁35の内周面351に連なっている。複数の補強突
条47は、中心軸線Lの周りに等間隔に配置されてい
る。補強用盛り上がり部44は、第8の実施の形態にお
ける補強用盛り上がり部44と同じ効果をもたらす。複
数の補強突条47は、第5の実施の形態における(5-
2)項と同じ効果をもたらす。
【0060】次に、図16(a),(b)の第12の実
施の形態を説明する。第11の実施の形態と同じ構成部
には同じ符号が付してある。この実施の形態では、ピス
トン17Lを構成する第1のピストン片31Lの先端壁
40の内端面41上には複数の補強突条47及び複数の
補強突条48が設けられている。補強突条47は、中心
軸線Lを通る半径線に沿って放射状に拡がっているが、
周壁35の内周面351には連なっていない。補強突条
48の一部は、中心軸線Lの方向に見て位置決め用孔3
61と重なり合っている。補強突条48は、第11の実
施の形態における補強突条48と同じ効果をもたらす。
複数の補強突条47は、第7の実施の形態における補強
突条43と同じ効果をもたらす。
【0061】次に、図17(a),(b)の第13の実
施の形態を説明する。第5の実施の形態と同じ構成部に
は同じ符号が付してある。この実施の形態では、ピスト
ン17Mを構成する第1のピストン片31Mの先端壁4
0の内端面41上には複数の補強突条49が設けられて
いる。各補強突条49は、中心軸線Lから周壁35の内
周面351に到達している。複数の補強突条49は、中
心軸線Lを通る半径線に沿い、かつ中心軸線Lの周りに
等間隔に配置されている。補強突条49の先端面491
は、周壁35の内周面351から中心軸線Lに向かうに
つれて、外端面36に近づいてゆき、次いで外端面36
から遠ざかる形状となっている。補強突条49の一部
は、中心軸線Lの方向に見て位置決め用孔361と重な
り合っている。補強突条49のうちの凹条492は、周
壁35と先端壁40との接続部への応力集中を緩和す
る。補強突条49のうちの凸条493は、中心軸線L付
近における先端壁40の部分への応力集中を緩和する。
【0062】次に、図18及び図19の第14の実施の
形態を説明する。第1の実施の形態と同じ構成部には同
じ符号が付してある。図18(a)に示すように、ピス
トン17Nを構成する第1のピストン片31Nにおける
先端壁30Nの内端面37Nは、周壁35の内周面35
1に連なる環状の凹条371と、環状の凹条371に連
なる環状の凸条378と、平坦面379とからなる。環
状の凸条378は球面の一部である。環状の凸条378
は、内周面351側から中心軸線Lにむかうにつれて外
端面36から遠ざかってゆく。平坦面379は外端面3
6に対して平行である。凹条371の最下位部位370
から中心軸線Lの軸線方向へ突出した凸条378、凹条
371及び平坦面379の突出部分は、先端壁30Nに
対する補強用盛り上がり部50Nとなる。
【0063】この実施の形態においても、第1の実施の
形態と同様の効果が得られる。第1のピストン片31N
は、図19(a)に示す組み付けられた型51,52内
にアルミニウム製の溶湯を流し込んで製造される。型5
1には円柱形状の押圧ロッド53がスライド可能に取り
付けられており、押圧ロッド53の先端部の付近でひけ
巣発生防止用盛り部54が成形されるようになってい
る。ひけ巣発生防止用盛り部54には押圧ロッド53の
先端部の形状が凹部541として残る。型51,52
は、外端面36上に位置決め用孔361を成形すると共
に、第1のピストン片31Nの先端壁30Nの内端面3
7N上にひけ巣発生防止用盛り部54を補足して成形す
る型である。押圧ロッド53は、型51,52内に流し
込まれた溶湯が固化する前に図19(a)に示す矢印Q
の方向に付勢される。矢印Qの方向に付勢される押圧ロ
ッド53は、ひけ巣発生防止用盛り部54の表面に圧力
を加えることになる。
【0064】溶湯の固化後、ひけ巣発生防止用盛り部5
4を有する準ピストン片310は、型51,52内から
取り出され、図19(b)に示すように、ひけ巣発生防
止用盛り部54が切削具55(例えばエンドミル)によ
って切削除去される。ひけ巣発生防止用盛り部54を切
削した後の内端面37N上の切削面が平坦面379とな
る。
【0065】溶湯が固化する前にひけ巣発生防止用盛り
部54の表面に加えられた圧力は、中心軸線Lの付近に
おける先端壁30Nの部分、即ち平坦面379付近にお
ける先端壁30Nの部分でのひけ巣発生を防止する。先
端壁30N内におけるひけ巣発生の抑制は、必要な材料
強度を確保しつつ先端壁30Nの軽量化に寄与する。先
端壁30N内におけるひけ巣発生を抑制するためのひけ
巣発生防止用盛り部54は、補強用盛り上がり部50N
の一部として好適である。
【0066】本発明では以下のような実施の形態も可能
である。 (1)第1の実施の形態において、円弧以外の滑らかな
凹曲線を母線とする環状の凹条を採用すること。 (2)第1の実施の形態において、円弧以外の滑らかな
凸曲線を母線とする環状の凸条を採用すること。 (3)第1の実施の形態において、環状の凹条と周壁3
5の内周面351とをテーパで繋ぐこと。 (4)第1の実施の形態において、環状の凹条と環状の
凸条とをテーパで繋ぐこと。 (5)第1の実施の形態における環状の凸条372を球
面以外の曲面とすること。 (6)第4の実施の形態における平坦面377をなく
し、中心軸線Lに至るまで円錐面のテーパ376とする
こと。 (7)第4の実施の形態における平坦面377上、第1
4の実施の形態における平坦面379上に凹部を設ける
こと。 (8)第14の実施の形態において、押圧ロッド53と
の接触によってひけ巣発生防止用盛り部54に形成され
る凹部541の一部が残るように、ひけ巣発生防止用盛
り部54を切削具55によって切削すること。 (9)第10の実施の形態、第11の実施の形態、第1
2の実施の形態において、補強突部44,47及び補強
突条48を省略すること。 (10)第1のピストン片と第2のピストン片とを接着
剤で結合すること。 (11)第1のピストン片と第2のピストン片とを摩擦
圧接で結合すること。 (12)第1のピストン片と第2のピストン片とを圧入
結合すること。
【0067】前記した実施の形態から把握できる請求項
記載以外の発明について以下にその効果と共に記載す
る。 〔1〕前記中心軸線を通る平面で前記環状の凹条の任意
の1箇所を切断したときの断面形状は、同一の滑らかな
凹曲線である請求項5に記載の圧縮機におけるピスト
ン。
【0068】環状の凹条の母線となる凹曲線は、適正な
応力分散作用をもたらす上で好適である。 〔2〕前記凹曲線は円弧である前記〔1〕項に記載の圧
縮機におけるピストン。
【0069】円弧は、適正な応力分散作用をもたらす凹
曲線として好適である。 〔3〕前記中心軸線を通る平面で前記環状の凸条の任意
の1箇所を切断したときの断面形状は、同一の滑らかな
凸曲線である請求項5、前記〔1〕項及び〔2〕項のい
ずれか1項に記載の圧縮機におけるピストン。
【0070】環状の凸条の母線となる滑らかな凸曲線
は、適正な応力分散作用をもたらす上で好適である。 〔4〕前記凸曲線は円弧である前記〔3〕に記載の圧縮
機におけるピストン。
【0071】円弧は、適正な応力分散作用をもたらす凸
曲線として好適である。 〔5〕前記補強用盛り上がり部は、前記周壁の内周面に
連なっている請求項1乃至請求項5、前記〔1〕項乃至
〔4〕項のいずれか1項に記載の圧縮機におけるピスト
ン。
【0072】周壁の内周面に補強用盛り上がり部を連な
らせた構成は、周壁と先端壁との接続部における応力分
散に有効である。 〔6〕前記補強用盛り上がり部は前記中心軸線と交差す
る前記〔5〕項に記載の圧縮機におけるピストン。
【0073】周壁の内周面に連なり、かつ中心軸線と交
差する補強用盛り上がり部は、周壁と先端壁との接続部
における応力分散及び先端壁の中心軸線付近の部位にお
ける応力分散に有効である。
【0074】〔7〕前記複数の補強突条の各始端部は前
記中心軸線の付近で集合している請求項8及び請求項9
のいずれか1項に記載の圧縮機におけるピストン。複数
の補強突条の各始端部を中心軸線の付近で集合させた構
成は、応力分散作用を高める上で有利である。
【0075】〔8〕前記複数の補強突条の終端部は前記
周壁の内周面に連なっている請求項8、請求項9及び前
記〔7〕項のいずれか1項に記載の圧縮機におけるピス
トン。
【0076】周壁の内周面に複数の補強突条の終端部を
連ならせた構成は、周壁と先端壁との接続部における応
力分散に有利である。
【0077】
【発明の効果】以上詳述したように、中空部を形成する
先端壁に対し、前記先端壁の外端面側には凹部を設ける
と共に、前記先端壁の内端面側には補強用盛り上がり部
を設けた発明では、先端壁の軽量化を図ってピストンを
更に軽量にし得るという優れた効果を奏する。
【0078】第1のピストン片の先端壁の内端面上にひ
け巣発生防止用盛り部を成形すると共に、先端壁の外端
面に凹部を成形する型の内に溶湯を流し込み、前記流し
込まれた溶湯が固化する前に、前記ひけ巣発生防止用盛
り部の表面に圧力を加え、前記流し込まれた溶湯が固化
して成形された準ピストン片における前記ひけ巣発生防
止用盛り部の少なくとも一部を補強用盛り上がり部とす
る発明では、先端壁におけるひけ巣発生を防止して先端
部の一層の軽量化を図り得るという優れた効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態を示す圧縮機全体の側断面
図。
【図2】ピストンの側断面図。
【図3】図2のA−A線断面図。
【図4】図2のB−B線断面図。
【図5】第2の実施の形態を示すピストンの側断面図。
【図6】第3の実施の形態を示すピストンの側断面図。
【図7】第4の実施の形態を示すピストンの要部側断面
図。
【図8】図7のC−C線断面図。
【図9】第5の実施の形態を示し、(a)はピストンの
要部側断面図。(b)は(a)のD−D線断面図。
【図10】第6の実施の形態を示し、(a)はピストン
の要部側断面図。(b)は(a)のE−E線断面図。
【図11】第7の実施の形態を示し、(a)はピストン
の要部側断面図。(b)は(a)のF−F線断面図。
【図12】第8の実施の形態を示し、(a)はピストン
の要部側断面図。(b)は(a)のG−G線断面図。
【図13】第9の実施の形態を示し、(a)はピストン
の要部側断面図。(b)は(a)のH−H線断面図。
【図14】第10の実施の形態を示し、(a)はピスト
ンの要部側断面図。(b)は(a)のJ−J線断面図。
【図15】第11の実施の形態を示し、(a)はピスト
ンの要部側断面図。(b)は(a)のK−K線断面図。
【図16】第12の実施の形態を示し、(a)はピスト
ンの要部側断面図。(b)は(a)のL−L線断面図。
【図17】第13の実施の形態を示し、(a)はピスト
ンの要部側断面図。(b)は(a)のM−M線断面図。
【図18】第14の実施の形態を示し、(a)はピスト
ンの側断面図。(b)は(a)のN−N線断面図。
【図19】(a)は型内に溶湯を流し込んだ状態を示す
側断面図。(b)はひけ巣発生防止用盛り部54の切削
を説明する側断面図。
【符号の説明】
13…回転軸。15…カム体となる斜板。17,17
A,17B,17C,17D,17E,17F,17
G,17H,17J,17K,17L,17M,17N
…ピストン。171…中空部。30,30N,40…先
端壁。31,31A,31B,31C,31D,31
E,31F,31G,31H,31J,31K,31
L,31M,31N…第1のピストン片。310…準ピ
ストン片。35,35B…周壁。36…外端面。361
…凹部となる位置決め用孔。37,37N,41…内端
面。371…環状の凸条。372…環状の凸条。373
…凹曲線となる円弧。374…凸曲線となる円弧。3
9,42,43,47,48,49…補強突条。50,
50N…補強用盛り上がり部。51,52…型。54…
ひけ巣発生防止用盛り部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B22D 27/09 F04B 39/00 107E F04B 39/00 107 27/08 K

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】回転軸と一体的に回転するカム体の回転に
    よって往復動され、中空部を有するピストンにおいて、 前記中空部を形成する先端壁に対し、前記先端壁の外端
    面側には凹部を設ける共に、前記先端壁の内端面側には
    補強用盛り上がり部を設けた圧縮機におけるピストン。
  2. 【請求項2】前記補強用盛り上がり部の少なくとも一部
    は、前記先端壁の厚み方向に見て前記凹部と重なり合っ
    ている請求項1に記載の圧縮機におけるピストン。
  3. 【請求項3】前記中空部はピストンの中心軸線を包囲
    し、前記補強用盛り上がり部は、前記中心軸線側から前
    記中空部を形成する周壁の内周面に向けて放射状に拡が
    る形状とした請求項1及び請求項2のいずれか1項に記
    載の圧縮機におけるピストン。
  4. 【請求項4】前記補強用盛り上がり部の先端面は、前記
    中空部を形成する周壁の内周面から前記中心軸線に向か
    うにつれて、前記先端壁の外端面側に近づいてゆき、次
    いで前記外端面から遠ざかる形状とした請求項3に記載
    の圧縮機におけるピストン。
  5. 【請求項5】前記補強用盛り上がり部の先端面は、前記
    周壁の内周面に連なると共に、前記中心軸線を包囲する
    環状の凹条と、前記環状の凹条に連なるように、かつ前
    記中心軸線を包囲するように前記環状の凹条の内側に設
    けられた環状の凸条とを備えている請求項4に記載の圧
    縮機におけるピストン。
  6. 【請求項6】前記補強用盛り上がり部は、前記周壁の内
    周面から離間している請求項1乃至請求項3のいずれか
    1項に記載の圧縮機におけるピストン。
  7. 【請求項7】前記補強用盛り上がり部は前記中心軸線と
    交差する請求項6に記載の圧縮機におけるピストン。
  8. 【請求項8】前記補強用盛り上がり部は複数の補強突条
    からなり、前記複数の補強突条は、前記中心軸線を通る
    半径線に沿って形成されている請求項1乃至請求項3、
    請求項6及び請求項7のいずれか1項に記載の圧縮機に
    おけるピストン。
  9. 【請求項9】前記複数の補強突条は、前記中心軸線の周
    りに等間隔に配置されている請求項8に記載の圧縮機に
    おけるピストン。
  10. 【請求項10】前記先端壁を含む第1のピストン片と、
    前記中空部を形成すると共に、前記カム体に摺接するシ
    ューに接する第2のピストン片とを結合して構成した請
    求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載の圧縮機にお
    けるピストン。
  11. 【請求項11】回転軸と一体的に回転するカム体の回転
    によって往復動されるピストンであり、ピストンの中心
    軸線を包囲する中空部を有し、前記中空部を形成する先
    端壁を含む第1のピストン片と、前記中空部を形成する
    と共に、前記カム体に摺接するシューに接する第2のピ
    ストン片とを結合して構成したピストンにおいて、 前記第1のピストン片の先端壁の内端面上にひけ巣発生
    防止用盛り部を成形すると共に、前記先端壁の外端面上
    に凹部を成形する型の内に溶湯を流し込み、前記流し込
    まれた溶湯が固化する前に、前記ひけ巣発生防止用盛り
    部の先端面に圧力を加え、前記流し込まれた溶湯が固化
    して成形された準ピストン片における前記ひけ巣発生防
    止用盛り部の少なくとも一部を補強用盛り上がり部とし
    て前記第1のピストン片を形成する圧縮機におけるピス
    トン製造方法。
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