JPH10205431A - アキシャルピストン型液圧回転機 - Google Patents

アキシャルピストン型液圧回転機

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Publication number
JPH10205431A
JPH10205431A JP9020949A JP2094997A JPH10205431A JP H10205431 A JPH10205431 A JP H10205431A JP 9020949 A JP9020949 A JP 9020949A JP 2094997 A JP2094997 A JP 2094997A JP H10205431 A JPH10205431 A JP H10205431A
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JP
Japan
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cylinder block
cylinder
sliding
cylinders
sliding plate
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Application number
JP9020949A
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English (en)
Inventor
Akira Nakayama
中山  晃
Haruo Kokubu
晴雄 国分
Shigetaka Nakamura
重孝 中村
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Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シリンダブロックのうち弁板に摺接する端面
等をシリンダブロック本体とは別個の耐摩耗性に優れた
材料で容易に形成できるようにする。 【解決手段】 シリンダブロック本体6の合せ面6Cに
は環状凸部8を一体形成し、環状凸部8の周壁面には周
方向に沿って環状の切込み部8A,8Bを形成する。そ
して、摺動板9をプレス機等を用いて環状凸部8に向け
加圧成形することにより摺動板9を塑性流動させ、この
摺動板9を環状凸部8の周囲で切込み部8A,8Bを隙
間なく埋めるようにして合せ面6Cに接合させる。これ
により摺動板9の裏面側には環状凸部8、切込み部8
A,8Bに対応して環状凹部10、環状突起部を形成
し、摺動板9をこれらの環状凸部8、環状凹部10、切
込み部8A,8Bおよび環状突起部を介してシリンダブ
ロック本体6に抜止め状態で一体的に結合固着させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、斜軸型ポンプ・モ
ータ、または斜板型ポンプ・モータ等に好適に用いられ
るアキシャルピストン型液圧回転機に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、ケーシングと、このケーシング
に中心軸を介して回転可能に設けられ、複数のシリンダ
が設けられたシリンダブロックと、このシリンダブロッ
クの各シリンダ内に往復動可能に挿嵌されたピストン
と、前記ケーシングとシリンダブロックの端面との間に
設けられ、このシリンダブロックが回転するときに前記
各シリンダと連通する一対の給排ポートを有した弁板と
からなるアキシャルピストン型液圧回転機は知られてい
る。
【0003】この種の従来技術による液圧回転機にあっ
ては、前記シリンダブロックは、例えば略円筒状に一体
成形され、その一端側端面には、ピストンをシリンダブ
ロックの一端側から装入すべく各シリンダの一端側が開
口し、他端側端面には各シリンダ内にそれぞれ連通した
複数の連通孔が開口する構成となっている。そして、シ
リンダブロックの他端側端面は前記弁板に対する摺動面
となり、各シリンダを前記各連通孔を介して給排ポート
側に連通させる構成となっている。
【0004】そして、この従来技術による液圧回転機
を、例えば斜板型の油圧モータとして用いる場合には、
前記ケーシング内にピストンとの対向面が傾斜面となっ
た斜板を設けると共に、外部からの圧油を各給排ポート
を介して各シリンダ内に順次供給する。この結果、各ピ
ストンの突出端側は各シリンダ内から順次伸長して斜板
に押付けられ、このときにシリンダに作用する斜板から
の反力を利用することより、シリンダブロックと共に回
転軸に回転力を与え、これをモータ出力として取出すよ
うにしている。
【0005】一方、斜板型の油圧ポンプとして用いる場
合には、この油圧ポンプの回転軸を回転源となるエンジ
ンやモータ等によって回転駆動し、シリンダブロックの
各シリンダ内で各ピストンを往復動させることにより、
給排ポートを介して各シリンダ内に吸込んだ油液を順次
圧油として外部に吐出させるようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来技術によるアキシャルピストン型液圧回転機では、前
記シリンダブロックの他端側端面を弁板に対して摺動可
能に摺接させると共に、リンダブロックの各シリンダ内
には各ピストンを摺動可能に摺接させる構成としている
ため、シリンダブロックの回転時には、これらのシリン
ダブロックの他側端面または各シリンダの内壁面はそれ
ぞれ弁板および各ピストンにより比較的摩耗を受け易く
なる。
【0007】そこで、前記他側端面または各シリンダの
周壁面等の耐摩耗性を高めるために、これらの他側端面
または各シリンダを含めたシリンダブロック全体を耐摩
耗性に優れた材料で一体形成する方法等が考えられる
が、この場合には、シリンダブロック全体の材料コスト
等が高くつくという問題がある。 本発明は上述した従
来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明はシリンダ
ブロックのうち弁板に摺接する端面側またはピストンが
摺動するシリンダの周壁面側のみをシリンダブロック本
体とは別個の耐摩耗性に優れた材料で容易に形成するこ
とができ、シリンダブロック全体の材料コスト等を大幅
に低減できる上に、シリンダブロック全体の加工精度等
を大幅に向上できるようにしたアキシャルピストン型液
圧回転機を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために本発明は、ケーシングと、このケーシングに中心
軸を介して回転可能に設けられ、複数のシリンダが設け
られたシリンダブロックと、このシリンダブロックの各
シリンダ内に往復動可能に挿嵌されたピストンと、前記
ケーシングとシリンダブロックの端面との間に設けら
れ、このシリンダブロックが回転するときに前記各シリ
ンダと連通する一対の給排ポートを有した弁板とからな
るアキシャルピストン型液圧回転機に適用される。
【0009】そして、請求項1に記載の発明が採用する
構成の特徴は、前記シリンダブロックを、一端側から前
記各シリンダ内に各ピストンを装入すべく一端側端面が
前記各シリンダの開口端となり、他端側端面が合せ面と
なったシリンダブロック本体と、このシリンダブロック
本体の合せ面に塑性流動により結合固着され、前記弁板
に対して摺動する板状の摺動板とから構成したことにあ
る。
【0010】上記構成によれば、シリンダブロック本体
の合せ面に摺動板を取付けるときには、この摺動板をプ
レス機等で前記合せ面に向けて加圧することにより、摺
動板を塑性流動させて前記合せ面に容易に結合固着する
ことができる。そして、このときに摺動板の表面を弁板
に対する摺動面として形成でき、この摺動板の塑性流動
により摺動板とシリンダブロック本体の合せ面との結合
部(接合部)間に熱歪みによる変形等が生じるのを防止
できる。
【0011】また、請求項2の発明では、前記シリンダ
ブロック本体の合せ面には、前記中心軸の周囲に沿って
周方向に延びる環状凸部と、この環状凸部の周壁部に沿
って延びるように形成した切込み部とを設け、前記摺動
板は、前記環状凸部の周囲で切込み部を埋めるように塑
性変形することにより前記シリンダブロック本体の合せ
面に一体化される構成としている。
【0012】これにより、シリンダブロック本体の合せ
面に摺動板を一体化するときには、まずシリンダブロッ
ク本体をダイス等により固定し、次に摺動板をシリンダ
ブロック本体の合せ面に設けた環状凸部の上側に配置す
る。そして、最後に摺動板をポンチ等を介してシリンダ
ブロック本体の他側から前記環状凸部側に向けてプレス
により加圧する。
【0013】この結果、前記摺動板を環状凸部の周囲で
切込み部を埋めるように塑性変形させることができ、こ
れによって摺動板を前記切込み部を介して環状凸部に対
し抜止め状態で確実に一体化できる。また、摺動板と環
状凸部との結合部の隙間等を摺動板の塑性変形により確
実になくすことができ、前記結合部を液密にシールする
ことができる。
【0014】さらに、請求項3に記載の発明が採用する
構成の特徴は、前記シリンダブロックの各シリンダを、
前記中心軸の周囲で周方向に一定間隔をもって配設さ
れ、前記シリンダブロックの軸方向にそれぞれ伸長した
複数の段付穴と、この各段付穴内に挿嵌された状態で外
周側がこれらの段付穴の周壁面に塑性流動により結合固
着され、内周側が前記各ピストンに対する摺動面となっ
た複数の摺動筒とから構成したことにある。
【0015】上記構成によれば、摺動筒をシリンダブロ
ックの各段付穴に取付けるときには、摺動筒を段付穴内
に挿嵌した状態で、この摺動筒をプレス機等を用いて各
段付穴内に押込むようにして加圧する。この結果、前記
摺動筒の外周側には段付穴の形状に合わせて塑性流動に
よる変形を容易に生じさせることができ、これによって
摺動筒を段付穴の周壁面に抜止め状態で結合固着できる
と共に、摺動筒の内周側をピストンに対する摺動面とし
て形成することができる。
【0016】さらにまた、請求項4に記載の発明が採用
する構成の特徴は、前記シリンダブロックは、前記各シ
リンダ用の貫通穴が軸方向一端側から他端側に向けてそ
れぞれ穿設され、他端側端面が合せ面となったシリンダ
ブロック本体と、このシリンダブロック本体の合せ面に
少なくとも衝合され、前記シリンダブロック本体の各貫
通穴を前記弁板の給排ポートに連通させるようにシリン
ダポート用の段付穴が穿設された環状の摺動板と、この
摺動板を前記シリンダブロックの合せ面に固着するため
前記シリンダブロック本体の各貫通穴と摺動板の各段付
穴とにそれぞれ挿嵌され、これらの各貫通穴および各段
付穴と共に前記各シリンダを構成する複数の摺動筒とか
らなり、これらの各摺動筒は外周側が前記各貫通穴およ
び各段付穴の周壁面に塑性流動により結合固着され、内
周側には前記各ピストンがそれぞれ摺動可能に挿嵌され
る構成としたことにある。
【0017】上記構成によれば、摺動筒をシリンダブロ
ック本体の貫通穴および摺動板の段付穴に取付けるとき
には、まず、シリンダブロック本体の合せ面に摺動板を
衝合させた状態でシリンダブロック本体を摺動板と共に
ダイス等に固定する。次に、前記各貫通穴および各段付
穴内にそれぞれ各摺動筒を挿嵌し、その後に請求項3の
発明と同様にして各摺動筒をプレス機等を用いて各段付
穴内に押込むように加圧する。この結果、各摺動筒の外
周側には各貫通穴および各段付穴の形状に合わせて塑性
流動による変形を容易に生じさせることができ、これに
よって各摺動筒を各段付穴の周壁面に抜止め状態で結合
固着できると共に、各摺動筒の内周側をピストンに対す
る摺動面として形成することができる。そして、前記各
摺動筒がそれぞれの貫通穴および段付穴の結合した状態
では、各摺動筒によってシリンダブロック本体と摺動板
とを互いに一体化でき、これらの各摺動筒、摺動板およ
びシリンダブロック本体によりシリンダブロックを単体
として構成することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面に従って詳細に説明する。
【0019】ここで、図1ないし図5は本発明の第1の
実施例によるアキシャルピストン型形液圧回転機を斜板
式油圧ポンプに適用した場合を例に挙げて示している。
【0020】図中、1は油圧ポンプの外殻をなすケーシ
ングを示し、このケーシング1は軸方向一端側に閉塞部
2Aを有する筒状のケーシング本体2と、このケーシン
グ本体2の開口端側を閉塞するリアケーシング3とから
なっている。そして、このケーシング1内にはその軸方
向に中心軸としての回転軸4が挿通され、この回転軸4
は閉塞部2A側とリアケーシング3側との間で回転可能
に支持されている。
【0021】また、ケーシング本体2の閉塞部2Aに
は、後述する弁板11の各給排ポート11Aをそれぞれ
介してシリンダブロック5の各シリンダ7内に圧油を給
排する一対の給排通路2Bが形成されている。さらに、
前記回転軸4の外周側には、その軸方向中間に位置して
後述するシリンダブロック本体6の雌スプライン6D1
等と係合する雄スプライン4Aが形成されている。
【0022】5はケーシング1内に位置し回転軸4と一
体的に回転するシリンダブロックを示し、このシリンダ
ブロック5は、後述するようにシリンダブロック本体6
と、このシリンダブロック本体6の合せ面6C側に設け
られた摺動板9とから大略構成されている。
【0023】6は回転軸4の外周側に一体に設けられた
シリンダブロック本体を示し、このシリンダブロック本
体6は鋳造等の成形手段によって、例えばFC25(ね
ずみ鋳鉄)またはFCD45(球状黒鉛鋳鉄)等の高強
度の金属材料から、図1および図2に示す如く段付の円
筒体として成形され、その一側端面6Aの中央には短軸
筒状の突出部6Bが突設されている。
【0024】また、シリンダブロック本体6には、その
周方向に一定間隔をもって複数のシリンダ7,7,…が
形成されている。そして、このシリンダ7は図2および
図3に示す如く、一側端面6A側に開口端7Aを有し、
シリンダブロック本体6内を軸方向に直線状に延びてい
る。また、シリンダブロック本体6には、シリンダ7の
他端側から後述する環状凸部8の表面に向けて開口した
小径の貫通孔7Bが形成され、各シリンダ7はその周壁
面が後述のピストン12に対する摺動面となっている。
なお、各シリンダ7の摺動面には浸炭処理等の熱処理を
施すことにより、この摺動面の耐摩耗性を高めるように
してもよい。
【0025】そして、シリンダブロック本体6は、その
中央内周側が挿通穴6Dとなり、この挿通穴6Dの一端
側に形成された雌スプライン6D1 を介して回転軸4の
雄スプライン4Aに廻止めされた状態で取付けられてい
る。また、シリンダブロック本体6の他側端面は摺動板
9に対する合せ面6Cとなっている。
【0026】ここで、シリンダブロック本体6の合せ面
6Cには図3に示す如く、回転軸4の周方向に沿って環
状に延びる環状凸部8が一体形成されている。そして、
この環状凸部8の内周側壁面と外周側壁面とには、それ
ぞれの周方向に沿って環状に延びる断面三角形状をなし
た内周側の切込み部8A、外周側の切込み部8Bが形成
されている。
【0027】9はシリンダブロック本体6の合せ面6C
側に一体に設けられた摺動板で、この摺動板9は図2お
よび図3に示す如く、例えば銅合金等の耐摩耗性を有す
る軟質の金属材料から略円板状に形成され、その表面は
斜板14に対する摺動面9Aとなっている。また、この
摺動板9の中央には、シリンダブロック本体6の挿通穴
6Dに対応して大径の貫通穴9Bが穿設され、この貫通
穴9Bの径方向外側部位には、各シリンダ7の貫通孔7
Bに対応して小径の貫通孔9C,9C,…が互いに離間
して穿設されている。そして、この各貫通孔9Cは前記
各貫通孔7Bと共に各シリンダ7のシリンダポートを構
成している。
【0028】そして、摺動板9はシリンダブロック5の
回転に伴って摺動面9Aが斜板14上を摺動することに
より、各シリンダ7を各シリンダポート(各貫通孔7
B,9C)を介して弁板11の給排ポート11Aに間欠
的に連通させる構成になっている。
【0029】ここで、摺動板9は後述の如く塑性流動す
ることにより、その裏面側がシリンダブロック本体6に
設けた前記環状凸部8の周囲を切込み部8A,8Bと共
に隙間なく埋めるように合せ面6Cに接合され、この合
せ面6Cとの接合部を液密にシールしている。
【0030】また、摺動板9の裏面側には前記塑性流動
により、環状凸部8に対応して貫通穴9Bの外周側を周
方向に延びる環状凹部10が形成され、この環状凹部1
0の内周側壁面と外周側壁面とには、それぞれの周方向
に沿って切込み部8A,8Bと対応する断面略三角形状
をなした環状突起部10A,10Bが形成される。そし
て、摺動板9は切込み部8A,8Bおよび環状突起部1
0A,10Bを介してシリンダブロック本体6の合わせ
面6Cに抜止め状態で結合固着される。
【0031】11はケーシング本体2の閉塞部2A内側
面に固着された弁板を示し、この弁板11には、各ピス
トン12の上死点位置と下死点位置とを挟むように眉形
状の一対の給排ポート11Aが形成されている。そし
て、弁板11の表面には摺動板9の摺動面9Aが摺接さ
れると共に、各給排ポート11Aはケーシング1の各給
排通路2Bに常時連通している。
【0032】12,12,…はシリンダブロック5の各
シリンダ7内に摺動可能に挿嵌された複数のピストン
(2個のみ図示)を示し、この各ピストン12には図1
に示す如く、その一端側に各シュー13が揺動自在に取
付けられている。14はリアケーシング3側に設けた斜
板を示し、この斜板14の表面上を各シュー13が摺動
することにより、各シリンダ7内で各ピストン12を往
復動させる。そして、斜板14は、傾転機構(図示せ
ず)等で傾転操作されることにより斜板14の傾転角が
可変に制御され、各ピストン12の往復動ストロークを
一定の範囲内で自由に調整できる構成になっている。
【0033】15は各シュー13を斜板14に対して摺
動状態に保持するリング状のシュー押え、16はシリン
ダブロック5と共に回転軸4の雄スプライン4Aに係合
したリテーナボールをそれぞれ示し、このリテーナボー
ル16は、内周側が回転軸4の雄スプライン4Aにスプ
ライン結合され、外周側は球面状となってシュー押え1
5の内周側に嵌合している。
【0034】そして、リテーナボール16にはシリンダ
ブロック5との間に押圧ばね17が縮装され、この押圧
ばね17はリテーナボール16、シュー押え15を介し
て各シュー13を斜板14に向けて押圧すると共に、シ
リンダブロック5を弁板11に向けて押圧している。
【0035】本実施例による斜板式ポンプは上述の如く
構成されるが、次にその作動について説明する。
【0036】まず、回転軸4をシリンダブロック5と共
に回転源となるエンジンやモータ等によって回転駆動さ
せると、この回転軸4の回動に伴って各ピストン12に
設けたシュー13が斜板14上を摺動すると共に摺動板
9が弁板11上を摺動する。これによって、シリンダブ
ロック5の各シリンダ7内で各ピストン12が往復動さ
れ、このときに各シリンダ7は、各シリンダポート(貫
通孔7B,9C)を介して各給排ポート11Aに間欠的
に連通し、これらの各シリンダポート(貫通孔7B,9
C)から各シリンダ7内に吸込んだ油液を順次油液とし
て外部に吐出させる。
【0037】このように油圧ポンプの作動時には、各シ
ュー13を斜板14に案内させることにより、各ピスト
ン12を各シリンダ7内で往復動させ、吸込行程と吐出
行程とを繰返してポンプ作用を行うものである。また、
傾転機構等を介して斜板14の傾転角と共に各ピストン
12のストロークを変化させることにより、当該油圧ポ
ンプの吐出容量を可変に調整する。
【0038】ここで、前記摺動板9を銅合金等の耐摩耗
性材料から形成したから、摺動板9が早期に摩耗するこ
とはなく、シリンダブロック5全体の耐摩耗性を向上で
き、装置の寿命等を確実に延ばすことができる。
【0039】次に、シリンダブロック5の製造工程につ
いて図4および図5に基づいて説明する。
【0040】まず、予備成形工程では、シリンダブロッ
ク本体6′をFC25またはFCD45等からなる鋳鉄
により、図4に示す如く鋳造等の手段を用いて段付筒状
に成形する。そして、このシリンダブロック本体6′の
合せ面6Cには環状凸部8を切込み部8A,8Bと共に
切削加工等により形成し、また、挿通穴6Dには突出部
6B側に雌スプライン6D1 を切削加工等により形成す
る。
【0041】次に、図4に示す準備工程では、ダイス1
8、ポンチ19およびマンドレル20等からなるプレス
機を用意する。ここで、ダイス18にはシリンダブロッ
ク本体6′に対応した段付の取付穴18Aが設けられ
る。また、ポンチ19は円筒状に形成され、その下端側
には押圧面19Aが平坦面として形成されている。そし
て、ポンチ19は挿通穴6Dの穴径と対応した内径を有
し、このポンチ19内にはマンドレル20が上下に昇降
可能に挿嵌されている。
【0042】そして、ダイス18の取付穴18A内には
シリンダブロック本体6′が合せ面6C側を上向きに
し、突出部6B側を下向きにした状態で位置決めされ、
一側端面6Aを取付穴18Aの底面18A1 に面接触
(当接)させる。また、このシリンダブロック本体6′
の環状凸部8上には摺動板9の素材21を載置する。こ
こで、この素材21は銅合金等の材料から摺動板9より
も厚肉で小径の環状体として形成されるものである。そ
して、この状態でポンチ19を素材21の上側で保持す
ると共に、マンドレル20を素材21の内周側に挿通さ
せるようにポンチ19から下向きに降下させ、マンドレ
ル20の一部を挿通穴6D内に挿入する。
【0043】次に、図5に示す加圧成形工程では、ポン
チ19を下向きに駆動し、押圧面19Aで素材21を環
状凸部8側へと下向きに加圧する。この結果、シリンダ
ブロック本体6′よりも軟質な素材21は、環状凸部8
の周囲を切込み部8A,8Bと共に埋めるようにして、
ダイス18とマンドレル20との間、およびポンチ19
の押圧面19Aと合せ面6Cとの間で塑性流動(塑性変
形)するようになる。
【0044】そして、これにより合せ面6C上には素材
21からなる摺動板9が接合され、この摺動板9には環
状凸部8、切込み部8A,8Bにそれぞれ対応して環状
凹部10、環状突起部10A,10Bが形成されると共
に、前記押圧面19Aに対向して摺動面9Aが形成され
る。
【0045】また、このときシリンダブロック本体6′
にはポンチ19からの荷重が大きく作用するものの、一
側端面6Aと底面18A1 とを広く面接触させているか
ら、一側端面6Aに作用する底面18A1 からの面圧を
小さくできる上に、シリンダブロック本体6′を硬質な
金属材料により形成しているから、これによりポンチ1
9からの荷重によってシリンダブロック本体6′が変形
したり損傷したりするのを確実に防止することができ
る。
【0046】そして最後に、シリンダ加工工程では、図
5中に一点鎖線で示すように一側端面6A側からドリル
等を用いて各シリンダ7を形成し、摺動板9側からも同
様にドリル等を用いて各シリンダポート(貫通孔7B,
9C)を形成する。
【0047】従って本実施例によれば、摺動板9の塑性
変形を利用することにより、この摺動板9を切込み部8
A,8Bが形成された環状凸部8を介してシリンダブロ
ック本体6の合せ面6Cに容易に結合、固着することが
でき、これによってシリンダブロック5全体を摺動板9
とは別個にこの摺動板9よりも比較的安価な材料によっ
て形成することができ、全体の製作コスト等を大幅に低
減することができる。
【0048】また、このような塑性変形を利用して摺動
板9を加工することにより、加工時に発生する摺動板9
からの発熱を十分に小さく抑えることができ、これによ
って摺動板9が熱変形したり歪んだりするのを確実に防
止でき、加工精度を大幅に向上させることができる。
【0049】さらに、環状凸部8と摺動板9との接合部
を切込み部8A,8Bおよび環状突起部10A,10B
を介して液密にシールすることができるから、各シリン
ダ7内に給排される圧油の一部が各シリンダポート(各
貫通孔7B,9C)側から前記接合部を介して外部に漏
洩するのを確実に防止でき、これによって、各シリンダ
7内で圧力損失が生じるのを効果的に防止でき、吐出効
率等が低下するのを抑えることができ、装置の信頼性や
性能等を確実に向上させることができる。
【0050】次に、図6ないし図8は本発明の第2の実
施例を示し、本実施例では前記第1の実施例と同一の構
成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものと
するに、本実施例の特徴は、前記第1の実施例で述べた
各シリンダ7の代わりに各段付穴32を回転軸4の周囲
で周方向に一定間隔をもってシリンダブロック31に設
け、この各段付穴32の取付穴部32A内には各摺動筒
33を挿嵌すると共に、各摺動筒33をポンチ34およ
びマンドレル35等からなるプレス装置等で塑性流動さ
せて各取付穴部32Aの周壁面に結合固着させたことに
ある。
【0051】ここで、前記シリンダブロック31は、前
記第1の実施例で述べたシリンダブロック5とほぼ同様
に構成されているものの、このシリンダブロック31は
図6に示す如く、前記シリンダブロック本体6と同様に
高強度の金属材料等から単体として形成されている。そ
して、シリンダブロック31は、一側端面31A、突出
部31B、挿通穴31Cおよび雌スプライン31C1 等
を有し、その他側端面は斜板14に対する摺動面31D
となっている。なお、この摺動面31Dには前記第1の
実施例でも述べたように浸炭処理等の熱処理を施するこ
とにより、摺動面31Dの耐摩耗性を高めるようにして
もよい。
【0052】また、前記段付穴32は、一側端面31A
からシリンダブロック31の軸方向へと摺動面31D側
に向けて伸長した取付穴部32Aと、この取付穴部32
Aの底部側に位置しその周壁面を拡径させるように形成
された環状凹部32Bとから構成され、前記取付穴部3
2Aの底部側には摺動面31Dに向けて開口する小径の
シリンダポート32Cが形成されている。
【0053】さらに、前記摺動筒33は、前記第1の実
施例で述べた摺動板9と同様に銅合金等の耐摩耗性材料
から形成され、取付穴部32A内を軸方向に沿って延び
た長軸の筒状体からなっている。そして、後述するよう
に摺動筒33は塑性流動することにより、環状凹部32
B内を埋めるように取付穴部32Aの周壁面に結合固着
され、前記段付穴32と共にシリンダを構成している。
そして、摺動筒33の内周面はピストン12に対する摺
動面33Aとなり、摺動筒33内にはピストン12が摺
動可能に挿嵌される。
【0054】一方、前記ポンチ34は前記第1の実施例
とほぼ同様にして円筒状に形成され、その内周側には摺
動筒33と対応した外径を有するマンドレル35が上下
に昇降可能に設けられている。
【0055】そして、予備成形工程では、シリンダブロ
ック31′を各取付穴部32Aおよび環状凹部32Bを
含めて鋳造等の手段を用いて成形し、挿通穴31Cには
雌スプライン31C1 等を形成する。なお、この予備成
形工程では、シリンダブロック31′を予め前記第1の
実施例で述べたシリンダブロック本体6′とほぼ同一形
状の鋳物(図示せず)から成形した後に、各取付穴部3
2Aを環状凹部32Bを含めて切削加工等で形成するよ
うにしてもよい。
【0056】また、図7に示す準備工程では、ダイス3
6内に位置決めされたシリンダブロック31′の段付穴
32内に摺動筒33の素材37を挿嵌する。そして、こ
の状態でポンチ34を素材37の上側で保持すると共
に、マンドレル35を素材37の内周側に挿通させるよ
うにポンチ34から下向きに降下させ、マンドレル35
の下端面をスプリング(図示せず)等を介して取付穴部
32Aの底部に強く当接させる。
【0057】さらに、図8に示す加圧成形工程では、ポ
ンチ34を下向きに駆動し、押圧面34Aで素材37を
取付穴部32A内に押込むようにして下向きに加圧す
る。この結果、シリンダブロック31′よりも軟質な素
材37は、環状凹部32B内を埋めるようにして、取付
穴部32Aとマンドレル35との間で塑性流動(塑性変
形)し、素材37としての摺動筒33には環状凹部32
Bに対応して環状凸部33Bが形成される。そして、最
後のシリンダポート加工工程では、図8中に一点鎖線で
示すように摺動面33A側から段付穴32に向けてシリ
ンダポート32Cを穿設する。
【0058】かくして、このように構成される本実施例
でも、ポンチ34、マンドレル35およびダイス36等
からなるプレス機構を用いることにより、摺動筒33を
段付穴32の取付穴部32A内で容易に塑性変形させる
ことができ、これによって摺動筒33を環状凹部32B
および環状凸部33Bを介して取付穴部32Aの周壁面
に確実に結合固着させることができるから、シリンダブ
ロック31′を各摺動筒33に比べて比較的安価な材料
によって形成することができ、前記第1の実施例とほぼ
同様の作用効果を得ることができる。
【0059】次に、図9ないし図12は本発明の第3の
実施例を示し、本実施例では前記第2の実施例と同一の
構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するもの
とする。しかし、本実施例の特徴は、シリンダブロック
41を、複数のシリンダ用の貫通穴43を有するシリン
ダブロック本体42と、このシリンダブロック本体42
の合せ面42Dに衝合され、前記各貫通穴43を弁板1
1の各給排ポート11Aに連通させるために、シリンダ
ポート用の段付穴45が穿設された摺動板44とから構
成し、これらの各貫通穴43および各段付穴45内には
複数の摺動筒46を塑性流動により結合固着させると共
に、摺動板44とシリンダブロック本体42とを摺動筒
46の両端にそれぞれ設けた環状鍔部46Cおよび環状
凸部46Bにより一体化したことにある。
【0060】ここで、前記シリンダブロック本体42
は、全体が前記第2の実施例で述べたシリンダブロック
31とほぼ同様に構成され、一側端面42A、突出部4
2Bおよび挿通穴42C等を有しているものの、このシ
リンダブロック本体42には図9および図10に示す如
く、前記第2の実施例で述べた各段付穴32に替えて、
前記各貫通穴43が回転軸4の軸方向に向けストレート
に延びるように形成されている。また、このシリンダブ
ロック本体42の他側端面は、前記第1の実施例で述べ
たシリンダブロック本体6と同様に摺動板44に対する
合せ面42Dとして形成されている。
【0061】ここで、前記摺動板44は、前記第1の実
施例で述べた摺動板44よりも硬質で耐摩耗性を有する
金属材料等から厚肉の円板状に形成され、その中央には
挿通穴42Cに対応して貫通穴44Aが穿設されてい
る。さらに、摺動板44には図10に示す如く、前記各
段付穴45がシリンダブロック41の各貫通穴43に対
応して配設され、これらの各段付穴45には大径側に位
置して環状凹部45Aが形成されている。また、各段付
穴45の小径側はシリンダポート45Bとして形成され
ている。
【0062】また、前記摺動筒46は前記第2の実施例
で述べた摺動筒33とほぼ同様に形成され、摺動面46
Aと環状凸部46Bとを有しているものの、摺動筒46
にはその一端側に位置して径方向外向きに環状鍔部46
Cが形成されている。そして、後述するように摺動筒4
6は貫通穴43と段付穴45との周壁面に結合固着さ
れ、これらの貫通穴43および段付穴45と共にシリン
ダを構成している。
【0063】そして、図10に示すシリンダブロック成
形工程では、シリンダブロック本体42を各貫通穴43
を含めて予め鋳造等の手段で成形し、挿通穴42Cには
スプライン42C1 を形成する。また、摺動板44には
貫通穴44Aと各段付穴45とをそれぞれパンチングプ
レス等で形成し、これらの各段付穴45には環状凹部4
5Aを切削加工等により形成する。そして、シリンダブ
ロック本体42と摺動板44とを合せ面42Dを介して
互いに衝合させた状態でダイス36内に位置決めする。
【0064】次に、図11に示す準備工程では、前記第
2の実施例と同様に素材47を貫通穴43内および段付
穴45内に挿嵌し、この素材47内にはポンチ34を素
材47の上側で保持した状態で、マンドレル35を素材
47内に挿嵌させるようにポンチ34に対して下向きに
降下させる。
【0065】ここで、図12に示す加圧成形工程では、
環状鍔部46Cが貫通穴43の開口端側でシリンダブロ
ック本体42の一側端面42Aに係合するまで、ポンチ
34により摺動筒46を貫通穴43内に押込む。この結
果、摺動筒46の素材47は、環状凹部45A内を埋め
るように塑性流動し、貫通穴43と段付穴45との周壁
面に結合固着され、これによって、摺動板44とシリン
ダブロック本体42とは環状鍔部46Cと環状凸部46
Bとの間で強固に一体化された状態に保持される。
【0066】かくして、このように構成される本実施例
でも、各摺動筒46をシリンダブロック41の各貫通穴
43周壁面と各段付穴45の周壁面とに結合固着するこ
とができ、前記第2の実施例とほぼ同様の作用効果を得
ることができるが、特に本実施例では、前記第1の実施
例と同様に前記各摺動筒46と共に摺動板44を環状鍔
部46Cと環状凸部46Bとを介してシリンダブロック
本体42に容易に一体化して設けることができるから、
これらの各摺動筒46および摺動板44によりシリンダ
ブロック41の耐摩耗性を一層向上させることができ
る。
【0067】しかも、シリンダブロック本体42を鋳造
等の手段によって一体形成するときには、鋳型の形状を
直線状に延びる各貫通穴43により単純化して形成で
き、これによって、鋳型の溶湯の湯まわり状態を良好に
することができ、シリンダブロック本体42の寸法精度
を一層効果的に向上させることができると共に、仕上げ
加工等を含めた加工に要する作業時間を大幅に短縮で
き、加工コスト等を確実に削減することができる。
【0068】また、摺動板44の貫通穴44Aおよび段
付穴45をパンチングプレス等によって容易に形成する
ことができるから、これによっても摺動板44を短時間
で大量に生産することができ、全体の生産性を効果的に
向上できると共に、加工コスト等を確実に削減すること
ができる。
【0069】なお、前記第1の実施例では、シリンダブ
ロック本体6の合せ面6Cに環状凸部8を設けると共
に、摺動板9には環状凹部10を設けることにより摺動
板9をこれらの環状凸部8、環状凹部10を介してシリ
ンダブロック本体6に一体化させる構成として述べた
が、これに替えて、例えば合せ面6Cに回転軸4の周方
向に沿って延びる環状凹部を設け、この環状凹部にはそ
の周壁部に沿って延びる切込み部を設けると共に、摺動
板9を前記環状凹部内を切込み部と共に隙間なく埋める
ようにして合せ面6Cに結合固着させる構成としてもよ
い。
【0070】また、前記第1の実施例では、各シリンダ
7の摺動面をシリンダブロック本体6と同様の材料によ
って形成するものとして述べたが、これに替えて、例え
ば前記第2の実施例と同様にして、前記摺動面に摺動筒
33を結合固着させ、この摺動筒33の周壁面をピスト
ン12に対する摺動面として形成する構成としてもよ
い。
【0071】さらに、前記各実施例では、斜板型油圧ポ
ンプを例に挙げて説明したが、本発明はこれに限らず、
例えば、斜板型油圧モータまたは斜軸型油圧モータ・ポ
ンプ等の他のアキシャルピストン型液圧回転機に適用し
てもよい。
【0072】
【発明の効果】以上詳述した如く、請求項1の発明によ
れば、シリンダブロックの合せ面に、摺動板を塑性流動
により結合固着する構成としたから、摺動板をプレス機
等を用いて加圧成形することにより、この摺動板をシリ
ンダブロック本体に容易に一体化させることができ、こ
れによってシリンダブロック本体全体を摺動板とは別個
にこの摺動板よりも比較的安価な材料によって形成する
ことができ、全体の製作コスト等を大幅に低減すること
ができる。そして、このような塑性流動を利用して摺動
板を加工することにより、加工時に発生する摺動板から
の発熱を十分に小さく抑えることができ、これによって
摺動板が熱変形したり歪んだりするのを確実に防止で
き、加工精度を大幅に向上させることができる。
【0073】また、摺動板とシリンダブロック本体の合
せ面との接合部に隙間等が形成されるのを防止でき、こ
れによりシリンダ内に給排される圧油の一部が各シリン
ダポート側から前記接合部を介して外部に漏洩するのを
確実に防止でき、これによって、各シリンダ内で圧力損
失が生じるのを効果的に防止でき、モータ出力等が低下
するのを抑えることができ、装置の信頼性や性能等を確
実に向上させることができる。
【0074】また、請求項2の発明によれば、前記シリ
ンダブロック本体の合せ面に環状凸部を設け、摺動板を
環状凸部の周囲でこの環状凸部に形成した切込み部を埋
めるように塑性変形させることにより、摺動板をシリン
ダブロック本体の合せ面に一体化させる構成としたか
ら、プレス機等を用いることにより前記切込み部を介し
て合せ面側に強固に結合固着することがができ、摺動板
の固着強度を確実に高めることができる。
【0075】さらに、請求項3に記載の発明によれば、
シリンダブロックに設けた各段付穴の周壁面に各摺動筒
を塑性流動により結合固着させる構成としたから、前記
請求項1の発明と同様にして摺動筒をシリンダブロック
本体の段付穴に容易に一体化させることができ、これに
よってシリンダブロック本体を各摺動筒とは別個にして
この各摺動筒よりも比較的安価な材料によって形成する
ことができ、請求項1に記載の発明とほぼ同様の効果を
得ることができる。
【0076】さらにまた、請求項4に記載の発明によれ
ば、シリンダブロック本体に設けた各貫通穴と摺動板に
設けた段付穴との周壁面に摺動筒を塑性流動により結合
固着させる構成としたから、この摺動筒と共に摺動板を
シリンダブロック本体に容易に一体化させることがで
き、これによって前記請求項1および3に記載の発明と
ほぼ同様の効果を得ることができる。
【0077】しかも、前記各貫通穴をシリンダブロック
本体の軸方向に沿って直線状に形成することにより、シ
リンダブロック本体全体を鋳造等の手段によって一体形
成するときには、鋳型の形状を前記各貫通穴により単純
化して形成でき、これによって、鋳型の溶湯の湯まわり
状態を良好にすることができ、シリンダブロック本体の
寸法精度を効果的に向上させることができると共に、仕
上げ加工等を含めた加工に要する作業時間を大幅に短縮
でき、加工コスト等を確実に削減することができる。ま
た、摺動板の段付穴をパンチングプレス等によって容易
に形成することができるから、これによっても、摺動板
を短時間で大量に生産することができ、全体の生産性を
効果的に向上できると共に、加工コスト等を確実に削減
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例による斜板型油圧ポンプ
を示す縦断面図である。
【図2】図1中のシリンダブロックを拡大して示す断面
図である。
【図3】図2中の要部拡大図である。
【図4】第1の実施例に用いる摺動板をプレス機により
シリンダブロック本体に取付けるための準備工程を示す
縦断面図である。
【図5】図4による準備工程に続いて摺動板をプレス機
によりシリンダブロック本体に取付けるための加圧成形
工程を示す縦断面図である。
【図6】本発明の第2の実施例によるシリンダブロック
を示す縦断面図である。
【図7】第2の実施例に用いる摺動板をプレス機により
シリンダブロック本体に取付けるための準備工程を示す
縦断面図である。
【図8】図7による準備工程に続いて摺動板をプレス機
によりシリンダブロック本体に取付けるための加圧成形
工程を示す部分断面図である。
【図9】本発明の第3の実施例によるシリンダブロック
を示す縦断面図である。
【図10】第3の実施例に用いるシリンダブロック本体
と摺動板とを形成するためのシリンダブロック成形工程
を示す縦断面図である。
【図11】第3の実施例に用いる摺動板をプレス機によ
りシリンダブロック本体に取付けるための準備工程を示
す縦断面図である。
【図12】第3の実施例に用いる摺動板をプレス機によ
りシリンダブロック本体に取付けるための加圧成形工程
を示す部分断面図である。
【符号の説明】
1 ケーシング 4 回転軸(中心軸) 5,31,41 シリンダブロック 6,42 シリンダブロック本体 6A,31A,42A 一側端面 6C,42D 合せ面 7 シリンダ 7A 開口端 7B 貫通孔(シリンダポート) 8 環状凸部 8A,8B 切込み部 9,44 摺動板 9A,31D 摺動面 9C 貫通孔(シリンダポート) 11 弁板 12 ピストン 14 斜板 32,45 段付穴 32C,45B シリンダポート 33,46 摺動筒 33A,46A 摺動面

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケーシングと、このケーシングに中心軸
    を介して回転可能に設けられ、複数のシリンダが設けら
    れたシリンダブロックと、このシリンダブロックの各シ
    リンダ内に往復動可能に挿嵌されたピストンと、前記ケ
    ーシングとシリンダブロックの端面との間に設けられ、
    このシリンダブロックが回転するときに前記各シリンダ
    と連通する一対の給排ポートを有した弁板とからなるア
    キシャルピストン型液圧回転機において、 前記シリンダブロックは、一端側から前記各シリンダ内
    に各ピストンを装入すべく一端側端面が前記各シリンダ
    の開口端となり、他端側端面が合せ面となったシリンダ
    ブロック本体と、このシリンダブロック本体の合せ面に
    塑性流動により結合固着され、前記弁板に対して摺動す
    る板状の摺動板とから構成したことを特徴とするアキシ
    ャルピストン型液圧回転機。
  2. 【請求項2】 前記シリンダブロック本体の合せ面に
    は、前記中心軸の周囲に沿って周方向に延びる環状凸部
    と、この環状凸部の周壁部に沿って延びるように形成し
    た切込み部とを設け、前記摺動板は、前記環状凸部の周
    囲で切込み部を埋めるように塑性変形することにより前
    記シリンダブロック本体の合せ面に一体化される構成と
    してなる請求項1に記載のアキシャルピストン型液圧回
    転機。
  3. 【請求項3】 ケーシングと、このケーシングに中心軸
    を介して回転可能に設けられ、複数のシリンダが設けら
    れたシリンダブロックと、このシリンダブロックの各シ
    リンダ内に往復動可能に挿嵌されたピストンと、前記ケ
    ーシングとシリンダブロックの端面との間に設けられ、
    このシリンダブロックが回転するときに前記各シリンダ
    と連通する一対の給排ポートを有した弁板とからなるア
    キシャルピストン型液圧回転機において、 前記シリンダブロックの各シリンダは、前記中心軸の周
    囲で周方向に一定間隔をもって配設され、前記シリンダ
    ブロックの軸方向にそれぞれ伸長した複数の段付穴と、
    この各段付穴内に挿嵌された状態で外周側がこれらの段
    付穴の周壁面に塑性流動により結合固着され、内周側が
    前記各ピストンに対する摺動面となった複数の摺動筒と
    から構成したことを特徴とするアキシャルピストン型液
    圧回転機。
  4. 【請求項4】 ケーシングと、このケーシングに中心軸
    を介して回転可能に設けられ、複数のシリンダが設けら
    れたシリンダブロックと、このシリンダブロックの各シ
    リンダ内に往復動可能に挿嵌されたピストンと、前記ケ
    ーシングとシリンダブロックの端面との間に設けられ、
    このシリンダブロックが回転するときに前記各シリンダ
    と連通する一対の給排ポートを有した弁板とからなるア
    キシャルピストン型液圧回転機において、 前記シリンダブロックは、前記各シリンダ用の貫通穴が
    軸方向一端側から他端側に向けてそれぞれ穿設され、他
    端側端面が合せ面となったシリンダブロック本体と、こ
    のシリンダブロック本体の合せ面に少なくとも衝合さ
    れ、前記シリンダブロック本体の各貫通穴を前記弁板の
    給排ポートに連通させるようにシリンダポート用の段付
    穴が穿設された環状の摺動板と、この摺動板を前記シリ
    ンダブロックの合せ面に固着するため前記シリンダブロ
    ック本体の各貫通穴と摺動板の各段付穴とにそれぞれ挿
    嵌され、これらの各貫通穴および各段付穴と共に前記各
    シリンダを構成する複数の摺動筒とからなり、これらの
    各摺動筒は外周側が前記各貫通穴および各段付穴の周壁
    面に塑性流動により結合固着され、内周側には前記各ピ
    ストンがそれぞれ摺動可能に挿嵌される構成としたこと
    を特徴とするアキシャルピストン型液圧回転機。
JP9020949A 1997-01-20 1997-01-20 アキシャルピストン型液圧回転機 Pending JPH10205431A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20140078746A (ko) * 2012-03-30 2014-06-25 카야바 고교 가부시기가이샤 미끄럼 접촉 부재 및 피스톤 펌프ㆍ모터
CN112049772A (zh) * 2020-09-10 2020-12-08 北京通嘉宏瑞科技有限公司 一种集成管路以及减震效果好的真空泵

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