JP2002306454A - 磁気共鳴映像装置 - Google Patents

磁気共鳴映像装置

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JP2002306454A
JP2002306454A JP2002104686A JP2002104686A JP2002306454A JP 2002306454 A JP2002306454 A JP 2002306454A JP 2002104686 A JP2002104686 A JP 2002104686A JP 2002104686 A JP2002104686 A JP 2002104686A JP 2002306454 A JP2002306454 A JP 2002306454A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 T2を精度良く計測することが可能な磁気共
鳴映像装置の提供。 【解決手段】 一様な静磁場に置かれた被検体に高周波
磁場及び勾配磁場を印加することにより、前記被検体か
ら発生する磁気共鳴信号を収集して磁気共鳴画像を得る
磁気共鳴映像装置において、パルス角が90度である第
1の高周波磁場パルスを印加する90度高周波磁場パル
ス印加手段と、前記第1の高周波磁場パルスに対して位
相差が90度であって、パルス角が略180度である第
2の高周波磁場パルスを複数回印加する180度高周波
磁場パルス印加手段と、前記第2の高周波磁場パルス毎
に対応して前記被検体から発生する磁気共鳴信号を収集
する手段と、前記180度高周波磁場パルス印加手段に
よる印加のうち、奇数回目の印加に対応する磁気共鳴信
号と、偶数回目の印加に対応する磁気共鳴信号とのそれ
ぞれに基づいてスピン−スピン緩和時間を求める手段と
から構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気共鳴映像装置
に関する。特に、被検体においてスピン−スピン緩和時
間T2を計測する技術に関する。また、ギブスリンギン
グによる信号混入の補正法に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気共鳴映像法は、固有の磁気モーメン
トを持つ核の集団が一様な静磁場中におかれたときに、
特定の周波数で回転する高周波磁場のエネルギーを共鳴
的に吸収する現象であり、この現象を利用して物質の化
学的および物理的な現象を映像化する手法である。この
物理的現象の中で、スピン−核子緩和、スピン−スピン
緩和は重要な現象であり、この現象は多くの診断に利用
されている。これは、正常部と病変部とで、この緩和の
過程を記述するスピン−核子緩和時間T1及びスピン−
スピン緩和時間T2が異なるためである。これとは別
に、定量化という観点からも、T1及びT2を計測する
必要がある。この理由は、通常、画像化を行うパルスシ
ーケンスの条件では、磁気共鳴信号がT1及びT2の影
響を受けるので、定量化のためにはT1及びT2の補正
をしなければならないからである。
【0003】T1を計測する際には、通常、IR(In
version Recovery)法が用いられる。
IR法のパルスシーケンスを図3に示す。この方法は、
プリパルスである180度パルスによって熱平衡状態に
ある磁化を−Z方向に反転させ、t1i時間後に観測パ
ルスである90度パルスを印加して観測する方法であ
る。プリパルスと観測パルスの時間t1iを変化させ
て、図4に示すような磁化の回復過程を求め、カーブフ
ィッティングによりM0,T1を求めるという方法であ
る。
【0004】しかしながら、この方法では、90度パル
ス印加後に熱平衡状態の磁化M0に回復するまで待たな
ければならないため、90度パルスと次の第2の180
度パルスの間隔TDを5倍のT1に設定しなければなら
なかった。このため、観測時間Tobsは、次式のよう
になり、時間が非常にかかるという問題があった。な
お、式1において、nはt1iの個数である。
【0005】
【数1】
【0006】そこで、上記問題を解決するために、FI
R(Fast InversionRecovery
)法が開発された。この方法では、観測時間を短くす
るために、TDを2倍から3倍のT1とし、IR法と同
様にプリパルスと観測パルスの時間t1iを変えて磁化
の回復過程が得られる方法である。これによって得られ
た回復過程に対してフィッティングを行い、M0,T1
を求める。TD=2T1とすれば、Tobsは次式に示
すようになる。
【0007】
【数2】
【0008】しかしながら、このFIR法でもTDの分
だけ観測時間がかかってしまう。これに対し、プリパル
スを90度とするSR(Saturation Rec
overy )法では、TDをほぼ0に設定できるた
め、観測時間は次式に示すようになる。このSR法のパ
ルスシーケンスを図5に示す。
【0009】
【数3】
【0010】上述の式2及び式3から明らかなように、
SR法では、他法と比較して観測時間を短くすることが
できる。しかしながら、図6に示すように磁化の変化が
0〜M0となり、FIR法のそれと比較してほぼ1/2
になってしまう。このため、SR法では精度が悪くなる
という問題があった。
【0011】一方、T2を計測する方法には、以下に示
すようないくつかの方法がある。即ち、T2計測法の1
つに、エコータイムを変えて計測し、得られたいくつか
の信号に対してカーブフィッティング等の処理から求め
る方法がある。このとき用いるパルスシーケンスを図1
4に示す。エコー信号の変化はT2で記述することがで
き、エコー信号列はエコータイムTEを用いてexp
(−TE/T2)で表すことができる。しかしながら、
この方法ではエコータイムを変えるたびにデータを収集
しなければならないため、観測時間がかかるという問題
があった。また、TEを長くするとスピンの拡散の影響
を受け易くなり、exp(−TE/T2)の曲線からず
れてしまい、測定精度が落ちるという問題があった。
【0012】この問題を解決したものとして、Call
とPurcellとが提案した90度〜180度〜18
0度〜…というように90度パルスの後に180度パル
スを接続するCP法という方法が知られている。このパ
ルスシーケンスを図15に、カーブフィッティングの様
子を図16に示す。このパルス系列ではスピンは、拡散
の影響を90度と180度との間、あるいは180度と
180度との間にしか受けないため、これらの間隔を短
くすることによって拡散の影響を小さくすることができ
る。しかし、この方法は180度パルスの不完全性の影
響を受け易いという問題があった。
【0013】MeiboomとGillとは、90度と
180度との位相を90度変える90度X’〜180度
y’〜180度y’… というパルス系列であるCP
MG(Call−Purcell−MeibooM−G
ill )法を考案した。このパルスシーケンスを図1
7に示す。この方法では、奇数番目のエコーが高周波磁
場の不完全性の影響を受けるが、偶数番目のエコーはこ
の影響を受けない。このため、偶数番目のエコー信号強
度のみを用いてカーブフィッティングを行い、T2を求
めれば、高周波磁場の不完全性による影響は受けない。
この様子を図18に示す。しかし、奇数番目のエコー信
号をカーブフィッティングに用いることができず、奇数
エコーのデータが無駄になるという問題があった。
【0014】一方、T2分布の測定は、このCPMG法
と、位相エンコード、周波数エンコードとを組み合わせ
た方法で行うことができる。しかしながら、この画像化
法でもT2計測法と同様に奇数番目のエコー信号が無駄
になるいう問題があった。
【0015】また、先に定量化についてふれたが、ギブ
スリンギング現象も定量化の際に問題となる。ギブスリ
ンギング現象は、ボクセル大きさが有限であるため、他
のボクセルに信号混入するという現象である。このギブ
スリンギング現象は、周波数空間上の帯域制限によって
説明することができる。物質の密度分布が図25(a)
のように表されている場合を考える。これをフーリエ変
換すると同図(b)のようになる。しかし、ボクセル大
きさが有限であるため、k空間上において同図(c)の
ように帯域が制限され、実際にk空間上で収集されるデ
ータは同図(d)のようなデータとなる。同図(b)を
フーリエ変換すると同図(e)に、同図(c)をフーリ
エ変換すると同図(f)のようになるから、画像化する
と同図(e)と同図(f)とがコンボリューションされ
た同図(g)が得られる。この結果、ギブスリンギング
が生じ、他ボクセルへの信号の混入が生ずる。この影響
は、高信号領域と低信号領域とが近傍にある場合には非
常に問題になる。例えば、31P代謝物のクレアチン燐
酸あるいはアデノシン三燐酸の頭部画像化があげられ
る。筋肉では、クレアチン燐酸、アデノシン三燐酸の含
有量は、脳の含有量の約7〜8倍程度である。このた
め、筋肉信号の脳への混入により脳内の測定精度が悪く
なり、問題であった。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
のT2計測法では、収集した奇数番目のデータを使うこ
とができないため無駄になり、測定精度が落ちるという
問題があった。
【0017】また、従来の磁気共鳴映像装置において
は、高信号領域と低信号領域とが近傍にある時、ギブス
リンギングによる信号の混入のため低信号領域では精度
良く画像化できないという問題があった。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明は上記従来の課題
を解決するために、一様な静磁場に置かれた被検体に高
周波磁場及び勾配磁場を印加することにより、前記被検
体から発生する磁気共鳴信号を収集して磁気共鳴画像を
得る磁気共鳴映像装置において、パルス角が90度であ
る第1の高周波磁場パルスを印加する90度高周波磁場
パルス印加手段と、前記第1の高周波磁場パルスに対し
て位相差が90度であって、パルス角が略180度であ
る第2の高周波磁場パルスを複数回印加する180度高
周波磁場パルス印加手段と、前記第2の高周波磁場パル
ス毎に対応して前記被検体から発生する磁気共鳴信号を
収集する手段と、前記180度高周波磁場パルス印加手
段による印加のうち、奇数回目の印加に対応する磁気共
鳴信号と、偶数回目の印加に対応する磁気共鳴信号との
それぞれに基づいてスピン−スピン緩和時間を求める手
段とから磁気共鳴映像装置を構成する。
【0019】さらに、本発明は、一様な静磁場に置かれ
た被検体に高周波磁場及び勾配磁場を印加することによ
り、前記被検体から発生する磁気共鳴信号を収集して磁
気共鳴画像を得る磁気共鳴映像装置において、前記磁気
共鳴画像を構成する複数のボクセルのうち、一のボクセ
ルから他のボクセルへの画像信号の混入量を算出する手
段と、この手段により得られた混入量に基づいて前記一
のボクセルの画像信号から補正画像を求める手段とから
磁気共鳴映像装置を構成する。
【0020】請求項1に係る発明によれば、高周波磁場
パルスにより形成された多数のエコーのすべてを用い
て、非線形最小二乗法を行うことができるため、T2の
計測精度が向上する。
【0021】さらに、請求項2に係る発明によれば、高
信号ボクセルから低信号ボクセルへの信号の混入量を計
算することができ、これを用いてギブスリンギング現象
による信号の混入を補正することができ、精度の良い画
像を求めることが可能となる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面に基
づいて説明する。
【0023】図2は、本発明の一実施例に関わる磁気共
鳴映像装置の構成を示すブロック図である。同図におい
て、静磁場磁石1とその内側に設けられた勾配コイル2
及びシムコイル4により、図示しない被検体に一様な静
磁場とそれと同一方向で互いに直交するx、y,z三方
向に線形傾斜磁場分布を持つ勾配磁場が印加される。勾
配コイル2は、勾配コイル電源5により駆動され、シム
コイル4はシムコイル電源6により駆動される。勾配コ
イル2の内側に設けられたプローブ3は、送信部7から
高周波信号が供給されることによって被検体に高周波磁
場を印加し、被検体からの磁気共鳴信号を受信する。プ
ローブ3は送受両用でも、送受別々に設けても良い。プ
ローブ3で受信された磁気共鳴信号は受信部8で検波さ
れた後、データ収集部9に転送され、ここでA/D変換
されてから計算機システム10に送られ、データ処理が
なされる。
【0024】以上の勾配コイル電源5、シムコイル電源
6、受信部8およびデータ収集部9は、全てパルスシー
ケンス制御部12によって制御され、またパルスシーケ
ンス制御部12は計算機システム10によって制御され
る。計算機システム10はコンソール11からの指令に
より制御される。データ収集部9から計算機システム1
0に入力された磁気共鳴信号は、フーリエ変換等が行わ
れ、それに基づいて被検体内の所望原子核の密度分布の
画像データが再構成される。この画像データは画像ディ
スプレイ13に送られ、画像として表示される。
【0025】次に、M0,T1を求める方法について説
明する。パルスシーケンスは、図7に示すFIR法のパ
ルスシーケンスと図5に示すSR法のパルスシーケンス
を用いる。FIR法では、信号の大きさMobsは数4
に従い、Mobsとt1iの関係は図8のようになる。
【0026】
【数4】
【0027】SR法では、信号の大きさは次式に従い、
Mobsとt1iとの関係は図6に示すようになる。
【0028】
【数5】
【0029】本発明では、磁化の変化を大きくするため
に、短いt1iに対してはFIR法のパルスシーケンス
によりデータ収集し、長いt1iに対してはSR法のパ
ルスシーケンスを用いる。このときの磁化の回復過程を
示したものが図1である。これにより、観測時間は、次
式のようになり、FIR法よりも短くすることができ
る。
【0030】
【数6】
【0031】ここで、モデル式は次式のように設定す
る。
【0032】
【数7】
【0033】このモデル式を用いて、非線形最小二乗法
によりフィッティングする。この方法では、磁化の大き
さの変化量をFIR法と同様の約2倍にできるため、F
IR法と同等の精度を得ることができる。
【0034】次に、高周波磁場のフリップ角が90度、
180度ではない場合について説明する。この場合に
は、FIR法では式8、SR法では式9に従う。
【0035】
【数8】
【0036】
【数9】
【0037】式8又は式9のように、パラメーターにフ
リップ角に関するhが加わる。この場合には、先の式7
で示したモデル式の代わりに、式10を用いる。
【0038】
【数10】
【0039】このモデル式によってフィッティングし、
M0,T1を求める。
【0040】なお、この方法によってT1分布を画像化
するためには、FIR法に対しては、図9又は図11の
パルスシーケンスを、SR法に対しては、図10又は図
12のパルスシーケンスを用いれば良い。
【0041】次に、T2を計測する方法について述べ
る。
【0042】図17は、CPMG法のパルスシーケンス
を示す図であり、本実施例ではこのパルスシーケンスを
用いる。パルスが180度からずれているとき、CPM
G法において、スピンは次のような挙動を示す。ここ
で、180度からのずれをαとし、(180−α)度パ
ルスとして説明する。
【0043】まず、90度パルスによりスピンが回転座
標系のy’軸に倒れる(図19(a))。次に90度パ
ルスと(180−α)度パルスの間隔τまでに、磁場の
不均一性により図19(b)のように広がる。ここで
y’方向に印加される(180−α)度パルスによって
x’y’平面から浮いたところにスピンが反転する(同
図(c))。この後、スピンはy’軸方向に移動し、同
図(d)のようにy’軸から浮いた位置に集まる。これ
が第1エコーとなる。次の(180−α)度パルスまで
のτの時間で同図(e)のように移動し、再び(180
−α)度パルスが印加される(同図(f))。そして、
再びy’軸方向にスピンが移動し、τ時間後にy’軸上
でスピンが集まる(同図(g))。これが第2エコーで
ある。このように、奇数番目のエコーはy’軸から浮い
た位置に集まるのに対して、偶数番目のエコーはy’上
に集まる。
【0044】このため、エコー信号列は図18に示した
ようになり、偶数番目のエコー信号Meven(TE)
は次式のようになる。
【0045】
【数11】
【0046】一方、奇数番目のエコーは、y’軸から若
干浮いた位置に集まるが、奇数番目のエコー信号Mod
d(TE)もT2で減衰しており、kを比例定数として
次式で表すことができる。
【0047】
【数12】
【0048】これらの偶数番目のエコーと奇数番目のエ
コーの両方を用いるために、データを図13のように配
列する。このデータ配列において、同図(a)の領域で
は、式11のモデル式を用い、同図(b)の領域では式
12のモデル式を用いる。このモデル式を用いて、M
0,k,T2をパラメーターとする非線形最小二乗法を
行う。これにより、偶数番目のエコーと奇数番目のエコ
ーの両方を用いることができ、T2計測精度が向上す
る。
【0049】以上、T2計測の方法を示した。一方、T
2分布を求めるためには、図20又は図21に示すパル
スシーケンスを用いる。このパルスシーケンスにより、
ピクセルごとに図18のようなエコー信号列が得られ
る。これらの信号列を図18のようなデータ列に変換す
る。この後、ピクセルごとに式11及び式12に示した
モデル式を用いてカーブフィッティングを行う。この方
法により、T2分布を求めることができる。
【0050】最後に、代謝物画像化における補正法につ
いて、図22を用いて説明する。まず、代謝物画像化に
おいて予め高信号領域と低信号領域がわかっている場合
について説明する。たとえば、31P代謝物画像化にお
いて、クレアチン燐酸、アデノシン三燐酸がこれに相当
する。筋肉と脳ではこれらの代謝物の差が7〜8倍程度
であり、ギブスリンギングの影響が大きいことが予めわ
かっている。この場合は、1H画像により筋肉の位置を
確認し、脳への信号の混入量を計算すればよい。
【0051】まず、1H画像をもとに代謝物画像のボク
セル内の分布を求める(ステップ1)。但し、分布を求
めるボクセルは、図23(a)のように脳と筋肉が混在
するボクセル、あるいは同図(b)のようにボクセル内
の一部分にのみ筋肉が存在するボクセルだけでよい。こ
れらのボクセルに対して、ボクセル内をM×M×Mに分
割して分布を求める。ボクセルの座標と細分割後の座標
の対応を図24に示す。但し、1次元方向のみ示してい
る。次に、ステップ2で、混入量を計算する。ここで、
高信号ボクセルの座標を(p,q,r)、混入先のボク
セルを(n,l,m)とする。混入量の計算に必要な高
信号ボクセル内の濃度分布は式13で表素ことができ
る。ここで、筋肉と脳の濃度差よりボクセルの信号は筋
肉信号と考えて良いから、各画素の筋肉信号はボクセル
信号値を筋肉を含む画素数で割ったものとなる。
【0052】
【数13】
【0053】
【数14】
【0054】混入量の計算には、次式を用いる。
【0055】
【数15】
【0056】式15において、ここではMを偶数として
いる。
【0057】次に、求めた混入量により補正を行い、補
正画像を求める(ステップ3)。補正方法は、低信号ボ
クセルに関しては、信号値から混入量を差し引いて求め
る。高信号ボクセルに関しては、信号値に低信号ボクセ
ルへの混入量を加えて求める。以上で、補正は終了す
る。
【0058】次に、別の実施例について説明する。ま
ず、代謝物画像において隣りあったボクセルの画像信号
比がa以上のボクセルを探し、高信号ボクセルを見つけ
る。aは、予め設定しておく。次に、この高信号ボクセ
ルに対応する1H画像上の高信号領域を確認する。先に
図22で述べた補正法においてこの高信号領域が筋肉信
号に対応する。つまり、先の筋肉信号に対して行った図
22の処理をこの高信号領域に対して行う。以上によ
り、補正画像を求めることができる。
【0059】以上説明した方法では、代謝物画像の高信
号ボクセル内の分布は均一と考えて求めたが、このボク
セルに対応する部分だけを別途高分解能で代謝物画像化
しても求めることができる。この方法で、ボクセル内の
分布を求め、図22の方法で混入量を計算し、補正する
ことができる。
【0060】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では、T2
を精度良く計測することが可能であり、T2分布を精度
良く計測することが可能である。
【0061】また、ギブスリンギングに関する発明によ
り、高信号領域から低信号領域への混入量を求めること
ができ、精度の良い画像を求めることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本方法を用いた場合の磁化の回復過程を示す
図。
【図2】 磁気共鳴映像装置のブロック図。
【図3】 IR法のパルスシーケンスを示す図。
【図4】 IR法における磁化の回復過程を示す図。
【図5】 SR法のパルスシーケンスを示す図。
【図6】 SR法における磁化の回復過程を示す図。
【図7】 IR法のパルスシーケンスを示す図。
【図8】 FIR法における磁化の回復過程を示す図。
【図9】 本発明の一実施例であるT1分布を求めるた
めのパルスシーケンスを示す図。
【図10】 本発明の一実施例であるT1分布を求める
ためのパルスシーケンスを示す図。
【図11】 本発明の一実施例であるT1分布を求める
ためのパルスシーケンスを示す図。
【図12】 本発明の一実施例であるT1分布を求める
ためのパルスシーケンスを示す図。
【図13】 CPMG法によって収集されたエコー信号
列を偶数番目のエコーと奇数番目のエコーで分けてデー
タ配列する例を説明するための図。
【図14】 スピンエコーのための高周波磁場パルスの
シーケンスを示す図。
【図15】 CP法を行うためのパルスシーケンスを示
す図。
【図16】 CP法によるエコー信号列をカーブフィッ
ティングした様子を示す図。
【図17】 CPMG法を行うためのパルスシーケンス
を示す図。
【図18】 CPMG法によるエコー信号列をカーブフ
ィッティングした様子を示す図。
【図19】 CPMG法におけるスピンの挙動を説明す
るための図。
【図20】 本発明の一実施例であるT2分布を求める
ためのパルスシーケンスを示す図。
【図21】 本発明の一実施例であるT2分布を求める
ためのパルスシーケンスを示す図。
【図22】 ギブスリンギングの影響の補正法を表す流
れ図。
【図23】 代謝物画像におけるボクセルの分布を示し
た図。
【図24】 ボクセル及び細分割したボクセルの座標を
示す図。
【図25】 ギブスリンギング現象を説明するための
図。
【符号の説明】
1…静磁場磁石 2…勾配コイル 3…シムコイル 4…プローブ 5…勾配コイル 6…シムコイル電源 7…送信部 8…受信部 9…データ収集部 10…計算機システム 11…コンソール 12…パルスシーケンス制御部 13…画像ディスプレイ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一様な静磁場に置かれた被検体に高周波磁
    場及び勾配磁場を印加することにより、前記被検体から
    発生する磁気共鳴信号を収集して磁気共鳴画像を得る磁
    気共鳴映像装置において、 パルス角が90度である第1の高周波磁場パルスを印加
    する90度高周波磁場パルス印加手段と、 前記第1の高周波磁場パルスに対して位相差が90度で
    あって、パルス角が略180度である第2の高周波磁場
    パルスを複数回印加する180度高周波磁場パルス印加
    手段と、 前記第2の高周波磁場パルス毎に対応して前記被検体か
    ら発生する磁気共鳴信号を収集する手段と、 前記180度高周波磁場パルス印加手段による印加のう
    ち、奇数回目の印加に対応する磁気共鳴信号と、偶数回
    目の印加に対応する磁気共鳴信号とのそれぞれに基づい
    てスピン−スピン緩和時間を求める手段とからなること
    を特徴とする磁気共鳴映像装置。
  2. 【請求項2】一様な静磁場に置かれた被検体に高周波磁
    場及び勾配磁場を印加することにより、前記被検体から
    発生する磁気共鳴信号を収集して磁気共鳴画像を得る磁
    気共鳴映像装置において、 前記磁気共鳴画像を構成する複数のボクセルのうち、一
    のボクセルから他のボクセルへの画像信号の混入量を算
    出する手段と、 この手段により得られた混入量に基づいて前記一のボク
    セルの画像信号から補正画像を求める手段とからなるこ
    とを特徴とする磁気共鳴映像装置。
  3. 【請求項3】一様な静磁場に置かれた被検体に高周波磁
    場及び勾配磁場を印加することにより、前記被検体から
    発生する磁気共鳴信号を収集して磁気共鳴画像を得る磁
    気共鳴映像装置において、 所定の分解能で表現される高分解能画像レベルの領域を
    低分解能画像レベルの領域にブロック化する手段と、 所定の体内組織が低分解能画像レベルの領域内に部分的
    に含まれる領域を前記ブロック化領域から抽出する手段
    と、 前記低分解能画像レベルの領域からの信号を前記ブロッ
    ク化領域に含まれる体内組織の高分解能画像レベルの画
    素数で均等に分割する手段と、 前記体内組織に基づく領域内の信号分布を用いてギブス
    リンギングによる画像信号の減少量及び他の領域への混
    入量を算出する手段と、 前記減少量及び混入量に基づいて低分解能画像レベルの
    領域からの信号分布の補正を行って、低分解能画像レベ
    ルの磁気共鳴画像を再構成する手段を有することを特徴
    とする磁気共鳴映像装置。
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JP2007003472A (ja) * 2005-06-27 2007-01-11 Kanazawa Univ 食肉商品用旨み評価システム
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RU2680725C1 (ru) * 2018-02-07 2019-02-26 Федеральное государственное автономное образовательное учреждение высшего образования "Балтийский федеральный университет имени Иммануила Канта" (БФУ им. И. Канта) Способ оценки времени спин-спиновой релаксации в твердом теле

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