JP2002305916A - 種子の発芽改善方法及び発芽改善種子、並びにコーティング種子及びその製造方法 - Google Patents

種子の発芽改善方法及び発芽改善種子、並びにコーティング種子及びその製造方法

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JP2002305916A
JP2002305916A JP2001116048A JP2001116048A JP2002305916A JP 2002305916 A JP2002305916 A JP 2002305916A JP 2001116048 A JP2001116048 A JP 2001116048A JP 2001116048 A JP2001116048 A JP 2001116048A JP 2002305916 A JP2002305916 A JP 2002305916A
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seed
coating
seeds
germination
sulfur
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JP2001116048A
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English (en)
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Hiroyuki Nakada
博之 中田
Toshikazu Akao
俊和 赤尾
Yoshihiro Maeda
吉弘 前田
Katsumi Shigeta
勝美 茂田
Hiroshi Sato
浩 佐藤
Hisashi Nishimura
久司 西村
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Takii Shubyo KK
DKS Co Ltd
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Dai Ichi Kogyo Seiyaku Co Ltd
Takii Shubyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 十分な発芽が確保でき、発芽促進、休眠打
破、初期生育の促進などの発芽改善効果に優れ、またそ
の効果の持続性に優れる発芽改善種子及びコーティング
種子を提供する。 【解決手段】 種子を含硫アミノ酸及びサイトカイニン
類で処理することにより、種子の発芽性が改善される。
好ましくは、種子表面に形成されたコーティング層中に
含硫アミノ酸及びサイトカイニン類を含むことである。
かかるコーティング種子は、含硫アミノ酸とサイトカイ
ニン類を含むコーティング材で種子をコーティングし、
コーティングした種子を乾燥することにより製造するこ
とが好適である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、種子の発芽改善方
法及び発芽改善種子、並びに、コーティング種子及びそ
の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】従来より
農作業における省力化などのため、野菜などの種子に赤
土やクレーなどの造粒材を、ポリビニルアルコールやカ
ルボキシメチルセルロースなどの結合剤を用いて、流動
層型造粒機または傾斜回転パン型造粒機により造粒コー
ティングすることが知られている。このようにして得ら
れた造粒コーティング種子は、播種後に土壌中で適度な
水分に遭うと、コーティング層が吸収して2〜3箇所に
亀裂が生じることにより、ブロック状に破砕され、発芽
が起こる。
【0003】また、従来、種子に対する病害予防や害虫
予防などのために、各種種子に適した殺菌剤や殺虫剤
を、ポリマーを用いたフィルムコーティングにより付着
させることが知られている。
【0004】しかしながら、このような造粒材でコーテ
ィングされた造粒コーティング種子、あるいは、ポリマ
ーでコーティングされたフィルムコーティング種子は、
その機能性とは別に、物理的または化学的影響により、
発芽遅延や異常発芽が発生するなど、元々の種子の発芽
性に悪影響を及ぼすことがある。
【0005】また、種子の種類によっては、発芽に適し
た環境下を外れると、発芽遅延や異常発芽が発生するだ
けではなく、休眠に入ることが知られており、そのた
め、休眠打破などの処理も施されてはいるが、特にその
効果の持続性の点で現状では不十分であった。
【0006】[発明の目的]本発明は、上記の点に鑑み
てなされたものであり、十分な発芽が確保でき、発芽促
進、休眠打破、初期生育の促進などの発芽改善効果に優
れ、またその効果の持続性に優れる発芽改善種子及びコ
ーティング種子を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
を行なった結果、種子を含硫アミノ酸及びサイトカイニ
ン類で処理することにより、各種種子の発芽に適した環
境下を外れても十分な発芽性を確保することができ、特
に、これらの薬剤を用いて種子をコーティングすること
でその効果の持続性に優れ、種子の貯蔵性が向上するこ
とを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0008】すなわち、本発明は、種子を含硫アミノ酸
及びサイトカイニン類で処理することを特徴とする種子
の発芽改善方法、及び、含硫アミノ酸及びサイトカイニ
ン類で処理された発芽改善種子を提供するものである。
【0009】本発明は、また、種子表面に形成されたコ
ーティング層中に含硫アミノ酸及びサイトカイニン類を
含むことを特徴とするコーティング種子を提供するもの
である。
【0010】本発明は、更に、含硫アミノ酸とサイトカ
イニン類を含むコーティング材で種子をコーティング
し、コーティングした種子を乾燥することを特徴とする
コーティング種子の製造方法、及び、種子に対して含硫
アミノ酸とサイトカイニン類を処理する工程と、種子を
コーティングする工程と、両工程の後、得られた種子を
乾燥する工程を含むことを特徴とするコーティング種子
の製造方法を提供するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施に関連する事
項について詳細に説明する。
【0012】本発明において対象となる種子は特に限定
されないが、例えば、キュウリ、メロン、カボチャ等の
ウリ科、ナス、トマト等のナス科、エンドウ、インゲン
等のマメ科、タマネギ、ネギ等のユリ科、ダイコン、カ
ブ、ハクサイ、キャベツ、ハナヤサイ等のアブラナ科、
ニンジン、セルリー等のセリ科、ゴボウ、レタス、シン
ギク等のキク科、シソ等のシソ科、ホウレンソウ等のア
カザ科、等の野菜種子や、ハボタン、ストック、アリッ
サム等のアブラナ科、ロベリア等のキキョウ科、アスタ
ー、ジニア、ヒマワリ等のキク科、デルフィニウム等の
キンポウゲ科、キンギョソウ等のゴマノハグサ科、プリ
ムラ等のサクラソウ科、ベゴニア等のシュウカイドウ
科、サルビア等のシソ科、ビオラ、パンジー等のスミレ
科、ペチュニア等のナス科、ユーストマ等のリンドウ
科、等の草花種子が挙げられる。
【0013】本発明で用いる含硫アミノ酸としては、シ
ステイン、シスチン、メチオニンが挙げられ、これらは
いずれについてもD体、L体、DL体を使用することが
できる。
【0014】本発明で用いるサイトカイニン類として
は、ゼアチン、ゼアチンリポシド、ゼアチンリポチド、
イソペンテニルアデニン、ジヒドロゼアチンなどの天然
サイトカイニン、カイネチン、ベンチルアデニンなどの
合成サイトカイニンが挙げられる。また、ジフェニル尿
素、クロロフェニル尿素、ジヒドロコニフェリールアル
コールなどのサイトカイニン活性を有するものなども使
用することができる。
【0015】本発明の発芽改善種子は、種子をこれらの
含硫アミノ酸及びサイトカイニン類で薬剤処理すること
により製造することができる。
【0016】この場合、薬剤の処理方法としては、これ
ら薬剤の水溶液又は分散液等の薬液に種子を浸漬した
り、該薬液を種子に噴霧したり、該薬液を保持させた濾
紙等の物質に接触させたりする方法が挙げられる。ここ
で、含硫アミノ酸とサイトカイニン類とは、別々に用い
てもよく、また、両者を含有する薬液で同時に処理して
もよい。別々に処理する場合、その順序はどちらが先で
もよい。また、含硫アミノ酸とサイトカイニン類の薬液
中における濃度は、その種類及び処理する種子の種類に
よって異なるが、含硫アミノ酸の場合、通常0.01〜
10重量%の範囲内で設定され、サイトカイニン類の場
合、通常0.1〜50ppmの範囲内で設定される。ま
た、薬液の処理温度および時間は、特に限定されず、種
子の種類等に応じて適宜に設定することができる。
【0017】このようにして薬剤処理された種子を乾燥
することにより発芽改善種子が得られる。乾燥は、熱に
よる種子のダメージをできるだけ抑えて行うことが好ま
しく、公知の通風乾燥法が適している。
【0018】得られた発芽改善種子は、各種種子の発芽
に適した環境下をはずれても、十分な発芽が確保でき、
種子の発芽促進、休眠打破、初期生育の促進などの発芽
改善効果に優れる。また、含硫アミノ酸とサイトカイニ
ン類とを併用したことにより、従来の発芽改善処理に比
べて発芽改善効果の持続性に優れる。
【0019】次に、コーティング種子について説明す
る。
【0020】本発明のコーティング種子は、種子表面に
形成されたコーティング層中に含硫アミノ酸及びサイト
カイニン類を含有するものである。このようにコーティ
ング層中に両薬剤を含有させることにより、上記した発
芽改善効果の持続性を一段と高めることができ、種子の
貯蔵性が向上する。また、コーティング層中に含有させ
ておけば、播種後に土壌中でも含硫アミノ酸及びサイト
カイニン類を種子に作用させることができる。
【0021】上記コーティングには、造粒コーティング
だけでなくフィルムコーティングも含まれる。
【0022】造粒コーティングは、湿潤剤を用いてこれ
を噴霧しながら種子表面に造粒材をコーティングするも
のである。本発明において、造粒コーティングに使用す
る湿潤剤及び造粒材は特に限定するものではなく、通常
の造粒コーティングに用いられるものであれば使用可能
である。例えば、造粒材としては、珪藻土、シリカ、タ
ルク、カオリン、アタパルジャイトなどを用いることが
できる。湿潤剤としては、ポリビニルアルコール、カル
ボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、でん
ぷん、水系ポリウレタン樹脂等の水溶液・水分散溶液
や、水などを用いることができる。
【0023】フィルムコーティングは、ポリマーを含有
するコーティング液を噴霧等で種子に付与して殺菌剤、
殺虫剤等を種子に付着させるものである。このようなコ
ーティング液は、特に限定するものではないが、例え
ば、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、
ポリビニルピロリドン、セルロース誘導体、水系ポリウ
レタン樹脂等の水溶液・水分散溶液などを用いることが
でき、タルクや酸化チタン等の無機鉱物を配合すること
ができる。
【0024】本発明のコーティング種子を製造する方法
としては、含硫アミノ酸とサイトカイニン類を含むコー
ティング材で種子をコーティングし、コーティングした
種子を乾燥する方法(第1の製造方法)が好適なものと
して挙げられる。このようにコーティング材中に両薬剤
を含ませておくことにより、種子の発芽改善目的で行わ
れる薬剤処理と種子のコーティング処理とを一回の工程
で行うことができるため、乾燥工程が一回で済み、種子
への加工ダメージを低減することができる。すなわち、
従来は、発芽改善のために薬剤浸漬処理を行う場合、そ
の浸漬処理後に一度乾燥させてから種子をコーティング
しているため、コーティング処理後の乾燥工程と併せて
乾燥が二回以上になり、種子へのダメージが大きかった
が、この第1の製造方法によれば乾燥回数を減らして種
子のダメージを低減することができる。
【0025】上記コーティング工程において、含硫アミ
ノ酸とサイトカイニン類は、これらを別々に用いてもよ
いし、両方を同時に用いてもよい。別々に用いる場合に
はその順序はどちらが先でもよい。また、含硫アミノ酸
とサイトカイニン類の形態は水溶液でもよいし、粉体で
もよいし、分散液状態でもよい。
【0026】詳細には、コーティングが造粒コーティン
グの場合、含硫アミノ酸及びサイトカイニン類を水溶液
または分散液状態で湿潤剤に配合して噴霧してもよい
し、粉体状態で造粒材に混合してもよい。また、どちら
か一方を湿潤剤に、他方を造粒材に混合してもよい。
【0027】また、湿潤剤に配合する場合、含硫アミノ
酸とサイトカイニン類は別々の湿潤剤に配合されていて
もよいし、両方を同時に含有する湿潤剤を用いることも
できる。別々に配合する場合、どちらを先に噴霧しても
よいし、交互に噴霧してもよい。さらに、造粒コーティ
ング作業中の全工程で湿潤剤にこれらの薬剤が含有され
ていてもよいし、ある一部の期間中だけ含有されていて
もよい。例えば、造粒コーティング工程の初期段階のみ
にこれら薬剤を含む浸潤剤を噴霧し、その後は薬剤を含
まない湿潤剤を噴霧するようにしてもよく、また、逆
に、造粒コーティング工程の初期段階では薬剤を含まな
い湿潤剤を噴霧し、ある程度造粒してから薬剤を含む湿
潤剤を噴霧するようにしてもよい。後者の場合、播種前
に種子に対して薬剤を作用させることなく、播種後の土
壌中で初めて薬剤を種子に作用させることができる。
【0028】一方、コーティングがフィルムコーティン
グの場合、ポリマーを含有する上記コーティング液にこ
れらの薬剤を配合することができる。その場合、コーテ
ィング液に含硫アミノ酸とサイトカイニン類が別々に含
有されていてもよいし、両方を同時に含有していてもよ
い。別々に含有している場合にはどちらを先に噴霧して
もよいし、交互に噴霧してもよい。
【0029】以上のようにコーティング材に配合する場
合における各薬剤の使用量は、その種類や、種子の種類
などによって異なるが、例えば、含硫アミノ酸について
は、造粒コーティングの場合、湿潤剤には0.01〜1
0重量%で配合することが好ましく、造粒材には0.0
01〜5重量%で混合することが好ましい。また、フィ
ルムコーティングの場合、コーティング液に0.01〜
10重量%で配合することが好適である。サイトカイニ
ン類については、造粒コーティングの場合、湿潤剤には
0.1〜50ppmで配合することが好ましく、造粒材
には0.01〜10ppmで混合することが好ましい。
また、フィルムコーティングの場合、コーティング液に
0.1〜50ppmで配合することが好適である。
【0030】このようにして種子をコーティングした後
に乾燥を行う。乾燥は、熱による種子のダメージをでき
るだけ抑えて行うことが好ましく、公知の通風乾燥法が
適している。
【0031】本発明のコーティング種子を製造する方法
としては、また、種子に対して含硫アミノ酸とサイトカ
イニン類を用いて薬剤処理する工程と、種子をコーティ
ングする工程と、両工程の後、得られた種子を乾燥する
工程とからなるもの(第2の製造方法)も挙げられる。
この場合、薬剤処理とコーティング処理はいずれが先で
もよい。但し、一方の工程のみが終了した段階では乾燥
することなく、両工程の終了後に乾燥するものである。
この第2の製造方法においても、乾燥工程が一回で済む
ため、種子への加工ダメージを低減することができる。
【0032】第2の製造方法において、上記コーティン
グが造粒コーティングである場合、コーティング工程に
先立って、含硫アミノ酸とサイトカイニン類を配合した
液を直接種子に噴霧し、あるいは、種子をこれらの液に
浸漬処理した後、直ちに造粒コーティング処理すること
が好ましい。また、薬剤処理から数時間経過の後に造粒
コーティング処理してもよい。薬剤処理後、数時間経過
の後に造粒コーティング処理する場合、できるならば薬
剤処理後3時間以内に造粒コーティング処理することが
好ましい。
【0033】第2の製造方法において、上記コーティン
グがフィルムコーティングである場合も、コーティング
工程に先立って、含硫アミノ酸とサイトカイニン類を配
合した液を直接種子に噴霧し、あるいは種子をこれらの
液に浸漬処理した後、直ちにフィルムコーティング処理
することが好ましい。また、薬剤処理から数時間経過の
後にフィルムコーティング処理してもよい。薬剤処理
後、数時間経過の後にフィルムコーティング処理する場
合、できるならば薬剤処理後3時間以内にフィルムコー
ティング処理するのが好ましい。また、フィルムコーテ
ィング工程の前又は後にこれら薬剤を粉衣してもよい。
この場合にもポリマーの皮膜中に薬剤が取り込まれる。
【0034】第2の製造方法における乾燥も、第1の製
造方法と同様に、熱による種子のダメージをできるだけ
抑えて行うことが好ましく、公知の通風乾燥法が適して
いる。
【0035】なお、本発明においては、これら含硫アミ
ノ酸とサイトカイニン類の効果を損なわない範囲内であ
れば、その他のアミノ酸や生育調整剤等を、上記した薬
液やコーティング材に配合してもよい。
【0036】
【実施例】以下に本発明を実施例によってさらに説明す
るが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものでは
ない。
【0037】〔実施例1〕レタス種子(品種:レッドフ
ァイヤー、タキイ種苗株式会社製)を造粒コーティング
するにあたり、造粒材として重量比=9:1のアタパル
ジャイトとステアリン酸カルシウムの混合粉体を用い、
湿潤剤としてL−システイン(ナカライテスク製)0.
5重量%と6−(N−ベンジルアミノ)プリン(株式会
社理研グリーン製)5ppmを含有した1重量%のPV
A水溶液を用いて、傾斜回転パン型造粒機により粒径が
約3mmになるまで造粒コーティングを行なった。その
後、35℃設定の通風乾燥機で乾燥して造粒コーティン
グ種子を得た。
【0038】〔実施例2〕上記した実施例1において、
L−システインを湿潤剤ではなく造粒材中に0.003
重量%配合し、その他は実施例1と同様にして造粒コー
ティング種子を得た。
【0039】〔実施例3〕上記した実施例1において、
6−(N−ベンジルアミノ)プリンを湿潤剤ではなく造
粒材中に2ppm配合し、その他は実施例1と同様にし
て造粒コーティング種子を得た。
【0040】〔比較例1〕上記した実施例1において、
湿潤剤としてL−システインのみを0.5重量%含有
し、サイトカイニン類を含まない1重量%PVA水溶液
を用いて、その他は実施例1と同様にして造粒コーティ
ング種子を得た。
【0041】〔比較例2〕上記した実施例1において、
湿潤剤として6−(N−ベンジルアミノ)プリンのみを
5ppm含有し、含硫アミノ酸を含まない1重量%PV
A水溶液を用いて、その他は実施例1と同様にして造粒
コーティング種子を得た。
【0042】〔比較例3〕上記した実施例1において、
湿潤剤として含硫アミノ酸もサイトカイニン類も含まな
い1重量%PVA水溶液を用いて、その他は実施例1と
同様にして造粒コーティング種子を得た。
【0043】〔比較例4〕レタス種子(品種:レッドフ
ァイヤー、タキイ種苗株式会社製)をL−システイン
(ナカライテスク製)0.5重量%及び6−(N−ベン
ジルアミノ)プリン(株式会社理研グリーン製)5pp
mを含む水溶液に常温で3時間浸漬し、浸漬処理後に3
5℃設定の通風乾燥機で乾燥した。この乾燥した種子に
対し、湿潤剤として含硫アミノ酸もサイトカイニンも含
まない1重量%PVA水溶液を用いて、その他は実施例
1と同様にして造粒コーティング種子を得た。
【0044】〔比較例5〕レタス種子(品種:レッドフ
ァイヤー、タキイ種苗株式会社製)の無処理種子を比較
例5の種子とした。
【0045】〔試験例1〕実施例1〜3及び比較例1〜
5によって得られた造粒コーティング種子及び無処理種
子を、国際種子検査規程(International Rules for Se
ed Testing Rules1999)記載のTP法に準じて、発芽試
験を実施した。ただし、発芽試験はレタス種子には発芽
不適な高温条件32℃で行い、加工直後、6ヶ月後、及
び12ヶ月後の3回実施して発芽の様子を比較した。そ
の結果を表1に示した。
【0046】
【表1】
【0047】表1から明らかなように、本発明に係る実
施例1〜3の種子であると、比較例の種子に比べて、不
適発芽条件下での発芽性が優れ、またその効果が持続す
ることが判る。
【0048】〔実施例4〕ユーストマ種子(品種:メロ
ウピンク、タキイ種苗株式会社製)を造粒コーティング
するにあたり、造粒材として重量比=8:1:1の珪藻
土、タルク、ベントナイトの混合粉体を用い、湿潤剤と
してDL−メチオニン(ナカライテスク製)5重量%と
ゼアチン(和研薬株式会社製)2ppmを含有した1重
量%の水系ポリウレタン樹脂の水分散溶液を用いて、傾
斜回転パン型造粒機により粒径が約1.5mm以下程度
になるまでコーティングを行ない、その後、40℃設定
の通風乾燥機で乾燥して造粒コーティング種子を得た。
【0049】〔実施例5〕上記した実施例4において、
湿潤剤としてDL−メチオニン5重量%とゼアチン10
ppmを含有した1重量%の水系ポリウレタン樹脂の水
分散溶液を造粒工程の初期段階のみに用い、その以後は
湿潤剤として含硫アミノ酸とサイトカイニン類を含有し
ない1重量%の水系ポリウレタン樹脂の水分散溶液を用
いて、その他は実施例4と同様にして造粒コーティング
種子を得た。
【0050】〔比較例6〕上記した実施例4において、
湿潤剤として含硫アミノ酸もサイトカイニンも含まない
1重量%の水系ポリウレタン樹脂の水分散溶液を用い
て、その他は実施例4と同様にして造粒コーティング種
子を得た。
【0051】〔比較例7〕ユーストマ種子(品種:メロ
ウピンク、タキイ種苗株式会社製)の無処理種子を比較
例7の種子とした。
【0052】〔試験例2〕実施例4,5及び比較例6,
7の種子を培土に播種し、発芽試験を実施した。発芽試
験は、好光性種子であるユーストマ種子に対して、光量
が充分な好適条件下(最高照度約1万lux)と、遮光し
て照度を下げた不適条件下(照度約100〜500lu
x)の2条件で行い、それぞれ加工直後と12ヶ月後の
2回実施して発芽の様子を比較した。その結果を表2,
3に示した。また発芽調査の記録から発芽率とは別に、
発芽の早さを比較する指標として下記の数式より平均発
芽日数を算出した。
【0053】
【数1】 この数式において、kは播種後経過日数、Gkは播種k
日後に発芽した種子個体数をそれぞれ示し、nは発芽締
め切り日までとした。
【0054】
【表2】
【0055】
【表3】
【0056】表2,3から明らかなように、本発明に係
る実施例4,5の種子は、比較例6,7の種子に比べ
て、発芽不適条件下における発芽率、平均発芽日数をと
もに改善されており、また、造粒から12ヶ月経過後に
おいても同様な発芽改善効果を示しており、比較例に比
べて処理効果の維持が明らかに認められた。
【0057】〔実施例6〕休眠性を有する台木用ナス種
子(品種:トナシム、タキイ種苗株式会社製)をフィル
ムコーティングするにあたり、DL−メチオニン(ナカ
ライテスク製)3重量%とカイネチン(ナカライテスク
製)10ppmを含有した水系ポリウレタン樹脂1.5
重量%の水分散溶液をフィルムコーティング液として用
い、フィルムコーティング機(パウレック社製 ドリア
コーター 形式:DRC500)を使って、種子への噴
霧コーティングと乾燥を行った。乾燥温度はドリアコー
ターの設定を50℃にし、品温35℃以下の範囲で通風
乾燥してフィルムコーティング種子を得た。
【0058】〔比較例8〕上記した実施例6において、
フィルムコーティング液としてDL−メチオニン3重量
%のみを含有し、サイトカイニン類を含まない水系ポリ
ウレタン樹脂1.5重量%の水分散溶液を用いて、その
他は実施例6と同様にしてフィルムコーティング種子を
得た。
【0059】〔比較例9〕上記した実施例6において、
フィルムコーティング液としてカイネチン10ppmの
みを含有し、含硫アミノ酸を含まない水系ポリウレタン
樹脂1.5重量%の水分散溶液を用いて、その他は実施
例6と同様にしてフィルムコーティング種子を得た。
【0060】〔比較例10〕休眠性を有する台木用ナス
種子(品種:トナシム、タキイ種苗株式会社製)の無処
理種子を比較例10の種子とした。
【0061】〔試験例3〕実施例6及び比較例8〜10
の種子を、国際種子検査規程記載(International Rule
s for Seed Testing Rules 1999)のTP法に準じてシ
ャーレに播種し、変温と恒温の2条件下で発芽試験を実
施した。変温条件は20℃8時間−30℃16時間と
し、恒温条件は25℃とした。その結果を表4,5に示
した。
【0062】
【表4】
【0063】
【表5】
【0064】表4,5から明らかなように、本発明に係
る実施例6の種子は、比較例8〜10の種子に比べて、
発芽に不利な条件下でも発芽速度および発芽率ともに悪
化し難く改善されていた。
【0065】〔実施例7〕暗黒下で発芽が抑制されるセ
ルリー種子(品種:ミニホワイト、タキイ種苗株式会社
製)を、メチオニン(ナカライテスク製)1重量%と6
−ベンジルアデニン(ナカライテスク製)10ppmを
含有する水溶液に室温で2時間浸漬し、その後、35℃
設定の通風乾燥機で元の種子水分含量になるまで種子を
乾燥した。
【0066】〔実施例8〕上記実施例7において、種子
を浸漬処理後、引き続き遠心脱水機(立花鉄工所形式:
MK26)で脱水し、乾燥せずに傾斜回転パン型造粒機
で造粒コーティングを行った。造粒材として重量比=
8:1:1のアタパルジャイト、モンモリロナイト、ス
テアリン酸カルシウムの混合粉体を用い、湿潤剤として
カルボキシメチルセルロース(CMC)1重量%の水溶
液を使って、粒径が2.5mmになるまで造粒を行っ
た。その後、実施例7と同様に35℃設定の通風乾燥機
で乾燥して造粒コーティング種子を得た。
【0067】〔実施例9〕上記実施例7において、種子
を浸漬処理後、引き続き遠心脱水機(立花鉄工所形式:
MK26)で脱水し、乾燥せずにフィルムコーティング
機(パウレック社製 ドリアコーター 形式:DRC50
0)でフィルムコーティングを行った。フィルムコーテ
ィング液は水系ポリウレタン樹脂1.5重量%の水分散
溶液を用い、乾燥はドリアコーターから取り出した後、
実施例7と同様に35℃設定の通風乾燥機で乾燥してフ
ィルムコーティング種子を得た。
【0068】〔比較例11〕上記実施例7において、セ
ルリー種子を、メチオニン1重量%のみを含有し、サイ
トカイニン類を含まない水溶液に室温で2時間浸漬し、
その後同様に35℃設定の通風乾燥機で元の種子水分含
量になるまで種子を乾燥した。
【0069】〔比較例12〕上記実施例7において、セ
ルリー種子を、6−ベンジルアデニン10ppmのみを
含有し、含硫アミノ酸を含まない水溶液に室温で2時間
浸漬し、その後同様に35℃設定の通風乾燥機で元の種
子水分含量になるまで種子を乾燥した。
【0070】〔比較例13〕上記実施例7において、セ
ルリー種子を、メチオニンも6−ベンジルアデニンも含
まない蒸留水に室温で2時間浸漬し、その後同様に35
℃設定の通風乾燥機で元の種子水分含量になるまで種子
を乾燥した。
【0071】〔比較例14〕暗黒下で発芽が抑制される
セルリー種子(品種:ミニホワイト、タキイ種苗株式会
社製)の無処理種子を比較例14の種子とした。
【0072】〔試験例4〕実施例7〜9及び比較例11
〜14の種子を、国際種子検査規程記載(Internationa
l Rules for Seed Testing Rules 1999)のTP法に準
じてシャーレに播種し、暗黒下20℃の恒温条件で発芽
を比較した。その結果を表6に示した。
【0073】
【表6】
【0074】表6から明らかなように、本発明に係る実
施例7〜9の種子であると、比較例11〜14の種子に
比べて、不適発芽条件下での発芽性が優れることが判
る。
【0075】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
各種種子の発芽に適した環境下をはずれても、十分な発
芽が確保でき、種子の発芽促進、休眠打破、初期生育の
促進などの発芽改善を図ることができる。また、特に、
コーティング層中に発芽改善のための含硫アミノ酸とサ
イトカイニン類を含有させたことにより、その効果の持
続性が向上し、種子の貯蔵性が向上する。更に、発芽改
善のための薬剤処理と種子コーティング処理を行ってか
ら乾燥するため、乾燥工程が1回で済み、種子への加工
ダメージを低減することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 赤尾 俊和 京都府京都市西京区樫原六反田2番地 六 反田荘6号 (72)発明者 前田 吉弘 京都府京田辺市三山木南山30−1 (72)発明者 茂田 勝美 滋賀県甲賀郡甲西町針59−27 (72)発明者 佐藤 浩 京都府宇治市広野町小根尾138−36 (72)発明者 西村 久司 京都府京都市伏見区向島二ノ丸町380−5 Fターム(参考) 2B051 AA02 AB01 BA02 BB01 BB14 4H011 AB03 BA06 BB06 BB09 BC19 DD03 DG10 DH02

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】種子を含硫アミノ酸及びサイトカイニン類
    で処理することを特徴とする種子の発芽改善方法。
  2. 【請求項2】含硫アミノ酸及びサイトカイニン類で処理
    された発芽改善種子。
  3. 【請求項3】種子表面に形成されたコーティング層中に
    含硫アミノ酸及びサイトカイニン類を含むことを特徴と
    するコーティング種子。
  4. 【請求項4】前記コーティングが造粒コーティングであ
    ることを特徴とする請求項3記載のコーティング種子。
  5. 【請求項5】前記コーティングがフィルムコーティング
    であることを特徴とする請求項3記載のコーティング種
    子。
  6. 【請求項6】含硫アミノ酸とサイトカイニン類を含むコ
    ーティング材で種子をコーティングし、コーティングし
    た種子を乾燥することを特徴とするコーティング種子の
    製造方法。
  7. 【請求項7】前記コーティングが湿潤剤を用いて種子表
    面に造粒材をコーティングする造粒コーティングであ
    り、含硫アミノ酸及びサイトカイニン類を前記造粒材及
    び/又は湿潤剤に添加してコーティングすることを特徴
    とする請求項6記載のコーティング種子の製造方法。
  8. 【請求項8】前記コーティングがフィルムコーティング
    であり、含硫アミノ酸及びサイトカイニン類をポリマー
    を含むコーティング液に添加してコーティングすること
    を特徴とする請求項6記載のコーティング種子の製造方
    法。
  9. 【請求項9】種子に対して含硫アミノ酸とサイトカイニ
    ン類を処理する工程と、種子をコーティングする工程
    と、両工程の後、得られた種子を乾燥する工程を含むこ
    とを特徴とするコーティング種子の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008543714A (ja) * 2005-06-17 2008-12-04 プラント・インパクト・ピーエルシー 農業用組成物
JP2014080398A (ja) * 2012-10-18 2014-05-08 Yukijirushi Shubyo Kk 植物成長調整剤

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JP2008543714A (ja) * 2005-06-17 2008-12-04 プラント・インパクト・ピーエルシー 農業用組成物
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