JPH0515208A - 造粒コーテイング種子 - Google Patents

造粒コーテイング種子

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JPH0515208A
JPH0515208A JP16569791A JP16569791A JPH0515208A JP H0515208 A JPH0515208 A JP H0515208A JP 16569791 A JP16569791 A JP 16569791A JP 16569791 A JP16569791 A JP 16569791A JP H0515208 A JPH0515208 A JP H0515208A
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Shinya Matsushita
慎哉 松下
Kazuo Isono
一夫 五十野
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DKS Co Ltd
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Dai Ichi Kogyo Seiyaku Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 造粒材100重量部に対してポリビニルピロ
リドン5〜30重量部および疎水剤0.5重量部以上を
併用して造粒コーティングしてなる。 【効果】 本発明の造粒コーティング種子は、種子の発
芽率、発芽勢を維持・向上させながら、軽量であるにも
かかわらず、充分な硬度を有し、造粒物の乾燥処理から
機械播種までの間で破砕されることがない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、造粒コーティングされ
た種子に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】農業人口
の減少のため、我国の農業分野においても省人化および
省力化は必須の課題になっている。そのため、種子を造
粒コーティングすることにより播種の機械化がかなりの
勢いで進んでいる。
【0003】種子の造粒コーティングに関する技術につ
いての特許は、特公昭35−8063号、同35−13
608号、同36−7309号、同38−3469号、
特開昭48−13110号、同49−115829号、
同49−123809号、同52−13812号、同5
2−38311号、同52−65009号、同52−6
5010号、同54−35015号、同54−8590
8号、同54−130311号、同55−19072
号、同55−21705号、同55−68202号、同
56−32904号、同57−65109号、同57−
65110号、同57−91102号、同58−141
709号、同59−63102号、同59−74907
号、同59−162807号、同59−187706
号、同60−12905号、同60−145005号、
同60−186203号、同61−100110号、特
開平2−60510号、同2−156812号など、枚
挙に遑がないが、次のような問題点がある。
【0004】1)機械播種あるいは輸送のため、ある一
定の硬度を出すためには、造粒材を多量に用いて、2〜
4mm程度の粒径で造粒種子を丸粒化する必要がある。
【0005】2)特に、比較的大きな種子を薄く造粒コ
ーティングすると、硬度が不足し、造粒物の乾燥時、輸
送時、さらには播種機の中で、播種する前に割れてしま
う。
【0006】3)そのために、造粒材を多量に用いて硬
度をあげようとすると、必要以上に大きくなり、播種し
ても造粒物が破砕されずに発芽を遅らせたり、あるいは
造粒材が泥状に溶解して種子にまとわりついて発芽に悪
影響を及ぼす。
【0007】4)また、それを避けるために疎水剤を用
いて割層しやすくすると、硬度が不足するため、一定の
大きさ以上にする必要がある。
【0008】従来は、このような悪循環があった。
【0009】本発明の課題は、機械播種が可能な必要最
低量の造粒材を使用しながら機械播種の前または機械播
種中に破砕されない硬度を有し、水に接触しても泥状に
溶解して種子にまとわりつくことのない軽量な造粒コー
ティング種子を提供する処にある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の造粒コーティン
グ種子は、造粒材100重量部に対してポリビニルピロ
リドン5〜30重量部および疎水剤0.5重量部以上を
併用して造粒コーティングされたことを特徴とする。
【0011】以下、発明の実施に関連する事項について
項分けして詳細に説明する。
【0012】(1)ポリビニルピロリドン ポリビニルピロリドンはビニルピロリドン(N−ビニル
−2−ピロリドン)を重合して得られる。その構造式を
化1に示す。
【0013】
【化1】
【0014】平均分子量が3,000〜160,000
のものが好ましい。特に好ましくは平均分子量10,0
00〜40,000程度のものである。
【0015】ポリビニルピロリドンの使用量は、造粒材
100重量部に対して5〜30重量部、好ましくは10
〜25重量部である。
【0016】なお、特開昭55−133301号におい
ては、ポリビニルピロリドンがバインダーとして例示さ
れているが、これは過酸化物を種子に付着させることを
目的としており、本発明とは技術思想上全く異なるもの
である。
【0017】(2)疎水剤 疎水剤としては、炭素数14〜22の飽和又は不飽和の
高級脂肪酸又は高級アルコール又はそれらの誘導体を使
用する。好適な疎水剤としては、ステアリン酸、ステア
リン酸の金属塩(Na、K、Mg、Ca、Ba塩な
ど)、ステアリルアルコール、ステアリルアルコールの
アルキレンオキサイド付加物(エチレンオキサイド付加
物、プロピレンオキサイド付加物など)などがある。疎
水剤の粒度は微粉末のものが好ましく、通常は20μm
以下のものが使用されるが、特に限定するものではな
い。
【0018】疎水剤の使用量は、その効果を発揮するた
めに、造粒材100重量部に対して0.5重量部以上使
用する。好ましくは、2〜15重量部使用する。
【0019】(3)造粒材 造粒材としては、種子の造粒コーティングの目的に通常
使用される無機物がそのまま利用できる。例えば、珪藻
土、シリカ、赤土、火山灰、火山岩、長石、タルク、カ
オリン、粘土鉱物、ベントナイト、水酸化アルミニウ
ム、水酸化カルシウムなどで、これらを単独で又は混合
して使用することができる。好ましくは、シリカ系の無
機物が良い。
【0020】なお、平均粒径が20μm以下の微粉末状
のものが好ましいが、特に限定するものではない。
【0021】(4)その他の成分 本発明において用いられる造粒用組成物中には、所望に
より植物ホルモン、植物栄養剤、植物成長制御剤、殺菌
剤、酸素発生剤、肥料等の補助成分を添加しても良い。
【0022】また、硬度調整の目的で、ポリビニルピロ
リドンと相溶性のある親水性ポリマー(ポリビニルアル
コール、カルボキシメチルセルロース、セルロース・ア
セテート、セルロース・アセテート・プロピオネート、
メチルセルロース、プルラン、ゼラチン、でんぷんな
ど)やグリセリン、ジエチレングリコールなどのグリコ
ール類、ソルビトール、ジメチルフタレートなども添加
できる。
【0023】(5)造粒コーティング方法 造粒手段として、傾斜回転パン型造粒機や流動層型造粒
機など種々の造粒装置を用いることができるが、傾斜回
転パン型造粒機が好ましい。
【0024】ポリビニルピロリドンは水に混ぜてスプレ
ーで噴射するが、造粒材、疎水剤及びその他の成分は混
合して造粒用組成物粉体とし、別配合する。なお、ポリ
ビニルピロリドンや(4)項のその他の成分は、必要に
応じて水に混合するか、あるいは水と粉体とに分けて添
加してもよい。
【0025】また、例えば特開昭60−90234号に
示されるようなフィルムコーティングされた種子に対し
て造粒コーティングすることもできるし、本発明の造粒
コーティング種子に対してフィルムコーティングするこ
ともできる。
【0026】得られる造粒コーティング種子の大きさ
は、もとの種子の重量や大きさがそれぞれ異なるので一
概にはいえないが、機械播種できる程度の大きさでよ
く、特に限定されない。しかし、通常は、コーティング
層の重量はもとの種子重量に対して0.3〜3倍、好ま
しくは0.7〜1.5倍の重量で充分である。
【0027】造粒コーティングされる種子の種類も限定
されない。通常の種子、あるいは殻をむいたいわゆる剥
皮種子(裸の種子)などの加工処理された種子を用いる
ことができる。
【0028】
【実施例】以下、実施例及び比較例により発明の具体例
及び効果を示すが、本発明はこれらの実施例に限定され
るものではない。
【0029】実施例1 白菜の種子1kgを傾斜回転パンに入れ、これにポリビ
ニルピロリドンの20%水溶液をスプレーしながら珪藻
土とステアリン酸マグネシウムの混合物(重量比97:
3)を造粒用組成物として加え、造粒用組成物とポリビ
ニルピロリドンの合計重量が種子の重量の1.2倍(計
算上1.2kg)になるまで造粒コーティングした。こ
れを40℃で15時間乾燥した。
【0030】こうして得られた白菜の造粒コーティング
種子の硬度を木屋式硬度計で測定すると、1,250g
(20個の平均値)であった。
【0031】実施例2 ほうれん草の種子を急速冷却して殻を凍結した後に、ロ
ーラーで殻のみを破砕して取除いた。このようにして得
られた裸の種子に殺菌剤を溶解したカルボキシメチルセ
ルロース水溶液をスプレーして付着させ、裸のほうれん
草種子を得た。
【0032】この裸のほうれん草種子1kgを傾斜回転
パンに入れ、これにポリビニルピロリドン30%水溶液
をスプレーしながらパーライトとステアリン酸カルシウ
ムの混合物(重量比95:5)を造粒用組成物として加
え、造粒用組成物とポリビニルピロリドンの合計重量が
種子の重量の0.8倍(計算上0.8kg)になるまで
造粒コーティングした。これを40℃で15時間乾燥し
た。
【0033】こうして得られた裸のほうれん草造粒コー
ティング種子の硬度を木屋式硬度計で測定すると、2,
100g(20個の平均値)であった。
【0034】実施例3 実施例1で得られた造粒コーティング種子および実施例
1で用いた白菜の種子(比較例1)の発芽率を測定し
た。
【0035】発芽率の測定は、直径9cmのシャーレに
ロ紙2枚を敷き、これに水5mlを注いだ後にそれぞれ
の種子100粒を置床し、25℃の恒温器に入れておこ
なった。1日目から7日目にかけて2〜3日おきに発芽
種子の個数を測定した。この測定を実施例1および比較
例1のそれぞれについて5個のシャーレで同時におこな
い、その平均値を求めた。
【0036】その結果を表1に示す。
【0037】
【表1】
【0038】実施例1の造粒品はきれいにひび割れし、
コーティング層が泥状に溶解することはなかった。
【0039】実施例4 実施例2で用いた未処理ほうれん草種子(比較例2)、
実施例2の前段工程で得られた裸のほうれん草種子(比
較例3)および実施例2で得られた裸のほうれん草造粒
コーティング種子(実施例2)の発芽率を測定した。
【0040】発芽率の測定は、20℃の恒温器で行なっ
た以外は実施例3と同様に実施した。
【0041】その結果を表2に示す。
【0042】
【表2】
【0043】裸種子の造粒品(実施例2)はきれいにひ
び割れし、コーティング層が泥状に溶解することはなか
った。また、コーティング層に保水力があるため種子へ
の給水がなされるためか、造粒コーティングされていな
い裸種子(比較例3)よりも発芽勢が良かった。
【0044】
【発明の効果】以上のように、本発明の造粒コーティン
グ種子は、種子の発芽率、発芽勢を維持・向上させなが
ら、軽量であるにもかかわらず、充分な硬度を有し、造
粒物の乾燥処理から機械播種までの間で破砕されること
がない。従って、農業の合理化(省人化・省力化)に寄
与するところが大きく、農業の発展に多大な貢献をしう
る。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 造粒材100重量部に対してポリビニル
    ピロリドン5〜30重量部および疎水剤0.5重量部以
    上を併用して造粒コーティングしたことを特徴とする造
    粒コーティング種子。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5918413A (en) * 1997-02-13 1999-07-06 Dai-Ichi Kogyo Seiyaku Co., Ltd. Coated seed and process for producing the same
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JP2013009622A (ja) * 2011-06-29 2013-01-17 Japan Carlit Co Ltd:The コーティング種子及びその製造方法
JP2015507917A (ja) * 2012-01-27 2015-03-16 セラニーズ アセテート,エルエルシー 置換された酢酸セルロースおよびその使用方法

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