JP2002303825A - 色分離装置,色合成装置,色分離合成装置およびプロジェクタ - Google Patents

色分離装置,色合成装置,色分離合成装置およびプロジェクタ

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JP2002303825A JP2001110170A JP2001110170A JP2002303825A JP 2002303825 A JP2002303825 A JP 2002303825A JP 2001110170 A JP2001110170 A JP 2001110170A JP 2001110170 A JP2001110170 A JP 2001110170A JP 2002303825 A JP2002303825 A JP 2002303825A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光エネルギーの損失を抑制しつつ分離光の混
色を低減し、各分離光の色純度を向上させること。 【解決手段】 所定波長域の光を透過し、他の波長域の
光を反射して、光を複数の波長域に分離する色分離プリ
ズム6と、平面偏光を入力し、該平面偏光の所定波長域
または他の波長域の偏光面を回転させ、その光を色分離
プリズム6に射出することによって、色分離プリズム6
に入射する光のうち、所定波長域の光を色分離プリズム
6の色分離面に対するP偏光とし、他の波長域の光を色
分離面に対するS偏光とする色選択性偏光変換器5と、
を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、光源からの光を
複数の波長域ごとの光に分離する色分離装置、複数の波
長域ごとの光を合成する色合成装置、光源からの光を複
数の波長域ごとの光に分離し、分離した光を合成する色
分離合成装置、および光源からの光を複数の波長域ごと
の光に分離し、分離した各光を変調して画像を生成し、
その画像をスクリーンなどの投写面上に投写するプロジ
ェクタに関する。
【0002】
【従来の技術】従来のプロジェクタとして、たとえば、
ダイクロイックミラーを用いて色分離を行うものが知ら
れている。図18は、従来のプロジェクタの構成を示す
平面図である。このプロジェクタは、光源81と、第1
のレンズアレイ82と、第2のレンズアレイ83と、重
畳レンズ84と、反射ミラー85,89,91aおよび
91bと、色分離ダイクロイックミラー86および87
と、入射側偏光板94a,94bおよび94cと、透過
型液晶パネル95a,95bおよび95cと、射出側偏
光板96a,96bおよび96cと、クロスダイクロイ
ックプリズム98と、投写レンズ99と、を備えてい
る。
【0003】光源81は、第1のレンズアレイ82の入
射面側に配置される。投写レンズ99は、クロスダイク
ロイックプリズム98の射出面側に配置される。レンズ
アレイ82,83および重畳レンズ84は、3枚の透過
型液晶パネル95a,95bおよび95cを均一に照ら
す均一照明光学系を構成する。
【0004】光源81から射出された非偏光な光は、第
1のレンズアレイ82の複数の小レンズによって、複数
の部分光束に分割されるとともに第2のレンズアレイ8
3の複数の小レンズの近傍に集光される。第2のレンズ
アレイ83から射出された複数の部分光束は、重畳レン
ズ84によって透過型液晶パネル95(透過型液晶パネ
ル95a,95bおよび95c)上で重畳される。これ
により、この均一照明光学系は、透過型液晶パネル95
を均一に照らすことができる。
【0005】反射ミラー85は、重畳レンズ84から射
出された光束をダイクロイックミラー86の方向に導
く。ダイクロイックミラー86は、重畳レンズから射出
される光のうち赤色光成分を透過させるとともに、青色
光成分と緑色光成分とを反射する。ダイクロイックミラ
ー86を透過した赤色光は、反射ミラー91bで反射さ
れ、入射側偏光板94bを通って赤色光用の透過型液晶
パネル95bに達する。
【0006】また、ダイクロイックミラー86で反射さ
れた青色光および緑色光のうちで、緑色光は、ダイクロ
イックミラー87によって反射され、平行化レンズ92
cを通り、入射側偏光板94cを通って緑色光用の透過
型液晶パネル95cに達する。一方、青色光は、ダイク
ロイックミラー87を透過し、反射ミラー89,91a
を通り、入射側偏光板94aを通って青色光用の透過型
液晶パネル95aに達する。
【0007】三つの透過型液晶パネル95a,95bお
よび95cに入射した各色光は、画像情報に従って変調
され、各色光の画像を形成する。透過型液晶パネル95
a,95b,95cからそれぞれ射出された変調光は、
射出側偏光板96a,96b,96cをそれぞれ通って
クロスダイクロイックプリズム98に入射する。
【0008】クロスダイクロイックプリズム98は、3
色の変調光を合成してカラー画像を形成する色光合成光
学系としての機能を有している。3色の変調光は、クロ
スダイクロイックプリズム98によって合成され、カラ
ー画像を投写するための合成光が形成される。クロスダ
イクロイックプリズム98で生成された合成光は、投写
レンズ99の方向に射出される。投写レンズ99は、こ
の合成光を図示しないスクリーンなどの投写面上に投写
する機能を有し、図示しないスクリーンなどの投写面上
にカラー画像を表示する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来のプロ
ジェクタの色分離光学系に用いられるダイクロイックミ
ラー86,87は、主光軸に対して45度に傾けて配置
される。そのため、ダイクロイックミラー86,87は
入射角が45度の光に対して所望の色分離特性が得られ
るように設計されている。したがって、ダイクロイック
ミラー86,87に入射する光が全て45度であれば、
すなわち主光軸に対して全て平行な光がダイクロイック
ミラー86,87に入射すれば、所望の色分離を行うこ
とができる。しかし、45度以外の入射角の光が入射す
る場合、ダイクロイックミラー86,87の分光特性は
入射角依存性を有するため、所望の色分離を行うことが
できない。
【0010】しかしながら、このプロジェクタでは、レ
ンズアレイ83の集光レンズに集光された各部分光束が
発散しつつ、液晶パネル95a,95b,95cの方に
導かれる。よって、図19に示すように、ダイクロイッ
クミラー86,87の色分離面に対し、45度±αの範
囲の入射角を有する発散光が入射することになる。図2
0に示すように、45度の入射角の光に対する分光特
性、45度+αの入射角の光に対する分光特性、および
45度−αの入射角の光に対する分光特性では、反射波
長域と透過波長域とを分ける分離境界波長(カットオフ
波長)が異なる。
【0011】したがって、均一照明光学系による発散光
が入射した場合、入射角度ごとによってカットオフ波長
が異なるため、この発散光に対するダイクロイックミラ
ー86,87の見かけ上の反射率および透過率の曲線は
なだらかなものとなり、図21に示すように、ダイクロ
イックミラー86,87で反射されるべき波長の光が透
過され、透過されるべき波長の光が反射されて混色が発
生する。たとえば、赤色光を透過し、シアン光を反射す
るダイクロイックミラー86では、赤色光に対して短波
長側の波長域の光が多く混色して黄色っぽい赤色光が透
過され、シアン光に対して長波長側の波長域の光が多く
混色して白色に近いシアン光が反射されてしまう。この
ような混色が発生すると、各分離光の色純度が低下し、
投写画像の色再現性が低下するとともに色むらが発生す
る。
【0012】一方、この混色を低減し、各色光の色純度
を高める他の従来のプロジェクタとして、色合成する直
前にカラーフィルタを配置したプロジェクタが知られて
いる。このプロジェクタでは、カラーフィルタによって
余分な波長域の光をカットし、各色光の色純度を高める
ことが可能となる。しかしながら、余分な波長域の光を
カットするため、カットした分の光エネルギーの損失が
発生する。また、前述したようなダイクロイックミラー
の分光特性の入射角依存性は、クロスダイクロイックプ
リズム98においても問題となる。すなわち、クロスダ
イクロイックプリズム98に入射した光が入射角依存性
の影響を受けると、本来、投写レンズ99側へ反射(ま
たは透過)されるべき光が反射(または透過)されなく
なる可能性がある。このような現象が発生すると、光の
利用効率が落ちてしまい、投写画像の明るさが低下して
しまうこととなる。
【0013】本発明は上記に鑑みてなされたものであっ
て、光エネルギーの損失を抑制しつつ分離光の混色を低
減し、各分離光の色純度を向上させること、また、これ
によって投写画像の色再現性の向上や色むらの低減を図
ることを目的とする。また、本発明は、色合成における
光の利用効率を向上させ、これによって投写画像の明る
さの向上を図ることを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の色分離装置は、所定波長域の光を透過
し、他の波長域の光を反射して、光を複数の波長域に分
離する色分離手段と、前記所定波長域または前記他の波
長域の偏光面を回転させることで、前記色分離手段に入
射する光のうち、前記所定波長域の光を前記色分離手段
の色分離面に対するP偏光とし、前記他の波長域の光を
前記色分離面に対するS偏光とする色選択性偏光変換手
段と、を具備するものである。
【0015】上記第1の色分離装置によれば、色分離手
段の分光特性の偏光依存性を利用して、入射角度依存性
の影響を低減することが可能となり、反射すべき光と透
過すべき光、双方の特性を向上させることが可能とな
る。よって、反射すべき光、透過すべき光双方の損失を
抑制しつつ、分離光の混色を防ぐことができ、各分離光
の色純度を向上させることができる。
【0016】上記第1の色分離装置では、特に、色選択
性偏光変換手段の偏光境界波長が色分離手段のP偏光の
カットオフ波長とS偏光のカットオフ波長との間の波長
域に含まれるようにすることが好ましい。
【0017】このようにすれば、より確実に上述した効
果を得ることが可能となるからである。
【0018】また、本発明の色合成装置は、第1の波長
域の光を透過し、前記第1の波長域とは異なる第2の波
長域の光を反射して、これらの光を合成する色合成手段
と、前記色合成手段に入射する前記第1の波長域の光ま
たは前記第2の波長域の光のうち、前記色合成手段の色
合成面に対するS偏光の光をP偏光の光に変換する色選
択性偏光変換手段と、を具備するものである。
【0019】上記第1の色合成装置によれば、色合成手
段の分光特性の偏光依存性を利用して、入射角度依存性
の影響を低減することが可能となり、反射すべき光や透
過すべき光の損失を防ぐことが可能となる。よって、色
合成における光の利用効率を向上させることができる。
【0020】上記第1の色合成装置では、特に、色選択
性偏光変換手段の偏光境界波長が色合成手段のP偏光の
カットオフ波長とS偏光のカットオフ波長との間の波長
域に含まれるようにすることが好ましい。
【0021】このようにすれば、より確実に上述した効
果を得ることが可能となるからである。
【0022】また、本発明第1の色分離合成装置は、上
記の色分離装置と、前記色分離手段と略一致する分光特
性を有し、前記色分離手段が分離した光を合成する色合
成手段と、を具備するものである。
【0023】上記第1の色分離合成装置によれば、上記
の色分離装置と同様の効果を得ることが可能である。さ
らに、その効果を色合成においても再生することが可能
となる。よって、上記第1の色分離合成装置をプロジェ
クタなどの光学機器に採用すれば、色再現性の向上や色
むらの低減を図ることが可能となる。
【0024】また、本発明第2の色分離合成装置は、上
記の色分離装置と、色合成装置と、を具備し、前記色分
離装置が分離した光を前記色合成手段が合成するもので
ある。
【0025】上記第2の色分離合成装置によれば、上記
の色分離装置、色合成装置と同様の効果を得ることが可
能である。よって、上記第2の色分離合成装置をプロジ
ェクタなどの光学機器に採用すれば、色再現性の向上や
色むらの低減と光利用効率の向上とを図ることが可能と
なる。
【0026】上記第2の色分離合成装置によれば、上記
の色分離装置、色合成装置と同様の効果を得ることが可
能である。よって、上記第2の色分離合成装置をプロジ
ェクタなどの光学機器に採用すれば、色再現性の向上や
色むらの低減と光利用効率の向上とを図ることが可能と
なる。
【0027】また、本発明第3の色分離合成装置は、上
記第1の色分離装置が分離した光を前記色分離装置が具
備する前記色分離手段で合成するものである。この第3
の色分離合成装置にあっては、第1の色分離装置が光を
複数の波長域に分離し、前記色分離装置が具備する色分
離手段で光を合成する。上記第3の色分離合成装置によ
れば、上記の色分離装置と同様の効果を得ることが可能
である。さらに、その効果を色合成においても再生する
ことが可能となる。よって、上記第3の色分離合成装置
をプロジェクタなどの光学機器に採用すれば、色再現性
の向上や色むらの低減を図ることが可能となる。
【0028】また、本発明第1のプロジェクタは、光源
からの光を分離し、分離した光を変調して画像を生成
し、その画像を投写するプロジェクタにおいて、前記光
源からの光を分離する上記の色分離装置と、前記色分離
装置が分離した光を変調する光変調手段と、を具備する
ものである。
【0029】上記第1のプロジェクタによれば、上記の
色分離装置と同様の効果を得ることが可能である。さら
に、その効果を色合成においても再生することが可能と
なる。よって、投写画像の色再現性の向上や色むらの低
減を図ることが可能となる。
【0030】また、本発明第2のプロジェクタは、光源
からの光を分離し、分離した光を変調して画像を生成
し、その画像を投写するプロジェクタにおいて、前記分
離された光を変調する光変調手段と、前記光変調手段が
変調した光を合成する上記の色合成装置と、を具備する
ものである。
【0031】上記第2のプロジェクタによれば、上記の
色分離装置、色合成装置と同様の効果を得ることが可能
である。よって、投写画像の色再現性の向上や色むらの
低減を図ることができるともに、光利用効率の向上によ
り明るい投写画像を得ることが可能となる。
【0032】また、本発明第3のプロジェクタは、光源
からの光を分離し、分離した光を変調して画像を生成
し、その画像を投写するプロジェクタにおいて、上記第
1または第2の色分離合成装置と、前記色分離装置の後
段、かつ前記色合成手段または前記色合成装置の前段に
設けられ、前記色分離装置が分離した光を変調する光変
調手段と、を具備するものである。
【0033】上記第3のプロジェクタによれば、上記第
1または第2の色分離合成装置と同様の効果を得ること
が可能である。よって、投写画像の色再現性の向上や色
むらの低減を図ることができ、また、光利用効率の向上
により明るい投写画像を得ることが可能となる。
【0034】また、本発明第4のプロジェクタは、光源
からの光を分離し、分離した光を変調して画像を生成
し、その画像を投写するプロジェクタにおいて、上記第
3の色分離合成装置と、前記色分離装置が分離した光を
変調する光変調手段と、を具備し、前記光変調手段が変
調した光を前記色分離装置の具備する色分離手段によっ
て合成するものである。上記第4のプロジェクタによれ
ば、上記第3の色分離合成装置と同様の効果を得ること
が可能である。よって、投写画像の色再現性の向上や色
むらの低減を図ることが可能となる。
【0035】また、本発明第5のプロジェクタは、光源
からの光を分離し、分離した光を変調して画像を生成
し、その画像を投写するプロジェクタにおいて、第1の
波長域の光を透過し、前記第1の波長域に比して波長が
短い第2の波長域および前記第1の波長域に比して波長
が長い第3の波長域の光を反射して、光を三つの波長域
に分離する色分離手段と、前記光源による光を直線偏光
に変換する偏光変換手段と、前記偏光変換手段が変換し
た前記直線偏光のうち前記第1の波長域または前記第2
の波長域および前記第3の波長域の偏光面を回転させる
ことで、前記色分離手段に入射する光のうち、前記第1
の波長域の光を前記色分離手段の色分離面に対するP偏
光とし、前記第2の波長域および前記第3の波長域の光
を前記色分離面に対するS偏光とする色選択性偏光変換
手段と、前記色分離手段によって分離された光を変調す
る三つの変調手段と、を具備するものである。
【0036】上記第5のプロジェクタによれば、ほぼ連
続する3つの波長域に光を分離する場合において、色分
離手段の分光特性の偏光依存性を利用して、入射角度依
存性の影響を低減することが可能となり、反射すべき光
と透過すべき光、双方の特性を効率よく向上させること
が可能となる。よって、反射すべき光、透過すべき光双
方の損失を抑制しつつ、分離光の混色を防ぐことがで
き、各分離光の色純度を向上させることができる。その
結果、投写画像の色再現性の向上や色むらの低減を図る
ことが可能となる。
【0037】上記第5のプロジェクタでは、特に、色選
択性偏光変換手段の偏光境界波長が色分離手段のP偏光
のカットオフ波長とS偏光のカットオフ波長との間の波
長域に含まれるようにすることが好ましい。
【0038】このようにすれば、より確実に上述した効
果を得ることが可能となるからである。
【0039】前記色分離手段は、クロスダイクロイック
プリズムまたはクロスダイクロイックミラーによって構
成することが好ましい。
【0040】このように構成すれば、プロジェクタの小
型化、ならびにその光学系の簡素化を計ることができ
る。
【0041】また、上記第5のプロジェクタは、さら
に、前記色分離手段と略一致する分光特性を有し、前記
光変調手段が変調した光を合成する色合成手段を具備す
ることが好ましい。
【0042】このような構成とすれば、色合成手段にお
ける入射角度依存性の影響をも低減することが可能とな
り、反射すべき光や透過すべき光の損失を防ぐことが可
能となる。よって、色合成における光の利用効率を向上
させることができ、明るい投写画像を得ることが可能と
なる。
【0043】
【発明の実施の形態】以下に、この発明の実施の形態
を、添付の図面を参照して詳細に説明する。なお、この
実施の形態によってこの発明が限定されるものではな
い。
【0044】(実施の形態1)図1は、この発明の実施
の形態1にかかるプロジェクタの概略構成を示す平面図
である。このプロジェクタは、光源1と、均一照明光学
系19と、色選択性偏光変換器5と、色分離手段として
のクロスダイクロイックプリズム6と、リレー光学系を
構成するレンズ7a,7b,9a,9b,11a,11
bと、フィールドレンズ11cと、反射ミラー8a,8
b,10aおよび10bと、λ/2位相差板12a,1
2bおよび16と、入射側偏光板13a,13bおよび
13cと、透過型液晶パネル14a,14bおよび14
cと、射出側偏光板15a,15bおよび15cと、色
合成手段としてのクロスダイクロイックプリズム17
と、投写レンズ18と、を備えている。
【0045】図2は、図1に示した光源1および均一照
明光学系19の概略構成を示す平面図である。均一照明
光学系19は、第1のレンズアレイ2と、第2のレンズ
アレイ21と、遮光板22と、偏光変換素子アレイ23
と、重畳レンズ4と、を備える。
【0046】なお、図2は、説明を容易にするために、
主要な構成要素のみを示している。光源1は、光源ラン
プ1aと凹面鏡1bとを備える。光源ランプ1aから射
出された放射状の光線(放射光)は、凹面鏡1bによっ
て反射されて略平行な光線束としてレンズアレイ2の方
向に射出される。光源ランプ1aとしては、たとえば、
ハロゲンランプ,メタルハライドランプ,高圧水銀ラン
プ等を用いることができる。凹面鏡1bは、放物面鏡で
あるが、楕円鏡と平行化レンズとを組み合わせたものに
置き換えてもよい。なお、光源ランプ1aと凹面鏡1b
は、ここに挙げたものに限らない。
【0047】光源1から射出された光は、レンズアレイ
2の複数のレンズ2aによって、複数の部分光束20に
分割される。 図3(A)および(B)は、図1に示し
たレンズアレイ2の概略構成を示す正面図および側面図
である。レンズアレイ2は、矩形状の輪郭を有する微小
な小レンズ2aが、縦方向にM行、横方向に2N列のマ
トリクス状に配列されたものである。レンズ横方向中心
からは、左方向にN列、右方向にN列の小レンズ2aの
列が存在する。この例では、M=10,N=4である。
各小レンズ2aを光の進行方向から見た外形形状は、透
過型液晶パネル14(透過型液晶パネル14a,14b
および14c)の形状とほぼ相似形をなすように設定さ
れている。たとえば、透過型液晶パネル14の画像形成
領域のアスペクト比(横と縦の寸法の比率)が4:3で
あるならば、各小レンズ2aのアスペクト比も4:3に
設定される。
【0048】第1のレンズアレイ2によって分割された
部分光束は、第2のレンズアレイ21の複数のレンズ2
1aによって後述する偏光ビームスプリッタアレイ24
の偏光分離膜27上に集光されるように導かれる。レン
ズアレイ21は、レンズアレイ2と同様な構成を有す
る。なお、レンズアレイ2および21のレンズの向き
は、光の進行方向あるいはその逆の方向のどちらを向い
ていてもよい。また、図2に示すようにお互いに異なる
方向を向いていてもよい。なお、レンズアレイ21は、
レンズアレイ2と必ずしも同様な構成とする必要はな
く、また、光源1から射出される光が平行性に優れてい
る場合には、省略することも可能である。
【0049】第2のレンズアレイ21から射出された各
部分光束20は、偏光変換素子アレイ23によって1種
類の直線偏光に変換される。偏光変換素子アレイ23で
は、図2に示すように二つの偏光変換素子アレイ23a
および23bが光軸LAを挟んで対称な向きに配置され
ている。図4は、図2に示した偏光変換素子アレイ23
aの概略構成を示す斜視図である。偏光変換素子アレイ
23aは、偏光ビームスプリッタアレイ24と、偏光ビ
ームスプリッタアレイ24の光射出面の一部に選択的に
配置されたλ/2位相差板25(図4中斜線で示す)
と、を備えている。偏光ビームスプリッタアレイ24
は、それぞれ断面が平行四辺形の柱状の複数の透光性部
材26が、順次貼り合わされた形状を有している。透光
性部材26の界面には、偏光分離膜27と反射膜28と
が交互に形成されている。λ/2位相差板25は、偏光
分離膜27による透過光あるいは反射膜28による反射
光の射出面に選択的に貼り付けられる。この例では、偏
光分離膜27による透過光の射出面にλ/2位相差板2
5を貼り付けている。
【0050】図5は、実施の形態1にかかる偏光変換素
子アレイ23aの偏光変換の原理を説明する説明図であ
る。まず、偏光変換素子アレイ23aの入射面に、ラン
ダムな偏光方向を持つ光が入射する。
【0051】この入射光は、偏光分離膜27によってS
偏光とP偏光とに分離される。S偏光は、偏光分離膜2
7によってほぼ垂直に反射され、反射膜28によってさ
らに反射されて射出される。一方、P偏光は、偏光分離
膜27をそのまま透過する。偏光分離膜を透過したP偏
光が射出される射出面には、λ/2位相差板25が配置
されており、偏光分離膜を透過したP偏光は、λ/2位
相差板25によってS偏光に変換されて射出される。し
たがって、偏光変換素子アレイ23aを通過した光は、
そのほとんどがS偏光となって射出される。また、偏光
変換素子アレイ23aから射出される光をP偏光とした
い場合は、λ/2位相差板25を、反射膜28によって
反射されたS偏光が射出される射出面に配置すればよ
い。
【0052】偏光変換素子アレイ23bは偏光変換素子
アレイ23aと同様の構成および機能を有する。
【0053】図6は、図2に示した遮光板22の概略構
成を示す説明図である。遮光板22は、二つの偏光変換
素子アレイ23aおよび23bの入射面のうち、偏光分
離膜27に対応する入射面にのみ、光が入射するよう
に、略矩形状の板状体に開口部22aを設けた構成を有
している。
【0054】偏光変換素子アレイ23から射出された複
数の部分光束20は、重畳レンズ4によって透過型液晶
パネル14上で重畳される。均一照明光学系19は、以
上のような構成によって透過型液晶パネル14を均一に
かつ1種類の偏光で照らすことができる。なお、この例
では、集光レンズ21と重畳レンズ4とを別々の構成と
しているが、集光レンズ21を構成する複数の小レンズ
21aの一部または全部を偏心レンズとすることによっ
て、集光レンズ21に重畳レンズ4の機能を併せ持つよ
うにしてもよい。この場合、集光レンズ21を配置する
位置は、図1における集光レンズ21の位置、または重
畳レンズ4の位置のいずれでもよい。
【0055】重畳レンズ4から射出された光は、色選択
性偏光変換器5に入射する。色選択性偏光変換器5は、
入射光の所定波長域の偏光面のみを90度回転させる板
状の光学要素である。この所定波長域は自由に設定する
ことができる。ここでは、所定波長域として緑色波長域
が設定されている。このような色選択性偏光変換器5と
しては、たとえば、位相差フィルムを積層したColo
r Switch(Color link社の登録商
標)が知られている。色選択性偏光変換器5は、入射角
依存性が小さく、偏光面を回転させる偏光面回転波長域
と偏光面を回転させない偏光面非回転波長域との間の変
換特性の曲線の傾きが急峻である。さらに、この例で
は、色選択性偏光変換器5が入射光束の略中心軸である
主光軸に対して垂直に配置されているので、色選択性偏
光変換器5の入射角依存性はいっそう小さくなる。
【0056】ここで、偏光面回転波長域とは、変換率が
50%以上となる波長域、すなわち変換光の光量が非変
換光の光量以上となる波長域である。また、偏光面非回
転波長域とは、変換率が50%未満となる波長域、すな
わち変換光の光量が非変換光の光量未満となる波長域で
ある。この場合、偏光面回転波長域と偏光面非回転波長
域とを分ける偏光境界波長(カットオフ波長)は、変換
率が50%となる波長、すなわち変換光の光量と非変換
光の光量とが等しくなる波長域となる。色選択性偏光変
換器5の一方のカットオフ波長λ1は、青色波長域と緑
色波長域との境界の波長に設定され、他方のカットオフ
波長λ2は、緑色波長域と赤色波長域との境界の波長に
設定される。
【0057】すなわち、色選択性偏光変換器5は、クロ
スダイクロイックプリズム6に入射する光のうち、緑色
波長域の緑色光がクロスダイクロイックプリズム6の色
分離面に対するP偏光となり、青色波長域および赤色波
長域の青色光および赤色光がクロスダイクロイックプリ
ズム6の色分離面に対するS偏光となるように偏光を制
御する。図7に示すように、重畳レンズ4からのS偏光
の白色光が色選択性偏光変換器5に入射すると、緑色波
長域の緑色光がP偏光に変換されて出力される。そし
て、クロスダイクロイックプリズム6には、色分離面に
対するS偏光の青色光および赤色光と色分離面に対する
P偏光の緑色光とが入射する。
【0058】なお、図7では、説明を簡単にするため
に、可視波長域で一定の光量となる矩形の波長特性を有
する光が色選択性偏光変換器5に入射する場合を示して
いる。クロスダイクロイックプリズム6は、色選択性偏
光変換器5から射出される光を、赤,緑,青の3色の色
光に分離する機能を有している。クロスダイクロイック
プリズム6には、赤色光を反射する誘電体多層膜と、青
色光を反射する誘電体多層膜とが、4つの直角プリズム
の界面に略X字状に形成されている。これらの誘電体多
層膜によって、色選択性偏光変換器5から射出される光
のうち緑色光成分が透過され、青色光成分と赤色光成分
とがそれぞれ左右に反射される。
【0059】ここで、一般に、ダイクロイックプリズム
やダイクロイックミラー等のダイクロイック光学要素
は、入射光が色分離面に対してP偏光であるかS偏光で
あるかによって、異なる分光特性を有する。図8
(A),(B)および図9(A),(B)は、一般的な
ダイクロイックミラーのP偏光およびS偏光に対する分
光特性を示す図である。ダイクロイック光学要素の色分
離面に対して同じ角度からP偏光およびS偏光が入射し
た場合、P偏光はS偏光に比して透過の特性が強くなる
ようにカットオフ周波数がシフトし、S偏光はP偏光に
比して反射の特性が強くなるようにカットオフ波長がシ
フトする。
【0060】したがって、P偏光に対する透過波長域
は、S偏光に対する透過波長域に比して広くなる。すな
わち、長波長域の光を透過し、短波長域の光を反射する
色分離面の場合は、P偏光に対する透過波長域がS偏光
に対する透過波長域に比して短波長方向に広がる(図8
(A)参照)。また、短波長域の光を透過し、長波長域
の光を反射する色分離面の場合は、P偏光に対する透過
波長域がS偏光に対する透過波長域に比して長波長方向
に広がる(図9(A)参照)。また、ダイクロイック光
学要素では、S偏光に対する反射波長域がP偏光に対す
る反射波長域に比して広くなる。
【0061】すなわち、長波長域の光を透過し、短波長
域の光を反射する色分離面の場合は、S偏光に対する反
射波長域がP偏光に対する反射波長域に比して長波長方
向に広がる(図8(B)参照)。また、短波長域の光を
透過し、長波長域の光を反射する色分離面の場合は、S
偏光に対する反射波長域がP偏光に対する反射波長域に
比して短波長方向に広がる(図9(B)参照)。なお、
透過波長域とは、色分離面が光を透過する波長域であ
り、たとえば、透過率が50%以上となる波長域、すな
わち、透過光の光量が反射光の光量以上となる波長域で
ある。一方、反射波長域とは、色分離面が光を反射する
波長域であり、たとえば、反射率が50%以上となる波
長域、すなわち、反射光の光量が透過光の光量以上とな
る波長域である。なお、ここで述べた長波長域と短波長
域は特定の波長域を示すものではなく、両者を比して示
したものである。
【0062】図10(A)および(B)は、実施の形態
1にかかるクロスダイクロイックプリズム6のP偏光お
よびS偏光に対する分光特性を示す図である。なお、ク
ロスダイクロイックプリズム6は色分離面を二つ有する
が、ここでは、これらの二つの色分離面の分光特性を一
つの分光特性として図示している。この分光特性では、
色分離面に対するP偏光の透過波長域がS偏光の透過波
長域に比して長波長および短波長方向に広がり(図10
(A)参照)、S偏光の反射波長域がP偏光の透過波長
域に比して長波長および短波長方向に広がる(図10
(B)参照)。また、クロスダイクロイックプリズム6
の色分離面に対する入射角によっても反射波長域および
透過波長域が変化する。
【0063】すなわち、クロスダイクロイックプリズム
6の色分離面に対し、45度±αの範囲の入射角を有す
る発散光が入射する場合、主光軸に対する設定角度(主
光軸と色分離面の法線とのなす角度)である45度の入
射角の光に対する分光特性、45度+αの入射角の光に
対する分光特性、および45度−αの入射角の光に対す
る分光特性では、反射波長域と透過波長域とを分ける分
離境界波長(カットオフ波長)が異なるものとなる。
【0064】クロスダイクロイックプリズム6の特性
は、たとえば、45度の入射角を有するP偏光に対する
カットオフ波長λ3PとS偏光に対するカットオフ波長
λ3Sとの間の波長域λ3に色選択性偏光変換器5のカ
ットオフ波長λ1が含まれるように、また、45度の入
射角を有するP偏光に対するカットオフ波長λ4PとS
偏光に対するカットオフ波長λ4Sとの間の波長域λ4
に色選択性偏光変換器5のカットオフ波長λ2が含まれ
るように設定される。好ましくは、波長域λ3の略中央
の波長が波長λ1となり、波長域λ4の略中央の波長が
波長λ2となるように設定される。これにより、図11
に示すように、カットオフ波長λ1とカットオフ波長λ
2との間のP偏光の緑色光がクロスダイクロイックプリ
ズム6の透過波長域内で効率よく透過される。また、図
12に示すように、カットオフ波長λ1に比して短い波
長のS偏光の青色光およびカットオフ波長λ2に比して
長い波長のS偏光の赤色光がクロスダイクロイックプリ
ズム6の反射波長域内で効率よく反射される。
【0065】このように色選択性偏光変換器5およびク
ロスダイクロイックプリズム6の特性を設定することに
よって、クロスダイクロイックプリズム6の入射角依存
性の影響を低減し、反射すべき波長域の光の反射率を高
め、透過すべき波長域の光の透過率を高めることがで
き、分離光の混色を低減することができる。なお、色選
択性偏光変換器5は、クロスダイクロイックプリズム6
と偏光変換素子アレイ23との間であれば、どこに配置
してもよく、たとえば、重畳レンズ4の前段に配置して
もよい。また、クロスダイクロイックプリズム6に入射
する緑色光がP偏光となり、赤色光および青色光がS偏
光となるならば、赤色域および青色域の偏光面を回転さ
せてもよい。この場合は、偏光変換素子アレイ23から
射出される光がP偏光となるように、λ/2位相差板2
5の配置を変えればよい。
【0066】クロスダイクロイックプリズム6の色分離
面で反射された赤色光は、レンズ7bを通り、反射ミラ
ー8bで反射され、レンズ9bを通り、反射ミラー10
bで反射され、レンズ11bを通り、λ/2位相差板1
2bによって偏光面が90度回転して透過型液晶パネル
14bの入射面に対するP偏光となり、入射側偏光板1
3bを通って赤色光用の透過型液晶パネル14bに達す
る。レンズ7b,9b,11bは、リレー光学系を構成
するレンズである。また、レンズ11bは、重畳レンズ
4から射出された各部分光束20をその中心軸に対して
平行な光束に変換する機能も有している。
【0067】一方、クロスダイクロイックプリズム6の
色分離面で反射された青色光は、レンズ7aを通り、反
射ミラー8aで反射され、レンズ9aを通り、反射ミラ
ー10aで反射され、レンズ11aを通り、λ/2位相
差板12aによって偏光面が90度回転して透過型液晶
パネル14aの入射面に対するP偏光となり、入射側偏
光板13aを通って青色光用の透過型液晶パネル14a
に達する。また、クロスダイクロイックプリズム6を透
過した緑色光は、レンズ11cを通り、入射側偏光板1
3cを通って緑色光用の透過型液晶パネル14cに達す
る。レンズ7a,9a,11aは、レンズ7b,9b,
11bと同様、リレー光学系を構成するレンズである。
また、レンズ11aと11cは、レンズ11bと同様の
機能を有している。
【0068】なお、青色光および赤色光の光路に、リレ
ー光学系が用いられているのは、青色光および赤色光の
光路の長さが緑色光の光路の長さに比して長いため、光
の拡散等による光の利用効率の低下を防止するためであ
る。すなわち、レンズ7aおよび7bに入射した部分光
束20をそのままレンズ11aおよび11bに伝えるた
めである。三つの透過型液晶パネル14a,14bおよ
び14cは、与えられた画像情報(画像信号)にしたが
って入射光を変調する光変調装置としての機能を有して
いる。これにより、三つの透過型液晶パネル14a,1
4bおよび14cに入射した各色光は、与えられた画像
情報に従って変調される。
【0069】透過型液晶パネル14aおよび14bから
それぞれ射出された青色の変調光および赤色の変調光
は、射出側偏光板15aおよび15bをそれぞれ通って
クロスダイクロイックプリズム17に入射する。また、
透過型液晶パネル14cから射出された緑色の変調光
は、射出側偏光板15cを通り、λ/2位相差板16に
よって偏光面が90度回転し、クロスダイクロイックプ
リズム17に入射する。ここで、投写画像の形成に関係
のない光はP偏光となって射出側偏光板15a,15b
および15cに吸収される。
【0070】クロスダイクロイックプリズム17は、3
色の変調光を合成してカラー画像を形成する機能を有し
ている。クロスダイクロイックプリズム17には、赤色
光を反射する誘電体多層膜と、青色光を反射する誘電体
多層膜とが、4つの直角プリズムの界面に略X字状に形
成されている。これらの誘電体多層膜によって3色の変
調光が合成されて、カラー画像を投写するための合成光
が形成される。クロスダイクロイックプリズム17で生
成された合成光は、投写レンズ18の方向に射出され
る。投写レンズ18は、この合成光を図示しないスクリ
ーンなどの投写面上に投写する機能を有する。
【0071】本実施の形態では、クロスダイクロイック
プリズム17による合成の効率を上昇させるために、ク
ロスダイクロイックプリズム17によって透過される緑
色光は、クロスダイクロイックプリズム17の色合成面
に対するP偏光とされ、クロスダイクロイックプリズム
17によって反射される青色光および赤色光は、クロス
ダイクロイックプリズム17の色合成面に対するS偏光
とされている。ここで、クロスダイクロイックプリズム
17の分光特性とクロスダイクロイックプリズム6の分
光特性とは、必ずしも一致させる必要はない。しかし、
これらの分光特性を略一致させることによって、クロス
ダイクロイックプリズム6において角度依存性の影響を
低減させた効果と同じように、クロスダイクロイックプ
リズム17の入射角依存性の影響を低減し、光利用効率
の向上を図ることができる。
【0072】前述した例では、クロスダイクロイックプ
リズム6によって光を分離していたが、クロスダイクロ
イックプリズム6に代えて他のダイクロイック光学要素
を用いて光を分離してもよい。たとえば、図13に示す
ように、二つのダイクロイックミラーを交差させたクロ
スダイクロイックミラー31を用いてもよいし、図14
に示すように、二つのダイクロイックミラー32および
33を用いてもよい。これらのダイクロイック光学要素
を用いる場合も、クロスダイクロイックプリズム17の
分光特性とこれらのダイクロイック光学要素の分光特性
とが略一致するように設定することによって、クロスダ
イクロイックプリズム17の入射角依存性の影響を低減
し、光利用効率の向上を図ることができる。
【0073】また、前述した例では、クロスダイクロイ
ックプリズム17によって光を合成していたが、図15
に示すように、プロジェクタを三投式の構成にし、図示
しないスクリーンなどの投写面上で三つの色光を合成す
るようにしてもよい。すなわち、クロスダイクロイック
プリズム17および投写レンズ18に代えて三つの投写
レンズ18a,18bおよび18cを用いてもよい。
【0074】前述したように実施の形態1によれば、ク
ロスダイクロイックプリズム6の前段に設けられた色選
択性偏光変換器5が、直線偏光を入力し、クロスダイク
ロイックプリズム6に入射する光のうち、緑色光をクロ
スダイクロイックプリズム6の色分離面に対するP偏光
とし、赤色光および青色光を色分離面に対するS偏光と
するように、入力した直線偏光の緑色波長域を90度回
転させる。これにより、緑色光がクロスダイクロイック
プリズム6でより確実に透過されやすくなり、赤色光お
よび青色光がクロスダイクロイックプリズム6でより確
実に反射されやすくなるため、光エネルギーの損失を抑
制しつつ分離光の混色を低減し、各分離光の色純度を向
上させることができる。
【0075】(実施の形態2)この発明の実施の形態2
は、色分離手段として複数のダイクロイックミラーを用
いて複数段階で光の分離を行い、複数の合成用のダイク
ロイック光学要素を用いて複数段階で光の合成を行うも
のである。図16は、この発明の実施の形態2にかかる
プロジェクタの構成を示す平面図である。なお、図1と
同一構成の部分については同一の符号を付してその詳細
な説明を省略する。
【0076】このプロジェクタは、光源1と、均一照明
光学系19と、色選択性偏光変換器5a,5b,49a
および49bと、色分離手段としてもダイクロイックミ
ラー41aおよび41bと、反射ミラー42aおよび4
2bと、λ/2位相差板43aおよび43cと、入射側
偏光板44a,44bおよび44cと、透過型液晶パネ
ル45a,45bおよび45cと、射出側偏光板46
a,46bおよび46cと、色合成手段としてのダイク
ロイックミラー48aおよび48bと、投写レンズ18
と、を備えている。
【0077】前述した実施の形態1と同様にして重畳レ
ンズ4から射出された光は、色選択性偏光変換器5aに
入射する。色選択性偏光変換器5aは、赤色波長域の偏
光面のみを90度回転させる。すなわち、色選択性偏光
変換器5aは、ダイクロイックミラー41aに入射する
光のうち、赤色光がダイクロイックミラー41aの色分
離面に対するS偏光となり、緑色光および青色光がダイ
クロイックミラー41aの色分離面に対するP偏光とな
るように偏光を制御する。
【0078】ダイクロイックミラー41aは、色選択性
偏光変換器5aから射出される光を、赤色光とシアン光
(青色光および緑色光)とに分離する機能を有してい
る。ダイクロイックミラー41aに入射した赤色光成分
は反射され、緑色光成分および青色成分は透過される。
ダイクロイックミラー41aの特性は、主光軸に対する
設定角度である45度の入射角を有するP偏光に対する
カットオフ波長とS偏光に対するカットオフ波長との間
の波長域に、色選択性偏光変換器5aのカットオフ波長
が含まれるように設定される。好ましくは、その波長域
の略中央の波長が色選択性偏光変換器5aのカットオフ
波長となるように設定される。これにより、ダイクロイ
ックミラー41aの入射角依存性の影響を抑えつつ光の
分離を行うことができる。
【0079】ダイクロイックミラー41aを透過したシ
アン光は、色選択性偏光変換器5bに入射する。色選択
性偏光変換器5bは、緑色波長域の偏光面のみを90度
回転させる。すなわち、色選択性偏光変換器5bは、ダ
イクロイックミラー41bに入射する光のうち、緑色光
がダイクロイックミラー41bの色分離面に対するS偏
光となり、赤色光がダイクロイックミラー41aの色分
離面に対するP偏光となるように偏光を制御する。
【0080】ダイクロイックミラー41bは、色選択性
偏光変換器5bから射出される光を、緑色光と青色光と
に分離する機能を有している。ダイクロイックミラー4
1bに入射した緑色光成分は反射され、青色成分は透過
される。ダイクロイックミラー41bは、主光軸に対す
る設定角度である45度の入射角を有するP偏光に対す
るカットオフ波長とS偏光に対するカットオフ波長との
間の波長域に、色選択性偏光変換器5bのカットオフ波
長が含まれるように設定される。好ましくは、その波長
域の略中央の波長が色選択性偏光変換器5bのカットオ
フ波長となるように設定する。これにより、ダイクロイ
ックミラー41bの入射角依存性の影響を抑えつつ光の
分離を行うことができる。
【0081】ダイクロイックミラー41aで反射された
赤色光は、反射ミラー42aで反射され、λ/2位相差
板43aによって偏光面が90度回転して透過型液晶パ
ネル45aの入射面に対するP偏光となり、入射側偏光
板44aを通って赤色光用の透過型液晶パネル45aに
達する。また、ダイクロイックミラー41bで反射され
た緑色光は、λ/2位相差板43cによって偏光面が9
0度回転して透過型液晶パネル45cの入射面に対する
P偏光となり、入射側偏光板44cを通って緑色光用の
透過型液晶パネル45cに達する。また、ダイクロイッ
クミラー41bで透過された青色光は、入射側偏光板4
4bを通って青色光用の透過型液晶パネル45bに達す
る。
【0082】三つの透過型液晶パネル45a,45bお
よび45cは、与えられた画像情報(画像信号)にした
がって入射光を変調する光変調装置としての機能を有し
ている。これにより、三つの透過型液晶パネル45a,
45bおよび45cに入射した各色光は、与えられた画
像情報に従って変調される。透過型液晶パネル45aか
ら射出された赤色光は、射出側偏光板46aを通り、λ
/2位相差板47aによって偏光面が90度回転して色
合成手段としてもダイクロイックミラー48aの色合成
面に対するP偏光となり、ダイクロイックミラー48a
に入射する。
【0083】また、透過型液晶パネル45cから射出さ
れた緑色光は、射出側偏光板46cを通り、ダイクロイ
ックミラー48aの色合成面に対するS偏光としてダイ
クロイックミラー48aに入射する。また、透過型液晶
パネル45bから射出された青色光は、射出側偏光板4
6bを通り、反射ミラー42bで反射され、色合成手段
としてのダイクロイックミラー48bの色合成面に対す
るS偏光としてダイクロイックミラー48bに入射す
る。
【0084】ダイクロイックミラー48aは、入射した
赤色光を透過し、入射した緑色光を反射して、これらの
光を合成する機能を有している。ダイクロイックミラー
48aは、ダイクロイックミラー41aとほぼ逆の分光
特性を有する。すなわち、ダイクロイックミラー41a
の反射曲線と透過曲線とを入れ替えた分光特性を有す
る。これにより、ダイクロイックミラー48aの入射角
依存性の影響を抑えつつ光の分離を行うことができる。
【0085】ダイクロイックミラー48aで合成された
赤色光および緑色光の合成光は、色選択性偏光変換器4
9aに入射する。ここで、色選択性偏光変換器49aに
入射する光は、ダイクロイックミラー48bの色合成面
に対して、赤色波長域がP偏光となり、緑色波長域がS
偏光となっている。色選択性偏光変換器49aは、緑色
波長域の偏光面のみを90度回転させる。すなわち、色
選択性偏光変換器49aは、ダイクロイックミラー48
bに入射する合成光をP偏光に揃えている。
【0086】また、色選択性偏光変換器49aによる赤
色波長域と緑色波長域との間のカットオフ波長および緑
色波長域と青色波長域との間のカットオフ波長は、色選
択性偏光変換器5aによる赤色波長域と緑色波長域との
間のカットオフ波長、および色選択性偏光変換器5bに
よる緑色波長域と青色波長域との間のカットオフ波長に
略一致する。ダイクロイックミラー48bは、入射した
赤色光および緑色光の合成光を透過し、入射した青色光
を反射して、これらの光を合成する機能を有している。
ダイクロイックミラー48bは、ダイクロイックミラー
41bとほぼ逆の分光特性を有する。
【0087】すなわち、ダイクロイックミラー48b
は、主光軸に対する設定角度である45度の入射角を有
するP偏光に対するカットオフ波長とS偏光に対するカ
ットオフ波長との間の波長域に、色選択性偏光変換器4
9aのカットオフ波長が含まれるように設定される。こ
れにより、ダイクロイックミラー48bの入射角依存性
の影響を抑えつつ光の合成を行うことができる。このよ
うに、ダイクロイックミラー48aおよび48bからな
る色合成側のダイクロイック光学要素の分光特性は、ダ
イクロイックミラー41aおよび41bからなる色分離
側のダイクロイック光学要素の分光特性とほぼ逆となっ
ている。
【0088】ダイクロイックミラー48bで合成された
光は、色選択性偏光変換器49bに入射する。ここで、
色選択性偏光変換器49bに入射する光は、色選択性偏
光変換器49bの入射面に対して、イエロー波長域(赤
色波長域および緑色波長域)がP偏光となり、青色波長
域がS偏光となっている。色選択性偏光変換器49b
は、青色波長域の偏光面のみを90度回転させる。これ
により、投写する光の偏光方向が揃えられる。このよう
に、色合成側の色選択性偏光変換器49aおよび49b
の変換特性は、色分離側の色選択性偏光変換器5aおよ
び5bの変換特性に一致または対応する。色選択性偏光
変換器49bによって射出された光は、投写レンズ18
によって図示しないスクリーンなどの投写面上に投写さ
れる。
【0089】前述したように実施の形態2によれば、ダ
イクロイックミラー41aの前段に設けられた色選択性
偏光変換器5aが、直線偏光を入力し、ダイクロイック
ミラー41aに入射する光のうち、緑色光および青色光
をダイクロイックミラー41aの色分離面に対するP偏
光とし、赤色光を色分離面に対するS偏光とするよう
に、入力した直線偏光の緑色および青色波長域を90度
回転させる。また、ダイクロイックミラー41bの前段
に設けられた色選択性偏光変換器5bが、ダイクロイッ
クミラー41bに入射する光のうち、青色光をダイクロ
イックミラー41bの色分離面に対するP偏光とし、緑
色光を色分離面に対するS偏光とするように、入力光の
緑色波長域を90度回転させる。これにより、緑色光お
よび青色光がダイクロイックミラー41aでより確実に
透過されやすくなり、赤色光がダイクロイックミラー4
1aでより確実に反射されやすくなる。また、青色光が
ダイクロイックミラー41bでより確実に透過されやす
くなり、緑色光がダイクロイックミラー41bでより確
実に反射されやすくなる。このため、光エネルギーの損
失を抑制しつつ分離光の混色を低減し、各分離光の色純
度を向上させることができる。また、色選択性偏光変換
器49aが、複数の波長域の偏光を合成した合成光を入
力し、射出光がダイクロイックミラー48bの色合成面
に対するP偏光となるように緑色波長域の偏光面を回転
させて射出するようにしている。これにより、ダイクロ
イックミラー48bの入射角依存性の影響を低減するこ
とができ、光の利用効率を向上させることができる。
【0090】なお、色選択性偏光変換器49aに入射す
る光が、ダイクロイックミラー48bの色合成面に対す
るS偏光の赤色光とP偏光の緑色光との合成光であり、
色選択性偏光変換器49aが緑色光をS偏光に変換して
合成光をS偏光に揃え、ダイクロイックミラー48b
が、色選択性偏光変換器49aからの光を反射し、青色
光を透過して、これらの光を合成するように構成するこ
ともでき、この場合も上述した効果と同様の効果をえる
ことができることはいうまでもない。
【0091】(実施の形態3)この発明の実施の形態3
は、色変調装置として、反射型パネルを用いたものであ
る。図17は、この発明の実施の形態3にかかるプロジ
ェクタの構成を示す平面図である。なお、図1と同一構
成の部分については同一の符号を付してその説明を省略
する。このプロジェクタは、光源1と、均一照明光学系
19と、反射ミラー51aおよび51bと、入射側偏光
板52と、色選択性偏光変換器5および57と、色分離
手段および色合成手段としての色分離合成プリズム53
a,53bおよび53dと、λ/2位相差板55と、反
射型パネル56a,56bおよび56cと、射出側偏光
板58と、投写レンズ18と、を備えている。
【0092】前述した実施の形態1と同様にして重畳レ
ンズ4から射出された光は、反射ミラー51aおよび5
1bで反射され、入射側偏光板52によって偏光度を高
められたあと、色選択性偏光変換器5に入射する。色選
択性偏光変換器5は、緑色波長域の偏光面のみを90度
回転させる。これにより、色選択性偏光変換器5は、色
分離合成プリズム53に入射する光のうち、緑色光が色
分離合成プリズム53の色分離合成面に対するP偏光と
なり、赤色光および青色光が色分離合成プリズム53の
色分離合成面に対するS偏光となるように偏光を制御す
る。なお、均一照明光学系19から射出される光の偏光
度が充分高い場合には、偏光板52を省略することが可
能である。
【0093】色分離合成プリズム53は、三角柱状のプ
リズム53a,53bと四角柱状のプリズム53cとを
組み合わせたものであって、色選択性偏光変換器5から
射出される光を青,緑および赤の三つの色光に分離する
機能、および反射型パネル56a,56bおよび56c
によって変調されて射出される各色光を合成する機能を
有している。色分離合成プリズム53に入射した緑色光
成分は透過され、赤緑色光成分および青色成分は反射さ
れる。ダイクロイック光学膜54aおよび54bの特性
は、主光軸に対する設定角度の入射角を有するP偏光に
対するカットオフ波長とS偏光に対するカットオフ波長
との間の波長域に、色選択性偏光変換器5のカットオフ
波長が含まれるように設定される。これにより、色分離
合成プリズム53の入射角依存性の影響を抑えつつ光の
分離および合成を行うことができる。
【0094】なお、青色光反射用のダイクロイック光学
膜54aで赤色光が反射する。これは、赤色光の入射角
が大きくなるように構成されており、この入射角が、ダ
イクロイック光学膜54aの全反射条件を満足するから
である。色分離合成プリズム53で透過された緑色光
は、λ/2位相差板55によって偏光面が90度回転し
てS偏光となり、緑色光用の反射型パネル56cに達す
る。一方、色分離合成プリズム53で反射された青色光
および赤色光は、青色光用の反射型パネル56aおよび
赤色光用の反射型パネル56bにそれぞれ達する。三つ
の反射型パネル56a,56bおよび56cは、与えら
れた画像情報(画像信号)にしたがって入射光を変調す
る光変調装置としての機能を有している。本実施の形態
では、反射型パネルとして、微小ミラーを画素とし、そ
のミラーの角度を変えることによって出射光の角度を変
調するマイクロミラー型変調装置を用いている。なお、
このような変調装置としては、DMD(米テキサスイン
スツルメント社の登録商標)が知られている。
【0095】三つの反射型パネル56a,56bおよび
56cに入射した各色光は、与えられた画像情報に従っ
て変調される。反射型パネル56aおよび56bからそ
れぞれ射出された青色の変調光および赤色の変調光は、
色分離合成プリズム53の色分離合成面に対するS偏光
として色分離合成プリズム53に入射する。また、反射
型パネル56cから射出された緑色の変調光は、λ/2
位相差板55によって偏光面が90度回転し、色分離合
成プリズム53の色分離合成面に対するP偏光として色
分離合成プリズム53に入射する。
【0096】色分離合成プリズム53に入射した各色光
のうち、変調を受けた光、すなわち投写画像に関係する
光は合成され、カラー画像を投写するための合成光が形
成される。色分離合成プリズム53で生成された合成光
は、投写レンズ18の方向に射出される。一方、変調を
受けていない光、すなわち投写画像に関係のない光は、
反射型パネル56a,56bおよび56cによって反射
されたあと、入射方向に戻っていくので、投写レンズ1
8の方向には射出されない。色分離合成プリズム53で
合成された光は、色選択性偏光変換器57に入射する。
ここで、色選択性偏光変換器57に入射する光は、色選
択性偏光変換器57の入射面に対して、青色波長域およ
び赤色波長域がS偏光となり、緑色波長域がP偏光とな
っている。
【0097】色選択性偏光変換器57は、緑色波長域の
偏光面のみを90度回転させる。これにより、投写する
光の偏光方向が揃えられる。色合成側の色選択性偏光変
換器57の変換特性は、色分離側の色選択性偏光変換器
5の変換特性に略一致する。色選択性偏光変換器57か
ら射出された光は、射出側偏光板58を通り、投写レン
ズ18に達する。投写レンズ18は、図示しないスクリ
ーンなどの投写面上にカラー画像を表示する。前述した
ように実施の形態3によれば、反射型パネル56a,5
6bおよび56cを用いた場合も、色分離合成光学系の
入射角依存性の影響を低減し、光エネルギーの損失を抑
制しつつ分離光の混色を低減し、各分離光の色純度を向
上させることができる。なお、本例では、反射型パネル
56a,56bおよび56cがDMDの場合について述
べたが、これらが反射型の液晶パネルであってもよい。
この場合、反射型パネルで反射された投写画像に関係の
ない光は射出側偏光板58によって吸収される。
【0098】前述した実施の形態1〜実施の形態3で
は、プロジェクタを例に挙げて説明したが、前述した構
成は、たとえば、3CCDによるデジタルカメラ,ビデ
オカメラおよびTVカメラ等の他の装置に応用すること
ができ、同様の効果を得ることができる。また、プロジ
ェクタとしては、投写面を観察する方向から画像投写を
行う前面プロジェクタ、および投写面を観察する方向と
は反対側から画像投写を行う背面プロジェクタがある
が、実施の形態1〜実施の形態3の構成は、いずれのプ
ロジェクタにも適用可能である。
【0099】また、前述した青色波長域,緑色波長域お
よび赤色波長域の範囲は特に限定されず、たとえば、4
00nm〜500nmを青色波長域とし、500nm〜
600nmを緑色波長域とし、600nm〜700nm
を赤色波長域としてもよい。また、赤,オレンジおよび
シアンの3色の波長域に分離してもよい。さらに、赤,
オレンジ,緑および青の4色や、それ以上の多数色の波
長域に分離してもよい。このように多数色の波長域に分
離する場合は、多数色分の透過型液晶パネルまたは反射
型パネルを設け、また、色選択性偏光変換器、光を分離
するダイクロイック光学要素、および光を合成するダイ
クロイック光学要素をそれぞれ複数設け、偏光面の回転
変換、光の分離および光の合成をそれぞれ複数段階で行
う。
【0100】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、色
分離手段や色合成手段の分光特性の偏光依存性を利用し
て、入射角度依存性の影響を低減することが可能とな
る。よって色分離手段においては、反射すべき光と透過
すべき光、双方の特性を向上させることが可能となるた
め、反射すべき光、透過すべき光双方の損失を抑制しつ
つ、分離光の混色を防ぐことができ、各分離光の色純度
を向上させることができる。また、色合成手段において
は、反射すべき光や透過すべき光の損失を防ぐことが可
能となり、色合成における光の利用効率を向上させるこ
とができる。したがって、このような色分離手段や色合
成手段をプロジェクタなどの光学機器に用いれば、画像
の色再現性の向上や、色むらの低減、明るさの向上など
を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1にかかるプロジェクタ
の概略構成を示す平面図である。
【図2】図1に示した光源および均一照明光学系の概略
構成を示す平面図である。
【図3】(A),(B)は、図1に示したレンズアレイ
の概略構成を示す正面図および側面図である。
【図4】図2に示した偏光変換素子アレイの概略構成を
示す斜視図である。
【図5】実施の形態1にかかる偏光変換素子アレイの偏
光変換の原理を説明する説明図である。
【図6】図2に示した遮光板の概略構成を示す説明図で
ある。
【図7】実施の形態1にかかる色選択性偏光変換器によ
る変換を説明する説明図である。
【図8】(A),(B)は、一般的なダイクロイックミ
ラーのP偏光およびS偏光に対する分光特性を示す図で
ある。
【図9】(A),(B)は、一般的な他のダイクロイッ
クミラーのP偏光およびS偏光に対する分光特性を示す
図である。
【図10】(A),(B)は、実施の形態1にかかるク
ロスダイクロイックプリズムのP偏光およびS偏光に対
する分光特性を示す図である。
【図11】実施の形態1にかかるクロスダイクロイック
プリズムによる緑色光の透過を説明する説明図である。
【図12】実施の形態1にかかるクロスダイクロイック
プリズムによる青色光および赤色光の反射を説明する説
明図である。
【図13】実施の形態1にかかる他のプロジェクタの構
成を示す平面図である。
【図14】実施の形態1にかかるさらに他のプロジェク
タの構成を示す平面図である。
【図15】実施の形態1にかかるさらに他のプロジェク
タの構成を示す平面図である。
【図16】この発明の実施の形態2にかかるプロジェク
タの構成を示す平面図である。
【図17】この発明の実施の形態3にかかるプロジェク
タの構成を示す平面図である。
【図18】従来のプロジェクタの構成を示す平面図であ
る。
【図19】図18に示したダイクロイックミラーに対す
る光の入射を説明する説明図である。
【図20】従来のダイクロイックミラーの分光特性の入
射角依存性を示す図である。
【図21】従来のダイクロイックミラーによる色分離を
説明する説明図である。
【符号の説明】
1 光源 1a 光源ランプ 1b 凹面鏡 2,21 レンズアレイ 2a,21a 小レンズ 4 重畳レンズ 5,5a,5b,49a,49b,57 色選択性偏光
変換器 6,17 クロスダイクロイックプリズム 7a,7b,9a,9b,11a,11b,11c レ
ンズ 8a,8b,10a,10b,42a,42b,51
a,51b 反射ミラー 12a,12b,16,25,43a,43c,47
a,55 λ/2位相差板 13a,13b,13c,44a,44b,44c,5
2 入射側偏光板 14a,14b,14c,45a,45b,45c 透
過型液晶パネル 15a,15b,15c,46a,46b,46c,5
8 射出側偏光板 18,18a,18b,18c 投写レンズ 19 均一照明光学系 20 部分光束 22 遮光板 22a 開口部 23,23a,23b 偏光変換素子アレイ 24 偏光ビームスプリッタアレイ 26 透光性部材 27 偏光分離膜 28 反射膜 29 偏光変換素子 31 クロスダイクロイックミラー 32,33,41a,41b,48a,48b ダイク
ロイックミラー 53a,53b,53c 色分離合成プリズム 54a,54b ダイクロイック光学膜 56a,56b,56c 反射型パネル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G02F 1/13 505 G02F 1/13 505 5C060 1/13357 1/13357 G03B 21/00 G03B 21/00 E 33/12 33/12 H04N 9/31 H04N 9/31 C Fターム(参考) 2H042 CA06 CA10 CA14 CA17 2H049 BA05 BA08 BA42 BA43 BB03 BC22 2H088 EA14 EA15 HA13 HA18 MA05 2H091 FA05Z FA21Z FD24 LA15 2H099 AA12 BA09 CA08 CA11 5C060 BA04 BA08 BC05 HC00 HC09 JA00

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定波長域の光を透過し、他の波長域の
    光を反射して、光を複数の波長域に分離する色分離手段
    と、 前記所定波長域または前記他の波長域の偏光面を回転さ
    せることで、前記色分離手段に入射する光のうち、前記
    所定波長域の光を前記色分離手段の色分離面に対するP
    偏光とし、前記他の波長域の光を前記色分離面に対する
    S偏光とする色選択性偏光変換手段と、 を具備することを特徴とする色分離装置。
  2. 【請求項2】 前記色選択性偏光変換手段の偏光面回転
    波長域と偏光面非回転波長域とを分ける偏光境界波長
    は、前記色分離手段のS偏光に対するカットオフ波長と
    P偏光に対するカットオフ波長との間の波長域に含まれ
    ることを特徴とする請求項1に記載の色分離装置。
  3. 【請求項3】 第1の波長域の光を透過し、前記第1の
    波長域とは異なる第2の波長域の光を反射して、これら
    の光を合成する色合成手段と、 前記色合成手段に入射する前記第1の波長域の光または
    前記第2の波長域の光のうち、前記色合成手段の色合成
    面に対するS偏光の光をP偏光の光に変換する色選択性
    偏光変換手段と、 を具備することを特徴とする色合成装置。
  4. 【請求項4】 前記色選択性偏光変換手段の偏光面回転
    波長域と偏光面非回転波長域とを分ける偏光境界波長
    は、前記色合成手段のS偏光に対するカットオフ波長と
    P偏光に対するカットオフ波長との間の波長域に含まれ
    ることを特徴とする請求項3に記載の色合成装置。
  5. 【請求項5】 請求項1または2に記載の色分離装置
    と、 前記色分離手段と略一致する分光特性を有し、前記色分
    離手段が分離した光を合成する色合成手段と、 を具備することを特徴とする色分離合成装置。
  6. 【請求項6】 請求項1または2に記載の色分離装置
    と、 請求項3または4に記載の色合成装置と、 を具備し、 前記色分離装置が分離した光を前記色合成手段が合成す
    ることを特徴とする色分離合成装置。
  7. 【請求項7】 請求項1または2に記載の色分離装置を
    具備し、 前記色分離装置が分離した光を、前記色分離装置が具備
    する前記色分離手段で合成することを特徴とする色分離
    合成装置。
  8. 【請求項8】 光源からの光を分離し、分離した光を変
    調して画像を生成し、その画像を投写するプロジェクタ
    において、 前記光源からの光を分離する請求項1または2に記載の
    色分離装置と、 前記色分離装置が分離した光を変調する光変調手段と、 を具備することを特徴とするプロジェクタ。
  9. 【請求項9】 光源からの光を分離し、分離した光を変
    調して画像を生成し、その画像を投写するプロジェクタ
    において、 前記分離された光を変調する光変調手段と、 前記光変調手段が変調した光を合成する請求項3または
    4に記載の色合成装置と、 を具備することを特徴とするプロジェクタ。
  10. 【請求項10】 光源からの光を分離し、分離した光を
    変調して画像を生成し、その画像を投写するプロジェク
    タにおいて、 請求項5または6に記載の色分離合成装置と、 前記色分離装置の後段、かつ前記色合成手段または前記
    色合成装置の前段に設けられ、前記色分離装置が分離し
    た光を変調する光変調手段と、 を具備することを特徴とするプロジェクタ。
  11. 【請求項11】 光源からの光を分離し、分離した光を
    変調して画像を生成し、その画像を投写するプロジェク
    タにおいて、 請求項7に記載の色分離合成装置と、 前記色分離装置が分離した光を変調する光変調手段と、 を具備し、 前記光変調手段が変調した光を、前記色分離装置が具備
    する色分離手段で合成することを特徴とするプロジェク
    タ。
  12. 【請求項12】 光源からの光を分離し、分離した光を
    変調して画像を生成し、その画像を投写するプロジェク
    タにおいて、 第1の波長域の光を透過し、前記第1の波長域に比して
    波長が短い第2の波長域および前記第1の波長域に比し
    て波長が長い第3の波長域の光を反射して、光を三つの
    波長域に分離する色分離手段と、 前記光源による光を直線偏光に変換する偏光変換手段
    と、 前記偏光変換手段が変換した前記直線偏光の前うち記第
    1の波長域または前記第2の波長域および前記第3の波
    長域の偏光面を回転させることで、前記色分離手段に入
    射する光のうち、前記第1の波長域の光を前記色分離手
    段の色分離面に対するP偏光とし、前記第2の波長域お
    よび前記第3の波長域の光を前記色分離面に対するS偏
    光とする色選択性偏光変換手段と、 前記色分離手段によって分離された光を変調する三つの
    変調手段と、 を具備することを特徴とするプロジェクタ。
  13. 【請求項13】 前記色選択性偏光変換手段の偏光面回
    転波長域と偏光面非回転波長域とを分ける偏光境界波長
    は、前記色分離手段のS偏光に対するカットオフ波長と
    P偏光に対するカットオフ波長との間の波長域に含まれ
    ることを特徴とする請求項12に記載の色分離装置。
  14. 【請求項14】 前記色分離手段としてクロスダイクロ
    イックプリズムまたはクロスダイクロイックミラーを設
    けたことを特徴とする請求項12または13に記載のプ
    ロジェクタ。
  15. 【請求項15】 さらに、前記色分離手段と略一致する
    分光特性を有し、前記光変調手段が変調した光を合成す
    る色合成手段を具備することを特徴とする請求項12,
    13または14に記載のプロジェクタ。
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