JP2002301544A - 中子支持金具 - Google Patents

中子支持金具

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JP2002301544A JP2001103211A JP2001103211A JP2002301544A JP 2002301544 A JP2002301544 A JP 2002301544A JP 2001103211 A JP2001103211 A JP 2001103211A JP 2001103211 A JP2001103211 A JP 2001103211A JP 2002301544 A JP2002301544 A JP 2002301544A
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shaped core
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鋳造品から突起を切除する工程を省くことが
でき、かつ中子用ケレンの製造工程を簡単にすることが
できる技術を提供する。 【解決手段】 中子用ケレン30は、鋳型10のキャビ
ティ15内に配置する棒状中子20を支えるための金具
である。この中子用ケレン30は、棒状中子20の先端
部21に被せるキャップ部31を備え、このキャップ部
61から放射状に鋳型10のキャビティ壁面11a,1
3aまで延ばした脚部37・・・を備え、キャップ部31
を構成する周壁32の開口端33に複数の切欠き34・・
・を設けることにより、切欠き34と切欠き34との間
に突出壁35・・・を形成したものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は鋳造の際に中子をキ
ャビティ内に支える中子支持金具(ケレン,chaplet)
に関する。以下、中子支持金具を「中子用ケレン」と記
す。
【0002】
【従来の技術】鋳造品がカムシャフトのような長尺物の
中空製品の場合、鋳造品を鋳造する際に棒状中子を使用
する。この棒状中子は比較的長尺物なので、鋳型のキャ
ビティ内に棒状中子をセットするためには、棒状中子の
先端を中子用ケレンで支える必要がある。この中子用ケ
レンとして、例えば特開昭63−101043号公報の
「中子用ケレン構造」が提案されている。同公報の第2
図を以下に再掲して、この技術を説明する。なお、符号
は新たに振り直した。
【0003】図9は従来の中子用ケレンの斜視図であ
り、中子用ケレン100で棒状中子103を支えた状態
を示す。中子用ケレン100のキャップ部101を棒状
中子103の先端103aに被せ、脚部102・・・(・・・
は複数を示す)の先端(斜線///で示した部分)を鋳型
105の下型106に載せ、鋳型105を型締めするこ
とにより下型106及び上型(図示しない)で脚部10
2・・・の先端を挟み込んで中子用ケレン100を支持す
る。このため、中子用ケレン100で棒状中子103の
先端103aを支えることができる。
【0004】一方、棒状中子103の基端には幅木を備
え、この幅木を鋳型105で支持する。従って、棒状中
子103の先端103a及び基端を支持することができ
るので、棒状中子103を鋳型105のキャビティ内に
支えることができる。次に、キャビティに溶湯を充填し
て溶湯が凝固した後、鋳型105を型開きして鋳造品を
取り出す。次いで、鋳造品から棒状中子103を除去す
ることにより中空状の製品を得る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】図10は従来の中子用
ケレンを用いて製造した鋳造品の斜視図である。図9の
キャビティに注湯するわけであるから、得られる鋳造品
は図10の通りとなる。すなわち、鋳造品108に鋳ぐ
るまれた中子用ケレン100の一部(脚部102・・・の
先端(斜線///で示した部分))が角(つの)の様に突
出した状態となる。そこで、突出した脚部102・・・を
次工程で切除する。この様に、従来の中子用ケレン10
0では、鋳造工程の次に突起の切除工程が必要となり、
鋳造品の製造コストが嵩むことになる。
【0006】また、中子用ケレン100は、一対のケレ
ン分割体100a,100bを一体に組み合わせたもの
である。従って、中子用ケレン100を製造するために
は、ケレン分割体100a,10bを接合部107で溶
接して一体物にする必要がある。この結果、中子用ケレ
ン100の製造工程が複雑になり生産性を高め難い。
【0007】そこで、本発明の目的は、鋳造品から突起
を切除する工程を省くことができ、かつ中子用ケレンの
製造工程を簡単にすることができる技術を提供すること
にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1は、鋳型のキャビティ内に配置する棒状中子
を支えるための中子支持金具において、棒状中子の先端
部に被せるキャップ部を備え、このキャップ部から放射
状に鋳型のキャビティ壁面まで延ばした脚部を備え、キ
ャップ部を構成する周壁の開口端に複数の切欠きを設け
ることにより、切欠きと切欠きとの間に突出壁を形成し
たことを特徴とする。
【0009】中子支持金具はキャップ部と脚部とを備
え、脚部をキャビティ壁面までしか延ばさないようにし
たので、キャップ部及び脚部の全体を鋳造品に鋳ぐるむ
ことができる。このため、脚部が鋳造品から突出するこ
とを防ぐことができる。従って、鋳造工程後に突出部の
切除工程を不要にすることができる。
【0010】また、中子支持金具をキャップ部に脚部を
備えた簡単な構成にした。このため、キャップ部及び脚
部を一体にプレス成形することが可能である。すなわ
ち、先ずキャップ部とキャップ部から外側に広がる鍔部
とを一体にプレス成形し、次に鍔部の一部を切断して脚
部を形成することができる。このように、中子支持金具
を一体成形することで、例えば溶接による接合工程を省
くことができる。
【0011】ここで、万が一棒状中子の先端から中子支
持金具が脱落した場合、鋳造工程を中断して棒状中子の
先端に中子支持金具を被せる必要があり、そのことが生
産性を高める妨げになっていた。そこで請求項1では、
キャップ部の周壁に複数の切欠きを設けることで切欠き
と切欠きとの間に突出壁を形成した。
【0012】この突出壁は先端が自由端の状態なので、
突出壁を半径方向の内側に折り曲げることができ、かつ
ある程度の弾性変形が可能になる。よって、例えば突出
壁を半径方向の内側に折り曲げることで、突出壁を弾性
変形させながら棒状中子の先端に比較的きつく嵌め込ま
せることができる。従って、棒状中子の先端から中子支
持金具が脱落することを防止できる。
【0013】請求項2は、突出壁の内面に径方向内方に
突出した凸部を設けたことを特徴とする。周壁の内面に
径方向内方に突出した凸部を設けることで、周壁を半径
方向の内側に向けて折り曲げなくても、凸部を棒状中子
の先端にある程度きつく嵌め込むことができる。このた
め、請求項1と比較してより簡単に棒状中子の先端から
中子支持金具が脱落することをより確実に防ぐことがで
きる。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を添付図に基
づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見る
ものとする。図1は本発明に係る中子用ケレン(第1実
施形態)で棒状中子を支えた状態を示す斜視図であり、
鋳型10のキャビティ15(図3に示す)内に配置する
棒状中子20を中子支持金具(中子用ケレン)30で支
えた状態を示す。なお、中子用ケレン30は図2で詳し
く説明する。
【0015】鋳型10は、固定型11及び可動型13を
けい砂で形成した砂型で、可動型13を移動することで
型開きや型締めを実施し、矢印の如く型締めすることに
より固定型11のキャビティ壁面11a及び可動型13
のキャビティ壁面13aでキャビティ15を形成するも
のである。棒状中子20は、鋳型10と同様にけい砂で
形成した長尺な円柱体であって、先端部21(図2に示
す)に中子用ケレン30を被せることが可能で、基端の
近傍に幅木23を形成した中子である。
【0016】このため、棒状中子20の先端部21を中
子用ケレン30で支持するとともに幅木23を鋳型10
で支持することにより、中子用ケレン30をキャビティ
20内に支えることができる。幅木23は、その上端に
位置決め孔24を備えるとともに下端に位置決め孔26
(図5(b)に示す)を備える。
【0017】幅木23の位置決め孔26を固定型11の
突起17(図5(b)に示す)に嵌め込むことにより、
棒状中子20を所定位置に位置決めすることができる。
加えて、幅木23の位置決め孔24に可動型13の突起
14を挿入することにより、棒状中子20をより正確に
所定位置に位置決めすることができる。なお、棒状中子
20の先端部21については図2でさらに詳しく説明す
る。
【0018】図2は本発明に係る中子用ケレン(第1実
施形態)を棒状中子から外した状態を示す斜視図であ
る。棒状中子20は、先端部21に小径部21aを備
え、この小径部21aに一定間隔をおいて3個の隆起部
22・・・(2個のみを図示する)を形成したものであ
る。小径部21aの外径D1を中子用ケレン30の内径
D2(図3に示す)より僅かに小さく設定し、隆起部2
2の外径D3(すなわち、棒状中子20の大径部25の
外径)を中子用ケレン30の外径D4(図3も参照)と
同じ大きさ、若しくは外径D4より僅かに大きく設定し
た。
【0019】中子用ケレン30は、棒状中子20の先端
部21(すなわち、小径部21a)に被せるキャップ部
31を備え、このキャップ部31から放射状に鋳型10
のキャビティ壁面11a,13a(図1に示す)まで延
ばした3個の脚部37・・・を備え、キャップ部31を構
成する周壁32の開口端33に3個(複数)の切欠き3
4・・・を設けることにより、切欠き34と切欠き34と
の間に突出壁35を形成したもので、表面(キャップ部
31の内面も含む)に錫(Sn)メッキを施した部材で
ある。
【0020】周壁32に3個の切欠き34・・・を設ける
ことにより、突出壁35を3個備えることになる。各々
の突出壁35・・・の先端(すなわち、開口端33)に
は、それぞれ脚部37・・・を備える。各々の突出壁35・
・・は、その基端部35aにおいて片持ち支持の状態で支
えている。よって、各々の突出壁35・・・を基端部35
a・・・で半径方向内方に僅かに折曲げることにより、棒
状中子20の小径部21aに対する周壁32(すなわ
ち、3個の突出壁35・・・)の嵌合状態を脱落しないよ
うに調整することができる。
【0021】キャップ部31は前述したように、その内
径D2を小径部21aの外径D1より僅かに大きく設定
し、その外径D4を隆起部22の外径D3と同じ大き
さ、若しくは隆起部22の外径D3より僅かに小さく設
定した。よって、各々の突出壁35・・・を基端部35a・
・・で半径方向内方に僅かに折曲げた状態で、キャップ部
31を先端部21の小径部21aに嵌め込むとともに、
切欠き34・・・を隆起部22・・・に差込むことにより、中
子用ケレン30を棒状中子20の先端部21に被せるこ
とができる。この際に、キャップ部31の底部に備えた
底36が、先端部21の先縁21bに接触、若しくは近
接した状態になる。
【0022】各々の突出壁35・・・を基端部35a・・・で
半径方向内方に僅かに折曲げることにより、各々の突出
壁35・・・を弾性変形させながら、中子用ケレン30を
棒状中子20の先端部21にきつく嵌め込むことができ
る。よって、中子用ケレン30を棒状中子20の先端部
21から落下することを防ぐことができる。
【0023】ここで、周壁に突出壁35・・・を設けてい
ない場合には、周壁を棒状中子20の小径部21aに嵌
込み可能にするとともに脱落を防止するために、周壁は
棒状中子20に対して微妙な嵌め合いが要求される。よ
って、周壁を精度よく形成する必要があり、そのことが
中子用ケレンのコストを下げる妨げになる。
【0024】これに対して、中子用ケレン30は突出壁
35・・・を設けているので、周壁32の精度を比較的ラ
フにしても、突出壁35・・・を折曲げたり、突出壁35・
・・を弾性変形させることで、周壁32を棒状中子20の
小径部21aに脱落しないように嵌め込むことができ
る。よって、中子用ケレン30のコストを抑えることが
できる。
【0025】さらに、切欠き34・・・を隆起部22・・・に
差込むことにより、中子用ケレン30が棒状中子20に
対して回転することを防いで、所定位置に位置決めする
ことができる。例えば、切欠き34・・・を隆起部22・・・
に差込むだけで、図1に示すように3本の脚部37・・・
のうちの1本が上方を向いた状態で、幅木23の位置決
め孔24,26がそれぞれ上下方向を向くように棒状中
子20に対して中子用ケレン30を所定位置に位置決め
することができる。よって、中子用ケレン30を棒状中
子20に簡単に嵌め込むことができる。
【0026】これに対して、中子用ケレン30や棒状中
子20に切欠き34・・・や隆起部22・・・がない場合に
は、幅木23の位置決め孔24,26に対して脚部37
・・・を所定位置にセットすることは難しい。よって、中
子用ケレン30を棒状中子20に嵌め込む作業に手間が
かかる。
【0027】加えて、キャップ部31の底36が、棒状
中子20の先縁21bに接触、若しくは近接した状態に
なるので、キャップ部31に冷金としての役割を付加す
ることができる。
【0028】脚部37・・・は、前述したように各々の突
出壁35・・・の先端(すなわち、開口端33)から放射
状に鋳型10のキャビティ壁面11a,13a(図1に
示す)まで延ばしたものである。脚部37・・・を突出壁
35・・・の先端(すなわち、開口端33)に形成したの
で、キャップ部31及び脚部37・・・を一体にプレス成
形することが可能である。このプレス成形については図
4で詳しく説明する。
【0029】図3は図1の3−3線断面図であり、鋳型
10のキャビティ15に棒状中子20を支えた状態を示
す。中子用ケレン30の脚部37・・・をキャップ部31
から放射状にキャビティ壁面11a,13aまで延ばし
た。このため、脚部37・・・の先端38・・・をキャビティ
壁面11a,13aに当てることにより、棒状中子20
をキャビティ15内で支えることができる。脚部37・・
・をキャビティ15の外側に突出させないので脚部37・
・・が鋳造品から突出することはない。
【0030】脚部37・・・は、基端39・・・から先端38
・・・に向って小さくなる先細りテーパ形状とし且つ先端
38・・・を球面にしたものであって、例えば基端39・・・
の幅W1を1.5〜2.0mm、先端38・・・の幅W2
を1.0mmに設定したものである。脚部37・・・を先
細りテーパ形状とすることで、脚部37・・・の強度を確
保した状態で脚部37・・・を細くすることができる。従
って、脚部37・・・でキャビティ15内の溶湯の流れを
妨げることはない。この結果、鋳造欠陥(巣、空洞)の
発生を抑えることができる。
【0031】さらに、脚部37・・・の先端38・・・を球面
にすることで、脚部37・・・の先端38・・・をキャビティ
壁面11a,13aに点接触させることができる。従っ
て、脚部37・・・の先端38・・・をキャビティ壁面11
a,13aに安定的に接触させて棒状中子20を所望位
置に確実に支えることができる。加えて、先端38・・・
の球面に沿って湯が流れ込むので、脚部37・・・を良好
に鋳ぐるむことができる。
【0032】また、中子用ケレン30の切欠き34・・・
を、棒状中子20の隆起部22・・・に差込むことによ
り、中子用ケレン30を棒状中子20に対して所定位置
に位置決めすることができる。よって、鋳造品の中空部
を精度よく鋳造することができる。
【0033】次に、中子用ケレン30の製造方法を説明
する。図4(a)〜(d)は本発明に係る中子用ケレン
(第1実施形態)の製造方法の説明図である。(a)に
おいて、円板状のブランク材30を準備する。(b)に
おいて、ブランク材30をプレス成形して、中子用ケレ
ン30のキャップ部31(図2に示す)に相当する絞り
成形部41及びこの絞り成形部41に一体成形した鍔部
42を得る。
【0034】(c)において、鍔部42の一部(斜線//
/で示すエリア)42a・・・を切断して3本の脚部37・・
・を形成する。(d)において、絞り成形部41の一部
(斜線///で示すエリア)41a・・・を切断して、この切
断した部分を切欠き34・・・(図2に示す)を形成する
とともに突出壁35・・・を形成する。
【0035】この後、表面(キャップ部31の内面も含
む)に錫メッキを施して中子用ケレン30(図2に示
す)を得る。このように、中子用ケレン30を一体成形
することで、例えば溶接による接合工程を省くことがで
きるので、中子用ケレン30を用いる鋳造工程を簡単に
することができる。
【0036】なお、図4の製造方法では(c)の工程と
(d)の工程とを別々に分けた例について説明したが、
(c)の工程と(d)の工程とを同時に行うことも可能
である。(c)の工程と(d)の工程とを同時に行うこ
とで、製造工程を減らすことができる。
【0037】次いで、中子用ケレン30を用いる鋳造方
法を図5〜図7に基づいて説明する。なお、図5〜図7
においては理解を容易にするために、棒状中子20及び
中子用ケレン30を簡略した状態で図示した。
【0038】図5(a)〜(c)は本発明に係る中子用
ケレン(第1実施形態)を用いた鋳造方法の第1説明図
であり、(c)は(b)のc−c線断面を示す。(a)
において、突出壁35・・・の先端(すなわち、開口端3
3)を矢印の如く半径方向内方に僅かに折曲げ、この状
態でキャップ部31を棒状中子20の小径部21aに矢
印の如く嵌め込むとともに、切欠き34・・・を隆起部
22・・・に差込むことにより、中子用ケレン30を棒状
中子20の先端部21に被せる。
【0039】突出壁35・・・の先端(すなわち、開口端
33)を矢印の如く僅かに折曲げることにより、突出壁
35・・・をある程度弾性変形させながら、棒状中子20
の小径部21aに比較的きつく嵌め込むことができる。
よって、中子用ケレン30が棒状中子20の先端部21
から抜け出すことを防ぐことができる。また、中子用ケ
レン30の切欠き34・・・を棒状中子20の隆起部22・
・・に差込むことにより、中子用ケレン30の脚部37・・
・を幅木23の位置決め孔24,26に対して所望位置
に位置決めすることができる。
【0040】(b)において、2本の下側脚部37,3
7(紙面奥側の脚部は図示しない)を固定型11のキャ
ビティ壁面11aに当てるとともに、幅木23の位置決
め孔26を固定型11の突起17に嵌め込むことによ
り、棒状中子20を固定型11にセットする。幅木23
の位置決め孔26を固定型11の突起17に嵌め込むこ
とにより、棒状中子20を所定位置に位置決めすること
ができ、かつ中子用ケレン30の脚部37・・・のうちの
下向きの2個を固定型11のキャビティ面11aに載
せ、残りの1個を上向きに位置決めすることができる。
【0041】(c)において、下向きの2本の脚部3
7,37を固定型11のキャビティ壁面11aに当てる
ことにより、中子用ケレン30を安定させた状態でセッ
トすることができる。また、上向きの1本の脚部37と
同様に、位置決め孔24を上向きに配置することができ
る。
【0042】図6(a),(b)は本発明に係る中子用
ケレン(第1実施形態)を用いた鋳造方法の第2説明図
である。(a)において、可動型13を矢印のの如く
移動して、鋳型10を型締めする。ここで、鋳型10を
型締めする際に、可動型13のキャビティ壁面13aに
1本の上側脚部37を当てることによりキャビティ15
内で棒状状中子16を安定的に支える(図3も参照)。
加えて型締めの際に、幅木23の位置決め孔24に可動
型13の突起14に挿入する。
【0043】この状態で、溶湯を矢印の如くキャビテ
ィ15に充填する。このとき、棒状中子20の先端部2
1を中子用ケレン30で安定的に支え、かつ幅木23の
位置決め孔24,26に突起14,17に嵌め込むこと
により、棒状中子20を所定位置に確実に静止させるこ
とができる。従って、棒状中子20が湯圧で正規の位置
からずれることを防止できる。
【0044】なお、キャップ部31は、棒状中子20の
小径部21aが焼きついて鋳造品に砂が付着すること、
また差し込み(鋳型の砂粒子の間隙に溶湯が入り込むた
めに生ずる鋳物表面の欠陥)が発生することを防ぐこと
ができる。さらに、キャップ部31は、冷金の役割も果
すので鋳造品に鋳巣(孔状欠陥)が発生することも防ぐ
ことができる。
【0045】(b)において、キャビティ15の溶湯1
6が凝固した後、可動型13を矢印のの如く移動し
て、鋳型10を型開きする。ここで、中子用ケレン30
の表面(キャップ部31の内面も含む)に錫(Sn)メ
ッキを施したので、溶湯16を中子用ケレン30に確実
に密着させることができる。従って、鋳造品の品質を高
めることができる。
【0046】図7(a),(b)は本発明に係る中子用
ケレン(第1実施形態)を用いた鋳造方法の第3説明図
であり、(b)は(a)のb−b線断面図である。
(a)において、鋳型から長尺物の鋳造品を取り出し、
この鋳造品から棒状中子を除去する。これで中空状の製
品45を得る。この製品45には中空部46が備えら
れ、かつ中子用ケレン30が一体に鋳ぐまれている。中
空部46棒状中子20で形成した空間である。
【0047】(b)において、製品45に中子用ケレン
30を鋳ぐるんでも脚部37・・・は製品45の外周45
aから外側に突出しない。このため、従来技術で説明し
たように製品45から突出した脚部37・・・を切除する
作業は不要となる。
【0048】また、図3で説明したように、脚部37・・
・の先端38・・・を球面にすることで、脚部37・・・の先
端38・・・をキャビティ壁面11a,14a(図3示
す)に安定的に接触させることができる。加えて、幅木
23の位置決め孔24,26に突起14,17に挿入す
ることにより、棒状中子20を所定位置に確実に静止さ
せることができる。このため、製品45の肉厚tの精度
を高めて製品45の品質を高めることができる。
【0049】次に、第2実施形態について図8に基づい
て説明する。なお、第2実施形態において第1実施形態
と同一部材については同じ符号を付して説明を省略す
る。図8は本発明に係る中子用ケレン(第2実施形態)
を棒状中子から外した状態を示す斜視図である。棒状中
子50は、先端部51に小径部51aを備え、この小径
部51aに一定間隔をおいて3個の隆起部22・・・(2
個のみを図示する)を形成し、さらに隆起部22と隆起
部22との間の小径部51aに凹み52を形成したもの
である。この棒状中子50は、小径部51aに凹み52
を設けた点で第1実施形態の棒状中子20と異なるが、
その他の構成は棒状中子20と同じである。
【0050】この棒状中子50の小径部51aには中子
用ケレン60を嵌め込むことができる。この中子用ケレ
ン60は、棒状中子50の先端部51(すなわち、小径
部51a)に被せるキャップ部61を備え、このキャッ
プ部61から放射状に鋳型10のキャビティ壁面11
a,13a(図1に示す)まで延ばした3個の脚部37
・・・を備える。
【0051】加えて、中子用ケレン60は、キャップ部
61を構成する周壁32の開口端33に3個(複数)の
切欠き34・・・を設けることにより、切欠き34と切欠
き34との間に突出壁65を形成し、突出壁65の内面
65aに径方向内方に突出した凸部65b(1個のみを
図示する)を設けたものである。凸部65bは、突出壁
65の外面に凹み65cをプレス成形することにより、
突出壁65の内面65aに突出させた部位である。な
お、中子用ケレン60の表面(キャップ部61の内面も
含む)には、中子用ケレン30と同様に錫(Sn)メッ
キが施されている。
【0052】すなわち、この中子用ケレン60は、突出
壁65の内面65aに凸部65bを設けた点で第1実施
形態の中子用ケレン30と異なるが、その他の構成は中
子用ケレン30と同じである。この凸部65bは、中子
用ケレン60を棒状中子50の小径部51aに被せる際
に、小径部51aの凹み52に嵌め込むことができる。
よって、中子用ケレン60が棒状中子50の小径部51
aから脱落することをより確実に防ぐことができる。
【0053】第2実施形態の中子用ケレン60によれ
ば、第1実施形態の中子用ケレン30と同様の効果を得
ることができる。さらに、第2実施形態の中子用ケレン
60によれば、中子用ケレン60を棒状中子50の小径
部51aに被せる際に、中子用ケレン60の凸部65b
を小径部51aの凹み52に嵌め込むことができる。従
って、中子用ケレン60が棒状中子50の小径部51a
から脱落することをより確実に防ぐことができる。
【0054】加えて、第1実施形態のように各々の突出
壁35・・・を基端部35a・・・で半径方向内方に僅かに折
曲げなくても、中子用ケレン60が棒状中子50の小径
部51aから外れることをより確実に防ぐことができる
ので、各々の突出壁35・・・を基端部35a・・・で半径方
向内方に僅かに折曲げる手間を省くことができる。この
ため、中子用ケレン60を棒状中子50の小径部51a
により簡単に被せることができる。
【0055】なお、前記実施形態では、中子用ケレン3
0、60の突出壁35・・・の先端に脚部37・・・を設けた
例について説明したが、脚部37・・・を設ける位置はこ
れに限らないで、キャップ部31,61の任意の位置に
設けることができる。また、前記第1実施形態では、3
個の突出壁35・・・を全て内側に折曲げてた後、中子用
ケレン60を棒状中子50の小径部51aに被せる例に
ついて説明したが、これに限らないで、3個の突出壁3
5・・・のうちの少なくとも1つの突出壁35を折り曲げ
るだけでも同様の効果を得ることができる。さらに、前
記実施形態では周壁32に3個の切欠き34・・・を設け
た例について説明したが、突出壁35の個数は適宜決め
ることができる。
【0056】さらに、前記第2実施形態では、棒状中子
50の小径部51aに凹み52を形成して、この凹み5
2に中子用ケレン60の凸部65bを嵌め込む例につい
て説明したが、棒状中子50の小径部51aに凹み52
を形成しないで凸部65bで小径部51aの表面を押圧
させても同様の効果を得ることができる。また、前記第
2実施形態では、中子用ケレン60の突出壁65・・・の
全てに凸部65bを形成して例について説明したが、突
出壁65・・・の少なくとも1つに凸部65bを形成して
も同様の効果を得ることができる。
【0057】また、前記実施形態では、固定型11に中
子用ケレン30をセットした後、可動型13を移動して
型締めする例を説明したが、可動型13に中子用ケレン
30をセットした後、可動型13を移動して型締めして
も同様の効果を得ることができる。さらに、鋳型10の
可動型13を鉛直方向に移動する立て形を例を説明した
が、可動型を水平方向に移動する横形に適用することも
可能である。
【0058】また、前記実施形態では、鋳型10を砂型
で形成した例を説明したが、これに限らないで、例えば
金型に適用しても同様の効果を得ることができる。さら
に、前記実施形態では、中子用ケレン30に3本の脚部
37を備えた例を説明したが、脚部37の本数は3本に
限定するものではなく、例えば4本の脚部を備えてもよ
い。
【0059】また、前記実施形態では、幅木23の上下
端にそれぞれ位置決め孔24,26を備え、下端側の位
置決め孔26を固定型11の突起17に嵌め込み、上端
側の位置決め孔24に可動型13の突起14を挿入する
例について説明したが、これに限らないで、上端側の位
置決め孔24や可動型13の突起14を省いて、下端側
の位置決め孔26を固定型11の突起17に嵌め込むだ
けの構成にしても同様の効果を得ることができる。
【0060】
【発明の効果】本発明は上記構成により次の効果を発揮
する。請求項1は、中子支持金具はキャップ部と脚部と
のみからなり、脚部はキャビティ壁面までしか延びてい
ない。このため、キャップ部と脚部との全部が鋳造品に
鋳ぐるまれることになり、鋳造品から突出するものはな
い。この結果、鋳造後に、鋳造品から突起を切除する工
程を省くことができるので生産性を高めることができ
る。
【0061】また、中子支持金具をキャップ部に脚部を
備えた簡単な構成にしたので、キャップ部及び脚部を一
体にプレス成形することが可能である。すなわち、先ず
キャップ部及びキャップ部から外側に広がる鍔部を一体
にプレス成形し、次に鍔部の一部を切断することにより
脚部を形成することができる。このように、中子支持金
具を一体成形することで、例えば溶接による接合工程を
省くことができるので中子用ケレンを用いる鋳造工程を
簡単にして生産性を高めることができる。
【0062】また、キャップ部の周壁に複数の切欠きを
設けることで切欠きと切欠きとの間に突出壁を形成し
た。この突出壁は先端が自由端の状態なので、突出壁を
半径方向の内側に折り曲げることができ、かつある程度
の弾性変形が可能になる。よって、例えば突出壁を半径
方向の内側に折り曲げることで、突出壁を弾性変形させ
ながら棒状中子の先端に比較的きつく嵌め込ませること
ができる。従って、棒状中子の先端から中子支持金具が
脱落することを防止できる。このため、鋳造工程の途中
で工程を中断することを避けることができるので、生産
性を高めることができる。
【0063】請求項2は、周壁の内面に径方向内方に突
出した凸部を設けることで、周壁を半径方向の内側に向
けて折り曲げなくても、凸部を棒状中子の先端に比較的
きつく嵌め込むことができる。このため、棒状中子の先
端から中子支持金具が脱落することをより確実に防ぐこ
とができる。従って、鋳造工程の途中で工程を中断する
ことをより確実に避けることができるので、生産性を高
めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る中子用ケレン(第1実施形態)で
棒状中子を支えた状態を示す斜視図
【図2】本発明に係る中子用ケレン(第1実施形態)を
棒状中子から外した状態を示す斜視図
【図3】図1の3−3線断面図
【図4】本発明に係る中子用ケレン(第1実施形態)の
製造方法の説明図
【図5】本発明に係る中子用ケレン(第1実施形態)を
用いた鋳造方法の第1説明図
【図6】本発明に係る中子用ケレン(第1実施形態)を
用いた鋳造方法の第2説明図
【図7】本発明に係る中子用ケレン(第1実施形態)を
用いた鋳造方法の第3説明図
【図8】本発明に係る中子用ケレン(第2実施形態)を
棒状中子から外した状態を示す斜視図
【図9】従来の中子用ケレンの斜視図
【図10】従来の中子用ケレンを用いて製造した鋳造品
の斜視図
【符号の説明】
10…鋳型、11a,13a…キャビティ壁面、15…
キャビティ、20,50…棒状中子、21,51…棒状
中子の先端部、30,60…中子支持金具(中子用ケレ
ン)、31,61…キャップ部、32…周壁、33…開
口端、34…切欠き、35,65…突出壁、37…脚
部、65a…突出壁の内面、65b…凸部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 黒澤 正明 埼玉県狭山市新狭山1丁目10番地1 ホン ダエンジニアリング株式会社内 Fターム(参考) 4E093 QD03 4E094 AB21

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋳型のキャビティ内に配置する棒状中子
    を支えるための中子支持金具において、 前記棒状中子の先端部に被せるキャップ部を備え、この
    キャップ部から放射状に鋳型のキャビティ壁面まで延ば
    した脚部を備え、前記キャップ部を構成する周壁の開口
    端に複数の切欠きを設けることにより、切欠きと切欠き
    との間に突出壁を形成したことを特徴とする中子支持金
    具。
  2. 【請求項2】 前記突出壁の内面に径方向内方に突出し
    た凸部を設けたことを特徴とする請求項1に記載の中子
    支持金具。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS63101043A (ja) * 1986-10-15 1988-05-06 Mazda Motor Corp 中子用ケレン構造
JPH04288945A (ja) * 1991-03-18 1992-10-14 Nissan Motor Co Ltd 鋳造用ケレン

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JPH04288945A (ja) * 1991-03-18 1992-10-14 Nissan Motor Co Ltd 鋳造用ケレン

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