JP2002301469A - 水処理装置 - Google Patents

水処理装置

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JP2002301469A JP2001104298A JP2001104298A JP2002301469A JP 2002301469 A JP2002301469 A JP 2002301469A JP 2001104298 A JP2001104298 A JP 2001104298A JP 2001104298 A JP2001104298 A JP 2001104298A JP 2002301469 A JP2002301469 A JP 2002301469A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】停止していた通水を再開した際の重金属の溶出
を防ぎ、かつ、寿命と小型化とをバランスよく達成でき
る水処理装置を提供する。 【解決手段】除塩素濾材を設けず、少なくともイオン吸
着能を有する非除塩素濾材を設けた水処理装置とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水道水中に含有さ
れる人体に有害な物質を除去できる水処理装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、水道水の浄化には、残留塩素、ト
リハロメタンなどを除去する活性炭や0.3μm程度の
細菌や懸濁物質を除去できる精密濾過膜などが多用され
ている。また、最近では、水道水中には微量溶解してい
る鉛などの重金属イオンが問題視されてきており、特開
平7−31969号公報に示されているような、pH調
整剤を含んだ活性炭層と中空糸膜とを設けた浄水器が提
案されている。
【0003】活性炭と中空糸膜とを備えた浄水器におい
ては、一旦は、原水中に含まれる重金属イオンを活性炭
で吸着し、コロイド状の重金属を中空糸膜で除去するも
のの、通水を停止すると活性炭雰囲気が徐々に酸性側へ
移行し、活性炭で吸着した重金属の一部が離脱し滞留水
に溶出する。また、中空糸膜で捕捉したコロイド状の重
金属も、滞留水が酸性側に偏ることで溶出する。これら
の結果、通水を再開したときに離脱、溶解した重金属が
浄水とともに流出することになる。
【0004】そこで、上記公報に記載の浄水器は、pH
調整剤を設け、活性炭雰囲気のpHをコントロールする
ことにより重金属の再溶出を防ぐものであるが、従来の
浄水器にpH調整剤を付加するために、浄水器を大型化
せざるを得ない。そのため、濾材の長寿命化とともに浄
水器としての小型化とをバランスよく満足しなければな
らない蛇口直結型浄水器では、実用的ではない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、停止してい
た通水を再開した際の重金属の溶出を防ぎ、かつ、寿命
と小型化とをバランスよく達成する水処理装置を提供す
ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の本発明は、少なくともイオン吸着能を有する非除塩素
濾材を備えた水処理装置を特徴とするものである。
【0007】ここで、非除塩素濾材は、イオン吸着能を
有する吸着剤と中空糸膜とを含むものであることが好ま
しい。また、イオン吸着能を有する吸着剤が微多孔体に
添着されていることが好ましく、この場合、イオン吸着
能を有する吸着剤が無機吸着剤または有機吸着剤である
ことが好ましい。そして、無機吸着剤の場合、ゼオライ
ト、アルミノケイ酸塩、リン酸カルシウム、ヒドロキシ
アパタイト、炭酸カルシウムおよびチタンケイ酸塩の少
なくとも一種を含んでいること、もしくは、平均粒径が
1〜60μmの範囲内にあるチタンケイ酸塩を含むもの
であることが好ましい。また、有機吸着剤の場合、イオ
ン吸着樹脂およびキレート樹脂の少なくとも一種を含ん
でいることが好ましい。そして、微多孔体は織布、織布
または発泡剤のいずれかを含んでいることが好ましい、
そして、上記いずれかに水処理装置は蛇口直結型、据え
置き型またはアンダーシンク型であることが好ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の水処理装置は、たとえば
図1に示すように、カートリッジ1と流路切換弁24な
どから構成される。
【0009】カートリッジ1は、カートリッジ1内の汚
れ具合を確認するための確認窓2やその確認窓2を覆う
フタ3を備えた円筒状のハウジング4の内部に、非除塩
素濾材である、イオン吸着能を有する吸着体7等が設け
られて構成されている。ここで、非除塩素濾材とは、処
理水の塩素濃度を0.4ppmを下回らせないようなも
のをいう。本発明においては、除塩素濾材である活性炭
ではなく、イオン吸着能を有する吸着体7を設けるた
め、通水停止時に滞留水が酸性に偏らず、従来の浄水器
のように一旦吸着除去した重金属イオンを離脱、溶出し
通水再開時に流出するということを防ぐことができる。
また、そのため、pH調整剤を設ける必要がないので、
寿命を縮めることなく水処理装置を小型化することがで
きる。
【0010】吸着体7は、たとえば、不織布、織布、発
泡剤等を筒状等に成形した微多孔体に、チタンケイ酸塩
などのイオン吸着能を有する吸着剤を担持して、その内
外周面に、吸着体の形を保持するための不織布11を積
層し、たとえば外径51mm、内径10mm、長さ57
mmの円筒状に形成している。吸着体7の上部および下
部の両端部には、ハウジング4と同様の材料から構成さ
れるシール部材12、13を接着し、吸着体7の軸方向
端面を水密に封止している。
【0011】上部のシール部材12は、外側に弾性を有
するOリング14などを用いた密封手段を備え、ハウジ
ング4との間を水密に封止するように構成されている。
また、下部のシール部材13は、下面に凸部を、そし
て、その凸部の外周面にOリング14などを用いた密封
手段を備え、ハウジング4内部の底面から突出している
環状の凸部との間を水密に封止するように構成されてい
る。そして、下部のシール部材13は、その外径がハウ
ジング4の内径より若干小さくなるように形成されてお
り、S1−S1断面図である図2に示すように、下部の
シール部材13の外周面とハウジング4の内周面との間
に隙間16を形成する。このとき、処理水を吸着体7に
均等に流入させるために、S1−S1断面における隙間
16の面積が、原水流入口17の横断面積よりも小さく
なるようにすることが好ましい。
【0012】イオン吸着能を有する吸着剤としては、ゼ
オライト、アルミノケイ酸塩、リン酸カルシウム、ヒド
ロキシアパタイト、炭酸カルシウムおよびチタンケイ酸
塩などの無機吸着剤や、イオン吸着樹脂およびキレート
樹脂などの有機吸着剤を用いることが好ましい。中で
も、チタンケイ酸塩は、上水に含まれる程度の鉛(10
ppb程度)を確実に吸着することができるうえに、イ
オンとして吸着した鉛を再溶出しにくいので、より効率
的に重金属イオンを除去できる特に好ましい。そして、
チタンケイ酸塩は、吸着性能を高めると同時に圧力損失
を低減するために、平均粒径が1〜60μmの範囲にあ
るものを用いることが好ましい。
【0013】また、上記の吸着剤は、たとえば、ポリア
クリル系繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊
維、ポリエステル繊維などの繊維物質をバインダーとし
て用い、これを加熱、溶融することで、微多孔体へ付着
することができる。このような方法によると工程を少な
くでき、吸着剤を微多孔体に簡単に担持させることがで
きる。そして、吸着剤は、その粒子径が小さい程吸着性
能が高くなる一方で圧力損失が大きくなるが、吸着剤を
微多孔体に担持させることで、通水時の吸着剤における
圧力損失を低減でき、非常に細かい粒子径(たとえば平
均粒径が1〜60μm)の吸着剤を用いた場合にも、重
金属イオンを除去した処理水を十分量得ることができ
る。そして、粒子径を小さくすることで吸着性能を高め
てカートリッジをコンパクトにできるので、容量が50
〜100ml程度のコンパクトサイズの蛇口直結型にも
適用することができる。
【0014】また、本発明の水処理装置は、図3に示す
ように、中空糸膜モジュールを備えていてもよい。中空
糸膜モジュールを備えることにより、コロイド状の重金
属も除去可能となる。
【0015】図3の水処理装置は、カートリッジ1の円
筒状のハウジング4の内部に、上述したような筒状の吸
着体7を設け、さらにその吸着体7の内側に、原水中の
細菌類、濁度成分を分離する中空糸膜5をU字状に折り
曲げて円筒状ケース8に収納した中空糸膜モジュール6
を設けている。
【0016】中空糸膜モジュール6は、円筒状ケース8
と、この円筒状ケース8にU字状に折り曲げて収納され
た中空糸膜5とを備え、円筒状ケース8の一方の端部、
すなわち、中空糸膜5の折り曲げ部側の端部には、流体
を流入させるために開口部9が設けられており、また、
円筒状ケース8の他方の端部には、その円筒状ケース8
の内周面と中空糸膜5との隙間および中空糸膜間を封止
している封止部10が設けられている。
【0017】筒状の吸着体は、上部に上述したようなシ
ール部材12を設けているが、本実施態様ではこのシー
ル部材12を環状に形成し、外側にOリング14などの
密封手段を設けハウジング4との間を水密に封止する一
方、内側には円筒状ケース8との間に隙間を形成するよ
うにしている。また、吸着体7の下部には、内側にOリ
ング15などの密封手段を備えた環状のシール部材13
を設け、円筒状ケース8との間を水密に封止する。
【0018】次に、上述の浄水器における水の流れにつ
いて説明する。
【0019】水道蛇口25から流路切換弁24に流入し
た原水は、カートリッジ1への流路が選択されていると
きに、カートリッジ1の側面に設けられた原水流入口1
7から流入する。このとき、原水は、下部シール部材1
3の外周面とハウジング4の内壁との間に設けられた隙
間16を通過する。
【0020】この隙間16を小さくすることにより、原
水流入口17と吸着体7とを連通する原水導入流路18
において圧力損失を生じさせ、原水の吸着体7への流入
を、原水流入口17が配設されている側20とされてい
ない側21とで、また、吸着体上部22と吸着体下部2
3とで偏るのを防ぐことができる。すなわち、シール部
材13の上に設けられている吸着体7には、原水が、均
一に流れるので、一部の吸着剤のみが劣化して機能低下
を引き起こすことはない。この隙間16は、0.1〜
0.2mmとすることが好ましい。
【0021】その後、原水は、ハウジング4の内壁面と
吸着体7との間に形成された流体流路を通って吸着体7
に供給され、吸着体7をカートリッジ1の軸心方向に流
れることで重金属イオンを除去する。
【0022】その後、重金属イオンが除去された水は、
中空糸膜を設けた図3の態様の場合には、中空糸膜5を
設けた円筒状ケース8と吸着体7の間に形成された流路
を通り、円筒状ケース8の上部に設けられた開口部9を
通って中空糸膜5に到達する。そして、中空糸膜5の膜
表面を透過することによって細菌類、濁度成分とともに
コロイド状の重金属が除去され、中空糸膜5の開口端、
浄水出口から流出される。中空糸膜を設けていない図1
の実施態様の場合には、そのまま吸着体7の中央部を下
方に流れて浄水出口から流出する。
【0023】上述の本発明の構成は、停止していた通水
を再開した際の重金属の溶出を防ぎ、かつ、濾材の長寿
命化と装置の小型化とをバランスよく達成できるので、
図1、3に示すような蛇口直結型の水処理装置において
特に好適に実施することができるが、流し台上に設置し
て用いる据え置き型や流し台下の収納スペース内に設置
して用いるアンダーシンク型の水処理装置にも好適に実
施することができる。
【0024】
【実施例】<実施例1>図1の水処理装置を用いて鉛除
去試験を行った。
【0025】カートリッジ1の吸着体7としては、不織
布にバインダーでチタンケイ酸塩を35重量%担持させ
た成形体25gを用いた。チタンケイ酸塩の組成(重量
比)は、酸化チタン(TiO2):シリカ(SiO
2):酸化ナトリウム(Na2O):アルミナ(Al2
O3):酸化カルシウム(CaO)=55:35:9.
3:0.2:0.02であった。
【0026】鉛除去試験は、水道水を中空糸膜と活性炭
とを有する浄水器で浄化した20℃の水に鉛の原液を添
加して鉛濃度50ppbとし、これを流量2リットル/
分で水処理装置に通水し、処理された水の鉛濃度が10
ppbに達するまでの通水積算流量を鉛除去能力とし
た。
【0027】その結果、鉛除去能力は、10,000L
以上であり、鉛除去カートリッジとして十分に満足する
能力であることを確認した。 <実施例2>図3の水処理装置を用いた以外は実施例1
と同様に鉛除去能力を試験した。なお、水処理装置は、
中空糸膜モジュールを設けたこと以外は実施例1と同じ
である。
【0028】その結果、鉛除去能力は、4,000L以
上であり、鉛除去カートリッジとして十分に満足する能
力であることを確認した。
【0029】<比較例1>吸着体7として、ATSを担
持していない不織布16gを用いた以外は、実施例1と
同様に鉛除去試験を行った。
【0030】その結果、鉛除去能力が0Lであり、AT
Sを含有していない不織布は鉛除去能力がないことが分
かった。 <比較例2>吸着体として、繊維状活性炭16gを用い
た以外は、実施例1と同様に鉛除去試験を行った。
【0031】その結果、鉛除去能力が100Lであり、
繊維状活性炭では除去能力が非常に低いことが分かっ
た。
【0032】
【発明の効果】本発明の水処理装置は、除塩素濾材であ
る活性炭を設けず、少なくともイオン吸着能を有する非
除塩素濾材を設けたので、通水停止時に滞留水が酸性に
偏らず、従来の浄水器のように一旦吸着除去した重金属
イオンを離脱、溶出し通水再開時に流出することがな
い。その結果、人体に有害と考えられる重金属を効率良
く除去することができる。また、重金属イオンが再溶出
しないので、pH調整剤を設ける必要がないのでコンパ
クトにすることができ、濾材の寿命と装置の小型化とを
バランスよく達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施態様(実施例1)を示す浄水器
の概略一部縦断面図である。
【図2】図1の浄水器のS1−S1断面図である。
【図3】本発明の一実施態様(実施例2)を示す浄水器
の概略一部縦断面図である。
【符号の説明】
1:カートリッジ 2:確認窓 3:フタ 4:ハウジング 5:中空糸膜 6:中空糸膜モジュール 7:吸着体 8:円筒状ケース 9:開口部 10:封止部 11:不織布 12:シール部材 13:シール部材 14:Oリング 15:Oリング 16:隙間 17:原水流入口 18:原水導入流路 19:浄水流路 20:原水流入口が配設されている側 21:原水流入口が配設されていない側 22:吸着体上部 23:吸着体下部 24:流路切換弁 25:水道蛇口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4D006 GA07 HA03 KB12 KD09 MA01 PA02 PB06 PB24 PB27 PC52 4D024 AA02 AB07 AB16 BA05 BA07 BA11 BB01 BB08 BC01 CA04 CA05 CA11 DB05 4G066 AA30B AA43B AA50B AA61B AC11B BA03 BA09 BA20 CA46 DA07

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくともイオン吸着能を有する非除塩素
    濾材を備えたことを特徴とする水処理装置。
  2. 【請求項2】非除塩素濾材が、イオン吸着能を有する吸
    着剤と中空糸膜とを含むものである、請求項1に記載の
    水処理装置。
  3. 【請求項3】イオン吸着能を有する吸着剤が微多孔体に
    添着されている、請求項1または2に記載の水処理装
    置。
  4. 【請求項4】イオン吸着能を有する吸着剤が無機吸着剤
    である、請求項3に記載の水処理装置。
  5. 【請求項5】無機吸着剤が、ゼオライト、アルミノケイ
    酸塩、リン酸カルシウム、ヒドロキシアパタイト、炭酸
    カルシウムおよびチタンケイ酸塩の少なくとも一種を含
    んでいる、請求項4に記載の水処理装置。
  6. 【請求項6】無機吸着剤は、平均粒径が1〜60μmの
    範囲内にあるチタンケイ酸塩を含むものである、請求項
    4に記載の水処理装置。
  7. 【請求項7】イオン吸着能を有する吸着剤が有機吸着剤
    である、請求項3に記載の水処理装置。
  8. 【請求項8】有機吸着剤が、イオン吸着樹脂およびキレ
    ート樹脂の少なくとも一種を含んでいる、請求項7に記
    載の水処理装置。
  9. 【請求項9】微多孔体が不織布、織布または発泡剤のい
    ずれかを含んでいる、請求項3〜8のいずれかに記載の
    水処理装置。
  10. 【請求項10】蛇口直結型、据え置き型またはアンダー
    シンク型である、請求項1〜9のいずれかに記載の水処
    理装置。
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