JP2011092801A - 浄水フィルタ及び該浄水フィルタを備えた浄水器 - Google Patents

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Abstract

【課題】浄水フィルタとして大型化や構造の複雑化を抑制しつつ多機能化させる。
【解決手段】膜ケース5内に収容した中空糸膜モジュール7は、複数の中空糸膜15をU字状に折り曲げて形成してあり、カートリッジハウジング3の流入口9から流入する原水が、各中空糸膜15の外部から内部に向けて流れるときに原水中の微粒子成分を捕捉する。その際、中空糸膜15の外周面に設けた官能基により原水に溶解している金属イオンや細菌を捕捉する一方、中空糸膜15の内周面に設けた吸着材によりトリハロメタンなどの不純物を吸着する。
【選択図】図1

Description

本発明は、水を濾過する濾過手段を備える浄水フィルタ及び該浄水フィルタを備えた浄水器に関する。
従来、浄水器に使用する浄水フィルタとして、原水中に含まれる細菌類や濁度成分を除去する中空糸膜を、円筒状ケース内の中心部に配置し、中空糸膜の外周側に原水中のカビ臭やカルキ臭を除去する吸着体を配置するものが知られている(下記特許文献1参照)。
そして、上記した吸着体は、繊維状活性炭、不織布、発泡材などの微多孔物質に、チタンケイ酸塩などのイオン交換能を有する吸着剤を担持させることで、重金属イオンを除去できるようにしている。
特開2001−232361号公報
このように、従来の浄水フィルタは、中空糸膜により細菌類や濁度成分などを除去する他に、吸着体により重金属イオンを除去することで多機能化させているが、吸着体を、ケース内にて中空糸膜の外周側に配置する領域を別途確保する必要がある。
このため、浄水フィルタとして大型化を招くとともに、原水を、確実に吸着体を通過させた後中空糸膜を通過させるために、各部にシール構造を設けつつ流路を構成する必要があることから、構造の複雑化を招いている。
そこで、本発明は、浄水フィルタとして大型化や構造の複雑化を抑制しつつ多機能化させることを目的としている。
請求項1の発明は、水を濾過する濾過手段を備える浄水フィルタであって、前記濾過手段が、前記濾過する水中に混入するイオンを捕捉するイオン捕捉手段と、前記濾過する水中に混入する不純物を吸着する吸着手段との少なくともいずれか一方を備えていることを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1に記載の浄水フィルタであって、前記濾過手段の水と接触する表面に、前記イオン捕捉手段と前記吸着手段との少なくともいずれか一方を設けたことを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項2に記載の浄水フィルタであって、前記濾過手段の水の流入側に前記イオン捕捉手段と前記吸着手段との少なくともいずれか一方を設けたことを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項2に記載の浄水フィルタであって、前記濾過手段の水の流出側に前記イオン捕捉手段と前記吸着手段との少なくともいずれか一方を設けたことを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の浄水フィルタであって、前記吸着手段は、結合材により前記濾過手段に固定されていることを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の浄水フィルタあって、前記濾過手段をセラミックで構成したことを特徴とする。
請求項7の発明は、請求項1ないし6のいずれか1項に記載の浄水フィルタを備えた浄水器としたことを特徴とする。
請求項1の発明によれば、濾過手段自体が、イオン捕捉手段と吸着手段との少なくともいずれか一方を備えているため、浄水フィルタとして、大型化や構造の複雑化を抑制しつつ多機能化させることができる。
請求項2の発明によれば、濾過手段の水と接触する表面に設けたイオン捕捉手段と吸着手段との少なくともいずれか一方によって、イオンと不純物との少なくともいずれか一方を、効率よく除去することができる。
請求項3の発明によれば、濾過手段には、イオン捕捉手段と吸着手段との少なくともいずれか一方を通過後の一部浄化された水が流入するので、濾過手段を水中に含まれる異物から保護することができ、濾過機能をより効率よく発揮させることができる。
請求項4の発明によれば、イオン捕捉手段と吸着手段との少なくともいずれか一方には、濾過手段を通過後の一部浄化された水が流入するので、水中に含まれる異物からイオン捕捉手段と吸着手段との少なくともいずれか一方を保護することができる。これにより、イオン捕捉手段のイオン捕捉機能または吸着手段の吸着機能をより効率よく発揮させることができる。
請求項5の発明によれば、濾過手段に対し吸着機能を容易に付与することができる。
請求項6の発明によれば、セラミックの表面に高温で焼成した吸着手段を形成できるため、セラミック内の中空部にも吸着機能を持たせることが可能となり、吸着機能をより高めることができる。また、吸着した不純物を高温にて除去して再生することも可能となる。
請求項7の発明によれば、浄水器として、大型化や構造の複雑化を抑制しつつ多機能化させることができる。
本発明の一実施形態を示す浄水カートリッジの断面図である。 (a)は図1の浄水カートリッジに使用する中空糸膜の一部を拡大した断面図、(b)は(a)の中空糸膜の壁部を拡大した断面図である。 図2(b)の壁部に官能基を設けた断面図である。 図3の官能基の具体例を、(a)〜(d)にて各種示す模試的な断面図である。 図2(b)の壁部の内周面に吸着材や吸着繊維を設けた例を、(a)〜(c)にて各種示す模式的な断面図である。 図2(b)の壁部の内周面に吸着材や吸着層を設けた例を、(a),(b)にて各種示す模式的な断面図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
図1に示す浄水フィルタとしての浄水カートリッジ1は、カートリッジハウジング3内に配置した膜ケース5内に中空糸膜モジュール7を収容しており、例えば家庭用の浄水器に使用される。
カートリッジハウジング3は、円筒部3aと該円筒部3aの両端に位置する端板部3b,3cとを有して全体として円筒形状を呈し、図中で下部側の端板部3bの中央に原水の流入口9を、同上部側の端板部3cの中央に処理(浄化)後の水(以下処理水と言う)の流出口11を設けている。なお、実際には、端板部3bと端板部3cとのいずれか一方が、円筒部3aに対して着脱可能となる蓋部材を構成することになるが、図1ではそのような構造は省略している。
膜ケース5は、カートリッジハウジング3における円筒部3aの内周面にほぼ接触する円筒形状を呈し、流出口11側の端部外周と円筒部3aの内周面との間に、環状のシール材13を介装している。
なお、膜ケース5の流入口9側の開口を閉塞して側部に開口を設け、この開口に対応して流入口9に代わる流入口を、カートリッジハウジング3の側壁に設けるようにしてもよい。
中空糸膜モジュール7は、濾過手段としての多数の中空糸膜15をU字状に折り曲げて形成してあり、その折曲部15aを流入口9側に対応させる一方、処理水が流出する開口端部15bを流出口11側に対応させている。この際、折曲部15aと端板部3bとの間の膜ケース5内には流入空間17を形成する一方、開口端部15bと端板部3cとの間には、集水部となる流出空間19を形成している。流出空間19は、流入空間17に比較して充分小さく設定している。
また、中空糸膜モジュール7の開口端部15b側は、接着剤として機能する封止材21によって、複数の中空糸膜15相互間を密閉状態で固定するとともに、外周側部分を膜ケース5の内周面に対して密閉状態で固定している。
このような中空糸膜モジュール7は、流入口9から流入空間17に流入した原水が、中空糸膜15の外部から内部に流れる際に、原水中に混入する異物である微粒子成分(濁度成分)を捕捉して濾過する。
中空糸膜15は、図2(a)に示すように、内部に中空部23を備えて円筒のストロー状に形成され、その壁部25のA部を拡大した図2(b)に示すように、基材となる樹脂で形成する肉部27相互間に、複雑に分岐、集合を繰り返す複数の貫通孔29を備えている。この貫通孔29を、原水が壁部25の外周面25a側から流入して、内周面25b側から中空部23に流出するように流れる。
その際、原水中に混入する、貫通孔29の孔径より大きい粒子を捕捉する。捕捉した粒子は、貫通孔29を閉塞するものの、複数の貫通孔29が分岐、集合するため、原水は他の迂回路を形成する別の貫通孔29を通して内周面25b側に向けて流れる。
このような中空糸膜15は、例えば外周側の貫通孔29の孔径を小さくして濾過機能を持たせる一方、内周側の肉部27を太くしかつ貫通孔29の孔径を大きくすることで、強度を上げかつ膜圧損失を小さくすることもできる。
なお、家庭用浄水器に使用する中空糸膜15は、サブミクロン程度以上の大きさの粒子を捕捉する精密濾過膜(MF)が通常使用され、具体的には0.1μm以上の粒子を捕捉するものが一般的であり、より微細な原水中の溶解成分を捕捉する機能は備えていない。
より微細な原水中の溶解成分を捕捉する膜としては、逆浸透膜(RO)や限外濾過膜(UF)がある。逆浸透膜は、水に溶解したイオンや分子を除去する目的で使用されるが、膜の透過流束が小さいため、水の流入側に残存するイオンや分子が濃縮された水が、処理水とは別に排水されることになり、精製されたイオンなどを含まない透過(処理)水量は原水の3分の1〜5分の1位となってしまう。
また、限外濾過膜は逆浸透膜より大きな水溶性高分子(数nm〜数10nm)を除去するのに適しており、水中の微粒子はほぼ除去することができるが、膜自体の圧力損失が大きい。
したがって、本実施形態では、これら逆浸透膜や限外濾過膜よりさらに大きな微粒子を除去するのに適した精密濾過膜(MF)を用いることで、限外濾過膜よりも圧力損失が小さく、逆浸透膜よりも高い透過流束を発揮でき、コスト的にも有利な特に家庭用浄水器に好適なものとなる。
このような精密濾過膜を使用した本実施形態の中空糸膜15は、その壁部25の外周面25a及び内周面25bに、原水中に混入するより微細な溶解成分を除去する機能を備えたイオン捕捉手段及び吸着手段をそれぞれ設けるものとする。すなわち、本実施形態では、濾過手段である中空糸膜15が、イオン捕捉手段と吸着手段との少なくともいずれか一方を備えていることになる。
中空糸膜15の壁部25の外周面25aに設けたイオン捕捉手段は、図3に示すように、壁部25の外周面25aと、内周面25b及び内周面25b近傍の肉部27を除く肉部27の表面とに、官能基をそれぞれ形成した官能基導入層31を設けて構成している。
官能基としては、例えば図4(a)に示すように、弱酸性のカルボキシル基33を導入(付与)すると、原水中で一部が負の電荷を持つ官能基となる。また、図4(b)に示すように、強酸性のスルホン酸基35を導入(付与)すると、負の電荷を持つ官能基となる。これらは、正の電荷を有する金属イオンを捕捉するのに有効である。弱酸性の官能基では、強酸性の官能基に比較してイオン交換能が低くなるが、再生が容易である。逆に、強酸性の官能基では、弱酸性の官能基に比較して再生が困難であるが、イオン交換能が高くなる。
一方、図4(c)に示すように、弱塩基性のジメチルアミノエチル基37は、原水中で一部が正の電荷を持つ官能基となり、また図4(d)に示すように、トリメチルアミノエチル基39は、原水中で正の電荷を持つ官能基となる。これらは、負の電荷を有する有機酸や表面に負の電荷を帯びた細菌の捕捉に有効である。弱塩基性の官能基では、強塩基性の官能基に比較してイオン交換能が低くなるが、再生が容易である。逆に、強塩基性の官能基では、弱塩基性の官能基に比較して再生が困難であるが、イオン交換能が高くなる。
特に、4級アミン構造を有する官能基をドデシルジメチルアミノエチル基などの、長鎖アルキルなどの疎水性部分を有する塩基性官能基とすることで、抗菌性を持たせることができる。また、酸性官能基にあらかじめ銀イオン、銅イオンなどの抗菌性を有する金属イオンを担持させ、水中の陽イオンとイオン交換しながら、抗菌性金属イオンを水中に徐放することもできる。
その他、イミノジアセテート基など金属イオンをキレート形成により捕捉する官能基や、グルカミン基などでホウ酸やフッ酸をキレート形成により捕捉する官能基の導入も可能であり、これにより濃度の低い金属、特に重金属イオンの除去が効果的であり、より選択的に対象成分の捕捉が可能となる。
このように、本実施形態では、中空糸膜15の壁部25の外周面25aと、内周面25b及び内周面25b近傍の肉部27を除く肉部27の表面に、官能基を設けている。これにより、中空糸膜15に接触する原水が、壁部25を通過することで貫通孔29により濾過処理され、かつ、原水中に存在する逆の電荷を有するイオン成分が官能基により捕捉されて浄化さる。
この際、本実施形態では、官能基を、壁部25の内周面25b近傍の肉部27を除く肉部27の表面、すなわち水との接触面のほぼ全域に設けているので、原水との接触面積を大きく取れ、中空糸膜15を多機能化するのに有効である。
上記した官能基は、中空糸膜15の基材に直接導入してもよいし、別の素材で官能基を有するポリマを合成し、その希薄溶液を中空糸膜基材に含浸してコーティングする方法でもよく、官能基を有するポリマの繊維を接着してもよい。さらに、中空糸膜15の基材をプラズマ処理で反応させて官能基を化学的に結合させてもよい。また、官能基は1つの種類でもよく、複数種を組み合わせて導入してもよい。
なお、官能基は、図3における壁部25の外周面25aにのみ設けてもよく、外周面25a及び内周面25bと肉部27の表面、すなわち水との接触面すべてに設けてもよい。
一方、中空糸膜15における壁部25の内周面25bに設ける前記した吸着手段は、図5(a),(b)に示すように、活性炭やゼオライトからなる吸着材41を、結合材としての繊維状高分子のバインダ43を介して肉部27の表面に固定する。この吸着材41によって原水中に混入する不純物である、例えばトリハロメタンやカビ臭成分など、電気的に中性な粒子を吸着により除去する。
上記図5(a),(b)での吸着材41の固定方法としては、内周面25bに吸着材41を供給しながらバインダ43を溶射してもよいし、バインダ43に代えてバインダ希薄溶液を噴射してもよい。また、吸着材41を混合したバインダを内周面25bにコーティングする方法でもよい。
また、図5(c)のように、あらかじめ吸着材を練り込んだ繊維、または繊維そのものに吸着機能を付与した吸着繊維45を、壁部25(肉部27)の内周面25bに図示しないバインダを介して固定して吸着手段としてもよい。
さらに吸着手段として、図6(a)に示すように、壁部25(肉部27)の内周面25bに、結合材となる固定層47を設けその固定層47に吸着材41の一部を埋没させて固定してもよい。
また、図6(b)に示すように、壁部25(肉部27)の内周面25bに、未処理の吸着前駆材(炭素素材)をコーティング(塗布)した後、高温で焼成・賦活することにより吸着活性を付与して多孔質の吸着層49を設けてもよい。ただし、この図6(b)の例では、濾過手段として樹脂製の中空糸膜ではなく、高温に強い特性を持つセラミックを使用する。この場合、セラミックの粒子同士が高温焼成により相互に融着し、その間隙が前記図2(b)に示した貫通孔29に相当する貫通孔となる。この場合にも、成形されたセララミック膜の内周面25bに、図5(a),(b)に示した吸着材41や図5(c)に示した吸着繊維45を設けることが可能である。
濾過手段の基材をセラミックとした場合の高温で焼成・賦活することにより形成する吸着層49は、例えば、フェノール系樹脂を溶剤に溶解させて塗布し乾燥させた後、窒素雰囲気下にて600℃〜900℃で焼成することにより得ることができる。さらに、フェノール系樹脂を、水蒸気雰囲気など各種条件下で同等の温度で賦活処理すると、樹脂が活性炭として機能するようになり、塗布された表面に吸着材の機能を付与することが可能となる。
上記した吸着機能を得るための焼成・賦活温度ではセラミックが溶融することはなく、また、強アルカリなどの特殊な溶剤を除けば、耐溶剤性も高いため溶液塗布する場合の溶剤の選択幅も広くなり、中空糸膜15に比較して、壁部25内の細密な貫通孔29内部への吸着機能の導入が可能となる。
さらに、高温処理が可能な多機能膜とすることができるため、吸着層49に吸着された被吸着物質を高温にて脱着させて再生することも容易になる。
なお、上記図5(a)〜(c)及び図6(a)による中空糸膜15に対する吸着手段の固定方法は、いずれか一つの方法のみでなくてもよく組み合わせてよい。
また、吸着材41(吸着繊維45や吸着層49も同様)としては、活性炭やゼオライトなどに限るものではない。ただし、中空糸膜15などの濾過手段への固定を考慮すれば1mm以下の細粒のものが好ましい。より好ましくは0.1mm以下のものがよい。
なお、吸着材41を固定する際に使用するバインダ43などの結合材としては、例えばポリエステル系、ポリアミド系、セルロース系、ポリオレフィン系、アクリル系、メタクリル系、ビニル系、ABS系などの有機バインダでもよいし、カオリン、ベントナイト、酸性白土などの無機バインダでもよい。また、エポキシ系、カルボジイミド系、ジシリケート系、アクリレート系、イソシアネート系など種々の架橋剤を介して直接吸着材41と中空糸膜15とを共有結合で固定することも可能である。これらの固定方法は、互いに組み合わせて適用してもよく、濾過手段を構成する基材により最適な方法を選択すればよい。
このように構成した浄水カートリッジ1では、図1の流入口9から流入空間17に流入した原水が、中空糸膜15の外部から内部に向けて流れる際に、図3の壁部25における官能基導入層31に接触することで、原水中の溶解成分である金属イオンや有機酸あるいは細菌を捕捉する。
また、原水が貫通孔29を通過する際には、貫通孔29の孔径より大きい粒子を捕捉して濾過する。
さらに、壁部25の下流側である内周面25b側では、中空部23に流出した原水中のトリハロメタンなど、貫通孔29を通過した不純物を吸着によって捕捉する。
このようにして浄化された処理水は、中空糸膜15内の中空部23から図1に示す開口端部15bを経て流出空間19に流出し、さらに流出口11から外部に流出して浄水として使用可能となる。
このように、本実施形態の浄水カートリッジ1は、0.1μm以上の微粒子成分を主として除去する中空糸膜15自体が、金属イオンや細菌を捕捉する官能基導入層31と、トリハロメタンなどの不純物を吸着する吸着材41や吸着繊維45とを、一体的に備えている。このため、浄水フィルタとして、大型化や構造の複雑化を抑制しつつ多機能化させることができる。
なお、図4の官能基や吸着材を設定する基材としては、濾過手段として一般的な中空糸膜15の素材として使用されるポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂やポリスルフォン系樹脂、フッ素系樹脂などでよく、不織布として利用されるポリエステル系樹脂、ナイロンのどのポリアミド系樹脂などでもよい。また、発泡体として利用されるポリビニルアルコールや酢酸ビニルなどのビニル系樹脂でもよく、セルロースなどの天然系樹脂でもよい。
また、形状も中空糸膜状に限定されず、ハニカム状、樹脂粒溶着体、スポンジ様の連続気泡を有する発泡体や不織布などでもよい。さらに、図6(b)のように加工が可能であればセラミックなどの無機素材でもよい。
なお、上記した実施形態では、図3のように中空糸膜15における壁部25の外周面25aと、内周面25b近傍の肉部27を除く肉部27の表面とに官能基導入層31を、壁部25の内周面25bに吸着材41や吸着繊維45を、それぞれ設けている。この構成とは逆に、外周面25aに吸着材41や吸着繊維45を、内周面25b及び外周面25a近傍の肉部27を除く肉部27の表面に官能基導入層31を設けてもよい。
また、吸着材41や吸着繊維45を設けずに官能基導入層31のみ設けてもよく、逆に、官能基導入層31を設けずに吸着材41や吸着繊維45のみ設けてもよい。ここで、官能基導入層31を、原水の流入側である外周面25a、または外周面25a及び内周面25b側の肉部27を除く肉部27の表面に設けた場合には、官能基の利用効率が高まり、より高機能の浄水カートリッジ1とすることができる。その際、中空糸膜15は、官能基導入層31を通過後の一部浄化された水が流れることになるので、原水中に含まれる異物から保護することができ、濾過機能をより効率よく発揮させることができる。
一方、官能基導入層31を、内周面25b、または内周面25b及び外周面25a側の肉部27を除く肉部27の表面に設けた場合には、官能基導入層31は、中空糸膜15を通過後の一部浄化された水が流れることになるので、原水中の異物による劣化を抑えることができる。
また、吸着材41や吸着繊維45を、原水の流入側である外周面25aに設けた場合には、貫通孔29の内壁への異物の堆積を抑制し、貫通孔29の閉塞を防いで中空糸膜15による濾過機能をより効率よく発揮させることができる。
逆に、吸着材41や吸着繊維45を、原水の流出側である内周面25bに設けた場合には、原水中の異物による吸着材41や吸着繊維45の劣化を抑えることができ、吸着性能をより効率よく発揮させることができる。
また、中空糸膜15に、官能基導入層31と、吸着材41や吸着繊維45とのいずれか一方のみ設けた場合には、他方を、膜ケース5内の例えば流入空間17内、または、流入空間17と連通する貫通孔を備えた仕切板により設定する別空間内に、収納配置してもよく、あるいは別カートリッジとして配置してもよい。
また、上記した実施形態では、中空糸膜15が、原水を壁部25の外周面25aから内周面25bに向けて流す外圧式としているが、これとは逆に、原水を壁部25の内周面25bから外周面25aに向けて流す内圧式としてもよい。内圧式とした場合には、図1の流出口11が原水の流入口となり、流入口9が処理水の流出口となる。
1 浄水カートリッジ(浄水フィルタ)
15 中空糸膜(濾過手段)
31 官能基導入層(イオン捕捉手段)
41 吸着材(吸着手段)
43 繊維状高分子のバインダ
45 吸着繊維(吸着手段)
49 吸着層(吸着手段)

Claims (7)

  1. 水を濾過する濾過手段を備える浄水フィルタであって、前記濾過手段が、前記濾過する水中に混入するイオンを捕捉するイオン捕捉手段と、前記濾過する水中に混入する不純物を吸着する吸着手段との少なくともいずれか一方を備えていることを特徴とする浄水フィルタ。
  2. 前記濾過手段の水と接触する表面に、前記イオン捕捉手段と前記吸着手段との少なくともいずれか一方を設けたことを特徴とする請求項1に記載の浄水フィルタ。
  3. 前記濾過手段の水の流入側に前記イオン捕捉手段と前記吸着手段との少なくともいずれか一方を設けたことを特徴とする請求項2に記載の浄水フィルタ。
  4. 前記濾過手段の水の流出側に前記イオン捕捉手段と前記吸着手段との少なくともいずれか一方を設けたことを特徴とする請求項2に記載の浄水フィルタ。
  5. 前記吸着手段は、結合材により前記濾過手段に固定されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の浄水フィルタ。
  6. 前記濾過手段をセラミックで構成したことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の浄水フィルタ。
  7. 請求項1ないし6のいずれか1項に記載の浄水フィルタを備えたことを特徴とする浄水器。
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