JP2002300708A - 絶縁被覆構造及び絶縁被覆方法 - Google Patents

絶縁被覆構造及び絶縁被覆方法

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JP2002300708A
JP2002300708A JP2001099833A JP2001099833A JP2002300708A JP 2002300708 A JP2002300708 A JP 2002300708A JP 2001099833 A JP2001099833 A JP 2001099833A JP 2001099833 A JP2001099833 A JP 2001099833A JP 2002300708 A JP2002300708 A JP 2002300708A
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insulating
insulating tape
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insulating coating
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Yasutami Sugiyama
安民 杉山
Shigehiro Tsuda
滋宏 津田
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Original Assignee
Sumiden Transmission and Distribution Systems Products Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鳥・樹木などの接触による地絡を防止し、風
圧荷重が小さく施工性がよい裸電線及びその支持装置の
少なくとも一方に施す絶縁被覆構造を提供する。 【解決手段】 絶縁被覆構造10は、ジャンパ線1や引留
クランプ2Aなどに絶縁テープ11を螺旋状に巻き付けた構
造で、ジャンパ線1に絶縁性の水抜き栓20を具える。絶
縁テープ11は、ジャンパ線1などの外周に沿って密着す
る程度の可撓性を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鳥・樹木などの接
触による地絡を防止するために裸電線及びその支持部材
の少なくとも一方に施す絶縁被覆構造及び絶縁被覆方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、ジャンパ線を含む架空送電線
は、図4に示すように鉄塔31に支持される。この架空送
電線は、鋼心アルミ撚線(ACSR)・硬銅撚線(HDCC)な
どが用いられ、通常、絶縁被覆がされない裸電線であ
る。そのため、カラスなどの鳥がジャンパ線1に止まっ
て翼を広げた際、鉄塔31のアーム材32に触れることや、
営巣材として針金などを銜えてアーム材32に止まった
際、針金の先がジャンパ線1に触れることで地絡が起こ
ることがある。この対策として、アーム材32に絶縁性シ
ートを被せて絶縁被覆を施すことが行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、アーム材32は
等辺山形鋼で形成された断面がL字状の部材であるた
め、その形状に沿って絶縁性シートを密着させにくく、
特に、その谷側の面において装着性が悪いという問題が
ある。そのため、紫外線硬化型のシートがよく用いられ
ているが、このシートは、可撓性が悪くアーム材32に完
全に密着させるまで時間がかかるため施工性が悪い。ア
ーム材32に施す別の絶縁被覆として、例えば、実開昭61
-124920号公報開示の絶縁カバーがある。この絶縁カバ
ーは、長手方向に開口部を具える波形の筒状カバーで、
上記開口部からアーム材に被せて固定具により固定する
ものである。しかし、上記いずれの絶縁被覆において
も、被覆対象であるアーム材32に完全に密着させていな
いため、耐電圧性が低くなるという問題がある。
【0004】ジャンパ線1に施す絶縁被覆として、例え
ば、実開平3-39326号公報開示の鳥害防止装置がある。
この装置は、円環状のスペーサをジャンパ線に取り付
け、その外周を絶縁材料からなる網で覆ったものであ
る。この装置において例えば、送電電圧66kVの架空送電
線に対して十分な耐電圧性を得ようとすると、上記スペ
ーサの径を大きくする必要がある。しかし、架空送電線
は、大径になるほど風圧荷重が大きくなるため、できる
だけ小径であることが望ましく、上記装置は実用的でな
い。上記の問題に加えてこの装置は、離間して取り付け
てあるスペーサの上に網を被せるため、作業性が極めて
悪い。
【0005】ジャンパ線やアーム材に鳥などが接触して
地絡が起こる以外にも、鉄塔31間の本線4、特に垂れ下
がった最低部に樹木などが接触することで地絡が起こる
ことがある。
【0006】そこで、本発明は、鳥・樹木などの接触に
よる地絡を防止し、風圧荷重が小さく施工性がよい裸電
線及びその支持部材の少なくとも一方に施す絶縁被覆構
造を提供することを目的とする。また、本発明は、裸電
線に対する絶縁被覆方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、裸電線及びそ
の支持部材の少なくとも一方の外周に絶縁テープを巻き
付けた鳥害対策・樹木接触対策のための絶縁被覆構造で
あって、絶縁テープは、被覆対象の外周に沿って密着す
る程度の可撓性を有することを特徴とする。即ち、本発
明絶縁被覆構造は、被覆対象の外周に巻回された絶縁テ
ープ層を具える。ここで、裸電線の支持部材とは、架空
送電線を支持する鉄塔のアーム材、本線及びジャンパ線
を引き留める引留クランプなどである。
【0008】本発明絶縁被覆構造は、被覆対象の外周に
沿って密着する程度の可撓性を有する絶縁テープを用い
るため、様々な形状の被覆対象に対応することができ、
装着性がよい。例えば、本発明絶縁被覆構造は、以下の
被覆対象に対してもその外周に沿って確実に密着させる
ことが可能である。 アーム材の谷側の面。 ジャンパ線にT字状などの分岐をとった場合におけ
る分岐箇所。 曲線的に撓んでいる裸電線。
【0009】上記密着性に優れることに加えて本発明絶
縁被覆構造は、被覆対象に絶縁テープを巻き付けること
で得られるため、施工性が極めてよい。例えば、従来の
絶縁材では、被覆対象がT字状などの特異形状である場
合、被覆対象の外周に沿って施すことが非常に困難であ
るが、本発明絶縁被覆構造は、T字状分岐箇所や撓んだ
裸電線などを容易に被覆することができる。また、本発
明絶縁被覆構造は、例えば、撓んだ裸電線などの被覆対
象の外周に沿って連続的に施すことも容易である。
【0010】裸電線に本発明絶縁被覆構造を施した場
合、裸電線の撚りに沿って雨水が絶縁テープ層内に侵入
して溜まることがあり、これを排出する必要がある。そ
こで、本発明絶縁被覆構造は、裸電線に取り付け自在な
絶縁性の水抜き栓を具える。水抜き栓を具えることで本
発明絶縁被覆構造は、雨水の滞溜による裸電線の腐蝕の
防止や、溜まった雨水の凍結による引留クランプなどの
圧縮部分の弛緩を防止することができる。このような水
抜き栓は、雨水を効率よく排出するために、垂れ下がっ
た裸電線の最低部に取り付けることが最適である。
【0011】本発明絶縁被覆構造は、裸電線と支持部材
とを別個に施してもよいが、裸電線とその支持部材とに
連続的に施してもよい。例えば、ジャンパ線から連続し
てジャンパ線を鉄塔に引き留める引留クランプまで本発
明絶縁被覆構造を施してもよい。このとき、引留クラン
プの少なくとも一部、特にジャンパ線との連結側(ジャ
ンパソケット)にまで本発明絶縁被覆構造を具えること
が好ましい。この理由は、ジャンパ線の一部または全部
のみに本発明絶縁被覆構造を施した場合、ジャンパ線の
端部はジャンパソケットに挿入して圧縮されているた
め、ジャンパソケットとの連結部分から雨水が入って絶
縁テープとの間に雨水が溜まるからである。なお、ジャ
ンパ線からジャンパソケットまで連続して本発明絶縁被
覆構造を具えることで絶縁テープとの間に雨水が溜まる
ことを防止できるため、水抜き栓を省略してもよい。同
様に本発明絶縁被覆構造を本線に施す場合においても、
鉄塔付近などの雨水が溜まりにくい箇所に施す場合は、
水抜き栓を省略してもよい。
【0012】以下、具体的に本発明絶縁被覆構造を説明
する。本発明絶縁被覆構造において絶縁テープ層は、要
求される耐電圧性を有する程度の厚みを具えていれば、
単層でも多層でもよい。絶縁テープ層の厚みとして、例
えば、送電電圧77kV(対地間電圧44.5kV、対地間電圧:
交流三相三線式の場合、線間電圧の1/√3)の裸電線に
対しては、4.0mm〜8.0mm程度、特に好ましくは4.0mm程
度の厚さが適する。送電電圧66kV(対地間電圧38.1kV)
の裸電線に対しては、3.0mm〜6.0mm程度、特に好ましく
は3.0mm程度の厚さが適する。絶縁テープの幅は、適宜
巻回作業が行い易い値を選択すればよい。裸電線や引留
クランプなどに施す場合は、例えば、30mm〜80mm程度が
好ましい。なお、単層の場合、絶縁テープ一層の厚みが
肉厚になるため、巻き付け時間が少なくて済む。多層の
場合は、絶縁テープ一層の厚みが薄肉になるため、巻き
付け易くなる。
【0013】裸電線や引留クランプなどに上記絶縁テー
プを巻き付ける場合、被覆対象の外周を覆うように螺旋
状に巻き付けるとよい。巻き付け方は、一部を重ねた巻
き付け、隙間を空けずに付き合わせた巻き付け、鳥の足
や営巣材などが入らない程度に離間させた巻き付けのい
ずれでもよいが、重ね巻きが耐電圧性・強度の面から優
れている。多層にする場合は、同一方向の巻き付けによ
る隙間をなくすために、各層毎に反対方向に絶縁テープ
を巻き付けることが望ましい。
【0014】ジャンパ線において分岐をとる場合には、
分岐箇所に予め矩形状の絶縁テープ片を貼り付けてから
絶縁テープを巻き付けていくとよい。例えば、T字状分
岐箇所では、水平幹線部と垂直分岐部とが交差する付近
に矩形状片を貼り付けておき、直線状の部分である水平
幹線部と垂直分岐部とを別個にして絶縁テープを巻き付
けるとよい。
【0015】アーム材などに本発明絶縁被覆構造を施す
場合は、巻き付け時間を短縮するために被覆対象の大き
さ(周方向の長さ・長手方向の長さ)に適合させた絶縁
テープを用いることが好ましい。例えば、絶縁テープの
幅をアーム材の周方向の長さとし、絶縁テープの長さを
アーム材の長手方向の長さを覆うことができる程度の長
さとするとよい。具体的には、被覆対象が一辺の長さ80
mmのアーム材である場合、絶縁テープの幅は、アーム材
の周方向の長さ(320mm)に余長を含めた400mm程度、絶
縁テープの長さは、4000mm程度が好ましい。アーム材な
どのように被覆対象が平面で構成されている場合は、裸
電線や引留クランプなどに巻き付ける絶縁テープよりも
幅を広くしても、絶縁テープを貼り付け易く施工性が悪
くなることはほとんどない。
【0016】上記絶縁テープの巻き付けは、絶縁テープ
の幅方向の一部をアーム材の長手方向に貼り付けてお
き、周方向に巻き付け易い適当な長さに切断して一区間
とし、一区間ずつ被覆していくとよい。次の区間を被覆
する際には、アーム材に巻き付けた絶縁テープの長手方
向において一部を重ねることが好ましい。また、アーム
材などの角部では絶縁テープが薄くなり易く、耐電圧性
が小さくなることがあるので、被覆対象の角部には、別
個に絶縁テープ片を貼り付けて補強しておくことが好適
である。
【0017】本発明絶縁被覆構造に用いる絶縁テープ
は、被覆対象の外周に沿って密着する程度の可撓性を有
するものが最適である。このような絶縁テープとして、
絶縁性保護層と被覆対象の外周に装着し易いように接着
層とを具えるものが好ましい。絶縁性保護層は、例え
ば、シリコンゴムやエチレンプロピレンゴムなどの高絶
縁性の材料から形成されたものが適する。接着層は、例
えば、ポリイソブチレン系の接着剤などが適する。接着
層において被覆対象の外周との接着面には剥離紙を具え
ておくことが好ましい。剥離紙は、巻き付ける際に適宜
除去するとよい。なお、絶縁テープは、ロール巻きにし
ておくと扱い易い。
【0018】絶縁性の水抜き栓は、雨水で腐食すること
がなく、鳥・樹木などの接触により破損されにくい適度
の強度を具え、裸電線に取り付け易いことが好ましい。
このような水抜き栓として、例えば、上記絶縁テープ片
に水抜き用の孔を設け、その孔に排水孔を具える円筒な
どの筒材を挿通して端部を絶縁テープ片に固定させたも
のなどが適する。筒材は、例えば、ポリエチレン系樹脂
などで形成するとよく、筒材の長さ・排水孔の内径は、
雨水を容易に排出できる程度の大きさであればよい。
【0019】上記水抜き栓は、絶縁テープ片を裸電線に
貼り付けるだけで容易に取り付けられ、水抜き栓を裸電
線に貼り付けた後、絶縁テープ片の上に絶縁テープを巻
き付けることで、裸電線に確実に固定される。
【0020】次に、本発明絶縁被覆方法は、以下の工程
を具えることを特徴とする。 (1) 裸電線に絶縁性の水抜き栓を取り付ける工程。 (2) 被覆対象の外周に絶縁テープを巻き付ける工程。 これらの工程を具える絶縁被覆方法は、上記に説明した
絶縁テープと水抜き栓と用いることが好適である。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。図1(A)は、本発明絶縁被覆構造10をジャンパ線
1に部分的に施した説明図、同(B)は、本発明絶縁被覆
構造10を形成する絶縁テープ11の断面図、同(C)は、C
−C断面における本発明絶縁被覆構造10の水抜き栓20A
の断面図である。図面において同一記号は、同一物を示
す。本発明絶縁被覆構造10は、ジャンパ線1の外周に沿
って巻き付けた絶縁テープ11層と絶縁性の水抜き栓20と
を具える。以下、絶縁テープ11層・水抜き栓20Aを中心
に具体的に説明する。
【0022】本発明絶縁被覆構造10を形成する絶縁テー
プ11は、絶縁性保護層12と接着層13とを具える。本例に
おいて絶縁性保護層12は、エチレンプロピレンゴムによ
って形成した。接着層13は、ポリイソブチレン系のもの
を用いた。この接着層13の一面には、使用前において絶
縁性保護層12と接着層13とが接着し合わないように剥離
紙14を具えており、使用の際に取り除く。本例において
絶縁性保護層12・接着層13のそれぞれの厚さは、絶縁テ
ープ11の厚さが1.5mmの場合、保護層12:0.7mm、接着層
13:0.8mm、絶縁テープ11の厚さが2.0mmの場合、保護層
12:0.7mm、接着層13:1.3mmとした。以下、絶縁テープ
11の一例を示す。
【0023】
【表1】
【0024】表1中の性能は、以下の状態で調べた。 (引っ張り強さ・伸び) 通常状態:温度23±2℃ 湿度65±5%の状態 加熱後 :90±1℃×4時間加熱後、直ちに常温の水中
に30分間浸し、再び90±1℃×30分間乾燥、常温(10〜
30℃)に30分間放冷後の状態 (耐電圧)直径12.5mmの黄銅性球状電極の間に挟み、0.
5kgf(4.9N)の圧力を加えながら周波数50Hz又は60Hzの正
弦波に近い波形の交流電圧を速やかに0から規定電圧
(20kV)まで上昇(1kV/秒上昇)させ、1分間耐え得
る電圧 (破壊電圧)直径12.5mmの黄銅性球状電極の間に挟み、
0.5kgf(4.9N)の圧力を加えながら周波数50Hz又は60Hzの
正弦波に近い波形の交流電圧を速やかに0から規定電圧
(22kV以上)まで上昇(1kV/秒上昇)させ、破壊する
電圧 (耐熱性)100±2℃×2時間加熱した後、常温で約30
分間放置後の状態 (耐寒性)-20±2℃×2時間冷却した後、常温で約30
分間放置後の状態 (耐候性) 外 観 :JIS A 1415に規定するWS型促進防爆試験装
置またはこれに準ずるもので2000時間促進防爆した状態 耐電圧 :促進防爆後に上記耐電圧と同様 耐トラッキング性:試験電圧4000Vを印加しながら試験
液(NaCl:0.2%、表面活性剤:0.1%、導電度:約3000
μs/cm)を断続的に噴霧したとき試料表面に規定値(50
0mA)以上の流れ電流が生じる噴霧回数
【0025】次に、本発明絶縁被覆構造10における水抜
き栓について説明する。図2(A)は、水抜き栓20の正面
図、同(B)は、その下面図である。水抜き栓20は、雨水
を排出する排水孔22を具える筒材21と、ジャンパ線1に
取り付けるための接着シート23とを具え、筒材21を接着
シート23から突出させた構成である。
【0026】筒材21は、絶縁材料によって形成した円筒
で、中央に排水孔22を具える。本例では、ポリエチレン
系樹脂によって形成した。筒材21の端部には、接着シー
ト23に固定するために同じ絶縁材料で形成したフランジ
24を設けている。排水孔22の内径は、雨水が容易に排水
できる程度に設けてあればよく、本例では、10mm程度で
ある。筒材21の長さは、適宜選択するとよく、本例で
は、30mm程度である。
【0027】接着シート23は絶縁材料で形成したもの
で、本例では、絶縁テープ11片を用いた。この接着シー
ト23は、筒材21を固定できる程度の大きさであればよ
く、中央に筒材21を挿通するための孔を設けている。本
例において大きさは、50mm×50mmとした。絶縁テープ11
片は、使用前において接着面に剥離紙を具えておくとよ
い。
【0028】接着シート23に筒材21を固定するには、フ
ランジ24が接着シート23に当接するまで、筒材21を接着
シート23の孔に挿通させるとよい。より確実に固着させ
るために、フランジ24に別途接着剤を貼付してもよい。
上記により、水抜き栓20が得られる。
【0029】上記絶縁テープ11と水抜き栓20とを用いた
本発明絶縁被覆構造10の被覆方法を説明する(図1参
照)。 (1) 水抜き栓20Aを垂れ下がったジャンパ線1の最低部
に取り付ける。接着シート23の剥離紙を剥がし、図1
(C)に示すようにジャンパ線1の周方向に沿って接着シ
ート23を貼り付ける。水抜き栓20Aは、鉄塔31のアーム
材32にジャンパ線1を連結した際、筒材21の排水孔22が
下向きになるように配置する。なお、本発明絶縁被覆構
造10を被覆する際には、予めジャンパ線1の外周の埃な
どを取り払い、絶縁テープ11・水抜き栓20Aをジャンパ
線1に取り付け易いようにしておくことが望ましい。
【0030】(2) ジャンパ線1の外周に沿って絶縁テ
ープ11を螺旋状に巻き付ける。本例において絶縁テープ
11は、ジャンパ線1が露出しないように絶縁テープ11の
一部を重なるように巻き付けた。上記により、本発明絶
縁被覆構造10を得る。
【0031】上記においてジャンパ線1の損傷個所に補
強用の直線スリーブ6を具える場合、水抜き栓20Bは、
直線スリーブ6の隣り(引留クランプ2B側)に取り付け
るとよい。引留クランプ2B側に取り付けられることで水
抜き栓20Bは、引留クランプ2B端部から直線スリーブ6
付近に溜まる雨水を排出することができる。また、ジャ
ンパ線1の最低部に取り付けた水抜き栓20Aは、直線ス
リーブ6付近から引留クランプ2Aまでの雨水を排出する
ことができる。この直線スリーブ6には、上記ジャンパ
線1と同様にその外周に沿って絶縁テープ11を巻き付け
て本発明絶縁被覆構造を施すとよい。
【0032】本発明絶縁被覆構造10は、鉄塔31間の本線
4(図4参照)に同様に施してもよい。このとき、本線
4において最低部などの樹木などと接触し易い箇所に施
すとよい。なお、ジャンパ線1や本線4などに本発明絶
縁被覆構造10を施す場合、巻き付け外径が小さくて済む
ため、風圧荷重の増加を低減することができる。
【0033】次に、本発明絶縁被覆構造をアーム材に施
した例を説明する。図3(A)は、本発明絶縁被覆構造100
をアーム材32に施した状態を表す説明図、同(B)は、そ
の断面図である。本例において絶縁テープ101の基本的
構成・性能は、上記に示した絶縁テープ11と同様であ
り、大きさのみ異なる。本例において絶縁テープ101の
幅は、一辺32aが80mmのアーム材32を周方向に一周でき
る400mmとし、長さは、4000mmとした。
【0034】本発明絶縁被覆構造100は、アーム材32の
周方向に絶縁テープ101を巻き付けることで得られる。
以下、その手順を説明する。 (1) 図3(B)に示すようにアーム材32の角部32bに絶縁
テープ11片を貼り付けて補強する。本例では、厚さ2.0m
m、幅80mmの絶縁テープ11を用い、アーム材32の各角部3
2b全体を覆うようにアーム材32の長手方向に一層貼り付
けたが、アーム材32の長手方向に間隔をあけて貼り付け
てもよく、また複数層にしてもよい。
【0035】(2) 絶縁テープ101の幅方向の一部を位置
決め代とし、この位置決め代をアーム材32の長手方向に
貼り付けていき、アーム材32の周方向に巻き付け易い適
当な長さに切断する。この切断した長さを一区間とす
る。絶縁テープ101の位置決め代をアーム材32に貼り付
け易いように、剥離紙は、位置決め代部と巻き付け部と
に分けておき、位置決め代を貼り付ける際、位置決め代
部のみを剥がすとよい。本例において絶縁テープ101の
位置決め代は50mmとし、剥離紙の位置決め代部を50mm、
巻き付け部を350mmとした。
【0036】(3) 一区間分の絶縁テープ101をアーム材
32の周方向に巻き付ける。剥離紙の巻き付け部を剥が
し、絶縁テープ101をアーム材32の周方向に巻き付けて
いき余長を重ね合わすことで、アーム材32は、一区間分
が被覆される。本例において絶縁被覆構造100は、絶縁
テープ101を2回巻き付けた2層構造で、各層において
位置決め代の貼り付け位置をずらして余長の重ね合わせ
箇所が異なるようにしている。
【0037】(4) 次の区間を上記(3)と同様に巻き付け
ていき、本発明絶縁被覆構造100を得る。次の区間を被
覆する際には、絶縁テープ101の長手方向の一部を重ね
代102として、アーム材32の長手方向にも絶縁テープ101
を重ね合わせることが好ましい。本例において絶縁被覆
構造100は、図3(A)に示すように絶縁テープ101二区間
分を施しているが、一区間でも三区間以上でもよい。
【0038】上記により得られる本発明絶縁被覆構造10
0は、ジャンパ線付近のアーム材32などの全部または一
部に適宜施すとよい。また、本発明絶縁被覆構造100
は、アーム材32の外周に密着する程度の可撓性を有する
絶縁テープ101を用いるため、特に、谷側の面において
も絶縁テープ101がよく密着し、施工性が極めてよい。
【0039】なお、ジャンパ線1は、図4に示すように
各端部を引留クランプ2のジャンパソケットによって引
き留められ、この引留クランプ2を介して本線4に連結
される。また、ジャンパ線1は、引留クランプ2に接続
された碍子連3を介して鉄塔31のアーム材32に連結され
る。図4においてジャンパ線1は、ほぼ中央部を垂直碍
子5によって支持され、垂直碍子5の他端は、アーム材
32に連結されている。この構造により、ジャンパ線1が
風力荷重により繰り返し応力が加わって破断するのを防
止している。
【0040】(試験例1)本発明絶縁被覆構造10におい
て絶縁テープ11層の耐電圧性を調べてみた。実施例とし
て、絶縁テープ11層の厚さと積層数とを変えたものを用
いた。比較対象の比較例1・2は、鉄塔のアーム材に施
す従来の絶縁性シートであり、共にエチレンプロピレン
から形成された絶縁性保護層とポリイソブチレン系の接
着層とを具えるものを用いた。比較例1は、絶縁性保護
層の片面にのみに接着層を具えるもの、比較例2は、同
両面に接着層を具えるものである。これらの絶縁材は、
裸電線外径φ9.3mm、断面積60mm、長さ1.5mのHDCCに
施した。
【0041】
【表2】
【0042】
【表3】
【0043】試験の結果、いずれの実施例においても、
比較例に比して非常に優れた耐電圧性を具えることが分
かる。実施例において、厚さ1.5mmの絶縁テープ層を少
なくとも2層具えることで、40kV以上の電圧に耐え得る
ことが確認された。同様に、厚さ2.0mmの絶縁テープ層
を少なくとも2層具えれば、50kV以上の電圧に耐え得る
ことが確認された。従って、本発明絶縁被覆構造10は、
送電電圧66kV(対地間電圧38.1kV)に対して厚さ1.5mm
の絶縁テープ層を少なくとも2層具えたものが適するこ
とが分かった。同様に、送電電圧77kV(対地間電圧44.5
kV)に対して厚さ2.0mmの絶縁テープ層を少なくとも2
層具えたものが適することが分かった。実施例9におい
て、絶縁テープ層が1層の場合は、送電電圧が66kVより
小さい架空送電線に対して使用できることが分かった。
【0044】上記優れた耐電圧性のほか、本発明絶縁被
覆構造10は、ジャンパ線に施して定格電流を流した際、
ジャンパ線(導体)が最高使用温度に達することはな
く、熱放散を阻害しないことが確認できた。また、絶縁
テープ層の積層数を多くするほど耐電圧性に優れている
ことがこの試験の結果からも明らかであるが、実施例
は、施工性と耐電圧性とのバランスが最もとれたもので
ある。
【0045】一方、表3に示すように比較例1・2の絶
縁性シートは、被覆の厚さが同じであっても耐電圧性が
極めて低く、裸電線には適さないことが分かった。
【0046】(試験例2)試験例1と同様に、本発明絶
縁被覆構造100において絶縁テープ101層の耐電圧性を調
べてみた。この試験例において本発明絶縁被覆構造100
は、厚さ2.0mmの絶縁テープ101(絶縁性保護層:0.7m
m、接着層:1.3mm)を2回巻き付けた2層構造で、一辺
32aが80mmのアーム材32に施した。
【0047】この結果、重ね代102において、絶縁テー
プ101の重ね合わせ部分を貫通し49.5kVの電圧で絶縁破
壊(F.O)した。この試験例により本発明絶縁被覆構造1
00は、送電電圧77kVに対して適用できることが確認され
た。また、この試験例において重ね代102を30mmとして
いたが、その長さを変える、例えば50mm程度にすること
で耐電圧値が大きくなることが分かった。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように本発明絶縁被覆構造
によれば、高い絶縁性を具え、かつ施工性が極めてよい
という優れた効果を奏し得る。また、本発明絶縁被覆構
造は装着性に優れ、気候・温度などによって剥離しにく
い。更に、本発明絶縁被覆構造は、既存の裸電線におい
て施すことができることに加えて、同一の絶縁材(絶縁
テープ)をその支持部材においても適用でき、汎用性が
高い。
【0049】上記のほか、本発明絶縁被覆構造は、被覆
対象の外周に沿って絶縁テープを巻き付けることによっ
て得られるため、以下の効果を奏する。 従来の絶縁材に比較して施工後の径がはるかに小さ
くでき、本発明絶縁被覆構造を具えた裸電線に加わる風
圧荷重の増加を低減することが可能である。 裸電線の曲線的な弛みに沿って連続的に施すことが
可能である。 特に、裸電線に施す場合、必要箇所のみに施すこと
ができ経済性がよい。 紫外線硬化型の絶縁性シートに比較して、被覆対象
に密着させるのに時間がかからず、施工性がよい。
【0050】一方、本発明絶縁被覆構造は、水抜き栓を
具えることで裸電線に雨水が溜まることがなく、それに
伴う不具合がほとんどない。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は、本発明絶縁被覆構造をジャンパ線に部
分的に施した説明図、(B)は、絶縁テープの断面図、(C)
は、C−C断面における水抜き栓の断面図である。
【図2】(A)は、本発明絶縁被覆構造の水抜き栓の正面
図、(B)はその下面図である。
【図3】(A)は、本発明絶縁被覆構造をアーム材に施し
た説明図、(B)は断面図である。
【図4】ジャンパ線を含む架空送電線を鉄塔に配置した
状態を表す説明図である。
【符号の説明】
1 ジャンパ線 2・2A・2B 引留クランプ 3 碍子
連 4 本線 5 垂直碍子 6 直線スリーブ 10・100 絶縁被覆構造 11・101 絶縁テープ 12 絶
縁性保護層 13 接着層 14 剥離紙 20・20A・20B 水抜き栓 21 筒材 22 排水孔 23
接着シート 24 フランジ 31 鉄塔 32 アーム材 32a 一辺 32b 角部 102 重ね代
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H02G 7/20 H01B 7/28 D Fターム(参考) 5G309 QA09 5G313 EA09 EB12 5G367 AA01 AB04 AD09 BA03 BB04 BB11 JA09

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被覆対象の外周に絶縁テープを巻き付け
    た絶縁被覆構造であって、 前記被覆対象は、裸電線及びその支持部材の少なくとも
    一方であり、 前記絶縁テープは、被覆対象の外周に沿って密着する程
    度の可撓性を有することを特徴とする絶縁被覆構造。
  2. 【請求項2】 裸電線に取り付けられる絶縁性の水抜き
    栓を具えることを特徴とする請求項1記載の絶縁被覆構
    造。
  3. 【請求項3】 水抜き栓は、垂れ下がった裸電線の最低
    部に取り付けられることを特徴とする請求項2記載の絶
    縁被覆構造。
  4. 【請求項4】 裸電線に絶縁性の水抜き栓を取り付ける
    工程と、 裸電線の外周に絶縁テープを巻き付ける工程とを具える
    ことを特徴とする絶縁被覆方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006340473A (ja) * 2005-06-01 2006-12-14 Chugoku Electric Power Co Inc:The 絶縁変台
JP2011062054A (ja) * 2009-09-14 2011-03-24 Asahi Electric Works Ltd 相間スペーサ
CN104242208A (zh) * 2014-09-22 2014-12-24 国家电网公司 一种架空输电线路双回电缆终端钢管杆

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