JP2002299942A - 光制御フェーズドアレイアンテナの位相制御装置および光制御フェーズドアレイアンテナ・システム - Google Patents
光制御フェーズドアレイアンテナの位相制御装置および光制御フェーズドアレイアンテナ・システムInfo
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Abstract
相制御装置の移相器を複数の波長で共用し回路数を削減
することにより,アンテナシステム全体で位相制御装置
の小型軽量化および簡素化を可能にする。 【解決手段】 位相制御装置3は,制御対象となるアン
テナ素子の制御単位数分の波長(例えば676波長)が
多重化された光信号を入力し,波長分波器31により各
波長ごとに分波し,光スイッチマトリクス32によりそ
れぞれの波長の信号を所定の移相量のRF帯移相器33
に導く。RF帯移相器33により,入力信号についてア
ンテナ素子の励振分布に応じた移相量の移相を行い,そ
の出力を光合成器34により合成する。その出力を光フ
ァイバ73を通して波長分波器4に送信し,波長分波器
4で波長ごとに分波し,サブアレイユニット60のアン
テナ素子の励振に用いる。
Description
大型平面展開アクティブフェーズドアレイアンテナに対
する給電に適した光制御フェーズドアレイアンテナの位
相制御装置に関するものである。
今後ますます衛星通信の重要性が増してくる状況にあ
る。地上局の小型化や高速・広帯域の大容量通信に対応
するため,衛星搭載アンテナも大型化の傾向にあり,こ
れに適したものとして大型平面展開アクティブフェーズ
ドアレイアンテナの利用が考えられている。
徴として,移相器による柔軟なビーム制御が可能である
こと,広角ビーム走査性があること,大口径化・高周波
化に対し,移相器での鏡面精度の維持が容易であるこ
と,アクティブアレイ方式により高出力増幅器の分散が
可能であるため,耐故障性,個々の増幅器の出力低減に
よる効率向上を図ることができることなどが挙げられ
る。
アンテナの問題点としては,給電系が導波管や同軸ケー
ブルで構成されるため,非常に大きな重量物となること
である。この問題を解決するための方式として光給電方
式が考えられており,給電系を光コンポーネント・光フ
ァイバで構成することにより,小型軽量化の実現が図ら
れている。
調された光波を,無線集配局とフェーズドアレイアンテ
ナを有する無線基地局との間で伝送する無線信号伝送用
光リンクにおいて,光波のままの信号処理で無線基地局
のフェーズドアレイアンテナの制御を可能とする技術が
提案されている(特開平9−215048号公報「無線
信号伝送用光リンク」)。
配局から無線基地局へは,複数の波長を有する光信号を
無線信号で変調し,この変調された複数の波長の光波
に,各アンテナ素子の励振分布制御である遅延処理を光
波のままで施す。この励振分布制御された光信号を電気
信号に変換し,各放射器に信号を分配する。受信用は,
無線基地局で受信した無線信号によって光波を変調して
無線集配局へ伝送し,光波のまま信号処理し,入射器に
与えられた励振分布を抽出する。
ドアレイアンテナ(例えば,特開平9−215048号
公報)では,アレイアンテナの放射素子ごとの励振分布
を与えるために,放射素子の個数だけ,光遅延路等で代
表される光制御移相回路が必要であった。
フェーズドアレイアンテナを構成する場合,その放射素
子数分の移相回路群の大きさや重量が全システムに与え
る影響が無視できなくなる。特に,小型軽量・高信頼性
が要求される衛星搭載の光制御フェーズドアレイアンテ
ナでは,重量や容積が衛星の能力に大きな影響を与え
る。また,多数の高信頼部品が要求されるためにコスト
高となる。
(位相制御回路等)がアンテナ直下に存在するために,
衛星搭載アンテナのような宇宙空間に暴露された過酷な
環境に耐えうる制御回路を構成することは困難を伴う。
なフェーズドアレイアンテナを構成する場合でも,位相
制御のための回路数を削減し,アンテナシステム全体で
位相制御回路の小型軽量化および簡素化を可能にするこ
とを目的とする。
め,本発明の光制御フェーズドアレイアンテナの位相制
御装置は,少なくとも制御対象となるアンテナ素子の制
御単位数分の波長が多重化された光信号を入力し,入力
した光信号を各波長ごとに分離する波長分波器と,前記
光信号の位相をアンテナ素子の励振分布に応じて変化さ
せるための移相量の異なる複数の移相器と,前記波長分
波器の波長ごとの各出力を,各波長に応じて必要な移相
量を割り当てるためにそれぞれ前記複数の移相器の一つ
に導く光スイッチマトリクスと,前記複数の移相器の出
力を合成し,多重化された光信号を出力する光合成器と
を備えることを特徴とする。
類の光遅延線光路によるNビット移相器に対して,各波
長ごとに光スイッチマトリクスで経路を切り替えて移相
量を割り当てる構成を採用する。したがって,各々の光
遅延線は異なる波長で共用することができる。このた
め,従来技術に比べて波長多重数分の1だけ位相制御回
路における移相器を削減できる。
を参照して説明する。
アレイアンテナ(送信系)の基本的構成を示す。図1で
は,特に1個のビーム(beam#1)を形成する回路
の構成部分について示している。
長の光波を光ファイバ71に多重化して出力する。光変
調器2は,676波長の光波について送信しようとす
る,無線周波数(RF)信号によって強度変調を行う。
強度変調された光信号は,光ファイバ72により位相制
御装置3に導かれる。
して送られてきた光信号を,波長分波器31によってλ
1 からλ676 までの波長ごとに676本の光信号に分波
する。光スイッチマトリクス32は,形成するビーム
(beam#1)に応じた位相制御信号によって,67
6本の光信号の各々の経路を切り替えることにより,こ
れらの光信号に,それぞれアンテナ素子の励振分布に応
じて遅延(移相)を与えるための移相量が異なる16個
のRF帯移相器33に導く。
の光遅延線光路による4ビット移相器によって構成さ
れ,例えば波長λ1 ,λi の光信号にはRF帯での位相
差0ラジアンの位相変位を与え,波長λ2 ,λj ,λk
の光信号にはRF帯での位相差π/8ラジアンの位相変
位を与え,…,波長λl ,λ676 の光信号にはRF帯で
の位相差15π/8ラジアンの位相変位を与える。すな
わち,光スイッチマトリクス32を介して,波長分波器
31の出力する光信号を,RF帯移相器33に導くこと
により,各々の光遅延線を異なる波長で共用する。以下
では,位相制御を受けた波長については「λi * 」とい
うように「*」を付加して表記する。
に入力されて合成され,1本の光ファイバ73に多重化
されて出力される。これらの多重化された光信号は,光
ファイバ73を通して波長分波器4に導かれ,ここで波
長ごとに分波され,分波された光信号は,アンテナ素子
の制御単位であるサブアレイごとに設けられている光電
変換部(PD)5に出力される。
26=676個のサブアレイから構成され,これらに付
随する光電変換部5によって給電され励振される。
ッチ32,RF帯移相器33,光合成器34を,一つの
まとまった回路ユニットとして構成することにより,取
り扱いが容易で大量生産にも適した位相制御装置3を構
成することができる。
テナアレイの構成例を示す。図1では,1個のビーム
(beam#1)を形成する回路の構成部分について説
明したが,以下で説明する光制御フェーズドアレイアン
テナは,50ビームの指向性を制御するものとする。
テナであり,図2(A)に示すように,9素子で1つの
サブアレイ6を構成する。1つのサブアレイ6は,1本
の光ファイバによって給電され,1ビームにつき1波長
で,50ビームの給電のために50波長多重化された光
信号によって給電される。
676個のサブアレイ6から構成され,各676波長多
重化された50本の給電線によって制御される。
64個のサブアレイユニット60,すなわち674×6
4=43264個のサブアレイ6から構成され,各67
6波長多重化された64×50=3200本の給電線に
よって制御される。
と,図2(B)に示すように,50ビームの各ビームご
とに,beam#1として波長λk * ,beam#2と
して波長λk+1 * ,…,beam#50として波長λ
k+49 * の光信号が割り当てられ,これらの波長の光信号
が光合成器9−kによって合成され,光電変換部5−k
によって電気信号に変換されてk番目のサブアレイ6−
kを励振する。
には,1ビーム当り676波長多重で給電され,1ビー
ムにつき1波長(全部で50ビーム50波長)が各サブ
アレイ6に割り当てられる。1サブアレイ6−k(1個
の光電変換部5−k)には,50ビーム分の50波長で
給電されるが,各ビーム信号間で波長の重複が起こらな
いように,給電する波長を1チャネルずつシフトする。
フェーズドアレイアンテナ(送信系)の衛星構体内に設
置される部分の構成例を示す。
位相を制御するユニット10−i(i=1,2,…,5
0)が設けられる。1つのユニット10−iは,図1で
説明した676波長の光波を出力する光源1と,各ビー
ムに対応したRF信号によって強度変調を行う光変調器
2と,図2で説明した64個のサブアレイユニット60
に対応して光変調器2の出力光を64分配する分配器8
と,それぞれ図1で説明した波長分波器31,光スイッ
チマトリクス32,RF帯移相器33,光合成器34を
有する64組の位相制御装置3−j(j=1,2,…,
64)からなる。なお,光源1は,各ビーム間で共用す
ることもできる。
1ビーム当り64本の光ファイバ73−iによって衛星
構体内からアンテナパネル側へ送られる。全部で50ビ
ーム分あるので,合計3200本の光ファイバが用いら
れることになる。1本の光ファイバには676波長の光
信号が多重化されている。
よる光制御フェーズドアレイアンテナ(送信系)のアン
テナパネル側の構成例を示す。図5は,図4の要部を拡
大した図である。
ム当り64本の光ファイバ73−i(i=1,2,…,
50)によってアンテナパネル側の波長分波器4へ供給
される。波長分波器4は,図5に示すように,各bea
m#1〜#50ごとに64組の676波長分波器4−i
(i=1,2,…,50)からなり,1つの分波器は1
本の光ファイバについて676波長λ1 * ,λ2 * ,
…,λ676 * に分波した光信号を光合成器9へ送る。
アレイユニット60−j(j=1,2,…,64)ごと
に676組の50波長光合成器9−j(j=1,2,
…,64)からなり,1つの光合成器は,各676波長
分波器4−iから送られた50波長の光信号を合成し
て,サブアレイユニット60−j内の一つのサブアレイ
6に付随する光電変換部5に出力する。
における波長の分配方法を説明する。各ビームに対応す
る波長分波器4−i(i=1,2,…,50)は,それ
ぞれ64個の676波長分波器4−i−j(j=1,
2,…,64)からなり,また,光合成器9−j(j=
1,2,…,64)は,それぞれ676個の50波長光
合成器9−j−k(k=1,2,…,676)からな
る。
て説明すると,ビームbeam#1は,64本の光ファ
イバ73−1によって波長分波器4−1に入力され,各
光ファイバからの光信号は,それぞれ波長分波器4−1
−1,…,4−1−64に入力される。波長分波器4−
1−1によって分波された1番目の波長λ1 * の光信号
は,光合成器9−1−1に出力され,波長分波器4−1
−1によって分波された2番目の波長λ2 * の光信号
は,光合成器9−1−2に出力され,同様に,k番目の
波長λk * (k=1,2,…,676)の光信号は,光
合成器9−1−kに出力される。
1−1によって分波されたビームbeam#1に関する
波長λ1 * の光信号と,波長分波器4−2−2によって
分波されたビームbeam#2に関する波長λ2 * の光
信号と,同様に,波長分波器4−i−i(i=1,2,
…,50)によって分波されたビームbeam#iに関
する波長λi * の光信号とが入力され,これらが光合成
器9−1−1によって合成されて,その多重化された光
信号がサブアレイユニット60−1の1番目のサブアレ
イ6−1−1に対する光電変換部5−1−1に入力され
る。
ブアレイ6−1−2に対する光電変換部5−1−2に
は,光合成器9−1−2を通して,ビームbeam#1
に関する波長λ2 * の光信号と,ビームbeam#2に
関する波長λ3 * の光信号と,同様にビームbeam#
iに関する波長λi+1 * の光信号とが合成されて入力さ
れることになる。
=1,2,…,676)の入力端の波長の縦の並びλ1
* λ2 * …λ675 * λ676 * は,第1のビームbeam
#1信号に対応しており,2番目の縦の並びλ2 * λ3
* …λ676 * λ1 * は,第2のビームbeam#2信号
に対応している。このように波長を1チャネルずつシフ
トすることで,各ビーム信号間で波長の重複が起こらな
いようにする。
い場合には,光源1から得られる676波長で50ビー
ムをコントロールしようとすると,676÷50=1
3.52で,十数個のサブアレイしかコントロールする
ことができないが,以上のような波長配分の調整を行う
ことにより,ビーム信号間での波長の重複を回避し,多
くのサブアレイをコントロールすることが可能になる。
アレイアンテナ(受信系)の基本的構成を示す。図7で
は,図1と同様に1個のビーム(beam#1)につい
ての受信系を形成する回路の構成部分について示してい
る。
ネルを構成するサブアレイユニット60は,26×26
=676個のサブアレイから構成される。これらで受信
した信号は,低雑音増幅器11を介して増幅され,光変
調器14における強度変調用信号として入力される。
676波長の光波を光ファイバ17−1に多重化して出
力する。この光波は,波長分波器13によりλ1 からλ
676までの波長ごとに676本の光波に分波され,それ
ぞれ光変調器14に入力される。光変調器14では,こ
れらの光波をサブアレイユニット60で受信した信号に
より強度変調し,光合成器15へ送る。光合成器15
は,676波長の変調された光信号を合成し,多重化さ
れた光信号を光ファイバ17−2へ送出する。
は,衛星構体内部に設けられた位相制御装置3’に導か
れる。位相制御装置3’の内部構成は,図1で説明した
位相制御装置3と同様であり,波長分波器31’,光ス
イッチマトリクス32’,光遅延線によるRF帯移相器
33’,光合成器34’からなる。
を通して送られてきた光信号を,λ 1 からλ676 までの
波長ごとに676本の光信号に分波する。光スイッチマ
トリクス32’は,受信したビーム(beam#1)に
応じた位相制御信号によって,676本の光信号の各々
の経路を切り替えることにより,これらの光信号の位相
を,それぞれアンテナ素子の励振分布に応じて変化させ
るための移相量が異なる16個のRF帯移相器33’に
導く。
けた各波長の光信号は,光合成器34’により合成さ
れ,光ファイバ17−3に多重化されて出力される。こ
の多重化された光信号は,光電変換部(PD)16に導
かれ,光信号を電気信号に変換することにより,受信し
たビームbeam#1のRF信号が抽出される。
についての受信系の構成例を説明したが,これを,図2
〜図6で説明した送信系の場合とまったく同様に,複数
のサブアレイユニットについて,複数ビームの受信が可
能な光制御フェーズドアレイアンテナに拡張することが
できることは説明するまでもない。
るNビット移相器に対して,各波長ごとに光スイッチで
経路を切り替えて移相量を割り当てる構成を採用する。
このような構成において,各々の光遅延線は異なる波長
で共用できるために,従来技術に比べて波長多重数分の
1だけ位相制御回路における移相器を削減することがで
きる。また,1個または少数個の光スイッチ素子で全波
長の制御を行えるために,制御信号線の引き回しが簡素
化できる。
波長(m個のビーム形成のときには重複しないm波長)
を割り当てることにより,アンテナ直下に光信号処理手
段(位相制御回路等)を置く必要はなくなり,制御回路
をアンテナとは離れた場所に,少ない光給電線路数で配
置することができる。衛星搭載を考える場合,制御回路
を衛星構体内に配置できるために,装置の信頼性が向上
する。
ナ(送信系)の基本的構成を示す図である。
構成例を示す図である。
レイアンテナ(送信系)の衛星構体内に設置される部分
の構成例を示す図である。
レイアンテナ(送信系)のアンテナパネル側の構成例を
示す図である。
ナ(受信系)の基本的構成を示す図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 光制御フェーズドアレイアンテナの制御
に用いる位相制御装置であって,少なくとも制御対象と
なるアンテナ素子の制御単位数分の波長が多重化された
光信号を入力し,入力した光信号を各波長ごとに分離す
る波長分波器と,前記光信号の位相をアンテナ素子の励
振分布に応じて変化させるための移相量の異なる複数の
移相器と,前記波長分波器の波長ごとの各出力を,各波
長に応じて必要な移相量を割り当てるためにそれぞれ前
記複数の移相器の一つに導く光スイッチマトリクスと,
前記複数の移相器の出力を合成し,多重化された光信号
を出力する光合成器とを備えることを特徴とする光制御
フェーズドアレイアンテナの位相制御装置。 - 【請求項2】 アンテナ素子のn1(n1≧2)個の制
御単位からなるサブアレイユニットがn2(n2≧1)
個設置されたアンテナ部を有する光制御フェーズドアレ
イアンテナ・システムであって,少なくともn1種類の
波長の多重化された光波を出力する1または複数の光源
と,m1(m1≧1)種類の送信する信号によって前記
n1種類の波長の光波を変調するm2(m2≧m1)個
の光変調器と,前記m2個の光変調器の出力光をn2個
に分配するm2個の分配器と,前記m2個の各分配器の
各出力をそれぞれ入力するm2×n2個の請求項1記載
の光制御フェーズドアレイアンテナの位相制御装置と,
前記m2×n2個の光制御フェーズドアレイアンテナの
位相制御装置の出力するそれぞれn1種類の波長が多重
化された光信号を伝送するm2×n2本の光伝送路と,
前記m2×n2本の光伝送路を介して供給される光信号
をそれぞれの波長ごとにn1種類に分波するm2×n2
個の分波器と,前記m2×n2個の分波器の出力する光
信号のうち前記m2個の光変調器の出力に対応する各々
波長が異なるm2種類の光信号を合成し,前記n2個の
サブアレイユニットの前記n1個の制御単位の各々に,
それぞれ合成した光信号を供給するn1×n2個の光合
成器とを備えることを特徴とする光制御フェーズドアレ
イアンテナ・システム。 - 【請求項3】 前記m2×n2個の分波器と前記n1×
n2個の光合成器とによって,前記m1種類の送信する
信号間で波長の重複が起こらないように,波長配分の調
整を行い,前記アンテナ素子の制御単位の各々には,制
御単位間で波長が周期的にシフトされた光信号が供給さ
れるようにしたことを特徴とする請求項2記載の光制御
フェーズドアレイアンテナ・システム。
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