JP7227536B2 - 無線通信システム、収容局装置及び無線通信方法 - Google Patents

無線通信システム、収容局装置及び無線通信方法 Download PDF

Info

Publication number
JP7227536B2
JP7227536B2 JP2021528723A JP2021528723A JP7227536B2 JP 7227536 B2 JP7227536 B2 JP 7227536B2 JP 2021528723 A JP2021528723 A JP 2021528723A JP 2021528723 A JP2021528723 A JP 2021528723A JP 7227536 B2 JP7227536 B2 JP 7227536B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
optical
phase
transmission
signals
signal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2021528723A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2020261406A1 (ja
Inventor
耕大 伊藤
瑞紀 菅
裕史 白戸
直樹 北
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Telegraph and Telephone Corp filed Critical Nippon Telegraph and Telephone Corp
Publication of JPWO2020261406A1 publication Critical patent/JPWO2020261406A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7227536B2 publication Critical patent/JP7227536B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04BTRANSMISSION
    • H04B10/00Transmission systems employing electromagnetic waves other than radio-waves, e.g. infrared, visible or ultraviolet light, or employing corpuscular radiation, e.g. quantum communication
    • H04B10/25Arrangements specific to fibre transmission
    • H04B10/2575Radio-over-fibre, e.g. radio frequency signal modulated onto an optical carrier
    • H04B10/25752Optical arrangements for wireless networks
    • H04B10/25753Distribution optical network, e.g. between a base station and a plurality of remote units
    • H04B10/25754Star network topology
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04BTRANSMISSION
    • H04B10/00Transmission systems employing electromagnetic waves other than radio-waves, e.g. infrared, visible or ultraviolet light, or employing corpuscular radiation, e.g. quantum communication
    • H04B10/25Arrangements specific to fibre transmission
    • H04B10/2575Radio-over-fibre, e.g. radio frequency signal modulated onto an optical carrier
    • H04B10/25752Optical arrangements for wireless networks
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04JMULTIPLEX COMMUNICATION
    • H04J14/00Optical multiplex systems
    • H04J14/02Wavelength-division multiplex systems
    • H04J14/0278WDM optical network architectures
    • H04J14/0282WDM tree architectures

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Computer Networks & Wireless Communication (AREA)
  • Signal Processing (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Electromagnetism (AREA)
  • Optical Communication System (AREA)
  • Mobile Radio Communication Systems (AREA)

Description

特許法第30条第2項適用 電子情報通信学会 2019年総合大会 講演論文集 B-5-114 発行日 2019年3月5日
本発明は、無線通信システム、収容局装置及び無線通信方法に関する。
無線通信サービスにおいて、高速伝送が可能な周波数帯としてミリ波帯が注目されている。しかし、ミリ波帯は伝搬損失が大きいため、長距離伝送が困難であるという問題がある。
この問題の解決策の1つとして、RoF(Radio over Fiber)システムが知られている。RoFシステムでは、収容局(親局)が、伝送したいRF(Radio Frequency:無線周波数)信号により光キャリアを強度変調し、強度変調により生成された変調信号を光ファイバで伝送する。基地局(子局)は、光ファイバを介して受信した光信号をRF信号に戻し、そのRF信号をアンテナから電波として放射する。このようなRoFシステムを利用することにより、ミリ波帯RF信号の長距離伝送が可能となる。
しかしながら、ミリ波帯にRoFシステムを適用したとしても、今度は基地局のカバーエリア拡大が課題となる。その解決策の1つがアレーアンテナによるビームフォーミングである。アレーアンテナによるビームフォーミングでは、アレーアンテナの各アンテナ素子に入射するRF信号の位相を制御することによって、各アンテナ素子から放射される電波を互いに干渉させる。これにより、全体として電波の放射方向を制御する。
RoFシステムにおけるビームフォーミングに、光ファイバ伝送時の波長分散によって各波長の光信号間に遅延差が生じることを利用する技術がある。この技術を用いたRoFシステムのビームフォーミングでは、光ファイバを伝送させる光キャリアの波長を制御することでアンテナ素子に入射するRF信号の位相を制御する(例えば、特許文献1参照)。
図20は、特許文献1の技術を適用したRoFシステム900のブロック図である。収容局910の多波長可変光源911は、複数の光信号を出力する。これら光信号間の波長間隔は、任意に変更可能である。光変調器912は、伝送するRF信号により各波長の光信号を変調する。これにより、光変調器912は、複数の光変調信号を出力する。各光変調信号は光ファイバ920内を伝送する。その際に、各光変調信号には、波長分散の影響により、波長毎に異なる遅延差が生じる。基地局930の光分波器931は、光ファイバ920内を伝送した複数の光変調信号を波長毎に分岐する。複数のO/E(光/電気)変換器932-1、…、932-nはそれぞれ、分岐された各波長の光変調信号を電気信号に変換する。アンテナ素子933-1、…、933-nは、変換後の電気信号をRF信号として放射する。この際、光ファイバ920内伝送時の波長分散による遅延差のためRF信号にも位相差が生じ、指向性を形成することができる。
また、RoFシステムに限らず、光信号を用いてアレーアンテナのビームフォーミングを行う手法がある。その一つとして、波長の制御を行わず、各アンテナ素子に固定波長を割り振っておき、各波長の光信号に対して、波長分散や経路差を利用して遅延差を生じさせる技術が知られている(例えば、非特許文献1参照)。
図21は、非特許文献1の技術を適用した無線システム905の図である。多波長光源951は、複数の異なる波長の光信号を出力する。光変調器952は、伝送するRF信号により各波長の光信号を変調する。これにより、光変調器952は、複数の光変調信号を出力する。各光変調信号は、PDM(programmable dispersion matrix)953に送られる。
図22は、PDM953の構成を示すブロック図である。PDM953は、n+1個の2×2光スイッチ961-1、…、961-(n+1)と、分散値がそれぞれD、2D、…、2n-1のn個の分散要素962-1、962-2、…、962-nとから構成される。分散要素962-1、…、962-nは、分散ファイバやグレーティングファイバなどにより構成される。PDM953は、2×2光スイッチ961-1、…、961-(n+1)を切り替えることで、全体としての分散値を調整する。PDM953に入力された各光変調信号には、PDM953により調整された分散値に従った異なる遅延差が生じる。
図21に示す無線システム905の光分波器954は、PDM953から出力された複数の光変調信号を波長毎に分岐する。各波長は、各アンテナ素子956-1、…、956-nにあらかじめ対応しているため、光分岐は固定的である。複数のO/E(光/電気)変換器955-1、…、955-nはそれぞれ、分岐された各波長の光変調信号を電気信号に変換する。アンテナ素子956-1、…、956-nは、変換後の電気信号をRF信号として放射する。この際、PDM953の分散による遅延差のためRF信号にも位相差が生じ、指向性を形成することができる。
特許第4246724号公報
Dennis T. K. Tong,Ming C. Wu,"A Novel Multiwavelength Optically Controlled Phased Array Antenna with a Programmable Dispersion Matrix",IEEE Photonics Technology Letters,1996年6月,VOL.8,NO.6,p.812-814
上述のように、特許文献1の技術は、波長を可変とし、分散を固定として変調光信号に遅延差を生じさせる。このとき、指向性を形成する方向やファイバ長、RF信号の周波数によっては、光変調信号間の波長間隔を大きく調整する必要がある。そのため、利用する波長帯が広くなってしまい、波長利用効率の低下が考えられる。特に、WDM(Wavelength Division Multiplex)-PON(Passive Optical Network)では、各基地局に異なる波長を使用しなければならない。このような状況で、特許文献1の技術を適用すると、WDM-PONにさらにビームフォーミングのための波長帯をあらかじめ設定しておかなければならなくなり、利用する波長帯は大幅に拡大してしまう。
また、特許文献1の技術では、指向性形成のために波長を調整する。従って、基地局のアンテナ素子に送る波長も調整する必要がある。そのため、基地局の光分波器は、指向性形成の度に、基地局のアンテナ素子に送る波長を変更する必要があり、指向性を動的に変更する際にはさらに光分波器の分岐も動的に変更する必要がある。これは、基地局の光分波器の制御が必要であることを意味する。
RoFシステムを適用する利点の一つは、RF信号の長距離伝送以外に、収容局に機能を集約することで基地局を簡易化できることである。しかし、特許文献1の技術では、基地局の光分波器の制御が必要となり、基地局の簡易化に限界がある。
さらに、特許文献1の技術は、各光変調信号間の遅延差調整のための波長調整に、光ファイバの距離情報を必要とする。一般に、収容局から基地局までの光ファイバの距離情報は、分からないか、分かっていたとしても正確な長さまでは分からない状況であると考えられる。特に、光ファイバがPON(Passive Optical Network)構成になっている場合はファイバ長の測定が非常に困難である。特許文献1では光ファイバの正確な距離情報が必要になるため、その適用範囲は非常に限定されてしまうと考えられる。
一方、非特許文献1の技術は、波長を固定とし、分散を可変として変調光信号に遅延差を生じさせる。このとき、波長が固定であるため、波長利用効率は特許文献1よりも良い。また、光分岐は固定的であるため、光分波器を制御する必要がない。しかし、分散を調整するためのPDMの設計・製作には、高い精度が必要になると考えられる。従って、装置の大型化・高コスト化の恐れがある。
また、非特許文献1には、RoFへの適用に関する言及はない。そのため、非特許文献1にRoFを適用して長距離光ファイバ伝送する場合には、PDMによる分散調整以外に、光ファイバ伝送時の波長分散の影響も考慮しなければならない。さらに、特許文献1及び非特許文献1ともに、送信アンテナのビームフォーミングのみ言及しており、受信アンテナのビームフォーミングについては言及されていない。
上記事情に鑑み、本発明は、波長利用効率の悪化や高コスト化をおさえ、かつ、基地局制御及び光ファイバの距離情報を不要としながらRoFシステムの送受信アンテナのビームフォーミングを行うことができる無線通信システム、収容局装置及び無線通信方法を提供することを目的としている。
本発明の一態様は、収容局装置と、前記収容局装置と光伝送路により接続され、n個(nは2以上の整数)のアンテナ素子を有する基地局装置と、前記基地局装置と無線通信する端末とを有する無線通信システムであって、前記収容局装置は、異なるn個の第一波長の光それぞれを送信信号により変調した光変調送信信号に、n個の前記第一波長それぞれに応じた第一位相調整量の位相調整を行い、位相調整されたn個の前記第一波長それぞれの前記光変調送信信号を合成した合成光変調送信信号を前記光伝送路に出力する送信部と、前記送信信号としてp個(pは2以上の整数)のビーコン信号を送信する場合に、p個の前記ビーコン信号ごとに異なる前記第一位相調整量の位相調整を行うよう前記送信部を制御する送信位相制御部と、前記光伝送路を伝送した合成光変調受信信号を異なるn個の第二波長の光変調受信信号に分波し、分波されたn個の前記第二波長の前記光変調受信信号それぞれに前記第二波長に応じた第二位相調整量の位相調整を行った電気信号に変換する受信部と、p個の前記ビーコン信号のうち前記端末における受信電力に基づいて選択された前記ビーコン信号の識別情報を示すq個(qは2以上の整数)の合成光変調受信信号を前記光伝送路から入力した場合に、q個の前記合成光変調受信信号ごとに、異なる前記第二位相調整量の位相調整を行うよう前記受信部を制御する受信位相制御部と、前記合成光変調受信信号が示す前記識別情報の前記ビーコン信号に対して用いた前記第一位相調整量の位相調整を行うよう前記送信部を制御する送信位相調整量決定部と、q個の前記合成光変調受信信号から変換された前記電気信号それぞれの受信電力に基づいて選択した前記合成光変調受信信号に対して用いた前記第二位相調整量の位相調整を行うよう前記受信部を制御する受信位相調整量決定部と、を備え、前記基地局装置は、前記光伝送路を伝送した前記合成光変調送信信号を異なるn個の前記第一波長の光変調送信信号に分波する基地局光分波部と、n個の前記第一波長それぞれの前記光変調送信信号を電気信号に変換し、n個の前記電気信号それぞれを前記第一波長に対応した前記アンテナ素子から無線により放射する光電気変換部と、n個の前記アンテナ素子それぞれが前記端末から受信した無線信号により、n個の前記アンテナ素子それぞれに対応した異なるn個の前記第二波長の光信号を変調して光変調受信信号を生成する電気光変換部と、前記電気光変換部が生成したn個の前記第二波長の前記光変調受信信号を合成した前記合成光変調受信信号を前記光伝送路に出力する基地局光合成部と、を備え、前記端末は、前記基地局装置から無線信号を受信する無線受信部と、前記基地局装置へ無線信号を送信する無線送信部と、前記無線受信部がp個の前記ビーコン信号を受信した場合、p個の前記ビーコン信号それぞれの受信電力に基づいて選択した前記ビーコン信号の前記識別情報を示すq個の無線信号を前記無線送信部から送信するビーコン選択部と、を備える、無線通信システムである。ここで、n個の前記アンテナ素子は、所定間隔で配列され、n個の前記第一波長は、前記光伝送路を伝送したときの波長分散による各光信号の遅延差が等間隔になるように配置された波長であり、n個の前記第二波長は、前記光伝送路を伝送したときの波長分散による各光信号の遅延差が等間隔になるように配置された波長であり、n個の前記第一位相調整量は、無線信号としての位相が第一位相間隔の位相調整量であり、n個の前記第二位相調整量は、無線信号としての位相が第二位相間隔の位相調整量である。
本発明の一態様は、上述の無線通信システムであって、前記送信部は、異なるn個の前記第一波長の光を前記送信信号により変調して光変調送信信号を生成する光変調部と、前記光変調部により生成されたn個の前記第一波長の前記光変調送信信号に、前記第一波長それぞれに応じた前記第一位相調整量の位相調整を行う位相調整部と、前記位相調整部により位相調整されたn個の前記第一波長それぞれの前記光変調送信信号を合成して前記合成光変調送信信号を生成し、生成された前記合成光変調送信信号を前記光伝送路に出力する光合成部とを備える。
本発明の一態様は、上述の無線通信システムであって、前記送信部は、前記送信信号を、異なるn個の前記第一波長それぞれに対応したn個の送信信号に分岐する分岐部と、前記分岐部により分岐されたn個の前記送信信号のそれぞれに、対応する前記第一波長に応じた前記第一位相調整量の位相調整を行う位相調整部と、異なるn個の前記第一波長の光それぞれを、前記第一波長に応じた前記第一位相調整量の位相調整が行われた前記送信信号により変調して光変調送信信号を生成する光変調部と、前記光変調部により生成されたn個の前記第一波長それぞれの前記光変調送信信号を合成して前記合成光変調送信信号を生成し、生成された前記合成光変調送信信号を前記光伝送路に出力する光合成部とを備える。
本発明の一態様は、上述の無線通信システムであって、前記受信部は、前記合成光変調受信信号を異なるn個の前記第二波長の光変調受信信号に分波する分波部と、前記分波部により分波されたn個の前記第二波長の前記光変調受信信号それぞれに、前記第二波長に応じた前記第二位相調整量の位相調整を行う位相調整部と、前記位相調整部により位相調整されたn個の前記第二波長の前記光変調受信信号を合成する合成部と、前記合成部により合成された前記光変調受信信号を電気信号に変換する変換部とを備える。
本発明の一態様は、上述の無線通信システムであって、前記受信部は、前記合成光変調受信信号を異なるn個の前記第二波長の光変調受信信号に分波する分波部と、前記分波部により分波されたn個の前記第二波長の前記光変調受信信号それぞれを電気信号に変換する変換部と、前記変換部により変換されたn個の前記電気信号それぞれに、前記第二波長に応じた前記第二位相調整量の位相調整を行う位相調整部とを備える。
本発明の一態様は、n個(nは2以上の整数)のアンテナ素子により端末と無線通信する基地局装置と光伝送路により接続される収容局装置であって、n個の前記アンテナ素子それぞれに対応した異なるn個の第一波長の光それぞれを送信信号により変調した光変調送信信号に、n個の前記第一波長それぞれに応じた第一位相調整量の位相調整を行い、位相調整されたn個の前記第一波長それぞれの前記光変調送信信号を合成した合成光変調送信信号を前記光伝送路に出力する送信部と、前記送信信号としてp個(pは2以上の整数)のビーコン信号を送信する場合に、p個の前記ビーコン信号ごとに異なる前記第一位相調整量の位相調整を行うよう前記送信部を制御する送信位相制御部と、前記光伝送路を伝送した合成光変調受信信号を、n個の前記アンテナ素子それぞれに対応した異なるn個の第二波長の光変調受信信号に分波し、分波されたn個の前記第二波長の前記光変調受信信号それぞれに前記第二波長に応じた第二位相調整量の位相調整を行った電気信号に変換する受信部と、p個の前記ビーコン信号のうち前記端末における受信電力に基づいて選択された前記ビーコン信号の識別情報を示すq個(qは2以上の整数)の合成光変調受信信号を前記光伝送路から入力した場合に、q個の前記合成光変調受信信号ごとに、異なる前記第二位相調整量の位相調整を行うよう前記受信部を制御する受信位相制御部と、前記合成光変調受信信号が示す前記識別情報の前記ビーコン信号に対して用いた前記第一位相調整量の位相調整を行うよう前記送信部を制御する送信位相調整量決定部と、q個の前記合成光変調受信信号から変換された前記電気信号それぞれの受信電力に基づいて選択した前記合成光変調受信信号に対して用いた前記第二位相調整量の位相調整を行うよう前記受信部を制御する受信位相調整量決定部と、を備える収容局装置である。ここで、n個の前記アンテナ素子は、所定間隔で配列され、n個の前記第一波長は、前記光伝送路を伝送したときの波長分散による各光信号の遅延差が等間隔になるように配置された波長であり、n個の前記第二波長は、前記光伝送路を伝送したときの波長分散による各光信号の遅延差が等間隔になるように配置された波長であり、n個の前記第一位相調整量は、無線信号としての位相が第一位相間隔の位相調整量であり、n個の前記第二位相調整量は、無線信号としての位相が第二位相間隔の位相調整量である。
本発明の一態様は、収容局装置と、前記収容局装置と光伝送路により接続され、n個(nは2以上の整数)のアンテナ素子を有する基地局装置と、前記基地局装置と無線通信する端末とを有する無線通信システムにおける無線通信方法であって、前記収容局装置が、異なるn個の第一波長の光それぞれを送信信号により変調した光変調送信信号に、n個の前記第一波長それぞれに応じた第一位相調整量の位相調整を行い、位相調整されたn個の前記第一波長それぞれの前記光変調送信信号を合成した合成光変調送信信号を前記光伝送路に出力する送信ステップと、前記送信ステップにおいて前記送信信号としてp個(pは2以上の整数)のビーコン信号を送信する場合に、p個の前記ビーコン信号ごとに異なる前記第一位相調整量の位相調整を行うよう制御する送信位相制御ステップと、前記光伝送路を伝送した合成光変調受信信号を異なるn個の第二波長の光変調受信信号に分波し、分波されたn個の前記第二波長の前記光変調受信信号それぞれに前記第二波長に応じた第二位相調整量の位相調整を行った電気信号に変換する受信ステップと、p個の前記ビーコン信号のうち前記端末における受信電力に基づいて選択された前記ビーコン信号の識別情報を示すq個(qは2以上の整数)の合成光変調受信信号を前記光伝送路から入力した場合に、前記受信ステップにおいて、q個の前記合成光変調受信信号ごとに、異なる前記第二位相調整量の位相調整を行うよう制御する受信位相制御ステップと、前記送信ステップにおいて、前記合成光変調受信信号が示す前記識別情報の前記ビーコン信号に対して用いた前記第一位相調整量の位相調整を行うよう制御する送信位相調整量決定部と、前記受信ステップにおいて、q個の前記合成光変調受信信号から変換された前記電気信号それぞれの受信電力に基づいて選択した前記合成光変調受信信号に対して用いた前記第二位相調整量の位相調整を行うよう制御する受信位相調整量決定ステップと、前記基地局装置が、前記光伝送路を伝送した前記合成光変調送信信号を異なるn個の前記第一波長の光変調送信信号に分波する光分波ステップと、n個の前記第一波長それぞれの前記光変調送信信号を電気信号に変換し、n個の前記電気信号それぞれを前記第一波長に対応した前記アンテナ素子から無線により放射する光電気変換ステップと、n個の前記アンテナ素子それぞれが前記端末から受信した無線信号により、n個の前記アンテナ素子それぞれに対応した異なるn個の前記第二波長の光信号を変調して光変調受信信号を生成する電気光変換ステップと、前記電気光変換ステップにおいて生成したn個の前記第二波長の前記光変調受信信号を合成した前記合成光変調受信信号を前記光伝送路に出力する光合成ステップと、前記端末が、前記基地局装置から無線信号を受信する無線受信ステップと、前記基地局装置へ無線信号を送信する無線送信ステップと、前記無線受信ステップにおいてp個の前記ビーコン信号を受信した場合、p個の前記ビーコン信号それぞれの受信電力に基づいて選択した前記ビーコン信号の前記識別情報を示すq個の無線信号を前記無線送信ステップにより送信するビーコン選択ステップと、を有する無線通信方法である。ここで、n個の前記アンテナ素子は、所定間隔で配列され、n個の前記第一波長は、前記光伝送路を伝送したときの波長分散による各光信号の遅延差が等間隔になるように配置された波長であり、n個の前記第二波長は、前記光伝送路を伝送したときの波長分散による各光信号の遅延差が等間隔になるように配置された波長であり、n個の前記第一位相調整量は、無線信号としての位相が第一位相間隔の位相調整量であり、n個の前記第二位相調整量は、無線信号としての位相が第二位相間隔の位相調整量である。
本発明により、波長利用効率の悪化や高コスト化をおさえつつ、基地局制御及び光ファイバの距離情報を不要としながらRoFシステムの送受信アンテナのビームフォーミングを行うことが可能となる。
本発明の実施形態による無線通信システムの全体構成を示す図である。 同実施形態による送信アンテナのビームフォーミングの基本原理を示す図である。 同実施形態による基地局のビーム方向を示す図である。 同実施形態による受信アンテナのビームフォーミングの基本原理を示す図である。 同実施形態による基地局が送信するビーコンを示す図である。 同実施形態によるビーム方向決定のフローを示す図である。 同実施形態による収容局の構成を示すブロック図である。 同実施形態による第一送信部の構成を示すブロック図である。 同実施形態による第二送信部の構成を示すブロック図である。 同実施形態による第一受信部の構成を示すブロック図である。 同実施形態による第二受信部の構成を示すブロック図である。 同実施形態による基地局の構成を示すブロック図である。 同実施形態による端末の構成を示すブロック図である。 同実施形態による第一送信部の変形例を示すブロック図である。 同実施形態による第一送信部の変形例を示すブロック図である。 同実施形態による第一送信部の変形例を示すブロック図である。 同実施形態による第一送信部の変形例を示すブロック図である。 同実施形態による第二送信部の変形例を示すブロック図である。 同実施形態による第二送信部の変形例を示すブロック図である。 従来技術を適用したRoFシステムの構成を示すブロック図である。 従来技術を適用した無線システムの構成を示すブロック図である。 図21におけるPDMの構成を示すブロック図である。 無線通信システムの全体構成を示す図である。 隣接する波長の光変調信号のスペクトルを示す図である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を詳細に説明する。
波長利用効率の悪化や高コスト化をおさえ、かつ、基地局制御及び光ファイバの距離情報を不要としながらRoFシステムの送受信アンテナのビームフォーミングを行う無線通信システムとして、図23に示す構成が考えられる。収容局970の位相調整部971は、波長λ(i=1,…,n)の光変調信号に位相調整を行う。光合成器972は、位相調整部971が位相調整した波長λ,…,λの光変調信号を波長多重し、光ファイバ980により基地局990まで伝送する。基地局990の各アンテナ素子993-1,…,993-nには、波長λ,…,λが固定的に対応している。基地局990の光分波器991は、光ファイバ980を伝送した波長λ,…,λの光変調信号を固定的に分岐する。波長λ,…,λの光変調信号はそれぞれ、O/E変換器992-1,…,992-nによりO/E変換され、アンテナ素子993-1,…,993-nからRF信号として放射される。
ここで、波長λ,…,λを十分狭い間隔で配置すると、各波長の分散値を等しいとみなすことができる。さらに、波長λ,…,λを等間隔で配置すれば、光ファイバ980の伝送時の波長分散による遅延差も等間隔とすることができ、そのRF信号としての位相回転差もΔβで等間隔とすることができる。ここで、収容局970の位相調整部971において波長λの光信号にRF信号として(i-1)αの位相調整を行うと、アンテナ素子993-(i+1)とアンテナ素子993-iとの位相差はα-Δβである。これにより、アンテナ素子993-1,…,993-nによりビームを形成することができる。
しかし、RF信号の周波数が高い場合、光変調信号における光キャリアと両側波帯との間隔が広く、波長を十分狭く配置できない可能性がある。また、十分狭く配置できたとしても、収容局および基地局の複雑化・高コスト化を招く恐れがある。
図24は、隣接する波長の光変調信号iと光変調信号(i+1)のスペクトルを示す図である。図24には、DSB(double side band)信号のスペクトルと、SSB信号(single side band)のスペクトルと、SSB信号に光インタリーブを行ったスペクトルを示している。DSB信号の場合は、光変調信号iと光変調信号(i+1)との波長間隔が、最低でもRF周波数の2倍は離れるようにする必要がある。一方、SSB信号の場合は、光変調信号iと光変調信号(i+1)との波長間隔が、最低でもRF周波数は離れるようにする必要がある。このように、SSB信号のほうがDSB信号よりも波長間隔を狭くすることができる。しかしながら、RF周波数が高い場合、例えSSB信号でも、分散値を等しくみなせる狭い範囲に波長を配置することができない場合もあると考えられる。また、SSB信号に光インタリーブを行えば波長間隔を狭くすることが可能である。しかし、図23に示す収容局970の光合成器972の構成及び基地局990の光分波器991の構成が非常に複雑になる。これは、収容局および基地局の高コスト化にもつながる。
そこで、本実施形態では、波長利用効率の悪化や高コスト化をおさえ、かつ、基地局制御及び光ファイバの距離情報を不要としながらRoFシステムの送受信アンテナのビームフォーミングを行うことができ、さらには波長配置に柔軟性を持たせることができる無線通信システム、収容局装置及び無線通信方法を説明する。
[1.全体構成]
図1は、本発明の実施形態による無線通信システム10の全体構成を示す図である。無線通信システム10は、収容局20、基地局40及び端末50を有する。収容局20及び基地局40は、光ファイバ30により接続される。収容局20と基地局40とは光ファイバ通信を行い、基地局40と端末50とは無線通信を行う。収容局20、光ファイバ30及び基地局40は、例えば、RoFシステムを構成する。
[2.基本原理]
本実施形態の無線通信システム10に用いられる基本原理を、送信アンテナのビームフォーミング原理、受信アンテナのビームフォーミング原理、ビーム方向決定フローの順に説明する。
[2.1 送信アンテナのビームフォーミング原理]
図2は、本実施形態による送信アンテナのビームフォーミングの基本原理を示す図である。図2では、送信に関係する機能部のみを示している。収容局20は、位相調整部21と、光合成器22とを有する。基地局40は、光分波器41と、n個(nは2以上の整数)のO/E(光/電気)変換器42と、n個のアンテナ素子43とを備える。以下では、n個のアンテナ素子43をそれぞれ、アンテナ素子43-1,…,43-nと記載し、アンテナ素子43-i(i=1,…,n)と接続されるO/E変換器42をO/E変換器42-iと記載する。
基地局40のn個のアンテナ素子43-1,…,43-nに対して、それぞれ相異なる波長λ11,…,λ1nを固定的に対応させる。これにより、特許文献1のような基地局の光分波器の制御を不要とすることができる。
波長λ11,…,λ1nは、光ファイバ30を伝送したときの波長分散による各光信号の遅延差が等間隔になるように配置されている。つまり、波長λ1iの光信号と波長λ1(i+1)の光信号とを、収容局20から基地局40まで光ファイバ30を伝送させたとき、これら光信号が基地局40に到達する時間の差がiの値によらず一定となるように配置されている。このように波長λ11,…,λ1nを配置するための計算方法の具体例を以下に示す。
光ファイバの分散値D[ps/nm/km]は、波長λ[nm]の関数D(λ)で与えられる。波長λ1iの光信号と波長λ1(i+1)の光信号とが1kmの光ファイバを伝送したとき、これら2つの光信号間に生じる遅延差Si,i+1[ps/km]は、以下の式(1)により求めることができる。
Figure 0007227536000001
そこでまず、波長λ11と波長λ12について、以下の式(2)により遅延差S12を計算する。
Figure 0007227536000002
続いて、波長λ1(i+1)(i≧2)について、遅延差Si,i+1が式(2)により求めた遅延差S12となるように、以下の式(3)を解く。
Figure 0007227536000003
式(3)を解くことにより、波長λ1(i+1)が求められる。これにより、波長λ11,…,λ1nの光信号を光ファイバ伝送したときの波長分散による各光信号の遅延差が等間隔になるように、波長λ11,…,λ1nを配置することができる。
以上の例では光ファイバの分散値Dを用いて波長配置を求めたが、他のパラメータを用いて波長配置の計算を行ってもよい。
収容局20は、波長λ11,…,λ1nの光を同一のRF信号により変調した光変調信号を光ファイバ伝送する前に、RF信号としての位相がそれぞれ0,α,2α,…,(n-1)αと等間隔になるように位相調整を行う。つまり、収容局20の位相調整部21は、波長λ1i(i=1,…,n)の光変調信号に対して、RF信号として(i-1)αの位相調整を行う。
収容局20の光合成器22は、位相調整部21が位相調整した波長λ11,…,λ1nの光変調信号を波長多重し、1本の光ファイバ30により基地局40まで伝送する。このとき、光ファイバ30の距離情報は分からなくてもよい。
波長λ11,…,λ1nの光変調信号を光ファイバ伝送すると、波長分散の影響を受けてそれぞれ異なる遅延差が生じるため、波長λ11,…,λ1nの光変調信号はそれぞれ異なる位相回転を受ける。上記のように、波長λ11,…,λ1nは光ファイバ伝送したときの波長分散による各光信号の遅延差が等間隔になるように配置されているため、波長λ11,…,λ1nの光変調信号のRF信号としての位相回転量も等間隔である。つまり、波長λ11,…,λ1nの光変調信号のRF信号としての位相回転量β11,…,β1nはそれぞれ、β11,β11-Δβ,β11-2Δβ,…,β11-(n-1)Δβである。位相回転量β1i(i=1,…,n)は、β1i=β11-(i-1)Δβと表現できる。波長λ11,…,λ1nは固定されているため、RF信号としての位相回転量β11,…,β1nは定数である。しかし、光ファイバ30の距離情報が分からない場合は、RF信号としての位相回転量β11,…,β1nの値を具体的に求めることはできない。
基地局40の光分波器41は、光ファイバ30を伝送した波長λ11,…,λ1nの光変調信号を固定的に分岐し、波長λ1i(i=1,…,n)の光変調信号をアンテナ素子43-iに向けて出力する。波長λ11,…,λ1nの光変調信号はそれぞれ、O/E変換器42-1,…,42-nによりO/E変換された後、アンテナ素子43-1,…,43-nからRF信号として放射される。波長λ1i(i=1,…,n)の光変調信号には、収容局20においてRF信号として(i-1)αの位相調整が行われており、さらに、光ファイバ30の伝送中にRF信号としてβ1i=β11-(i-1)Δβの位相回転がかかっている。従って、波長λ1i(i=1,…,n)の位相φ1iは、φ1i=(i-1)α+β1i=β11+(i-1)(α-Δβ)であり、この位相のRF信号がアンテナ素子43-iから放射される。
隣接するアンテナ素子43-iから放射される送信RF信号とアンテナ素子43-(i+1)から放射される送信RF信号との位相差は、φ1(i+1)-φ1i=α-Δβであり、iの値によらず一定の値である。
図3は、基地局40から放射する送信RF信号のビーム方向を示す図である。アンテナ素子43-1,…,43-nが等間隔dで配列されているとする。すなわち、アンテナ素子43-iとアンテナ素子43-(i+1)との間隔はdである。また、各アンテナ素子43の送信ビーム方向をθ、送信RF信号の波長をλRF1とする。この場合、以下の式(4)を満たす方向に送信ビームが形成される。
Figure 0007227536000004
先に述べた通り、光ファイバ30の距離情報が分からない場合は、RF信号としての位相回転量β11,…,β1nの値を具体的に求めることはできない。そのため、Δβは具体的な値が分からない定数である。
送信ビーム方向θを規定する変数はαのみであり、αの値を変化させることで送信ビーム方向θを変化させることができる。αの値を制御するのは収容局20である。そのため、送信ビーム方向制御に基地局40の制御は基本的には一切必要ない。ただし、光ファイバ30の距離情報が分からない場合は、Δβの具体的な値は分からない。よって、その送信ビーム方向θの具体的な値も分からない。
光ファイバ30の距離情報が分からない場合は、基地局40が形成した送信ビーム方向は分からない。従って、その送信ビーム方向の決定には、基地局40の通信相手である端末50のフィードバックが必要である。そのビーム方向決定フローについては、受信アンテナのビームフォーミングについて述べた後、詳しく述べる。
[2.2 受信アンテナのビームフォーミング原理]
図4は、本実施形態による無線通信システム10における受信アンテナのビームフォーミングの基本原理を示す図である。図4では、受信に関係する機能部のみを示してある。収容局20は、光分波器23と、位相調整部24とを有する。基地局40は、n個のアンテナ素子43-1,…,43-nと、n個のE/O(電気/光)変換器44と、光合成器45とを備える。アンテナ素子43-i(i=1,…,n)と接続されるE/O変換器44をE/O変換器44-iと記載する。
基地局40のn個のアンテナ素子43-1,…,43-nに対して、それぞれ相異なる波長λ21,…,λ2nを固定的に対応させる。波長λ21,…,λ2nは、光ファイバ30を伝送したときの波長分散による各光信号の遅延差が等間隔になるように配置されている。つまり、波長λ2iの光信号と波長λ2(i+1)の光信号とを、基地局40から収容局20まで光ファイバ30を伝送させたとき、収容局20に到達する時間の差がiの値によらず一定となるように配置されている。波長λ21,…,λ2nの配置については、上述した波長λ11,…,λ1nの場合と同様の計算で求めることができる。
基地局40において、端末50からの信号が図3に示すような方向θから到来したとする。アンテナ素子43-i(i=1,…,n)が受信したRF信号の位相をφ2iとし、受信RF信号の波長をλRF2とした場合に、i=1,…,n-1について以下の式(5)が成立する。
Figure 0007227536000005
従って、φ2i=φ21+(i-1)Δφ(i=1,…,n)である。基地局40のE/O変換器44-i(i=1,…,n)は、アンテナ素子43-iが受信した位相φ2iの受信RF信号を用いて波長λ2iの光信号を変調し、光合成器45により波長多重して1本の光ファイバ30で収容局20まで伝送する。このとき、光ファイバ30の距離情報は分からなくてもよい。
波長λ21,…,λ2nの光変調信号を光ファイバ伝送すると、波長分散の影響を受けてそれぞれ異なる遅延差を生じるため、波長λ21,…,λ2nの光変調信号はそれぞれ異なる位相回転を受ける。上記のように、波長λ21,…,λ2nは光ファイバ伝送したときの波長分散による各光信号の遅延差が等間隔になるように配置されているため、波長λ21,…,λ2nの光変調信号のRF信号としての位相回転量も等間隔である。つまり、波長λ21,…,λ2nの光変調信号のRF信号としての位相回転量β21,…,β2nはそれぞれ、β21,β21-Δβ,β21-2Δβ,…,β21-(n-1)Δβである。位相回転量β2iは、β2i=β21-(i-1)Δβ(i=1,…,n)と表現できる。波長λ21,…,λ2nは固定されているため、RF信号としての位相回転量β21,…,β2nは定数である。しかし、光ファイバ30の距離情報が分からない場合は、RF信号としての位相回転量β21,…,β2nの値を具体的に求めることはできない。
収容局20が受信した波長λ21,λ22,λ23,…,λ2nの光変調信号のRF信号としての位相は、φ21+β21,φ21+β21+Δφ-Δβ,φ21+β21+2(Δφ-Δβ),…,φ21+β21+(n-1)(Δφ-Δβ)である。これらの波長λ21,…,λ2nの光変調信号に対し、収容局20は、RF信号としてそれぞれ0,α,2α,…,(n-1)αと等間隔になるように位相調整を行う。つまり、位相調整部24は、光分波器23が分波した波長λ2iの光変調信号に対して、RF信号として(i-1)αの位相調整を行う。すると、波長λ21,λ22,λ23,…,λ2nの光変調信号のRF信号としての位相は、φ21+β21,φ21+β21+Δφ-Δβ+α,φ21+β21+2(Δφ-Δβ+α),…,φ21+β21+(n-1)(Δφ-Δβ+α)である。このとき、α=Δβ-Δφとすれば、波長λ21,…,λ2nの光変調信号のRF信号としての位相はφ21+β21で同相となり、方向θに受信アンテナのビームが形成される。収容局20は、これらの位相調整を波長λ21,…,λ2nの光変調信号に対してではなく、これら光変調信号をE/O変換した後の電気信号に対して行ってもよい。
先に述べた通り、光ファイバ30の距離情報が分からない場合は、RF信号としての位相回転量β21,…,β2nの値を具体的に求めることはできない。そのため、Δβは具体的な値の分からない定数であり、受信ビーム方向をθとするα=Δβ-Δφの値は具体的に求めることはできない。そこで、αの値を走査し、走査した中で受信電力が最大であるα=Δβ-Δφの値を求める。αの値を制御するのは収容局20であるため、受信ビーム方向制御に基地局40の制御は基本的には一切必要ない。
[2.3 送信アンテナ/受信アンテナのビーム方向決定フロー]
図5は、基地局40から送信されるp個(pは2以上の整数)のビーコンB(1),…,B(p)を示す図である。収容局20は、RF信号としてp個のビーコンB(1),…,B(p)を生成する。収容局20は、ビーコンB(j)(j=1,…,p)により変調した波長λ11,…,λ1nの光変調ビーコンB(j)を生成する。光変調ビーコンB(1),…,B(p)を光ファイバ伝送する前に、収容局20の位相調整部21は、それぞれαの値として相異なる値α11,…,α1pを用いて位相調整を行う。つまり、収容局20の位相調整部21は、ビーコンB(j)(j=1,…,p)により変調した波長λ1i(i=1,…,n)の光変調ビーコンB(j)に対して、(i-1)α1jの位相調整を行う。
収容局20の光合成器22は、位相調整部21により位相調整された波長λ11,…,λ1nの光変調ビーコンB(j)を波長多重し、光ファイバ30により基地局40まで伝送する。基地局40の光分波器41は、光ファイバ30を伝送した波長多重光信号を、波長λ11,…,λ1nの光変調ビーコンB(j)に分波する。O/E変換器42-iは、波長λ1iの光変調ビーコンB(j)を光信号から電気信号のビーコンB(j)に変換し、アンテナ素子43-iは電気信号に変換された波長λ1iの光変調ビーコンB(j)を放射する。これにより、アンテナ素子43-1,…,43-nからビーコンB(j)が放射される。このとき、ビーコンB(j)は、以下の式(6)を満たす方向θに放射される。
Figure 0007227536000006
以上をp個のビーコンB(1),…,B(p)について行うことで、図5に示すように、基地局40から相異なるp通りの方向θ,…,θそれぞれに、ビーコンB(1),…,B(p)を送信することができる。
端末50は、基地局40から放射されたp個のビーコンB(1),…,B(p)を受信する。端末50は、受信したp個のビーコンB(1),…,B(p)のうち、受信電力が最大のビーコンB(j)(j=1,…,pのいずれか)を選択する。端末50は、選択したビーコンB(j)のビーコン番号情報を基地局40にフィードバックする。このとき、端末50はビーコン番号情報をq回(qは2以上の整数)送信する。ビーコン番号情報は、ビーコンB(1),…,B(p)を一意に識別する情報の例である。以下では、ビーコンB(j)のビーコン番号情報をjとする。
基地局40は、端末50からフィードバックされたビーコン番号情報をE/O変換器44-1、…、44-nにより電気信号から光信号に変換する。基地局40は、E/O変換器44-1、…、44-nのそれぞれにより変換された光信号をそのまま光合成器45により波長合成したのち、光ファイバ30を介して収容局20に送信する。
収容局20の位相調整部24は、q回受信するビーコン番号情報それぞれに対して、αの値として相異なる値α21,…,α2qを用いて位相調整を行いながら、受信電力を求める。収容局20は、α21,…,α2qのうち受信電力が最大であったα2k(k=1,…,qのいずれか)を選択し、選択したα2kをαの値とすることにより、受信アンテナのビーム方向を決定する。また、収容局20は、受信したビーコン番号情報を基にαの値を決定し、送信アンテナのビーム方向を決定する。すなわち、収容局20は、ビーコン番号情報がjである場合、αの値をα1jに決定する。
図6は、無線通信システム10におけるビーム方向決定のフローを示す図である。図6は、収容局20、基地局40及び端末50それぞれにおける上記の動作を、同一時間軸上で示している。収容局20は、α11,…,α1pそれぞれをαに用いて位相調整した光変調ビーコンB(1),…,B(p)を生成する(ステップS10)。収容局20は、生成した光変調ビーコンB(1),…,B(p)を基地局40に送信する(ステップS11)。基地局40は、受信した光変調ビーコンB(1),…,B(p)をO/E変換してRF信号とする(ステップS12)。基地局40は、RF信号に変換されたビーコンB(1),…,B(p)それぞれを、異なるタイミングで送信する(ステップS13)。
端末50は、ビーコンB(1),…,B(p)を受信し、その中で受信電力が最大となったビーコンB(j)(j=1,…,pのいずれか)を選択する(ステップS14)。端末50は、選択したビーコンB(j)を特定するビーコン番号情報jをq回、基地局40に送信する(ステップS15)。基地局40は、受信したq個のビーコン番号情報jをE/O変換する(ステップS16)。基地局40は、E/O変換されたq個のビーコン番号情報jを、収容局20に送信する(ステップS17)。収容局20は、q個のビーコン番号情報jを、α21,…,α2qのようにαの値を走査しながら受信する。収容局20は、走査した中で受信電力が最大であったα2k(k=1,…,qのいずれか)の値を選択し、選択したα2kの値を、αの値として決定する。これにより、収容局20は、受信ビーム方向を決定する(ステップS18)。また、収容局20は、受信したビーコン番号情報jが示すビーコンB(j)を送信したときに用いたα1jにαの値を決定する。これにより、収容局20は、送信ビーム方向を決定する(ステップS19)。
なお、基地局40は、収容局20および端末50から受信した信号をO/E変換およびE/O変換するのみであり、基本的には一切の位相調整の制御を必要としない。
[3. 装置構成]
本実施形態の無線通信システム10に用いられる各装置の構成について説明する。
[3.1 収容局の構成]
図7は、収容局20の構成を示すブロック図であり、本実施形態と関係する機能ブロックのみを抽出して示してある。収容局20は、送信部210と、送信位相制御部220と、受信部230と、受信位相制御部240と、光サーキュレータ250とを備える。
送信部210は、波長λ11,…,λ1nの送信光変調信号を生成する。送信部210は、送信光変調信号の位相調整のために、各波長の光をRF信号により変調した光変調信号に対して位相調整を行う。この場合、送信部210として、後述する図8に示す第一送信部211を用いることができる。あるいは、送信部210は、送信光変調信号の位相調整のために、各波長の光の変調に用いるために分岐したRF信号に対して位相調整を行い、位相調整されたRF信号により各波長の光を変調する。この場合、送信部210として、後述する図9に示す第二送信部212を用いることができる。送信位相制御部220は、送信部210に対して位相調整の大きさを指示する。
受信部230は、波長λ21,…,λ2nの受信光変調信号に対して位相調整を行い、復調信号を得る。受信部230は、受信光変調信号の位相調整のために、分波した光変調信号それぞれに対して位相調整を行う。この場合、受信部230として、後述する図10に示す第一受信部231を用いることができる。あるいは、受信部230は、受信光変調信号の位相調整のために、分波した各光変調信号をO/E変換して得られたRF信号に対して位相調整を行う。この場合、受信部230として、後述する図11に示す第二受信部232を用いることができる。受信位相制御部240は、受信部230に対して位相調整の大きさを指示する。
光サーキュレータ250は、送信部210が出力した送信光変調信号を入力して光ファイバ30に出力する。光サーキュレータ250は、光ファイバ30を伝送した受信光変調信号を入力して受信部230に出力する。
図8は、第一送信部211の構成を示すブロック図である。第一送信部211は、多波長光源2111と、光変調部2112と、光分波器2113と、位相調整部2114-2,…,2114-nと、光合成器2115とを備える。多波長光源2111は、波長λ11,…,λ1nの光を出力する。光変調部2112は、多波長光源2111が出力した波長λ11,…,λ1nの光をそれぞれRF信号により変調する。光分波器2113は、波長λ11,…,λ1nの光変調信号を分岐する。位相調整部2114-2,…,2114-nは、図2の位相調整部21に相当する。位相調整部2114-i(i=2,…,n)は、送信位相制御部220の制御に従って、波長λ1iの光変調信号に対して位相調整を行った後、光合成器2115に出力する。光合成器2115は、図2の光合成器22に相当する。光合成器2115は、光分波器2113が出力したλ11の光変調信号と、位相調整部2114-2,…,2114-nそれぞれが出力したλ12,…,λ1nの光変調信号とを合成し、光サーキュレータ250に出力する。光サーキュレータ250は、合成された光変調信号を光ファイバ30に出力する。
図9は、第二送信部212の構成を示すブロック図である。第二送信部212は、多波長光源2121と、光分波器2122と、分岐部2123と、位相調整部2124-2,…,2124-nと、光変調部2125-1,…,2125-nと、光合成器2126とを備える。多波長光源2121は、波長λ11,…,λ1nの光を出力する。光分波器2122は、波長λ11,…,λ1nの光変調信号を分岐する。分岐部2123は、RF信号をn個に分岐して、光変調部2125-1及び位相調整部2124-2,…,2124-nに出力する。位相調整部2124-2,…,2124-nは、図2の位相調整部21に相当する。位相調整部2124-i(i=2,…,n)は、送信位相制御部220の制御に従ってRF信号に対して位相調整を行った後、光変調部2125-iに出力する。光変調部2125-1は、光分波器2122が分波した波長λ11の光をRF信号により変調し、変調により生成された光変調信号を光合成器2126に出力する。光変調部2125-i(i=2,…,n)は、光分波器2122が分波した波長λ1iの光を、位相調整部2124-iが位相を調整したRF信号により変調し、変調により生成された光変調信号を光合成器2126に出力する。光合成器2126は、図2の光合成器22に相当する。光合成器2126は、光変調部2125-1,…,2125-nそれぞれが出力したλ11,…,λ1nの光変調信号を合成し、合成された光変調信号を光サーキュレータ250に出力する。光サーキュレータ250は、合成された光変調信号を光ファイバ30に出力する。
図10は、第一受信部231の構成を示すブロック図である。第一受信部231は、光分波器2311と、位相調整部2312-2,…,2312-nと、光合成器2313と、O/E変換器2314と、受信電力計算部2315と、復調部2316とを備える。光分波器2311は、基地局40が出力した受信光変調信号を光サーキュレータ250から受信し、受信した受信光変調信号を波長λ22,…,λ2nの光変調信号に分岐する。位相調整部2312-2,…,2312-nは、図4の位相調整部24に相当する。位相調整部2312-i(i=2,…,n)は、受信位相制御部240の制御に従って、波長λ2iの光変調信号に対して位相調整を行った後、光合成器2313に出力する。光合成器2313は、光分波器2311が出力した波長λ21の光変調信号と、位相調整部2312-2,…,2312-nそれぞれが出力した波長λ22,…,λ2nの光変調信号とを合成し、合成された光変調信号をO/E変換器2314に出力する。O/E変換器2314は、光合成器2313が合成した光変調信号を電気信号に変換し、変換後の電気信号を受信電力計算部2315及び復調部2316に出力する。受信電力計算部2315は、O/E変換器2314から入力した電気信号の受信電力を計算し、計算結果を受信位相制御部240に出力する。復調部2316は、電気信号に変換された受信信号を復調する。復調部2316は、復調により、端末50が送信したビーコン番号情報を得ると、得られたビーコン番号情報を送信位相制御部220に出力する。
図11は、第二受信部232の構成を示すブロック図である。第二受信部232は、光分波器2321と、O/E変換器2322-1,…,2322-nと、位相調整部2323-2,…,2323-nと、受信電力計算部2324と、復調部2325とを備える。光分波器2321は、基地局40が出力した受信光変調信号を光サーキュレータ250から受信し、受信した受信光変調信号を波長λ21,…,λ2nの光変調信号に分岐する。O/E変換器2322-i(i=1,…,n)は、光分波器2321が分波した波長λ2iの光変調信号を電気信号に変換し、変換後の電気信号を出力する。位相調整部2323-i(i=2,…,n)は、受信位相制御部240の制御に従って、O/E変換器2322-iが出力した電気信号に対して位相調整を行う。受信電力計算部2324は、O/E変換器2322-1が出力した電気信号と、位相調整部2323-2,…,2323-nそれぞれが出力した電気信号とを用いて受信電力を計算し、計算結果を受信位相制御部240に出力する。復調部2325は、O/E変換器2322-1が出力した電気信号と、位相調整部2323-2,…,2323-nそれぞれが出力した電気信号とを用いて、端末50から送信された信号を復調する。復調部2325は、復調により、端末50が送信したビーコン番号情報を得ると、得られたビーコン番号情報を送信位相制御部220に出力する。
[3.2 基地局の構成]
図12は、基地局40の構成を示すブロック図であり、本実施形態と関係する機能ブロックのみを抽出して示してある。基地局40は、光分波器41と、O/E変換器42-1,…,42-nと、アンテナ素子43-1,…,43-nと、E/O変換器44-1,…,44-nと、光合成器45と、光サーキュレータ46と、電気サーキュレータ47-1,…,47-nとを有する。
光分波器41は、光ファイバ30を伝送した波長λ11,…,λ1nの光変調信号を分岐し、波長λ1i(i=1,…,n)の光変調信号をO/E変換器42-iに出力する。O/E変換器42-i(i=1,…,n)は、波長λ1iの光変調信号をRF信号に変換し、アンテナ素子43-iに出力する。アンテナ素子43-i(i=1,…,n)は、O/E変換器42-iが出力したRF信号を放射する。また、アンテナ素子43-i(i=1,…,n)は、無線により受信したRF信号をE/O変換器44-iに出力する。E/O変換器44-i(i=1,…,n)は、アンテナ素子43-iが受信したRF信号を用いて波長λ2iの光を変調することにより、RF信号を光信号に変換し、変換後の光信号を光合成器45に出力する。光合成器45は、E/O変換器44-1,…,44-nそれぞれから出力された波長λ21,…,λ2nの光変調信号を合成した受信光変調信号を出力する。
光サーキュレータ46は、光ファイバ30を伝送した送信光変調信号を入力して光分波器41に出力する。また、光サーキュレータ46は、光合成器45が合成した受信光変調信号を入力して光ファイバ30に出力する。電気サーキュレータ47-i(i=1,…,n)は、O/E変換器42-iが出力したRF信号を入力し、アンテナ素子43-iに出力する。また、電気サーキュレータ47-i(i=1,…,n)は、アンテナ素子43-iが受信したRF信号を入力し、入力したRF信号をE/O変換器44-iに出力する。
[3.3 端末の構成]
図13は、端末50の構成を示すブロック図であり、本実施形態と関係する機能ブロックのみを抽出して示してある。端末50は、アンテナ素子51-1,…,51-m(mは1以上の整数)と、電気サーキュレータ52-1,…,52-mと、受信アンテナ制御部53と、受信電力計算部54と、復調部55と、ビーコン選択部56と、送信アンテナ制御部57とを備える。
アンテナ素子51-1,…,51-mは、無線により受信したRF信号を受信アンテナ制御部53に出力する。また、アンテナ素子51-1,…,51-mは、送信アンテナ制御部57が出力したRF信号を放射する。電気サーキュレータ52-i(i=1,…,m)は、アンテナ素子51-iが受信したRF信号を入力し、入力したRF信号を受信アンテナ制御部53に出力する。また、電気サーキュレータ52-i(i=1,…,m)は、送信アンテナ制御部57が出力したRF信号を入力し、入力したRF信号をアンテナ素子51-iに出力する。受信アンテナ制御部53は、端末50の受信アンテナのビームフォーミングを制御する機能などを有する。受信電力計算部54は、受信したビーコンの受信電力を計算し、計算結果をビーコン選択部56に出力する。復調部55は、受信信号を復調する。復調部55は、ビーコンを復調した場合、そのビーコンに含まれる情報から得られるビーコン番号情報をビーコン選択部56に出力する。ビーコン選択部56は、受信電力計算部54が計算した受信電力に基づいて、受信電力が最大のビーコンのビーコン番号情報を取得し、取得したビーコン番号情報を送信アンテナ制御部57に出力する。送信アンテナ制御部57は、ビーコン番号情報を設定したRF信号をp回、アンテナ素子51-1,…,51-mから送信するよう制御する。また、送信アンテナ制御部57は、端末50の送信アンテナのビームフォーミングを制御する機能などを有する。
[4.無線通信システムの動作]
続いて、無線通信システム10の動作について説明する。
[4.1 第一送信部及び第一受信部を用いた場合(動作例1)]
動作例1では、収容局20の送信部210として、図8に示す第一送信部211を用い、収容局20の受信部230として、図10に示す第一受信部231を用いる。収容局20は、送信光変調信号および受信光変調信号の位相調整のために、各波長の光変調信号に対して位相調整を行う。
[4.1.1 送信アンテナのビームフォーミング]
収容局20の多波長光源2111は、n個の相異なる波長λ11,…,λ1nの光信号を生成する。波長λ11,…,λ1nは、光ファイバ30を伝送したときの波長分散による各光信号の遅延差が等間隔になるように配置されている。波長λ11,…,λ1nの光信号は、1つの光変調部2112に入力される。光変調部2112は、入力されるRF信号を用いて、多波長光源2111から入力された波長λ11,…,λ1nの光信号を変調し、変調により生成された波長λ11,…,λ1nの光変調信号を出力する。
一般に、光信号をRF信号で変調した信号はDSB信号となる。このDSB信号を光ファイバ伝送すると、波長分散の影響を受け、下側波帯と上側波帯との間に遅延差が生じ、フェージングが発生する。そのため、伝送可能な光ファイバ長が制限されてしまう。RF信号の周波数が高くなるほど、側波帯間の間隔が広くなるため、フェージングの影響が顕著になる。この波長分散によるフェージングを回避するため、光変調部2112は、光変調信号をSSB信号や2トーン信号にするなど、波長分散によるフェージング対策を行う機能を有していてもよい。
光分波器2113は、波長λ11,…,λ1nの光変調信号を固定的に分岐する。波長λ11の光変調信号はそのまま光合成器2115に送られ、波長λ12,…,λ1nの光変調信号はそれぞれ位相調整部2114-2,…,2114-nに送られる。このとき、光分岐は固定的なため、光分波器2113の制御は必要ない。
送信位相制御部220は、n-1個の位相調整部2114-2,…,2114-nに対してαの値を入力する。波長λ11,λ12,λ13,…,λ1nの光変調信号へのRF信号としての位相調整量は、それぞれ0,α,2α,…,(n-1)αであり、α間隔である。すなわち、波長λ1i(i=1,…,n)の光変調信号に対して、RF信号として(i-1)αの位相調整が行われるものとみなすことができる。波長λ13,…,λ1nの光変調信号の位相調整量は、波長λ12の光変調信号の位相調整量αが決定されれば自動的に決定される。つまり、位相調整部2114-i(i=2,…,n)は、入力された波長λ1iの光変調信号に対して、RF信号として(i-1)αの位相調整を行った後、光合成器2115に出力する。
光合成器2115は、波長λ11の光変調信号と、位相調整された波長λ12,…,λ1nの光変調信号とを合成する。合成された光変調信号は、光サーキュレータ250及び光ファイバ30を経て、基地局40に送られる。このとき、光ファイバ30の距離情報は分からなくてもよい。
波長λ11,…,λ1nの光変調信号を光ファイバ伝送すると、波長分散の影響を受けてそれぞれ異なる遅延差が生じ、異なる位相回転を受ける。波長λ11,…,λ1nは光ファイバ伝送したときの波長分散による各光信号の遅延差が等間隔になるように配置されているため、波長λ11,…,λ1nの光変調信号のRF信号としての位相回転量も等間隔である。つまり、波長λ11,…,λ1nの光変調信号のRF信号としての位相回転量β11,…,β1nはそれぞれ、β11,β11-Δβ,β11-2Δβ,…,β11-(n-1)Δβであり、β1i=β11-(i-1)Δβと表現できる。波長λ11,…,λ1nは固定されているため、RF信号としての位相回転量β11,…,β1nは定数である。しかし、光ファイバ30の距離情報が分からない場合は、RF信号としての位相回転量β11,…,β1nの値を具体的に求めることはできない。
収容局20から基地局40に光ファイバ伝送された波長λ11,…,λ1nの光変調信号は、光サーキュレータ46を経て光分波器41で固定的に分岐され、波長λ1i(i=1,…,n)の光変調信号はアンテナ素子43-iに向けて送られる。このとき、光分岐は固定的なため、光分波器41の制御は必要ない。
O/E変換器42-1,…,42-nはそれぞれ、O/E変換により波長λ11,…,λ1nの光変調信号をRF信号に変換する。波長λ1iの光変調信号は、収容局20においてRF信号として(i-1)αの位相調整が行われており、光ファイバ伝送中にRF信号としてβ1i=β11-(i-1)Δβの位相回転がかかっている。その位相φ1iは、φ1i=(i-1)α+β1i=β11+(i-1)(α-Δβ)であり、この位相のRF信号がアンテナ素子43-iから放射される。
隣接するアンテナ素子43-iとアンテナ素子43-(i+1)とのそれぞれから放射される送信RF信号の位相差は、φ1(i+1)-φ1i=α-Δβであり、隣接するアンテナ素子間の位相差がα-Δβで一定である。アンテナ素子43-1,…,43-nが等間隔dで配列されているものとすると、送信RF信号の波長をλRF1とし、図3のように送信ビーム方向θを定義すれば、上記の式(4)を満たす方向に送信ビームが形成される。
送信RF信号の波長λRF1、アンテナ素子間隔dは既知の定数である。波長λ11,…,λ1nは固定的であるためΔβも定数である。しかしながら、光ファイバ30の距離情報が分からない場合は、RF信号としての位相回転量β11,…,β1nの値を具体的に求めることはできない。従って、Δβの具体的な値を求めることもできない。よって、送信ビーム方向θを規定するのはαのみである。これは、αを変化させることで、ある方向θに送信ビームを形成することができるが、その具体的な方向は分からないことを意味する。ただし、αを制御するのは収容局20のみであるため、送信ビーム形成のための基地局40の制御は基本的には一切必要ない。
上記のように、光ファイバ30の距離情報が分からない場合は、基地局40が形成した送信ビーム方向θは分からない。従って、その送信ビーム方向の決定には、基地局40の通信相手である端末50のフィードバックが必要である。その送信ビーム方向決定フローについては、受信アンテナのビームフォーミングについて述べた後、詳しく述べる。
[4.1.2 受信アンテナのビームフォーミング]
基地局40のn個のアンテナ素子43-1,…,43-nが端末50からのRF信号を受信すると、受信RF信号は電気サーキュレータ47-1,…,47-nを経て、E/O変換器44-1,…,44-nに送られる。アンテナ素子43-1,…,43-nに対応するE/O変換器44-1,…,44-nは、それぞれ受信RF信号により波長λ21,…,λ2nの光信号を変調し、変調により生成された波長λ21,…,λ2nの光変調信号を出力する。波長λ21,…,λ2nは、光ファイバ30を伝送したときの波長分散による各光信号の遅延差が等間隔になるように配置されている。
基地局40において、端末50からの信号が図3のような方向θから到来したとする。アンテナ素子43-iで受信したRF信号の位相をφ2iとすると、受信RF信号の波長をλRF2とした場合に、上記の式(5)が成立し、φ2i=φ21+(i-1)Δφと表せる。つまり、アンテナ素子43-iに対応するE/O変換器44-iは、位相φ2iの受信RF信号で波長λ2iの光信号を変調し、変調により生成された波長λ2iの光変調信号を出力する。光合成器45は、波長λ21,…,λ2nの光変調信号を合成する。合成された光変調信号は、光サーキュレータ46及び光ファイバ30を経て収容局20に送られる。このとき、光ファイバ30の距離情報は分からなくてもよい。
波長λ21,…,λ2nの光変調信号を光ファイバ伝送すると、波長分散の影響を受けてそれぞれ異なる遅延差が生じ、異なる位相回転を受ける。波長λ21,…,λ2nは光ファイバ伝送したときの波長分散による各光信号の遅延差が等間隔になるように配置されているため、波長λ21,…,λ2nの光変調信号のRF信号としての位相回転量も等間隔である。つまり、波長λ21,…,λ2nの光変調信号のRF信号としての位相回転量β21,…,β2nはそれぞれ、β21,β21-Δβ,β21-2Δβ,…,β21-(n-1)Δβであり、β2i=β21-(i-1)Δβと表現できる。波長λ21,…,λ2nは固定されているため、RF信号としての位相回転量β21,…,β2nは定数である。しかし、光ファイバ30の距離情報が分からない場合は、RF信号としての位相回転量β21,…,β2nの値を具体的に求めることはできない。
収容局20が受信した波長λ21,λ22,λ23,…,λ2nの光変調信号のRF信号としての位相は、φ21+β21,φ21+β21+Δφ-Δβ,φ21+β21+2(Δφ-Δβ),…,φ21+β21+(n-1)(Δφ-Δβ)である。
基地局40から光ファイバ伝送された波長λ21,…,λ2nの光変調信号は、収容局20の光サーキュレータ250を経て第一受信部231の光分波器2311で固定的に分岐される。波長λ21の光変調信号はそのまま光合成器2313に送られ、波長λ22,…,λ2nの光変調信号はそれぞれ、位相調整部2312-2,…,2312-nに送られる。このとき、光分岐は固定的なため、光分波器2311の制御は必要ない。
受信位相制御部240は、n-1個の位相調整部2312-2,…,2312-nに対して、αの値を入力する。波長λ21,λ22,λ23,…,λ2nの光変調信号へのRF信号としての位相調整量は、それぞれ0,α,2α,…,(n-1)αであるためα間隔である。すなわち、波長λ2i(i=1,…,n)の光変調信号に対してRF信号として(i-1)αの位相調整が行われるものとみなすことができる。波長λ23,…,λ2nの光変調信号の位相調整量は、波長λ22の光変調信号の位相調整量αが決定されれば自動的に決定される。つまり、位相調整部2312-i(i=2,…,n)は、入力される波長λ2iの光変調信号に対して、RF信号として(i-1)αの位相調整を行う。
以上の位相調整が行われた場合、波長λ21,λ22,λ23,…,λ2nの光変調信号のRF信号としての位相はそれぞれ、φ21+β21,φ21+β21+Δφ-Δβ+α,φ21+β21+2(Δφ-Δβ+α),…,φ21+β21+(n-1)(Δφ-Δβ+α)である。このとき、α=Δβ-Δφとすれば、波長λ21,…,λ2nの光変調信号のRF信号としての位相はφ21+β21で同相となり、方向θに受信アンテナのビームが形成される。先に述べた通り、光ファイバ30の距離情報が分からない場合は、RF信号としての位相回転量β21,…,β2nの値を具体的に求めることはできない。そのため、Δβは具体的な値の分からない定数であり、受信ビーム方向をθとするα=Δβ-Δφの値は具体的に求めることはできない。よって、αの値を走査し、走査した中で受信電力が最大であるα=Δβ-Δφの値を求めることが必要となる。
ここで、受信ビーム方向θを規定する変数はαのみであり、αの値を変化させることで受信ビーム方向θを変化させることができる。αを制御するのは収容局20であるため、受信ビーム方向制御に基地局40の制御は基本的には一切必要ない。
[4.1.3 受信アンテナ/送信アンテナのビーム方向決定フロー]
受信アンテナ/送信アンテナのビーム方向決定フローは、上述した図6と同様である。
収容局20は、RF信号としてp個のビーコンB(1),…,B(p)を生成し、光変調部2112に順番に入力する。光変調部2112は、ビーコンB(j)(j=1,…,p)により多波長光源2111が出力した波長λ11,…,λ1nの光信号を変調し、変調により生成された波長λ11,…,λ1nの光変調ビーコンB(j)を出力する。
光分波器2113は、波長λ11,…,λ1nの光変調ビーコンB(j)を分岐する。波長λ11の光変調ビーコンB(j)はそのまま光合成器2115に出力される。位相調整部2114-2,…,2114-nはそれぞれ、送信位相制御部220からの制御に従ってα=α1jとして、波長λ12,…,λ1nの光変調ビーコンB(j)に対して位相調整を行う。そのため、送信位相制御部220は、位相調整部2114-2,…,2114-nに、p個の光変調ビーコンB(1),…,B(p)のそれぞれに対応するαの値として相異なる値α11,…,α1pを指示する。
光合成器2115は、それぞれ位相調整された波長λ11,…,λ1nの光変調ビーコンB(j)を合成する。合成された光変調ビーコンB(j)は、光ファイバ伝送された後、基地局40においてO/E変換され、ビーコンB(j)としてアンテナ素子43-1,…,43-nから放射される。このとき、ビーコンB(j)は、上述した式(6)を満たす方向θに放射される。
無線通信システム10は、以上の動作をp個のビーコンB(1),…,B(p)について行うことで、図5に示すように、基地局40から相異なるp通りの方向θ,…,θにそれぞれビーコンB(1),…,B(p)を送信することができる(図6のステップS10~ステップS13)。
端末50のアンテナ素子51-1,…,51-mは、基地局40からp個のビーコンB(1),…,B(p)を受信する。受信アンテナ制御部53は、アンテナ素子51-1,…,51-mが受信したp個のビーコンB(1),…,B(p)を、受信電力計算部54と復調部55に出力する。受信電力計算部54は、受信したp個のビーコンB(1),…,B(p)それぞれの受信電力を計算し、その結果を出力する。復調部55は、受信したp個のビーコンB(1),…,B(p)それぞれを復調してビーコン番号を出力する。
ビーコン選択部56は、受信電力計算部54および復調部55よりそれぞれ入力されるビーコンの受信電力とビーコン番号に基づき、受信電力が最大であったビーコンのビーコン番号を選択してそのビーコン番号情報を出力する(図6のステップS14)。送信アンテナ制御部57は、ビーコン選択部56が出力したビーコン番号情報を、アンテナ素子51-1,…,51-mから基地局40に送信するよう制御する。端末50は、このビーコン番号情報をq回送信する(図6のステップS15)。
基地局40のE/O変換器44-1,…,44-nは、アンテナ素子43-1,…,43-nが端末50から受信したビーコン番号情報をE/O変換する(図6のステップS16)。光合成器45は、このE/O変換により得られた波長λ21,…,λ2nの光変調ビーコン番号情報を合成し、収容局20に送信する。基地局40は、端末50からビーコン番号情報をq回送信するため、収容局20に対して光変調ビーコン番号情報を異なるタイミングでq回送信する(図6のステップS17)。
収容局20の光分波器2311は、基地局40から送信された光変調ビーコン番号情報を、波長λ21,…,λ2nの光変調ビーコン番号情報に分岐する。波長λ21の光変調ビーコン番号情報はそのまま光合成器2313に送られ、波長λ22,…,λ2nの光変調ビーコン番号情報はそれぞれ位相調整部2312-2,…,2312-nにおいて位相調整が行われる。このとき、位相調整部2312-2,…,2312-nは、受信位相制御部240からの制御に従って、q回受信される光変調ビーコン番号情報に対し、それぞれ相異なるαの値α21,…,α2qで位相調整を行う。そのため、受信位相制御部240は、光変調ビーコン番号情報の受信の度にα値をα21,…,α2qと順に変更して位相調整部2312-2,…,2312-nに指示する。
光合成器2313は、波長λ21の光変調ビーコン番号情報と、位相調整部2312-2,…,2312-nそれぞれが位相調整を行った波長λ22,…,λ2nの光変調ビーコン番号情報を合成し、O/E変換器2314に出力する。O/E変換器2314は、合成された光変調ビーコン番号情報をO/E変換することにより、ビーコン番号情報を得る。O/E変換器2314は、ビーコン番号情報を、受信電力計算部2315及び復調部2316に出力する。
受信電力計算部2315は、それぞれ異なる位相調整が行われたq個のビーコン番号情報を受信し、その受信電力を計算して受信位相制御部240に通知する。受信位相制御部240は、通知された受信電力に基づき、受信電力が最大となったときのαの値を決定する。このように、収容局20は、q個のビーコン番号情報をαの値を走査しながら受信し、走査した中で受信電力が最大であったαの値を選択して決定する。これにより、受信アンテナのビーム方向が決定される(図6のステップS18)。受信位相制御部240は、決定したαの値を端末50からの信号受信時に用いるよう第一受信部231を制御する。
復調部2316は、受信したビーコン番号情報を復調し、送信位相制御部220に出力する。送信位相制御部220は、そのビーコン番号情報に基づいてαの値を決定する。これにより、送信アンテナのビーム方向が決定される(図6のステップS19)。送信位相制御部220は、決定したαの値を端末50への信号送信時に用いるよう第一送信部211を制御する。
よって、基地局40は、収容局20および端末50から受信した信号をO/E変換およびE/O変換すればよく、ビーム方向の制御についての制御を必要としない。
[4.2 第二送信部及び第二受信部を用いた場合(動作例2)]
動作例2では、収容局20の送信部210として、図9に示す第二送信部212を用い、収容局20の受信部230として、図11に示す第二受信部232を用いる。収容局20は、送信光変調信号および受信光変調信号の位相調整のために、RF信号に対して位相調整を行う。
[4.2.1 送信アンテナのビームフォーミング]
収容局20の多波長光源2121は、n個の相異なる波長λ11,…,λ1nの光信号を生成する。波長λ11,…,λ1nは、光ファイバ30を伝送したときの波長分散による各光信号の遅延差が等間隔になるように配置されている。光分波器2122は、波長λ11,…,λ1nの光信号を分岐し、それぞれ光変調部2125-1,…,2125-nに入力する。
送信位相制御部220は、n-1個の位相調整部2124-2,…,2124-nに対して、αの値を入力する。分岐部2123は、RF信号をn個に分岐し、分岐されたRF信号を光変調部2125-1及び位相調整部2124-2,…,2124-nに出力する。位相調整部2124-i(i=2,…,n)は、分岐部2123から入力されるRF信号に対し、(i-1)αの位相調整を行い、位相調整により生成されたRF信号(i)を出力する。
光変調部2125-1はRF信号により波長λ11の光信号を変調し、変調により生成された波長λ11の光変調信号を出力する。光変調部2125-i(i=2,…,n)は、RF信号(i)により波長λ1iの光信号を変調し、変調により生成された波長λ1iの光変調信号を出力する。動作例1と同様に、光変調部2125-1,…,2125-nは、波長分散によるフェージング対策を行う機能を有していてもよい。
光合成器2115は、波長λ11,…,λ1nの光変調信号を合成する。合成された光変調信号は、光サーキュレータ250及び光ファイバ30を経て、基地局40に送られる。このとき、光ファイバ30の距離情報は分からなくてもよい。
動作例1と同様に、波長λ11,…,λ1nの光変調信号を光ファイバ伝送すると、波長分散の影響を受けてそれぞれ異なる遅延差が生じ、異なる位相回転を受ける。波長λ11,…,λ1nは光ファイバ伝送したときの波長分散による各光信号の遅延差が等間隔になるように配置されているため、波長λ11,…,λ1nの光変調信号のRF信号としての位相回転量も等間隔である。つまり、波長λ11,…,λ1nの光変調信号のRF信号としての位相回転量β11,…,β1nはそれぞれ、β11,β11-Δβ,β11-2Δβ,…,β11-(n-1)Δβであり、β1i=β11-(i-1)Δβと表現できる。波長λ11,…,λ1nは固定されているため、RF信号としての位相回転量β11,…,β1nは定数である。しかし、光ファイバの距離情報が分からない場合は、RF信号としての位相回転量β11,…,β1nの値を具体的に求めることはできない。
基地局40及び端末50の動作は、動作例1と同様である。すなわち、収容局20から基地局40に光ファイバ伝送された波長λ11,…,λ1nの光変調信号は、光サーキュレータ46を経て光分波器41で固定的に分岐される。光分岐は固定的なため、光分波器41の制御は必要ない。O/E変換器42-1,…,42-nはそれぞれ、光分波器41が分岐した波長λ11,…,λ1nの光変調信号をRF信号に変換する。波長λ1iの光変調信号は、収容局20においてRF信号として(i-1)αの位相調整が行われており、光ファイバ伝送中にRF信号としてβ1i=β11-(i-1)Δβの位相回転がかかっている。その位相φ1iは、φ1i=(i-1)α+β1i=β11+(i-1)(α-Δβ)であり、この位相のRF信号がアンテナ素子43-iから放射される。
動作例1と同様に、隣接するアンテナ素子43-iとアンテナ素子43-(i+1)とのそれぞれから放射される送信RF信号の位相差は、φ1(i+1)-φ1i=α-Δβであり、隣接するアンテナ素子間の位相差がα-Δβで一定となっている。アンテナ素子43-1,…,43-nが等間隔dで配列されているものとすると、送信RF信号の波長をλRF1とし、図3のように送信ビーム方向θを定義すれば、上記の式(4)を満たす方向に送信ビームが形成される。
動作例1と同様に、送信RF信号の波長λRF1、アンテナ素子間隔dは既知の定数である。波長λ11,…,λ1nは固定的であるため、Δβも定数である。しかしながら、光ファイバ30の距離情報が分からない場合は、RF信号としての位相回転量β11,…,β1nの値を具体的に求めることはできない。従って、Δβその具体的な値を求めることはできない。よって、送信ビーム方向θを規定するのはαのみである。これは、αを変化させることである方向θに送信ビームを形成することができるが、その具体的な方向は分からないことを意味する。ただし、αを制御するのは収容局20のみであるため、送信ビーム形成のための基地局制御は一切必要ない。
動作例1と同様に、光ファイバの距離情報が分からない場合は、基地局40が形成した送信ビーム方向θが分からない。従って、その送信ビーム方向の決定には、基地局40の通信相手である端末50のフィードバックが必要である。その送信ビーム方向決定フローについては、受信アンテナのビームフォーミングについて述べた後、詳しく述べる。
[4.2.2 受信アンテナのビームフォーミング]
基地局40のn個のアンテナ素子43-1,…,43-nが端末50からのRF信号を受信した場合の動作は、動作例1と同様である。すなわち、受信RF信号は電気サーキュレータ47-1,…,47-nを経て、E/O変換器44-1,…,44-nに送られる。E/O変換器44-1,…,44-nは、それぞれ受信RF信号で波長λ21,…,λ2nの光信号を変調し、変調により生成された波長λ21,…,λ2nの光変調信号を出力する。波長λ21,…,λ2nは、光ファイバ30を伝送したときの波長分散による各光信号の遅延差が等間隔になるように配置されている。
動作例1と同様に、基地局40において、端末50からの信号が図3のような方向θから到来したとする。アンテナ素子43-iで受信したRF信号の位相をφ2iとした場合に、上記の式(5)が成立し、φ2i=φ21+(i―1)Δφと表せる。アンテナ素子43-iに対応するE/O変換器44-iは、位相φ2iの受信RF信号で波長λ2iの光信号を変調し、変調により生成された波長λ2iの光変調信号を出力する。光合成器45は、波長λ21,…,λ2nの光変調信号を合成する。合成された光変調信号は、光サーキュレータ46及び光ファイバ30を経て収容局20に送られる。このとき、光ファイバ30の距離情報は分からなくてもよい。
動作例1と同様に、波長λ21,…,λ2nの光変調信号を光ファイバ伝送すると、波長分散の影響を受けてそれぞれ異なる遅延差が生じ、異なる位相回転を受ける。波長λ21,…,λ2nは光ファイバ伝送したときの波長分散による各光信号の遅延差が等間隔になるように配置されているため、波長λ21,…,λ2nの光変調信号のRF信号としての位相回転量も等間隔である。つまり、波長λ21,…,λ2nの光変調信号のRF信号としての位相回転量β21,…,β2nはそれぞれ、β21,β21-Δβ,β21-2Δβ,…,β21-(n-1)Δβであり、β2i=β21-(i-1)Δβと表現できる。波長λ21,…,λ2nは固定されているため、RF信号としての位相回転量β21,…,β2nは定数である。しかし、光ファイバ30の距離情報が分からない場合は、RF信号としての位相回転量β21,…,β2nの値を具体的に求めることはできない。また、動作例1と同様に、収容局20が受信した波長λ21,λ22,λ23,…,λ2nの光変調信号のRF信号としての位相は、φ21+β21,φ21+β21+Δφ-Δβ,φ21+β21+2(Δφ-Δβ),…,φ21+β21+(n-1)(Δφ-Δβ)である。
基地局40から光ファイバ伝送された波長λ21,…,λ2nの光変調信号は、収容局20の光サーキュレータ250を経て第二受信部232の光分波器2321で固定的に分岐される。O/E変換器2322-1,…,2322-nはそれぞれ、波長λ21,…,λ2nの光変調信号をO/E変換し、受信信号(1),…,受信信号(n)を得る。O/E変換器2322-i(i=1,…,n)は、O/E変換により得られた受信信号(i)を出力する。受信信号(2),…,受信信号(n)はそれぞれ、位相調整部2323-2,…,2323-nに入力される。
受信位相制御部240は、n-1個の位相調整部2323-2,…,2323-nに対して、αの値を入力する。受信信号(1),受信信号(2),受信信号(3),…,受信信号(n)へのRF信号としての位相調整量はそれぞれ、0,α,2α,…,(n-1)αであるため、α間隔である。すなわち、受信信号(i)(i=1,…,n)に対してRF信号として(i-1)αの位相調整が行われるものとみなすことができる。受信信号(3),…,受信信号(n)の位相調整量は、受信信号(2)の位相調整量αが決定されれば自動的に決定される。つまり、位相調整部2323-i(i=2,…,n)は、受信信号(i)に対して、RF信号として(i-1)αの位相調整を行う。
以上の位相調整が行われた場合、受信信号(1),受信信号(2),受信信号(3),…,受信信号(n)のRF信号としての位相はそれぞれ、φ21+β21,φ21+β21+Δφ-Δβ+α,φ21+β21+2(Δφ-Δβ+α),…,φ21+β21+(n-1)(Δφ-Δβ+α)である。このとき、α=Δβ-Δφとすれば、受信信号(1),受信信号(2),受信信号(3),…,受信信号(n)のRF信号としての位相はφ21+β21で同相となり、方向θに受信アンテナのビームが形成される。先に述べた通り、光ファイバ30の距離情報が分からない場合は、RF信号としての位相回転量β21,…,β2nの値を具体的に求めることはできない。そのため、Δβは具体的な値の分からない定数であり、受信ビーム方向をθとするα=Δβ-Δφの値は具体的に求めることはできない。よって、αの値を走査し、走査した中で受信電力が最大であるα=Δβ-Δφの値を求めることが必要となる。
ここで、動作例1と同様に、受信ビーム方向θを規定する変数はαのみであり、αの値を変化させることで受信ビーム方向θを変化させることができる。αを制御するのは収容局20であるため、受信ビーム方向制御に基地局40の制御は基本的には一切必要ない。
[4.2.3 受信アンテナ/送信アンテナのビーム方向決定フロー]
受信アンテナ/送信アンテナのビーム方向決定フローは、上述した図6と同様である。
収容局20は、RF信号としてp個のビーコンB(1),…,B(p)を生成し、分岐部2123は光変調部2125-1及び位相調整部2124-2,…,2124-nに順番に入力する。位相調整部2124-i(i=2,…,n)は、送信位相制御部220からの制御に従って、ビーコンB(j)(j=1,…,p)に対してα=α1jとして位相調整を行う。そのため、送信位相制御部220は、位相調整部2124-2,…,2124-nに、p個のビーコンB(1),…,B(p)のそれぞれに対応するαの値として相異なる値α11,…,α1pを指示する。
光変調部2125-1は、ビーコンB(j)を用いて波長λの光信号を変調し、変調により生成された波長λ11の光変調ビーコンB(j)を出力する。光変調部2125-i(i=2,…,n)は、位相調整部2124-iにより位相が変調されたビーコンB(j)を用いて波長λ1iの光信号を変調し、変調により生成された波長λ1iの光変調ビーコンB(j)を出力する。
光合成器2126は、それぞれ位相調整された波長λ11,…,λ1nの光変調ビーコンB(j)を合成する。合成された光変調ビーコンB(j)は、光ファイバ伝送された後、基地局40においてO/E変換され、ビーコンB(j)としてアンテナ素子43-1,…,43-nから放射される。このとき、ビーコンB(j)は、上述した式(6)を満たす方向θに放射される。
動作例1と同様に、無線通信システム10は、以上の動作をp個のビーコンB(1),…,B(p)について行うことで、図5に示すように、基地局40から相異なるp通りの方向θ,…,θにそれぞれビーコンB(1),…,B(p)を送信することができる(図6のステップS10~ステップS13)。
端末50は、動作例1と同様に動作する。すなわち、端末50の受信アンテナ制御部53は、アンテナ素子51-1,…,51-mが受信したp個のビーコンB(1),…,B(p)を、受信電力計算部54と復調部55に出力する。受信電力計算部54は、受信したp個のビーコンB(1),…,B(p)それぞれの受信電力を計算し、その結果を出力する。復調部55は、受信したp個のビーコンB(1),…,B(p)それぞれを復調してビーコン番号を出力する。ビーコン選択部56は、受信電力計算部54および復調部55よりそれぞれ入力されるビーコンの受信電力とビーコン番号に基づき、受信電力が最大であったビーコンのビーコン番号を選択してそのビーコン番号情報を出力する(図6のステップS14)。送信アンテナ制御部57は、ビーコン選択部56が出力したビーコン番号情報を、アンテナ素子51-1,…,51-mから基地局40に送信するよう制御する。端末50はこのビーコン番号情報をq回送信する(図6のステップS15)。
動作例1と同様に、基地局40は、端末50から受信したビーコン番号情報をE/O変換し、波長λ21,…,λ2nの光変調ビーコン番号情報を収容局20に送信する(図6のステップS16)。基地局40は、端末50からビーコン番号情報をq回送信するため、収容局20に対して光変調ビーコン番号情報をq回送信する(図6のステップS17)。
収容局20の光分波器2321は、基地局40から送信された光変調ビーコン番号情報を、波長λ21,…,λ2nの光変調ビーコン番号情報に分岐する。O/E変換器2322-1,…,2322-nは、波長λ21,…,λ2nの光変調ビーコン番号情報をO/E変換し、受信ビーコン番号情報(1),…,(n)を得る。受信ビーコン番号情報(2),…,(n)は、それぞれ位相調整部2323-2,…,2323-nに出力される。
位相調整部2323-2,…,2323-nはそれぞれ、受信ビーコン番号情報(2),…,(n)に位相調整を行う。このとき、位相調整部2323-2,…,2323-nは、受信位相制御部240からの制御に従って、q回受信される受信ビーコン番号情報に対し、それぞれ相異なるαの値α21,…,α2qで位相調整を行う。そのため、受信位相制御部240は、光変調ビーコン番号情報の受信の度にα値をα21,…,α2qと順に変更して位相調整部2323-2,…,2323-nに指示する。
O/E変換器2322-1が出力した受信ビーコン番号情報(1)と、位相調整部2323-2,…,2323-nそれぞれにより位相調整が行われた受信ビーコン番号情報(2),…,(n)は、合成されて受信電力計算部2324及び復調部2325に出力される。
動作例1と同様に、受信電力計算部2324は、それぞれ異なる位相調整が行われたq個のビーコン番号情報を受信し、その受信電力を計算して受信位相制御部240に通知する。受信位相制御部240は、通知された受信電力に基づき、受信電力が最大となったときのαの値を決定する。このように、収容局20は、q個のビーコン番号情報をαの値を走査しながら受信し、走査した中で受信電力が最大であったαの値を選択して決定する。これにより、受信アンテナのビーム方向が決定される(図6のステップS18)。受信位相制御部240は、決定したαの値を端末50からの信号受信時に用いるよう第二受信部232を制御する。
動作例1と同様に、復調部2325は、受信したビーコン番号情報を復調し、送信位相制御部220に出力する。送信位相制御部220は、そのビーコン番号情報に基づいてαの値を決定する。これにより、送信アンテナのビーム方向が決定される(図6のステップS19)。送信位相制御部220は、決定したαの値を端末50への信号送信時に用いるよう第二送信部212を制御する。
よって、基地局40は、収容局20および端末50から受信した信号をO/E変換およびE/O変換すればよく、ビーム方向の制御についての制御を必要としない。
[4.3 第一送信部及び第二受信部を用いた場合(動作例3)]
動作例3では、収容局20の送信部210として、図8に示す第一送信部211を用い、収容局20の受信部230として、図11に示す第二受信部232を用いる。収容局20は、送信光変調信号の位相調整のため、光変調信号に対して位相調整を行い、受信光変調信号の位相調整のため、RF信号に対して位相調整を行う。すなわち、送信アンテナのビームフォーミングにおいて、無線通信システム10は、動作例1と同様の動作を行い、受信アンテナのビームフォーミングにおいて、無線通信システム10は、動作例2と同様の動作を行う。
[4.4 第二送信部及び第一受信部を用いた場合(動作例4)]
動作例4では、収容局20の送信部210として、図9に示す第二送信部212を用い、収容局20の受信部230として、図10に示す第一受信部231を用いる。収容局20は、送信光変調信号の位相調整のため、RF信号に対して位相調整を行い、受信光変調信号の位相調整のため、光変調信号に対して位相調整を行う。すなわち、送信アンテナのビームフォーミングにおいて、無線通信システム10は、動作例2と同様の動作を行い、受信アンテナのビームフォーミングにおいて、無線通信システム10は、動作例1と同様の動作を行う。
[5. 送信部及び受信部の変形例]
[5.1 第一送信部の変形例]
収容局20の送信部210として用いられる第一送信部211の変形例である第一送信部211a、211b、211c、211dそれぞれの構成を、図14、図15、図16、図17を用いて説明する。
図14は、第一送信部211aの構成を示す図である。同図において、図8に示す第一送信部211と同一の部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。図14に示す第一送信部211aが、図8に示す第一送信部211と異なる点は、多波長光源2111に代えて、n個の光源2611-1,…,2611-n及び光合成器2612を備える点である。光源2611-i(i=1,…,n)は、波長λ1iの光を出力する。光合成器2612は、光源2611-1,…,2611-nのそれぞれが出力した波長λ11,…,λ1nの光を合成して、光変調部2112に出力する。
図15は、第一送信部211bの構成を示す図である。同図において、図8に示す第一送信部211と同一の部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。図15に示す第一送信部211bが、図8に示す第一送信部211と異なる点は、光変調部2112に代えて、光分波器2621と、光変調部2622-1,…,2622-nを備える点である。光分波器2621は、多波長光源2111が出力した波長λ11,…,λ1nの光を分波し、波長λ1i(i=1,…,n)の光を光変調部2622-iに出力する。光変調部2622-i(i=1,…,n)は、波長λ1iの光をRF信号により変調し、変調により生成された光変調信号を光分波器2113に出力する。
図16は、第一送信部211cの構成を示す図である。同図において、図14に示す第一送信部211a及び図15に示す第一送信部211bと同一の部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。図16に示す第一送信部211cが、図15に示す第一送信部211bと異なる点は、多波長光源2111及び光分波器2621に代えて、光源2611-1,…,2611-nを備える点である。光源2611-i(i=1,…,n)は、波長λ1iの光を出力する。光変調部2622-i(i=1,…,n)は、光源2611-iが出力した波長λ1iの光をRF信号により変調し、変調により生成された光変調信号を光分波器2113に出力する。
図17は、第一送信部211dの構成を示す図である。同図において、図8に示す第一送信部211と同一の部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。図17に示す第一送信部211dが、図8に示す第一送信部211と異なる点は、多波長光源2111、光変調部2112及び光分波器2113に代えて、n個の光直接変調部2631-1,…,2631-nを備える点である。光直接変調部2631-i(i=1,…,n)は、波長λ1iの光をRF信号により変調した光変調信号を出力する。位相調整部2124-i(i=2,…,n)は、送信位相制御部220の制御に従って、光直接変調部2631-iが出力した波長λ1iの光変調信号に対して位相調整を行った後、光合成器2115に出力する。光合成器2115は、光直接変調部2631-1が出力したλ11の光変調信号と、位相調整部2114-2,…,2114-nそれぞれが出力したλ12~λ1nの光変調信号とを合成し、光サーキュレータ250に出力する。
[5.2 第二送信部の変形例]
収容局20の送信部210として用いられる第二送信部212の変形例である第二送信部212a、212bそれぞれの構成を、以下の図18、図19を用いて説明する。
図18は、第二送信部212aの構成を示す図である。同図において、図9に示す第二送信部212と同一の部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。図18に示す第二送信部212aが、図9に示す第二送信部212と異なる点は、多波長光源2121及び光分波器2122に代えて、n個の光源2711-1,…,2711-nを備える点である。光源2711-i(i=1,…,n)は、波長λ1iの光を出力する。光変調部2125-i(i=1,…,n)は、光源2711-iから波長λ11,…,λ1nの光を入力する。
図19は、第二送信部212bの構成を示す図である。同図において、図9に示す第二送信部212と同一の部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。図19に示す第二送信部212bが、図9に示す第二送信部212と異なる点は、多波長光源2121、光分波器2122及び光変調部2125-1,…,2125-nに代えて、光直接変調部2721-1,…,2721-nを備える点である。光直接変調部2721-1は、波長λ1iの光をRF信号により変調した光変調信号を光合成器2126に出力する。光直接変調部2721-i(i=2,…,n)は、位相調整部2124-iが位相を調整したRF信号により波長λ1iの光を変調して生成された光変調信号を、光合成器2126に出力する。光合成器2126は、光直接変調部2721-1,…,2721-nそれぞれが出力したλ11,…,λ1nの光変調信号を合成し、合成された光変調信号を光サーキュレータ250に出力する
[6. その他]
以上説明した実施形態によれば、ビームフォーミングを行うRoFシステムにおいて、基地局の等間隔に配列されたn個のアンテナ素子の各々に対して、収容局-基地局間の光ファイバを伝送したときの波長分散による各光信号の遅延差が等間隔になるように設定されたn個の波長を固定的に割り当てておく。収容局は、各波長の光信号もしくは各波長の光信号を変調する各変調信号に対して、RF信号における移相量が等間隔になるように位相調整を行うことで、送信および受信ビーム方向を制御する。送信ビーム方向の制御では、収容局が、送信移相間隔αを変化させつつ、基地局からビーコン信号を複数回送信し、端末は、受信電力が最大であるビーコン信号の情報を複数回送信する。受信ビーム方向の制御では、基地局が端末からのビーコン信号の情報を受信し、収容局が、受信した各ビーコン信号の情報に対する受信移相間隔αを変化させて受信電力が最大である受信移相間隔αを決定する。さらに、収容局は、端末から受信したビーコン信号の情報に基づいて送信移相間隔αを決定する。本実施形態によれば、収容局と基地局との間の光ファイバの距離情報が不明であっても、波長配置に柔軟性を持たせながら、波長利用効率が良く、基地局制御が不要なビームフォーミング型RoFシステムを低コストで実現することができる。
以上説明した実施形態によれば、無線通信システムは、収容局装置と、前記収容局装置と光伝送路により接続され、n個(nは2以上の整数)のアンテナ素子を有する基地局装置と、前記基地局装置と無線通信する端末とを有する。例えば、収容局装置は収容局20であり、基地局装置は基地局40であり、端末は端末50であり、光伝送路は光ファイバ30である。
収容局装置は、送信部と、送信位相制御部と、受信部と、受信位相制御部と、送信位相調整量決定部と、受信位相調整量決定部とを有する。送信部は、異なるn個の第一波長の光それぞれを送信信号により変調した光変調送信信号に、n個の第一波長それぞれに応じた第一位相調整量の位相調整を行い、位相調整されたn個の第一波長それぞれの光変調送信信号を合成した合成光変調送信信号を光伝送路に出力する。送信位相制御部は、送信信号としてp個(pは2以上の整数)のビーコン信号を送信する場合に、p個のビーコン信号ごとに異なる第一位相調整量の位相調整を行うよう送信部を制御する。受信部は、光伝送路を伝送した合成光変調受信信号を異なるn個の第二波長の光変調受信信号に分波し、分波されたn個の第二波長の光変調受信信号それぞれに第二波長に応じた第二位相調整量の位相調整を行った電気信号に変換する。受信位相制御部は、p個のビーコン信号のうち端末における受信電力に基づいて選択されたビーコン信号の識別情報(例えば、ビーコン番号情報)を示すq個(qは2以上の整数)の合成光変調受信信号を光伝送路から入力した場合に、q個の合成光変調受信信号ごとに、異なる第二位相調整量の位相調整を行うよう受信部を制御する。送信位相調整量決定部は、合成光変調受信信号が示す識別情報のビーコン信号に対して用いた第一位相調整量の位相調整を行うよう送信部を制御する。受信位相調整量決定部は、q個の合成光変調受信信号から変換された電気信号それぞれの受信電力に基づいて選択した合成光変調受信信号に対して用いた第二位相調整量の位相調整を行うよう受信部を制御する。例えば、送信位相調整量決定部は送信位相制御部220であり、受信位相調整量決定部は受信位相制御部240である。
基地局装置は、基地局光分波部と、光電気変換部と、電気光変換部と、基地局光合成部とを備える。例えば、基地局光分波部は光分波器41であり、光電気変換部はO/E変換器42-1~42-nであり、電気光変換部はE/O変換器44-1~44-nであり、基地局光合成部は光合成器45である。基地局光分波部は、光伝送路を伝送した合成光変調送信信号を異なるn個の第一波長の光変調送信信号に分波する。光電気変換部は、n個の第一波長それぞれの光変調送信信号を電気信号に変換し、n個の電気信号それぞれを第一波長に対応したアンテナ素子から無線により放射する。電気光変換部は、n個のアンテナ素子それぞれが端末から受信した無線信号により、n個のアンテナ素子それぞれに対応した異なるn個の第二波長の光信号を変調して光変調受信信号を生成する。基地局光合成部は、電気光変換部が生成したn個の第二波長の光変調受信信号を合成した合成光変調受信信号を光伝送路に出力する。
端末は、無線受信部と、無線送信部と、ビーコン選択部とを備える。例えば、無線受信部はアンテナ素子51-1~51-m及び受信アンテナ制御部53であり、無線送信部は送信アンテナ制御部57及びアンテナ素子51-1~51-mであり、ビーコン選択部はビーコン選択部56である。無線受信部は、基地局装置から無線信号を受信する。無線送信部は、基地局装置へ無線信号を送信する。ビーコン選択部は、無線受信部がp個のビーコン信号を受信した場合、p個のビーコン信号それぞれの受信電力に基づいて選択したビーコン信号の識別情報を示すq個の無線信号を無線送信部から送信する。
ここで、n個のアンテナ素子は、間隔dで配列される。また、n個の第一波長を、光伝送路における波長分散による各光信号の遅延差が等間隔になるように配置された波長λ11,…,λ1nとする。また、n個の第二波長を、光伝送路における波長分散による各光信号の遅延差が等間隔になるように配置された波長λ21,…,λ2nとする。また、n個の第一位相調整量を、無線信号としての位相が第一位相間隔αの位相調整量、n個の第二位相調整量を、無線信号としての位相が第二位相間隔αの位相調整量とする。
送信部は、光変調部と、位相調整部と、光合成部とを有してもよい。光変調部は、異なるn個の第一波長の光を送信信号により変調して光変調送信信号を生成する。位相調整部は、光変調部により生成されたn個の第一波長の光変調送信信号に、第一波長それぞれに応じた第一位相調整量の位相調整を行う。光合成部は、位相調整部により位相調整されたn個の第一波長それぞれの光変調送信信号を合成して合成光変調送信信号を生成し、生成された合成光変調送信信号を光伝送路に出力する。
送信部は、分岐部と、位相調整部と、光変調部と、光合成部とを有してもよい。分岐部は、送信信号を、異なるn個の第一波長それぞれに対応したn個の送信信号に分岐する。位相調整部は、分岐部により分岐されたn個の送信信号のそれぞれに、対応する第一波長に応じた第一位相調整量の位相調整を行う。光変調部は、異なるn個の第一波長の光それぞれを、第一波長に応じた第一位相調整量の位相調整が行われた送信信号により変調して光変調送信信号を生成する。光合成部は、光変調部により生成されたn個の第一波長それぞれの光変調送信信号を合成して合成光変調送信信号を生成し、生成された合成光変調送信信号を光伝送路に出力する。
受信部は、分波部と、位相調整部と、合成部と、変換部とを有してもよい。分波部は、合成光変調受信信号を異なるn個の第二波長の光変調受信信号に分波する。位相調整部は、分波部により分波されたn個の第二波長の光変調受信信号それぞれに、第二波長に応じた第二位相調整量の位相調整を行う。合成部は、位相調整部により位相調整されたn個の第二波長の光変調受信信号を合成する。変換部は、合成部により合成された光変調受信信号を電気信号に変換する。
受信部は、分波部と、変換部と、位相調整部を有してもよい。分波部は、合成光変調受信信号を異なるn個の第二波長の光変調受信信号に分波する。変換部は、分波部により分波されたn個の第二波長の光変調受信信号それぞれを電気信号に変換する。位相調整部は、変換部により変換されたn個の電気信号それぞれに、第二波長に応じた第二位相調整量の位相調整を行う。
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
10…無線通信システム
20…収容局
21…位相調整部
22…光合成器
23…光分波器
24…位相調整部
30…光ファイバ
40…基地局
41…光分波器
42-1~42-n…O/E変換器
43-1~43-n…アンテナ素子
44-1~44-n…E/O変換器
45…光合成器
46…光サーキュレータ
47-1~47-n…電気サーキュレータ
50…端末
51-1~51-m…アンテナ素子
52-1~52-m…電気サーキュレータ
53…受信アンテナ制御部
54…受信電力計算部
55…復調部
56…ビーコン選択部
57…送信アンテナ制御部
210…送信部
211、211a、211b、211c、211d…第一送信部
212、212a、212b…第二送信部
220…送信位相制御部
230…受信部
231…第一受信部
232…第二受信部
240…受信位相制御部
250…光サーキュレータ
2111…多波長光源
2112…光変調部
2113…光分波器
2114-2~2114-n…位相調整部
2115…光合成器
2121…多波長光源
2122…光分波器
2123…分岐部
2124-2~2124-n…位相調整部
2125-1~2125-n…光変調部
2126…光合成器
2311…光分波器
2312-2~2312-n…位相調整部
2313…光合成器
2314…O/E変換器
2315…受信電力計算部
2316…復調部
2321…光分波器
2322-1~2322-n…O/E変換器
2323-2~2323-n…位相調整部
2324…受信電力計算部
2325…復調部
2611-1~2611-n…光源
2612…光合成器
2621…光分波器
2622-1~2622-n…光変調部
2631-1~2631-n…光直接変調部
2711-1~2711-n…光源
2721-1~2721-n…光直接変調部

Claims (7)

  1. 収容局装置と、前記収容局装置と光伝送路により接続され、n個(nは2以上の整数)のアンテナ素子を有する基地局装置と、前記基地局装置と無線通信する端末とを有する無線通信システムであって、
    前記収容局装置は、
    異なるn個の第一波長の光それぞれを送信信号により変調した光変調送信信号に、n個の前記第一波長それぞれに応じた第一位相調整量の位相調整を行い、位相調整されたn個の前記第一波長それぞれの前記光変調送信信号を合成した合成光変調送信信号を前記光伝送路に出力する送信部と、
    前記送信信号としてp個(pは2以上の整数)のビーコン信号を送信する場合に、p個の前記ビーコン信号ごとに異なる前記第一位相調整量の位相調整を行うよう前記送信部を制御する送信位相制御部と、
    前記光伝送路を伝送した合成光変調受信信号を異なるn個の第二波長の光変調受信信号に分波し、分波されたn個の前記第二波長の前記光変調受信信号それぞれに前記第二波長に応じた第二位相調整量の位相調整を行った電気信号に変換する受信部と、
    p個の前記ビーコン信号のうち前記端末における受信電力に基づいて選択された前記ビーコン信号の識別情報を示すq個(qは2以上の整数)の合成光変調受信信号を前記光伝送路から入力した場合に、q個の前記合成光変調受信信号ごとに、異なる前記第二位相調整量の位相調整を行うよう前記受信部を制御する受信位相制御部と、
    前記合成光変調受信信号が示す前記識別情報の前記ビーコン信号に対して用いた前記第一位相調整量の位相調整を行うよう前記送信部を制御する送信位相調整量決定部と、
    q個の前記合成光変調受信信号から変換された前記電気信号それぞれの受信電力に基づいて選択した前記合成光変調受信信号に対して用いた前記第二位相調整量の位相調整を行うよう前記受信部を制御する受信位相調整量決定部と、
    を備え、
    前記基地局装置は、
    前記光伝送路を伝送した前記合成光変調送信信号を異なるn個の前記第一波長の光変調送信信号に分波する基地局光分波部と、
    n個の前記第一波長それぞれの前記光変調送信信号を電気信号に変換し、n個の前記電気信号それぞれを前記第一波長に対応した前記アンテナ素子から無線により放射する光電気変換部と、
    n個の前記アンテナ素子それぞれが前記端末から受信した無線信号により、n個の前記アンテナ素子それぞれに対応した異なるn個の前記第二波長の光信号を変調して光変調受信信号を生成する電気光変換部と、
    前記電気光変換部が生成したn個の前記第二波長の前記光変調受信信号を合成した前記合成光変調受信信号を前記光伝送路に出力する基地局光合成部と、
    を備え、
    前記端末は、
    前記基地局装置から無線信号を受信する無線受信部と、
    前記基地局装置へ無線信号を送信する無線送信部と、
    前記無線受信部がp個の前記ビーコン信号を受信した場合、p個の前記ビーコン信号それぞれの受信電力に基づいて選択した前記ビーコン信号の前記識別情報を示すq個の無線信号を前記無線送信部から送信するビーコン選択部と、
    を備え、
    n個の前記アンテナ素子は、所定間隔で配列され、
    n個の前記第一波長は、前記光伝送路における波長分散による各光信号の遅延差が等間隔になるように配置された波長であり、
    n個の前記第二波長は、前記光伝送路における波長分散による各光信号の遅延差が等間隔になるように配置された波長であり、
    n個の前記第一位相調整量は、無線信号としての位相が第一位相間隔の位相調整量であり、
    n個の前記第二位相調整量は、無線信号としての位相が第二位相間隔の位相調整量である、
    無線通信システム。
  2. 前記送信部は、
    異なるn個の前記第一波長の光を前記送信信号により変調して光変調送信信号を生成する光変調部と、
    前記光変調部により生成されたn個の前記第一波長の前記光変調送信信号に、前記第一波長それぞれに応じた前記第一位相調整量の位相調整を行う位相調整部と、
    前記位相調整部により位相調整されたn個の前記第一波長それぞれの前記光変調送信信号を合成して前記合成光変調送信信号を生成し、生成された前記合成光変調送信信号を前記光伝送路に出力する光合成部とを備える、
    請求項1に記載の無線通信システム。
  3. 前記送信部は、
    前記送信信号を、異なるn個の前記第一波長それぞれに対応したn個の送信信号に分岐する分岐部と、
    前記分岐部により分岐されたn個の前記送信信号のそれぞれに、対応する前記第一波長に応じた前記第一位相調整量の位相調整を行う位相調整部と、
    異なるn個の前記第一波長の光それぞれを、前記第一波長に応じた前記第一位相調整量の位相調整が行われた前記送信信号により変調して光変調送信信号を生成する光変調部と、
    前記光変調部により生成されたn個の前記第一波長それぞれの前記光変調送信信号を合成して前記合成光変調送信信号を生成し、生成された前記合成光変調送信信号を前記光伝送路に出力する光合成部とを備える、
    請求項1に記載の無線通信システム。
  4. 前記受信部は、
    前記合成光変調受信信号を異なるn個の前記第二波長の光変調受信信号に分波する分波部と、
    前記分波部により分波されたn個の前記第二波長の前記光変調受信信号それぞれに、前記第二波長に応じた前記第二位相調整量の位相調整を行う位相調整部と、
    前記位相調整部により位相調整されたn個の前記第二波長の前記光変調受信信号を合成する合成部と、
    前記合成部により合成された前記光変調受信信号を電気信号に変換する変換部とを備える、
    請求項1に記載の無線通信システム。
  5. 前記受信部は、
    前記合成光変調受信信号を異なるn個の前記第二波長の光変調受信信号に分波する分波部と、
    前記分波部により分波されたn個の前記第二波長の前記光変調受信信号それぞれを電気信号に変換する変換部と、
    前記変換部により変換されたn個の前記電気信号それぞれに、前記第二波長に応じた前記第二位相調整量の位相調整を行う位相調整部とを備える、
    請求項1に記載の無線通信システム。
  6. n個(nは2以上の整数)のアンテナ素子により端末と無線通信する基地局装置と光伝送路により接続される収容局装置であって、
    n個の前記アンテナ素子それぞれに対応した異なるn個の第一波長の光それぞれを送信信号により変調した光変調送信信号に、n個の前記第一波長それぞれに応じた第一位相調整量の位相調整を行い、位相調整されたn個の前記第一波長それぞれの前記光変調送信信号を合成した合成光変調送信信号を前記光伝送路に出力する送信部と、
    前記送信信号としてp個(pは2以上の整数)のビーコン信号を送信する場合に、p個の前記ビーコン信号ごとに異なる前記第一位相調整量の位相調整を行うよう前記送信部を制御する送信位相制御部と、
    前記光伝送路を伝送した合成光変調受信信号を、n個の前記アンテナ素子それぞれに対応した異なるn個の第二波長の光変調受信信号に分波し、分波されたn個の前記第二波長の前記光変調受信信号それぞれに前記第二波長に応じた第二位相調整量の位相調整を行った電気信号に変換する受信部と、
    p個の前記ビーコン信号のうち前記端末における受信電力に基づいて選択された前記ビーコン信号の識別情報を示すq個(qは2以上の整数)の合成光変調受信信号を前記光伝送路から入力した場合に、q個の前記合成光変調受信信号ごとに、異なる前記第二位相調整量の位相調整を行うよう前記受信部を制御する受信位相制御部と、
    前記合成光変調受信信号が示す前記識別情報の前記ビーコン信号に対して用いた前記第一位相調整量の位相調整を行うよう前記送信部を制御する送信位相調整量決定部と、
    q個の前記合成光変調受信信号から変換された前記電気信号それぞれの受信電力に基づいて選択した前記合成光変調受信信号に対して用いた前記第二位相調整量の位相調整を行うよう前記受信部を制御する受信位相調整量決定部と、
    を備え、
    n個の前記アンテナ素子は、所定間隔で配列され、
    n個の前記第一波長は、前記光伝送路における波長分散による各光信号の遅延差が等間隔になるように配置された波長であり、
    n個の前記第二波長は、前記光伝送路における波長分散による各光信号の遅延差が等間隔になるように配置された波長であり、
    n個の前記第一位相調整量は、無線信号としての位相が第一位相間隔の位相調整量であり、
    n個の前記第二位相調整量は、無線信号としての位相が第二位相間隔の位相調整量である、
    収容局装置。
  7. 収容局装置と、前記収容局装置と光伝送路により接続され、n個(nは2以上の整数)のアンテナ素子を有する基地局装置と、前記基地局装置と無線通信する端末とを有する無線通信システムにおける無線通信方法であって、
    前記収容局装置が、
    異なるn個の第一波長の光それぞれを送信信号により変調した光変調送信信号に、n個の前記第一波長それぞれに応じた第一位相調整量の位相調整を行い、位相調整されたn個の前記第一波長それぞれの前記光変調送信信号を合成した合成光変調送信信号を前記光伝送路に出力する送信ステップと、
    前記送信ステップにおいて前記送信信号としてp個(pは2以上の整数)のビーコン信号を送信する場合に、p個の前記ビーコン信号ごとに異なる前記第一位相調整量の位相調整を行うよう制御する送信位相制御ステップと、
    前記光伝送路を伝送した合成光変調受信信号を異なるn個の第二波長の光変調受信信号に分波し、分波されたn個の前記第二波長の前記光変調受信信号それぞれに前記第二波長に応じた第二位相調整量の位相調整を行った電気信号に変換する受信ステップと、
    p個の前記ビーコン信号のうち前記端末における受信電力に基づいて選択された前記ビーコン信号の識別情報を示すq個(qは2以上の整数)の合成光変調受信信号を前記光伝送路から入力した場合に、前記受信ステップにおいて、q個の前記合成光変調受信信号ごとに、異なる前記第二位相調整量の位相調整を行うよう制御する受信位相制御ステップと、
    前記送信ステップにおいて、前記合成光変調受信信号が示す前記識別情報の前記ビーコン信号に対して用いた前記第一位相調整量の位相調整を行うよう制御する送信位相調整量決定部と、
    前記受信ステップにおいて、q個の前記合成光変調受信信号から変換された前記電気信号それぞれの受信電力に基づいて選択した前記合成光変調受信信号に対して用いた前記第二位相調整量の位相調整を行うよう制御する受信位相調整量決定ステップと、
    前記基地局装置が、
    前記光伝送路を伝送した前記合成光変調送信信号を異なるn個の前記第一波長の光変調送信信号に分波する光分波ステップと、
    n個の前記第一波長それぞれの前記光変調送信信号を電気信号に変換し、n個の前記電気信号それぞれを前記第一波長に対応した前記アンテナ素子から無線により放射する光電気変換ステップと、
    n個の前記アンテナ素子それぞれが前記端末から受信した無線信号により、n個の前記アンテナ素子それぞれに対応した異なるn個の前記第二波長の光信号を変調して光変調受信信号を生成する電気光変換ステップと、
    前記電気光変換ステップにおいて生成したn個の前記第二波長の前記光変調受信信号を合成した前記合成光変調受信信号を前記光伝送路に出力する光合成ステップと、
    前記端末が、
    前記基地局装置から無線信号を受信する無線受信ステップと、
    前記基地局装置へ無線信号を送信する無線送信ステップと、
    前記無線受信ステップにおいてp個の前記ビーコン信号を受信した場合、p個の前記ビーコン信号それぞれの受信電力に基づいて選択した前記ビーコン信号の前記識別情報を示すq個の無線信号を前記無線送信ステップにより送信するビーコン選択ステップと、
    を有し、
    n個の前記アンテナ素子は、所定間隔で配列され、
    n個の前記第一波長は、前記光伝送路における波長分散による各光信号の遅延差が等間隔になるように配置された波長であり、
    n個の前記第二波長は、前記光伝送路における波長分散による各光信号の遅延差が等間隔になるように配置された波長であり、
    n個の前記第一位相調整量は、無線信号としての位相が第一位相間隔の位相調整量であり、
    n個の前記第二位相調整量は、無線信号としての位相が第二位相間隔の位相調整量である、
    無線通信方法。
JP2021528723A 2019-06-26 2019-06-26 無線通信システム、収容局装置及び無線通信方法 Active JP7227536B2 (ja)

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/JP2019/025294 WO2020261406A1 (ja) 2019-06-26 2019-06-26 無線通信システム、収容局装置及び無線通信方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2020261406A1 JPWO2020261406A1 (ja) 2020-12-30
JP7227536B2 true JP7227536B2 (ja) 2023-02-22

Family

ID=74059681

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021528723A Active JP7227536B2 (ja) 2019-06-26 2019-06-26 無線通信システム、収容局装置及び無線通信方法

Country Status (3)

Country Link
US (1) US11736191B2 (ja)
JP (1) JP7227536B2 (ja)
WO (1) WO2020261406A1 (ja)

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002299942A (ja) 2001-03-29 2002-10-11 Communication Research Laboratory 光制御フェーズドアレイアンテナの位相制御装置および光制御フェーズドアレイアンテナ・システム
JP2015177533A (ja) 2014-03-18 2015-10-05 Kddi株式会社 アンテナ光制御装置、アンテナ光制御システム、アンテナ光制御方法およびプログラム

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6337660B1 (en) * 1993-09-17 2002-01-08 The United States Of America As Represented By The Secretary Of The Navy Fiber optic true time-delay array antenna feed system
JPH09215048A (ja) * 1996-02-06 1997-08-15 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 無線信号伝送用光リンク
US6891987B2 (en) * 2002-04-24 2005-05-10 Hrl Laboratories, Llc Multi-aperture beam steering system with wavefront correction based on a tunable optical delay line
JP4246724B2 (ja) 2005-08-31 2009-04-02 日本電信電話株式会社 ビームフォーミング型rofシステム
US7558450B2 (en) * 2007-09-06 2009-07-07 Morton Photonics, Inc. Microwave photonic delay line with separate tuning of optical carrier
JP5983325B2 (ja) * 2012-11-07 2016-08-31 Kddi株式会社 Rf信号光伝送システム
JP7111971B2 (ja) * 2019-01-23 2022-08-03 日本電信電話株式会社 無線通信システム、収容局装置及び無線通信方法
JP7223228B2 (ja) * 2019-02-15 2023-02-16 日本電信電話株式会社 導出方法、通信システム及び収容局装置

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002299942A (ja) 2001-03-29 2002-10-11 Communication Research Laboratory 光制御フェーズドアレイアンテナの位相制御装置および光制御フェーズドアレイアンテナ・システム
JP2015177533A (ja) 2014-03-18 2015-10-05 Kddi株式会社 アンテナ光制御装置、アンテナ光制御システム、アンテナ光制御方法およびプログラム

Also Published As

Publication number Publication date
US20220368422A1 (en) 2022-11-17
JPWO2020261406A1 (ja) 2020-12-30
US11736191B2 (en) 2023-08-22
WO2020261406A1 (ja) 2020-12-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7111971B2 (ja) 無線通信システム、収容局装置及び無線通信方法
US11405124B2 (en) Wireless communication system, parent station apparatus and wireless communication method
EP2180614B1 (en) Optical line terminal, passive optical network and radio frequency signal transmission method
JP7328578B2 (ja) 無線送信システム、無線受信システム、基地局装置、及び無線通信システム、並びに無線送信方法、及び無線受信方法
JP4632444B2 (ja) 光制御アレイアンテナ装置
CN110891206B (zh) 一种基于光学频率梳和偏振复用的WDM-RoF-PON系统
CN110651437A (zh) 基站装置、地面站装置和地面天线装置
JP4810366B2 (ja) 波長変換型波長分割多重伝送装置
US20240275491A1 (en) Wireless communication method and wireless communication system
US11936429B2 (en) Wireless transmitting system, wireless receiving system, base station apparatus, wireless communication system, wireless transmitting method, and wireless receiving method
KR101025384B1 (ko) 고주파 광전송 시스템, 장치 및 방법
JP6487064B2 (ja) フェイズドアレイアンテナ
JP7227536B2 (ja) 無線通信システム、収容局装置及び無線通信方法
EP3317982B1 (en) Optical beamforming
US20240267122A1 (en) Wireless communication method
US20240259098A1 (en) Wireless communication method and wireless communication system
CN117595933A (zh) 一种宽带多波束光控相控阵发射系统
JP2013009025A (ja) 送信器、光通信システム及び光通信方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20211119

A80 Written request to apply exceptions to lack of novelty of invention

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A801

Effective date: 20211119

A80 Written request to apply exceptions to lack of novelty of invention

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A80

Effective date: 20211119

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230110

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230123

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7227536

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150