JP2002298857A - 固体高分子型燃料電池 - Google Patents

固体高分子型燃料電池

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JP2002298857A
JP2002298857A JP2001097804A JP2001097804A JP2002298857A JP 2002298857 A JP2002298857 A JP 2002298857A JP 2001097804 A JP2001097804 A JP 2001097804A JP 2001097804 A JP2001097804 A JP 2001097804A JP 2002298857 A JP2002298857 A JP 2002298857A
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catalyst
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Junji Matsuo
順二 松尾
Nobuhiro Saito
信広 齋藤
Kaoru Fukuda
薫 福田
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Honda Motor Co Ltd
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    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】相対湿度が比較的低い環境下でも優れた発電性
能が得られる廉価な固体高分子型燃料電池を提供する。 【解決手段】酸素極と燃料極とに挟持された高分子電解
質膜とを備える。酸素極の触媒層を形成するイオン導伝
性高分子バインダーは、式(1)で示される芳香族化合
物単位30〜95モル%と、式(2)で示される芳香族
化合物単位70〜5モル%とからなる共重合体の側鎖に
スルホン酸基を有するスルホン化ポリアリーレン重合体
である。燃料極の触媒層を形成するイオン導伝性高分子
バインダーは、パーフルオロアルキレンスルホン酸高分
子化合物である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高分子電解質膜を
備える固体高分子型燃料電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】石油資源が枯渇化する一方、化石燃料の
消費による地球温暖化等の環境問題が深刻化しており、
二酸化炭素の発生を伴わないクリーンな電動機用電力源
として燃料電池が注目され、広範に開発されていると共
に、一部では実用化され始めている。前記燃料電池を自
動車等に搭載する場合には、高電圧と大電流とが得やす
いことから、高分子電解質膜を用いる固体高分子型燃料
電池が好適に用いられる。
【0003】前記固体高分子型燃料電池は、燃料極と酸
素極との一対の電極の間にイオン導伝可能な高分子電解
質膜を挟持させた構成となっており、燃料極と酸素極と
はそれぞれ拡散層と触媒層を備え、前記触媒層で前記高
分子電解質膜に接している。また、前記触媒層は、Pt
等の触媒が触媒担体に担持されている触媒粒子を備え、
該触媒粒子がイオン導伝性高分子バインダーにより一体
化されることにより形成されている。
【0004】前記固体高分子型燃料電池では、前記燃料
極に水素、メタノール等の還元性ガスを導入すると、前
記還元性ガスが前記拡散層を介して前記触媒層に達し、
前記触媒の作用によりプロトンを生成する。前記プロト
ンは、前記触媒層から前記高分子電解質膜を介して、前
記酸素極側の触媒層に移動する。
【0005】一方、前記燃料極に前記還元性ガスを導入
すると共に、前記酸素極に空気、酸素等の酸化性ガスを
導入すると、前記プロトンが前記酸素極側の触媒層で、
前記触媒の作用により前記酸化性ガスと反応して水を生
成する。そこで、前記燃料極と酸素極とを導線により接
続することにより電流を取り出すことができる。
【0006】従来、前記固体高分子型燃料電池では、前
記高分子電解質膜、前記触媒層のイオン導伝性高分子バ
インダーとしてパーフルオロアルキレンスルホン酸高分
子化合物(例えば、デュポン社製ナフィオン(商品
名))が広く利用されている。前記パーフルオロアルキ
レンスルホン酸高分子化合物は、スルホン化されている
ことにより優れたプロトン導伝性を備えると共に、フッ
素樹脂としての耐薬品性とを併せ備えているが、非常に
高価であるとの問題がある。
【0007】そこで、廉価な高分子電解質膜として、近
年、分子構造にフッ素を含まないか、あるいはフッ素含
有量を低減したものが提案されている。例えば、米国特
許第5403675号明細書には、スルホン化された剛
直ポリフェニレンからなる高分子電解質膜が提案されて
いる。前記明細書記載のスルホン化された剛直ポリフェ
ニレンは、フェニレン連鎖を備える芳香族化合物を重合
して得られるポリマーをスルホン化剤と反応させること
により、該ポリマーにスルホン酸基を導入したものであ
る。
【0008】ところで、前記スルホン化された剛直ポリ
フェニレン等のスルホン化ポリアリーレン重合体は、前
記高分子電解質膜のみならず、前記触媒層のイオン導伝
性高分子バインダーとして使用することも考えられる。
そして、前記スルホン化ポリアリーレン重合体を前記イ
オン導伝性高分子バインダーとして使用することによ
り、さらにコストを低減することが期待される。
【0009】しかしながら、前記スルホン化された剛直
ポリフェニレン等のスルホン化ポリアリーレン重合体を
前記燃料極及び酸素極の両極のイオン導伝性高分子バイ
ンダーとして用いた固体高分子型燃料電池では、相対湿
度が35〜65%という比較的低い環境下で使用したと
きに、経時的に発電性能が大きく低下するとの不都合が
ある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる不都
合を解消して、相対湿度が比較的低い環境下でも優れた
発電性能を得ることができる廉価な固体高分子型燃料電
池を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記スル
ホン化ポリアリーレン重合体を前記イオン導伝性高分子
バインダーとして用いた固体高分子型燃料電池が、相対
湿度が比較的低い環境下で発電性能の低下を来す理由に
ついて鋭意検討を重ね、次の知見を得た。
【0012】まず、前記スルホン化ポリアリーレン重合
体が良好なイオン導伝性を示すためには、ある程度水分
を含有している必要があり、前記イオン伝導性は湿度依
存性がある。
【0013】一方、前記固体高分子型燃料電池では、前
述のように、前記燃料極に供給された水素、メタノール
等の還元性ガスから生成したプロトン(H+)が前記酸
素極側に移動して空気、酸素等の酸化性ガスと反応して
水を生成することにより発電が行われる。このとき、前
記プロトンは、H+単独ではなく、例えばH3+のよう
な水和イオンとして、前記燃料極から前記酸素極へ移動
する。
【0014】この結果、前記酸素極では前記プロトンと
酸性ガスとの反応により生成する水の他に、前記プロト
ンが水和イオンとして運搬する水分が存在し、比較的水
分に富む状態となるのに対し、前記燃料極では水分が前
記プロトンにより運び去られるため水分が低下した状態
となりやすい。そこで、相対湿度が比較的低い環境下で
は、前記燃料極側で前記スルホン化ポリアリーレン重合
体のイオン導伝性が低下しやすく、このために発電性能
が低下するものと考えられる。
【0015】本発明は前記知見に基づいてなされたもの
であり、本発明の固体高分子型燃料電池は、前記目的を
達成するために、酸素極と、燃料極と、両電極に挟持さ
れた高分子電解質膜とを備え、各電極は該高分子電解質
膜に対向する面に触媒が触媒担体に担持されている触媒
粒子がイオン導伝性高分子バインダーにより一体化され
た触媒層を備える固体高分子型燃料電池において、該酸
素極の触媒層を形成するイオン導伝性高分子バインダー
は、式(1)で示される芳香族化合物単位30〜95モ
ル%と、式(2)で示される芳香族化合物単位70〜5
モル%とからなる共重合体の側鎖にスルホン酸基を有す
るスルホン化ポリアリーレン重合体からなると共に、該
燃料極の触媒層を形成するイオン導伝性高分子バインダ
ーは、パーフルオロアルキレンスルホン酸高分子化合物
からなることを特徴とする。
【0016】
【化5】
【0017】
【化6】
【0018】本発明の固体高分子型燃料電池では、前記
酸素極の触媒層を形成するイオン導伝性高分子バインダ
ーを前記スルホン化ポリアリーレン重合体とすると共
に、前記燃料極の触媒層を形成するイオン導伝性高分子
バインダーは、パーフルオロアルキレンスルホン酸高分
子化合物としたものである。ここで、前記パーフルオロ
アルキレンスルホン酸高分子化合物は、イオン導伝性を
示すためにそれほど水分を含有している必要はなく、前
記スルホン化ポリアリーレン重合体に比較して前記イオ
ン伝導性の湿度依存性が低い。
【0019】従って、本発明の固体高分子型燃料電池に
よれば、比較的相対湿度が低い状態で、前記燃料極で生
成するプロトンが該燃料極側の水分を前記酸素極側に運
び去ったとしても、該燃料極側のイオン導伝性高分子バ
インダーのイオン導伝性が低下しにくく、優れた発電性
能を得ることができる。
【0020】また、前記酸素極側のイオン導伝性高分子
バインダーに用いるスルホン化ポリアリーレン重合体
は、分子構造にフッ素を全く含まないか、あるいは前記
電子吸引性基としてフッ素を含むだけであるので安価で
あり、固体高分子型燃料電池のコストを低減することが
できる。さらに、前記スルホン化ポリアリーレン重合体
は、式(1)で示される芳香族化合物単位のみを重合し
て得られるフェニレン連鎖からなる重合体に対して、該
フェニレン連鎖が式(2)で示される芳香族化合物単位
により分断された分子構造を備えるので、前記触媒粒子
の表面を適度に被覆し、前記触媒層における燃料ガスま
たは酸化性ガスと、前記触媒粒子と、前記イオン導伝性
高分子バインダーとの三相界面を増加させて、発電量を
増加させることができる。
【0021】前記スルホン化ポリアリーレン重合体にお
いて、前記スルホン酸基は、電子吸引性基に隣接する芳
香環には導入されず、電子吸引性基に隣接していない芳
香環にのみ導入される。従って、前記スルホン化ポリア
リーレン重合体では、式(1)で示される芳香族化合物
単位のArで示される芳香環にのみ、前記スルホン酸基
が導入されることとなり、式(1)で示される芳香族化
合物単位と式(2)で示される芳香族化合物単位とのモ
ル比を変えることにより、導入されるスルホン酸基の
量、換言すればイオン交換容量を調整することができ
る。
【0022】そこで、前記スルホン化ポリアリーレン重
合体は、式(1)で示される芳香族化合物単位が30モ
ル%未満で、式(2)で示される芳香族化合物単位が7
0モル%を超えると、前記イオン導伝性高分子バインダ
ーとして必要とされるイオン交換容量が得られない。ま
た、式(1)で示される芳香族化合物単位が95モル%
を超え、式(2)で示される芳香族化合物単位が5モル
%未満になると、導入されるスルホン酸基の量が増加し
て分子構造が弱くなる。
【0023】本発明の固体高分子型燃料電池では、前記
スルホン化ポリアリーレン重合体は、前記イオン導伝性
バインダーとして用いるために、1.9〜2.4meq
/gの範囲のイオン交換容量を備えることが好ましい。
イオン交換容量が1.9meq/g未満であると前記イ
オン導伝性バインダーとして必要なイオン導伝性が得ら
れないことがあり、2.4meq/gを超えると前述の
ようにスルホン酸基の量が増加するために機械的強度が
低下する。
【0024】また、本発明の固体高分子型燃料電池で
は、前記パーフルオロアルキレンスルホン酸高分子化合
物は、前記イオン導伝性バインダーとして用いるため
に、0.8〜1.0meq/gの範囲のイオン交換容量
を備えることが好ましい。イオン交換容量が0.8me
q/g未満であると前記イオン導伝性バインダーとして
必要なイオン導伝性が得られないことがあり、1.0m
eq/gを超えると前記スルホン化ポリアリーレン重合
体の場合と同様にスルホン酸基の量が増加するために機
械的強度が低下する。
【0025】また、本発明の固体高分子型燃料電池で
は、さらにコストを低減するために、前記高分子電解質
膜が、式(1)で示される芳香族化合物単位30〜95
モル%と、式(2)で示される芳香族化合物単位70〜
5モル%とからなる共重合体の側鎖にスルホン酸基を有
するスルホン化ポリアリーレン重合体からなることが好
ましい。
【0026】
【化7】
【0027】
【化8】
【0028】前記スルホン化ポリアリーレン重合体は、
式(1)で示される芳香族化合物単位が30モル%未満
で、式(2)で示される芳香族化合物単位が70モル%
を超えると、前記高分子電解質膜として必要とされるイ
オン交換容量が得られない。また、式(1)で示される
芳香族化合物単位が95モル%を超え、式(2)で示さ
れる芳香族化合物単位が5モル%未満になると、導入さ
れるスルホン酸基の量が増加して分子構造が弱くなる。
【0029】
【発明の実施の形態】次に、添付の図面を参照しながら
本発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。図
1は本実施形態の固体高分子型燃料電池の構成を示す説
明的断面図、図2は本実施形態の固体高分子型燃料電池
の発電性能を示すグラフ、図3は比較例の固体高分子型
燃料電池の発電性能を示すグラフである。
【0030】本実施形態の固体高分子型燃料電池は、図
1示のように、高分子電解質膜1が酸素極2と燃料極3
との間に挟持されている。酸素極2は、拡散層4と、拡
散層4上に形成された触媒層5aとを備え、燃料極3
と、拡散層4と、拡散層4上に形成された触媒層5bと
を備えている。
【0031】各拡散層4は外面側に密着するセパレータ
6を備えている。また、セパレータ6は、酸素極2では
空気等の酸素含有気体が流通される酸素通路2aを、燃
料極3では水素等の燃料ガスが流通される燃料通路3a
を、拡散層4側に備えている。
【0032】前記固体高分子型燃料電池では、高分子電
解質膜1として、式(1)で示される芳香族化合物単位
30〜95モル%と、式(2)で示される芳香族化合物
単位70〜5モル%とからなるポリアリーレン重合体を
濃硫酸と反応させることによりスルホン化し、側鎖にス
ルホン酸基を導入したスルホン化ポリアリーレン重合体
を用いる。
【0033】
【化9】
【0034】
【化10】
【0035】前記式(1)に対応するモノマーとして、
例えば、2,5−ジクロロ−4’−フェノキシベンゾフ
ェノン等を挙げることができる。また、前記式(2)に
対応するモノマーとして、例えば、4,4’−ジクロロ
ベンゾフェノン、4,4’−ビス(4−クロロベンゾイ
ル)ジフェニルエーテル等を挙げることができる。
【0036】前記スルホン化ポリアリーレン重合体は、
N−メチルピロリドン等の溶媒に溶解し、キャスト法に
より所望の乾燥膜厚に製膜することにより、高分子電解
質膜1とされる。
【0037】前記固体高分子型燃料電池において、酸素
極2、燃料極3の拡散層4は、例えばカーボンブラック
とポリテトラフルオロエチレン(PTFE)とを所定の
重量比で混合し、エチレングリコール等の有機溶媒に均
一に分散したスラリーを、カーボンペーパーの片面に塗
布、乾燥して下地層とすることにより形成される。
【0038】次に、酸素極2の触媒層5aは、例えばカ
ーボンブラック(ファーネスブラック)に白金を所定の
重量比で担持させた触媒粒子を、スルホン化ポリアリー
レン重合体をN−メチルピロリドン等の溶媒に溶解して
なるイオン導伝性高分子バインダーと所定の重量比で均
一に混合した触媒ペーストを、所定の白金量となるよう
に下地層上にスクリーン印刷し、乾燥することにより形
成される。前記乾燥は、例えば、60℃で10分間行っ
たのち、120℃で減圧乾燥することにより行う。
【0039】前記スルホン化ポリアリーレン重合体は、
前記式(1)で示される芳香族化合物単位30〜95モ
ル%と、前記式(2)で示される芳香族化合物単位70
〜5モル%とからなるポリアリーレン重合体を濃硫酸と
反応させることによりスルホン化し、側鎖にスルホン酸
基を導入したものが用いられる。また、前記式(1)、
(2)に対応するモノマーとしては、前記高分子電解質
膜1の場合と同一のものを用いることができる。
【0040】また、燃料極3の触媒層5bは、パーフル
オロアルキレンスルホン酸高分子化合物等をイソプロパ
ノール、n−プロパノール等の溶媒に溶解してなるイオ
ン導伝性高分子バインダーを用いる以外は、酸素極2の
触媒層5aと同一にして形成される。
【0041】そして、高分子電解質膜1を、酸素極2の
触媒層5aと、燃料極3の触媒層5bとに挟持された状
態でホットプレスすることにより、前記固体高分子型燃
料電池が形成される。前記ホットプレスは、例えば、8
0℃、5MPaで2分間の1次プレスの後、160℃、
4MPaで1分間の2次プレスを施すことにより行うこ
とができる。
【0042】次に、実施例及び比較例を示す。
【0043】
【実施例1】本実施例では、まず、式(3)で示される
スルホン化ポリアリーレン重合体をN−メチルピロリド
ンに溶解し、キャスト法により乾燥膜厚50μm、イオ
ン交換容量2.0meq/gの高分子電解質膜1を調製
した。
【0044】
【化11】
【0045】次に、カーボンブラックとポリテトラフル
オロエチレン(PTFE)とをカーボンブラック:PT
FE=2:3の重量比で混合し、エチレングリコールに
均一に分散したスラリーを調製し、該スラリーをカーボ
ンペーパーの片面に塗布、乾燥することにより下地層と
し、カーボンペーパーと下地層とからなる拡散層4を形
成した。前記拡散層4は、酸素極2側のものと、燃料極
3側のものとを、同一の構成で1つずつ用意した。
【0046】次に、比表面積800m2/g以上のファ
ーネスブラックに白金をファーネスブラック:白金=
1:1の重量比で担持させた触媒粒子を、前記式(3)
で示されるスルホン化ポリアリーレン重合体をN−メチ
ルピロリドンに溶解してなるイオン導伝性高分子バイン
ダーと触媒粒子:バインダー=1:1.25の重量比で
均一に混合して酸素極2用触媒ペーストを調製した。次
に、前記触媒ペーストを0.5mg/cm2の白金量と
なるように下地層上にスクリーン印刷し、60℃で10
分間乾燥した後、120℃で減圧乾燥することにより触
媒層5aを備える酸素極2を形成した。
【0047】触媒層5aのイオン導伝性高分子バインダ
ーとして用いた前記スルホン化ポリアリーレン重合体
は、相対湿度30%での含水率が19%、相対湿度90
%での含水率が28%であった。また、前記スルホン化
ポリアリーレン重合体は、相対湿度30%でのイオン導
伝率0.02S/cmに対し、相対湿度90%でのイオ
ン導伝率は0.22S/cmであり、イオン導伝性につ
いて湿度依存性が高い。
【0048】次に、パーフルオロアルキレンスルホン酸
高分子化合物(デュポン社製ナフィオン(商品名))を
イソプロパノール・n−プロパノールに溶解してなるイ
オン導伝性高分子バインダーを用いて燃料極3用触媒ペ
ーストを調製した以外は、酸素極2の触媒層5aの場合
と全く同一にして、触媒層5bを備える燃料極3を形成
した。
【0049】触媒層5bのイオン導伝性高分子バインダ
ーとして用いた前記パーフルオロアルキレンスルホン酸
高分子化合物は、相対湿度30%での含水率が5.5
%、相対湿度90%での含水率が7.5%であり、相対
湿度30%でのイオン導伝率0.04S/cmに対し、
相対湿度90%でのイオン導伝率は0.12S/cmで
あって、前記スルホン化ポリアリーレン重合体に比較し
て前記イオン伝導性の湿度依存性が低い。
【0050】次に、高分子電解質膜1を、酸素極2の触
媒層5aと、燃料極3の触媒層5bとに挟持された状態
で160℃、4MPaで1分間ホットプレスすることに
より、図1示の固体高分子型燃料電池を形成した。
【0051】次に、本実施例の固体高分子型燃料電池の
発電性能として、相対湿度35%/65%の場合と、相
対湿度50%/80%の場合とについて、電流密度に対
する電圧を測定した。結果を図2に示す。
【0052】
【比較例1】本比較例では、前記式(3)で示されるス
ルホン化ポリアリーレン重合体を用いて、酸素極2の触
媒層5aと、燃料極3の触媒層5bとの両方を形成した
以外は、実施例1と全く同一にして、図1示の固体高分
子型燃料電池を形成した。
【0053】次に、本比較例の固体高分子型燃料電池の
発電性能として、相対湿度35%/65%の場合と、相
対湿度50%/80%の場合とについて、電流密度に対
する電圧を測定した。結果を図3に示す。
【0054】図2、図3から、酸素極2の触媒層5a
と、燃料極3の触媒層5bとの両方のイオン導伝性高分
子バインダーをスルホン化ポリアリーレン重合体とした
比較例1の固体高分子型燃料電池では、相対湿度35%
/65%の場合には相対湿度50%/80%の場合に比
較して発電性能の低下が大きいが、酸素極2の触媒層5
aのイオン導伝性高分子バインダーをスルホン化ポリア
リーレン重合体とし、燃料極3の触媒層5bのイオン導
伝性高分子バインダーをパーフルオロアルキレンスルホ
ン酸高分子化合物とした実施例1の固体高分子型燃料電
池では、相対湿度35%/65%の場合にも相対湿度5
0%/80%の場合と同等の発電性能が得られることが
明らかである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る固体高分子型燃料電池の構成を示
す説明的断面図。
【図2】本発明に係る固体高分子型燃料電池の発電性能
を示すグラフ。
【図3】比較例の固体高分子型燃料電池の発電性能を示
すグラフ。
【符号の説明】
1…高分子電解質膜、 2…酸素極、 3…燃料極、
5a,5b…触媒層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福田 薫 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 Fターム(参考) 4J032 CB03 CB11 CF01 CG01 CG08 5H018 AA06 AS02 AS03 DD08 EE17 HH05 HH06 5H026 AA06 CX05 EE18 HH05

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酸素極と、燃料極と、両電極に挟持された
    高分子電解質膜とを備え、各電極は該高分子電解質膜に
    対向する面に触媒が触媒担体に担持されている触媒粒子
    がイオン導伝性高分子バインダーにより一体化された触
    媒層を備える固体高分子型燃料電池において、 該酸素極の触媒層を形成するイオン導伝性高分子バイン
    ダーは、式(1)で示される芳香族化合物単位30〜9
    5モル%と、式(2)で示される芳香族化合物単位70
    〜5モル%とからなる共重合体の側鎖にスルホン酸基を
    有するスルホン化ポリアリーレン重合体からなると共
    に、該燃料極の触媒層を形成するイオン導伝性高分子バ
    インダーは、パーフルオロアルキレンスルホン酸高分子
    化合物からなることを特徴とする固体高分子型燃料電
    池。 【化1】 【化2】
  2. 【請求項2】前記スルホン化ポリアリーレン重合体は、
    1.9〜2.4meq/gの範囲のイオン交換容量を備
    えることを特徴とする請求項1記載の固体高分子型燃料
    電池。
  3. 【請求項3】前記パーフルオロアルキレンスルホン酸高
    分子化合物は、0.8〜1.0meq/gの範囲のイオ
    ン交換容量を備えることを特徴とする請求項1または請
    求項2記載の固体高分子型燃料電池。
  4. 【請求項4】前記高分子電解質膜は、式(1)で示され
    る芳香族化合物単位30〜95モル%と、式(2)で示
    される芳香族化合物単位70〜5モル%とからなる共重
    合体の側鎖にスルホン酸基を有するスルホン化ポリアリ
    ーレン重合体からなることを特徴とする請求項1乃至請
    求項3のいずれか1項記載の固体高分子型燃料電池。 【化3】 【化4】
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