JP2002298740A - ガス放電パネルの製造方法 - Google Patents

ガス放電パネルの製造方法

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JP2002298740A
JP2002298740A JP2002013209A JP2002013209A JP2002298740A JP 2002298740 A JP2002298740 A JP 2002298740A JP 2002013209 A JP2002013209 A JP 2002013209A JP 2002013209 A JP2002013209 A JP 2002013209A JP 2002298740 A JP2002298740 A JP 2002298740A
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English (en)
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Hiroyuki Yonehara
浩幸 米原
Hideaki Yasui
秀明 安井
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Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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  • Gas-Filled Discharge Tubes (AREA)
  • Manufacture Of Electron Tubes, Discharge Lamp Vessels, Lead-In Wires, And The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 誘電体層表面に良好に保護層を形成すること
によって、優れた表示性能のガス放電パネルを製造する
ことが可能なガス放電パネルの製造方法を提供する。 【解決手段】 大気と隔離したドライガスを充満させた
ドライガス雰囲気装置100を用いる。このドライガス雰
囲気装置100の内部において、誘電体層を形成したパネ
ルガラスを誘電体層清浄室102に搬送する。そして、保
護層を形成する前に、当該誘電体層清浄室102におい
て、酸素を含むドライガス雰囲気下で、誘電体層表面に
紫外線照射し、誘電体層表面を清浄処理する。これに続
くスパッタ室103にて保護層を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラズマディスプ
レイパネル等のガス放電パネルの製造方法に関するもの
であって、特に誘電体層の表面改質技術に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、高精細表示や大画面化・フラット
パネル化などがディスプレイに要求されるようになり、
種々のディスプレイの開発がなされている。注目される
代表的なディスプレイとしてはプラズマディスプレイパ
ネル(PDP)などのガス放電パネルが挙げられる。
【0003】PDPは、一般的には複数の電極と誘電体膜
(誘電体層)を配した2枚の薄いパネルガラスの表面
を、複数の隔壁を介して対向させ、当該複数の隔壁の間
に蛍光体層を配し、両パネルパネルガラスの間に放電ガ
ス(例えばNe-Xe系ガスを53.2kPa〜79.8kPa)を圧入し
て気密接着した構成を持つ。そして、駆動時には前記複
数の電極に給電し、放電ガス中に発生した放電を利用し
て蛍光発光させるものである。
【0004】したがって、大画面化してもCRTのように
奥行き寸法や重量が増大しにくく、またLCDのように、
視野角が限定されることがないという優れた点を持つ。
最近では、60インチ以上の大画面のPDPを有する表示装
置が商品化されるに至っている。上記PDPの構成におい
ては、誘電体層は、誘電体ガラス成分を含むペースト
を、表示電極と称される電極を配設したパネルガラス表
面に塗布し、大気中(酸素雰囲気下)で焼成して樹脂成
分を除去することにより形成される。そして上記蛍光体
層と対向するパネルガラスの誘電体層上には、放電によ
る損傷を防ぐために、予め酸化マグネシウム(MgO)、
フッ化マグネシウム(MgF)およびこれらの複合物等か
らなる保護層が積層される。この保護層は、例えばスパ
ッタ法、電子ビーム(EB)法、真空蒸着法などで形成さ
れる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、形成さ
れた保護層にはピンホール欠陥等の問題が発生すること
も多く、このような欠陥はPDPの放電電圧などで示され
る放電特性のばらつきを発生させる原因になる。また、
製品となって組み立てられたPDP表示装置の表示品位
に、著しい低下を招く原因にもなる。
【0006】以上のようなことから、良好な表示性能の
PDPを製造し、これを得るためには、いまだ改良の余地
があると考えられる。本発明は上記課題に鑑みてなされ
たものであって、その目的は、誘電体層表面に良好に保
護層を形成することによって、優れた表示性能のガス放
電パネルを製造することが可能なガス放電パネルの製造
方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、パネル上に誘電体層を形成する誘電体層
形成工程と、保護層を形成する保護層形成工程とを経る
ガス放電パネルの製造方法として、前記保護層形成工程
に先立ち、パネル上に形成した誘電体層の表面を清浄処
理する誘電体層清浄工程を経るものとした。
【0008】一般に、保護層が形成される誘電体層の表
面には、静電気や製造環境などの影響によって有機物
(特にオイルミスト)・無機物などのゴミ・埃が付着す
ることがあり、ときにはこれらが広い表面にわたって汚
染層を形成することがある。このゴミ・埃および汚染層
は、これらが付着した誘電体層表面付近において、この
上に正しく形成されるべき保護層が形成されないことが
ある。
【0009】本発明はこの点に着眼したものであり、誘
電体層表面を予め清浄処理することによって、誘電体層
表面に付着したゴミ・埃や、汚染層が取り除かれるの
で、純度の高い誘電体層表面が維持される。その結果、
ピンホール欠陥等の発生を回避して保護層が良好に形成
されるので、パネル表面全体で均一な放電特性を持つ高
い表示性能のガス放電パネルの製造を実現することがで
きる。
【0010】なお、誘電体層清浄工程を行う具体的な方
法としては、酸素雰囲気下における紫外線照射、酸素雰
囲気下におけるプラズマ照射、不活性ガス雰囲気下にお
けるスパッタ処理の中から選ばれた方法で行うことがで
きる。ここで、誘電体層清浄処理で紫外線照射を行う場
合、大気圧から10-3Paにおける酸素雰囲気下で行うこと
が望ましい。また、160nmから190nmの波長範囲における
紫外線を照射して行うことが望ましい。
【0011】さらに、前記誘電体清浄処理でスパッタ処
理を行う場合、誘電体層を形成したパネルガラスに負電
圧を印加すると、活性化粒子が加速されるので望まし
い。これらの数値は、本願発明者らが鋭意検討した結果
見出した数値である。また、前記誘電体層清浄処理を経
たのち、保護層形成工程までの間に、誘電体層を形成し
たパネルを予熱する予熱工程を経るようにすると、熱効
率が改善されるので望ましい。
【0012】さらに、誘電体層形成工程では、電極が配
設されたパネル表面に誘電体層を形成し、前記誘電体層
清浄工程では、誘電体層表面に加え、パネル表面の電極
露出表面に合わせて清浄処理を行ってもよい。このよう
に電極露出表面を清浄処理することで、ゴミ・埃および
汚染層による短絡などの問題の発生を回避することがで
きる。
【0013】また、本発明では、大気から隔離された雰
囲気中において、少なくとも前記誘電体形成工程から保
護層形成工程までを行うことが望ましい。このように、
限られた密閉雰囲気内で工程を行うことによって、誘電
体層表面を清浄に保ち、良好な保護層形成工程に移行で
きる。なお、本発明では、後述する実施の形態のよう
に、パネル(フロントパネル)の誘電体層の清浄処理お
よび第二プレート(バックパネル)の蛍光体焼成工程か
ら封着工程、排気・ベーキング工程といった一連の工程
を、ドライガス雰囲気装置を用い、大気から隔離された
密閉雰囲気内で行うようにしてもよい。
【0014】
【発明の実施の形態】1.実施の形態1 1-1.PDPの構成 図1は、本発明の実施の形態1に係る交流面放電型プラズ
マディスプレイパネル1(以下単に「PDP1」という)の
主要構成を示す部分的な断面斜視図である。図中、z方
向がPDP1の厚み方向、xy平面がPDP1のパネル面に平行な
平面に相当する。PDP1は、ここでは一例として42インチ
クラスのNTSC仕様に合わせた仕様にしているが、本発明
はもちろんこの他のサイズや仕様に適用してもよい。
【0015】図1に示すように、PDP1の構成は、互いに
主面を対向させて配設されたフロントパネル10およびバ
ックパネル16に大別される。フロントパネル10の基板と
なるフロントパネルガラス11には、その一方の主面に複
数対の表示電極12、13(X電極13、Y電極12)が形成され
ている。各表示電極12、13は、帯状の透明電極120、130
(厚さ0.1μm、幅150μm)と、バスライン121、131(厚
さ7μm、幅95μm)が積層されてなる。
【0016】表示電極12、13を配設したフロントパネル
ガラス11には、当該ガラス21の主面全体にわたって厚さ
約30μmの誘電体層14と厚さ約1.0μmの保護層15が順次
コートされている。バックパネル16の基板となるバック
パネルガラス17には、その一方の主面に厚さ5μm、幅60
μmの複数のアドレス電極18がx方向を長手方向としてy
方向に一定間隔毎(360μm)でストライプ状に並設さ
れ、このアドレス電極18を内包するようにバックパネル
ガラス17の全面にわたって厚さ30μmの誘電体膜19がコ
ートされている。誘電体膜19の上には、さらに隣接する
アドレス電極18の間隙に合わせて隔壁20(高さ約150μ
m、幅40μm)が配設され、そして隣接する2つの隔壁20
の側面とその間の誘電体膜19の面上には、赤色(R)、
緑色(G)、青色(B)のそれぞれに対応する蛍光体層21
〜23が形成されている。
【0017】このような構成を有するフロントパネル10
とバックパネル16は、アドレス電極18と表示電極12、13
の互いの長手方向が直交するように対向させながら配置
され、両パネル20、26の外周縁部をガラスフリットで封
着されている。この両パネル10、16間にはHe、Xe、Neな
どの不活性ガス成分からなる放電ガス(封入ガス)が所
定の圧力(通常53.2kPa〜79.8kPa程度)で封入されてい
る。
【0018】隣接する隔壁20間は放電空間24であり、隣
り合う一対の表示電極12、13と1本のアドレス電極18が
放電空間24を挟んで交叉する領域が、画像表示にかかる
セルに対応する。セルピッチはx方向が1080μm、y方向
が360μmである。 1-2.PDPの動作 このPDP1を駆動する時には不図示のパネル駆動部によっ
て、アドレス(走査)電極18と表示電極12にパルスを印
加して書き込み放電(アドレス放電)を行った後、各対
の表示電極12、13に維持パルスを印加する。これにより
維持放電がなされると、維持放電が開始され、画面表示
が行われる。
【0019】ここで、本実施の形態の特徴は、PDPの製
造方法にある。以下、PDPの製造方法について説明す
る。 2.PDPの製造方法 ここでは図2に示すPDPの製造ステップ図を用い、PDPの
製造方法を具体的に説明する。以降に記すS、S'、およ
びPの各番号はそれぞれ製造ステップ図中の工程ステッ
プを示すものである。
【0020】2-1.フロントパネル(保護層を形成するま
で)の製造(S1〜S3) まずフロントパネルガラス11として、厚さ2.8mmのソー
ダライムガラスからなるパネルガラスを用意し、これに
ついて受け入れ検査を行う。本検査は、パネルガラスの
厚みばらつきが全体で±15μm以下であって、さらに表
面にクラック(ひび割れ)や欠損、キズなどがないかを
検査するものである。この検査で選抜したパネルガラス
を用い、溶剤または純水で洗浄する(S1)。
【0021】続いてフロントパネルガラス11の表面上
に、ITO(Indium Tin Oxide)またはSnO2などの導電体
材料により、厚さ20μmの透明電極120、130をストライ
プ状に形成する。さらに、この透明電極120、130の上に
AgまたはCr/Cu/Crの三層からなるバス電極121、131を積
層し、表示電極12、13を形成する(S2)。これらの電極
の製造方法に関しては、スクリーン印刷法やフォトリソ
グラフィー法などの公知の製造法が適用できる。
【0022】次に表示電極12、13を製造したフロントパ
ネルガラス11の面上に、鉛系ガラスのペーストを全面に
わたってコートし、大気中(酸素雰囲気下)において、
400℃以上の温度(例えば590℃をピークとするプロファ
イル条件)で焼成し、ペーストに含まれる樹脂成分を除
去して、厚さ20〜30μmの誘電体層14を形成する(S
3)。
【0023】2-2.バックパネル(蛍光体層を焼成するま
で)の製造(S' 1〜S' 6) バックパネルガラス17として厚さ2.8mmのソーダライム
ガラスからなるパネルガラスの受け入れ検査と洗浄を行
う(S' 1)。これらの工程S' 1は、前記工程のS1と同様
である。続いてバックパネルガラス17の面上に、スクリ
ーン印刷法により、Agを主成分とする導電体材料を一定
間隔でストライプ状に塗布し、厚さ5μmのアドレス電極
18を形成する(S' 2)。なおPDPを40インチクラスのハ
イビジョンテレビを製造するには、隣り合う2つのアド
レス電極18と隔壁20の間隔を200μm程度以下に設定する
必要がある。
【0024】続いてアドレス電極18を形成したバックパ
ネルガラス17の面全体にわたって、鉛系ガラスのペース
トを塗布して焼成し、厚さ5〜20μmの誘電体層14を形成
する(S' 3)。次に、誘電体層14と同じ鉛系ガラス材料
を用いてペーストを製造し、これを誘電体層14の上にコ
ートして、厚さ約80μmのガラス層を形成する。そして
サンドブラスト法により、アドレス電極18上の部分を削
り取ることによって、隣り合う2つのアドレス電極18の
間ごとに高さ80μm、幅30μmの隔壁20をパターニング
し、焼成して形成する(S' 4)。
【0025】なお隔壁20はこの他にも、例えばスクリー
ン印刷法により上記ガラス材料をはじめから隔壁20の幅
に合わせて複数回重ね印刷し、その後焼成しても形成で
きる。次に、スクリーン印刷法により、バックパネルガ
ラス17の外周縁部に沿って(後述する図3に図示された
バックパネル16を参照)、封着用のガラスフリットを塗
布する(S' 5)。このときのガラスフリットの厚みは20
μm程度にする。塗布後は一定時間乾燥させ、ガラスフ
リット中の有機溶剤を一部揮発させて流動性を低減す
る。
【0026】次に隔壁20の壁面と、隣接する隔壁20間で
露出している誘電体層14の表面に、赤色(R)蛍光体、
緑色(G)蛍光体、青色(B)蛍光体の何れかを含む蛍光
体インクを塗布する(S' 6)。ここで、PDPに使用され
ている蛍光体材料の一例を以下に列挙する。コロンより
右側は発光センタである。
【0027】 赤色蛍光体; (YxGd1-x)BO3:Eu3+ 緑色蛍光体; Zn2SiO4:Mn3+ 青色蛍光体; BaMgAl10O17:Eu3+(或いはBaMgAl14O
23:Eu3+) 各蛍光体材料は例えば平均粒径約3μmの粉末が使用でき
る。蛍光体インクの塗布法としてはスクリーン印刷法な
ども考えられるが、極細ノズルからインクを塗布しなが
ら、隣接する2つの隔壁20間の溝に沿って走査する方法
を用いる方が、隣り合う前記溝に塗布される蛍光体イン
クどうしの混色、ならびに蛍光体インクとガラスフリッ
トとの干渉を避けるのに好都合と考えられる。
【0028】2-3.ドライガス雰囲気装置によるPDPの組
立(S4、S5、S'7、P1、P2) ここでは本実施の形態の特徴として、プラズマディスプ
レイパネルの製造装置の一つであるドライガス雰囲気装
置を用い、大気から隔離した密閉雰囲気内(ドライガス
雰囲気内)で、フロントパネルの誘電体層清浄処理、保
護層形成、バックパネルの蛍光体焼成、および当該両パ
ネルの封着工程と排気・ベーキング工程を行う。
【0029】本実施の形態では、ドライガス雰囲気装置
100を用い、少なくとも誘電体層清浄処理と保護層形成
工程とを大気から隔離した雰囲気内で行うことを特徴と
する。このとき、誘電体層清浄処理は、酸素雰囲気下で
紫外線照射することにより行う。 2-3-a.ドライガス雰囲気装置の全体構成 図3はドライガス雰囲気装置100を上から見た内部構成の
概略図である。当図に示すように、ドライガス雰囲気装
置100は箱形の筐体を有しており、その内部は垂直方向
(z方向)にスライド開閉するシャッター型ゲートバル
ブGV1〜10によって仕切られたFP(フロントパネル)搬
入室101、誘電体清浄室102、スパッタ室103、BP(バッ
クパネル)搬入室104、焼成室105、アライメント室10
6、封着室107、排気・ベーキング室108等の各室からな
る。
【0030】図4はドライガス雰囲気装置100のy方向に
沿った側面断面図である。ここでは図示の都合上、焼成
室105の内部は示していない。ドライガス雰囲気装置100
にはベルト駆動装置B1〜B4(および不図示の焼成室のベ
ルト駆動装置)が備えられており、それぞれ駆動・従動
ローラに張架された無端搬送ベルトを回動駆動させるこ
とでy方向に沿って(焼成室105のベルト駆動装置は紙面
奥側に向かって)パネルを連続的に搬送できる。これに
よりFP搬入室101、BP搬入室104から搬入されたフロント
パネル10とバックパネル16は、それぞれ焼成室105、ス
パッタ室103を経たのちアライメント室106で互いに重ね
合わせられ、封着室107を経て排気・ベーキング室108へ
と搬送される。
【0031】誘電体層清浄室102、焼成室105、アライメ
ント室106、封着室107、排気・ベーキング室108等に
は、真空排気口1021、1061、1071、1081……、ドライガ
ス供給口1022、1062、1072、1082……、および室内10
2、106、107をそれぞれ循環したドライガスを排気する
ためのドライガス排気口1023、1063、1073、1083……が
配設されている。これらは開閉可能になっており、各室
内のガス流量と気圧を調整することができる。真空排気
口1021、1061、1071……は真空ポンプ、ドライガス供給
口1022、1062、1072、1082……はドライガス供給ポンプ
にそれぞれ接続されている。FP搬入室101、BP搬入室10
4、焼成室105等にも真空排気口、ドライガス供給口、ド
ライガス排気口が備えられているが、これらは都合上図
示していない。
【0032】なお、ここでいうドライガスとは、一例と
して、水蒸気分圧が1mPa以上10mPa以下程度の乾燥ガス
雰囲気を指す。このドライガスは、大気と混じらないガ
スであり、保護層形成工程において、雰囲気中から保護
層へ吸水される水量を抑えるため、水蒸気分圧を低減さ
せたガス雰囲気である。本実施の形態では、少なくとも
誘電体層清浄室102、焼成室105、アライメント室106の
各室内を酸素を含むガス雰囲気にする必要があるため、
例えば空気をベースにしたドライガスを用いるのが望ま
しい。このようなドライガスは、例えば前記ドライガス
供給ポンプをエアフィルター付きコンプレッサーで構成
し、コンプレッサーで取り込んだ空気の水分と不純物を
除去することで得られる。これ以外のFP搬入室101、ス
パッタ室103、BP搬入室104、封着室107、排気・ベーキ
ング室108でも本実施の形態では空気をベースにしたド
ライガスを用いているが、これらの各室には、酸素を含
まないドライガスを用いてもよい(スパッタ室103にはA
rガスなどの不活性ガスを用いる必要がある)。
【0033】前記ドライガス供給口1022、1062、1072、
1082……、には、ここではArガス、または空気を乾燥さ
せて得たドライガス(酸素を含むドライガス)の2種類
を切り替えて供給できるようになっている。当該Arガス
は後述するようにドライガス雰囲気装置100の駆動初期
での装置内清浄に利用する。通常の駆動時には酸素を含
むドライガスを利用する。
【0034】FP搬入室101には電熱式ヒータ1011が備え
られており、ここに搬入される誘電体焼成後のフロント
パネル10を120℃程度以上に保温(予熱)するようにな
っている。また、図示しない排気口によって、室内を脱
気し、ドライガス雰囲気下にすることができる。 2-3-b.誘電体層清浄室の構成について 誘電体層清浄室102は本実施の形態の最も特徴的な部分
であり、FP搬入室101から搬入されてくる保護層形成前
のフロントパネルの誘電体層表面を、酸素ガス雰囲気下
における紫外線照射によって清浄処理するものである。
ドライガス誘電体層清浄室102には、図4に示すように、
酸素ガス導入系と、紫外線ランプ、チャンバー内で発生
したオゾンを排出する排気口1021、ヒータ1024等が備え
られている。酸素ガス導入系は、室内の酸素濃度を適正
に保つ。紫外線ランプは、ここでは一例として160nm〜1
90nmの波長の紫外線を照射するものであり、酸素ガスを
一部分解してオゾンガスを発生する。そして、このオゾ
ンガスに起因する励起酸素原子(酸素ラジカル)によっ
て、誘電体層表面に付着している、主としてパネルの静
電気や製造環境による有機物(特にオイルミストなど)
・無機物の汚染層や付着物を除去する。本誘電体層清浄
室102内は、少なくともこの例(紫外線照射処理)で
は、酸素を含むドライガス(酸素雰囲気)で満たすこと
が必要である。
【0035】なお、前記した紫外線波長は、特に励起酸
素原子の生成に適した数値となっている。紫外線ランプ
として、低圧水銀ランプを用いれば、180〜190nmの波長
の紫外線が得られる。またXeが封入されたエキシマラン
プを用いれば、172nmの波長の紫外線が得られる。160〜
180nm付近の波長の紫外線は、特に有機物の分子結合の
切断が容易であり、清浄効果が高い。このように紫外線
で分解された有機物は、CO2、CO、H2O等となって飛散除
去される。
【0036】また、紫外線波長としては、これ以外の数
値のものであってもよい(例えば366nm付近、314nm付
近、436nm付近の数値)。 2-3-c.誘電体層清浄室の効果について 一般的に、誘電対層は、誘電体ガラス成分を含むペース
トを塗布したのち、高温で焼成することによって形成さ
れる。そして保護層は、予めフロントパネルガラス上に
形成された誘電体層の表面に、スパッタ処理などの方法
によって形成(成膜)される。ここで従来、保護層が形
成される誘電体層の表面には、静電気や製造環境などの
影響によって、有機物(特に機械の潤滑油に起因するオ
イルミスト)・無機物などのゴミが付着しやすいといっ
た性質がある。これはパネルガラスが大型であるほど顕
著になり易く、ゴミが液体の場合や粉体の場合、誘電体
層の広い面積にわたって汚染層を形成することがある。
このようなゴミおよび汚染層は、それが付着している誘
電体表面の化学的特性を部分的に変化させるので、保護
層を形成したときにピンホール欠陥等の問題を引き起こ
し、保護層の膜厚や化学的特性を不均一にしてしまう。
保護層が適当に形成されないと、駆動時に放電特性がば
らつき、表示品位の著しい低下を招くことにもなる。
【0037】これに対して本発明では、図3に示すドラ
イガス雰囲気装置100を用い、少なくとも誘電体層清浄
処理工程と保護層形成工程を含む各製造工程(誘電体層
清浄処理、保護層15の形成、蛍光体層21〜23の焼成、お
よびフロントパネル10とバックパネル16の封着、排気・
ベーキング工程)を、大気から隔離したドライガス雰囲
気中で連続して行うものとした。特に、誘電体清浄室10
2内には、酸素雰囲気を含むドライガス雰囲気を形成す
るようにした。
【0038】これにより、主として第一に、誘電体清浄
室102では、誘電体層を酸素雰囲気下における紫外線照
射によって清浄処理するので、誘電体表面の汚染層の形
成やゴミの付着が防止され、保護層が従来に比べて純度
よく形成される。また第二に、ドライガス雰囲気装置10
0では、誘電体層清浄室から以降の工程におけるガス雰
囲気をドライガス雰囲気としているため、保護層15や蛍
光体層21〜23中の含水量が抑制され、変性を防止して、
従来よりいっそう優れた表示性能が発揮される。
【0039】2-3-d.スパッタ室等の構成について 誘電体層清浄処理室102に続くスパッタ室103には、公知
のスパッタ装置が装備されており、図4に示すように、F
P搬入室101側から搬送されてくる誘電体層形成済みのフ
ロントパネル表面に、磁石側から活性化粒子を付着さ
せ、厚さ約1μmのMgO、MgFまたはこれらの混合物からな
る保護層を形成する。このスパッタ室103にも真空排気
口、ドライガス供給口、ドライガス排気口(不図示)が
備えられており、真空排気口によって室内を真空排気し
たのち、ドライガス供給口によってドライガスと反応ガ
スを兼ねたArガスが供給される。室内は、スパッタ処理
時に発生する微小な粉塵がパネルに再付着しないように
なっている。
【0040】なお、本スパッタ室103にはこのほかに窒
素ガス、もしくは酸素とネオンの混合体を主成分とする
ガスを供給するようにしてもよい。またスパッタ室103
の代わりに公知の蒸着法やCVD法によって保護層を形成
できるような保護層形成室を設けてもよい。ここにおい
て、本実施の形態では、スパッタ室103に搬送されるパ
ネルが誘電体層清浄室102を経由しているので、誘電体
層表面が従来より飛躍的に清浄であるため、スパッタ室
103では良好な保護層の成膜がなされる。すなわち、清
浄にされた誘電体表面によって、保護層のピンホール欠
陥やゴミの混入が回避され、適正な保護層が形成される
こととなる。
【0041】アライメント室106には公知の光学式のア
ライメント装置が備えられており、予めフロントパネル
10とバックパネル16に形成されたアライメントマーカの
位置を光学的に合わせるようにして、当該両者10、16の
アライメントがなされるようになっている。さらにアラ
イメント室106には、電熱式のヒータ1064が備えられて
おり、スパッタ室103および焼成室105から搬送されてく
る各パネルを120℃〜150℃で保温できるようになってい
る。この温度は、各パネルに水分が付着しにくい温度と
して知られている温度に合わせて設定したものである。
なおパネルの保温温度は、このほかに220℃、340℃とい
った温度に設定することによって、より水分の付着を防
止することが知られている(参考文献;橋場正男他著
「ブラウン管用内装塗布材料のガス放出・吸着特性
(I)〜(III)」、真空 37(1994)116、38(1995)7
88、40(1997)449)。しかしながら当該保温温度は、
各パネルの耐熱温度に依存して設定すべきなのはいうま
でもない。
【0042】焼成室105、封着室107は内部壁面が耐熱性
素材で覆われてヒータ(不図示)が配設されており、室
内を加熱できるようになっている。ベルト駆動装置B1〜
B4、ゲートバルブGV1〜10、真空排気口1021、1061、107
1、1081……、ドライガス排気口1063、1073、1083…
…、ドライガス供給口1022、1062、1072、1082……、真
空ポンプ、ドライガス供給ポンプ、アライメント装置等
の各動作タイミングはドライガス雰囲気装置100に接続
されたパーソナルコンピュータ(PC)端末により制御さ
れる。この制御の具体的な内容は、例えばバルブGV1〜1
0の開閉、焼成温度、封着温度、搬送ベルトの回動速
度、ドライガスの供給速度、真空排気のタイミング、室
内気圧の各条件であって、オペレータが前記PC端末から
入力することで調整できる。この制御によって、各室10
1〜108が大気に触れることなく水蒸気分圧が1mPa以上10
mPa以下程度のドライガス雰囲気で満たされるようにコ
ントロールされる。
【0043】さらに、上記スパッタ室103、焼成室105、
アライメント室106、封着室107には不図示の放電用電極
が備えられており、各室101〜108の内部を放電ガスで充
満させたあと、これらの電極を通電することにより放電
可能になっている。この放電は、室内の静電気の発生を
抑制し、不純物を沈下・分解するものである。 2-3-e.ドライガス雰囲気装置の動作 このようなドライガス雰囲気装置100によれば、まず本
装置100の起動時において、ゲートバルブGV1〜10、ドラ
イガス排気口1023、1063、1073、1083……、ドライガス
供給口1022、1062、1072、1082……が閉じられ、真空排
気口1021、1061、1071……、に接続された真空ポンプに
より各室101〜108が真空排気される。このときの減圧値
は、たとえば1.33×10-1mPaである。そして次に、上記
各室101〜108に微量(数〜数十sccm)のArガスが投入さ
れ、当該室内でArガスによる放電がなされる(約1分
間)。このような操作により清浄処理が行われ、上記各
室内の壁面などに吸着している不純物が除去されるとと
もに静電気の発生が抑制される。なお当該清浄処理とし
ては、真空排気と放電のいずれかを行うだけでもよい
が、保護層15と蛍光体層21〜23を良好に形成するために
は、やはり真空排気と放電の両方を行うのが望ましい。
【0044】放電を終了すると、各室内に所定のドライ
ガスが供給されるが、上記工程で室内に吸着していた不
純物が除去されているため、室内の水蒸気分圧を従来の
ガス雰囲気よりも低減させながらも純度の良いガス雰囲
気を形成することができる。スパッタ室103においてはA
rガス、それ以外の各室101、103〜108にはドライガスが
供給される。室内におけるドライガスの量は、例えば数
〜数十sccm(標準状態換算)である。このようなドライ
ガスの量は、ドライガス供給口1022、1062、1072、1082
……およびドライガス排気口1023、1063、1073、1083…
…の開閉調節によってバランスが保たれる。誘電体層形
成済みのフロントパネル10(約400℃から徐々に冷却し
つつある)は、まずオペレータによりFP搬入室101に搬
入され、ヒータ1011によって100〜150℃に保温される。
これとともに、室内が脱気され、ドライガス雰囲気に移
行する。
【0045】そして次に、図4に示すようにベルト駆動
装置B1の回動駆動によって、誘電体層清浄室102へ搬入
され、80〜150℃で保温されながら酸素雰囲気下で160nm
〜190nmの波長による紫外線照射を受け、オゾンガス
(励起酸素原子)中の酸素ラジカルによる表面改質がな
される。このときの誘電体層清浄室102内は、酸素ガス
導入系より100ccm(0.1×10-3m3/min)の酸素ガスを導
入する。表面改質時間は15分間程度でよい。これによ
り、大気圧から10-3Paの範囲における酸素雰囲気下とす
るのが望ましい。このような設定により、誘電体層表面
の汚染層・ゴミ等が取り除かれる(S4)。
【0046】なお、オゾンガス発生時にパネルを加熱す
ると、誘電体層の清浄率が向上し、PDPのセル放電不良
数が低減するといった効果が望める。図6はこのときの
データを示すグラフである。当グラフでは、パネルを13
0℃に加熱する例を示しているが、本発明はこの温度に
限定するものではなく、適宜変更してもよい。当図か
ら、パネルの加熱温度としては、具体的には80〜150℃
の範囲であれば清浄率向上の効果が得られるのが分か
る。また処理にかかる時間としては、150sec(2分半)
以上であれば、セル放電不良数をほぼ3ピクセル以下に
できるので望ましい。
【0047】さらに、このような誘電体層清浄処理に加
え、フロントパネルの端部側における表示電極露出部分
(引き出し電極部)も同時に清浄処理すると、短絡など
の問題の発生を防止できるので望ましい。次にパネルは
スパッタ室103へ搬入され、保護層15(ここではMgO層)
が形成される(S5)。スパッタリングの際の加熱温度は
150〜200℃程度である。こののちフロントパネル10はア
ライメント室106へ搬送される。
【0048】一方、蛍光体インクとガラスフリットを塗
布したバックパネル16(図3ではガラスフリットを太枠
で表示)は、BP搬入室104から焼成室105に搬入され、こ
こで焼成される(S'7)。このときの加熱温度は蛍光体
インクの焼成温度(約450℃)に合わせる。焼成工程を
終了したバックパネル16は、不図示のベルト駆動装置に
より、アライメント室106へ搬送される。
【0049】なお、前記保護層15と同様に、アライメン
ト室106へ送る前に、蛍光体層を清浄処理する工程を設
けてもよい。これは、具体的には蛍光体層表面を放電処
理する方法や紫外線照射法などが挙げられる。この清浄
処理時においても、前記ガス雰囲気で行うことが望まし
い。アライメント室106では、図4に示すように、バック
パネル16上にフロントパネル10が正しい位置に重ねられ
るアライメント動作がなされる。ここにおいて、アライ
メント室106に備えられたヒータ1064により、保護層形
成直後と蛍光体層焼成直後の高温状態にある各パネル
が、ほぼ同一の温度(120℃〜150℃)に保温され、過度
に冷却されることなくアライメントされて後の封着室10
7に搬入され、封着工程を経ることとなる(P1)。した
がって、封着工程ではパネルの加熱を迅速に行うことが
でき、製造コストの低減に貢献することができる。
【0050】この封着工程のときの加熱温度は150℃〜6
50℃であるが、アライメント室106において各パネルが
保温されているので、封着にかかる加熱温度は迅速にな
される。ベルト駆動装置B2、B3、B4の回動駆動により、
ゲートバルブGV9を経たPDP1は排気・ベーキング室107に
送られ、ここで排気・ベーキング工程がなされる(P
2)。
【0051】2-3-f.ドライガス雰囲気装置100による効
果 以上のドライガス雰囲気装置100を用いた方法により、
フロントパネル10とバックパネル16を、それぞれ保護層
15と蛍光体層21〜23が形成されてから排気・ベーキング
工程まで、大気に曝すことなくドライガス中において製
造工程を経ることができる。したがって、保護層15は従
来に比べて雰囲気からの吸水量が格段に少なく抑えら
れ、かつ清浄な誘電体層表面に高純度で形成される。
【0052】なお、一般的に蛍光体は、水分を含んだ状
態で加熱されると、熱劣化(変色)しやすいが、上記方
法によれば、蛍光体は外気に触れることなく排気・ベー
キングされるので、熱劣化が回避される。また、保護層
15の吸水量も低減されるので、保護層15から蛍光体層21
〜23に水分が移行する危険性が大幅に回避される。 2-4.PDPの組立て(P3〜P5) 封着工程を終了したら、ゲートバルブGV10を介して、排
気・ベーキング室107から取り出したのち、約350℃以下
で排気・ベーキングを行い、放電空間24の内部を高真空
(1.1×10-1mPa)にする。そして、これにNe-Xe(5%)
の組成からなる放電ガスを6.7×105Pa程度の圧力で封入
する(P3)。なおP2における工程も、PDPの内部に混入
する水分を極力防ぐため、水蒸気分圧の低いドライガス
か、減圧雰囲気下で行うことが望ましい。
【0053】続いて、PDP1内部の各駆動回路、保護層1
5、蛍光体層21〜23を安定化させるために枯化(エージ
ング)を行う(P4)。これには前記封着したPDP1に250
Vの電圧を印加し、画面を白色表示させた状態で、数〜
数十時間かけて駆動させる。PDPサイズが13インチなら2
時間、42インチなら8時間程度が目安であるが、これ以
上の時間範囲(例えば10時間以上24時間以内)で行って
もよい。
【0054】その後、駆動回路(ドライバIC)を取付
け、この他各ハウジング・キャビネット・音響部品等を
組み込み、ネジ締め付けなどの工程などを行うことによ
り、本PDPが完成する(P5)。 3.その他の事項 上記実施の形態では、誘電体層清浄処理の手段として、
酸素存在下で紫外線を照射する方法を採用したが、本発
明はこれに限定せず、例えば図5(a)の誘電体層清浄室
断面図に示すように、磁石の上に載置した活性化粒子を
スパッタ処理することにより誘電体層表面を細かく研磨
することで清浄処理を行ってもよい。なお、このときパ
ネルに負極性バイアスを印加するようにしておくと、活
性化粒子が加速されるので望ましい。すなわち、スパッ
タ雰囲気に不活性ガス、例えばArガスを用いると、スパ
ッタ時にArは電離してAr+となるため、パネルを負極性
にすることにより、Ar+が加速されてパネル表面に到達
するので、清浄速度(清浄性)が向上する。
【0055】また、誘電体層清浄処理の別の手段として
は、図5(b)のドライガス雰囲気装置の部分断面図に示
すように、ヒータでパネルを加熱しつつ、酸素プラズマ
を誘電体層表面に当てて、表面改質を行う方法としても
よい。なお、酸素プラズマ処理した後のパネルは、ゲー
トバルブGVaから真空予備室へ格納し、保護層形成室103
(ここではEB法による形成方法を例示)へ搬入する前に
ヒータで予熱しておくと、製造効率が向上するので望ま
しい。
【0056】さらに上記ドライガス雰囲気装置100で
は、各パネルをホールドするトレイを用い、ベルト駆動
装置B1〜B4の各搬送ベルト上に当該トレイごと載置する
ようにしてもよい。この場合、トレイを装置の外から内
に持ち込むと、トレイに吸着している不純物(オイルミ
スト、ゴミ・埃)がドライガス雰囲気装置100内に拡散
する危険性がある。このため、外気から搬入室101、104
にパネルを搬入するための外専用トレイと、前記装置10
0の内部で使用するための内専用トレイとをそれぞれ専
用に区別して用い、パネルを上記両トレイ間で移し替え
るようにすると、外気中でトレイに付着する不純物がド
ライガスに混入するのを防ぐことができるので望まし
い。
【0057】また本実施の形態では、FP搬入室101にヒ
ータ1011、アライメント室106にヒータ1054をそれぞれ
設け、フロントパネル10とバックパネル16の両方を加熱
する例を示したが、バックパネル16は焼成室105で十分
な焼成熱を得ているので、少なくとも保護層15を形成し
たフロントパネルを加熱するようにすればよい。また上
記ドライガス雰囲気装置100では、スパッタ室103とアラ
イメント室106を連続して設ける構成を示したが、スパ
ッタ室103とアライメント室106の間にスパッタ室103か
ら排出した保護層形成直後のフロントパネル10をいった
ん格納する格納室を設け、当該室内に設けたヒータで、
前記フロントパネル10を保温したあと、アライメント室
106に搬送する構成としてもよい。
【0058】さらに上記実施の形態では、ドライガス雰
囲気装置100を用いて連続的にドライガス雰囲気下で各
工程S4、S5、S'7、P1、P2を行う例を示したが、本発明
はこれに限定するものではなく、たとえば各工程S4、S
5、S'7、P1、P2のいずれかを独立した装置で行ってもよ
い。ただしこの場合、少なくとも誘電体層形成後から保
護層形成までの間はパネルを大気に曝さないように、密
閉雰囲気下に保管しておく必要がある。
【0059】また上記実施の形態では、大気と隔離した
雰囲気として、水蒸気分圧を低く設定したドライガスを
用いる例を示したが、本発明はこれに限定せず、少なく
とも誘電体層表面を清浄に保つことが可能な密閉気体内
において、誘電体層清浄処理と保護層形成工程を行えば
よい。なお上記実施の形態では、保護層を形成する誘電
体層表面を清浄処理する例について示したが、本発明は
これに加えて、形成した保護層表面をさらに清浄処理す
るようにしてもよい。具体的には図4に示す例の場合、
スパッタ室103とアライメント室106の間に、前記誘電体
層清浄処理室102と同様の構成を有する保護層清浄処理
室を配置する。当該室の駆動方法は誘電体層清浄処理室
102と同様である。この場合、保護層清浄処理工程は10P
aから10-3Paの範囲における酸素雰囲気下で行うと望ま
しい。このように保護層表面を清浄処理することによっ
て、PDP内部にゴミ・埃などが混入するのが防止でき、
高品質なPDPの製造が実現できる。
【0060】
【発明の効果】以上のことから明らかなように、本発明
は、パネル上に誘電体層を形成する誘電体層形成工程
と、保護層を形成する保護層形成工程とを経るガス放電
パネルの製造方法であって、前記保護層形成工程に先立
ち、パネル上に形成した誘電体層の表面を清浄処理する
誘電体層清浄工程を経るので、誘電体層表面に付着した
ゴミ・埃や、汚染層が取り除かれ、純度の高い誘電体層
表面が維持される。その結果、ピンホール欠陥等の発生
を回避して保護層が良好に形成されるので、パネル表面
全体で均一な放電特性を持つ高い表示性能のガス放電パ
ネルの製造を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1におけるPDPの主要構成図である。
【図2】PDPの製造ステップを示す図である。
【図3】ドライガス雰囲気装置の側面断面図である。
【図4】ドライガス雰囲気装置の上面断面図である。
【図5】保護層清浄処理室のバリエーションを示すドラ
イガス雰囲気装置の部分断面図である。
【図6】誘電体層のプラズマ処理時において、パネルの
加熱の有無が及ぼす影響を示すデータである。
【符号の説明】
14 誘電体層 15 保護層 100 ドライガス雰囲気装置 102 誘電体層清浄室 103 スパッタ室
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5C012 AA05 BD02 BD04 5C027 AA05 AA10 5C040 FA01 FA04 GB03 GD09 GE09 JA23 MA17 MA19

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パネル上に誘電体層を形成する誘電体層形
    成工程と、保護層を形成する保護層形成工程とを経るガ
    ス放電パネルの製造方法であって、 前記保護層形成工程に先立ち、パネル上に形成した誘電
    体層の表面を清浄処理する誘電体層清浄工程を経ること
    を特徴とするガス放電パネルの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記誘電体層清浄工程は、酸素雰囲気下に
    おける紫外線照射、酸素雰囲気下におけるプラズマ照
    射、不活性ガス雰囲気下におけるスパッタ処理の中から
    選ばれた方法で行うことを特徴とする請求項1に記載の
    ガス放電パネルの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記誘電体清浄工程で紫外線照射を行う場
    合、大気圧から10-3Paの範囲における酸素雰囲気下で行
    うことを特徴とする請求項2に記載のガス放電パネルの
    製造方法。
  4. 【請求項4】 前記誘電体層清浄工程で紫外線照射を行う
    場合、160nmから190nmの範囲における波長の紫外線を照
    射して行うことを特徴とする請求項2に記載のガス放電
    パネルの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記誘電体層清浄工程でスパッタ処理を行
    う場合、パネルに負電圧を印加することを特徴とする請
    求項2に記載のガス放電パネルの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記誘電体層清浄工程を経たのち、保護層
    形成工程までの間に、誘電体層を形成したパネルを予熱
    する予熱工程を経ることを特徴とする請求項1に記載す
    るガス放電パネルの製造方法。
  7. 【請求項7】 前記誘電体清浄工程における前記酸素雰囲
    気には、1mPa〜10mPaの分圧の水蒸気が含まれることを
    特徴とする請求項3に記載するガス放電パネルの製造方
    法。
  8. 【請求項8】 前記誘電体層形成工程では、電極が配設さ
    れたパネル表面に誘電体層を形成し、 前記誘電体層清浄工程では、誘電体層表面に加え、パネ
    ル表面の電極露出領域に合わせて清浄処理を行うことを
    特徴とする請求項1に記載のガス放電パネルの製造方
    法。
  9. 【請求項9】 保護層形成工程を経たのち、酸素雰囲気下
    において、保護層の表面を紫外線照射により清浄処理す
    る保護層清浄処理を経ることを特徴とする請求項1に記
    載のガス放電パネルの製造方法。
  10. 【請求項10】 前記保護層清浄処理工程は、10Paから10
    -3Paの範囲における酸素雰囲気下で行うことを特徴とす
    る請求項9に記載のガス放電パネルの製造方法。
  11. 【請求項11】 大気から隔離された雰囲気中において、
    少なくとも前記誘電体清浄工程から保護層形成工程まで
    を行うことを特徴とする請求項1に記載のガス放電パネ
    ルの製造方法。
  12. 【請求項12】 前記大気から隔離された雰囲気には、1mP
    a〜10mPaの分圧の水蒸気が含まれることを特徴とする請
    求項11に記載するガス放電パネルの製造方法。
  13. 【請求項13】 前記誘電体層清浄工程は、酸素雰囲気下
    における紫外線照射、酸素雰囲気下におけるプラズマ照
    射、不活性ガス雰囲気下におけるスパッタ処理の中から
    選ばれた方法で行うことを特徴とする請求項11に記載の
    ガス放電パネルの製造方法。
  14. 【請求項14】 前記誘電体清浄工程で紫外線照射を行う
    場合、大気圧から10-3Paの範囲における酸素雰囲気下で
    行うことを特徴とする請求項13に記載のガス放電パネル
    の製造方法。
  15. 【請求項15】 前記誘電体層清浄工程で紫外線照射を行
    う場合、160nmから190nmの範囲における波長の紫外線を
    照射して行うことを特徴とする請求項13に記載のガス放
    電パネルの製造方法。
  16. 【請求項16】 前記誘電体層清浄工程でスパッタ処理を
    行う場合、パネルに負電圧を印加することを特徴とする
    請求項13に記載のガス放電パネルの製造方法。
  17. 【請求項17】 前記誘電体清浄工程における前記酸素雰
    囲気には、1mPa〜10mPaの分圧の水蒸気が含まれること
    を特徴とする請求項14に記載するガス放電パネルの製造
    方法。
  18. 【請求項18】 前記誘電体層清浄工程を経たのち、保護
    層形成工程までの間に、誘電体層を形成したパネルを予
    熱する予熱工程を経ることを特徴とする請求項11に記載
    するガス放電パネルの製造方法。
  19. 【請求項19】 前記誘電体層形成工程では、電極が配設
    されたパネル表面に誘電体層を形成し、 前記誘電体層
    清浄工程では、誘電体層表面に加え、パネル表面の電極
    露出領域に合わせて清浄処理を行うことを特徴とする請
    求項11に記載のガス放電パネルの製造方法。
  20. 【請求項20】 保護層形成工程を経たのち、酸素雰囲気
    下において、保護層の表面を紫外線照射により清浄処理
    する保護層清浄処理を経ることを特徴とする請求項11に
    記載のガス放電パネルの製造方法。
  21. 【請求項21】 前記保護層清浄処理工程は、10Paから10
    -3Paの範囲における酸素雰囲気下で行うことを特徴とす
    る請求項20に記載のガス放電パネルの製造方法。
  22. 【請求項22】 パネル上に誘電体層を形成する誘電体層
    形成工程と、保護層を形成する保護層形成工程とを経る
    ガス放電パネルの製造方法であって、 前記保護層形成工程に先立ち、パネル上に形成した誘電
    体層の表面における付着物を分解除去する工程または研
    削除去する工程を経ることを特徴とするガス放電パネル
    の製造方法。
  23. 【請求項23】 前記分解除去する工程は、酸素雰囲気下
    における紫外線照射、酸素雰囲気下におけるプラズマ照
    射のいずれかの方法で行うことを特徴とする請求項22に
    記載のガス放電パネルの製造方法。
  24. 【請求項24】 前記研削除去する工程は、不活性ガス雰
    囲気下におけるスパッタ処理によって行うことを特徴と
    する請求項22に記載のガス放電パネルの製造方法。
  25. 【請求項25】 大気から隔離された雰囲気中において、
    少なくとも前記分解除去する工程または研削除去する工
    程から保護層形成工程までを行うことを特徴とする請求
    項22に記載のガス放電パネルの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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