JP2002298377A - 光記録媒体および光記録装置 - Google Patents

光記録媒体および光記録装置

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JP2002298377A JP2001096675A JP2001096675A JP2002298377A JP 2002298377 A JP2002298377 A JP 2002298377A JP 2001096675 A JP2001096675 A JP 2001096675A JP 2001096675 A JP2001096675 A JP 2001096675A JP 2002298377 A JP2002298377 A JP 2002298377A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ホログラムとしてすでに記録された記録情報
を破壊することなく、新たな情報を記録可能な光記録媒
体を提供する。 【解決手段】 情報が付加された信号光(23)、およ
びこの信号光にコヒーレントな参照光(24)を入射し
て干渉縞を形成することによりホログラムとして情報が
記録トラックに記録される基板と、この基板の対向する
2つの面に形成された電極とを有する光記録媒体であ
る。前記電極の少なくとも一方は、電圧を独立して印加
可能に配置され、前記記録トラックの方向に沿ってパタ
ーン化された電極の群(17)からなることを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ホログラムとして
情報を記録する光記録媒体および光記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の光磁気記録や光ディスクなどの光
熱相変化型の媒体に比べて、はるかに高密度な記録を行
ない得る光記録媒体の一つとして、フォトリフラクティ
ブ媒体が知られている。このフォトリフラクティブ媒体
は、高密度画像など容量の大きなデータを記録すること
が可能であり、次のようなメカニズムによって記録層の
屈折率が変化する媒体である。すなわち、光を照射する
ことによって、電荷を発生させ、その電荷を空間的に分
離する。この電荷分布に起因した電場によって、材料の
屈折率が変化する。媒体内部に発生する電場を大きくす
れば、ポッケルス効果に起因してより大きな屈折率変化
を得ることが可能となる。このようなフォトリフラクテ
ィブ媒体は、光の干渉パターンを、屈折率格子として直
接記録することができるので、ホログラフィックメモリ
および光演算素子への応用が期待されている。
【0003】フォトリフラクティブ媒体には、無機強誘
電性結晶が広く用いられてきたが、いる。近年、作製の
容易さから、有機材料を用いたフォトリフラクティブ媒
体の開発が盛んになっている(例えば、特公平6−55
901号公報等)。有機材料を用いたフォトリフラクテ
ィブ媒体は、無機強誘電性結晶に比べて桁違いの小さな
誘電率を有し、大きな性能指数や高応答が期待される。
こうした媒体に記録を行なう際には、電極を設けて外部
から電場を印加する(例えば、特開平6−175167
号公報、W.E.Moerner,and Scott
M.Silence,Chem.Rev.94,pp
127〜155(1994))。これは、次のような理
由による。すなわち、空間電場形成の素過程である光キ
ャリア発生過程と輸送過程とが印加電場の強度に依存す
るので、高電場ではキャリア発生効率およびキャリアの
拡散や移動が共に高められる。したがって、電場を印加
することにより、高速に空間電場を形成することができ
るためである。
【0004】しかしながら、記録時に媒体に電圧を印加
することにはいくつかの弊害がある。例えば、電極と媒
体との組み合わせによっては、電圧印加時に電極から媒
体にキャリアが注入されてしまい、記録された格子が破
壊されることがある。また、電圧印加により記録感度が
向上したことに起因して、新たに異なる情報を記録する
際には、既に記録された情報が破壊されるおそれがあ
る。既に記録された格子の隣接した領域に記録光および
参照光を照射して、新たに格子を記録する場合には、こ
のとき照射される記録光または参照光の光路上には、以
前に記録された格子が存在する。したがって、以前に記
録された格子に一様光が照射されることになる。記録格
子に一様光が長時間照射されたり、この過程が繰り返さ
れたりすることによって、記録は破壊されてしまう。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
に鑑みてなされたもので、ホログラムとしてすでに記録
された記録情報を破壊することなく、新たな情報を記録
可能な光記録媒体を提供することを目的とする。
【0006】また本発明は、ホログラムとして情報が記
録される光記録媒体に、すでに記録された記録情報を破
壊することなく、新たな情報を記録することが可能な光
記録装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、情報が付加された信号光および、この信
号光にコヒーレントな参照光を入射して干渉縞を形成す
ることによりホログラムとして情報が記録トラックに記
録される基板と、この基板の対向する2つの面に形成さ
れた電極とを有する光記録媒体であって、前記電極の少
なくとも一方は、電圧を独立して印加可能に配置され、
前記記録トラックの方向に沿ってパターン化された電極
の群からなることを特徴とする光記録媒体を提供する。
【0008】また本発明は、光記録媒体にホログラムと
して情報を記録するための光記録装置であって、基板
と、この基板の対向する2つの面に形成された電極とを
有し、前記電極の少なくとも一方は、電圧を独立して印
加可能に配置され、記録トラックの方向に沿ってパター
ン化された電極の群からなる光記録媒体と、前記光記録
媒体の前記パターン化された電極の群の少なくとも一つ
と、前記基板の対向する面に設けられた電極との間に電
圧を印加する電圧印加手段と、前記パターン化された電
極と、この電極に対向する電極との間における前記基板
内で交差して干渉縞を形成するよう、情報が付加された
信号光と、この信号光にコヒーレントな参照光とを、前
記光記録媒体に入射する光照射手段と、前記光記録媒体
の前記パターン化された電極のそれぞれに印加される電
圧を制御する電圧印加制御手段と、前記信号光と前記参
照光とが前記基板内で交差して形成される前記干渉縞の
領域を、前記記録トラックの方向に沿って移動させるた
めに前記光記録媒体を移動する媒体移動手段とを具備
し、前記光照射手段は、前記信号光および前記参照光そ
れぞれの波数ベクトルの前記基板表面への射影が、前記
記録トラックの方向と交差するように、前記信号光およ
び前記参照光を入射することを特徴とする光記録装置を
提供する。
【0009】以下、本発明を詳細に説明する。
【0010】本発明の光記録媒体は、電荷発生能と電荷
輸送能と電場により光学特性が変化する能力を有し、光
照射により電荷が空間的に分離され、この結果発生する
電場によって光学特性が変化して、光強度パターンが記
録される。本発明の光記録媒体は、対向する2つの面に
電極を有し、その少なくとも一方は、所定の形状にパタ
ーン化されていることが必要である。本発明の光記録媒
体におけるパターン化された電極の幅は、記録光が媒体
に入射する際のビームの大きさ、ビームが媒体に入射す
るときの角度、方向、ならびに媒体の膜厚によって、最
適な範囲を有する。以下、最適な電極幅について説明す
る。
【0011】本発明の光記録媒体への情報の記録は、ホ
ログラフィック法を用いて行なわれる。まず、情報を付
加した信号光と、信号光とは可干渉な参照光を、媒体中
で交差するように入射する。2つの光ビームの交差部に
は、干渉縞が形成され、それを記録することにより情報
が記録される。
【0012】このとき、媒体に電場を印加するための電
極対は、記録光と参照光との2つの光ビームで形成され
る干渉縞のkベクトルとは平行な方向に電場が印加され
るように配置する。最も好ましい配置は、干渉縞のkベ
クトルの方向が、外部から印加する電場ベクトルの方向
とが一致する場合である。記録される干渉縞のkベクト
ルの方向と、外部から印加する電場ベクトルの方向とが
直交する場合には、記録時に印加する電圧は情報記録に
有効に作用しない。なぜならば、印加電圧によって摂動
がかかりキャリアが輸送される方向は、外部から印加さ
れた電場ベクトルの方向であるからである。
【0013】記録を行なう領域には電場が印加されてい
ることが望ましいので、相対する電極の間に記録する干
渉縞が挟まれるとともに、それ以外の範囲には電圧が印
加されない程度の面積で、電極を形成することが望まし
い。電極面積が干渉縞記録領域に比較して大きい場合に
は、記録領域の隣接した領域内に既に記録された格子に
も電場が印加されることになる。このとき、光照射によ
り発生したキャリアや電極から注入されたキャリアによ
り、既に記録された格子が破壊されてしまうことがあ
る。
【0014】以上の考察から、媒体全面に形成される電
極は、記録スポットと同等の大きさになるようにパター
ニングすることによって、記録の破壊を防止することが
できる。しかしながら、媒体に形成される電極全てを記
録スポット程度の大きさにパターニングするには、電圧
印加の配線が複雑になる。しかも、それに伴なって製造
コストが高くなるため、こうした手法は現実的ではな
い。本発明者らは、以上の知見に基づいて、連続して記
録を行なう場合に適した電極構造と光の入射方向は、以
下のような関係にあるのが望ましいことを見出した。
【0015】第一に、前後して記録を行なう領域におい
ては、電極は連続した形状であることが望ましい。第二
に、記録のために媒体に入射される信号光および参照光
の波数ベクトルの媒体への射影は、電極が連続している
方向とは異なる方向であることが望ましい。
【0016】具体的に例を挙げて説明する。例えば、図
1に示したようにカード型を有し、透明電極が全面に形
成されている媒体について、記録の破壊が生じる領域を
調べた。図1(a)に示される媒体においては、透明基
板10の全面に透明電極9が形成されている。信号光4
と参照光7を照射すると、2つの波の交わった領域3に
ホログラムが記録される。
【0017】このときの記録媒体を図1(a)中の矢印
5および矢印6の方向から見た状態を、それぞれ図1
(b)および図1(c)に示す。これらの図面に示され
るように、記録材料8は、透明電極9が全面に形成され
た2つの透明基板10で挟持されている。図1(a)に
示したように、基板10の全面に透明電極9が設けられ
ているため、図1(b)および図1(c)に示したよう
に、記録格子が形成される領域以外にも、電圧が印加さ
れると同時に光が照射される。こうして、領域11にお
いては、記録された格子が破壊されることになる。
【0018】したがって、カード型媒体の長手方向に沿
って、信号光と参照光とが照射される記録位置を移動さ
せるときは、次のように記録を行なうことが好ましい。
図2に、本発明の光記録媒体の概略図を示す。図2
(a)に示されるように、本発明の光記録媒体において
は、透明電極13は、媒体の長手方向に連続して延び、
離間して配置された複数の矩形状パターンとして、基板
12に形成されている。
【0019】このときの記録媒体を図2(a)中の矢印
14および矢印15の方向から見た状態を、それぞれ図
2(b)および図2(c)に示す。これらの図面に示さ
れるように、記録材料16は、透明電極13が形成され
た透明基板12で挟持されている。図2(b)に示され
るように、一方の電極はパターン化されているため、図
1(b)および図1(c)を参照して説明したような、
情報の破壊は起こらない。
【0020】なお、光記録媒体に情報を記録する際に
は、信号光(図示せず)および参照光(図示せず)は、
その光路が対向する2つの電極間を横切るが、本発明に
おいては、2つの光が交差する以外の領域においては電
極間を横切る距離がなるべく短くなるように入射するこ
とが好ましい。
【0021】図3には、上述したような本発明の光記録
媒体への情報の記録を説明する概略図を示す。図3
(a)に示すように、基板18には、パターン化された
透明電極17が形成されている。信号光20および参照
光21が照射されると、2つの光の交わった領域19に
格子が記録される。
【0022】このときの記録媒体を図3(a)中の矢印
14および矢印15の方向から見た状態を、それぞれ図
3(b)および図3(c)に示す。これらの図面から明
らかなように、信号光20および参照光21の波数ベク
トルの媒体への射影は、透明電極19の連続している方
向とほぼ一致している。この場合には、信号光20およ
び参照光21の両方の媒体を横切る光路全てが、電極間
に挟まれた媒体中を通過することになる。このとき、図
3(c)に示されるように、干渉縞が形成されている記
録位置22以外の領域で光が照射されるとともに、電圧
が印加されている体積が最大になってしまう。その結
果、この領域では、上述したような理由により、既に記
録されている格子が破壊される。
【0023】図4には、本発明の光記録媒体に好ましい
方向から光を入射して記録するときの概略図を示す。図
4(a)に示すように、基板18には、パターン化され
た透明電極17が形成されている。信号光23および参
照光24が照射されると、2つの光の交わった領域19
に格子が記録される。
【0024】このときの記録媒体を図4(a)中の矢印
14および矢印15の方向から見た状態を、それぞれ図
4(b)および図4(c)に示す。図4(b)に示され
るように、信号光23と参照光24の波数ベクトルの射
影が、パターン化された透明電極17の連続した方向と
は角度を持った方向になるように、信号光23および参
照光24が入射される。その結果、干渉縞は図4(c)
に示されるように領域22に形成され、記録された格子
の破壊は、図4(b)中の領域25のみで生じる。これ
らの図面から明らかなように、信号光23および参照光
24の波数ベクトルの射影が、パターン化された電極1
7の連続した方向とは角度を持った方向になるように、
信号光23および参照光24が入射されることが望まし
い。
【0025】本発明の光記録媒体における電極の幅につ
いて、図5を参照して説明する。図5においては、膜厚
Lを有する光記録媒体に、パターン化された電極27が
設けられている。このパターン化された電極27は、紙
面に垂直な方向に連続して長手を有する。信号光28と
参照光29とが媒体内で交差するように照射することに
よって、媒体内に格子が記録される。図5中、参照符号
30は参照光29の波数ベクトルの方向を表わし、参照
符号31は基板の法線方向であり、参照符号32および
33は、それぞれ信号光28の媒体への入射面での末
端、および信号光28の媒体からの出射面での末端を表
わす。このとき、媒体に入射される光ビーム(信号光2
8および参照光29)の長径がaであり、入射角度がθ
である場合には、光ビームの光路は、図5に示したよう
にa/cosθ+Ltanθの幅の間に存在することに
なる。
【0026】したがって、媒体に記録される干渉縞は必
ず幅a/cosθ+Ltanθの電極間に挟まれること
になる。このため、電極の幅はa/cosθ+Ltan
θ以下であることが望ましい。言い換えると、電極の
幅、すなわち電極が連続した方向に直交する方向に電極
が存在する領域は、a/cosθ+Ltanθより小さ
いことが望ましい。なお、電極の幅の下限は、媒体に入
射または出射する場合の光ビーム径と、光ビームをコリ
メートするか否か等に応じて決定することができる。例
えば、コリメートされた信号光を、パターニングされた
電極側から入射する場合には、a/cosθ程度とする
ことが好ましい。電極の幅がこの値未満の場合には、信
号光が入射するときに電極により回折され、所望の情報
を記録することが困難となる。
【0027】また、こうした幅で形成される電極の間隔
は、媒体を搭載する装置の精度等に応じて決定すること
ができる。例えば、媒体がディスク状で、回転させて記
録、再生を行なう装置に搭載する場合には、電極の幅の
0.05倍〜2倍程度とすることが好ましい。電極の間
隔が電極の幅の2倍を越えると、記録密度が低下し、高
容量の記録が実現できない。一方、電極の間隔が電極の
幅の0.05倍未満の場合には、電極の作製が困難にな
ったり、光ビームの入射一の制御が困難となる。いずれ
の場合も、電極をパターン化した本発明の効果を充分に
得ることができないおそれがある。
【0028】次に、隣接して形成された電極間の関係に
ついて説明する。高密度記録を実現するためには、前述
した電極は間隔を狭めて形成することが望まれる。そし
て、隣接して形成された電極に互いに等しい電圧が印加
されていると、電極をパターン化した効果が損なわれて
しまう。ある電極の領域に記録を行なっている間は、そ
の電極に隣接する電極には、電圧が印加されていないこ
とが望ましい。したがって、本発明の光記録媒体におけ
るパターン化された電極は、互いに隣接した電極とは異
なる電圧を印加できる構造を有する必要があり、かつ光
記録装置はそれらを実現する構成を有していることが要
求される。
【0029】ここで、ディスク形状の媒体における電極
の配置について、図6を参照して説明する。図6(a)
に示されるディスク形状の媒体34は、中心に貫通穴3
5を有し、媒体の一方の面には、渦巻き状の電極(図示
せず)が形成されている。この媒体34を図中の矢印3
6方向からみた状態が図6(b)であり、例えば図6
(b)中に示されるような形状の電極38を形成するこ
とができる。この場合には、渦巻きは少なくとも2本以
上形成して、互いに隣接した電極間では、異なる電圧制
御ができるようにすることである。具体的には、各電極
38は、円弧状パターン38aと、このパターン38a
の端部とディスクの中心領域とを電気的に接続する動径
方向パターン38bとから構成される。貫通穴35を介
して、各動径方向パターン38bにそれぞれ電圧を印加
することによって、互いに隣接した電極とは異なる電圧
を印加することが可能となる。
【0030】図7にディスク形状媒体を搭載した装置の
概念図を示す。ここで用いられる光記録媒体40には、
同心円状の複数の電極41が形成されている。図7には
明確に示されていないが、各電極41は、円弧状パター
ンと、そのこのパターンの端部と媒体の中心とを電気的
に接続する動径方向パターンとから構成される。媒体の
対向する面には、全面に電極(図示せず)が形成されて
いる。外部からの入力情報42をコンピューター43で
処理し、画像情報はデジタル信号処理部44にて処理
し、空間変調器45に表示させる。
【0031】レーザー光源46からの光は2つに分けら
れ、その一方は、ビームエキスパンダー等で拡げられた
後、波面・光路変調器47を通過して情報が付加されて
信号光48が得られる。他方の光は、波面・光路変調器
47して参照光49として照射される。信号光48およ
び参照光49は、電圧が印加された電極に挟まれた媒体
中で交差するように照射され、それによって記録が行な
われる。なお、信号光48および参照光49は、これら
の波数ベクトルの射影が、パターン化された電極41の
連続した方向とは角度を有するように、ディスク状媒体
40に入射される。
【0032】本発明の装置においては、パターニングさ
れた電極41のひとつとそれと対向する電極(図示せ
ず)との間に外部から電圧を印加して、これらの電極の
間に挟まれた媒体に干渉縞を記録する。このとき、パタ
ーニングされた電極のうち、電圧が印加された電極に隣
接する電極には電圧は印加されていない。電極に印加す
る電圧の制御は、空間変調器45ならびに信号光48お
よび参照光49の光路を制御する波面・光路調節器47
の制御命令と同期を取った信号を、システムコントロー
ラ50およびコントローラ51を経て、電源52に送信
することによって行なわれる。媒体を支持するシャフト
53には、電極54および電圧供給電極55が設けられ
ている。
【0033】図7に示したように媒体がディスク状の場
合には、信号光48と参照光49とが交差する記録位置
を変えるために、ディスクを回転させる。ディスクの回
転は例えば、スピンドルドライバ56をコントローラ5
7で制御することによって行なうことができる。
【0034】ここで図8を参照して、ディスク状媒体に
おけるパターン化された電極の電圧制御を説明する。図
8に示されるように、ディスク状媒体40は、中心部に
設けられた絶縁体59およびシャフト53により支持さ
れる。シャフト53には、複数の電極54が設けられ、
この電極54は、媒体上部の電極41と電圧供給電極5
5とをそれぞれ接続する。
【0035】図8(b)には、図8(a)における矢印
61からみたディスク状媒体40の平面図を示す。図8
(b)に示されるように、パターン化された透明電極4
1は、円弧状パターン41aと、このパターンの端部と
ディスクの中心とを電気的に接続する動径方向パターン
41bとから構成される。
【0036】また、図8(c)には、図8(a)中の矢
印62の方向におけるディスク状媒体40の断面図を示
す。図示するように、シャフト53に設けられた複数の
電極54は、導電部60を介して媒体40上のパターン
化された電極41の動径方向パターン41bに、電圧供
給電極55からの電圧を供給する。なお、媒体40の対
向する面には、全面電極41’が設けられている。この
全面電極41’には、絶縁部59に設けられた電極5
4’および導電部60’を介して、電圧供給電極55’
から電圧が供給される。
【0037】図9には、カード状媒体を搭載した装置の
概念図を示す。ここで用いられる光記録媒体70の一方
の面には、パターン化された透明電極71が形成されて
いる。この電極は少なくとも2本以上形成して、互いに
隣接した電極間では、異なる電圧制御ができるように構
成する。光記録媒体70の他方の面には、全面電極72
が形成されている。
【0038】前述の図7に示したディスク状媒体を搭載
した装置の場合と同様に、外部からの入力情報42をコ
ンピューター43で処理し、画像情報をデジタル信号処
理部44にて処理し、空間変調器45に表示させる。
【0039】レーザー光源46からの光は2つに分けら
れ、その一方は、ビームエキスパンダー等で拡げられた
後、波面・光路変調器47を通過して情報が付加されて
信号光48とする。他方の光は、波面・光路変調器47
を通過した後、参照光49として照射される。信号光4
8および参照光49は、電圧が印加された電極に挟まれ
た媒体中で交差するように照射され、それによって記録
が行なわれる。なお、信号光48および参照光49は、
これらの波数ベクトルの射影が、パターン化された電極
71の連続した方向とは角度を有するように、ディスク
状媒体70に入射される。
【0040】本発明の装置においては、パターニングさ
れた電極71のひとつとそれに対向する電極72との間
に外部から電圧を印加して、これらの電極の間に挟まれ
た媒体に干渉縞を記録する。このとき、パターニングさ
れた電極のうち、電圧が印加された電極に隣接する電極
には電圧は印加されていない。電極に印加する電圧の制
御は、空間変調器45ならびに信号光48および参照光
49の光路を制御する波面・光路調節器47の制御命令
と同期を取った信号を、システムコントローラ50およ
びコントローラ51を経て、電源52に送信することに
よって行なわれる。記録された情報は、光検出器74に
より検出することができる。
【0041】図8に示すように媒体がカード状の場合に
は、記録位置を変えるために、媒体を三次元的に移動で
きるステージーに載置して移動させることがある。この
とき、媒体の移動は、媒体移動ドライバ73をコントロ
ーラ57で制御することによって行なうことができる。
【0042】また、本発明の光記録装置は、光記録媒体
に記録された情報を、電極に交流電圧を印加しながら光
照射を行なうことによって、記録を選択的に消去するこ
とが可能である。パターニングされた電極を有する媒体
が搭載されるので、本発明の装置においては、所望の記
録のみを消去することが可能になった。これは、以下の
ような理由による。従来のように電極が媒体の全面に形
成されている場合には、消去しない領域にも交流電場が
印加される。交流電場が印加されると、徐々に記録が消
去されてしまう。これに対して、本発明のようにパター
ニングされた電極を有する媒体を搭載した装置において
は、消去領域以外で交流電場が印加されている領域を低
減することができる。また、全面に電極が形成されてい
ると、記録の消去時に印加する交流電流により消費され
る電力も大きくなってしまう。本発明においては、パタ
ーン化していることにより電極の面積が小さいので、消
費電力も小さく抑えることができる。
【0043】本発明の媒体への光強度パターンの形成に
は、光照射により形成された内部電場によって屈折率な
どの光学特性が変調することが利用される。したがっ
て、本発明の媒体は、例えば、Franz−Keldy
sh効果により吸収係数や反射率が変化する材料、励起
子効果により吸収係数、反射率、または発光効率が変化
する材料、ポッケルス効果により屈折率が変化する物
質、励起状態の光学特性が変化し、かつ電場により励起
状態の寿命が延びる物質等が挙げられる。例えば、電気
光学効果の1種であるポッケルス効果を利用する場合に
は、屈折率が変調するように、本発明の媒体はポッケル
ス効果を示す材料を含有する。この膜に対し電場を印加
するなどによりポーリングすることによって、内部電場
のパターンは屈折率変調パターンとなる。電気光学効果
を示す材料は非線形光学材料と呼ばれることがある。本
発明に用いるのに適した非線形光学材料は、2次の非線
形光学材料と呼ばれるものである。
【0044】本発明の光記録媒体は、前述の非線形光学
材料に加えて、電荷発生材および電荷輸送材を含有す
る。
【0045】電荷発生材としては、書き込み光を吸収し
て電荷を発生する任意の材料を用いることができる。か
かる材料としては、例えば、金属フタロシアニン、無金
属フタロシアニン、またそれらの誘導体等のフタロシア
ニン色素/顔料、ナフタロシアニン色素/顔料、モノア
ゾ、ジスアゾ、トリスアゾなどのアゾ系色素/顔料、ペ
リレン系染顔料、インジゴ系染顔料、キナクリドン系染
顔料、アントラキノン、アントアントロン等の多環キノ
ン系染顔料、シアニン系染顔料、例えば、TTF−TC
NQやPVK−TNFで代表されるような電子受容性物
質と電子供与性物質とからなる電荷移動錯体、アズレニ
ウム塩、C60、C70で代表されるフラーレンならびにそ
の誘導体等が挙げられる。なかでも、電荷移動錯体は、
本発明で使用される電荷発生材として特に好ましい。電
荷移動錯体は、光励起する以前に、すでに電子のかたよ
りが大きく、高い電荷発生効率を示す場合が多いためで
ある。電荷移動錯体としては、例えば、ドナーであるテ
トラチアフルバレンやテトラチオテトラセンと、クロラ
ニル、ブロマニル、テトラシアノキノジメタンなどのア
クセプターとの組み合わせが挙げられる。
【0046】これらの電荷発生材は、単独で使用しても
2種類以上の化合物を使用しても構わない。
【0047】電荷発生材は、書き込み光を吸収して電荷
を発生するものである必要があるので、書き込み光に対
する光学濃度が非常に高い電荷発生材を用いた場合に
は、素子の内部の電荷発生材まで書き込み光が到達しな
いおそれがある。このような不都合を避けるために、素
子とした際の光学密度(cm-1)が10-6から10の範
囲であることが好ましい。
【0048】また、電荷発生材の添加濃度が高すぎる場
合も、内部まで書き込み光が到達しないため、内部まで
書き込むことが困難となる。一方、添加濃度が過剰に低
い場合には発生する電荷密度が低く、所望の内部電場が
得られない。したがって、電荷発生材の添加濃度は、素
子としたときの光学密度(cm-1)が10-6から10の
範囲内となるように調整することが好ましい。
【0049】電荷発生材の添加量は、具体的には、記録
媒体全体に対して0.01重量%〜20.0重量%程度
とすることが望まれる。0.01重量%未満の場合に
は、光照射で発生する単位体積当たりの電荷が小さく、
十分な内部電荷の発生が困難となる。一方、電荷発生材
の添加量が20.0重量%を越える場合には、電荷発生
材同士の会合確率が高くなり、媒体の導電率が上昇して
高い内部電場を発生できなくなるおそれがある。
【0050】電荷輸送材としては、ホールまたはエレク
トロンを輸送するものでまた、例えばホッピング伝導に
より電荷を輸送する機能を有する任意の材料を使用する
ことができる。電荷輸送材は、分子単独でもポリマーで
も、さらには他のポリマーとの共重合体となっていても
良い。例えば、以下に列挙するものが挙げられる。すな
わち、インドール、カルバゾール、オキサゾール、イン
オキサゾール、チアゾール、イミダゾール、ピラゾー
ル、オキサアジアゾール、ピラゾリン、チアチアゾー
ル、トリアゾールなどの含窒素環式化合物、またはその
誘導体、またはこれらを主鎖または側鎖に有する化合
物、ヒドラゾン化合物、トリフェニルアミン類、トリフ
ェニルメタン類、ブタジエン類、スチルベン類、アント
ラキノンジフェノキノン等のキノン化合物類またはその
誘導体、またはこれらを主鎖または側鎖に有する化合
物、C60、C70等のフラーレンならびにその誘導体であ
る。さらには、ポリアセチレン、ポリピロール、ポリチ
オフェン、ポリアニリン等のπ共役系高分子やオリゴマ
ー;またはポリシラン、ポリゲルマン等のσ共役系高分
子やオリゴマー;アントラセン、ピレン、フェナントレ
ン、コロネンなどの多環芳香族化合物等が挙げられる。
【0051】上述したような電荷発生材から生じたキャ
リアは、電荷輸送材に注入された後、電荷輸送材間を移
動して電場を形成する。
【0052】本発明の光記録媒体は、例えば、電場によ
り光学特性が変化する材料と、電荷発生材と電荷輸送材
とを混合して溶液を得、溶媒を蒸発させることによって
作製することができる。ここで用い得る溶媒としては、
例えば、トリクロロエタン、トルエン、THF等が挙げ
られる。あるいは、溶媒を用いず、例えば分子混合物を
加熱した状態で微粒子を混合させ、急冷させることによ
って本発明の光記録媒体を作製してもよい。
【0053】なお、本発明の光記録媒体を溶液から作製
する場合には、溶液中に非線形光学分子を溶解させても
よく、電荷発生材等の成分がポリマーでない場合には、
さらにポリマーをマトリックスとして溶解させてもよ
い。使用され得るポリマーとしては、例えば、ポリエチ
レン樹脂、ナイロン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカー
ボネート樹脂、ポリアリーレン樹脂、ブチラール樹脂、
ポリスチレン樹脂およびスチレン−ブタジエン共重合体
樹脂等が挙げられる。これらは、単独で用いても2種以
上を混合して用いてもよい。
【0054】本発明の光記録媒体は、2つの光による干
渉縞を形成することによって情報が記録されるので、光
源としては可干渉性の(コヒーレンスな)光が用いるこ
とができる。干渉縞を得るには、同一の光源の光を分割
して用いることが好ましいが、出力波長の同じ2つの光
源に相互に帰還をかける(出力光を相手に入力する)等
して、異なる光源を用いることもできる。なお、本発明
における光とは、紫外線、可視光、および赤外光に代表
される電磁波をさす。
【0055】本発明の光記録媒体に情報を記録するに
は、ホログラフィック記録やマーク記録を用いることが
できる。ホログラフィック記録の場合には、2つの光の
一方に情報を付加させ、これともう一方の光との間に生
ずる干渉縞を媒体に記録する。このため、2つの光間に
光路差を生じるので、コヒーレント長の短い光であると
干渉縞を生じない。このような理由から、光路差より長
いコヒーレンスをもつレーザーが、光源として好まし
い。通常、コンピューター用の端末やビデオ編集、また
はデータベース用メモリ等への応用を考える場合、装置
内部での光路差は1cm以上程度である。したがって、
ガスレーザーや半導体レーザー、特に帰還をかけてコヒ
ーレンス長を長くした半導体レーザーが、光源として好
ましく用いられる。
【0056】なお、用いるレーザーによって媒体に含有
される分子を選択することが好ましい。記録・再生する
レーザー光を強く吸収する分子を含有させると、光が透
過することができず、光キャリアを発生する電荷発生材
が吸収しない光を記録に用いることはできないからであ
る。
【0057】本発明においては、光記録媒体に形成され
る電極の少なくとも一方を、連続した方向を有するパタ
ーン状としているので、ホログラムとしてすでに記録さ
れた記録情報を破壊することなく、新たな情報を記録す
ることが可能となった。
【0058】また、本発明の光記録装置においては、こ
うした光記録媒体にホログラムとして情報を記録するた
めに、特定の条件で信号光および参照光が入射されるの
で、すでに記録された記録情報を破壊することなく、新
たな情報を記録することが可能となった。具体的には、
本発明の光記録装置においては、信号光および参照光の
波数ベクトルの射影が、パターン化された電極の連続し
た方向とは角度を有するように、信号光および参照光が
入射される。こうした装置を用いて、例えば、厚さLの
光記録媒体に、長径aの光ビーム(信号光および参照
光)を角度θで入射する場合には、パターン化された電
極の幅をa/cosθ+Ltanθ以下とすることによ
って、効果的に記録された情報の破壊を、よりいっそう
効果的に防止することができる。
【0059】
【発明の実施の形態】(実施例1)まず、以下に示す処
方で各成分をテトラヒドロフランに溶解して、テトラヒ
ドロフラン溶液を調製した。
【0060】 電荷発生材および電荷輸送ポリマー: ポリビニルカルバゾール 60.0wt% 電荷発生材: トリニトロフルオレノン 3.0wt% 非線形光学材料: N-[[4-(ジエチルアミノ)フェニル]メチレン]-2-メチル-4-ニトロ-ベンゼンア ミン(DBMNA) 37.0wt% トラップ材: 2,5-ビス(4-ジフェニルアミンフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール 10.0wt% 得られた溶液を、窒素下で30℃に2時間加熱し、その
後、50℃で24時間さらに加熱して溶媒を除去した。
2枚のガラス基板(40×80×1mm)を用意し、そ
の一方には、図2に示したような幅1mm、間隔0.1
mmの透明電極を形成した。他方のガラス基板には、総
面積が前述と同等の大きさの透明電極を全面に形成し
た。こうして電極が形成された2枚のガラス基板の間
に、固化した材料を挟み、スペーサーを介して加熱圧着
することにより膜厚200μmの素子を作製した。
【0061】なお、それぞれのガラス基板に形成された
電極は媒体に接するように設けられ、電極には外部から
の電圧が印加できるように基板の外側まで、導電部が延
びている。
【0062】得られた媒体を図9に示した装置に搭載
し、各電極を別個に制御できるようにした。この装置
は、すでに説明したように動作する。
【0063】次に、作製した媒体を搭載した本装置の性
能を評価した。レーザー光源46としてはHe−Neレ
ーザーを用いた。信号光48に情報を記録する空間変調
器45としては、512×512の画素からなる液晶表
示素子を用いた。
【0064】パターニングされた電極61に挟まれた媒
体中に干渉縞が形成されるように、信号光48と参照光
49とを入射した。このとき、干渉縞を記録している上
部電極のみに、電圧が印加されるようにコントロールし
た。この際、媒体60に印加した電圧は、500Vであ
る。
【0065】信号光48は、情報を付加した後、ビーム
エキスパンダーでスポット径0.8mmの平面波状に縮
小し、ビームを角度30°で入射した。この角度30°
とは、電極平面の法線方向と光の波数ベクトルとがなす
角度である。これらの数値から、前述の式a/cosθ
+Ltanθの値は、1.04nmとなる。電極の幅は
1.0mmであり、この値より小さいので、光ビームの
光路は電極の幅の間に存在することになる。さらに本実
施例においては、光の波数ベクトルの射影が、パターン
化された電極の連続した長手方向とは角度を有してい
る。
【0066】0.5mmずつスポットの位置を移動させ
て光記録媒体に記録し、全ての電極間に同様にして記録
を行なった。また、このとき、記録を行なっている電極
間以外の電極には、電圧が印加されない条件で記録を行
なった。
【0067】記録時に、既に記録した他の領域の破壊が
生じているかどうか調べるため、隣接した電極部には記
録を行なっていない時のビットエラーレート、ならびに
隣接した電極部にも記録を行なった時のビットエラーレ
ートを比較した。その結果、ビットエラーレートは10
-5程度であり、隣接した電極間に記録を行なうことによ
る記録の破壊は生じないことが明らかになった。
【0068】また、記録された情報は約8カ月間読みと
り可能であった。
【0069】(比較例1)基板として、透明電極が全面
に形成された基板を使用した以外は、実施例1と同様の
条件において情報の記録を行なった。
【0070】記録時に記録の破壊が起こっているかどう
か調べるため、隣接した場所には記録を行なっていない
時のビットエラーレート、ならびに隣接した部分にも記
録を行なった時のビットエラーレートを比較した。測定
の結果、前者のビットエラーレートが10-5と実施例1
と等しかったのに対して、隣接した部分に記録を行なっ
た場合のビットエラーレートは10-1まで低下してい
た。
【0071】したがって、従来のように全面に電極が形
成された媒体構造では、隣接部に記録を行なう際に記録
の破壊が起こってしまうことが確認された。
【0072】(実施例2)まず、以下に示す処方で各成
分をテトラヒドロフランに溶解して、テトラヒドロフラ
ン溶液を調製した。
【0073】 電荷輸送材: N,N-ジフェニル-N,N’-ジ(m-トイル)-p-ベンジジン 50.0wt% 電荷発生材:C70 0.5wt% 非線形光学材料: N-[[4-(ジエチルアミノ)フェニル]メチレン]2-メチル-4-ニトロ-ベンゼンアミ ン(DBMNA) 29.5wt% トラップ材: 2,5-ビス(4-ジフェニルアミンフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール 20.0wt% 得られた溶液を、窒素下で30℃に2時間加熱し、その
後、50℃で24時間さらに加熱して溶媒を除去した。
直径10cmの2枚の円形基板を用意し、その一方に
は、図6に示したような形状にパターン化された複数の
電極を形成した。
【0074】このパターン化された電極の幅および幅
は、それぞれ0.5mmおよび0.05mmとした。他
方の円形基板には、総面積が前述と同等の大きさの透明
基板を全面に形成した。こうして電極が形成された2枚
の円形基板の間に、固化した材料を挟み、スペーサーを
介して加熱圧着することにより、膜厚400μmの素子
を作製した。
【0075】なお、それぞれの円形基板に形成された電
極は媒体に接するように設けられ、電極には外部から電
圧が印加できるように基板の外側まで、導電部が延びて
いる。この電極部の延長部分は図には示されていない。
【0076】得られた媒体を図7に示した装置に搭載し
て、情報の記録を行なった。レーザー光源46として
は、波長540nmの半導体レーザーを用いた。信号光
48に情報を付加させるのにはデジタルミラーアレーを
用い、1ショットに1Mbitのデジタル情報を付加し
た。
【0077】スポット径0.4mmの信号光を角度30
°で入射した。この角度30°とは、電極平面の法線方
向と光の波数ベクトルとがなす角度である。これらの数
値から、前述の式a/cosθ+Ltanθの値は0.
69mmとなる。電極の幅は0.5mmであり、この値
より小さいので、光ビームの光路は電極の幅の間に存在
する。さらに本実施例においては、光の波数ベクトルの
射影は、ディスクの動径方向にほぼ一致している。
【0078】0.3mmずつスポットの位置を移動させ
て光記録媒体に記録し、全ての電極間に同様にして記録
を行なった。また、このとき、記録を行なっている電極
間以外の電極には、電圧が印加されない条件で記録を行
なった。
【0079】記録時に、既に記録した他の記録の破壊が
生じているかどうか調べるため、隣接した電極部には記
録を行なっていない時のビットエラーレート、ならびに
隣接した電極部にも記録を行なった時のビットエラーレ
ートを比較した。その結果、ビットエラーレートはいず
れの場合も2×10-5であり、隣接した電極間に記録を
行なうことによる、記録の破壊は生じないことが明らか
になった。
【0080】また、記録された情報は、約一年半読みと
り可能であった。
【0081】次に、記録した情報の部分消去を行なっ
た。記録光と同一の波長の光を空間変調器で変調をかけ
ずに照射すると同時に、交流電圧を印加した。このと
き、初期の電圧の振幅は500V、周波数は100Hz
とし、振幅ならびに周波数を単調減少させた。その結
果、消去を行なった位置では、記録を再生することはで
きなかったので、記録は消去されたといえる。また、隣
接した電極部の記録はビットエラーレート2×10-5
再生することができたので、隣接部の記録の破壊は起こ
らなかった。
【0082】(比較例2)基板として、透明電極が全面
に形成された基板を使用した以外は、実施例2と同様の
条件で情報の記録を行なった。
【0083】記録時に記録の破壊が起こっているかどう
か調べるため、隣接した場所には記録を行なっていない
時のビットエラーレート、ならびに隣接した部分にも記
録を行なった時のビットエラーレートを比較した。測定
の結果、前者のビットエラーレートが2×10-5であっ
たのに対して、隣接した部分に記録を行なった場合のビ
ットエラーレートは5×10-1まで低下していた。
【0084】したがって、従来のように全面に電極が形
成された媒体構造では、隣接部に記録を行なうときに記
録の破壊が起こることが確認された。
【0085】次に、記録した情報の部分消去を試みた。
記録光と同一の波長の光を空間変調器で変調をかけずに
照射すると同時に、交流電圧を印加した。このとき、初
期の電圧の振幅は500V、周波数は100Hzとし、
振幅ならびに周波数を単調減少させた。その結果、消去
を行なった位置では、記録を再生することができなかっ
たので、記録は消去されたといえる。しかしながら、隣
接した電極部の記録にも交流電圧が印加されていたため
に、この領域の記録も消去されていた。このように、全
面に電極が形成されている場合には、特定の記録を消去
する際には隣接部の記録の破壊が生じるので、所望の記
録を選択的に消去することができないことが確認され
た。
【0086】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、ホ
ログラムとしてすでに記録された記録情報を破壊するこ
となく、新たな情報を記録可能な光記録媒体が提供され
る。また本発明によれば、ホログラムとして情報が記録
される光記録媒体に、すでに記録された記録情報を破壊
することなく、新たな情報を記録することが可能な光記
録装置が提供される。
【0087】本発明を用いることにより、高密度な記録
を高速で行なうとともに、すでに記録された情報の破壊
せずに新たに記録を行なうことが可能となり、その工業
的価値は絶大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の光記録媒体への情報の記録を説明する概
略図。
【図2】本発明の光記録媒体を説明する概略図。
【図3】本発明の光記録媒体への情報の記録を説明する
概略図。
【図4】本発明の光記録媒体への情報の記録を説明する
概略図。
【図5】本発明の光記録媒体における電極幅を説明する
概念図。
【図6】本発明が適用されるディスク状の光記録媒体を
表わす概略図。
【図7】ディスク状媒体を用いる本発明の光記録装置の
一例を表わす概念図。
【図8】本発明にかかるディスク状媒体におけるパター
ン化された電極の電圧制御を説明する概略図。
【図9】カード媒体を用いる本発明の光記録装置の一例
を表わす概念図。
【符号の説明】
3…格子を記録した領域 4…信号光 5…図1(b)を見た方向 6…図1(c)を見た方向 7…参照光 8…記録材料 9…透明電極 10…透明基板 11…記録された格子が破壊されうる領域 12…基板 13…透明電極 14…図2(b)を見た方向 15…図2(c)を見た方向 16…記録材料 17…透明電極 18…基板 19…格子を記録した領域 20…信号光 21…参照光 22…干渉縞 23…信号光 24…参照光 25…記録された格子が破壊されうる領域 26…光記録媒体 27…透明電極 28…信号光 29…参照光 30…参照光の波数ベクトルの方向 31…基板の法線ベクトルの方向 32…信号光の媒体への入射面での末端 33…信号光の媒体からの出射面での末端 34…ディスク状記録媒体 35…記録媒体に形成された貫通穴 36…図6(b)を見た方向 37…記録媒体 38…パターン化された透明電極 38a…円弧状パターン 38b…動径方向パターン 40…ディスク状光記録媒体 41…電極 41a…円弧状パターン 41b…動径方向パターン 41’…全面電極 42…入力情報 43…コンピューター 44…デジタル信号処理部 45…空間変調器 46…レーザー光源 47…波面・光路変調器 48…信号光 49…参照光 50…システムコントローラ 51…コントローラ 52…電源 53…シャフト 54,54’…電極 55,55’…電圧供給電極 56…スピンドルドライバ 57…コントローラ 58…出力情報 59…絶縁体 60,60’…導電部 61…図8(b)を見た方向 62…図8(c)をみた方向 70…カード状光記録媒体 71…パターン化された電極 72…全面電極 73…媒体移動ドライバ 74…光検出器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G11B 7/0055 G11B 7/0055 Z 7/007 7/007 (72)発明者 塚本 隆之 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 松本 一紀 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 Fターム(参考) 5D090 AA01 AA03 BB04 BB16 CC14 DD01 DD05 GG01 GG11 KK09 KK12 KK15 LL07

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 情報が付加された信号光および、この信
    号光にコヒーレントな参照光を入射して干渉縞を形成す
    ることによりホログラムとして情報が記録トラックに記
    録される基板と、この基板の対向する2つの面に形成さ
    れた電極とを有する光記録媒体であって、 前記電極の少なくとも一方は、電圧を独立して印加可能
    に配置され、前記記録トラックの方向に沿ってパターン
    化された電極の群からなることを特徴とする光記録媒
    体。
  2. 【請求項2】 前記光記録媒体はカード状であり、前記
    パターン化された電極の群は、第一の方向に長手を有
    し、前記第一の方向に直交する第二の方向に互いに離間
    して配列された複数の矩形状の電極を含み、前記矩形状
    の電極の端部のそれぞれは、電圧印加部であることを特
    徴とする請求項1に記載の光記録媒体。
  3. 【請求項3】 前記光記録媒体はディスク状であり、前
    記パターン化された電極の群は、円弧状パターンと、前
    記円弧状パターンの端部を前記ディスクの中心領域に電
    気的に接続する動径方向パターンとを有する複数の電極
    を含み、前記動径方向パターンのそれぞれは、前記ディ
    スクの中心領域を介して電圧が印加されることを特徴と
    する請求項1に記載の光記録媒体。
  4. 【請求項4】 光記録媒体にホログラムとして情報を記
    録するための光記録装置であって、 基板と、この基板の対向する2つの面に形成された電極
    とを有し、前記電極の少なくとも一方は、電圧を独立し
    て印加可能に配置され、記録トラックの方向に沿ってパ
    ターン化された電極の群からなる光記録媒体と、 前記光記録媒体の前記パターン化された電極の群の少な
    くとも一つと、前記基板の対向する面に設けられた電極
    との間に電圧を印加する電圧印加手段と、 前記パターン化された電極と、この電極に対向する電極
    との間における前記基板内で交差して干渉縞を形成する
    よう、情報が付加された信号光と、この信号光にコヒー
    レントな参照光とを、前記光記録媒体に入射する光照射
    手段と、 前記光記録媒体の前記パターン化された電極のそれぞれ
    に印加される電圧を制御する電圧印加制御手段と、 前記信号光と前記参照光とが前記基板内で交差して形成
    される前記干渉縞の領域を、前記記録トラックの方向に
    沿って移動させるために前記光記録媒体を移動する媒体
    移動手段とを具備し、 前記光照射手段は、前記信号光および前記参照光それぞ
    れの波数ベクトルの前記基板表面への射影が、前記記録
    トラックの方向と交差するように、前記信号光および前
    記参照光を入射することを特徴とする光記録装置。
  5. 【請求項5】 前記パターン化された電極の群の少なく
    とも一つと、前記基板の対向する面に設けられた電極と
    の間に交流電圧を選択的に印加する交流電圧印加手段を
    さらに具備し、前記の交流電圧の選択的な印加と光照射
    とにより、前記光記録媒体に記録された情報が選択的に
    消去可能であることを特徴とする請求項4に記載の光記
    録装置。
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