JP3472063B2 - 光記録媒体 - Google Patents

光記録媒体

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JP3472063B2
JP3472063B2 JP05932797A JP5932797A JP3472063B2 JP 3472063 B2 JP3472063 B2 JP 3472063B2 JP 05932797 A JP05932797 A JP 05932797A JP 5932797 A JP5932797 A JP 5932797A JP 3472063 B2 JP3472063 B2 JP 3472063B2
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    • G11B7/00Recording or reproducing by optical means, e.g. recording using a thermal beam of optical radiation by modifying optical properties or the physical structure, reproducing using an optical beam at lower power by sensing optical properties; Record carriers therefor
    • G11B7/24Record carriers characterised by shape, structure or physical properties, or by the selection of the material
    • G11B7/241Record carriers characterised by shape, structure or physical properties, or by the selection of the material characterised by the selection of the material
    • G11B7/242Record carriers characterised by shape, structure or physical properties, or by the selection of the material characterised by the selection of the material of recording layers
    • G11B7/251Record carriers characterised by shape, structure or physical properties, or by the selection of the material characterised by the selection of the material of recording layers comprising inorganic materials dispersed in an organic matrix

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光記録媒体に係
り、特に内部電場が形成される記録層を有する記録媒体
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の光磁気記録や光熱相変化型の媒体
(光ディスク等)に比べはるかに高密度な記録を行なう
光記録媒体の1つとして、フォトリフラクティブ媒体が
知られている。このフォトリフラクティブ媒体は、高密
度画像など容量の大きなデータを記録することが可能で
あり、次のようなメカニズムによって記録層の屈折率を
変調せしめる媒体である。すなわち、変調させた電磁波
を照射することによってその内部に電荷を発生させその
電荷を空間的に分離せしめ、この電荷分布により発生し
た電場によって記録材料の屈折率を変化させる。したが
って、媒体内部に発生する電場を大きくすれば、電気光
学効果により大きな屈折率変化を得ることが可能とな
る。このようなフォトリフラクティブ媒体は、電磁波の
干渉パターンを直接記録できることから、ホログラフィ
ックメモリー、および光演算素子等への応用も期待され
ている。
【0003】近年、無機の強誘電性結晶に比較して媒体
の作製が容易なことや、系のデザインの自由度が高く特
性制御の困難性を回避できるなどの理由から、有機化合
物を用いたフォトリフラクティブ媒体の開発が盛んにな
っている(例えば、特公平6−55901号公報)。
【0004】一般的に、屈折率格子による回折効率は、
屈折率の変化量と膜厚とによって決定される。なおここ
でいう膜厚とは、屈折率格子が存在している領域で光が
通過する長さである。屈折率の変化が小さい場合には、
膜厚を大きくすれば回折効率を高めることができるもの
の、この領域での光の吸収が大きくなる。その結果、見
かけの光の透過および反射率が減少してしまうため、こ
れに起因して回折効率が低下する。すなわち、膜厚とし
て最適な値が存在するので、膜厚を大きくするよりも、
屈折率の変化を大きくすることによって回折効率を高め
ることが望まれる。
【0005】屈折率の変化を大きくするには、発生する
電場を大きくするか、非線形光学材料に非線形光学定数
の大きな材料を用いる必要がある。しかしながら、有機
非線形光学材料は、通常、炭素のパイ電子を利用してい
るため材料による差が少ない。結果として、回折効率を
大きくするためには、発生する電場を大きくすることが
最も望ましい。
【0006】なお、媒体中に形成される電場の大きさ
は、媒体の電荷輸送特性である拡散係数(D)とドリフ
ト移動度(μ)との比(D/μ)によって変化する。具
体的には、(D/μ)が大きくなれば内部電場が大きく
なるので、外部電場は不要となり、したがって外部電場
を印加するための電極も不要となる。室温(300K)
において空間波長Λ=1μmでの通常の物質の拡散によ
る電場Edは0.163MV/mである。また、これま
でに研究されているフォトリフラクティブポリマーで
は、外部からの印加電場が10MV/m以上である(例
えば、W.E.Moerner and Scott
Silence,Chem.Rev.94,pp127
〜155(1994))。
【0007】D/μが5以上、好ましくは10以上の系
では、これと同程度の大きさの内部電場を形成すること
が可能となるものの、このように大きな(D/μ)を有
し、記録の保存安定性が十分に高い光記録媒体は得られ
ていなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
のフォトリフラクティブ媒体においては、D/μが十分
に大きくなく、外部から電場を印加せずに大きい内部電
場を形成することができなかったり、記録の保存安定性
が十分に高くなかった。
【0009】そこで本発明は、D/μが大きく、外部か
らの電場を印加して分子を配向せしめなくとも高い回折
効率が得られ、かつ記録の保存安定性に優れた光記録媒
体を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、電荷発生材と、電荷輸送材と、非線形光
学材料とを含有する光記録媒体であって、有機高分子相
分離構造のいずれかの相からなる電荷輸送能を有しない
領域を含むことを特徴とする光記録媒体を提供する。
た本発明は、電荷発生材と、電荷輸送材と、非線形光学
材料とを含有する光記録媒体であって、有機材料の微粒
子からなる電荷輸送能を有しない領域を含むことを特徴
とする光記録媒体を提供する。 さらに本発明は、電荷発
生材と、電荷輸送材と、非線形光学材料とを含有する光
記録媒体であって、無機材料の微粒子からなる電荷輸送
能を有しない領域を含むことを特徴とする光記録媒体を
提供する。 またさらに本発明は、電荷発生材と、電荷輸
送材と、非線形光学材料とを含有する光記録媒体であっ
て、多孔質マトリックスからなる電荷輸送能を有しない
領域を含むことを特徴とする光記録媒体を提供する。
下、本発明の光記録媒体を詳細に説明する。
【0011】有機フォトリフラクティブ記録媒体におい
ては、光の照射によって発生したキャリアが、電荷輸送
材間をホッピングすることで輸送されるものであり、こ
の輸送は電場方向のドリフト移動と拡散とからなる。な
お、その大きさは、それぞれドリフト移動度(μ)およ
び拡散係数(D)で表わされ、拡散係数(D)と移動度
(μ)との比(D/μ)が大きければ、外部電場を印加
せずに内部電場を形成することが可能である。
【0012】本発明者らは、鋭意検討した結果、電荷輸
送能を有しない領域を光記録媒体中に設けることによっ
て、媒体のD/μを大きくし得ることを見出した。ここ
で、電荷輸送能を有しない領域とは、具体的には、電荷
輸送材の濃度が15wt%未満であって、少なくとも
6.0nm3 以上の大きさを有する領域である。このよ
うな領域が存在しない場合、すなわち、電荷輸送材が記
録媒体中に十分な濃度で存在していれば、発生したキャ
リアは電場の方向にドリフト移動できる。これに対し、
前方方向に電荷輸送能を有しない領域が存在することに
よって、キャリアの電場の方向への移動は妨げられる。
強電場下では、電荷は他の方向に拡散する確率も低くな
り、トラップされることとなる。これは即ち、空間的な
ディスオーダーを意図的に形成したことに他ならず、そ
の結果D/μが大きくなり、外部電場を印加せずに高い
内部電場を形成することができる。
【0013】本発明の光記録媒体において上述したよう
な電荷輸送能を有しない領域は、次のようにして設ける
ことが可能である。例えば、電荷発生材等の成分を分散
せしめるマトリックス材料を選択することによって、こ
のマトリックスそのものに部分的に電荷輸送能を有しな
い領域を設けることができる。具体的には、少なくとも
二相の相分離構造を有する有機材料が用いられる。ま
た、無機材料からなる微粒子を光記録媒体中に含有させ
た場合には、この無機微粒子が電荷輸送を阻止する働き
をする。さらに、電荷発生材等の成分を多孔質マトリッ
クスの細孔中に含有させてなる光記録媒体では、かかる
マトリックス部分が電荷輸送能を有しない領域として作
用する。
【0014】すなわち、本発明の光記録媒体における電
荷輸送能を有しない領域は、1)有機材料、2)無機材
料からなる微粒子、および3)多孔質マトリックスのい
ずれかとすることができる。これらについて以下に詳細
に説明する。
【0015】有機材料は、少なくとも二相からなる高分
子相分離構造を有するものであり、かかる相分離構造と
しては、海島構造、シリンダー構造、共連続構造および
ラメラ構造など任意の構造のものが挙げられる。共連続
構造としては、具体的には、OBDD構造、ラメラカテ
ノイド構造、T−サーフェイス構造、ディスオーダー構
造などが挙げられる。媒体中のディスオーダーを顕著に
するために、これらの相分離構造中の各相は複雑に入り
込んだ構造であることが好ましい。
【0016】例えば、上述したような二相からなる高分
子相分離構造の一方の相に十分な濃度の電荷輸送材を含
有させ、他方には電荷輸送材を含有させなければ、本発
明の目的を達成することができる。この場合、電荷輸送
材を含有し、光照射によって生成した電荷がドリフトし
得る相は、連続した形態をとることが好ましい。連続で
はなく孤立した相が存在すると、特にその相の体積が小
さく形状も単純であった場合には、この相中で生成した
電荷はドリフト移動可能な範囲が制限される。したがっ
て、再結合による電荷の消失が促進され光記録を行なう
ことが困難となる。これを考慮すると、相分離構造のう
ち、特に海島構造と共連続構造が好ましく、海島構造の
場合には、海相の方に電荷発生材および電荷輸送材を配
合して電荷輸送性の相とせしめることが、上述の理由か
ら好ましい。
【0017】こうした電荷輸送材を含有し、光照射によ
って生成した電荷がドリフトするところの相に隣接し
て、電荷輸送能を有しないあるいは電荷輸送能の非常に
小さい相が形成される。電荷輸送性相に隣接する相中に
おける電荷輸送材の分散濃度は、電荷輸送性相中におけ
る分散濃度の10分の1以下、好ましくは30分の1以
下、通常は、100分の1以下、より好ましくは100
0分の1以下である。さらに、書き込まれた内部電場の
保持の点から、電荷輸送性相に隣接して電気絶縁性の相
が配置されていることが好ましい。
【0018】本発明の光記録媒体における相分離構造
は、微細な構造であることが好ましい。電荷の移動距離
に対して相分離構造のスケールが過剰に大きいと、ディ
スオーダーによる移動の抑制効果が十分に発揮されな
い。また、相分離構造が書き込み光や読み出し光の波長
に対してあまりに大きい場合には、これらの光を散乱さ
せてしまい十分な記録ができないうえに、記録密度も低
下してしまう。一方、相分離構造が過剰に小さい場合に
は、電荷輸送材の含有量が小さい相(以下、不活性相と
称する)を電荷が容易に飛び越えてしまい、障害になら
ないため、空間的なディスオーダーが十分に形成できな
い。すなわち、本発明の効果を発揮することができなく
なる。
【0019】そのため、例えば共連続構造が三次元構造
の網状構造をとる場合には、網目の開口の平均径が、ま
た海島構造の場合には、島相の長径の平均径および島相
相互の平均距離が、1〜1000nmであることが好ま
しく、さらには5〜500nm、より好ましくは10〜
300nmであり、最も好ましくは18〜100nmで
あることがよい。
【0020】換言すると、上述したような有機材料は、
電荷発生材等の成分を分散せしめて記録媒体を形成する
ためのマトリックスということができ、これに関しては
以下にさらに詳細に説明する。
【0021】無機材料からなる微粒子としては、比重
1.3以上で長径が50μm以下のものが好ましい。比
重が1.3以上であるとは空隙率が小さいことを意味
し、また、微粒子の長径が50μmを超えると本発明の
効果を示さないおそれがある。具体的には、SiO2
ZrO2 ,TiO2 ,Al23 ,Na2 O,Ka
2O,Li2 O,MgO,ZnO,CaO,PbO,B
aO,B23 ,P25 ,SrOおよびLa23
などが挙げられる。また、カルコゲン元素を成分とし
て含む化合物半導体や金属の微粒子を配合してもよい。
さらに、電気光学効果を発現させるために、LiNbO
3 ,BaTiO3 ,BSO,GaAs,KNBO3
LiTaO3 ,Sr1-x Bax Nb26 (SBN),
BGO,InP,GdTe,Ba2-x Srx1-y Na
y Nb215(KNSBN)等の誘電体などを用いても
よい。
【0022】本発明の記録媒体中における無機微粒子の
含有量は、固形物に対する体積分率で0.10〜0.8
5であることが好ましい。0.10未満の場合には、本
発明の効果を十分に発揮させることが困難となり、一
方、無機微粒子の含有量が0.85を超えると、電荷輸
送能を有する空間が孤立し本発明の効果を十分に得られ
ないおそれがある。
【0023】上述したような微粒子は、プラズマ、光、
熱などによる気相化学反応法、コロイド法、アルコキシ
ド法、ガス中蒸発法、ハイブリッド・プラズマ法、イオ
ンビーム法、流動油上真空蒸発法、析出法などにより製
造することができる。また、かかる微粒子を光記録媒体
のマトリックス中に分散させるに当たっては、ゾル−ゲ
ル法やCVD法を用いることができる。
【0024】無機微粒子を含有する本発明の光記録媒体
は、例えば、電荷発生材や電荷輸送材等、場合によって
は非線形光学分子やポリマーを含有する溶液に微粒子を
混合し、溶媒を蒸発させることによって作製することが
できる。微粒子の比重が高いので、媒体を作製する際に
は、急速に乾燥させたりすることによって微粒子が沈ま
ないように配慮することが望まれる。また、溶媒を用い
ないで、例えば分子混合物を加熱した状態で微粒子を混
合し急冷することによっても、本発明の記録媒体を作製
することができる。
【0025】ここで、かかる記録媒体の一例を示す断面
図を図1に示す。図1に示すように、本発明の記録媒体
6においては、電荷発生材1、電荷輸送材2および非線
形光学材料3を含有するマトリックスと、この中に分散
した無機材料からなる微粒子4とにより構成されてい
る。記録媒体は、その上下両面に基板5が設けられてい
てもよい。
【0026】また、多孔質マトリックスとしては、比重
1.3以上、細孔径1.5nm〜1mm程度のマトリッ
クスが好ましい。細孔径1.5nm未満の場合には、電
荷輸送能が下がり本発明の効果を得るのが困難となり、
一方、1mmを超えると、電荷輸送能を有する空間が孤
立せず本発明の効果が十分に得られないおそれがある。
【0027】具体的には、SiO2 ,ZrO2 ,Ti
2 ,Al23 ,Na2 O,Ka2 O,Li2
O,MgO,ZnO,CaO,PbO,BaO,B2
3,P25 ,SrOおよびLa23 などが
挙げられる。また、カルコゲン元素を成分として含む化
合物半導体や金属の微粒子を配合してもよい。さらに、
ポッケルス効果を発現させるために、LiNbO3
BSO,GaAs,KNBO3 ,LiTaO3 ,SB
N,KNSBN,BGO,InP,CdTe等の誘電体
など、電気光学効果を示す材料を用いてもよい。
【0028】多孔質マトリックスは、例えばマトリック
スを高温で熱処理を施すことにより得ることができ、熱
処理の仕方によって、孔の大きさはサブnmから数万n
mまで制御することが可能である。このような多孔質マ
トリックスを、電荷発生材、電荷輸送材、場合によって
は非線形光学分子やポリマー等を含有する溶液に浸漬し
て孔の中に溶液を注入する。その後、溶媒の蒸発に伴な
って分子が孔の中に蓄積して本発明の光記録媒体が得ら
れる。
【0029】また、多孔質マトリックスに非線形光学特
性を持たせるために超微粒子を分散させてもよい。超微
粒子は、例えば、プラズマ、光、熱などによる気相化学
反応法、コロイド法、アルコキシド法、ガス中蒸発法、
ハイブリッド・プラズマ法、イオンビーム法、流動油上
真空蒸発法、析出法などにより製造することができる。
これらの方法で得られた微粒子は、例えば気相成合法、
ゾル−ゲル法、CVD法などによりマトリックス中に分
散させることができる。
【0030】かかる多孔質マトリックスは、高い温度ま
で安定であり、かつ可視光の一部または全部を透過す
る。ここで、図2にかかる光記録媒体の一例を表わす断
面図を示す。図示するように多孔質マトリックス14の
細孔中には、電荷発生材11、電荷輸送材12および非
線形光学材料13が含有されて、本発明の記録媒体15
を構成している。
【0031】本発明の光記録媒体における電荷発生材と
しては、光の照射によってキャリアを発生する任意の材
料を用いることができる。かかる材料としては、例え
ば、セレンおよびセレン合金、CdS,CdSe,Cd
SSe,AsSe,ZnO,ZnSおよびアモルファス
シリコン等の無機光導電体;チタニルフタロシアニン、
バナジルフタロシアニン等の各種結晶型(α,β,γ,
δ,ε,ζ,η,θ,ι,κ,λ,μ,ν,ξ,ο,
π,ρ,σ,τ,υ,φ,χ,ψ,ω,A,B,C,
X,Y型など)の金属フタロシアニン顔料および各種液
晶型の無金属フタロシアニン顔料;モノアゾ色素;ビス
アゾ色素;トリスアゾ色素およびテトラキスアゾ色素等
のアゾ系色素および顔料;ペリレン酸無水物およびペリ
レン酸イミドなどのペリレン系染顔料;ペリノン顔料;
インジゴ系染料および顔料;キナクリドン系顔料;アン
トラキノン;アントアントロンおよびジブロモアントロ
ン等の多環キノン系顔料;シアニン色素;TTF−TC
NQ等の電子捕獲性物質と電子供与性物質とからなる電
荷移動錯体;ピリリウム染料またはチアピリリウム染料
とポリカーボネート樹脂とからなる共晶錯体;アズレニ
ウム塩;C60,C70等のフラーレンおよびその誘導体;
テレフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジエチル等のカル
ボニル基を有するテレフタル酸誘導体、キサンテン系染
料および顔料;アズレニウム色素、およびスクアリリウ
ム色素等が挙げられる。
【0032】これらの電荷発生材は、単独で使用して
も、2種類以上の化合物を使用してもよい。電荷発生材
は、書き込み光を吸収して電荷を発生するものである必
要があるので、書き込み光に対する光学濃度が高い電荷
発生材を用いた場合、素子の内部の電荷発生材まで書き
込み光が到達しないおそれがある。したがって、素子と
した際の光学密度が10-6〜10の範囲であることが好
ましい。
【0033】また、電荷発生材の添加濃度が高すぎる場
合も、内部まで書き込み光が到達しないため、素子の内
部まで書き込むことが困難となる。一方、添加濃度が過
剰に低いと発生する電荷密度が低く、所望の内部電場が
得られない。したがって、電荷発生材の添加濃度は、素
子としたときの光学密度が10-6〜10の範囲となるよ
うに添加することが好ましい。
【0034】電荷発生材の添加量は、具体的には、記録
層全体に対して0.01重量%〜20.0重量%程度と
することが望まれる。0.01重量%未満の場合には、
光照射で発生する単位体積当たりの電荷が小さく、十分
な内部電荷の発生が困難となり、一方、20.0重量%
を越えると、電荷発生材同士の会合確率が高くなり、素
子の導電率が上昇して高い内部電場を発生できなくなる
おそれがある。
【0035】本発明に用いられる電荷輸送材は、ホール
またはエレクトロンを輸送するものであり、例えばホッ
ピング伝導により電荷を輸送する機能を有する任意の材
料を使用することができる。
【0036】例えば、アモルファス半導体として知られ
るSi,Ge,Se,S,Te,B,As,およびSb
等の構造不規則な半導体、SiC,InSb,GaA
s,GaSb,CdGex As2 ,CdSix2 ,C
dSnx As2 ,As2 Se3,As23 ,Ge−S
b−Se,Si−Ge−As−Te,Ge−As−S
e,As23 −As2 Te3 ,As−Se−Te,T
2 Se−As2 ,Te3,(Cu1-x Aux )Te
2 ,V25 −P25 ,MnO−Al23 −SiO
2 ,V25 −P25 −BaO,CoO−Al23
−SiO2 ,V25−GeO2 −BaO,FeO−A
23 −SiO2 ,V25 −PbO−Fe23
TiO2 −B23 −BaO,SiOx ,Al23
ZrO2 ,Ta23 ,Si34 、およびBN等の組
成も不規則な半導体が挙げられる。さらに、ポリアセチ
レン、ポリピロール、ポリチオフェン、およびポリアニ
リン等のπ共役系高分子やオリゴマー;ポリシラン、お
よびポリゲルマン等のσ共役系高分子やオリゴマー;ア
ントラセン、ピレン、フェナントレン、およびコロネン
などの多環芳香族化合物;インドール、カルバゾール、
オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イミダ
ゾール、ピラゾール、オキサジアゾール、ピラゾリン、
チアチアゾール、およびトリアゾールなどの含窒素環式
化合物を有する化合物、またはこれらを主鎖または側鎖
に有する化合物;ヒドラゾン化合物、トリフェニルアミ
ン類、トリフェニルメタン類、ブタジエン類、スチルベ
ン類、TCNQ、アントラキノン、ジフェノキノン等の
誘導体、C60,C70等のフラーレンならびにその誘導体
が挙げられる。
【0037】また、クロロアニル、ブロモアニル、テト
ラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,
4,7−トリニトリ−9−フルオレノン、2,4,5,
7−テトラニトロ−9−テトラフルオレノン、2,4,
7−トリニトロ−9−ジシアノメチレンフルオレノン、
2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,9
−トリニトロチオキサントン、N,N−ビス(3,5−
ジメチルフェニル)−3,4,9,10−ペリレンテト
ラカルボキシイミド、ジフェノン、スチルベンゾキノン
などの低分子化合物、およびこれらの化合物を高分子の
主鎖または側鎖に導入した高分子化合物が挙げられる。
【0038】なお、本発明の光記録媒体において電荷輸
送能を有しない領域として、有機材料を用いる場合に
は、特定の相中に電荷輸送材を偏析させるため、マトリ
ックスのブロック共重合体の一方のブロックの高分子鎖
と親和性がよく、他方の高分子鎖とは親和性がよくない
ものを用いることが好ましい。
【0039】電荷輸送材の配合量は、電荷輸送能を有し
ない領域を形成する高分子鎖に対して15重量%以上1
00重量%以下程度の割合で用いることが好ましい。電
荷輸送材の配合量が15重量%未満の場合には、電荷が
輸送されないため内部電場の生成が困難となり、一方、
電荷輸送材の配合量が100重量%とは、高分子鎖が電
荷輸送能を有する場合である。
【0040】上述したような電荷発生材から生じたキャ
リアは、電荷輸送材に注入された後、電荷輸送材間を移
動して電場を形成する。したがって、用いる電荷輸送材
のイオン化ポテンシャルおよび電子親和力は、他の分子
と以下に示す関係をもつことが好ましい。キャリアがホ
ールである場合には、電荷発生材のイオン化ポテンシャ
ルIp(CGM)と、電荷輸送材のイオン化ポテンシャ
ルIp(CTM)とは以下の関係を満たすことが好まし
い。
【0041】Ip(CTM)<Ip(CGM) またこのとき、電子は電荷発生材から移動しないことが
要求されるため、電荷発生材の電子親和力χ(CGM)
と電荷輸送材の電子親和力χ(CTM)とは、以下の関
係を満たすことが好ましい。
【0042】χ(CTM)<χ(CGM) 一方、キャリアがエレクトロンの場合には、電荷発生材
および電荷輸送材のイオン化ポテンシャルおよび電子親
和力は、次の関係にあることが望まれる。
【0043】Ip(CGM)<Ip(CTM) χ(CGM)<χ(CTM) また、例えば非線形光学材料等の他の分子やホストマト
リックスとは、相互作用を有しないことが好ましい。
【0044】本発明の光記録媒体において、非線形光学
材料としては、例えばC60などを用いることができる。
非線形光学材料の含有量が過剰に低い場合には、非線形
性を十分に発現しなくなり、逆に過剰に高い場合には誘
電率が増加することに起因して内部電場が小さくなり、
結果として非線形性が発現しなくなる。また、非線形光
学材料の含有率が高くなることは、電荷輸送材の含有量
が低くなることを意味し、その結果、電荷輸送能の低下
を招くため、書き込みに必要な時間を長くしてしまう。
【0045】したがって、非線形光学材料の含有量は、
媒体の重量に対して10重量%以上80重量%以下とす
ることが好ましい。なお、非線形光学材料は、上述した
ような電荷発生材を兼ねてもよい。
【0046】さらに本発明の光記録媒体には、ポッケル
ス効果を発現させるために、微粒子状など種々の形状の
LiNbO3 やKDPなどの誘電体等の電気光学効果
を示す材料を配合してもよい。その他にも、例えばドナ
ー性のアミノ基、アルコキシ基やアクセプター性のニト
ロ基、カルボニル基などによって修飾された芳香族アゾ
化合物等の芳香族系共役性化合物などの非線形光学材料
を配合することもできる。この場合には、回折効率等を
さらに向上させることが可能である。
【0047】本発明において、電荷輸送能を有しない領
域が無機微粒子からなり、かつ電荷発生材等の成分がポ
リマーでない場合には、上述した成分にポリマーを混合
してもよい。使用され得るポリマーとしては、光学的に
不活性であるものが好ましいが、特に限定されない。例
えば、ポリエチレン樹脂、ナイロン樹脂、ポリエステル
樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ブ
チラール樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレン−ブタジエ
ン共重合体樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ジアリル
フタレート樹脂、シリコーン樹脂、ポリスルホン樹脂、
アクリル樹脂、酢酸ビニル、ポリフェニレンオキシド樹
脂、アルキド樹脂、スチレン−無水マレイン酸共重合体
樹脂、フェノール樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合
体、ポリエステルカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリ
ビニルアセタール、ポリアリレート、およびパラフィン
ワックス等が挙げられる。これらは、単独であるいは2
種以上を混合して用いることができる。
【0048】上述の成分を含有する組成物は、溶剤を用
いて塗布することができ、さまざまな有機溶剤を使用可
能である。具体的には、アルコール類、ケトン類、アミ
ド類、スルホキシド類、エーテル類、エステル類、芳香
族ハロゲン化炭化水素および芳香族炭化水素などが挙げ
られる。
【0049】かかる組成物は、任意の方法を用いて成膜
し本発明の記録媒体を得ることができる。成膜法として
は、具体的には、スピンコーティング法、浸漬塗布法、
ローラ塗布法、スプレー塗布法、ワイヤーバーコーティ
ング法、ブレードコーティング法、ローラコーティング
法等の各種塗布法、真空蒸着法、スパッタリング法、グ
ロー放電を利用した例えばプラズマCVD法等から適宜
選択して適用することができる。
【0050】この場合の記録媒体の膜厚は、通常、0.
1〜500μm程度であるが、組成および記録素子に要
求される特性に応じて適宜決定することができる。な
お、電荷輸送能を有しない領域として多孔質マトリック
スを用いて本発明の記録媒体を作製する場合には、まず
適切な厚さで多孔質マトリックスを形成し、この細孔中
に電荷発生材等の成分を含有する溶液を含浸させればよ
い。次いで、減圧または加熱等により溶媒を除去するこ
とによって本発明の記録媒体が得られる。
【0051】一方、本発明の光記録媒体の電荷輸送能を
有しない領域が有機材料からなる場合には、記録媒体の
原料となる組成物は以下のようにして調製することがで
きる。すなわち、まず、互いに非相溶な2種類以上の高
分子の混合物からなる相分離構造、あるいは2種類以上
の互いに非相溶な高分子鎖からなるブロック共重合体か
らなる相分離構造を用意する。これら高分子材料を適切
な溶媒に溶解し、さらに電荷発生材等の成分を配合し
て、塗布用の混合溶液を調製する。しかる後、この混合
溶液を適切な基板上にスピンコーティング法、デッィピ
ング法などにより塗布し、乾燥することによって本発明
の光記録媒体が得られる。
【0052】この塗布工程において、電荷発生材あるい
は電荷輸送材を互いに相分離する高分子鎖の一方と特異
的に親和性がよいものとすることによって、相分離構造
が形成される際に、親和性のよい相のみに電荷発生材あ
るいは電荷輸送材を容易に偏在させることができる。
【0053】さらに溶液の塗布の代わりに、高分子材
料、電荷発生材、および電荷輸送材等の混合物を溶融し
て、適切な基板等に塗布などして成膜した後に冷却して
相分離構造を形成してもよい。
【0054】また、上述したように高分子材料と電荷発
生材および電荷輸送材とを混合するのではなく、電荷発
生材の分子構造や電荷輸送材の分子構造などを、高分子
材料の側鎖や主鎖中に化学的に結合させた機能性高分子
材料を用いてもよい。この場合には、特定の相を形成す
る高分子鎖のみにこうした機能性分子構造を修飾するこ
とによって、容易に電荷発生材、電荷輸送材等を特定の
相に偏在させることができる。
【0055】また、電荷輸送能を有する高分子鎖と、こ
の高分子鎖に非相溶な電荷輸送能を有しない高分子鎖と
のブロック共重合体を用いた場合には、電荷輸送材を別
途配合せずに、電荷輸送性相と電荷輸送性のない相とを
形成することもできる。電荷輸送能を有する高分子鎖と
しては、例えば、ポリアセチレン類、ポリパラフェニレ
ン類、ポリフェニレンビニレン類、ポリピロール類、ポ
リチオフェン類およびポリアニリン類等のπ共役系高分
子鎖や、ポリシランおよびポリゲルマン等のσ共役系高
分子鎖などが挙げられる。一方、これらの高分子鎖と非
相溶な高分子鎖としては、例えばポリイソプレンおよび
ポリブタジエン等が挙げられる。
【0056】また一般に本発明の高分子の相分離構造を
形成するのに、上述したような互いに非相溶の2種類以
上の高分子の混合物や、2種類以上の互いに非相溶な高
分子鎖からなるブロック共重合体から形成する方法の他
にもさまざまな方法を用いることができる。
【0057】例えば、2相からなる相分離構造を形成す
る際に、一方の相を形成する高分子材料と、もう一方の
相を形成する高分子材料のモノマーとを混合し、しかる
後に加熱や光照射、あるいは触媒添加などの方法によっ
てモノマーを重合させてもよい。この際、高分子材料の
方にモノマーと反応して結合を形成可能な末端基を導入
することによって、結果的にブロック共重合体を用いた
のと同様な相分離構造を形成することができる。
【0058】なお、相分離構造を形成する高分子材料
は、必ずしも相互に非相溶である必要はなく、例えばこ
れらの高分子材料の前駆体高分子が相互に非相溶であれ
ば、その前駆体高分子を用いることによって相分離構造
は形成することができる。前駆体高分子を用いて相分離
構造を形成した後に、加熱や光照射、触媒添加などの方
法によって最終的な高分子材料に変換すればよい。この
際、反応条件を適切に選択することによって、前駆体高
分子によって形成された相分離構造が破壊されることは
ない。
【0059】また相分離構造を安定化するために、高分
子材料に架橋剤を添加したり、架橋性基を導入すること
によって、相分離構造形成後に高分子材料を相互に三次
元的に架橋してもよい。このような触媒によって本発明
の光記録媒体の熱的あるいは機械的などの強度を向上さ
せることができ、さらには記録の安定性を向上させるこ
とができる。
【0060】なお、上述したような有機材料を微粒子と
して、光記録媒体中に分散させることによっても、本発
明の効果を得ることが可能である。この場合には、微粒
子の直径は、18〜104 nm程度であることが好まし
く、その含有量は、無機微粒子の場合と同様の理由から
固形物に対する体積分率として0.10〜0.85程度
とすることが好ましい。
【0061】以上説明したような本発明の光記録媒体
は、2つの光による干渉縞を形成することによって情報
が記録されるので、光源としては可干渉性(コヒーレン
ト)の光を用いることができる。干渉縞を得るには、同
一の光源の光を分割して用いることが好ましいが、出力
波長の同じ2つの光源に相互に帰還をかける(出力光を
相手に入力する)等して、異なる光源を用いることも可
能である。
【0062】情報を記録する際には、2つの光の一方に
情報を付加させ、これともう一方の光との間の生ずる干
渉縞を媒体に記録する。このため、2つの光間に光路差
を生じるので、コヒーレント長の短い光であると干渉縞
を生じない。このような理由から、光路差より長いコヒ
ーレンスを持つレーザーが、光源として好ましい。通
常、コンピューター用の端末やビデオ編集、またはデー
タベース用メモリ等への応用を考えると、装置内部での
光路差は1cm以上程度と考えられるので、ガスレーザ
ーや半導体レーザー、特に帰還をかけコヒーレンス長を
長くした半導体レーサーが光源として好ましく用いられ
る。
【0063】また、上述のようにして記録された情報
は、以下のようにして消去することができる。第1の方
法は、素子に一様に光を照射したり熱を加えることによ
ってトラップされた電荷を再分布させ、電荷分布を一様
にする方法であり、第2の方法はトラップされた電荷を
極性の反対の電荷と再結合させる方法である。
【0064】電荷分布を一様にする第1の方法は、素子
の広い領域に記録された情報を消去するのに適した方法
であり、一方、電荷を消去する第2の方法は、局所的に
書き込まれた記録を消去するのに適している。この場
合、極性の反対の電荷を発生する機構を素子に付与する
必要があり、例えば、発生する電荷がキャリアの場合に
は、エレクトロン発生材とその輸送材を含有させる必要
がある。
【0065】本発明の光記録媒体は、電荷輸送能を有し
ない領域を含んでいるので、D/μを大きく、外部から
電場を印加せずに内部電場を形成することが可能であ
る。したがって回折効率は高く、記録の保存安定性も優
れた光記録媒体が得られる。
【0066】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例および比較
例を示して、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明
はこれらの例に限定されるものではない。 (実施例I)本実施例においては、電荷輸送能を有しな
い領域を有機材料により構成して光記録媒体を作製し、
その性能を評価した。
【0067】(実施例I−1)以下に示す処方で各成分
をトルエンに溶解して、トルエン溶液を調製した。 非線形光学材料:カーボンクラスターC60 0.3重量% 電荷発生材 :インジコ染料 0.1重量% 電荷輸送材 :S141 18重量% DEASP 5重量% マトリックス:ポリスチレン−ポリイソプレン−ポリスチレン−トリプルブ ロック共重合体(各ブロックのポリスチレン鎖、ポリイソプレン鎖、ポリスチレ ン鎖の分子量は、それぞれ1万、9万、2万) 76.6重量% ここで用いた各成分を以下の化学式に示す。
【0068】
【化1】 なお、式中、RはClを表わす。
【0069】
【化2】
【0070】得られた混合溶液を石英基板上に塗布し、
乾燥させて150μmの膜厚の試料を作製した。この試
料の吸収スペクトルを測定したところ、個々の材料の吸
収スペクトルの和の形になっていた。また、発光スペク
トルを測定した結果、新たな発光ピークは観測されず、
60と他の分子との間の電荷移動錯体の形成はないこと
が確認された。
【0071】また、試料膜をミクロトーム法によって厚
さ約100nmに切り出してTEM観察を行なったとこ
ろ、ポリスチレン相とポリイソプレン相がそれぞれ三次
元の連続網目状構造からなる共連続相分離構造を形成し
ていることがわかった。網目の開口部の平均径は約70
nmであった。また電荷輸送材S141とDEASPは
主にポリスチレン相中に偏析していた。
【0072】次に、フォトリフラクティブ素子の性能を
評価するために通常用いられる、2光子混合法(two be
am coupling )を用いて、得られた試料の特性を評価し
た。用いた装置の概略を図3に示す。図3に示すよう
に、レーザー23から照射された光は、まずビームスプ
リッター24により第1のビーム21と第2のビーム2
2とに分けられる。第1のビーム21はミラー26で、
第2のビーム22はミラー25でそれぞれ反射した後、
レンズ27により2つの反射光は交差し、さらに、交差
する位置に配置された試料28を透過する。透過したビ
ームの強度は、光検出器31で測定される。
【0073】なお、第1および第2のビームは、それぞ
れシャッター30および29によって独立に遮断するこ
とができる。2つのビームを同時に照射している場合に
は、ビームが交差する位置の近傍で干渉縞が生じ、この
光の強弱パターンにより発生した光キャリアが拡散して
光のパターンからπ/2だけ位相のずれた電場のパター
ンが形成される。こうして、電気光学効果により電場の
強弱に応じた屈折率の変化(屈折率格子)が発生する。
このように光の照射により屈折率が変化する、これがフ
ォトリフラクティブ効果である。この屈折率格子によっ
て、ビーム21はビーム22の方向へ、ビーム22はビ
ーム21の方向への回折が起こり、光学主軸が存在しな
い場合にはビーム強度に変化が生じる。具体的には、ビ
ーム強度の大きい方の強度は弱くなり、ビーム強度の弱
い方の光は強くなる(例えば、Boris Ya.Zel'dovich,Al
exanderV.Mamaev and Vladimir V Shkunov 著、Spekle-
Wave Interactions in Application to Holography and
Nonlinear Optics,CRC出版社1995年、 169〜 179
頁)。
【0074】一方、1つのビームのみが照射されている
場合には何も起こらない。例えば、シャッター29を開
閉することによってビーム22をon/offし、これ
に伴うビーム21の強度を測定すれば、フォトリフラク
ティブ効果の有無を調べることができる。
【0075】実施例の試料についての測定結果を図4の
グラフに示す。グラフの上部は、ビーム21の光強度の
変化を表わし、下部はビーム22の光強度の変化を表わ
している。また。グラフにおいて横軸は、時間を秒で表
わし、縦軸はビームの光強度を任意単位で示している。
強度の弱いビーム22のON/OFFに伴って、強度の
強いビーム21の強度が変化していることがわかる。こ
の変化の度合いも非常に大きく、回折効率が高いことを
示している。
【0076】さらに、光記録媒体としての特性を評価す
るために、光照射によってできる膜内に形成された電場
に起因する光学特性の変化による回折格子の回折効率の
測定を行なった。
【0077】なお、回折効率の測定に当たっては、図5
に示した装置を用い、ヘリウム−ネオンレーザーのビー
ムを物体光34と参照光36との2つに分け、試料上で
これらの光が交わるように照射することにより、試料に
レーザー光による回折パターンを形成した。光記録媒体
として利用する場合には、物体光を記録する物体からの
反射光または液晶表示素子等で構成される透過型の画像
表示素子(ページャ)を透過させた光を試料上に照射
し、これに交わりかつ照射面を被覆するように参照光を
照射する。このまま1時間放置して書き込みを行なっ
た。この際、物体光34と参照光36との重ね合わせで
生じた干渉縞により内部電場が発生し、光学特性の変調
が起こって媒体に回折格子が形成される。
【0078】その後、物体光34を遮断し、書き込み時
と同様の参照光36のみを照射することによって再生を
行なった。参照光36は媒体により回折され、参照光3
6の成分と、物体光の反対方向成分37と、物体光の透
過光成分35の成分とに分けられる。
【0079】図5に示すように、物体光が通過してくる
方向35には、再生ビームの強度を測定するための光パ
ワーメーターや再生像を取り込むためのCCD等の光検
出器38が設置されており、この光検出器によって照射
していないはずの物体光、すなわち再生像が観測され、
光メモリーとして機能する。
【0080】ここで、参照光に再生される物体光の強度
(Iobj )と照射した参照光の強度(Iref )との比
(Iobj /Iref )を回折効率として求めた。前述の手
順にしたがって測定された本実施例の膜の回折効率は、
21.2%であった。また、記録は、5ヶ月間読み取り
可能であった。
【0081】(比較例I−1)ポリスチレン−ポリイソ
プレン−ポリスチレン−トリブロック共重合体を下記化
学式で表わされるポリスチレンに変更し、添加剤の分散
濃度を実施例(I−1)におけるポリスチレン相と同等
にした以外は、実施例(I−1)と同様にして混合溶液
を調製し、これを用いて膜厚150μmの試料を作製し
た。
【0082】
【化3】
【0083】実施例(I−1)の場合と同様にして2光
子混合法で評価した結果、フォトリフラクティブ効果が
発現したが、その回折効率は2.4%と極めて小さかっ
た。また、記録は約3日で読み取りが不可能となった。
【0084】(実施例I−2)以下に示す処方で各成分
をトルエンに溶解してトルエン溶液を調製した。 非線形光学材料および電荷発生材: カーボンクラスターC60 0.3重量% 電荷輸送材 :ポリビニルカルバゾール−ポリブタジエン−ジブロック共 重合体 99.7重量% 得られた混合溶液を石英基板上に塗布し、乾燥させて1
50μmの膜厚の試料を作製した。
【0085】この試料の吸収スペクトルを測定したとこ
ろ、個々の材料の吸収スペクトルの和の形になってい
た。また、発光スペクトルを測定した結果、新たな発光
ピークは観測されず、C60と他の分子との間の電荷移動
錯体の形成はないことが確認された。
【0086】また、試料膜をミクロトーム法によって厚
さ約100nmに切り出してTEM観察を行なったとこ
ろ、ポリビニルカルバゾール相とポリブタジエン相とが
それぞれ三次元の連続網目状構造からなる共連像相分離
構造を形成していることがわかった。網目の開口部の平
均径は約100nmであった。
【0087】得られた試料に対して実施例(I−1)と
同様にして2光子混合の実験を行なったところ、確かに
フォトリフラクティブ効果が起きていることが確認され
た。さらに、この膜の回折効率を上述と同様にして測定
した結果、17.4%であり、記録は実施例(I−1)
の場合と同様に約5ヶ月間の寿命があった。
【0088】(比較例I−2)ブロック共重合体をポリ
ビニルカルバゾールに変更し、添加剤の分散濃度を実施
例(I−2)のポリビニルカルバゾール相中と同等とし
た以外は、実施例(I−2)と同様にして混合溶液を調
製し、これを用いて石英基板上に膜厚150μmの試料
を作製した。
【0089】実施例(I−2)と同様に2光子混合法で
評価した結果、フォトリフラクティブ効果が発現した
が、その回折効率は3.4%であった。 (実施例I−3)有機材料からなる微粒子として、カプ
トン系ポリイミドの微粒子(平均粒子径50nm)を用
意した。
【0090】一方、以下に示す処方で各成分をトルエン
に溶解してトルエン溶液を調製した。 非線形光学材料:カーボンクラスターC60 0.3重量% 電荷発生材:インジゴ染料 0.1重量% 電荷輸送材:S141 45重量% DEASP 5重量% マトリックス:ポリスチレン 49.6重量% この混合溶液に、上述した微粒子を固形物に対する体積
分率が0.5となるように混合し、得られた溶液を加熱
減圧することにより溶媒を除去して乾燥物質を得た。一
方、予め石英基板を120℃に加熱しておき、この上に
膜厚調整用のスペーサーおよび前述の乾燥物質を配置し
て溶解させた。さらに、その上からもう1枚の石英基板
を押し当てることにより膜厚150μmの試料を作製し
た。
【0091】この試料の吸収スペクトルを測定したとこ
ろ、個々の材料の吸収スペクトルの和の形になってい
た。また、発光スペクトルを測定した結果、新たな発光
のピークは観測されず、C60と他の分子との間に電荷移
動錯体の形成はないことが確認された。
【0092】また、得られた試料に対して実施例(I−
1)と同様にして2光子混合の実験を行なったところ、
確かにフォトリフラクティブ効果が起きていることがわ
かった。
【0093】さらに、この膜の回折効率を上述と同様に
して測定した結果、19.2%であり、記録は実施例
(I−1)の場合と同様に約5ヶ月間の寿命があった。 (実施例I−4)有機材料からなる微粒子として、テト
ラフルオロエチレンの微粒子(平均粒子径100nm)
を用意した。
【0094】一方、以下に示す処方で各成分をトルエン
に溶解してトルエン溶液を調製した。 非線形光学材料および電荷発生材: カーボンクラスターC60 0.3重量% 電荷輸送材:S141 45重量% DEASP 5重量% マトリックス:ポリスチレン 49.7重量% この混合溶液に、上述した微粒子を固形物に対する体積
分率が0.7となるように混合し、得られた溶液を加熱
減圧することにより溶媒を除去して乾燥物質を得た。こ
の乾燥物質を用いて、上述の実施例(I−3)と同様の
手法で膜厚150μmの試料を作製した。
【0095】この試料の吸収スペクトルを測定したとこ
ろ、個々の材料の吸収スペクトルの和の形になってい
た。また、発光スペクトルを測定した結果、新たな発光
のピークは観測されず、C60と他の分子との間に電荷移
動錯体の形成はないことが確認された。
【0096】また、得られた試料に対して実施例(I−
1)と同様にして2光子混合の実験を行なったところ、
確かにフォトリフラクティブ効果が起きていることがわ
かった。
【0097】さらに、この膜の回折効率を上述と同様に
して測定した結果、16.5%であり、記録は実施例
(I−1)の場合と同様に約5ヶ月間の寿命があった。 (実施例II)本実施例においては、電荷輸送能を有しな
い領域を無機材料からなる微粒子を配合することにより
構成して光記録媒体を作製し、その性能を調べた。
【0098】(実施例II−1)無機材料からなる微粒子
として、ほう酸、アルミナ、アルカリを含むSiO2
微粒子(平均粒子径3nm、密度2.5)を用意した。
【0099】一方、以下に示す処方で各成分をトルエン
に溶解してトルエン溶液を調製した。 非線形光学材料:カーボンクラスターC60 0.3重量% 電荷発生材:インジゴ染料 0.1重量% 電荷輸送材:S141 45重量% DEASP 5重量% マトリックス:ポリスチレン 49.6重量% この混合溶液に、上述した微粒子を固形物に対する体積
分率が0.5となるように混合し、得られた溶液を加熱
減圧することにより溶媒を除去して乾燥物質を得た。こ
の乾燥物質を用い、上述の実施例(I−2)と同様の手
法で膜厚150μmの試料を作製した。
【0100】この試料の吸収スペクトルを測定したとこ
ろ、個々の材料の吸収スペクトルの和の形になってい
た。また、発光スペクトルを測定した結果、新たな発光
のピークは観測されず、C60と他の分子との間に電荷移
動錯体の形成はないことが確認された。
【0101】また、得られた試料に対して実施例(I−
1)と同様にして2光子混合の実験を行なったところ、
確かにフォトリフラクティブ効果が起きていることがわ
かった。
【0102】さらに、この膜の回折効率を上述と同様に
して測定した結果、20.1%であり、記録は約5ヶ月
間読み取りが可能であった。 (比較例II−1)微粒子を配合しない以外は、上述の実
施例(II−1)と同様にして混合溶液を調製し、この混
合溶液から溶媒を除去して乾燥物質を得て、実施例(II
−1)と同様にして膜厚150μmの試料を作成した。
【0103】この試料について、実施例(II−1)と同
様にして2光子混合法で評価した結果、フォトリフラク
ティブ効果が発現したが、その回折効率は3.1%と実
施例(II−1)より極めて小さかった。また、記録は約
3日で読み取り不可能となった。
【0104】(実施例II−2)無機材料からなる微粒子
として、30wt%のLiNbO3 を含有する珪酸、
ほう酸、アルミナ、アルカリを含む微粒子のガラス(密
度2.5、平均粒径10nm)を用意した。
【0105】一方、以下に示す処方で各成分をトルエン
に溶解してトルエン溶液を調製した。 非線形光学材料および電荷発生材: カーボンクラスターC60 0.3重量% 電荷輸送材:S141 45重量% DEASP 5重量% マトリックス:ポリスチレン 49.7重量% この混合溶液に、上述した微粒子を固形物に対する体積
分率が0.7となるように混合し、得られた溶液を加熱
減圧することにより溶媒を除去して乾燥物質を得た。こ
の乾燥物質を用い、上述の実施例(II−1)と同様の手
法で膜厚150μmの試料を作製した。
【0106】この試料の吸収スペクトルを測定したとこ
ろ、個々の材料の吸収スペクトルの和の形になってい
た。また、発光スペクトルを測定した結果、新たな発光
のピークは観測されず、C60と他の分子との間に電荷移
動錯体の形成はないことが確認された。
【0107】また、得られた試料に対して実施例(I−
1)と同様にして2光子混合の実験を行なったところ、
確かにフォトリフラクティブ効果が起きていることがわ
かった。
【0108】さらに、この膜の回折効率を上述と同様に
して測定した結果、17.5%であり、記録は実施例
(II−1)の場合と同様に約5ヶ月間の寿命があった。 (比較例II−2)微粒子を配合しない以外は、上述の実
施例(II−2)と同様にして混合溶液を調製し、この混
合溶液から溶媒を除去して乾燥物質を得、実施例(II−
2)と同様にして膜厚150μmの試料を作製した。
【0109】この試料について、実施例(II−1)と同
様にして2光子混合法で評価した結果、フォトリフラク
ティブ効果が発現したが、その回折効率は3.2%と小
さかった。また、記録は約2日で読み取り不可能となっ
た。 (実施例 III)本実施例においては、電荷輸送能を有し
ない領域を多孔質マトリックスにより構成して光記録媒
体を作製し、その性能を調べた。
【0110】(実施例 III−1)珪酸、ほう酸、アルミ
ナ、アルカリを含むマトリックスを高熱処理して得られ
る多孔性マトリックス(密度2.5、膜厚150μm)
を用意した。なお、このマトリックスにおける細孔の大
きさは約1nmであった。
【0111】一方、以下に示す処方で各成分をトルエン
に溶解してトルエン溶液を調製した。 非線形光学材料:カーボンクラスターC60 0.3重量% 電荷発生材:インジゴ染料 0.1重量% 電荷輸送材:S141 45重量% DEASP 5重量% マトリックス:ポリスチレン 49.6重量% この混合溶液を前述のマトリックスの細孔中に注入し、
溶媒を蒸発させて細孔中に溶質を蓄積させることにより
試料を作製した。
【0112】この試料の吸収スペクトルを測定したとこ
ろ、個々の材料の吸収スペクトルの和の形になってい
た。また、発光スペクトルを測定した結果、新たな発光
のピークは観測されず、C60と他の分子との間に電荷移
動錯体の形成はないことが確認された。
【0113】また、得られた試料に対して実施例(I−
1)と同様にして2光子混合の実験を行なったところ、
確かにフォトリフラクティブ効果が起きていることがわ
かった。
【0114】さらに、この膜の回折効率を上述と同様に
して測定した結果、22.4%であり、記録は約半年間
読み取り可能であった。 (比較例 III−1)実施例( III−1)で作製した多孔
質マトリックスの細孔に浸み込ませた溶液を乾燥させた
後、これを取り出し、予め120℃に加熱した石英基板
上で膜厚150μmの試料を作製した。
【0115】得られた試料に対して実施例(I−1)と
同様にして2光子混合の実験を行なったところ、フォト
リフラクティブ効果は発現したが、その回折効率は、
3.1%と実施例( III−1)より低かった。また、記
録は約3日で読み取り不可能となった。
【0116】(実施例 III−2)30wt%のLiNb
3 を含有する珪酸、ほう酸、アルミナ、アルカリを含
む多孔性マトリックス(密度、2.5、膜厚150μ
m)を用意した。なお、このマトリックスにおける細孔
の大きさは約1nmであった。
【0117】一方、以下に示す処方で各成分をトルエン
に溶解してトルエン溶液を調製した。 非線形光学材料および電荷発生材: カーボンクラスターC60 0.3重量% 電荷輸送材:S141 45重量% DEASP 5重量% マトリックス:ポリスチレン 49.7重量% この混合溶液を前述のマトリックスの細孔中に注入し、
溶媒を蒸発させて細孔中に溶質を蓄積させることにより
試料を作製した。
【0118】この試料の吸収スペクトルを測定したとこ
ろ、個々の材料の吸収スペクトルの和の形になってい
た。また、発光スペクトルを測定した結果、新たな発光
のピークは観測されず、C60と他の分子との間に電荷移
動錯体の形成はないことが確認された。
【0119】また、得られた試料に対して実施例(I−
1)と同様にして2光子混合の実験を行なったところ、
確かにフォトリフラクティブ効果が起きていることがわ
かった。
【0120】さらに、この膜の回折効率を上述と同様に
して測定した結果、19.4%であった。実施例( III
−1)の場合より回折効率が小さいのは、内部に電子が
残っているC60は、電子軌道の異方性を生じるため、特
定の方向の電場のみに感応するようになってしまったた
めである。しかしながら、記録は、記録は実施例(III
−1)の場合と同様に半年間の寿命があった。
【0121】(比較例 III−2)実施例( III−2)で
作製した多孔質マトリックスの細孔に浸み込ませた溶液
を乾燥させた後、これを取り出し、予め120℃に加熱
した石英基板上で膜厚150μmの試料を作製した。
【0122】得られた試料に対して実施例(I−1)と
同様にして2光子混合の実験を行なったところ、フォト
リフラクティブ効果は発現したが、その回折効率は、
2.6%と低かった。
【0123】
【発明の効果】上述したように、本発明によれば、D/
μが大きく、外部からの電場を印加して分子を配向せし
めなくとも高い回折効率が得られ、かつ記録の保存安定
性に優れた光記録媒体が提供される。かかる記録媒体
は、光照射により高密度の情報を記録することができる
ので記録容量の大幅な増加が期待され、その工業的価値
は大なるものがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光記録媒体の一例を示す断面図。
【図2】本発明の光記録装置の他の例を示す概略図。
【図3】2光子混合法の実験装置を示す概略図。
【図4】本発明のフォトリフラクティブ記録媒体におけ
る2光子混合法の結果を示すグラフ図。
【図5】回折効率を求めるための装置の概略を示す図。
【符号の説明】
1,11…電荷発生材 2,12…電荷輸送材 3,13…非線形光学材料 4…無機材料からなる微粒子 5…基板 6,15…光記録媒体 14…多孔質マトリックス 21…第1のビーム 22…第2のビーム 23…レーザー 24…ビームスプリッター 25,26…ミラー 27…レンズ 28…記録媒体 29,30…シャッター 31…光検出器 32…記録媒体 33…支持用基板 34…物体光 35…物体光の通過成分 36…参照光 37…物体光の反射成分 38…光検出器 39…透過型画像表示素子
フロントページの続き (72)発明者 浅川 鋼児 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 早瀬 修二 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株式会社東芝研究開発センター内 (56)参考文献 特開 平7−318991(JP,A) 特開 平6−235809(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) 5D029 2K028 2K002

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電荷発生材と、電荷輸送材と、非線形光
    学材料とを含有する光記録媒体であって、有機高分子相
    分離構造のいずれかの相からなる電荷輸送能を有しない
    領域を含むことを特徴とする光記録媒体。
  2. 【請求項2】 電荷発生材と、電荷輸送材と、非線形光
    学材料とを含有する光記録媒体であって、有機材料の微
    粒子からなる電荷輸送能を有しない領域を含むことを特
    徴とする光記録媒体。
  3. 【請求項3】 電荷発生材と、電荷輸送材と、非線形光
    学材料とを含有する光記録媒体であって、無機材料の微
    粒子からなる電荷輸送能を有しない領域を含むことを特
    徴とする光記録媒体。
  4. 【請求項4】 電荷発生材と、電荷輸送材と、非線形光
    学材料とを含有する光記録媒体であって、多孔質マトリ
    ックスからなる電荷輸送能を有しない領域を含むことを
    特徴とする光記録媒体。
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BLLEAAAS LSLL LGGGLGLL GGGGLS
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