JP2002298240A - 火災検知装置 - Google Patents

火災検知装置

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JP2002298240A JP2001099570A JP2001099570A JP2002298240A JP 2002298240 A JP2002298240 A JP 2002298240A JP 2001099570 A JP2001099570 A JP 2001099570A JP 2001099570 A JP2001099570 A JP 2001099570A JP 2002298240 A JP2002298240 A JP 2002298240A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 火災を初期段階で的確に検知する火災検知装
置を提供する。 【解決手段】 第1実施形態では、湿度が火災初期にお
いて一時的に上昇した後下降する特有の湿度変化パター
ンを検出することによって、火災が検知される。第2実
施形態では、火災検知素子として、ガス漏れ警報器に装
備される接触燃焼式ガスセンサ40が用いられる。この
接触燃焼式ガスセンサ40は通電により加熱されて駆動
するものであり、通電後のセンサ出力が安定するまでの
立上り期間中の特定時点のセンサ出力から得られるセン
サ出力時系列データから、火災初期のセンサ出力の特有
のセンサ出力変化パターンを検出することによって、火
災が検知される。これらにより、従来の火災検知装置で
は検知困難であった初期火災を、確実に検知することが
できるようになる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、火災を検知する火
災検知装置に関し、特に、検知素子として湿度センサ又
は接触燃焼式ガスセンサを用いて火災を検知する火災検
知装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の火災検知装置は、温度検
出や煙感知により火災を検知するようにしていた。とこ
ろが、従来の火災検知装置では火災初期においては警報
器が発報しないことが多かった。この問題を、以下に図
14を参照しつつ説明する。
【0003】まず、この種の従来の火災検知装置につい
て簡単に説明すると、従来の火災検知装置には基本的に
2つのタイプがある。ひとつめは熱感知式の火災検知装
置であり、この火災検知装置としては火災発生時の熱に
よって上昇する室内の温度変化を検知するために、温度
センサ、サーミスタ、及びバイメタル等を利用した定温
式火災検知装置、作動式火災検知装置が知られている。
定温式火災検知装置は、例えば、室内が60℃又は70
℃等の通常ではあり得ない基準温度に到達した場合に、
火災警報を発するものである。また、作動式火災検知装
置は、単位時間当たりの温度上昇率が、通常ではあり得
ない程度、例えば、15℃/minに到達した場合に、
火災警報を発するものである。2つめは煙感知式の火災
検知装置であり、この火災検知装置としては火災発生時
の煙を検知するために、光散乱を利用した光電式、及び
空気中のイオン電流の変化を検出して火災警報を発する
イオン化式のものがある。
【0004】ところで、火災の程度を示す基準として公
知のヨーロッパ統一規格がある。この規格を用いて初期
段階の火災について説明を加える。図14(A)はヨー
ロッパ統一規格(EN54:Part9)で定められた
試験火災の種類を示す説明図であり、図14(B)は火
災の程度によるクラス分けとその基準値を示す説明図で
あり、図14(C)は図14(A)の各試験火災に対す
る顕著な変化を示すパラメータを示す説明図である。
【0005】例えば、図14(A)に示す火災試験TF
4を例に挙げて説明すると、この試験では、火災試験室
(6×10×4m)において、3個のポリウレタン(5
0×50×2cm)に、5cm3のメチルアルコールを
燃焼助剤に使って火をつけて、人工的に火災を起こす。
着火から時間の経過にしたがって、図14(B)に示す
クラスA、B、C、Nの順に火災のクラスが進行してい
く。このクラス分けは、図14(C)に示すようにTF
4の場合には、顕著な変化を示すパラメータとして電離
度および光学的煙濃度判定が採用され、これらのパラメ
ータに対応する測定値が、図14(B)に示す基準値と
比較されることにより行われる。火災試験TF5の場合
には、火災試験室(6×10×4m)において、鉄の缶
(33×33×5cm)に入れた650gのヘプタンに
火をつけて火災を起こす。火災のクラス分けは、火災試
験TF4で説明したと同様である。他の火災試験TF
1、2、3及び6も同様の試験室において、異なる燃焼
材を用いて試験が行われる。そして、初期火災は上記の
統一規格においてクラスB−C境界付近に相当する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記初期火
災に相当するクラスB−C境界付近においては、図14
(B)に示すようにパラメータの値が、火災ではない日
常状態においても発生しうるものであるため、誤警報を
防止するために従来の火災検知装置では、熱感知式の場
合、例えば、基準温度を70℃に設定したり、基準温度
変化率を15℃/min等に設定している。また、煙感
知式の場合にも、タバコによる煙による誤警報を防止す
るために従来の火災検知装置では、基準煙濃度レベルを
クラスB−C境界より大きめに設定している。このた
め、上記のような初期段階の火災を検知することは、従
来の火災検知装置では困難であった。
【0007】よって本発明は、上述した現状に鑑み、火
災初期の特有の湿度変化パターンに着目して、火災を初
期段階で的確に検知する火災検知装置を提供することを
課題としている。また、本発明は、接触燃焼式ガスセン
サのセンサ出力から得られる火災初期の特有のセンサ出
力変化パターンに着目して、火災を初期段階で的確に検
知する火災検知装置を提供することを課題としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
になされた請求項1記載の火災検知装置は、図1に示す
ように、湿度検出手段2によって検出される大気中の湿
度に基づいて火災を検知する火災検知装置であって、前
記湿度が一時的に上昇した後下降する特有の湿度変化パ
ターンを検出することによって前記火災を検知すること
を特徴とする。
【0009】請求項1記載の発明によれば、湿度が火災
初期において一時的に上昇した後下降する特有の湿度変
化パターンを検出することによって火災を検知するよう
にしているので、火災を初期段階で確実に検知すること
ができるようになる。すなわち、図2及び図3に示すよ
うに、初期火災に相当するクラスB−C境界付近では湿
度は一時的に上昇した後下降する特有の湿度変化パター
ンを有するので、請求項1記載の発明では、このパター
ンを検出することによって、従来の火災検知装置では検
知困難であった初期火災を、確実に検知する。
【0010】上記課題を解決するためになされた請求項
2記載の火災検知装置は、図1に示すように、請求項1
記載の火災検知装置において、前記湿度検出手段2によ
って検出される前記湿度から、湿度時系列データを生成
する湿度時系列データ生成手段11と、前記湿度変化パ
ターンを予め格納する湿度変化パターン格納手段12
と、前記湿度時系列データと前記湿度変化パターンとの
比較結果に基づいて、前記火災を検知する比較検知手段
13と、火災警報を発する火災警報部に対して、前記検
知された火災を警報するように指令する警報指令手段1
4とを含むことを特徴とする。
【0011】請求項2記載の発明によれば、湿度時系列
データ生成手段11、湿度変化パターン格納手段12、
比較検知手段13及び警報指令手段14を含む。このよ
うな構成において、湿度検出手段2によって検出される
湿度に基づき、湿度時系列データ生成手段11によって
湿度時系列データが生成され、この湿度時系列データが
比較検知手段13によって湿度変化パターン格納手段1
2に予め格納される上記特有の湿度変化パターンと比較
される。そして、この比較結果に基づいて警報指令手段
14に指令されて火災が警報される。
【0012】上記課題を解決するためになされた請求項
3記載の火災検知装置は、図5に示すように、ガス漏れ
警報器に装備されるガスセンサからのセンサ出力に基づ
いて火災を検知する火災検知装置であって、前記ガスセ
ンサは、通電により加熱されて駆動する接触燃焼式ガス
センサ40であり、通電後の前記センサ出力が安定する
までの立上り期間中の特定時点の前記センサ出力から得
られるセンサ出力時系列データから、火災初期の前記セ
ンサ出力の特有のセンサ出力変化パターンを検出するこ
とによって、前記火災を検知することを特徴とする。
【0013】請求項3記載の発明によれば、火災検知素
子として、ガス漏れ警報器に装備される接触燃焼式ガス
センサ40が用いられる。この接触燃焼式ガスセンサ4
0は通電により加熱されて駆動するものであり、通電後
のセンサ出力が安定するまでの立上り期間中の特定時点
のセンサ出力から得られるセンサ出力時系列データか
ら、火災初期のセンサ出力の特有のセンサ出力変化パタ
ーンを検出することによって、火災が検知される。すな
わち、接触燃焼式ガスセンサ40は通電後のセンサ出力
が安定するまでの立上り期間中の特定時点においては、
図9及び図12に示すように、湿度及び煙濃度に対して
応答特性を有する。火災初期においては、特に湿度変化
や煙濃度変化が著しいので、これらを起因として接触燃
焼式ガスセンサ40は図10及び図11に示すような特
有のセンサ出力変化パターンを示し、これが火災検出に
利用される。したがって、請求項3記載の発明では、接
触燃焼式ガスセンサ40のセンサ出力を利用して、従来
の火災検知装置では検知困難であった初期火災を、確実
に検知する。
【0014】上記課題を解決するためになされた請求項
4記載の火災検知装置は、図5に示すように、請求項3
記載の火災検知装置において、前記特有の変化パターン
は、火災初期に特有の一時的に下降した後上昇する前記
センサ出力であることを特徴とする。
【0015】請求項4記載の発明によれば、特有のセン
サ出力変化パターンは、図10及び図11に示すよう
に、火災初期に特有の一時的に下降した後上昇する特有
のセンサ出力であるので、発炎及び発煙を伴う火災を初
期段階で確実に検出することが可能になる。すなわち、
火災初期には、特有の湿度昇降及び急激な煙濃度上昇を
起因として、センサ出力は一時的に下降した後上昇する
ので、請求項4記載の発明では、これを検出することに
よって発炎及び発煙を伴う火災を早期に検知する。
【0016】上記課題を解決するためになされた請求項
5記載の火災検知装置は、図5に示すように、請求項4
記載の火災検知装置において、前記接触燃焼式ガスセン
サ40を所定のインターバルで駆動させるセンサ駆動手
段101と、複数の前記特定時点における前記センサ出
力を取得するセンサ出力取得手段102と、取得された
前記複数のセンサ出力から、前記センサ出力時系列デー
タを生成するセンサ出力時系列データ生成手段103
と、前記センサ出力変化パターンを予め格納するセンサ
出力変化パターン格納手段104と、前記センサ出力時
系列データと前記センサ出力変化パターンとの比較結果
に基づいて、前記火災を検知する比較検知手段105
と、火災警報を発する火災警報部に対して、前記検知さ
れた火災を警報するように指令する警報指令手段106
とを含むことを特徴とする。
【0017】請求項5記載の発明によれば、センサ駆動
手段101、センサ出力取得手段102、センサ出力時
系列データ生成手段103、センサ出力変化パターン格
納手段104、比較検知手段105及び警報指令手段1
06を含む。このような構成において、センサ駆動手段
101によって接触燃焼式ガスセンサ40が所定のイン
ターバルで駆動され、センサ出力取得手段102によっ
て取得されたセンサ出力に基づき、センサ出力時系列デ
ータ生成手段103によってセンサ出力時系列データが
生成され、更にこのセンサ出力時系列データが比較検知
手段105によってセンサ出力変化パターン格納手段1
04に予め格納される上記特有のセンサ出力変化パター
ンと比較される。そして、この比較結果に基づいて警報
指令手段106に指令されて火災が警報される。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。
【0019】第1実施形態 まず、図1〜図4を用いて本発明の第1実施形態につい
て説明する。図1は、本発明の火災検知装置の第1実施
形態の基本構成を示すブロック図である。図1に示すよ
うに、コントローラ10には、湿度センサ2(請求項1
の湿度検出手段に相当)及び火災警報部3が接続されて
いる。この火災検知装置は、湿度センサ2によって検出
される大気中の湿度に基づいて火災を検知する。この原
理については、図2及び図3を用いた説明で明らかにな
る。
【0020】湿度センサ2は、大気中の湿度を検出する
湿度センサ素子である。この湿度センサ2は、公知の湿
度センサ素子を用いてもよいし、湿度に応じて検出信号
を出力する素子であれば、通常の湿度センサ素子でなく
てもよい。火災警報部3は、コントローラ10に指令さ
れて、音声や発光表示等により火災警報を発するもの
で、公知のスピーカやLED及びそれらのドライバー回
路で構成される。
【0021】コントローラ10は、湿度センサ2から供
給される湿度が火災初期において一時的に上昇した後下
降する特有の湿度変化パターンを検出することによっ
て、火災を初期段階で検知する機能を有する。この特有
の湿度変化パターンについては、図2及び図3を用いて
後述する。このコントローラ10は、湿度時系列データ
生成手段11、湿度変化パターン格納手段12、比較検
知手段13及び警報指令手段14を含む。コントローラ
10は、ハードウエアとして、演算部、記憶部及びタイ
マ部等を有し、上記各手段11、13及び14は、記憶
部に格納される制御プログラムにしたがって演算部が行
う後述する図4の処理動作のに対応するものである。
【0022】湿度時系列データ生成手段11は、湿度セ
ンサ2によって検出される湿度から、湿度時系列データ
を生成する。この湿度時系列データは、火災を検知する
ために湿度変化パターン格納手段12に予め格納される
湿度変化パターンと比較される際に利用されるものであ
る。比較検知手段13は、上記湿度時系列データと湿度
変化パターンとを比較して、その比較結果に基づいて火
災を検知する。そして、警報指令手段14は、火災警報
を音声等で発する火災警報部3に対して、検知された火
災を警報するように指令する。なお、湿度変化パターン
格納手段12は、コントローラ10の有する記憶部に含
まれるものとする。
【0023】なお、上記コントローラ10に、ガス漏れ
時のCOガス等を検出するガスセンサ4、並びにガス漏
れを音声や発光表示等により警報を発するスピーカやL
ED及びそれらのドライバー回路で構成されるガス漏れ
警報部5を接続して、本火災検知装置にガス漏れ検知の
機能を持たせてもよい。この場合、コントローラ10は
ガスセンサ4からの検出出力を受けて、これをガス漏れ
と判定するための基準値と比較することによって、ガス
漏れと判定するとガス漏れ警報部5を指令して、音声や
発光表示によりガス漏れを警報する。これにより、本火
災検知装置は、1台でガス漏れ及び火災検知ができるよ
うになる。
【0024】ここで、図2及び図3を用いて、本発明の
第1実施形態における火災検知の原理について説明す
る。図2は、図14に示す火災試験TF4に基づいて採
取された経過時間−湿度変化の関係を示すグラフであ
る。図3は、図14に示す火災試験TF5に基づいて採
取された経過時間−湿度変化の関係を示すグラフであ
る。
【0025】図2は、プラスティック火災を想定してい
る。図2において、T1は燃料投入時点、Tsは点火時
点、TabはクラスA−B境界通過時点、Tbcはクラ
スB−C境界通過時点、そして、Teは終了時点を示
す。この図に示されるように、点火時点Ts(600s
時点)で点火された後、48%の初期の相対湿度は徐々
に増加していき、820s時点で55%に到達してピー
クを迎えた後、終了時点Tsまで急激に減少し続ける。
上記55%に到達したピークの時点は、火災の初期段階
とされるクラスB−C境界通過時点Tbcの直後であ
る。この理由は以下の通りである。すなわち、点火時点
Tsの直後には、材料の燃焼により水分(水蒸気)が著
しく発生するため、相対湿度は、図2の実線で示すよう
に一時的に増加する。ところが、図2の点線で示すよう
に時間経過に伴って温度も上昇するので、これに伴って
飽和水蒸気圧も大きくなるため、クラスB−C境界通過
時点Tbc付近では逆に、相対湿度は減少に転じる。こ
のように、火災の初期段階とされるクラスB−C境界通
過時点Tbcの直後に、相対湿度はピークを迎えるの
で、この現象を利用して、火災を初期段階にて検知でき
る。
【0026】図3は、液体燃料火災を想定している。図
3において、T1は燃料投入時点、Tsは点火時点、T
abはクラスA−B境界通過時点、TbcはクラスB−
C境界通過時点、TcnはクラスC−N境界通過時点、
そして、Teは終了時点を示す。ここでも、点火時点T
s(530s時点)で点火された後、43%の初期の相
対湿度は徐々に増加していき、610s時点で51%に
到達してピークを迎えた後、終了時点Tsまで急激に減
少し続ける。上記51%に到達したピークの時点は、こ
こでも、火災の初期段階とされるクラスB−C境界通過
時点Tbcの直後である。その理由は、上記図2におい
ても説明したように、図3の実線で示す点火時点Tsの
直後の著しい水蒸気発生による相対湿度の一時的増加、
及び図3の点線で示す時間経過に伴う温度上昇による飽
和水蒸気圧の増大による相対湿度は減少によるものであ
る。
【0027】上記のような理由により、発炎燃焼火災に
おいては上記試験TF4及びTF5で示したように湿度
が変化し、この湿度変化パターンを利用することにより
火災を初期段階にて検知できる。
【0028】上述のような湿度変化パターンを利用して
火災検知を行う本発明の第1実施形態に関わる処理動作
について、図4を用いて説明する。図4は、本発明の第
1実施形態に関わる処理動作を示すフローチャートであ
る。
【0029】この実施形態は、10秒ごとに湿度を検
出、サンプリングして、図2及び図3で説明したような
火災初期の特有の湿度変化パターンを検知することによ
り火災を検知するものである。火災検知の基準となる上
記のような一時的に上昇した後下降する特有の湿度変化
パターンは、図1で示したコントローラ10に含まれる
湿度変化パターン格納手段12に予め格納されている。
【0030】図4のステップS1においては、湿度検出
するタイミングが待機されている。すなわち、湿度は上
述のように10秒毎に検出されるので、ここでは、前回
の湿度検出時点から10秒経過するタイミングが待機さ
れている(ステップS1のN)。ここで、前回の湿度検
出時点から10秒経過したと判断されると、新たに湿度
検出すべくステップS2に移行する(ステップS1の
Y)。但し、スイッチON直後の検出開始時等には、上
記10秒待機なしにステップS2に移行する。ステップ
S2においては、湿度センサ2により検出された湿度が
コントローラ10の有する記憶部に一時的に保持されて
ステップS3に移行する。ステップS3においては、上
記記憶部に保持されている湿度のデータが読み出されて
湿度時系列データが生成される。この湿度時系列データ
は、上記特有の湿度変化パターンを検知するのに適当
な、例えば、50秒間(5回分)のサンプリングデータ
である。したがって、上記記憶部には、少なくとも、過
去5回分の湿度のサンプリングデータが保持される。こ
のステップS3は請求項2の湿度時系列データ生成手段
に相当する。
【0031】次に、ステップS4においては、上記生成
された湿度時系列データが湿度変化パターン格納手段1
2に予め格納されている湿度変化パターンと比較され
て、湿度変化パターンの検出が行われる。ここで、湿度
変化パターンが検出されると、初期段階の火災が検出さ
れたとして火災警報を発報すべくステップS5に移行し
(ステップS4のY)、さもなければ湿度検出を継続す
べくステップS1に戻る(ステップS4のN)。このス
テップS4は請求項2の比較検知手段に相当する。ステ
ップS5においては、火災警報部3が指令されて音声や
表示時より火災が警報され、一連の処理が終了する。こ
のステップS5は請求項2の警報指令手段に相当する。
【0032】以上のように本発明の第1実施形態によれ
ば、湿度が火災初期において一時的に上昇した後下降す
る特有の湿度変化パターンを検出することによって火災
を検知するようにしているので、火災を初期段階で確実
に検知することができるようになる。すなわち、図2及
び図3に示すように、初期火災に相当するクラスB−C
境界付近では湿度は一時的に上昇した後下降する特有の
湿度変化パターンを有するので、このパターンを検出す
ることによって、従来の火災検知装置では検知困難であ
った初期火災を、確実に検知することができるようにな
る。また、コントローラ10に図4で示したような処理
動作を行わせることにより、現実的な火災検知装置が得
られるようになる。
【0033】第2実施形態 更に、図5〜図14を用いて本発明の第2実施形態につ
いて説明する。この第2実施形態に関しては、まず、図
5及び図6を用いてこの第2実施形態の基本構成及びそ
の駆動波形について説明する。次に、図7を用いて第2
実施形態で用いられる接触燃焼式ガスセンサ40の構造
について説明する。その次に、図8〜図12を用いて第
2実施形態における火災検知の原理について説明する。
そして、図13を用いてこの第2実施形態に関わる処理
動作を説明する。
【0034】まず、図5及び図6を用いてこの第2実施
形態の基本構成及びその駆動波形について説明する。図
5は、本発明の火災検知装置の第2実施形態の基本構成
を示すブロック図である。図6は、図5の第2実施形態
に用いられる駆動波形の例を示すタイムチャートであ
る。
【0035】図5に示すように、コントローラ100に
は、検出用のブリッジ回路を含む接触燃焼式ガスセンサ
40、火災警報部3、ガス漏れ警報部5及び駆動電源6
が接続されている。この火災検知装置は、図6に示すよ
うな駆動波形が供給されて接触燃焼式ガスセンサ40が
通電制御され、このセンサ40のセンサ出力に基づいて
火災が検知される。この原理については、図8〜図12
を用いた説明で明らかになる。
【0036】上記接触燃焼式ガスセンサ40は通電によ
り加熱されて駆動し、この通電を制御するために図6で
示すような駆動波形が供給される。図6で示すように、
駆動波形は所定のインターバル(例えば、10秒間隔)
で0.2秒間のON、9.8秒間のOFFを繰り返すパ
ルス信号である。図6において、Ton及びToffは
それぞれ、ON時点及びOFF時点を示す。そして、O
N時点Tonから0.02秒後に検出時点Tvsが設定
されている。この検出時点Tvsは、接触燃焼式ガスセ
ンサ40を用いて火災検出する際にセンサ出力が取得さ
れるタイミングであり、これは通電後のセンサ出力が安
定するまでの立上り期間中の特定時点である。この検出
時点Tvsについては後述する。
【0037】また接触燃焼式ガスセンサ40は、基本的
に、感応素子部Rs及び補償素子部Rrから構成されて
いる。感応素子部Rsは(白金)Ptヒータ42及びP
d/Al23触媒層43を含み、補償素子部RrはPt
ヒータ44及び(アルミナ)Al23触媒層45を含
む。上記Ptヒータ42、Ptヒータ44は、固定抵抗
R1、R2及び可変抵抗Rvと共にブリッジ回路を構成
している。そして、このブリッジ回路のPtヒータ44
及び固定抵抗R1の接続点、並びにPtヒータ42及び
固定抵抗R2の接続点には、上記コントローラ100を
介して駆動電源が所定のインターバルで間欠的に供給さ
れる。また、Ptヒータ42及び44の接続点、並びに
可変抵抗Rvからは、センサ出力としての電圧値がコン
トローラ100に供給される。
【0038】この接触燃焼式ガスセンサ40を使用する
に際しては、まず、初期状態において、センサ出力を示
す電圧値がゼロになるように上記可変抵抗Rvを調整す
る。この状態において、COガス等が感応素子部Rsに
触れると触媒作用により、この素子の表面が酸化されて
反応熱が生じる。この反応熱により、Ptヒータ42の
抵抗値が上昇し、この抵抗値の上昇によりブリッジ回路
の平衡が崩れ、コントローラ100にセンサ出力が供給
される。この場合、Ptヒータ44は周囲温度の変動に
よるPtヒータ42の抵抗値の変動を相殺し、反応熱に
起因するPtヒータ42の抵抗値の変動成分のみを取り
出せるように補償する。上記接触燃焼式ガスセンサ40
の構造については、図7を用いて後述する。
【0039】上記コントローラ100は、上記検出時点
Tvsにおける複数のセンサ出力から得られるセンサ出
力時系列データから、火災初期のセンサ出力の特有のセ
ンサ出力変化パターン、すなわち、一時的に下降した後
上昇するパターンを検出することによって火災を検知す
る機能を有する。このセンサ出力変化パターンについて
は、図10及び図11を用いて後述する。コントローラ
100は、センサ駆動手段101、センサ出力取得手段
102、センサ出力時系列データ生成手段103、セン
サ出力変化パターン格納手段104、比較検知手段10
5、及び警報指令手段106を含む。コントローラ10
0は、ハードウエアとして、演算部、記憶部及びタイマ
部等を有し、上記各手段101〜103、105及び1
06は、記憶部に格納される制御プログラムにしたがっ
て演算部が行う後述する図13の処理動作に対応するも
のである。
【0040】上記センサ駆動手段101は、接触燃焼式
ガスセンサ40に対して電池等の駆動電源6を通電制御
して、接触燃焼式ガスセンサ40を所定のインターバル
で駆動させる。センサ出力取得手段102は、複数の上
記検出時点Tvsにおけるセンサ出力を上記インターバ
ル、すなわち、10秒間で取得する。センサ出力時系列
データ生成手段103は、センサ出力取得手段102で
取得された複数のセンサ出力から、センサ出力時系列デ
ータを生成する。このセンサ出力時系列データは、火災
を検知するためにセンサ出力変化パターン格納手段10
4に予め格納されるセンサ出力変化パターンと比較され
る際に利用されるものである。比較検知手段105は、
上記センサ出力時系列データとセンサ出力変化パターン
との比較結果に基づいて、火災を検知する。そして、警
報指令手段14は、火災警報を音声等で発する火災警報
部3に対して、検知された火災を警報するように指令す
る。センサ出力変化パターン格納手段104は、コント
ローラ100の有する記憶部に含まれるものとする。
【0041】なお、火災警報部3及びガス漏れ警報部5
は、図1の第1実施形態で説明したと同様、火災警報や
ガス漏れ警報を、音声や発光表示等により発する公知の
スピーカやLED及びそれらのドライバー回路で構成さ
れる。
【0042】またなお、上記コントローラ100に、ガ
ス漏れを音声や発光表示等により警報を発するスピーカ
やLED及びそれらのドライバー回路で構成されるガス
漏れ警報部5を接続して、本火災検知装置にガス漏れ検
知の機能を持たせてもよい。この場合、コントローラ1
00は、接触燃焼式ガスセンサ40からの検出出力を受
けて、これをガス漏れ基準値と比較することによってガ
ス漏れ判定し、ガス漏れ警報部5を指令して音声や発光
表示によりガス漏れを警報するように制御する。これに
より、本火災検知装置は、1台でガス漏れ及び火災検知
ができるようになる。
【0043】次に、図7を用いて第2実施形態で用いら
れる接触燃焼式ガスセンサ40の構造について説明す
る。図7(A)、(B)及び(C)はそれぞれ、この接
触燃焼式ガスセンサの平面図、背面図及びAA線断面図
である。
【0044】図7(A)及び(B)に示すように、この
接触燃焼式ガスセンサは、(シリコン)Siウエハ41
の上に、(酸化)SiO2膜48c、(窒化)SiN膜
48b、及び(酸化ハフニウム)HfO2膜48aから
なる絶縁薄膜が生膜され、その上に、感応素子部Rsと
しての(白金)Ptヒータ42及びPd/Al23触媒
層43、補償素子部Rrとして(白金)Ptヒータ44
及び(アルミナ)Al 23触媒層45が形成されてい
る。また、図7(C)に示すように、異方性エッチング
して凹部46及び47を形成して、それぞれ薄膜ダイヤ
フラムDs及びDrを形成することにより熱容量を小さ
くしている。このような構成にすることにより、高速反
応可能な接触燃焼式ガスセンサが得られる。
【0045】次に、図8〜図12を用いて第2実施形態
における火災検知の原理について説明する。ここでは、
まず、図8及び図9を用いて上記接触燃焼式ガスセンサ
40が可燃性ガスのみならず湿度にも応答性を有するこ
とを説明する。そして、図10及び図11を用いてこの
接触燃焼式ガスセンサ40が、火災の初期段階において
特有のセンサ出力変化パターンを有することを示し、更
に、図10〜図12を用いてこのセンサ出力変化の要因
を説明しつつ、この接触燃焼式ガスセンサ40のセンサ
出力が火災検知に利用できることを説明する。
【0046】図8は、接触燃焼式ガスセンサ40の可燃
性ガス特性、すなわち、パルスON時点からの経過時間
に対する各可燃性ガスのセンサ出力出力特性を示すグラ
フである。図9は、接触燃焼式ガスセンサ40の湿度特
性、すなわち、パルスON時点からの経過時間に対する
各湿度におけるセンサ出力出力特性を示すグラフであ
る。
【0047】図8及び図9においては、横軸は、前述の
図6に示したような駆動パルスを接触燃焼式ガスセンサ
40に供給した際のパルスON時点(図8及び図9中、
0時点)からの経過時間を示す。但し、図8及び図9に
おいては、パルスONの期間を200ms以上に設定し
てセンサ出力を採取している。
【0048】図8において、Sv1は(一酸化炭素)C
Oガスのセンサ出力特性を示し、同様に、Sv2、Sv
3及びSv4はそれぞれ、(メタン)CH4ガス、(水
素)H2ガス、(イソブタン)C410ガスのセンサ出力
特性を示す。これらのガスはガス漏れ時に発生するもの
であり、ここでは、各ガスの濃度は共に3000ppm
にしてデータを採取した。この図8に示すように、本接
触燃焼式ガスセンサ40は、各ガスに対してそれぞれ特
有のセンサ出力波形を有する。特に、4種類のガスに対
するセンサ出力は、0時点(パルスON時点)から10
0ms経過するまでは特有の波形を描いて上昇するが、
100ms以降は固有出力値の定常状態になることがわ
かる。このような特性を利用して、本接触燃焼式ガスセ
ンサ40はガス漏れ検出をすることができる。
【0049】また、図9に示すように、本接触燃焼式ガ
スセンサ40は湿度特性も有する。図9において、RH
30は相対湿度30%のセンサ出力特性を示し、同様
に、RH50及びRH70はそれぞれ、相対湿度50%
及び70%のセンサ出力特性を示す。ここでは、常温
(25℃)における湿度データを採取した。この図9に
示すように、本接触燃焼式ガスセンサ40は、各湿度に
対してそれぞれ特有のセンサ出力波形を有する。特に、
センサ出力は、0時点(パルスON時点)から100m
s経過するまでは各湿度特有の波形を描いて上昇し、1
00ms以降は各湿度共、同センサ出力値で定常状態に
なることがわかる。このように、0時点から100ms
経過するまでのセンサ出力の湿度特性は、後述の火災検
知にも利用できる。
【0050】図10は、火災試験TF4に基づいて採取
された経過時間−センサ出力の関係を示すグラフであ
る。図11は、火災試験TF5に基づいて採取された経
過時間−センサ出力の関係を示すグラフである。図12
は、煙濃度−センサ出力の関係を示すグラフである。
【0051】なお、図10及び図11においては、参考
のために、経過時間−煙濃度の関係も示している。ま
た、図10及び図11においては、例えば、図6で説明
したような駆動パルスを用いて、パルスON時点Ton
から0.02秒後を検出時点Tvsとして、10秒間隔
のインターバルでセンサ出力を採取している。また、火
災試験TF4及びTF5の試験環境は、上述したヨーロ
ッパ統一規格で定められた試験環境をややスケールダウ
ンして行ったものである。そして、図12は煙濃度とセ
ンサ出力とはほぼ比例関係があることを示し、Ss2で
示すパルスON時点から0.2秒後よりも、Ss1で示
すパルスON時点から0.02秒後の検出時点の方が、
より顕著にその比例関係が成立することを示すものであ
る。
【0052】図10に示す火災試験TF4においては、
センサ出力Svは、点火時点Tsの0Vから急激に低下
していき、20〜30秒経過後において−0.4Vとな
り、この点を最小値として急激に増加し始める。その
後、センサ出力Svは時間の経過と共に0から0.3V
の間で変動するもの、顕著な変動特性を呈することはな
い。すなわち、このように点火時点Tsのすぐ後にセン
サ出力が最小となる理由のひとつは、湿度変動に起因す
ると考えることができる。図2を用いて説明したよう
に、相対湿度は点火時点Tsの直後の著しい水蒸気発生
により一時的増加した後、時間経過に伴う温度上昇によ
る飽和水蒸気圧の増大により減少に転じることがわかっ
た。また、図9を用いて説明したように、相対湿度の上
昇に伴いセンサ出力は減少することがわかった。したが
って、図10における点火時点Tsのすぐ後のセンサ出
力最小ピークは、火災初期の特有の湿度変化が要因のひ
とつであると考えることができる。
【0053】一方、図10に点線で示すように煙濃度S
sは、点火時点Tsの0Vから急激に上昇していき、3
0〜40秒経過後において70μAで最大になった後
は、やや減少しながら50〜70μAで変動しているこ
とがわかる。また、図12のSs1で示すように、パル
スON時点から0.02秒経過時点(図10の検出時点
Tvsと同様のタイミング)に採取したセンサ出力は、
煙濃度にほぼ比例することがわかる。すなわち、図10
における点火時点Tsのすぐ後のセンサ出力最小ピーク
(特にこの最小ピーク後、急激に正方向に上昇するセン
サ出力)の他の要因は、火災初期における煙濃度の急激
な上昇によるものと考えることができる。
【0054】このように、点火時点Tsのすぐ後のセン
サ出力最小ピークは、火災初期の特有の湿度変化に加え
て、この時期に特有の煙濃度の急激な上昇に起因するも
のと考えることができる。換言すれば、点火時点Tsの
すぐ後のセンサ出力最小ピークを検出することによっ
て、火災試験TF4のような発炎及び発煙を伴う火災を
初期段階で検出することが可能になる。
【0055】図11に示す火災試験TF5においても同
様である。この図11において、センサ出力Svは、点
火時点Tsの0Vから急激に低下していき、約20秒経
過後において−1.2Vで最小点となり、この点を最小
ピークとして急激に増加し始める。また、図11に点線
で示すように煙濃度は、点火時点Tsの0Vから急激に
上昇していき、約30秒経過後において最大になった後
は、50〜60μAで変動していることがわかる。つま
り、火災試験TF5においても、火災試験TF4と同様
に、センサ出力Svは、火災初期の特有の湿度変化に加
えて、この時期に特有の煙濃度の急激な上昇を起因とし
て、点火時点Tsのすぐ後に最小ピークを迎えるものと
考えることができる。すなわち、点火時点Tsのすぐ後
のセンサ出力最小ピークを検出することによって、火災
試験TF5のような発炎及び発煙を伴う火災を初期段階
で検出することが可能になる。
【0056】このように、火災初期に特有の一時的に下
降した後上昇する接触燃焼式ガスセンサ40のセンサ出
力を利用することにより、発炎及び発煙を伴う火災を初
期段階で確実に検出することが可能になる。
【0057】上述のような接触燃焼式ガスセンサ40の
センサ出力特性を利用することにより、発炎及び発煙を
伴う火災を初期段階で検出することが可能になる。この
ような接触燃焼式ガスセンサ40のセンサ出力を利用し
て火災検知を行う実施形態について、図13を用いて説
明する。
【0058】図13は、本発明の第2実施形態に関わる
処理動作を示すフローチャートである。実施形態では、
図6で示したような駆動パルスを用いて、パルスON時
点Tonから0.02秒後を検出時点Tvsとして、1
0秒間隔のインターバルでセンサ出力を取得して、図1
0及び図11で説明したような火災初期の特有のセンサ
出力変化パターンを検知することにより火災を検知する
ものである。火災検知の基準となる上記のような一時的
に下降した後上昇する特有の湿度変化パターンは、図5
で示したコントローラ100に含まれるセンサ出力変化
パターン格納手段104に予め格納されている。
【0059】図13のステップS101においては、パ
ルスONするタイミング(Ton)が待機されている。
すなわち、パルスOFF期間は上述のように9.8秒間
であるので、ここでは、前回の時点Toff(図6参
照)から9.8秒経過して、再びパルスONするタイミ
ングが待機されている(ステップS101のN)。そし
て、前回のパルスOFF時点Toffから9.8秒経過
すると新たにパルスONを指令を出すべくステップS1
02に移行する(ステップS101のY)。但し、スイ
ッチON直後の検出開始時等には、この9.8秒待機な
しにステップS102に移行する。ステップS102に
おいては、時点Ton(図6参照)でパルスONが指令
される。そして、パルスON時点Tonから0.02秒
経過して検出時点Tvsに到達すると(図6参照)セン
サ出力が取得される(ステップS103のY、ステップ
S104)。ここで検出時点Tvsを時点Tonから
0.02秒後とした理由は、図9及び図12で示したグ
ラフにおいてそれぞれ、湿度及び煙濃度特性が顕著であ
るためである。この検出時点Tvsは請求項3、5の特
定時点に相当する。また、ステップS104は、センサ
出力取得手段に相当する。なお、ここで取得されたセン
サ出力は、コントローラ100の有する記憶部に一時的
に保持されてステップS105に移行する。
【0060】そして、時点Tonから0.2秒経過して
パルスOFF時点Toffに到達すると(図6参照)パ
ルスOFFされる(ステップS105のY、ステップS
106)。次にステップS107において、上記記憶部
に保持されているセンサ出力のデータが読み出されてセ
ンサ出力時系列データが生成される。このセンサ出力時
系列データは、上記特有のセンサ出力変化パターンを検
知するのに適当な、例えば、50秒間(5回分)のサン
プリングデータとする(図10、図11参照)。したが
って、上記記憶部には、少なくとも、過去5回分のセン
サ出力のサンプリングデータが保持される。なお、この
ステップS107は、請求項5のセンサ出力時系列デー
タ生成手段に相当する。
【0061】そして、ステップS108において、上記
生成されたセンサ出力時系列データがセンサ出力変化パ
ターン格納手段104に予め格納されているセンサ出力
変化パターンと比較されて、火災初期の特有のセンサ出
力変化パターンの検出が行われる。ここで、センサ出力
変化パターンが検出されると、初期段階の火災が検出さ
れたとして火災警報を発報すべくステップS109に移
行し(ステップS108のY)、さもなければセンサ出
力を継続すべくステップS101に戻る(ステップS1
08のN)。このステップS108は請求項5の比較検
知手段に相当する。ステップS109においては、火災
警報部3が指令されて音声や表示時より火災が警報さ
れ、一連の処理が終了する。このステップS109は請
求項5の警報指令手段に相当する。なお、上記ステップ
S101、ステップS102、ステップS105、及び
ステップS106は、請求項5のセンサ駆動手段に相当
する。
【0062】以上のように本発明の第2実施形態によれ
ば、通電後の接触燃焼式ガスセンサ40のセンサ出力が
安定するまでの立上り期間中の特定時点において、セン
サ出力を所定のインターバルでサンプリングして、火災
初期に特有の一時的に下降した後上昇する接触燃焼式ガ
スセンサ40のセンサ出力を検出するようにしているの
で、発炎及び発煙を伴う火災を初期段階で確実に検出す
ることが可能になる。また、本来、ガス漏れ検知に用い
られる接触燃焼式ガスセンサ40を、火災検知素子とし
て利用しているので、新たな火災検知素子を開発する工
数も削減され、装置のコストダウンにも結びつく。更
に、コントローラ100に図13で示したような処理動
作を行わせることにより、現実的な火災検知装置が得ら
れるようになる。
【0063】なお、本発明は、上記特定時点を通電0.
02秒後に限定するのでなく、接触燃焼式ガスセンサ4
0が湿度特性を有するセンサ出力が安定するまでの立上
り期間であれば他の時点であってもよい。また、駆動パ
ルスのインターバル等も適宜変更可能である。本発明
は、その要旨を変更しない範囲で、実施形態で採用した
数値を適宜変更することが可能である。
【0064】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明によれば、湿度が火災初期において一時的に上昇した
後下降する特有の湿度変化パターンを検出することによ
って火災を検知するようにしているので、従来の火災検
知装置では検知困難であった初期火災を確実に検知する
ことができるようになる。
【0065】請求項2記載の発明によれば、湿度時系列
データ生成手段11、湿度変化パターン格納手段12及
び比較検知手段13により、火災を初期段階で確実に検
知することができる現実的な火災検知装置が得られるよ
うになる。
【0066】請求項3記載の発明によれば、通電後の立
ち上り期間の接触燃焼式ガスセンサ40のセンサ出力を
利用することにより、従来の火災検知装置では検知困難
であった初期火災を確実に検知することができるように
なる。また、ガス漏れ検知に用いられる接触燃焼式ガス
センサ40を、火災検知素子として利用しているので、
新たな火災検知素子を開発する工数も削減され、装置の
コストダウンにも結びつく。
【0067】請求項4記載の発明によれば、火災初期に
特有の一時的に下降した後上昇するセンサ出力を火災検
知に利用することにより、発炎及び発煙を伴う火災を初
期段階で確実に検出することが可能になる。
【0068】請求項5記載の発明によれば、上記センサ
駆動手段101、センサ出力取得手段102、センサ出
力時系列データ生成手段103、センサ出力変化パター
ン格納手段104、比較検知手段105及び警報指令手
段106により、火災を初期段階で確実に検知すること
ができる現実的な火災検知装置が得られるようになる。
【0069】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の火災検知装置の第1実施形態の基本構
成を示すブロック図である。
【図2】火災試験TF4に基づいて採取された経過時間
−湿度変化の関係を示すグラフである。
【図3】火災試験TF5に基づいて採取された経過時間
−湿度変化の関係を示すグラフである。
【図4】本発明の第1実施形態に関わる処理動作を示す
フローチャートである。
【図5】本発明の火災検知装置の第2実施形態の基本構
成を示すブロック図である。
【図6】図5の第2実施形態に用いられる駆動波形の例
を示すタイムチャートである。
【図7】図7(A)、(B)及び(C)はそれぞれ、第
2実施形態で用いられる接触燃焼式ガスセンサの平面
図、背面図及びAA線断面図である。
【図8】接触燃焼式ガスセンサの可燃性ガス特性を示す
グラフである。
【図9】第2実施形態で用いられる接触燃焼式ガスセン
サの湿度特性を示すグラフである。
【図10】火災試験TF4に基づいて採取された経過時
間−センサ出力の関係を示すグラフである。
【図11】火災試験TF5に基づいて採取された経過時
間−センサ出力の関係を示すグラフである。
【図12】煙濃度−センサ出力の関係を示すグラフであ
る。
【図13】本発明の第2実施形態に関わる処理動作を示
すフローチャートである。
【図14】図14(A)はヨーロッパ統一規格で定めら
れた試験火災の種類を示す説明図であり、図14(B)
は火災の程度によるクラス分けとその基準値を示す説明
図であり、図14(C)は図14(A)の各試験火災に
対する顕著な変化を示すパラメータを示す説明図であ
る。
【符号の説明】
2 湿度センサ(湿度検出手段) 3 火災警報部 5 ガス漏れ警報部 10、100 コントローラ 40 接触燃焼式ガスセンサ 42、44 Ptヒータ 43 Pd/Al23触媒層 45 Al23触媒層 Rs 感応素子部 Rr 補償素子部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 土井 敏行 東京都港区海岸1−5−20 東京瓦斯株式 会社内 (72)発明者 藤本 龍雄 東京都港区海岸1−5−20 東京瓦斯株式 会社内 (72)発明者 本荘 妙子 東京都港区海岸1−5−20 東京瓦斯株式 会社内 (72)発明者 砂山 竜男 静岡県裾野市御宿1500 矢崎総業株式会社 内 (72)発明者 笹原 隆彦 静岡県裾野市御宿1500 矢崎総業株式会社 内 (72)発明者 豊田 和弘 静岡県裾野市御宿1500 矢崎総業株式会社 内 (72)発明者 石原 裕己 静岡県裾野市御宿1500 矢崎総業株式会社 内 (72)発明者 高島 裕正 静岡県天竜市二俣町南鹿島23 矢崎計器株 式会社内 (72)発明者 小澤 崇 静岡県天竜市二俣町南鹿島23 矢崎計器株 式会社内 (72)発明者 山内 幸雄 東京都品川区上大崎2丁目10番43号 ホー チキ株式会社内 Fターム(参考) 5C085 AA20 AB02 BA40 CA03 DA16 DA17 EA27

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 湿度検出手段によって検出される大気中
    の湿度に基づいて火災を検知する火災検知装置であっ
    て、 前記湿度が一時的に上昇した後下降する特有の湿度変化
    パターンを検出することによって前記火災を検知するこ
    とを特徴とする火災検知装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の火災検知装置において、 前記湿度検出手段によって検出される前記湿度から、湿
    度時系列データを生成する湿度時系列データ生成手段
    と、 前記湿度変化パターンを予め格納する湿度変化パターン
    格納手段と、 前記湿度時系列データと前記湿度変化パターンとの比較
    結果に基づいて、前記火災を検知する比較検知手段と、 火災警報を発する火災警報部に対して、前記検知された
    火災を警報するように指令する警報指令手段と、 を含むことを特徴とする火災検知装置。
  3. 【請求項3】 ガス漏れ警報器に装備されるガスセンサ
    からのセンサ出力に基づいて火災を検知する火災検知装
    置であって、 前記ガスセンサは、通電により加熱されて駆動する接触
    燃焼式ガスセンサであり、 通電後の前記センサ出力が安定するまでの立上り期間中
    の特定時点の前記センサ出力から得られるセンサ出力時
    系列データから、火災初期の前記センサ出力の特有のセ
    ンサ出力変化パターンを検出することによって、前記火
    災を検知することを特徴とする火災検知装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の火災検知装置において、 前記特有のセンサ出力変化パターンは、 火災初期に特有の一時的に下降した後上昇する前記セン
    サ出力であることを特徴とする火災検知装置。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の火災検知装置において、 前記接触燃焼式ガスセンサを所定のインターバルで駆動
    させるセンサ駆動手段と、 複数の前記特定時点における前記センサ出力を取得する
    センサ出力取得手段と、 取得された前記複数のセンサ出力から、前記センサ出力
    時系列データを生成するセンサ出力時系列データ生成手
    段と、 前記センサ出力変化パターンを予め格納するセンサ出力
    変化パターン格納手段と、 前記センサ出力時系列データと前記センサ出力変化パタ
    ーンとの比較結果に基づいて、前記火災を検知する比較
    検知手段と、 火災警報を発する火災警報部に対して、前記検知された
    火災を警報するように指令する警報指令手段と、 を含むことを特徴とする火災検知装置。
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