JP2002297193A - デジタルオーディオデータ出力装置 - Google Patents

デジタルオーディオデータ出力装置

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JP2002297193A
JP2002297193A JP2001098530A JP2001098530A JP2002297193A JP 2002297193 A JP2002297193 A JP 2002297193A JP 2001098530 A JP2001098530 A JP 2001098530A JP 2001098530 A JP2001098530 A JP 2001098530A JP 2002297193 A JP2002297193 A JP 2002297193A
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digital audio
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JP2001098530A
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Koji Tanaka
康治 田中
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Sanyo Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 受信側が転送されたデジタルオーディオデー
タの種類を誤判別することを防止することが可能なデジ
タルオーディオデータ出力装置を提供する。 【解決手段】 デジタルオーディオデータ出力装置10
0のオーディオデータ比較部40は、受信側が誤判別を
起こすようなビットパターンを送信時に予め検出し、オ
ーディオデータ補正部50は、誤判別を行なわないビッ
トパターンに変換する。オーディオデータ補正部50
は、この誤判別を行なわないビットパターンを変換する
ときに、人間の聴覚的な特性を考慮して、変換によって
聴覚的な変化が起こらないパターンへの変換を行なう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、デジタルオーディ
オデータの転送において、デジタルオーディオデータの
送出を行なうデジタルオーディオデータ出力装置の構成
に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、S/PDIF規格(ISO/IE
C60958,ISO/IEC61937)など、デジ
タルのオーディオデータを転送する方式が多く提案され
ている。こうしたデジタルの転送方式では、オーディオ
データを劣化なく転送することができるので、CD(Co
mpact Disc)プレーヤー、DVD(Digital VersatileD
isc)プレーヤー、AV(Audio Visual)アンプなど、
現在多くの機器の入出力インターフェイスとして使用さ
れている。
【0003】また、これらの転送方式には、PCM(Pu
lse Code Modulation)データだけでなく、MPEG−
Audio(Moving Picture Experts Group-Audio)方
式で符号化されたデータなど、さまざまなフォーマット
のオーディオデータを転送できるものが多い。
【0004】たとえば、DVD−Videoでは、Do
lby−AC3という規格のオーディオフォーマットが
採用されている。ここで、DVDプレーヤーが、Dol
by−AC3の復号機能を持たない場合、Dolby−
AC3フォーマットのままデジタルデータを出力して転
送し、AC3対応のAVアンプに入力することで再生を
行なうといった用途に利用されている。
【0005】ところで、PCMデータや、MPEG−A
udio方式のデータなど、さまざまなフォーマットの
オーディオデータを転送できる転送方式では、受信側
で、そのデータの種類の判別を行なう必要がある。
【0006】その方法としては、たとえば、上述したS
/PDIF規格などの転送方式においては、MPEG−
Audio方式などのデータストリームの中に、その方
式を示す特定のビットパターンを挿入しておき、受信側
が、転送されるオーディオデータ内で特定のビットパタ
ーンを検出することで判別を行なうという方式がある。
【0007】この方法の具体的な例として、S/PDI
F規格での転送において、PCM形式のデータとMPE
G−Audio LayerII形式のデータを判別す
る場合について、以下、図面を用いて説明する。
【0008】図6は、ISO/IEC60958で規定
されたS/PDIFのデータストリームの構造を説明す
るための概念図である。
【0009】ISO/IEC60958のデータストリ
ームは、S/PDIFフレームの連続として成り立って
おり、S/PDIFフレームの各々は、2つのS/PD
IFサブフレームから成り立っている。S/PDIFサ
ブフレームは、ヘッダ、データ領域、フッダから成り立
っており、データ領域に16〜24ビットのデータを格
納できる。
【0010】ISO/IEC60958規格は、PCM
データの転送を行なうために定められた規格である。こ
こでは、ステレオのPCM形式のデータをこの方式で転
送する場合のデータストリームの構造を説明する。
【0011】図7は、ステレオ音声に対するPCMスト
リームおよびこれを転送するためのS/PDIFストリ
ームのデータ構造を示す図である。
【0012】図7において、ステレオ音声に対するPC
MストリームのL0が時刻0の左チャネルのオーディオ
サンプルを示し、R0が時刻0における右チャネルのオ
ーディオサンプルを示す。L1は、同様にして時刻1の
左チャネルのオーディオサンプル、R1が右チャネルの
オーディオサンプルというように、ファイルのチャネル
のオーディオサンプルが隣り合って時刻順に並んだ構成
となっている。
【0013】これに対応して、ステレオ音声に対するP
CMストリームを、S/PDIF方式で転送する場合の
データ構造においては、S/PDIFフレーム内の2つ
のS/PDIFサブフレームのデータ領域に、左右のチ
ャネルの1容量サンプルが各々16〜24ビットデータ
として格納されている。
【0014】また、連続するS/PDIFフレームに
は、オーディオサンプルが時刻順に格納されている。
【0015】一方、ISO/IEC61937規格は、
ISO/IEC60958規格と同じS/PDIFフレ
ームの構造を用いて、PCM以外の形式のオーディオデ
ータを転送するために定められた規格である。
【0016】以下では、一例として、MPEG1−Au
dio LayerII形式のデータを、S/PDIF
(ISO/IEC61937)方式で転送する場合のデ
ータストリームの構造を説明する。
【0017】図8(a)〜(c)は、MPEG1−Au
dio LayerIIストリームのデータ構造および
これを転送するためのS/PDIFストリームのデータ
構造を説明するための概念図である。
【0018】図8(a)に示すとおり、MPEG1−A
udio LayerIIストリームは、フレームと呼
ばれるデータ構造の連続で成り立っている。
【0019】フレームは、復号を行なうデータ単位であ
り、フレームの先頭を示す一定の同期パターンで始ま
り、内部に1チャネル当たり1152サンプル分の情報
を格納している。
【0020】このデータをS/PDIF方式で転送する
場合、図8(b)に示したように、まず、64ビットの
プリアンブルデータがフレームの先頭に付加される。
【0021】64ビットのプリアンブルデータの先頭の
32ビットのデータD0およびD1は、規格で定められ
た定ビットパターンである。このパターンを用いて、フ
レームの先頭を検知することができる。
【0022】次の16ビットのデータD2は、データ形
式ごとに定められたコードであり、このコードを用い
て、転送されるデータの種類を判別することができる。
ここでは、MPEG−Audio LayerII形式
であることを示すコードが格納されている。
【0023】最後の16ビットのデータD3は、フレー
ムのサイズを示す値であり、このデータを用いて、フレ
ームのサイズをシステムは知ることができる。
【0024】図8(c)は、上述したようなデータをS
/PDIF方式で転送する場合のデータ構造を示す図で
ある。
【0025】各フレームは、1152個の連続するS/
PDIFフレーム内に格納され転送される。
【0026】具体的には、64ビットのプリアンブルデ
ータが付加されたMPEG1−Audio Layer
IIフレームのデータが、先頭から順に16ビットずつ
S/PDIFサブフレームのデータ領域に格納される。
1152個の連続するS/PDIFフレームのうち、デ
ータが格納されなかった残りのS/PDIFフレームに
は、スタッフィングデータとして0値が挿入され、次の
フレームのデータは、次の1152個のS/PDIFフ
レームに格納される。
【0027】上述したように、PCM形式のデータとM
PEG1−Audio LayerII形式のデータ
は、同じS/PDIFフレームの構造に格納されて転送
されるので、受信側では、内部に格納されているデータ
の種類の判別を行なう必要がある。以下では、上述した
ようなデータ構造を用いて、データの転送を行ない、受
信側がそのデータの種類を判別する処理について説明を
することにする。
【0028】図9は、このような受信側においてデータ
の種別を判別する処理を行なう構成を示す概略ブロック
図である。
【0029】図9を参照して、送信装置500における
「オーディオデータ」は転送されるデータであり、図7
に示したようなPCMストリームや、図8(b)に示し
たようなMPEG1−Audio LayerIIスト
リームである。デジタルインターフェイストランスミッ
タ(以下、DITと呼ぶ)510は、「オーディオデー
タ」に対して、S/PDIFフレームやS/PDIFサ
ブフレームのパケット化を行ない、図7や図8(c)の
ようなS/PDIFストリームに変換し、そのデータを
送信装置500の外部へ1ビットずつ順に出力する。
【0030】受信装置600において、デジタルインタ
ーフェイスレシーバ(以下、DIRと呼ぶ)610は、
送信装置500から送られてくるS/PDIFストリー
ムを1ビットずつ順に受信し、S/PDIFフレームや
S/PDIFサブフレームのパケットを外して、送信装
置から送信したオーディオデータを復元する。
【0031】受信装置600のデータ種類判別部620
は、オーディオデータの中に、プリアンブルデータの先
頭32ビットの定ビットパターンやMPEG1−Aud
ioLayerIIフレームの同期パターンが存在する
かどうかを調べ、ある一定時間内にそのパターンが現わ
れなければPCM形式のデータと判別し、逆に現われれ
ば、MPEG1−Audio LayerII形式のデ
ータと判別し、「データ種類」として「オーディオデー
タ」とともにデータを、後続する復号回路等に対して出
力する。
【0032】このような方法により、転送されたデータ
種類の判別が可能になり、そのデータ種類に基づいて、
その後に続く復号処理や再生処理を正常に行なうことが
できる。
【0033】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たような方法では、PCM形式のデータ内に、偶然、M
PEG1−Audio LayerII形式のデータを
示すビットパターンが現われた場合、受信側でデータの
種類の判別を誤る可能性がある。このため、データの種
類を誤って判別した場合、受信側では、続いて行なわれ
る復号処理や再生処理が正常に行なわれないため、音が
出ない、途切れる、または、雑音として再生されるとい
った問題が生じる。
【0034】本発明は、このような問題点を解決するた
めになされたものであって、その目的は、受信側が誤判
別を起こすようなビットパターンを送信時に検出し、誤
判別を行なわないビットパターンに変換することで、受
信側に良好な再生を行なわせることを可能とするデジタ
ルオーディオデータ出力装置を提供することである。
【0035】この発明の他の目的は、誤判別を行なわな
いビットパターンに変換する場合に、聴覚的な特性を考
慮することで、変換によって聴覚的な変化が起こらない
ようにすることが可能なデジタルオーディオデータ出力
装置を提供することである。
【0036】
【課題を解決するための手段】請求項1記載のデジタル
オーディオデータ出力装置は、受信する側の装置が受信
データの種類を特定のビットパターンで判別する場合
に、デジタルオーディオデータを送信するためのデジタ
ルオーディオデータ出力装置であって、特定のビットパ
ターンと送出するデータの比較を行なう比較手段と、比
較の結果、送出するデータが特定のビットパターンと一
致した場合、送出するデータの補正を行なう補正手段と
を備える。
【0037】請求項2記載のデジタルオーディオデータ
出力装置は、請求項1記載のデジタルオーディオデータ
出力装置の構成に加えて、補正手段は、前後のデータか
らの予測値を算出して、予測値に置き換えることで補正
を行なう。
【0038】請求項3記載のデジタルオーディオデータ
出力装置は、請求項1記載のデジタルオーディオデータ
出力装置の構成に加えて、補正手段は、前後のデータか
ら予測値を算出して、予測値が本来の値より大きい場合
には本来の値に1を加え、予測値が本来の値より小さい
場合には本来の値から1を減ずることで補正を行なう。
【0039】請求項4記載のデジタルオーディオデータ
出力装置は、請求項1記載のデジタルオーディオデータ
出力装置の構成に加えて、補正手段は、予め設定された
聴感上人間に聞き取れないデータを加算して補正を行な
う。
【0040】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態について説明する。
【0041】また、以下の説明では、MPEG1−Au
dio LayerII形式のデータを、ISO/IE
C61937方式で送信する場合と誤判別しないよう
に、ステレオのPCM形式のデータをISO/IEC6
0958方式で送信する出力装置を例として説明するこ
とにする。
【0042】しかしながら、本発明はこのような構成に
限定されることなく、転送されたオーディオデータの種
類の判別を、特定のビットパターンが送出データ中に含
まれるか否かによって判別が行なわれるデータの転送方
式であれば、他の転送方式に適用することも可能なもの
である。
【0043】[実施の形態1]図1は、本発明に係るデ
ジタルオーディオデータ出力装置100のシステム構成
を示す概略ブロック図である。
【0044】図1を参照して、デジタルオーディオデー
タ出力装置100は、以下に説明するとおり、特定のビ
ットパターンと送出するデータの比較を行ない、比較の
結果、送出するデータが特定のビットパターンと一致し
た場合、送出するデータの補正を行なった上でデータを
送出することで、受信側がデータの種類の判別を誤るこ
とを防ぐこと可能とするものである。
【0045】図1を参照して、「オーディオデータ」
は、システムへの入力となるデジタルのオーディオデー
タであり、PCM形式のデータやMPEG1−Audi
o LayerII形式などのPCM形式以外のデータ
である。ここでは、「オーディオデータ」としてステレ
オのPCM形式のデータが入力されている場合を考え
る。
【0046】データバッファ10は、「オーディオデー
タ」を入力として、データを一時的に格納し、「補正オ
ーディオデータ」として出力するためのバッファであ
る。
【0047】DIT20は、「補正オーディオデータ」
をデータバッファ10から読出し、S/PDIFフレー
ム化して、「S/PDIFストリーム」として外部に送
出する。「S/PDIFストリーム」を外部へ送出する
データ速度は一定であり、DIT20はその速度に合わ
せて、「補正オーディオデータ」をデータバッファ10
から読出す。また、データバッファ10は、DIT20
からの読出に合わせて「オーディオデータ」を取込むも
のとする。
【0048】ここで、図2は、データバッファ10の具
体的な構造を説明するための概略ブロック図である。
【0049】図2を参照して、バッファL0、バッファ
R0、バッファL1、バッファR1、…、バッファL
(N−1)、バッファR(N−1)の各バッファは、P
CM形式の場合の1オーディオサンプル、または、PC
M形式以外の場合の16ビットデータを可能できるデー
タバッファである。したがって、これらのバッファによ
り、合計2N個(N:自然数)のデータを格納すること
ができる。
【0050】DIT20は、「補正オーディオデータ」
として、バッファL(N−1)、バッファR(N−1)
内のデータを読出す。このとき、バッファL(N−2)
内のデータが、バッファL(N−1)に、バッファR
(N−2)内のデータがバッファL(N−1)に、バッ
ファL(N−3)内のデータがバッファL(N−2)
に、バッファR(N−3)内のデータがバッファR(N
−2)に、さらに、以下同様にして、バッファL0内の
データがバッファL1に、バッファR0内のデータがバ
ッファR1にというように順にシフト動作される。
【0051】また、並行して、「オーディオデータ」と
して、PCM形式のデータの場合は、左右チャネルの各
1オーディオサンプル、PCM形式以外の場合は16ビ
ットデータが2つ分、バッファL0、バッファR0に取
込まれる。
【0052】再び、図1を参照して、「データ種類」
は、「オーディオデータ」がPCM形式のデータである
のか、MPEG−Audio LayerII形式デー
タであるのかといったデータの種類を示す信号である。
ここでは、「データ種類」としては、上述のとおり、ス
テレオのPCMデータの場合を考える。
【0053】ビットパターンテーブル格納部30は、受
信側が各データ種類のデータを検知するときに使用する
ビットパターンの一覧のテーブルを格納している。ここ
では、受信側がMPEG1−Audio LayerI
I形式の判別に使用する可能性のある、プリアンブルの
先頭32ビットのビットパターンとMPEG1−Aud
io LayerIIフレームの同期パターンが格納さ
れているものとする。
【0054】オーディオデータ比較部40は、最初に、
「データ種類」をもとに「オーディオデータ」のデータ
種類を確認する。ここでは、「オーディオデータ」がス
テレオのPCM形式のデータを示しており、このとき
は、以下の処理を行なうことになる。
【0055】すなわち、まず、オーディオデータ比較部
40は、データバッファ10から「比較データ」とし
て、バッファLM、バッファRM内のデータを読出す。
ここで、Mは、Nが偶数のときはN/2、Nが奇数のと
きは(N+1)/2とする。
【0056】次に、読出したデータとビットパターンテ
ーブル格納部30に格納されたパターンとの比較を行な
う。比較の結果、それらのうち一致するものがある場合
は、オーディオデータ補正部50に「補正指示」を送出
する。
【0057】以上の処理は、DIT20からのデータの
読出が発生し、データバッファ10内の全データが隣の
バッファに移動されるたびに行なわれるものとする。
【0058】オーディオデータ補正部50は、「補正指
示」を受取ったときに、データバッファ10内にあるデ
ータを「補正前データ」として読出し、データの補正を
行なって、「補正後データ」としてデータバッファ10
内に書込む。
【0059】以下、オーディオデータ補正部50が補正
を行なう具体的な方法について、バッファLM内のデー
タが、ビットパターンテーブル格納部30に格納された
パターンと一致した場合を例に説明することにする。
【0060】すなわち、バッファL0からバッファL
(N−1)までのデータが、(N−2)次の多項式で近
似できるとし、バッファL0、バッファL1、…、バッ
ファL(M−1)、バッファL(M+1)、…、バッフ
ァL(N−1)の(N−1)個のデータとの誤差が最小
になるように、多項式を決定し、その多項式から計算さ
れる値をバッファLMの値として書換えるものとする。
【0061】つまり、バッファ内のサンプル値をY、バ
ッファのインデックスをXとすると、多項式で近似した
予測値Y*は、以下の式(1)により表わすことができ
る。
【0062】さらに、この際に実際の値との誤差Eは、
式(2)で表わすことができる。
【0063】
【数1】
【0064】したがって、この誤差を最小とする多項式
を決定するには、係数ap(p=0〜N−2)を求めれ
ばよく、これらは以下の連立方程式を解くことによって
求めることができる。
【0065】
【数2】
【0066】以上の方法で求めた多項式(1)を用い
て、X=MのときのY*を計算し、この値を「補正後デ
ータ」としてバッファLMに書込めばよい。
【0067】以上のような構成により、受信側がMPE
G1−Audio LayerII形式のデータと誤判
別を起こすようなビットパターンを送信時に検出し、誤
判別を行なわないビットパターンに変換して、PCM形
式のデータを送出することで、受信側に良好な再生を行
なわせることが可能になる。また、誤判別を行なわない
ビットパターンに変換するときに、周囲のデータを用い
て補間することにより、変換によって音質の劣化を起こ
さないようにすることが可能になる。
【0068】[実施の形態2]実施の形態2のデジタル
オーディオデータ出力装置の構成は、基本的に、実施の
形態1で説明したデジタルオーディオデータ出力装置1
00の構成と同様である。
【0069】ただし、以下に説明するとおり、オーディ
オデータ補正部50において行なわれる処理が実施の形
態1の構成とは異なる。
【0070】以下、実施の形態2のオーディオデータ補
正部50が、「補正指示」を受取ったとき、データバッ
ファ10内にあるデータを「補正前データ」として読出
し、データの補正を行なって、「補正後データ」として
データバッファ10内に書込む際に行なう補正の具体的
な方法について説明する。
【0071】このとき、バッファLM内のデータが、ビ
ットパターンテーブル格納部30に格納されたパターン
と一致しているものとする。
【0072】この場合、実施の形態2のオーディオデー
タ補正部50は、バッファL0からバッファL(N−
1)までのデータが、(N−2)時の多項式で近似でき
るとし、バッファL0、バッファL1、…、バッファL
(M−1)、バッファL(M+1)、…、バッファL
(N−1)の(N−1)個のデータとの誤差が最小にな
るように、多項式を決定し、その多項式から計算される
値に近づくようにバッファLMの値を1だけ加算、また
は減算して書換える。
【0073】つまり、バッファ内のサンプル値をY、バ
ッファのインデックスをXとすると、多項式に近似した
予測値Y*は、実施の形態1と同様にして、式(1)に
より表わすことができる。
【0074】このとき、実際の値との誤差Eも、実施の
形態1と同様にして、式(2)により計算できる。この
誤差を最小とする多項式を決定するには、係数Ap(p
=0〜N−2)を求めればよく、この係数を算出する手
続きも、実施の形態1と同様である。
【0075】以上の方法で求めた式(1)で表わされる
多項式を用いて、X=MのときのY *を計算することに
なる。
【0076】この場合、このY*の値がバッファLMに
格納されている値より大きい場合は、バッファLMの値
を1増加させた値を「補正後データ」としてバッファL
Mに書込む。この値がバッファLMの値より小さい場
合、バッファLMの値を1減少させた値を「補正後デー
タ」としてバッファLMに書込むことにする。
【0077】以上の方法によっても、受信側がMPEG
1−Audio LayerII形式のデータと誤判別
を起こすようなビットパターンを送信時に検出し、誤判
別を行なわないビットパターンに変換した上で、PCM
形式のデータを送出することとなるため、受信側に良好
な再生を行なわせることが可能になる。
【0078】また、誤判別を行なわないビットパターン
に変換するときに、元の値により近い値を使用すること
により、変換によって音質の劣化を起こさないようにす
ることが可能になる。
【0079】[実施の形態3]実施の形態3のデジタル
オーディオデータ出力装置の構成は、実施の形態1で説
明したデジタルオーディオデータ出力装置の構成と基本
的に同様であるが、以下に説明するとおりオーディオデ
ータ補正部50が行なう処理が異なる。
【0080】すなわち、実施の形態3のオーディオデー
タ補正部50が、「補正指示」を受取ったとき、データ
バッファ10内にあるデータを「補正前データ」として
読出し、データの補正を行なって、「補正後データ」と
してデータバッファ10内に書込む際に行なわれる補正
の具体的な方法について、バッファLM内のデータが、
ビットパターンテーブル格納部30に格納されたパター
ンと一致した場合を例にとって以下に説明する。
【0081】人間の聴感的な感度は周波数に依存してお
り、低い周波数の音や高い周波数の音は中域の音に比べ
物理的に同じ大きさの音であっても聞こえにくいという
ことが知られている。
【0082】このような周波数ごとの聴感的な特性につ
いては、たとえば、ISO226などの規格にまとめら
れている。
【0083】図3および図4は、実施の形態3のオーデ
ィオデータ補正部50が確保している信号パターンを説
明するための概念図である。
【0084】図3は、高周波数の補正用信号の信号パタ
ーンを示し、図4は、低周波数の補正用信号の信号パタ
ーンを示す。
【0085】ここで、このような補正用信号は、低周波
数帯域や高周波数帯域の信号であり、かつ、振幅の小さ
な信号であるので、上記の理由により、人間には聞き取
りにくい信号である。
【0086】図5は、人間の最小可聴閾値と上述した補
正用信号の周波数スペクトルを示す図であり、図5
(a)は、人間の最小可聴閾値と高周波数の補正用信号
の信号の周波数スペクトルを示し、図5(b)は、人間
の最小可聴閾値と高周波数の補正用信号の信号の周波数
スペクトルを示す。
【0087】オーディオデータ補正部50は、「補正前
データ」として、バッファL0、バッファL1、…、バ
ッファL(N−1)のN個のデータを取込み、これに図
3または図4に示したような補正用信号パターンを加算
する。加算してできたデータ列を「補正後データ」とし
て、バッファL0、バッファL1、…、バッファL(N
−1)に書込む。
【0088】以上のような方法によっても、受信側がM
PEG−Audio LayerII形式のデータと誤
判別を起こすようなビットパターンを送信時に検出し、
誤判別を行なわないビットパターンに変換して、PCM
形式のデータを送出する。このような処理を行なうこと
で、受信側に良好な再生を行なわせることが可能にな
る。また、誤判別を行なわないビットパターンに変換す
るときに、聴感的な特性を考慮することにより、変換に
よって音質の劣化を起こさないようにすることが可能と
なる。
【0089】今回開示された実施の形態はすべての点で
例示であって制限的なものではないと考えられるべきで
ある。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求
の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味お
よび範囲内でのすべての変更が含まれることが意図され
る。
【0090】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明によるデジ
タルオーディオデータ出力装置によれば、デジタルオー
ディオデータを受信する側の装置が、そのデータの種類
を特定のビットパターンで判別する場合に、受信側が誤
判別を起こすようなビットパターンを送信時に検出し、
誤判別を行なわないビットパターンに変換することで、
受信側の誤判別を防止し良好な再生を行なわせることが
可能となる。また、誤判別を行なわないビットパターン
に変換するときに、聴覚的な特性を考慮することで、変
換によって音質の劣化が起こらないようにすることが可
能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るデジタルオーディオデータ出力
装置100のシステム構成を示す概略ブロック図であ
る。
【図2】 データバッファ10の具体的な構造を説明す
るための概略ブロック図である。
【図3】 オーディオデータ補正部50が確保している
高周波の補正用信号パターンを説明するための概念図で
ある。
【図4】 オーディオデータ補正部50が確保している
低周波の補正用信号パターンを説明するための概念図で
ある。
【図5】 人間の最小可聴閾値と補正用信号の周波数ス
ペクトルを示す図である。
【図6】 S/PDIFのデータストリームの構造を説
明するための概念図である。
【図7】 ステレオ音声に対するPCMストリームおよ
びこれを転送するためのS/PDIFストリームのデー
タ構造を示す図である。
【図8】 MPEG1−Audio LayerIIス
トリームのデータ構造およびこれを転送するためのS/
PDIFストリームのデータ構造を説明するための概念
図である。
【図9】 受信側においてデータの種別を判別する処理
を行なう構成を示す概略ブロック図である。
【符号の説明】
10 データバッファ、20 DIT、30 ビットパ
ターンテーブル格納部、40 オーディオデータ比較
部、50 オーディオデータ補正部、100 デジタル
オーディオデータ出力装置、500 送信装置、510
DIT、600受信装置、610 DIR、620
データ種類判別部。
フロントページの続き Fターム(参考) 5D044 AB05 BC04 CC04 DE43 DE49 DE53 FG10 FG18 GK08 GK12 HL11 5D045 DA11 5J064 AA01 AA05 BB03 BC26 BD02

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 受信する側の装置が受信データの種類を
    特定のビットパターンで判別する場合に、デジタルオー
    ディオデータを送信するためのデジタルオーディオデー
    タ出力装置であって、 前記特定のビットパターンと送出するデータの比較を行
    なう比較手段と、 比較の結果、送出するデータが前記特定のビットパター
    ンと一致した場合、送出するデータの補正を行なう補正
    手段とを備える、デジタルオーディオデータ出力装置。
  2. 【請求項2】 前記補正手段は、前後のデータからの予
    測値を算出して、前記予測値に置き換えることで補正を
    行なう、請求項1に記載のデジタルオーディオデータ出
    力装置。
  3. 【請求項3】 前記補正手段は、前後のデータから予測
    値を算出して、前記予測値が本来の値より大きい場合に
    は本来の値に1を加え、前記予測値が本来の値より小さ
    い場合には本来の値から1を減ずることで補正を行な
    う、請求項1記載のデジタルオーディオデータ出力装
    置。
  4. 【請求項4】 前記補正手段は、予め設定された聴感上
    人間に聞き取れないデータを加算して補正を行なう、請
    求項1記載のデジタルオーディオデータ出力装置。
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