JP2002296865A - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

Info

Publication number
JP2002296865A
JP2002296865A JP2001098749A JP2001098749A JP2002296865A JP 2002296865 A JP2002296865 A JP 2002296865A JP 2001098749 A JP2001098749 A JP 2001098749A JP 2001098749 A JP2001098749 A JP 2001098749A JP 2002296865 A JP2002296865 A JP 2002296865A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
image forming
image
toner
forming apparatus
photoconductor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001098749A
Other languages
English (en)
Inventor
Takashi Kitagawa
高志 北川
Eiichi Kido
栄一 木戸
Toshiaki Ino
利昭 井野
Takayuki Yamanaka
隆幸 山中
Yoshiori Fujii
佳織 藤井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sharp Corp filed Critical Sharp Corp
Priority to JP2001098749A priority Critical patent/JP2002296865A/ja
Publication of JP2002296865A publication Critical patent/JP2002296865A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 タンデム型の画像形成装置における逆転写現
象の画像への影響をより容易に低減可能な画像形成装置
を提供する。 【解決手段】 本画像形成装置は、初期化帯電され、次
いで形成する画像に応じて露光されることにより静電潜
像が形成される表面を有する感光体ドラム12a〜12
dと、感光体ドラム12a〜12dとの間に電位差を生
じさせることにより、静電潜像にトナーを付与して現像
する現像装置16a〜16dとを有し、転写用紙に対し
て感光体ドラム12a〜12dからトナーを順次転写し
て重ね合わせることにより転写用紙上に画像を形成す
る。ここで、より先に転写用紙に対してトナーを転写さ
せる感光体ドラムでの現像濃度がより高くなるように、
感光体ドラム12a〜12dを初期化帯電するための初
期化帯電電位が設定されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数の感光体から
トナーを被転写体上に順次転写して重ね合わせることに
より被転写体上に画像を形成する画像形成装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】複数の現像装置を備え、各現像装置によ
ってそれぞれ異なった色の可視画像(トナー像)を形成
し、これらのトナー像を最終的に同一転写用紙に重ねて
転写するカラー画像形成装置が種々提案されている。一
般に、カラー画像形成装置は単一ドラム型と多段ドラム
型(タンデム型)に大別される。
【0003】図11は、単一ドラム型のカラー画像形成
装置の主要部構成を模式的に示す模式図である。このカ
ラー画像形成装置は、単一の感光体ドラム50の周面に
沿って、初期化帯電器52、4つの現像装置56a〜5
6d、および用紙巻き付け半導電性ドラム58が配置さ
れている。現像装置56a〜56dは、それぞれマゼン
タ(M:赤色)、シアン(C:緑味のある青色)、イエ
ロー(Y:黄色)、ブラック(Bk:黒色)のトナーを
有し、図11中の矢印D方向に移動することによりそれ
ぞれが感光体ドラム50と対向できるようになってい
る。なお、感光体ドラム50の周上において、初期化帯
電器52が感光体ドラム50に対向する位置と、現像装
置56a〜56dが感光体ドラム50に対向する位置と
の間において、記録ヘッド54からの画像データに応じ
たレーザー光が感光体ドラム50表面に照射される。用
紙巻き付け半導電性ドラム58は、感光体ドラム50と
対向しており、この対向部分が転写部となっている。用
紙巻き付け半導電性ドラム58を成す円筒の内周側に
は、転写電流(放電電流)を発生するコロナ放電器60
が上記転写部に近接して配設されている。
【0004】用紙巻き付け半導電性ドラム58は、図1
1中の矢印Aで示す方向から搬入されてくる転写用紙
を、図11中の矢印Bで示すように反時計回りに巻着し
て回転する。感光体ドラム50は、用紙巻き付け半導電
性ドラム58の周速度と同じ周速度で、図11中の矢印
Cで示すように時計回り方向に回転する。感光体ドラム
50の表面には、記録ヘッド54からのレーザー光の照
射に基づいてまずマゼンタのトナー像が形成される。こ
のトナー像は、コロナ放電器60からの転写電流の作用
によって用紙巻き付け半導電性ドラム58上の転写用紙
に転写される。次に、感光体ドラム50の表面には、シ
アンのトナー像が形成される。そして、このトナー像
は、1回転した用紙巻き付け半導電性ドラム58上の転
写用紙に転写され、先に転写されたマゼンタのトナー像
に重ね合わされる。同様にして、イエロー、ブラックの
トナー像が転写用紙上に重ね合わされる。
【0005】このようにして、上記4色のトナー像の転
写(塗り重ね)が終了すると、用紙巻き付け半導電性ド
ラム58による転写用紙の巻き付けが解除され、転写用
紙は搬送ベルト62によってその搬送先側に配置されて
いる定着部64に搬送される。そして、転写用紙が定着
部64を通過する際に、上記塗り重ねられた4色のトナ
ー像が転写用紙の紙面に熱定着される。
【0006】単一ドラム型のカラー画像形成装置では、
上記のように1枚(1頁)の転写用紙に対して、減法混
色の三原色であるマゼンタ、シアン、およびイエローの
各トナー像、並びに黒色部分専用として用いられるブラ
ックのトナー像の合計4種類のトナー像をそれぞれ個別
に印字(露光、現像、および転写)する。このため、転
写用紙1頁に対して印字工程が4回繰り返されることに
なる。その結果、印字処理に長時間を要してしまう。
【0007】これに対して、タンデム型のカラー画像形
成装置は、1工程で上記4種類のトナー像を転写用紙に
順次重ねて転写するため、単一ドラム型のカラー画像形
成装置と比較してほぼ4倍の印字処理速度を有してい
る。また、近年、タンデム型のカラー画像形成装置の内
部装置が小型化され、かつ、組装置化(ユニット化)さ
れて比較的安価になっている。これらのことから、タン
デム型のカラー画像形成装置が主流となりつつある。
【0008】図10は、タンデム型のカラー画像形成装
置の主要部構成を模式的に示す模式図である。このカラ
ー画像形成装置は、単一の転写搬送ベルト10の周囲に
沿って、4つの画像形成ユニットPa〜Pdが配置され
ている。各画像形成ユニットPa〜Pdは、それぞれブ
ラック、シアン、マゼンタ、およびイエローの各色のト
ナーを備え、それぞれの色のトナー像を形成するもので
ある。各画像形成ユニットPa〜Pdは、保有している
トナーの色は異なっているが、装置構成は同一である。
したがって、以下では各画像形成ユニットPa〜Pdの
対応する構成要素に対しては同一の符号を用い、各画像
形成ユニットおよびその構成要素を特に区別する場合に
は、符号にa〜dを付記して区別することとする。
【0009】画像形成ユニットPは、感光体ドラム12
を有しており、この感光体ドラム12は図10中の矢印
Eの向きに回転する。この感光体ドラム12の周囲に
は、感光体ドラム12の回転の向きに沿って、帯電用ロ
ールブラシ14、現像装置16、クリーニング装置18
が順に配置されている。そして、帯電用ロールブラシ1
4と現像装置16との間において、画像データに応じた
記録ヘッド20からのレーザー光が感光体ドラム12の
表面に照射される。帯電用ロールブラシ14の作用によ
り均一に帯電された感光体ドラム12の表面に記録ヘッ
ド20からのレーザー光が照射されることにより、感光
体ドラム12の表面に静電潜像が形成される。
【0010】帯電用ロールブラシ14は、感光体ドラム
12の表面を均一に帯電させるための帯電装置を構成す
る接触帯電部材である。この帯電用ロールブラシ14
は、カーボンが分散された導電性繊維から成るブラシで
あり、この導電性繊維の電気抵抗率は10から105 Ω
・mとなっている。この帯電用ロールブラシ14は、感
光体ドラム12の表面に接触し、かつ、感光体ドラム1
2に対してカウンター方向で回転している。これは感光
体ドラム12との接触確率を増やすとともに、帯電用ロ
ールブラシ14による掃きスジを目立たなくさせるため
である。
【0011】転写搬送ベルト10は、各画像形成ユニッ
トPの現像装置16とクリーニング装置18との間で感
光体ドラム12に当接している。そして、転写搬送ベル
ト10の感光体ドラム12側の面(表面)に対して裏側
に当たる面(裏面)には、転写バイアスを設定するため
の転写ブラシ22が配置されている。
【0012】このタンデム型のカラー画像形成装置にお
ける画像形成動作は次の通りである。まず、各画像形成
ユニットPにおいて、感光体ドラム12の表面が帯電用
ロールブラシ14により帯電される。次に、記録ヘッド
20からのレーザー光により、各画像形成ユニットPに
て作成する各色のトナー像に対応した静電潜像が感光体
ドラム12の表面に形成される。この静電潜像を現像装
置16により各色のトナーで現像することで、感光体ド
ラム12の表面にトナー像が形成される。各画像形成ユ
ニットPの感光体ドラム12で形成された各色のトナー
像は、転写ブラシ22の作用により、転写搬送ベルト1
0で搬送される転写用紙上に重ね合わされる。この転写
用紙は、給紙コロ(図示せず)によりトレイ24から送
り出されたものであり、一対のレジストローラ26で一
旦停止させられ、上記感光体ドラム12の表面へのトナ
ー像の形成とタイミングを合わせて転写搬送ベルト10
に送られる。そして、転写搬送ベルト10上に保持され
た転写用紙は、各感光体ドラム12との当接位置である
転写部を順次通過する。この転写部において、転写用紙
に対して各色のトナー像の転写が行われる。このとき、
感光体ドラム12上のトナー像は、転写ブラシ22に設
定された転写バイアスと感光体ドラム12に設定された
電位との電位差によって発生される電界により、転写用
紙上に転写される。各感光体ドラム12との転写部を通
過して4色のトナー像が重ね合わされた転写用紙は定着
装置28に搬送され、この定着装置28を通過する際に
トナーが転写用紙に定着される。その後転写用紙は図示
しない排紙部に排紙される。一方、転写部で転写されず
に各感光体ドラム12に残った残留トナーは、クリーニ
ング装置18で回収される。
【0013】なお、図10では画像形成ユニットPa〜
Pdが図10中の矢印Fで示す転写搬送ベルト10によ
る転写用紙の搬送方向における上流側から下流側に向け
て、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの順で配置
されているが、この順番に限るものではない。また、上
述したように各画像形成ユニットPは保有するトナーの
色、すなわち現像装置16の内部に蓄えられているトナ
ーの色が異なるだけで、装置構成は同一であり、現像装
置16における現像ローラの回転数も同一回転数に設定
されている。
【0014】なお、以下においても「上流」および「下
流」は、図10中の矢印Fで示す転写搬送ベルト10に
よる転写用紙の搬送方向に対して定義するものとする。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】ところが、タンデム型
のカラー画像形成装置では、上流側の画像形成ユニット
Pから転写用紙に対して転写された未定着トナーが、下
流側の画像形成ユニットPにより奪われてしまう逆転写
現象が発生し得る。この逆転写現象が発生すると良好な
カラー画像が得られない場合がある。
【0016】逆転写現象が発生する理由は、一般的に次
のように考えられている。画像形成工程において、感光
体(ドラムまたはベルト)の電位に応じて現像ローラか
らトナーが感光体に付着する際に、トナーは必ずしも一
様な電荷(マイナス電荷)を帯びているわけではなく、
電荷量の小さいものや逆の電荷(プラス電荷)を有する
ものも混在し得る。また、感光体に付着後のトナーが感
光体から離れて転写用紙に転写される際のトナーの剥離
工程で放電が生じ、その後逆の電荷(プラス電荷)を帯
びるものもある。これらが後段の転写工程における電界
の影響によって少しずつ感光体側に逆戻りすることから
逆転写現象が生じるとされている。
【0017】タンデム型のカラー画像形成装置では、最
上流の画像形成ユニットPaにおいて形成された1層目
のトナー像が、まず転写用紙上に転写される。そして、
次の画像形成ユニットPbにおいて形成された2層目の
トナー像を、先に転写用紙上に転写された1層目のトナ
ー像に重ね合わせて転写する際に、1層目のトナー像の
トナーの一部が画像形成ユニットPbの感光体ドラム1
2b側に逆転写されることがある。同様のことは、上流
側から3番目および4番目の画像形成ユニットPc・P
dとの関係においても起こりうる。
【0018】このため、最下流の画像形成ユニットPd
で4層目のトナー像の転写を終了した後では、1層目の
トナー像の転写用紙へのトナー付着量が当初の付着量に
比べて数10%に減少してしまうことがある。このよう
な現象は、2層目のトナー像、および3層目のトナー像
にも生じ得る。したがって、例えば各画像形成ユニット
Pにおいて同じ現像濃度(感光体ドラム12上でのトナ
ーの濃度)のトナー像を形成して転写用紙に転写した場
合には、各色のトナー像の転写用紙への最終的な付着量
は、1層目のトナー像が最も少なく、「1層目の付着
量」<「2層目の付着量」<「3層目の付着量」<「4
層目の付着量」というバランスの崩れた配色となる。ま
た、後述する図2に示す逆転写量(再転写量、リトラン
スファー量)と画像濃度(転写用紙に定着された後の各
色の濃度)との関係から分かるように、逆転写量が多く
なるほど画像濃度は低下する。ここで、逆転写量とは、
逆転写現象によって転写用紙から奪われるトナーの量で
ある。このため、下流側に配置された画像形成ユニット
Pで形成されるトナー像の色ほど画像濃度が高くなるこ
とになり、形成される画像は正しい色相から離れたカラ
ー画像となってしまうという問題があった。
【0019】従来、逆転写現象を考慮した技術は、例え
ば特開平8−106197号公報に開示されている。こ
の公報に開示された技術では、複数の現像装置を備える
画像形成装置において、各現像装置の現像剤のトナーの
トリボ電荷量、または各現像装置の現像剤の体積固有抵
抗値を転写順序により低減している。しかし、この技術
は、現像剤の特性に依存しているため、現像剤の特性管
理のための手間やコストが増大するという問題を招来す
る。また、単純に現像剤の特性を変化させると、画像形
成工程全体的には他の要因により、形成される画像に異
常が発生する傾向にある。単純に現像剤の特性を変化さ
せると、例えば、ライフ時(長期間にわたる耐久使用
時)の現像剤の特性劣化(帯電特性の変化)、あるいは
環境変動による帯電特性の変化も現像剤ごとに異なるこ
とになると考えられ、このことは画質制御性や画質安定
性において不利な方向に作用することになる。
【0020】本発明は、上記の課題に鑑みてなされたも
のであり、その目的は、現像剤の特性管理等によらず、
逆転写現象の画像への影響をより容易に低減可能な画像
形成装置を提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明に係る画像形成装
置は、初期化帯電され、次いで形成する画像に応じて露
光されることにより静電潜像が形成される表面を有する
感光体と、上記感光体との間に電位差を生じさせること
により、上記感光体表面の静電潜像にトナーを付与して
現像する現像装置とを有する画像形成ユニットを複数備
え、被転写体に対して上記各感光体からトナーを順次転
写して重ね合わせることにより上記被転写体上に画像を
形成する画像形成装置であって、上記の課題を解決する
ために、より先に上記被転写体に対してトナーを転写さ
せる感光体での現像濃度がより高くなるように、上記各
感光体を初期化帯電するための初期化帯電電位が設定さ
れていることを特徴としている。
【0022】上記の構成では、より先に被転写体に対し
てトナーを転写させる感光体、つまり被転写体の搬送方
向に対してより上流側に位置する画像形成ユニットの感
光体において、現像濃度がより高くなる、つまり非白地
側となるように初期化帯電電位が設定されている。逆
に、下流側に位置する画像形成ユニットの感光体におい
ては、現像濃度が白地側となるように初期化帯電電位が
設定されている。したがって、感光体の露光量が同じで
あれば、上流側の感光体の静電潜像の方がより高濃度に
現像されることになる。これにより、特にカラー画像形
成を行う際に、逆転写現象の発生回数がより多く、逆転
写量がより多くなる上流側の画像形成ユニットから転写
されたトナー像の現像濃度低下を抑制することができ
る。その結果、逆転写現象の画像への影響、つまり、上
流側に配置された画像形成ユニットのトナーの色ほど画
像濃度が低くなり、形成する画像が正しい色相から離れ
た色バランスの崩れたものとなるということを抑制する
ことができる。
【0023】本発明に係る画像形成装置は、上記の画像
形成装置において、さらに、上記感光体表面が露光され
たときの上記感光体表面の電位の変化の方向を順方向と
すると、より先に上記被転写体に対してトナーを転写さ
せる感光体を有する画像形成ユニットにおける初期化帯
電電位がより順方向の値となるように、上記各感光体を
初期化帯電するための初期化帯電電位が設定されている
ことが好ましい。
【0024】上記の構成では、画像形成ユニットが被転
写体の搬送方向に対して上流側から下流側に移行するに
つれて、その初期化帯電電位が順次順方向とは逆の方向
にシフトするように設定されている。これにより、上流
側から下流側に移行するにつれて順次現像濃度が低くな
るように設定でき、上記の効果が得られる。
【0025】本発明に係る画像形成装置は、上記の画像
形成装置において、さらに、上記各画像形成ユニット
が、上記感光体表面を初期化帯電させるコロナ帯電装置
を有し、上記コロナ帯電装置は、電荷を発生させる電荷
発生部と、上記電荷発生部と上記感光体との間に介在
し、上記電荷発生部にて発生した電荷を上記感光体側へ
導くグリッド電極とを有しており、上記電荷発生部、上
記グリッド電極、および上記感光体の位置関係が上記各
画像形成ユニット間で異なることにより、上記各画像形
成ユニット間での初期化帯電電位の上記設定が実現され
ることが好ましい。
【0026】上記の構成では、各画像形成ユニット間に
おいて、電荷発生部、グリッド電極、および感光体の位
置関係が異なることにより各画像形成ユニット間での初
期化帯電電位の上記設定が実現されている。
【0027】ここで、各感光体間の初期化帯電電位を変
化させるためには、感光体を帯電させる帯電装置への印
加電圧を各画像形成ユニット間で変化させることが考え
られる。しかし、帯電装置への印加電圧は比較的高電圧
であるため、帯電装置への印加電圧を各画像形成ユニッ
ト間で変化させると、それを発生させる高圧電源の負担
を大きくしてしまう。また、帯電装置への印加電圧を大
きくする場合、それにともなって発生するオゾン量が増
大し、帯電ムラ(帯電の均一性の低下)が顕著となって
画像濃度が不安定になる可能性がある。さらに、高圧電
源からは一定の電圧を発生させ、高圧電源と各帯電装置
との間に電気抵抗を挿入する等して帯電装置への印加電
圧を調整することも考えられるが、この場合には電圧供
給系統の複雑化や部品点数の増加、電気抵抗による電力
の浪費等の問題を招来する。
【0028】これに対して、上記の構成では、高圧の電
気系統を変更することなく帯電装置周辺の構造的変更に
より初期化帯電電位を変化させることができるため、上
記の問題の発生を回避することが可能になる。
【0029】本発明に係る画像形成装置は、上記の画像
形成装置において、さらに、上記各コロナ帯電装置の上
記電荷発生部と上記グリッド電極との距離が同一であ
り、上記グリッド電極と上記感光体との距離が上記各画
像形成ユニット間で異なることにより、上記各画像形成
ユニット間での初期化帯電電位の上記設定が実現される
ことが好ましい。例えば、より先に上記被転写体に対し
てトナーを転写させる感光体を有する画像形成ユニット
における上記グリッド電極と上記感光体との距離がより
大きく設定されていることが好ましい。
【0030】上記の構成では、各コロナ帯電装置として
同一のものを利用し、各画像形成ユニット間で例えばコ
ロナ帯電装置の取り付け位置を異ならせるだけで、初期
化帯電電位の上記設定が可能である。これにより、複数
種類のコロナ帯電装置が必要となることを回避でき、装
置のコストアップを抑制できる。
【0031】本発明に係る画像形成装置は、上記の画像
形成装置において、さらに、上記画像形成ユニットを4
つ備え、最も先に上記被転写体に対してトナーを転写さ
せる感光体からはブラックのトナーを転写し、他の感光
体からはそれぞれシアン、マゼンタ、およびイエローの
トナーを転写することによりカラー画像を形成すること
が好ましい。
【0032】上記の構成では、被転写体の搬送方向に対
する最上流の感光体からブラックのトナーを転写し、下
流側の感光体からシアン、マゼンタ、およびイエローの
各トナー(順序を問わない)を転写することによりカラ
ー画像を形成する。つまり、最上流の画像形成ユニット
がブラックのトナーを収容し、下流側の画像形成ユニッ
トがシアン、マゼンタ、およびイエローの各トナーをを
収容している。
【0033】これにより、被転写体でのトナーの積層順
はブラックが1層目(最下層)となり、他の色がその上
に重なることになる。これにより形成する画像での色再
現性が向上する。また、ブラックはカラー画像の色目へ
の影響が比較的小さい。このブラックを最初に転写する
トナー、つまり最も逆転写現象の影響が大きいトナーと
することにより、逆転写現象の画像への影響をより効果
的に抑えることができる。
【0034】
【発明の実施の形態】本発明の実施の一形態について図
1から図10に基づいて説明すれば、以下の通りであ
る。図1は、本実施の形態におけるタンデム型のカラー
画像形成装置(画像形成装置)の主要部構成を模式的に
示す模式図である。なお、本画像形成装置の構成は、従
来の技術において図10に基づいて説明したものと基本
的には同じである。したがって、図1および以下の説明
においては、図10に基づいて説明した構成要素と同一
の機能を有する構成要素には同一の符号を付記し、その
説明を省略する。本画像形成装置は、電子写真方式のカ
ラー複写機やカラープリンタ等として利用されるもので
ある。
【0035】タンデム型の本画像形成装置では、上流側
に配置される画像形成ユニットPの感光体ドラム12か
ら転写されるトナー像ほど後段において逆転写現象の影
響を受ける回数が多い。したがって、上流側で転写され
るトナーほど下流側で転写されるトナーより逆転写量が
多くなる。つまり、1層目(最下層)のトナー像から4
層目(最上層)のトナー像へ移行するにしたがって順次
逆転写量が減少し、転写順が後のトナー像、つまり上層
側に配されるトナー像ほど逆転写量が少なくなる。
【0036】なお、最上流の画像形成ユニットPaの感
光体ドラム12aから転写されるトナー像を1層目のト
ナー像、以下画像形成ユニットPb・Pc・Pdの各感
光体ドラム12b・12c・12dから転写されるトナ
ー像をそれぞれ2層目、3層目、および4層目のトナー
像と称している。また、1層目側を下層側と、4層目側
を上層側と称している。
【0037】図2は、逆転写量と画像濃度との関係を示
すグラフである。図2に示すように、逆転写現象と画像
濃度との関係は、逆転写量が多いほど画像濃度が低くな
り、逆転写量が少ないほど画像濃度が高くなる関係にあ
る。したがって、下層側のトナー像ほど画像濃度が低く
なり、上層側のトナー像ほど画像濃度が高くなることに
なる。
【0038】そこで、図3に示すように、トナー像の転
写順、つまり下層側のトナー像から上層側のトナー像に
移行するにしたがって、感光体ドラム12へのトナー付
着量が多い側から少ない側に変化するように設定するこ
とにより、各色間の画像濃度を一定に近づけることがで
きる。図3は、トナー像の転写順に対するトナー付着量
を示すグラフであり、各色が同じ画像濃度となるように
するためのトナー付着量を概念的に表している。
【0039】各トナー像の間で感光体ドラム12から転
写用紙への転写効率はほぼ一定であるので、感光体ドラ
ム12へのトナー付着量と転写用紙へ転写されるトナー
量とは相関がある。したがって、各感光体ドラム12か
らの転写工程で転写用紙に転写されるトナー量が、後段
で逆転写現象により減少する量に見合う量だけ余分に転
写されれば、逆転写現象による画像濃度の低下を防止す
ることができる。
【0040】そこで、本画像形成装置では、より先に転
写用紙(被転写体)に対してトナー像を転写させる感光
体ドラム(感光体)12での現像濃度がより高くなるよ
うに、各感光体ドラム12を初期化帯電するための初期
化帯電電位を設定している。つまり、転写順序が先のト
ナー像における感光体ドラム12でのトナー付着量が、
転写順序が後のトナー像における感光体ドラム12での
トナー付着量より多くなるように、各感光体ドラム12
を初期化帯電するための初期化帯電電位を設定してい
る。
【0041】この構成では、より先に転写用紙に対して
トナー像を転写させる感光体ドラム12、つまり転写用
紙の搬送方向(図1中矢印Fが指す方向)に対してより
上流側に位置する画像形成ユニットPの感光体ドラム1
2において、現像濃度がより高くなる、つまり非白地側
となるように初期化帯電電位が設定されている。逆に、
下流側に位置する画像形成ユニットPの感光体ドラム1
2においては、現像濃度が白地側となるように初期化帯
電電位が設定されている。したがって、感光体ドラム1
2の露光量が同じであれば、上流側の感光体ドラム12
の静電潜像の方がより高濃度に現像されることになる。
これにより、カラー画像形成を行う際に、逆転写現象の
発生回数がより多く逆転写量がより多くなる上流側の画
像形成ユニットPから転写されたトナー像の現像濃度低
下を抑制することができる。その結果、逆転写現象に起
因して上流側に配置された画像形成ユニットPのトナー
の色ほど画像濃度が低くなり、形成する画像が正しい色
相から離れた色バランスの崩れたものとなることを抑制
することができる。
【0042】図4は、本画像形成装置における現像装置
16の現像バイアスVDと、各画像形成ユニットPでの
感光体ドラム12の初期化帯電電位VOa〜VOd、明
部電位VEa〜VEd、およびコントラスト電圧VCa
〜VCdとの関係を示す概念図である。ここで、現像バ
イアスVDとは、現像装置16が有する現像ローラに対
して設定される電位である。初期化帯電電位VOとは、
感光体ドラム12が初期化帯電されたときの電位であ
る。明部電位VEとは、初期化帯電された感光体ドラム
12が露光されたときの露光部分の電位である。コント
ラスト電圧VCとは、現像バイアスVDと明部電位VE
との電位差である。
【0043】なお、図4では縦軸が電位を示すが、上方
向を負極性としている。また、図4では、横軸に各画像
形成ユニットPの場合を示し、各画像形成ユニットPの
場合において「X」の部分が感光体ドラム12の未露光
部分、「Y」の部分が感光体ドラム12の露光部分を示
している。さらに、図4における明部電位VEa〜VE
dは、各感光体ドラム12がそれぞれ同一の光量で露光
された場合を仮定している。
【0044】感光体ドラム12へのトナー付着量は、現
像装置16の現像ローラと感光体ドラム12との間に発
生されるコントラスト電圧VCの大きさに応じた電界の
大きさと相関があり、コントラスト電圧VCが大きいほ
どトナー付着量が多くなる。
【0045】本画像形成装置では、図4に示すように、
感光体ドラム12の表面が露光されたときの電位の変化
の方向、つまり図4における正極性方向を順方向とする
と、より先に転写用紙に対してトナー像を転写させる感
光体ドラム12を有する画像形成ユニットPにおける初
期化帯電電位VOがより順方向の値となるように、各感
光体ドラム12を初期化帯電するための初期化帯電電位
VOが設定されている。
【0046】この構成では、上流側から下流側の画像形
成ユニットPに移行するにつれて、その初期化帯電電位
VOが順次順方向とは逆の方向にシフトするように各初
期化帯電電位VOが設定されている。これにより、上流
側から下流側に移行するにつれてコントラスト電圧VC
が順次低くなり、現像濃度も順次低くなるように設定で
きる。
【0047】本画像形成装置では、図10に示した従来
のものと異なり、感光体ドラム12の初期化帯電を行う
ための構成として、図10の帯電用ロールブラシ14の
代わりにコロナ帯電装置30が備えられている。
【0048】図5は、コロナ帯電装置30およびその周
辺を模式的に表した模式断面図である。コロナ帯電装置
30は、円筒状の感光体ドラム12の長手方向(図5に
おいて紙面垂直方向)の長さとほぼ等しい長さを有し、
感光体ドラム12に沿って設置されている。
【0049】コロナ帯電装置30は、電荷を発生させる
電荷発生部38、電荷発生部38と感光体ドラム12と
の間に介在する網目状のグリッド電極40、および電荷
発生部38にグリッド電極40を固定するグリッド電極
保持部材42を有している。電荷発生部38は、四角柱
の両底面と一側面とを省いた形状のチャージャケース3
2、平板状の放電電極34、および放電電極34をチャ
ージャケース32に固定する放電電極保持部材36を有
している。グリッド電極保持部材42および放電電極保
持部材36は絶縁性の部材であり、電荷発生部38とグ
リッド電極40との間、および放電電極34とチャージ
ャケース32との間を絶縁している。
【0050】グリッド電極40およびチャージャケース
32には、第1DC電源44が接続されており、グリッ
ド電極40およびチャージャケース32にはアース電位
に対して電位差Vg(Vg<0)が印加されている。ま
た、放電電極34には、第2DC電源46が接続されて
おり、放電電極34にはアース電位に対して電位差Vc
(Vc<Vg<0)が印加されている。これにより、チ
ャージャケース32と放電電極34との間に電界が発生
し、この電界により大気が電離して放電電極34の周辺
に負電荷(マイナスイオン)が発生する。発生した負電
荷は、グリッド電極40に引きつけられて広がりながら
感光体ドラム12側へ移動し、グリッド電極40を通過
したものが感光体ドラム12の表面に達する。
【0051】感光体ドラム12の表面は、非露光時には
半導電性を有し、露光時には導電性を有する部材から成
っている。上記のようにして感光体ドラム12の表面に
達した負電荷により感光体ドラム12の表面が初期化帯
電され、所定の初期化帯電電位VOとなる。そして、初
期化帯電された感光体ドラム12の表面が露光される
と、その部分(明部)が導電性を有するようになり、負
電荷がアースに移動する。負電荷が移動した部分は電位
が正極性側に変化し、明部電位VEとなる。感光体ドラ
ム12の表面における負電荷が存在する部分と存在しな
い部分、つまり初期化帯電電位VOの部分と明部電位V
Eの部分とにより静電潜像が形成される。
【0052】本画像形成装置では、電荷発生部38、グ
リッド電極40、および感光体ドラム12の位置関係を
各画像形成ユニットP間で異ならせることにより、各画
像形成ユニットP間での初期化帯電電位VOを上記図4
のように設定している。
【0053】ここで、各感光体ドラム12間の初期化帯
電電位VOを変化させるためには、第2DC電源46が
発生する電位差Vcを各画像形成ユニットP間で変化さ
せてもよい。しかし、電位差Vcは比較的高電圧である
ため、これを各画像形成ユニットP間で変化させると、
第2DC電源46の負担を大きくしてしまう。一方、第
2DC電源46からは一定の電位差を発生させ、第2D
C電源46と各放電電極34との間に互いに異なる電気
抵抗を挿入する等して減圧させることも考えられるが、
この場合には電圧供給系統の複雑化や部品点数の増加、
電気抵抗による電力の浪費等の問題を招来する。
【0054】これに対して、本画像形成装置では、高電
圧となる電気系統を変更することなく電荷発生部38周
辺の構造的変更により初期化帯電電位VOを変化させる
ことができる。
【0055】特に、コロナ帯電装置30の電荷発生部3
8とグリッド電極40との距離を固定し、感光体ドラム
12の表面に対するグリッド電極40の距離dを各画像
形成ユニットP間で異ならせることにより、各画像形成
ユニットP間での初期化帯電電位VOを上記図4のよう
に設定することが望ましい。
【0056】この構成では、各コロナ帯電装置30とし
て同一のものを利用し、各画像形成ユニットP間でコロ
ナ帯電装置30の取り付け位置を異ならせるだけでよ
い。したがって、複数種類のコロナ帯電装置30が必要
となることを回避でき、装置のコストアップを抑制でき
る。
【0057】なお、これに限らず、放電電極34とグリ
ッド電極40との距離を変化させる等してもよい。
【0058】本画像形成装置では、具体的には、より先
に転写用紙に対してトナー像を転写させる感光体ドラム
12を有する画像形成ユニットPにおける距離dがより
大きくなるように設定されている。
【0059】図6は、感光体ドラム12の表面に対する
グリッド電極40の距離dと、感光体ドラム12の初期
化帯電電位VOとの関係の一例を示すグラフである。な
お、図6では縦軸が電位を示すが、上方向を負極性とし
ている。図6に示すように、距離dを調整することによ
り初期化帯電電位VOを変化させることができ、距離d
が大きくなると初期化帯電電位VOは正極性側に変化
(絶対値が低下)し、距離dが小さくなると初期化帯電
電位VOは負極性側に変化(絶対値が増大)する。
【0060】また、図7は、感光体ドラム12の表面に
対するグリッド電極40の距離dと、画像濃度との関係
の一例を示すグラフである。図7に示すように、距離d
を調整することにより結果的には画像濃度を変化させる
ことができ、距離dが大きくなると画像濃度は増大し、
距離dが小さくなると画像濃度は低下する。
【0061】本画像形成装置では、各画像形成ユニット
Pにおいてグリッド電極40およびチャージャケース3
2に印加する電位差Vgを、Vg=−600〔V〕に固
定し、距離dを上流側から下流側の画像形成ユニットP
に移行するにつれて順次小さくなるように設定した。そ
して、感光体ドラム12を一定光量で露光した。その結
果、図8および図9のようになった。図8は、各画像形
成ユニットPでの距離dの設定値、初期化帯電電位V
O、および明部電位VEを示す図表である。また、図9
は、図8のように設定した本画像形成装置にて画像形成
を行った場合の画像濃度(□印)を示すグラフである。
なお、図9には、各画像形成ユニットPにおいて距離d
を一定(d=1.4mm)にした場合の画像濃度(○
印)を比較として示している。また、図9では縦軸が画
像濃度を示すが、値は相対値である。
【0062】この場合、各感光体ドラム12の初期化帯
電電位VOを画像形成ユニットPa〜Pdで−500V
〜−600Vの範囲で段階的に変化させることができ、
順次負極性側へ大きくなるように設定することができ
る。これにより、上流側の画像形成ユニットPほど明部
電位VEが負極性側でその絶対値が小さくなる。つまり
静電潜像における明部電位VEの相対的な極性が正側に
近づくことになる。したがって、上流側の感光体ドラム
12のトナー付着量を多くすることができ、上流側の感
光体ドラム12から転写用紙へ転写されるトナー量も多
くすることができる。逆に、下流側の画像形成ユニット
Pほど明部電位VEが負極性側でその絶対値が大きくな
る。つまり静電潜像における明部電位VEの相対的な極
性が負側に近づくことになる。したがって、下流側の感
光体ドラム12のトナー付着量を少なくすることがで
き、下流側の感光体ドラム12から転写用紙へ転写され
るトナー量も少なくすることができる。
【0063】これにより、下流側の感光体ドラム12か
ら転写用紙へのトナー像の転写時に逆転写現象が発生す
るにもかかわらず、露光量や現像バイアスVD、転写条
件等を変更することなく、最終的に形成されるカラー画
像で多重転写された各色のトナーの配分、すなわち各色
の画像濃度が画像データに忠実なものとなり、高品質な
カラー画像を得ることができる。
【0064】なお、本画像形成装置では、最も先に転写
用紙に対してトナー像を転写させる感光体ドラム12a
からはブラックのトナー像が転写される、つまり1層目
がブラックのトナー像となるように、現像装置16aが
ブラックのトナーを収容している。したがって、転写用
紙ではブラックのトナー像の上に他の色のトナー像が重
なることになる。これにより、形成する画像での色再現
性が向上する。また、ブラックはカラー画像の色目への
影響が比較的小さい。このブラックのトナー像を最初に
転写するトナー像、つまり最も逆転写現象の影響が大き
いトナー像とすることにより、逆転写現象の画像への影
響をより効果的に抑えることができる。
【0065】以上のように、本実施形態ではコロナ帯電
装置30を備えた画像形成装置について説明したが、本
発明は従来の技術として説明した図10の構成、つまり
帯電用ロールブラシ14を備えた画像形成装置に対して
も適用できる。この場合、上述した電圧供給系統の複雑
化の問題を回避するためには、各画像形成ユニットP間
で帯電用ロールブラシ14を構成する材質、具体的には
抵抗値を調整することにより、各感光体ドラム12の初
期化帯電電位VOを調整すればよい。ただし、この場合
には、帯電用ロールブラシ14の抵抗値が一定となるよ
うに管理する必要があるため、本実施形態で説明したコ
ロナ帯電装置30を備えた場合の方が望ましい。
【0066】
【発明の効果】以上のように、本発明に係る画像形成装
置では、より先に被転写体に対してトナーを転写させる
感光体での現像濃度がより高くなるように、各感光体を
初期化帯電するための初期化帯電電位が設定されてい
る。
【0067】上記の構成では、感光体の露光量が同じで
あれば、上流側の感光体の静電潜像の方がより高濃度に
現像されることになる。これにより、特にカラー画像形
成を行う際に、逆転写現象の発生回数がより多く、逆転
写量がより多くなる上流側の画像形成ユニットから転写
されたトナー像の現像濃度低下を抑制することができ
る。その結果、逆転写現象の画像への影響、つまり、上
流側に配置された画像形成ユニットのトナーの色ほど画
像濃度が低くなり、形成する画像が正しい色相から離れ
た色バランスの崩れたものとなるということを抑制する
ことができる。
【0068】本発明に係る画像形成装置は、上記の画像
形成装置において、さらに、より先に被転写体に対して
トナーを転写させる感光体を有する画像形成ユニットに
おける初期化帯電電位がより順方向(感光体表面が露光
されたときの感光体表面の電位の変化の方向)の値とな
るように、各感光体を初期化帯電するための初期化帯電
電位が設定されていることが好ましい。
【0069】上記の構成では、上流側から下流側に移行
するにつれて順次現像濃度が低くなるように設定でき、
上記の効果が得られる。
【0070】本発明に係る画像形成装置は、上記の画像
形成装置において、さらに、各画像形成ユニットがコロ
ナ帯電装置を有し、コロナ帯電装置は電荷発生部と、グ
リッド電極とを有している。そして、電荷発生部、グリ
ッド電極、および感光体の位置関係が各画像形成ユニッ
ト間で異なることにより、各画像形成ユニット間での初
期化帯電電位の上記設定が実現されることが好ましい。
【0071】上記の構成では、高圧の電気系統を変更す
ることなく帯電装置周辺の構造的変更により初期化帯電
電位を変化させることができる。
【0072】本発明に係る画像形成装置は、上記の画像
形成装置において、さらに、グリッド電極と感光体との
距離が各画像形成ユニット間で異なることにより、画像
形成ユニット間での初期化帯電電位の上記設定が実現さ
れることが好ましい。例えば、より先に被転写体に対し
てトナーを転写させる感光体を有する画像形成ユニット
におけるグリッド電極と感光体との距離がより大きく設
定されていることが好ましい。
【0073】上記の構成では、各コロナ帯電装置として
同一のものを利用することができるため、複数種類のコ
ロナ帯電装置が必要となることを回避でき、装置のコス
トアップを抑制できる。
【0074】本発明に係る画像形成装置は、上記の画像
形成装置において、さらに、画像形成ユニットを4つ備
え、最も先に被転写体に対してトナーを転写させる感光
体からはブラックのトナーを転写し、他の感光体からは
それぞれシアン、マゼンタ、およびイエローのトナーを
転写することによりカラー画像を形成することが好まし
い。
【0075】上記の構成では、被転写体でのトナーの積
層順はブラックが1層目(最下層)となり、他の色がそ
の上に重なることになる。これにより形成する画像での
色再現性が向上する。また、ブラックを最初に転写する
トナーとすることにより、逆転写現象の画像への影響を
より効果的に抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態におけるタンデム型のカ
ラー画像形成装置の主要部構成を模式的に示す模式図で
ある。
【図2】逆転写量と画像濃度との関係を示すグラフであ
る。
【図3】トナー像の転写順に対するトナー付着量を示す
グラフである。
【図4】図1の画像形成装置における現像装置の現像バ
イアスと、各画像形成ユニットでの感光体ドラムの初期
化帯電電位、明部電位、およびコントラスト電圧との関
係を示す概念図である。
【図5】図1の画像形成装置におけるコロナ帯電装置お
よびその周辺を模式的に表した模式断面図である。
【図6】感光体ドラムの表面に対するグリッド電極の距
離と、感光体ドラムの初期化帯電電位との関係の一例を
示すグラフである。
【図7】感光体ドラムの表面に対するグリッド電極の距
離と、画像濃度との関係の一例を示すグラフである。
【図8】各画像形成ユニットでの感光体ドラムの表面に
対するグリッド電極の距離の設定値、初期化帯電電位、
および明部電位を示す図表である。
【図9】図9は、図8のように設定した図1の画像形成
装置にて画像形成を行った場合の画像濃度を示すグラフ
である。
【図10】タンデム型のカラー画像形成装置の主要部構
成を模式的に示す模式図である。
【図11】単一ドラム型のカラー画像形成装置の主要部
構成を模式的に示す模式図である。
【符号の説明】
Pa〜Pd 画像形成ユニット 12a〜12d 感光体ドラム(感光体) 16a〜16d 現像装置 20a〜20d 記録ヘッド 30a〜30d コロナ帯電装置 32 チャージャケース 34 放電電極 36 放電電極保持部材 38 電荷発生部 40 グリッド電極 42 グリッド電極保持部材 44 第1DC電源 46 第2DC電源
フロントページの続き (72)発明者 井野 利昭 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 山中 隆幸 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 藤井 佳織 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 Fターム(参考) 2H030 AA04 AB02 AD02 AD16 BB02 BB22 BB34 BB36 BB43 BB46 BB71 2H200 FA05 GA12 GA23 GA34 GA44 GA47 GA56 HA12 HA29 HB03 HB28 HB40 HB41 LA07 LA14 PA05 PA10

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】初期化帯電され、次いで形成する画像に応
    じて露光されることにより静電潜像が形成される表面を
    有する感光体と、 上記感光体との間に電位差を生じさせることにより、上
    記感光体表面の静電潜像にトナーを付与して現像する現
    像装置とを有する画像形成ユニットを複数備え、 被転写体に対して上記各感光体からトナーを順次転写し
    て重ね合わせることにより上記被転写体上に画像を形成
    する画像形成装置において、 より先に上記被転写体に対してトナーを転写させる感光
    体での現像濃度がより高くなるように、上記各感光体を
    初期化帯電するための初期化帯電電位が設定されている
    ことを特徴とする画像形成装置。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の画像形成装置において、 上記感光体表面が露光されたときの上記感光体表面の電
    位の変化の方向を順方向とすると、 より先に上記被転写体に対してトナーを転写させる感光
    体を有する画像形成ユニットにおける初期化帯電電位が
    より順方向の値となるように、上記各感光体を初期化帯
    電するための初期化帯電電位が設定されていることを特
    徴とする画像形成装置。
  3. 【請求項3】請求項1または2に記載の画像形成装置に
    おいて、 上記各画像形成ユニットは、上記感光体表面を初期化帯
    電させるコロナ帯電装置を有し、 上記コロナ帯電装置は、電荷を発生させる電荷発生部
    と、上記電荷発生部と上記感光体との間に介在し、上記
    電荷発生部にて発生した電荷を上記感光体側へ導くグリ
    ッド電極とを有しており、 上記電荷発生部、上記グリッド電極、および上記感光体
    の位置関係が上記各画像形成ユニット間で異なることに
    より、上記各画像形成ユニット間での初期化帯電電位の
    上記設定が実現されることを特徴とする画像形成装置。
  4. 【請求項4】請求項3に記載の画像形成装置において、 上記各コロナ帯電装置の上記電荷発生部と上記グリッド
    電極との距離が同一であり、 上記グリッド電極と上記感光体との距離が上記各画像形
    成ユニット間で異なることにより、上記各画像形成ユニ
    ット間での初期化帯電電位の上記設定が実現されること
    を特徴とする画像形成装置。
  5. 【請求項5】請求項4に記載の画像形成装置において、 より先に上記被転写体に対してトナーを転写させる感光
    体を有する画像形成ユニットにおける上記グリッド電極
    と上記感光体との距離がより大きく設定されていること
    を特徴とする画像形成装置。
  6. 【請求項6】請求項1から5の何れか1項に記載の画像
    形成装置において、 上記画像形成ユニットを4つ備え、 最も先に上記被転写体に対してトナーを転写させる感光
    体からはブラックのトナーを転写し、他の感光体からは
    それぞれシアン、マゼンタ、およびイエローのトナーを
    転写することによりカラー画像を形成することを特徴と
    する画像形成装置。
JP2001098749A 2001-03-30 2001-03-30 画像形成装置 Pending JP2002296865A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001098749A JP2002296865A (ja) 2001-03-30 2001-03-30 画像形成装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001098749A JP2002296865A (ja) 2001-03-30 2001-03-30 画像形成装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002296865A true JP2002296865A (ja) 2002-10-09

Family

ID=18952370

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001098749A Pending JP2002296865A (ja) 2001-03-30 2001-03-30 画像形成装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002296865A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5083167A (en) Image forming apparatus for supplying different amounts of electric charge to an end portion of a transfer material
JP2001183916A (ja) 画像形成装置
US20030123910A1 (en) Image forming system in electrophotographic printer having an image charging unit and method for forming image using the same
US5512983A (en) Electrophotographing apparatus with first and second charge devices
JP4794276B2 (ja) 電子写真画像形成装置
JP2002296865A (ja) 画像形成装置
JP4819423B2 (ja) 画像形成装置
JP2002333753A (ja) 多色画像形成装置
JP2002251050A (ja) 多色画像形成装置
JP4060605B2 (ja) 多色画像形成装置
JP2001188394A (ja) 画像形成装置
JP5146805B2 (ja) 画像形成装置
JP3371594B2 (ja) 静電両面印刷装置
JP2003270900A (ja) 多色画像形成装置
JP3397593B2 (ja) 画像形成装置
JP2002258567A (ja) カラー画像形成装置
JP2002268322A (ja) 多色画像形成装置
JP3849761B2 (ja) 電子写真式印刷装置
JP4069582B2 (ja) 画像形成装置
JP2003084527A (ja) 多色画像形成装置
JP2001272850A (ja) 画像形成装置
JP2949837B2 (ja) 画像形成装置
JP2002049214A (ja) カラー画像形成装置
JP4178487B2 (ja) 画像形成装置
JPH0922165A (ja) 画像形成装置