JP2002296635A - カメラ - Google Patents

カメラ

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JP2002296635A
JP2002296635A JP2001102346A JP2001102346A JP2002296635A JP 2002296635 A JP2002296635 A JP 2002296635A JP 2001102346 A JP2001102346 A JP 2001102346A JP 2001102346 A JP2001102346 A JP 2001102346A JP 2002296635 A JP2002296635 A JP 2002296635A
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  • Exposure Control For Cameras (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の逆光判定方式では、適正な逆光判定が
できない場合が多い。 【解決手段】 撮影範囲を複数行×複数列で表される複
数の測光領域PD11〜PD79に分割し、これら分割
領域ごとの輝度情報を得る測光手段26と、この測光手
段により得られた上記分割領域ごとの個別輝度情報を行
方向および列方向のうち少なくとも一方に平均化した複
数の平均輝度情報を得るとともに、これら複数の平均輝
度情報を用いた逆光判定処理を行う判定手段41とを有
する。複数の平均輝度情報と、複数の分割領域のうち焦
点検出領域に対応する分割領域の個別輝度情報との差が
所定値以上であるときに逆光状態と判定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数の測光領域で
の測光が可能なカメラに関するものである。
【0002】
【従来の技術】カメラの測光装置或いは露出制御装置に
おいて、複数に分割された受光素子を有する測光用セン
サにより被写界(撮影範囲)を測光し、複数の受光素子
が出力する複数の輝度信号に基づいて所定のアルゴリズ
ムによって逆光かどうかの判別を行い、逆光状態でも適
正な露出を得る技術が実用化されている。
【0003】特許第2529649号や特許第2556
512号等は、こうした技術に関するものである。
【0004】具体的には、図20に示すように、撮影画
面の中央部から周辺部にかけて略同心円的に61,6
2,63の3領域に分割された受光素子を有する測光用
センサを用いて被写界の輝度情報を得る。
【0005】中央領域61は主被写体領域であるので、
主被写体が画面の中央に捕捉されて撮影されることが望
ましい。
【0006】そして、上記3領域61〜63から得られ
る被写界輝度に基づいて、所定のアルゴリズムにより逆
光かどうかの判別を行う。
【0007】例えば、多くのアルゴリズムでは、中央領
域61から得られる輝度値が周辺領域62,63から得
られる輝度値よりも所定値以上低い場合は逆光であると
判別する。
【0008】また、被写体が画面の中央部に存在しない
場合でも同様なアルゴリズムが適用できるように、測光
用センサをより多数に領域分割し、周辺部に存在する被
写体部分を中心に同心円的に被写界の輝度情報が得られ
るようにした例もある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】図21には、撮影構図
の一例を示しており、71は主被写体である人物領域、
72は空領域、73は地面領域、74は山領域、75〜
77は樹木領域である。
【0010】このシーンが逆光である場合、上記領域の
中で輝度が高くなるのは空領域72であり、他の領域、
とりわけ人物領域71や樹木領域75〜77等は輝度が
低くなる。
【0011】図22には、図21に示した撮影構図に図
20に示した測光用センサを重ねて示している。この撮
影構図では、測光用センサの各領域61,62,63が
見込む被写界には、それぞれ輝度の高い空領域72と輝
度の低い人物領域71や樹木領域75〜77等とが含ま
れてしまう。従って、この撮影構図においては、測光用
センサの3領域61〜63からは、何れも高輝度領域と
低輝度領域との中間的でかつあまり差がない輝度情報が
出力されてしまい、上述したような中央領域61から得
られる輝度値が、周辺領域62,63から得られる輝度
値よりも所定値以上低いといった、従来アルゴリズムの
逆光検出条件に合致することが少なくなる。
【0012】このため、こうした測光装置によってこの
撮影シーンを撮影すると、逆光シーンであるにもかかわ
らず逆光判別が行われず、逆光に応じた露出補正やフラ
ッシュ発光が行われることなく撮影が行われてしまい、
主被写体である人物領域などが露出不足となってしまう
ことがある。
【0013】なお、図21に示したような撮影構図でな
くとも、撮影画面の中央部と周辺部との輝度差による逆
光判別アルゴリズムでは、逆光判別ができない撮影シー
ンは数多くある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本願第1の発明のカメラは、撮影範囲を複数行×
複数列で表される複数の測光領域に分割し、これら分割
領域ごとの輝度情報を得る測光手段と、この測光手段に
より得られた上記分割領域ごとの個別輝度情報を行方向
および列方向のうち少なくとも一方に平均化した複数の
平均輝度情報を得るとともに、これら複数の平均輝度情
報を用いた逆光判定処理を行う判定手段とを有する。
【0015】すなわち、従来に比べて小さな測光領域の
個々の輝度情報(個別輝度情報)を得るとともに、各測
光領域の行方向や列方向での平均の輝度情報(平均輝度
情報)を得ることで、主被写体領域(例えば、焦点検出
領域に対応した測光領域)の個別輝度情報と上記各平均
輝度情報とを比較したり複数の平均輝度情報から得られ
る撮影範囲内の明るさ変化の傾向を算出したり等するこ
とができるようになり、従来方式では逆光判別できない
撮影シーンでも適正な逆光判別を行うことが可能とな
る。
【0016】具体的には、複数の平均輝度情報と、複数
の分割領域のうち焦点検出領域に対応する分割領域の個
別輝度情報との差が所定値以上であるときに逆光状態と
判定することができる。
【0017】また、複数の平均輝度情報の行方向又は列
方向における変化度が所定の変化度よりも大きいときに
逆光状態と判定することもできる。
【0018】また、複数の平均輝度情報の行方向又は列
方向における変化パターンが、逆光状態を示す所定の変
化パターンに近似しているときに逆光状態と判定するこ
とができる。
【0019】なお、カメラ姿勢を検出する姿勢検出手段
を設け、この姿勢検出手段による検出結果に応じて、行
方向および列方向のうち分割領域ごとの輝度情報の平均
化を行う方向として一方向を選択するようにすれば、行
方向および列方向の双方に関して平均化演算を行う場合
に比べて、演算処理の負担を軽くしたり処理速度を速く
したりすることが可能である。
【0020】また、本願第2の発明のカメラでは、撮影
範囲を2次元に複数の測光領域に分割し、これら分割領
域を1次元方向に並ぶ複数のグループとして分類し、こ
れらグループごとの輝度情報を得る測光手段と、この測
光手段により得られた上記グループごとの輝度情報の変
化度を示す情報を用いて逆光判定処理を行う判定手段を
有する。
【0021】これにより、1次元方向に複数並んだ各グ
ループの個々の輝度情報を得るとともに、グループごと
の輝度情報の変化度を得ることで、撮影範囲の1次元方
向における平均的な輝度の変化度を得ることができ、従
来方式では逆光判別できない撮影シーンでも適正な逆光
判別を行うことが可能となる。
【0022】具体的には、例えば、グループごとの輝度
情報の変化度が所定の変化度よりも大きいときに逆光状
態と判定することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】図1には、本発明の第1実施形態
である一眼レフタイプのカメラにおける光学構成を示し
ている。この図において、10はカメラ本体、30は交
換タイプの撮影ズームレンズである。カメラ本体10に
おいて、11は撮影レンズの光軸、12はフィルム面、
13は半透過性の主ミラーである。
【0024】14はサブミラーであり、主ミラー13と
サブミラー14はともに撮影時には上部に跳ね上がって
撮影光路外に退避する。15はサブミラー14によるフ
ィルム面12と共役な近軸的結像面、16は反射ミラ
ー、17は赤外カットフィルター、18は2つの開口部
を有する絞り、19は2次結像レンズ、20は焦点検出
用センサである。
【0025】焦点検出用センサ20は、例えばCMOS
やCCDといったエリアタイプの蓄積型光電変換素子か
らなり、図2に示すように、絞り18の2つの開口部に
対応して多数分割された受光センサ部が、エリア20A
とエリア20Bとに配置され、一対の受光エリアを構成
している。
【0026】また、受光センサ部20A,20Bに加え
て、信号蓄積部や信号処理用の周辺回路などが同一チッ
プ上に集積回路として作り込まれている。
【0027】サブミラー14から焦点検出用センサ20
までの構成は、特開平9−184965号公報等にて説
明されているように、撮影画面内の任意の位置での像ず
れを検出するいわゆる像ずれ式での焦点検出を可能とす
るものである。
【0028】21は拡散性を有するピント板、22はペ
ンタプリズム、23は接眼レンズ、24は反射ミラー、
25は集光レンズ、26は被写体の輝度に関する情報を
得るための測光用センサである。
【0029】測光用センサ26は、例えばCMOSやC
CDといったエリアタイプの蓄積型光電変換素子からな
り、図3(a)に示すように、格子状に複数分割された
受光センサ部を有し、撮影画面の略全体を視野としてい
る。本実施形態では、受光視野内を9列×7行=63に
分割した例で説明するが、以降の説明において、図3
(b)に示すように、各列を上からX1〜X9と、各行
を左からY1〜Y7と符号を付す。また、63分割され
た各受光部に対しては、PD11〜PD79と符号を付
す。
【0030】測光用センサ26には、受光センサ部以外
に、信号蓄積部や信号処理用の周辺回路などが同一チッ
プ上に集積回路として作り込まれるのは焦点検出用セン
サの場合と同様である。
【0031】27は撮影レンズ30を取り付けるマウン
ト部、28は撮影レンズ30と情報通信を行うための接
点部である。
【0032】撮影レンズ30において、31は絞り、3
2はカメラ本体10と情報通信を行うための接点部、3
3はカメラ本体に着脱可能に装着されるマウント部、3
4〜36は撮影レンズ30を構成する光学レンズであ
る。
【0033】図4には、上記カメラ(カメラ本体10と
撮影レンズ30)の電気回路構成を示している。
【0034】カメラ本体10において、41は、例えば
内部にALU、ROM、RAMやA/Dコンバータ或い
はシリアル通信ポート等を内蔵したワンチップマイクロ
コンピュータからなるカメラ制御回路(判別手段、演算
手段、発光決定手段)であり、カメラ機構等の全体の制
御を司る。このカメラ制御回路41の具体的な動作シー
ケンスについては後述する。
【0035】焦点検出用センサ20および測光用センサ
26は、図1等に記載したものと同一である。
【0036】焦点検出用センサ20および測光用センサ
26の出力信号は、カメラ制御回路41のA/Dコンバ
ータ入力端子に接続されている。
【0037】42はシャッターであり、カメラ制御回路
41の出力端子に接続されて制御される。43は第1モ
ータードライバであり、カメラ制御回路41の出力端子
に接続されて制御され、フィルム給送や主ミラー13の
駆動等を行うための第1モーター44を駆動する。
【0038】45はカメラ本体10の姿勢を検出するセ
ンサ(姿勢検出手段)であり、その出力信号はカメラ制
御回路41の入力端子に接続されている。カメラ制御回
路41は、姿勢検出センサ45の情報を受けることで、
撮影時にカメラ本体10が横位置に構えられているの
か、縦位置に構えられているのかを判別することができ
る。
【0039】46は低照度下の条件で測距センサ20に
より焦点検出を行う場合に被写体に赤外光などを投光す
るAF光源であり、カメラ制御回路41からの出力信号
に応じて発光される。
【0040】47は被写体の輝度が不足しているような
場合に撮影時に発光するフラッシュであり、カメラ制御
回路41の出力信号に応じて発光動作する。
【0041】48は液晶パネル等で構成されて、撮影枚
数や日付情報、撮影情報等を表示する表示器であり、カ
メラ制御回路41の出力信号に応じて各セグメントが点
灯制御される。49は各種スイッチであり、レリーズボ
タンの操作によりオンする第1および第2ストロークス
イッチ等が含まれる。
【0042】28は図1に示した接点部であり、この接
点部28には、カメラ制御回路41のシリアル通信ポー
トの入出力信号が接続される。
【0043】撮影レンズ30において、51は、例えば
内部にALU、ROM、RAMやシリアル通信ポート等
を内蔵したワンチップマイクロコンピュータからなるレ
ンズ制御回路である。
【0044】52は第2モータードライバであり、レン
ズ制御回路51の出力端子に接続されて制御され、焦点
調節を行うための第2モーター53を駆動する。54は
第3モータードライバであり、レンズ制御回路51の出
力端子に接続されて制御され、図1にて記載した絞り3
1の制御を行うための第3モーター55を駆動する。
【0045】56は光学レンズ34〜36のうち焦点調
節レンズの繰り出し位置、すなわちフォーカス位置情報
を得るためのフォーカスエンコーダーであり、レンズ制
御回路51の入力端子に接続される。
【0046】57は光学レンズ34〜36のうち変倍レ
ンズの繰り出し位置、すなわちズーム位置情報を得るた
めのズームエンコーダーであり、レンズ制御回路51の
入力端子に接続される。
【0047】32は図1に示した接点部であり、この接
点部32には、レンズ制御回路51のシリアル通信ポー
トの入出力信号が接続される。
【0048】撮影レンズ30がカメラ本体10に装着さ
れると、接点部28,32が互いに接続されてレンズ制
御回路51はカメラ制御回路41とのデータ通信が可能
となる。
【0049】カメラ制御回路41が焦点検出や露出演算
を行うために必要なレンズ固有の光学的な情報や、フォ
ーカスエンコーダー56およびズームエンコーダー57
の出力(フォーカス位置情報およびズーム位置情報)に
基づく被写体距離に関する情報および焦点距離情報は、
レンズ制御回路51からカメラ制御回路41へとデータ
通信によって出力される。
【0050】また、カメラ制御回路41が焦点検出や露
出演算を行った結果により求められた焦点調節情報や絞
り値情報は、カメラ制御回路41からレンズ制御回路5
1へとデータ通信によって出力される。これにより、レ
ンズ制御回路51は、焦点調節情報に従って第2モータ
ードライバ52を制御し、絞り値情報に従って第3モー
タードライバ54を制御する。
【0051】次に、図5のフローチャートを用いて、本
実施形態のカメラ(主としてカメラ制御回路41)の動
作について説明する。
【0052】不図示の電源スイッチがオンされてカメラ
制御回路41が動作可能となり、不図示のレリーズボタ
ンの半押し操作により第1ストロークスイッチがオンさ
れると、ステップ(101)に進む。
【0053】ステップ(101) カメラ制御回路41は、焦点検出用センサ20に対して
制御信号を出力し、信号蓄積を開始させる。
【0054】ステップ(102) 焦点検出用センサ20の信号蓄積が終了するのを待つ。
【0055】ステップ(103) 焦点検出用センサ20に蓄積された信号を読み出しなが
らA/D変換を行う。さらに、読み込んだ各デジタルデ
ータに対してシェーディング等の必要な各種のデータ補
正を行う。
【0056】ステップ(104) 焦点検出を行うために必要なレンズ情報等(フォーカス
位置情報、ズーム位置情報および絞り値情報)をレンズ
制御回路51から受け取り、これと焦点検出用センサ2
0から得られたデジタルデータとから、撮影画面の各部
の焦点状態を演算する。
【0057】そして、得られた撮影画面の各部の焦点状
態より、例えば特開平11−190816号公報等にて
提案されている手法により、画面内における焦点を合わ
せるべき領域(焦点検出領域)を決定する。
【0058】さらに、決定された焦点検出領域における
焦点状態に従って、合焦となるためのレンズ駆動量を算
出する。
【0059】ステップ(105) 算出されたレンズ駆動量をレンズ制御回路51に出力す
る。レンズ制御回路51は、この算出されたレンズ駆動
量に基づいて焦点調節レンズを駆動するように第2モー
タードライバ52に信号を出力し、第2モーター53を
駆動する。これにより、撮影レンズ30は上記焦点検出
領域において被写体に対して合焦状態となる。
【0060】合焦状態になった後に、フォーカスエンコ
ーダー56からフォーカス位置情報をレンズ制御回路5
1を通じて受け取ることにより、カメラ制御回路41は
被写体までの距離情報を得ることができる。
【0061】ステップ(106) カメラ制御回路41は、測光用センサ26に対して制御
信号を出力し、信号蓄積を開始させる。
【0062】ステップ(107) 測光用センサ26の信号蓄積が終了するのを待つ。
【0063】ステップ(108) 測光用センサ26に蓄積された各受光部PD11〜PD
79の信号を読み出しながらA/D変換を行う。
【0064】ステップ(109) 露出演算を行う。演算によって被写体輝度を求め、これ
に対して適正露出となるシャッター速度や絞り値を決定
する。また、所定のアルゴリズムにより逆光シーンの判
別を行う。さらに、フラッシュ発光を行うか否かの判定
も行う。これらの演算内容については後述する。
【0065】ステップ(110) シャッターボタンの全押し操作により第2ストロークス
イッチがオンされるのを待つ。オンされていなければス
テップ(101)に戻り、オンされるとステップ(11
1)へ進む。
【0066】ステップ(111) 第1モータードライバ43に制御信号を出力して、第1
モーター44を駆動しも、主ミラー13およびサブミラ
ー14を跳ね上げる。
【0067】ステップ(112) ステップ(109)にて演算された絞り値情報をレンズ
制御回路51に出力する。レンズ制御回路51はこの情
報に従って絞り31を作動させるように第3モータード
ライバ54に信号を出力し、第3モーター55を駆動す
る。これにより撮影レンズ30は絞り込み状態となる。
【0068】ステップ(113) ステップ(109)にて演算されたシャッター速度に従
ってシャッター42を制御し、フィルムに対する露光を
行う。
【0069】また、この際、後述する露出演算によって
フラッシュ47を発光させて撮影すべき撮影シーンであ
ると判定されている場合には、フラッシュ47を発光さ
せる。
【0070】ステップ(114) レンズ制御回路51に対して絞り31を開放するように
情報出力する。この情報に従ってレンズ制御回路51は
絞り31を作動させるように第3モータードライバ54
に信号を出力して、第3モーター55を駆動する。これ
により撮影レンズ30は絞り開放状態となる。
【0071】ステップ(115) 第1モータードライバ43に制御信号を出力して、第1
モーター44を駆動し、主ミラー13およびサブミラー
14をダウンさせる。
【0072】ステップ(116) 第1モータードライバ43に制御信号を出力して、第1
モーター44を駆動し、フィルムの1駒巻き上げを行
う。なお、主ミラー13およびサブミラー14のダウン
駆動とフィルムの1駒巻き上げ駆動は、第1モーター4
4からの駆動力を各部に伝達する機構内での切り換え動
作によって1つの第1モーター44からの駆動力により
行われる。これで一連の撮影シーケンスが終了する。
【0073】次に、ステップ(109)で実行する露出
演算について、図6に示すフローチャートに従って説明
する。
【0074】ステップ(151) カメラ制御回路41は、露出演算を行うために必要なレ
ンズ情報等をレンズ制御回路51から受け取り、図5の
ステップ(108)にて測光センサ26の各受光部PD
11〜PD79より得られているデジタル輝度データ
(個別輝度情報)の補正を行う。
【0075】ステップ(152) 補正を行った各受光部の輝度データよりY1〜Y7の各
行に対応した輝度データを算出する。具体的には、受光
部PD11〜PD19での平均輝度データをY1行の平
均輝度データとして算出し、受光部PD21〜PD29
での平均輝度データをY2行の輝度データとして算出す
る。以下、同様にY3行からY7行までの輝度データを
算出する。
【0076】ステップ(153) 補正を行った各受光部の輝度データよりX1〜X9の各
列に対応した輝度データを算出する。具体的には受光部
PD11〜PD71による平均輝度データをX1列の輝
度データとして算出し、受光部PD12〜PD72によ
る平均輝度データをX2列の輝度データとして算出し、
以下同様にX3列からX9列までの輝度データを算出す
る。
【0077】ここで、図7には、図21に示した撮影構
図に63分割された測光センサ26の図を重ね合せたも
のを示している。このような撮影状況において、ステッ
プ(151)による補正を受けた後の測光センサ26の
各受光部PD11〜PD79より得られるデジタル個別
輝度データとして、図8に示すようなデータが得られた
ものとして以下説明する。
【0078】図8に示した輝度データは、いわゆるAP
EX換算したBv値である。受光部PD11より得られ
る個別輝度データがBv=11.1、受光部PD12よ
り得られる個別輝度データがBv=10.9、受光部P
D13より得られる個別輝度データがBv=11.3、
以下図8に示した通りであり、受光部PD79より得ら
れる輝度データがBv=6.2である。
【0079】図8に示した各受光部の個別輝度データか
らY1〜Y7の各行に対応した平均輝度データを算出す
ると、Y1行においてはBv=11.3、Y2行におい
てはBv=10.7、以下同様であり、Y7行において
はBv=6.4となる。
【0080】また、図8に示した各受光部の個別輝度デ
ータからX1〜X9の各列に対応した平均輝度データを
算出すると、X1列においてはBv=8.7、X2列に
おいてはBv=8.1、以下同様であり、X9列におい
てはBv=8.8となる。
【0081】なお、算出されたY1〜Y7の各行に対応
した平均輝度データを横棒グラフにて示すと図9のよう
になる。また、算出されたX1〜X9の各列に対応した
平均輝度データを縦棒グラフにて示すと図10のように
なる。
【0082】ステップ(154) ステップ(104)にて、焦点検出領域の情報を読み込
む。図7にて説明した撮影構図では、人物の顔領域に焦
点調節されることが望ましいので、画面中心部、すなわ
ち測光センサ26の受光部PD45が見込む被写界領域
を焦点検出領域としてその情報を読み込む。
【0083】ステップ(155) 測光センサ26の各受光部PD11〜PD79から得ら
れた個別輝度データに基づいて、撮影画面全体の平均的
輝度Bvaを算出する。
【0084】算出方法としては、各受光部PD11〜P
D79から得られた個別輝度データの単純な加算平均値
を求めてもよいし、カメラの測光方式としてよく用いら
れる中央重点的平均測光に似た、画面中心付近の受光部
より得られた輝度データに重み付けを高く、画面の周辺
付近の受光部より得られた輝度データに重み付けを低く
して加算平均値を求める手法を用いてもよい。また、ス
テップ(154)で入力された焦点検出領域に対応した
受光部付近より得られた輝度データに重み付けを高く
し、焦点検出位置から離れた受光部より得られた輝度デ
ータに重み付けを低くして加算平均値を求める手法等を
用いてもよい。
【0085】ここで、本実施形態では、図8にて示した
各個別輝度データの単純な加算平均値を求めるものと
し、その値はBva=8.6となる。
【0086】ステップ(156) ステップ(154)にて焦点検出領域とした受光部(こ
こでは、PD45)から得られた個別輝度データと、ス
テップ(152),(153)にて演算したY1〜Y7
の各行に対応した平均輝度データおよびX1〜X9の各
列に対応した平均輝度データとを比較する。
【0087】ステップ(157) 比較した結果、Y1〜Y7の各行に対応した平均輝度デ
ータおよびX1〜X9の各列に対応した平均輝度データ
中に、焦点検出領域とした受光部から得られる個別輝度
データよりも所定量以上大きいデータがあるかどうかを
判別する。所定量以上大きいデータを有するものがある
場合は逆光シーンであると判定してステップ(158)
へ進む。
【0088】ここで、図8にて説明した個別輝度データ
および平均輝度データが得られている場合は、焦点検出
領域とした受光部PD45から得られる輝度データはB
v=8.4である。
【0089】逆光判定するための上記所定量を例えば2
とすると、撮影画面内の空領域を主体とした輝度データ
が得られているY1およびY2の各行に対応した平均輝
度データがそれぞれBv=11.3およびBv=10.
7なので、受光部PD45より得られるBv=8.4よ
りも上記所定量以上大きいデータを有することになる。
このため、ステップ(158)へ進むことになる。
【0090】ステップ(158) 逆光シーンに応じた露出補正量ΔBvを算出する。算出
方法の具体例としては、最も簡略化された方法として一
律に露出補正量ΔBv=−1.5とする方法や、Y1〜
Y7の各行に対応した平均輝度データおよびX1〜X9
の各列に対応した平均輝度データのうちの最大の輝度デ
ータと、焦点検出領域とした受光部から得られる輝度デ
ータとから、ある関数によって算出する方法などがあ
る。
【0091】関数の例としては、 露出補正量ΔBv=0.5×(Lf−MAX(YnX
n)) が挙げられる。但し、Lfは焦点検出領域とした受光部
より得られる個別輝度データであり、MAX(YnX
n)はY1〜Y7の各行に対応した平均輝度データおよ
びX1〜X9の各列に対応した平均輝度データのうちの
最大の輝度データである。尚、前記(157)のステッ
プにて所定量大きい輝度データがないと判別された場合
は逆光シーンではないので(158)のステップは行わ
ない。よってこの場合は露出補正量ΔBv=0であるこ
とと同等である。
【0092】ステップ(159) ステップ(155)にて算出された平均的輝度値Bva
およびステップ(158)にて算出された露出補正量Δ
Bvを加算して、逆光補正を含む被写体輝度値Bveを
算出する。すなわち、 被写体輝度値Bve=Bva+ΔBv である。
【0093】ステップ(160) フラッシュ47を使用して撮影すべきシーンかどうかの
判定を行う。フラッシュ47を使用して撮影すべきシー
ンの条件としては、第1に、算出された被写体輝度値B
veが所定の輝度よりも低いこと(例えば、Bve≦
5)を満たすか、第2にステップ(157)において逆
光シーンであると判定された場合の何れかである。
【0094】但し、ステップ(105)における撮影レ
ンズ30の焦点調節の結果として被写体までの距離が遠
く、備えられたフラッシュ47の光量では適正な撮影結
果が得られないことが明らかの場合は、上記第1または
第2の条件を満たしていてもフラッシュ47を使用しな
いこととしてもよい。
【0095】こうしてフラッシュ47を使用して撮影す
べきシーンであると判別された場合にはステップ(16
1)へ進む。
【0096】ステップ(161) フラッシュ47の発光準備を行う。なお、ステップ(1
60)において、フラッシュ47を使用して撮影すべき
シーンではないと判定された場合には、ステップ(16
1)は実行しない。
【0097】ステップ(162) ステップ(159)にて算出された被写体輝度値Bve
とステップ(160)にて判別されたフラッシュ47の
使用の有無判定とに基づいて、最適な露出制御因子であ
るシャッター速度や絞り値を決定する。
【0098】(第2実施形態)第1実施形態では、ステ
ップ(109)で、測光センサ26における受光部各行
および各列の個別輝度データについて平均化演算を行う
場合について説明したが、姿勢検出センサ45の情報を
用いることにより、第1実施形態のものよりも演算量を
減らすことができる。これについて、図11のフローチ
ャートに従って説明する。
【0099】ステップ(251) カメラ制御回路41は、露出演算を行うために必要なレ
ンズ情報等をレンズ制御回路51から受け取り、図5の
ステップ(108)にて測光センサ26の各受光部PD
11〜PD79から得られたデジタル個別輝度データの
補正を行う。
【0100】ステップ(252) 姿勢検出センサ45の情報を入力する。
【0101】ステップ(253) 入力された姿勢検出センサ45の情報に基づいてカメラ
本体10の姿勢(撮影姿勢)が横位置か縦位置かを判別
する。横位置ならばステップ(254)へ進み、縦位置
ならばステップ(255)へ進む。
【0102】ステップ(254) 補正を行った各受光部の個別輝度データからY1〜Y7
の各行に対応した平均輝度データを算出する。具体的に
は、受光部PD11〜PD19による平均輝度データを
Y1行の輝度データとして算出し、受光部PD21〜P
D29による平均輝度データをY2行の輝度データとし
て算出し、以下同様に、Y3行からY7行までの輝度デ
ータを算出する。
【0103】ステップ(255) 補正を行った各受光部の輝度データよりX1〜X9の各
列に対応した平均輝度データを算出する。具体的には、
受光部PD11〜PD71による平均輝度データをX1
列の輝度データとして算出し、受光部PD12〜PD7
2による平均輝度データをX2列の輝度データとして算
出し、以下同様に、X3列からX9列までの輝度データ
を算出する。
【0104】このように、ステップ(252)からステ
ップ(255)において、カメラ制御回路41は、カメ
ラの撮影姿勢が横位置か縦位置かを判別し、Y1〜Y7
の各行に対応した平均輝度データを算出するか、X1〜
X9の各列に対応した平均輝度データを算出するかを選
択する。
【0105】これは、撮影画面内に空のような高輝度部
分が入るとすれば、画面の上部である確率が高いため
に、カメラの撮影姿勢に対応してY1〜Y7の各行に対
応した平均輝度データとX1〜X9の各列に対応した平
均輝度データのうち一方のみを算出し、他方を算出しな
くても、逆光シーンの判定に大きな支障が出ないと考え
られるためである。
【0106】第1実施形態にて説明した横位置撮影の場
合である図7の撮影構図において、図8の平均輝度デー
タが得られるわけであるが、この場合はY1〜Y7の各
行に対応した輝度データのみを算出する。
【0107】ステップ(254)又はステップ(25
5)が終了すると、ステップ(256)へ進む。
【0108】ステップ(256) 第1実施形態のステップ(154)と同様に、焦点検出
領域の情報を読み込む。
【0109】ステップ(257) 第1実施形態のステップ(155)と同様に、測光セン
サ26の各受光部PD11〜PD79から得られたデジ
タル個別輝度データに基づいて、撮影画面全体の平均的
輝度Bvaを算出する。
【0110】ステップ(258) ステップ(256)にて読み込んだ焦点検出領域に対応
する受光部から得られる個別輝度データと、ステップ
(254)にて演算したY1〜Y7の各行に対応した平
均輝度データ又はステップ(255)にて演算したX1
〜X9の各列に対応した平均輝度データとを比較する。
【0111】ステップ(259) 比較した結果としてY1〜Y7の各行に対応した平均輝
度データ又はX1〜X9の各列に対応した平均輝度デー
タにおいて、焦点検出領域に対応した受光部から得られ
る個別輝度データよりも所定量以上大きいデータがある
かどうかを判別する。所定量以上大きいデータがある場
合は逆光シーンであると判定してステップ(260)へ
進む。
【0112】ここで、第1実施形態と同様に、図8の例
にて説明すると、焦点検出領域に対応する受光部から得
られる輝度データは、中央部のPD45から得られるB
v=8.4である。ここでは、横位置であるので、ステ
ップ(254)を実行してY1〜Y7の各行に対応した
平均輝度データを算出する。
【0113】そして、逆光シーン判定のための所定量
を、例えば2とすると、画面内の空領域を主体とした個
別輝度データを持つY1およびY2の各行に対応した輝
度データがそれぞれBv=11.3およびBv=10.
7であるので、中央部のPD45より得られるBv=
8.4よりも所定量以上大きいデータを有することにな
る。このため、ステップ(260)へ進むことになる。
【0114】ステップ(260) 第1実施形態のステップ(158)と同様に、逆光シー
ンに応じた露出補正量ΔBvを算出する。
【0115】なお、ステップ(259)にて所定量大き
い輝度データがないと判別された場合は逆光シーンでは
ないので、ステップ(260)は実行しない。つまり、
この場合は、露出補正量ΔBv=0であることと同等で
ある。
【0116】ステップ(261) ステップ(257)にて算出した平均的輝度値Bvaお
よびステップ(260)にて算出した露出補正量ΔBv
を加算して逆光補正を含む被写体輝度値Bveを算出す
る。すなわち、 被写体輝度値Bve=Bva+ΔBv である。
【0117】ステップ(262) 第1実施形態のステップ(160)と同様に、フラッシ
ュ47を使用して撮影すべきシーンかどうかの判別を行
う。フラッシュ47を使用して撮影すべきシーンである
と判別した場合にはステップ(263)へ進む。
【0118】ステップ(263) フラッシュ47の発光準備を行う。なお、ステップ(2
62)においてフラッシュ47を使用して撮影すべきシ
ーンではないと判別した場合にはステップ(263)は
実行しない。
【0119】ステップ(264) ステップ(261)にて算出した被写体輝度値Bveと
ステップ(262)にて判別したフラッシュ47の使用
の有無とに基づいて、最適な露出制御因子であるシャッ
ター速度や絞り値を決定する。
【0120】(第3実施形態)第1および第2実施形態
では、ステップ(109)で実行する露出演算内容にお
ける逆光シーン判定の手法として、焦点検出領域の個別
輝度データとY1〜Y7の各行に対応した平均輝度デー
タ又はX1〜X9の各列に対応した平均輝度データとを
比較する手法を用いる場合について説明したが、これ以
外の手法も採用することができる。以下、これについて
図12のフローチャートに従って説明する。
【0121】ステップ(351) 露出演算を行うために必要なレンズ情報等をレンズ制御
回路51から受け取り、図5のステップ(108)にて
測光センサ26の各受光部PD11〜PD79から得ら
れてたデジタル個別輝度データの補正を行う。
【0122】ステップ(352) 姿勢検出センサ45の情報を入力する。
【0123】ステップ(353) 入力された姿勢検出センサ45の情報からカメラ本体1
0の姿勢(撮影姿勢)が横位置か縦位置かを判別する。
横位置ならばステップ(354)へ進み、縦位置ならば
ステップ(355)へ進む。
【0124】ステップ(354) 第2実施形態のステップ(254)と同様に、補正を行
った各受光部の個別輝度データからY1〜Y7の各行に
対応した平均輝度データを算出する。
【0125】ステップ(355) 第2実施形態のステップ(255)と同様に、補正を行
った各受光部の個別輝度データからX1〜X9の各列に
対応した平均輝度データを算出する。
【0126】このように、ステップ(352)からステ
ップ(355)において、カメラ制御回路41は、カメ
ラの撮影姿勢が横位置か縦位置かを判別し、Y1〜Y7
の各行に対応した平均輝度データを算出するか、X1〜
X9の各列に対応した平均輝度データを算出するかを選
択する。
【0127】ステップ(354)又はステップ(35
5)が終了するとステップ(356)へ進む。
【0128】ステップ(356) 第1実施形態のステップ(154)と同様に、焦点検出
領域の情報を読み込む。
【0129】ステップ(357) 第1実施形態のステップ(155)と同様に、測光セン
サ26の各受光部PD11〜PD79から得られるデジ
タル個別輝度データに基づいて、撮影画面全体の平均的
輝度Bvaを算出する。
【0130】ステップ(358) ステップ(354)にて演算したY1〜Y7の各行に対
応した平均輝度データ又はステップ(355)にて演算
したX1〜X9の各列に対応した平均輝度データの値の
なす近似的直線を算出し、その直線の傾き量(変化度)
を算出する。
【0131】近似的直線の算出方法としては、最小二乗
法などによる算出方法の他、より簡易的算出方法とし
て、横位置撮影の場合にはY1とY2の中間値とY6と
Y7の中間値との間に直線を引くといった手法でもよ
い。
【0132】図13は、図9にて示したY1〜Y7の各
行に対応した平均輝度データの横棒グラフにおいて近似
的直線81を演算し、グラフ上に追加したものである。
【0133】この近似的直線の傾きは約0.9であり、
これをこのステップで算出する平均輝度データの傾き量
とする。この傾き量の意味合いとしては、撮影画面の下
部であるY7行から撮影画面の上部であるY1行に向け
て平均で1行あたりBv値で約0.9だけ輝度が高くな
っていることを表すものである。
【0134】ステップ(359) 算出した平均輝度データの傾き量が所定量以上大きいか
否かを判別する。所定量以上大きい場合は逆光シーンで
あると判定してステップ(360)へ進む。この判定の
ための所定量としては、測光センサ26の受光部の分割
数等の条件で異なるが、本実施形態の場合は0.4〜
0.7位が適当であると考えられる。
【0135】このため、図13のように傾き量が0.9
である場合、ステップ(360)に進むことになる。
【0136】ステップ(360) 逆光シーンに応じた露出補正量ΔBvを算出する。算出
手法としては、 露出補正量ΔBv=−α×GRAD(YnXn) 等が挙げられる。ここで、αは所定の係数であり、本実
施形態の場合は1.5程度が適当であると考えられる。
【0137】また、GRAD(YnXn)はステップ
(358)で算出したY1〜Y7の各行に対応した平均
輝度データ又はX1〜X9の各列に対応した平均輝度デ
ータの傾き量の値である。
【0138】なお、ステップ(359)にて傾き量が所
定量に達しないと判別した場合は、逆光シーンではない
として、ステップ(360)は実行しない。つまり、こ
の場合は、露出補正量ΔBv=0であることと同等であ
る。
【0139】ステップ(361) ステップ(357)にて算出した平均的輝度値Bvaお
よびステップ(360)にて算出した露出補正量ΔBv
を加算して逆光補正を含む被写体輝度値Bveを算出す
る。すなわち、 被写体輝度値Bve=Bva+ΔBv である。
【0140】ステップ(362) フラッシュ47を使用して撮影すべきシーンかどうかの
判別を行う。フラッシュ47を使用して撮影すべきシー
ンとしての条件としては、第1実施形態のステップ(1
60)と同様に、第1に、算出された被写体輝度値Bv
eが所定の輝度よりも低いこと(例えばBve≦5)を
満たすか、第2にステップ(359)において逆光シー
ンであると判別された場合の何れかである。フラッシュ
47を使用して撮影すべきシーンであると判別した場合
にはステップ(363)へ進む。
【0141】ステップ(363) フラッシュ47の発光準備を行う。なお、フラッシュ4
7を使用して撮影すべきシーンではないと判別した場合
にはステップ(363)は実行しない。
【0142】ステップ(364) ステップ(361)にて算出した被写体輝度値Bveと
ステップ(362)にて判別したフラッシュ47の使用
の有無にと基づいて、最適な露出制御因子であるシャッ
ター速度や絞り値を決定する。
【0143】(第3実施形態の変形例)上記第3実施形
態においては、撮影画面内の平均的な輝度の傾きを算出
するために、測光用センサ26の63分割された受光部
の各個別輝度データから、ステップ(354)又はステ
ップ(355)にてY1〜Y7の各行に対応した平均輝
度データ又はX1〜X9の各列に対応した平均輝度デー
タを算出し、ステップ(358)にて平均輝度データY
1〜Y7又は平均輝度データX1〜X9の傾きを算出す
る手法を用いているが、他の演算手法によって撮影画面
内の平均的な輝度の傾きを算出してもよい。
【0144】すなわち、まず図3(b)にて示した測光
用センサ26の出力信号に基づいて、横位置撮影であれ
ばPD11〜PD71の7つの受光部出力より近似的直
線を求め、第1の傾きを算出する。
【0145】同様に、PD12〜PD72の7つの受光
部の出力より近似的直線を求めて第2の傾き量を算出
し、以下同様に、PD19〜PD79の7つの受光部の
出力から近似的直線を求めて第9の傾き量までを算出す
る。そして、算出した第1から第9の傾き量の平均値を
算出すれば、第3実施形態における輝度データY1〜Y
7から算出した平均輝度データの傾き量と同様な情報が
得られる。
【0146】また、縦位置撮影であれば、PD11〜P
D19の9つの受光部の出力から近似的直線を求めて第
1の傾き量を算出し、PD21〜PD29の9つの受光
部の出力より近似的な直線を求めて第2の傾きを算出
し、以下同様にPD71〜PD79の9つの受光部の出
力から近似的直線を求めて第7の傾き量までを算出す
る。そして、算出した第1から第7の傾き量の平均値を
算出すれば、第3実施形態における平均輝度データX1
〜X9から算出した輝度データの傾き量と同様な情報が
得られる。
【0147】以上のような演算を行って、撮影画面内の
輝度の傾きを算出してから第3実施形態のステップ(3
59)に進み、逆光シーンの判定を行うことができる。
【0148】(第4実施形態)第3実施形態では、ステ
ップ(109)で実行する露出演算内容における逆光シ
ーン判定の手法として、Y1〜Y7の各行に対応した平
均輝度データ又はX1〜X9の各列に対応した平均輝度
データの近似的直線による輝度の傾きを算出する手法を
説明したが、より様々な逆光シーンを検出する手法とし
て、Y1〜Y7の各行に対応した平均輝度データ又はX
1〜X9の各列に対応した平均輝度データの値のなす形
状のパターンから逆光シーン判定を行う手法も考えられ
る。この手法について、図14のフローチャートに従っ
て説明する。
【0149】ステップ(451) 露出演算を行うために必要なレンズ情報等をレンズ制御
回路51から受け取り、図5のステップ(108)にて
測光センサ26の各受光部PD11〜PD79から得ら
れたデジタル個別輝度データの補正を行う。
【0150】ステップ(452) 第1実施形態におけるステップ(152)と同様に、補
正を行った各受光部の個別輝度データからY1〜Y7の
各行に対応した平均輝度データを算出する。
【0151】ステップ(453) 第1実施形態におけるステップ(153)と同様に、補
正を行った各受光部の個別輝度データからX1〜X9の
各列に対応した平均輝度データを算出する。
【0152】ステップ(454) 第1実施形態におけるステップ(154)と同様に、焦
点検出領域の情報を読み込む。
【0153】ステップ(455) 第1実施形態のステップ(155)と同様に、測光セン
サ26の各受光部PD11〜PD79から得られたデジ
タル個別輝度データに基づいて、撮影画面全体の平均的
輝度Bvaを算出する。
【0154】ステップ(456) ステップ(454)にて演算したY1〜Y7の各行に対
応した平均輝度データおよびステップ(455)にて演
算したX1〜X9の各列に対応した平均輝度データの値
に関する近似的曲線を算出する。
【0155】ここで、上記近似曲線についてY1〜Y7
の各行の側で説明する。図15は図9にて示したY1〜
Y7の各行に対応した平均輝度データの横棒グラフにお
いて、3次の近似的曲線82を演算し、グラフ上に追加
したものである。
【0156】このグラフに示されるように、曲線82は
Y1〜Y7の各行に対応した平均輝度データの包絡線と
見なすことができる。X1〜X9の各列に対応した平均
輝度データの近似的曲線も同様に算出する。
【0157】ステップ(457) 算出した近似的曲線の形状パターンを、予め用意した代
表形状パターンと比較してパターン分類を行う。図16
には、Y1〜Y7の各行に対応した平均輝度データがな
す形状に対して用意する代表形状パターンの例である。
【0158】図16において、(a)はY1〜Y7の各
行に対応した平均輝度データが殆ど一定値である代表形
状パターンであり、(b)はY1行側の平均輝度データ
がY7行側の平均輝度データに向かってほぼ単調に増加
する代表形状パターンである。
【0159】また、(c)はY1行側の平均輝度データ
がY7行側の平均輝度データに向かってほぼ単調に減少
する代表形状パターンであり、(d)はY4行付近に最
大の平均輝度データがあって、Y1行側およびY7行側
に向かって平均輝度データが減少する代表形状パターン
である。さらに、(e)はY4行付近に最小の平均輝度
データがあって、Y1行側およびY7行側に向かって平
均輝度データが増加する代表形状パターンである。
【0160】一方、図17には、X1〜X9の各列に対
応した平均輝度データのなす形状に対して用意する代表
形状パターンの例である。図17において、(a)はX
1〜X9の各列に対応した平均輝度データが殆ど一定値
の代表形状パターンであり、(b)はX1列側の平均輝
度データがX9列側の平均輝度データに向かってほぼ単
調増加する代表形状パターンである。また、(c)はX
1列側の平均輝度データがX9列側の平均輝度データに
向かってほぼ単調減少する代表形状パターンであり、
(d)はX5列付近に最大の平均輝度データがあって、
X1列側およびX9列側に向かって平均輝度データが減
少する代表形状パターンである。さらに、(e)はX5
列付近に最小の平均輝度データがあって、X1列側およ
びX9列側に向かって平均輝度データが増加する代表形
状パターンである。
【0161】第1実施形態で説明した図7の撮影構図
で、図8のような輝度データが得られている場合では、
Y1〜Y7の各行に対応した平均輝度データのなす形状
パターン、すなわち曲線82が、用意された図16
(a)〜(e)の代表形状パターンのなかで(b)のパ
ターンと最もマッチングがよい。このため、曲線82を
(b)のパターンに分類する。
【0162】また、X1〜X9の各列に対応した平均輝
度データは、図10に示したものであり、図10には近
似的曲線は図示していないが、各平均輝度データ間の差
が少なく際立った形状傾向もないので、用意された図1
7(a)〜(e)の代表形状パターンのなかで(a)の
パターンと最もマッチングがよい。よって、X1〜X9
の各列に対応した平均輝度データがなす形状パターンを
(a)のパターンに分類する。
【0163】なお、得られたデータと参照データとの形
状パターンのマッチングをとる手法は様々であるが、得
られたデータの近似的曲線を求めずに参照データと直接
相関をとる手法もある。
【0164】ステップ(458) 分類された平均輝度データの形状パターンから、逆光シ
ーンであるかどうかを判別する。ここで、パターン分類
の結果として、図16(a)〜(e)の代表形状パター
ンのうち(b),(c),(e)に分類された場合又は
図17(a)〜(e)の代表形状パターンのうち
(b),(c),(e)に分類された場合は逆光シーン
であると判定してステップ(459)へ進む。
【0165】このため、上述したように図16(b)の
タイプにパターン分類された場合は、ステップ(45
9)へ進むことになる。
【0166】ステップ(459) 逆光シーンに応じた露出補正量ΔBvを算出する。算出
手法としては第1実施形態におけるステップ(158)
と同様で構わない。
【0167】なお、ステップ(458)にて所定量以上
大きい平均輝度データの傾き量ではないと判別した場合
は、逆光シーンではないので、ステップ(459)は実
行しない。したがって、この場合は露出補正量ΔBv=
0であることと同等である。
【0168】ステップ(460) ステップ(455)にて算出した平均的輝度値Bvaお
よびステップ(459)にて算出した露出補正量ΔBv
を加算して逆光補正を含む被写体輝度値Bveを算出す
る。すなわち、 被写体輝度値Bve=Bva+ΔBv である。
【0169】ステップ(461) フラッシュ47を使用して撮影すべきシーンかどうかの
判別を行う。フラッシュ47を使用して撮影すべきシー
ンとしての条件としては、第1実施形態のステップ(1
60)と同様に、第1に、算出された被写体輝度値Bv
eが所定の輝度よりも低いこと(例えばBve≦5)を
満たすか、第2に、ステップ(458)において逆光シ
ーンであると判別された場合の何れかである。
【0170】フラッシュ47を使用して撮影すべきシー
ンであると判別した場合には、ステップ(462)へ進
む。
【0171】ステップ(462) フラッシュ47の発光準備を行う。なお、ステップ(4
61)にてフラッシュ47を使用して撮影すべきシーン
ではないと判別した場合には、ステップ(462)は実
行しない。
【0172】ステップ(463) ステップ(460)にて算出した被写体輝度値Bveと
ステップ(461)にて判別したフラッシュ47の使用
の有無とに基づいて、最適な露出制御因子であるシャッ
ター速度や絞り値を決定する。
【0173】なお、ステップ(458)において分類さ
れたパターンのうちどのパターンのものを逆光シーンと
判別するかについては、ステップ(454)にて読み込
んだ焦点検出領域の位置を考慮する方がより望ましい。
【0174】例えば、図16および図17の(e)に分
類されるシーンのように、画面の中央付近が暗いシーン
は、被写体が中央付近に配置された一般的撮影状況では
逆光シーンと位置付けられるが、被写体が画面の周辺付
近に配置された場合はそうとも言えない。
【0175】被写体が画面の周辺付近に配置された場合
は、むしろ図16および図17の(d)に分類されるシ
ーンを逆光シーンと判別する必要がある。
【0176】なお、図16および図17にて示した代表
形状パターンは例であって、これに限定されるものでは
ない。また、焦点検出領域の位置に応じて、用意する代
表形状パターンを異ならせるようにしてもよい。
【0177】(第5実施形態)以上説明した第1から第
4実施形態においてステップ(109)等で実行する露
出演算内容は、Y1〜Y7の各行に対応した平均輝度デ
ータ又はX1〜X9の各列に対応した平均輝度データを
演算して、これらのデータに基づいて所定のアルゴリズ
ムにより逆光シーンを判定するものであるが、雪景色の
中などの一部の逆光シーンにおいては、撮影画面が全体
的に輝度が高く、かつ画面内の輝度の傾きに特徴が現れ
にくく、中央又は焦点検出領域付近の輝度だけが低いと
いった場合もある。こうした逆光シーンにも対応するア
ルゴリズムついて、図18のフローチャートに従って説
明する。
【0178】ステップ(551) 露出演算を行うために必要なレンズ情報等をレンズ制御
回路51から受け取り、図5のステップ(108)にて
測光センサ26の各受光部PD11〜PD79より得ら
れたデジタル個別輝度データの補正を行う。
【0179】ステップ(552) 姿勢検出センサ45の情報を読み込む。
【0180】ステップ(553) 読み込んだ姿勢検出センサ45の情報からカメラの撮影
姿勢が横位置か縦位置かを判別する。横位置ならばステ
ップ(554)へ進み、縦位置ならばステップ(55
5)へ進む。
【0181】ステップ(554) 第2実施形態のステップ(254)と同様に、補正を行
った各受光部の個別輝度データからY1〜Y7の各行に
対応した平均輝度データを算出する。
【0182】ステップ(555) 第2実施形態のステップ(255)と同様に、補正を行
った各受光部の個別輝度データからX1〜X9の各列に
対応した平均輝度データを算出する。
【0183】このように、ステップ(552)からステ
ップ(555)において、カメラ制御回路41は、カメ
ラの撮影姿勢が横位置か縦位置かを判別し、Y1〜Y7
の各行に対応した平均輝度データを算出するか、X1〜
X9の各列に対応した平均輝度データを算出するかを選
択する。
【0184】ステップ(554)又はステップ(55
5)が終了すると、ステップ(556)へ進む。
【0185】ステップ(556) 算出したY1〜Y7の各行に対応した平均輝度データ又
はX1〜X9の各列に対応した平均輝度データの中で、
所定値以上の高輝度データとなっているものがあるかど
うかを判別する。ここにいう所定値としては、空領域の
輝度を想定してBv値で9〜10くらいが適当である。
【0186】図7にて示したようなシーンであって、図
8にて示した輝度データになるような例において、所定
値を10とすると、Y1およびY2の平均輝度データが
Bv値で10を超えているので、高輝度データ有りと判
別してステップ(557)へ進む。
【0187】ステップ(557) 高輝度データと判別したY1とY2の平均輝度データを
除いて、Y3〜Y7の平均輝度データのさらに平均値を
算出し、画面全体の平均的輝度データBvaとする。
【0188】これにより、画面内に逆光の空領域が入っ
ている場合に、露出がアンダー傾向になるのを防止する
ことができる。
【0189】但し、撮影状況によっては、画面全体が高
輝度であって、Y1〜Y7が全て所定値を超える可能性
もあり、この場合は平均的輝度データBvaを算出でき
なくなってしまう。
【0190】このため、平均的輝度データBvaの算出
にあたって高輝度データを除くとしても輝度が高い側か
ら2番目までといった限定を設けるか、或いは高輝度デ
ータを全く除いてしまうのではなく、その値をBv値で
9〜10程度にリミットをかけて平均的輝度データBv
aの算出に用いるといった手法を採ることも考えられ
る。
【0191】このステップが終了すると、ステップ(5
59)へ進む。また、ステップ(556)にて高輝度デ
ータが無いと判別した場合にはステップ(558)へ進
む。
【0192】ステップ(558) Y1〜Y7の平均輝度データの平均値を算出して、撮影
画面の平均的輝度データBvaとする。そしてステップ
(559)へ進む。
【0193】ステップ(559) 第1実施形態のステップ(154)と同様に、焦点検出
領域の情報を読み込むむ。
【0194】ステップ(560) 焦点検出領域の個別輝度データとステップ(557)又
はステップ(558)にて算出した平均的輝度データB
vaとを比較する。
【0195】ステップ(561) 平均的輝度データBvaに対して焦点検出領域の個別輝
度データが所定量以上低い、すなわち画面の全体的な輝
度に対して焦点検出領域の輝度が所定量以上暗い場合
は、ステップ(562)に進む。
【0196】ステップ(562) 平均的輝度データBvaと焦点検出領域の個別輝度デー
タとの差に応じて露出補正量ΔBvを決定する。この露
出補正量ΔBvによって焦点検出領域のみが暗いような
シーンに対して主被写体が露出アンダーになるのを防止
できる。
【0197】なお、平均的輝度データBvaに対して焦
点検出領域の個別輝度データが所定量以上低いと判別し
なかった場合にはステップ(562)を実行せずに、ス
テップ(563)へ進む。この場合は、露出補正量ΔB
v=0である。
【0198】ステップ(563) ステップ(557)又はステップ(558)にて算出し
た平均的輝度データBvaに、ステップ(562)にて
算出した露出補正量ΔBvを加算して被写体輝度値Bv
eを算出する。すなわち、 被写体輝度値Bve=Bva+ΔBv である。
【0199】ステップ(564) 第3実施形態のステップ(358)と同様に、ステップ
(554)にて演算したY1〜Y7の各行に対応した平
均輝度データ又はステップ(555)にて演算したX1
〜X9の各列に対応した平均輝度データのなす近似的直
線に基づく傾き量を算出する。
【0200】ステップ(565) フラッシュ47を使用して撮影すべきシーンかどうかの
判別を行う。フラッシュ47を使用して撮影すべきシー
ンとしての条件としては、第1に、算出された被写体輝
度値Bveが所定の輝度よりも低いこと(例えばBve
≦5)を満たすか、第2に、ステップ(564)のステ
ップにおいて算出した輝度データ傾き量が所定量以上で
あると判別された場合の何れかである。フラッシュ47
を使用して撮影すべきシーンであると判別した場合には
(566)へ進む。
【0201】ステップ(566) フラッシュ47の発光準備を行う。なお、ステップ(5
65)において、フラッシュ47を使用して撮影すべき
シーンではないと判別した場合には、ステップ(56
6)は実行しない。
【0202】ステップ(567) ステップ(563)にて算出した被写体輝度値Bveと
ステップ(565)にて判別したフラッシュ47の使用
の有無とに基づいて、最適な露出制御因子であるシャッ
ター速度や絞り値を決定する。
【0203】なお、特開平10−300427号公報等
にも説明されているように、数学或いは画像工学等で
は、m行×n列といった2次元配列のデータから行方向
や列方向に加算し、平均化した1次元配列のデータに変
換する手法のことを2次元から1次元への投影又は射影
という言い方をする場合がある。
【0204】また、列方向や行方向に加算した結果得ら
れた1次元配列のデータのことを、射影像或いは射影デ
ータと呼ぶこともある。
【0205】この様な呼び方に従えば、以上の各実施形
態にて説明してきたY1〜Y7の各行に対応した平均輝
度データのことを行方向又はY軸方向の射影像、X1〜
X9の各列に対応した平均輝度データのことを列方向又
はX軸方向の射影像と呼ぶことができる。
【0206】(第6実施形態)上記第1〜第5実施形態
では、測光用センサ26の受光部の分割構成が、単純な
m行×n列で表される2次元配列となっている場合につ
いて説明したが、このような構成の測光用センサ以外で
も、同様な逆光判定を行うことができる。
【0207】図19には、第1〜第5実施形態における
測光用センサ26に代わって用いられる測光用センサ6
26の受光部の分割構成を示している。
【0208】この図で示すように、測光用センサ626
においては、2次元に29分割された各受光部P01〜
P45は、その形状が6角形であり、蜂の巣状に配列さ
れている。
【0209】測光用センサ626の各受光部P01〜P
45の出力信号から第1〜第5実施形態にて説明したY
1〜Y7の各行に対応した平均輝度データ又はX1〜X
9の各列に対応した平均輝度データに相当する1次元の
輝度データを算出するためには、以下のようなグループ
に分類した演算をすればよい。
【0210】横位置の撮影姿勢において、利用価値の高
いY1〜Y7の各行に対応したグループの平均輝度デー
タに相当する輝度データYH1〜YH5を得るための演
算式は、 YH1=(P01+P02+P03+P04+P05)
÷5 YH2=(P11+P12+P13+P14+P15+
P16)÷6 YH3=(P20+P21+P22+P23+P24+
P25+P26)÷7 YH4=(P31+P32+P33+P34+P35+
P36)÷6 YH5=(P41+P42+P43+P44+P45)
÷5 となる。
【0211】また、縦位置の撮影姿勢において、利用価
値の高いX1〜X9の各列に対応したグループの平均輝
度データに相当する1次元の輝度データXH11〜XH
15を得るための第1の演算式例は、 XH11=(P01+P21+P41)÷3 XH12=(P02+P23+P42)÷3 XH13=(P03+P24+P43)÷3 XH14=(P04+P25+P44)÷3 XH15=(P05+P26+P45)÷3 となる。
【0212】また、縦位置の撮影姿勢において、利用価
値の高いX1〜X9の各列に対応したグループの平均輝
度データに相当する1次元の輝度データXH21〜XH
25を得るために、上記第1の演算式例に代えて採用さ
れる第2の演算式例は、 XH21={(P01+P21+P41)+(P11+
P12)÷2+(P31+P32)÷2}÷5 XH22={(P02+P23+P42)+(P12+
P13)÷2+(P32+P33)÷2}÷5 XH23={(P03+P24+P43)+(P13+
P14)÷2+(P33+P34)÷2}÷5 XH24={(P04+P25+P44)+(P14+
P15)÷2+(P34+P35)÷2}÷5 XH25={(P05+P26+P45)+(P15+
P16)÷2+(P35+P36)÷2}÷5 となる。
【0213】さらに、縦位置の撮影姿勢において、利用
価値の高いX1〜X9の各列に対応したグループの平均
輝度データに相当する1次元の輝度データXH31〜X
H36を得るために、上記第1および第2の演算式例に
代えて採用される第3の演算式例は、 XH31=(P11+P20+P21+P31)÷4 XH32=(P12+P21+P23+P32)÷4 XH33=(P13+P23+P24+P33)÷4 XH34=(P14+P24+P25+P34)÷4 XH35=(P15+P25+P26+P35)÷4 XH36=(P16+P26+P27+P36)÷4 となる。
【0214】以上のような演算式にて求められた1次元
データYH1〜YH5およびXH11〜XH15又はX
H21〜XH25又はXH31〜XH36は、前述した
第1〜第5実施形態におけるY1〜Y7の各行に対応し
た平均輝度データ又はX1〜X9の各列に対応した平均
輝度データと同様な扱いをすることができる。
【0215】このようにすることで、単純にm行×n列
で表される2次元配列の測光用センサでなくても、この
測光用センサと同等に扱うことができ、さらに上記各実
施形態にて説明したアルゴリズムを適用して、撮影画面
内の高輝度領域を判別したり、輝度データの傾き量を演
算したりして、逆光シーンの判定を行い、適正な露出決
定をすることができる。
【0216】なお、以上説明した各実施形態では、写真
フィルムに撮影を行うカメラについて説明したが、本発
明は、CCD等の光電変換素子によって光画像を電気信
号に変換して信号出力を行ったり信号記録を行ったりす
る、いわゆるデジタルスチルカメラやビデオカメラにお
いても適用することができる。
【0217】デジタルスチルカメラやビデオカメラに本
発明を適用する場合には、測光用センサを専用に設ける
ことなく、撮像用の光電変換素子より撮影画面内にて2
次元配列された多分割領域の個別輝度情報を得て、得ら
れた輝度情報を1次元の平均輝度データに変換して逆光
判別することができる。
【0218】さらに、2次元の輝度情報を1次元の輝度
情報に変換する場合には、本実施形態に示したように、
2次元配列された複数の受光部を有する光電変換センサ
の出力信号を読み出した後に、マイクロコンピュータ等
によるソフトウェアで演算処理する手法の他に、光電変
換センサと同一チップ上に集積された処理回路によりハ
ードウェアで変換する手法も採ることができる。
【0219】
【発明の効果】以上説明したように、本願第1の発明に
よれば、従来に比べて小さく分割された測光領域の個々
の輝度情報(個別輝度情報)を得るとともに、各測光領
域の行方向や列方向での平均の輝度情報(平均輝度情
報)を得るので、主被写体領域(例えば、焦点検出領域
に対応した測光領域)の個別輝度情報と上記各平均輝度
情報とを比較したり複数の平均輝度情報から得られる撮
影範囲内の明るさ変化の傾向を算出したり等することが
できるようになり、従来方式では逆光判別できない撮影
シーンでも適正な逆光判別を行うことができる。
【0220】なお、検出したカメラ姿勢に応じて行方向
および列方向のうち分割領域ごとの輝度情報の平均化を
行う方向として一方向を選択するようにすれば、行方向
および列方向の双方に関して平均化演算を行う場合に比
べて、演算処理の負担を軽くしたり処理速度を速くした
りすることができる。
【0221】また、本願第2の発明によれば、1次元方
向に複数並んだ各グループの個々の輝度情報を得るとと
もに、グループごとの輝度情報の変化度を得ることで、
撮影範囲の1次元方向における平均的な輝度の変化度を
得ることができ、従来方式では逆光判別できない撮影シ
ーンでも適正な逆光判別を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態である一眼レフカメラの
光学構成を示す断面図。
【図2】上記カメラの焦点検出用センサの構成例を表わ
す図。
【図3】上記カメラの測光用センサの構成例を表わす
図。
【図4】上記カメラの電気回路の構成を表すブロック
図。
【図5】上記カメラの制御回路の動作フローチャート。
【図6】上記カメラの制御回路の動作フローチャート。
【図7】上記カメラの撮影画面の例を示す図。
【図8】上記撮影画面に対して得られる輝度データの例
を表わす図。
【図9】上記輝度データを棒グラフにて表した図。
【図10】上記輝度データを棒グラフにて表した図。
【図11】本発明の第2実施形態であるカメラの制御回
路の動作フローチャート。
【図12】本発明の第3実施形態であるカメラの制御回
路の動作フローチャート。
【図13】上記第3実施形態のカメラにおける輝度デー
タのなす近似的直線を表した図。
【図14】本発明の第4実施形態であるカメラの制御回
路の動作フローチャート。
【図15】上記第4実施形態のカメラにおける輝度デー
タの近似的曲線を表した図。
【図16】上記第4実施形態のカメラにおける輝度デー
タの代表形状パターンの例を示した図。
【図17】上記第4実施形態のカメラにおける輝度デー
タの代表形状パターンの例を示した図。
【図18】本発明の第5実施形態であるカメラの制御回
路の動作フローチャート。
【図19】本発明の第6実施形態であるカメラの制御回
路の動作フローチャート。
【図20】従来のカメラにおける測光用センサの構成例
を表わす図。
【図21】撮影構図の例を表す図。
【図22】従来における測光用センサと撮影構図との関
係を表す図。
【符号の説明】
10 カメラ本体 20 焦点検出用センサ 26 測光用センサ 30 交換レンズ 41 カメラ制御回路 45 姿勢検出センサ 47 フラッシュ 51 レンズ制御回路 56 フォーカスエンコーダー 57 ズームエンコーダー PD11〜PD79,P01〜P45 (分割された)
受光部 X 列 Y 行

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 撮影範囲を複数行×複数列で表される複
    数の測光領域に分割し、これら分割領域ごとの輝度情報
    を得る測光手段と、 この測光手段により得られた前記分割領域ごとの個別輝
    度情報を行方向および列方向のうち少なくとも一方に平
    均化した複数の平均輝度情報を得るとともに、これら複
    数の平均輝度情報を用いた逆光判定処理を行う判定手段
    とを有することを特徴とするカメラ。
  2. 【請求項2】 カメラ姿勢を検出する姿勢検出手段を有
    しており、 前記判定手段は、前記姿勢検出手段による検出結果に応
    じて、行方向および列方向のうち前記分割領域ごとの個
    別輝度情報の平均化を行う方向として一方向を選択する
    ことを特徴とする請求項1に記載のカメラ。
  3. 【請求項3】 前記判定手段は、前記複数の平均輝度情
    報と、前記複数の分割領域のうち焦点検出領域に対応す
    る分割領域の個別輝度情報との差が所定値以上であると
    きに逆光状態と判定することを特徴とする請求項1に記
    載のカメラ。
  4. 【請求項4】 前記判定手段は、前記複数の平均輝度情
    報の行方向又は列方向における変化度が所定の変化度よ
    りも大きいときに逆光状態と判定することを特徴とする
    請求項1に記載のカメラ。
  5. 【請求項5】 前記判定手段は、前記複数の平均輝度情
    報の行方向又は列方向における変化パターンが、逆光状
    態を示す所定の変化パターンに近似しているときに逆光
    状態と判定することを特徴とする請求項1に記載のカメ
    ラ。
  6. 【請求項6】 前記判定手段は、前記逆光状態を示す所
    定の変化パターンとして、焦点検出領域に応じた変化パ
    ターンを選択することを特徴とする請求項5に記載のカ
    メラ。
  7. 【請求項7】 撮影範囲を2次元に複数の測光領域に分
    割し、これら分割領域を1次元方向に並ぶ複数のグルー
    プとして分類し、これらグループごとの輝度情報を得る
    測光手段と、 この測光手段により得られた前記グループごとの輝度情
    報の変化度を示す情報を用いて逆光判定処理を行う判定
    手段を有することを特徴とするカメラ。
  8. 【請求項8】 前記判定手段は、前記グループごとの輝
    度情報の変化度が所定の変化度よりも大きいときに逆光
    状態と判定することを特徴とする請求項7に記載のカメ
    ラ。
  9. 【請求項9】 前記判別手段により逆光状態と判別され
    たときに、露出補正値を演算する補正演算手段を有する
    ことを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載のカ
    メラ。
  10. 【請求項10】 前記判別手段により逆光状態と判別さ
    れたときに、フラッシュ発光を行うか否かを決定する発
    光決定手段を有することを特徴とする請求項1から9の
    いずれかに記載のカメラ。
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