JP2002296537A - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

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JP2002296537A
JP2002296537A JP2001099278A JP2001099278A JP2002296537A JP 2002296537 A JP2002296537 A JP 2002296537A JP 2001099278 A JP2001099278 A JP 2001099278A JP 2001099278 A JP2001099278 A JP 2001099278A JP 2002296537 A JP2002296537 A JP 2002296537A
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wavelength
light
light source
light beam
image forming
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JP2001099278A
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English (en)
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Mitsuyoshi Watanabe
光由 渡▲なべ▼
Yoshiharu Yamada
祥治 山田
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Brother Industries Ltd
Original Assignee
Brother Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光源からの光束のみを選択的に観察者の瞳孔
へ入射させるとともに、光束が外部へ洩れることを防止
できる画像形成装置を提供する。 【解決手段】 画像形成装置1は、RGB光源11と、
そのRGB光源11から出射される光束を画像信号に応
じて変調する光源ドライブ回路5と、変調された光束を
水平方向に走査する水平走査光学系13及び垂直方向に
走査する垂直走査光学系15からなる走査光学系と、R
GB光源11から出射されて走査光学系により走査され
た所定の波長領域の光束のみを選択的に反射して観察者
の瞳孔に入射させる波長選択反射鏡17とを備えてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光束を走査して観
察者の網膜上に直接、画像を結像させて表示を行う画像
形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、レーザ、LED等の光源が発する
光束を二次元的に走査し、その走査光を観察者の瞳孔へ
入射させて網膜上に直接、画像を結像させて表示を行う
ように構成した網膜走査型ディスプレイが、本願出願人
による特許第2874208号公報等において提案され
ている。このような方式のディスプレイは、例えば、眼
鏡と同様に観察者の頭部に装着して使用するように構成
されており、高精細で画角の大きい画像を提供できると
いう利点を有する。また、観察者の瞳孔へ走査光を入射
させるための光学系に、入射する光の半分を反射させ、
残りの半分を透過させるハーフミラーを用いることによ
り、観察者は外界からの通常の画像及び光源による画像
情報の両方を重ねて観察することが可能である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、観察者
の瞳孔へ走査光を入射させるための光学系に通常のハー
フミラーを用いた場合には、光源からの光束の半分は反
射されて観察者の瞳孔へ入射されるが、残りの半分はハ
ーフミラーを透過して外部に洩れてしまう。従って、光
源が発する光量の半分しか画像形成に利用されないとい
う点で、構造的に無駄が多いという欠点がある。また、
その洩れ出た光束が変調される様子が、チカチカと点滅
する光として外部から観察されるために、網膜走査型デ
ィスプレイを装着した観察者の周囲にいる者に不快感を
与える可能性があるという問題も生じていた。更に、光
源からの出射光以外の余分な光がハーフミラーの反射面
に入射されると、この光もハーフミラーにより反射され
て観察者の瞳孔に入射されるため、暗い画像となり、そ
の観察の妨げになる場合も生じていた。
【0004】本発明は、上述した問題点を解決するため
になされたものであり、光源からの光束のみを選択的に
観察者の瞳孔へ入射させるとともに、光束が外部へ洩れ
ることを防止できる画像形成装置を提供することを目的
とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、請求項1に記載の画像形成装置は、少なくとも1つ
の光源と、その光源から出射される光束を画像信号に応
じて変調する変調手段と、前記変調された光束を二次元
的に走査する走査手段と、前記走査された光束を観察者
の瞳孔に入射させる光学系とを備えたものを対象とし
て、特に、前記光学系が、前記光源から出射される所定
の波長領域の光束のみを選択的に反射する波長選択反射
手段を備えていることを特徴とする。
【0006】従って、光源が光束を出射すると、変調手
段は、光源から出射される光束を画像信号に応じて変調
し、走査手段は、前記変調された光束を二次元的に走査
する。そして、波長選択反射手段は、光源から出射され
て走査手段により走査される光束のうち所定の波長領域
の光束のみを選択的に反射する。光源から出射される光
束の波長領域が波長選択反射手段が反射する光束の波長
領域に含まれるので、ほとんど全ての光源からの光束が
反射されることになる。よって、波長選択反射手段は光
源から出射される光束を効率よく反射して観察者の瞳孔
へ入射させるので、光量が減少することなく綺麗な画像
を観察者の網膜上に形成することができる。一方、光源
から出射される光束は、波長選択反射手段を透過しない
ので外部へ洩れることがなく、観察者の周囲にいる者に
不快感を与えることがない。さらに、波長選択反射手段
は、外界からの光の大部分を透過させるので、観察者は
光源からの明るい画像情報と外界からの明るい画像とを
確実に重ね合わせて観察することができる。
【0007】また、請求項2に記載の画像形成装置は、
前記光源が、赤色、緑色、青色にそれぞれ対応する波長
領域の光束を出射可能に構成され、前記波長選択反射手
段は、前記光源から出射される赤色、緑色、青色にそれ
ぞれ対応する波長領域の光束のみを選択的に反射するよ
うに構成したことを特徴とする。
【0008】従って、前記光源は、赤色、緑色、青色に
それぞれ対応する波長領域の光束を出射し、前記波長選
択反射手段は、前記光源から出射される赤色、緑色、青
色にそれぞれ対応する波長領域の光束のみを選択的に反
射する。この時、波長選択反射手段は、ほとんど全ての
光源からの光束を反射する。よって、観察者は、赤色
光、緑色光、青色光の組み合わせによる明るいカラー画
像を観察することができる。
【0009】また、請求項3に記載の画像形成装置は、
前記波長選択反射手段が、所定の波長領域の光束のみを
選択的に反射する反射層からなる複数の反射鏡を備え、
前記複数の反射鏡は、互いに異なる所定の波長領域の光
束のみを選択的に反射することを特徴とする。
【0010】従って、波長選択反射手段は、複数の反射
鏡がそれぞれ異なる波長領域の光束のみを選択的に反射
するので、複数の波長領域の光束を選択的に確実に観察
者の瞳孔へ入射させることができる。
【0011】よって、例えば、赤色、緑色、青色に対応
する複数の波長領域の光束を選択的に観察者の瞳孔へ入
射させることにより、観察者は明るいカラー画像を観察
することが可能となる。
【0012】また、請求項4に記載の画像形成装置は、
前記波長選択反射手段が、互いに異なる所定の波長領域
の光束のみを選択的に反射する反射層を複数積層して構
成したことを特徴とする。
【0013】従って、波長選択反射手段は、複数の反射
層がそれぞれ異なる波長領域の光束のみを選択的に反射
するので、複数の波長領域の光束を選択的に確実に観察
者の瞳孔へ入射させることができる。また、波長選択反
射手段が積層して構成されているので、所定の波長領域
を有する光束を、より高効率で確実に反射することがで
きる。
【0014】よって、例えば、赤色、緑色、青色に対応
する複数の波長領域の光束を選択的に観察者の瞳孔へ入
射させることにより、観察者はより明るいカラー画像を
観察することが可能となる。
【0015】また、請求項5に記載の画像形成装置は、
前記波長選択反射手段が、前記光源から出射される光束
の波長幅と略等しいか、若しくはやや広い波長幅の光束
を反射するように構成したことを特徴とする。従って、
波長選択反射手段は、前記光源から出射される光束の波
長幅と略等しいか、若しくはやや広い波長幅の光束を反
射するように構成したので、光源から出射される光束を
確実に反射する一方、前記波長幅に含まれない光束を透
過させることができる。よって、光源から出射される光
束を効率よく利用して画像を形成することができるとと
もに、光源から出射される光束以外の光を透過させるの
で、外部の光が反射して瞳孔に入射することにより画像
認識の邪魔になるということがない。
【0016】また、請求項6に記載の画像形成装置は、
前記光源から出射される光束の波長幅及び前記波長選択
反射手段により反射される光束の波長幅が、約10nm
以下に設定されていることを特徴とする。
【0017】従って、光源が約10nm以下の波長幅で
光束を出射すると、波長選択反射手段は、光源より出射
された光束を確実に反射する一方、約10nm以下の波
長幅に含まれない波長を有する全ての光束を透過させる
ことができる。よって、外界からの光のうち光源からの
光束の波長幅と同様の波長領域の光は瞳孔に入射されな
いが、波長幅が約10nm程度と狭いために、観察者が
違和感を覚える等の実用上の不都合は生じない。
【0018】また、請求項7に記載の画像形成装置は、
前記光源から出射される光束の波長幅及び前記波長選択
反射手段により反射される光束の波長幅が、その光束の
中心波長の約2%以下に設定されていることを特徴とす
る。
【0019】従って、光源が中心波長の約2%以下の波
長幅で光束を出射すると、波長選択反射手段は、光源よ
り出射された光束を確実に反射する一方、中心波長の約
2%以下の波長幅に含まれない光束を透過させることが
できる。よって、外界からの光のうち光源からの光束の
波長幅と同様の波長領域の光は瞳孔に入射されないが、
波長幅が光束の中心波長の約2%以下と狭いために、外
界からの光のうち反射されて瞳孔に入射しない光束の割
合は非常に小さくなり観察者が違和感を覚える等の実用
上の不都合は生じない。
【0020】また、請求項8に記載の画像形成装置は、
前記光源は、レーザ光源により構成されていることを特
徴とする。
【0021】従って、レーザ光源はレーザ光を出射し、
波長選択反射手段は所定の波長領域のレーザ光のみを反
射して、観察者の瞳孔に入射させることができる。よっ
て、光源としてレーザ光源を用いているので、液晶表示
媒体やLEDと比較して光量が大きく、綺麗な明るい画
像を形成することができるとともに、波長幅の狭い出射
光を容易に得ることができる。
【0022】また、請求項9に記載の画像形成装置は、
前記波長選択手段が、前記光源から出射される光束と外
部からの光束とが入射し、前記光源から出射される光束
のうち、所定の波長領域の光束のみを選択的に反射する
とともに、外部からの光束は透過させることを特徴とす
る。
【0023】従って、前記光源から出射される光束のう
ち、所定の波長領域の光束のみを選択的に反射して観察
者の瞳孔に入射させるとともに、外部からの光束を透過
させて観察者の瞳孔に入射させる。よって、観察者は、
光源からの画像情報と外界からの画像とが明瞭に重なっ
た状態で画像を観察することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の画像形成装置を具
体化した実施形態について図面を参照しながら説明す
る。
【0025】本実施形態の網膜走査型画像形成装置(以
下、画像形成装置)1は、観察者の網膜上に直接、画像
を結像させるように構成されており、観察者の頭部に装
着して使用するディスプレイ装置である。
【0026】画像形成装置1は、図1のブロック図に示
すように、映像信号供給手段3、光源ドライブ回路5、
水平走査系ドライブ回路7、垂直走査系ドライブ回路
9、RGB光源11、水平走査光学系13、垂直走査光
学系15、及び波長選択反射鏡17から構成されてい
る。尚、光源ドライブ回路5が本発明の変調手段を、R
GB光源11が光源を、水平走査光学系13及び垂直走
査光学系15が走査手段を、波長選択反射鏡17が光学
系を構成する波長選択反射手段を、それぞれ構成するも
のである。
【0027】映像信号供給手段3は、光源ドライブ回路
5、水平走査系ドライブ回路7、垂直走査系ドライブ回
路9にそれぞれ接続され、映像信号を供給するように構
成されている。
【0028】光源ドライブ回路5は、映像信号供給手段
3から供給される映像信号に基づいてRGB光源11を
強度変調させるための駆動信号を供給する回路である。
RGB光源11は、R(赤色),G(緑色),B(青
色)の3種類のレーザ光源からなり、光源ドライブ回路
5から供給される駆動信号に基づいて駆動されて、R、
G、Bの各波長に対応する強度変調された3色のレーザ
光による光束を発生させるように構成されている。
【0029】RGB光源11から出射されるレーザ光
は、図2に示すような波長分布を有している。ここで、
赤色光、緑色光、青色光の各出射光の中心波長に対する
波長幅の比は約2%以下に設定されている。すなわち、
赤色光、緑色光、青色光の各出射光の中心波長をそれぞ
れλ、λ、λとしたとき、各中心波長に対する波
長幅の比σλ/λ、σλ/λ、σλ/λ
0.02となるように設定されている。
【0030】従って、RGB光源11からは、赤色光、
緑色光、青色光の各中心波長近傍の波長領域のレーザ光
のみが出射される。RGB光源11から出射された3色
のレーザ光は、図示しないダイクロイックミラーで合成
された後、光ファイバーに結合され、水平走査光学系1
3へと導かれる。
【0031】水平走査系ドライブ回路7は、映像信号供
給手段3から供給される映像信号に基づいて水平走査光
学系13を駆動するための駆動信号を供給する回路であ
る。水平走査光学系13は、ポリゴンミラー等の光偏向
手段を用いた光走査装置からなり、RGB光源11から
出射されて光ファイバーにより導かれた光束を光偏向手
段により偏向するとともに、水平走査系ドライブ回路7
から供給される駆動信号に基づいてその光偏向手段を水
平方向に回転させて光束を水平走査させるように構成さ
れている。
【0032】垂直走査系ドライブ回路9は、映像信号供
給手段3から供給される映像信号に基づいて垂直走査光
学系15を駆動するための駆動信号を供給する回路であ
る。垂直走査光学系13は、ガルバノミラー等の光偏向
手段を用いた光走査装置からなり、水平走査光学系13
により走査される光束を光偏向手段により偏向するとと
もに、垂直走査系ドライブ回路9から供給される駆動信
号に基づいてその光偏向手段を垂直方向に回転させて光
束を垂直走査させるように構成されている。つまり、水
平走査光学系13と垂直走査光学系15とにより、レー
ザ光が二次元的に走査されるのである。そして、その二
次元走査されたレーザ光は、図示しないリレー光学系に
よりビーム整形されて、波長選択反射鏡17へと入射さ
れる。
【0033】波長選択反射鏡17は、観察者の眼に対向
して設置され、リレー光学系によりビーム整形された光
束を反射して観察者の瞳孔へ入射させるように構成され
ている。波長選択反射鏡17は、誘電体多層膜により構
成されている。この波長選択反射鏡17の構造につい
て、図3に示す波長選択反射鏡17の断面図を参照しな
がら説明する。
【0034】図3に示されるように、波長選択反射鏡1
7は、白板ガラス等からなる基板17a上に、屈折率の
高いH層17bの薄膜と屈折率の低いL層17cの薄膜
とを交互に蒸着させて多層とすることにより作製され
る。尚、H層及びL層が、本発明の反射層に相当するも
のである。また、波長選択反射鏡17における反射率の
高い領域の波長幅σλは、以下の式1により求めること
ができる。
【数1】 尚、n:H層の屈折率、n:L層の屈折率、λ:反
射光の中心波長、σλ:反射光の波長幅、である。ここ
で、式1より、H層の屈折率nとL層の屈折率n
の比が1に近いほど、すなわち、これらの値の差が小さ
いほど反射光の波長幅が狭くなり、波長の選択性が高く
なることがわかる。
【0035】ここで、赤色光、緑色光、青色光の各反射
光の中心波長に対する波長幅の比は約2%以下に設定さ
れている。すなわち、赤色光、緑色光、青色光の各反射
光の中心波長をそれぞれλ、λ、λとしたとき、
各中心波長に対する波長幅の比σλ/λ、σλ
λ、σλ/λ<0.02となるように設定されて
いる。尚、光源から出射する光束の中心波長に対する波
長幅の比を約2%に設定することは、RGB光源11と
して半導体レーザを使うことにより容易にできる。
【0036】また、このときの波長選択反射鏡17の最
大反射率Rmaxは、以下の式2で与えられる。
【数2】 尚、n:空気層の屈折率、n:基板の屈折率、N:
H層、L層の繰り返し数、である。よって、最大反射率
Rmax、空気層の屈折率n、基板の屈折率nにそ
れぞれの値を与えることにより、H層、L層の繰り返し
数Nを算出することができる。上述したように、波長の
選択性を高めるために、H層の屈折率とL層の屈折率と
が近接したものが選択されるので、高い最大反射率Rm
axを得るためにはH層、L層の繰り返し数Nを大きく
することが必要となる。
【0037】例えば、n=1.60,n=1.5
7,n=1.0,n=1.51,N=200となる
材料を選択して作製すると、σλ/λ=1.2%(例え
ば、λ=650nmの場合、反射光の波長幅σλ=7.
8nmとなる)、Rmax=99.8%という反射鏡を
得ることができる。ここで、n=1.60,n
1.57のように屈折率の値が近接した材料を積層する
ことにより、反射光の波長幅σλを狭くすることができ
る。尚、例えば、n=1.60の材料としては、Ge
を用いることができ、n=1.57の材料として
は、NaNoを用いることができる。また、n
1.51の材料としては、BK7(硼珪クラウン)ガラ
スを用いることができる。
【0038】これを赤色光(中心波長λ=1.57n
m)の45度入射で用いるには、H層の膜厚を、D
λ/(4ncos<光束の入射角(45度)>)=
143nm、L層の膜厚を、D=λ/(4nco
s<光束の入射角(45度)>)=146nmで形成す
ればよい。緑色光、青色光についても同様の計算を行う
ことにより、H層、L層それぞれの膜厚を算出すること
ができる。
【0039】そして、赤色光、緑色光、青色光のそれぞ
れを反射する反射層を同一基板17a上にそれぞれ20
0層づつ、計600層を積層形成することにより3色の
光を反射する波長選択反射鏡17を作製することができ
る。
【0040】このように構成された反射鏡17は、図2
の透過特性図に示されるように、赤色光、緑色光、青色
光の各中心波長近傍の波長領域(中心波長の2%)にお
ける光束のみをほぼ完全に反射する一方、これらの波長
領域に含まれない光束は透過させる特性を有する。
【0041】次に、上述した構成を有する画像形成装置
1が観察者の網膜上に画像を形成する場合の作用につい
て説明する。まず、映像信号供給手段3が、光源ドライ
ブ回路5、水平走査系ドライブ回路7、垂直走査系ドラ
イブ回路9に映像信号をそれぞれ供給する。RGB光源
11は、光源ドライブ回路5からの駆動信号に基づい
て、R,G,Bの各色の中心波長近傍の波長領域のレー
ザ光による光束を強度変調させて出射する。
【0042】3色のレーザ光は、図示しないダイクロイ
ックミラーで合成された後、光ファイバーに結合されて
水平走査光学系13へと導かれる。水平走査光学系13
は、水平走査系ドライブ回路7により駆動されて、ポリ
ゴンミラー等の光偏向手段を水平方向に回転させること
により光束を水平方向に走査する。続いて、その水平走
査光学系13により水平走査された光束は垂直走査光学
系15に入射され、垂直走査系ドライブ回路9によりガ
ルバノミラー等の光偏向手段を垂直方向に回転させるこ
とにより光束を垂直方向に走査する。
【0043】水平走査光学系13及び垂直走査光学系1
5により二次元走査された光束は、リレー光学系により
ビーム整形された後、観察者の眼に対向して設置された
波長選択反射鏡17によりR,G,B各色の中心波長近
傍の波長領域の光束のみが反射されて観察者の瞳孔に入
射される。
【0044】また、RGB光源11からのR,G,B各
色の中心波長近傍の波長領域に含まれない光束はすべて
波長選択反射鏡17を透過するため、観察者前方の外界
からの光はほとんど観察者の眼に入射され、観察者は外
界とレーザ光による画像情報とが明瞭に重なった状態で
画像を見ることができる。
【0045】尚、外界からの光のうちレーザ光の中心波
長近傍の波長領域と同様の波長領域の光は、観察者の眼
に入射されないが、波長幅が10nm程度と狭いため、
観察者が違和感を覚える等の実用上の問題は生じない。
一方、レーザ光とともに波長選択反射鏡17の反射面に
外界から光が入射したとしても、レーザ光と同様の波長
領域の光は反射されて眼に入射されるが、波長幅が10
nm程度と狭いため、同様に実用上の問題は生じない。
【0046】また、本実施形態の画像形成装置1は、反
射鏡として通常のハーフミラーを用いる場合と比較する
と、(1)レーザ光及び外界からの光を効率よく利用可
能である点、(2)レーザ光が外界に洩れない点、
(3)画像形成装置側から入射されるレーザ光以外の光
は反射鏡を透過するため、画像認識の邪魔にならない
点、等において有利な効果がある。
【0047】また、RGB光源11としてレーザ光源を
用いたので、液晶表示媒体やLEDよりも光量が多く、
観察される画像が綺麗であるとともに、消費電力も小さ
いという利点がある。また、レーザ光源を用いているの
で、極めて高い解像度を容易に実現することが可能であ
る。
【0048】尚、RGB光源11で用いられる波長幅が
10nm程度のレーザ光源は通常に市販されているの
で、容易に入手することが可能である。
【0049】尚、本発明は上述した実施形態に限定され
るものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々
の変更を施すことが可能である。
【0050】例えば、前記実施形態では、3色の光を反
射する反射層を同一基板17a上に積層形成することに
より波長選択反射鏡17を構成したが、各色の波長の光
束のみを選択的に反射する反射層からなる反射鏡を別々
に作製してこれらを組み合わせることにより波長選択反
射鏡17を構成してもよい。
【0051】また、前記実施形態では、RGB光源11
からの出射光の中心波長に対する波長幅の比を約2%以
下に設定したが、これに限られることはない。例えば、
波長幅を約10nm以下に設定してもよい。要するに、
RGB光源11からの出射光の波長幅を狭く設定すれば
よいのである。
【0052】また、前記実施形態では、波長選択反射鏡
17による反射光の中心波長に対する波長幅の比を約2
%以下に設定したが、これに限られることはない。例え
ば、波長幅を約10nm以下に設定してもよい。要する
に、波長選択反射鏡17からの反射光の波長幅を狭く設
定すればよいのである。この場合も、式1に示す関係に
基づいて設定された波長幅を満足するH層の屈折率とL
層の屈折率の関係を求め、これに該当する屈折率を有す
る材料を選べばよい。また、これで得られる波長選択反
射鏡17の最大反射率Rmaxを実現するために必要な
積層回数も式2により求めればよい。
【0053】
【発明の効果】以上説明したことから明らかなように、
請求項1に記載の画像形成装置によれば、光源が光束を
出射すると、変調手段は、光源から出射される光束を画
像信号に応じて変調し、走査手段は、前記変調された光
束を二次元的に走査することができる。そして、波長選
択反射手段は、光源から出射されて走査手段により走査
される所定の波長領域の光束のみを選択的に反射するこ
とができる。よって、波長選択反射手段は光源から出射
される光束を効率よく反射して観察者の瞳孔へ入射させ
るので、光量が減少することなく綺麗な画像を観察者の
網膜上に形成することができるという効果がある。一
方、光源から出射される光束は、波長選択反射手段を透
過しないので外部へ洩れることがなく、観察者の周囲に
いる者に不快感を与えることがないという効果もある。
さらに、波長選択反射手段は、外界からの光でも所定の
波長領域の光束は反射するが、大部分を透過させるの
で、観察者は光源からの明るい画像情報と外界からの明
るい画像とを確実に重ね合わせて観察することができる
という効果がある。
【0054】また、請求項2に記載の画像形成装置によ
れば、前記光源は、赤色、緑色、青色にそれぞれ対応す
る波長領域の光束を出射し、前記波長選択反射手段は、
前記光源から出射される赤色、緑色、青色にそれぞれ対
応する波長領域の光束のみを選択的に反射することがで
きる。よって、観察者は、赤色光、緑色光、青色光の組
み合わせによるカラー画像を観察することができるとい
う効果がある。
【0055】また、請求項3に記載の画像形成装置によ
れば、波長選択反射手段は、複数の反射鏡がそれぞれ異
なる波長領域の光束のみを選択的に反射するので、複数
の波長領域の光束を選択的に観察者の瞳孔へ入射させる
ことができる。よって、例えば、赤色、緑色、青色に対
応する複数の波長領域の光束を選択的に観察者の瞳孔へ
入射させることにより、観察者はカラー画像を観察する
ことが可能となるという効果がある。
【0056】また、請求項4に記載の画像形成装置によ
れば、複数の反射層が積層して構成された波長選択反射
手段は、複数の反射層がそれぞれ異なる波長領域の光束
のみを選択的に反射するので、複数の波長領域の光束を
選択的に観察者の瞳孔へ入射させることができる。よっ
て、例えば、赤色、緑色、青色に対応する複数の波長領
域の光束を選択的に確実に観察者の瞳孔へ入射させるこ
とにより、観察者は明るいカラー画像を観察することが
可能となるという効果がある。
【0057】また、請求項5に記載の画像形成装置によ
れば、波長選択反射手段は、前記光源から出射される光
束の波長幅と略等しいか、若しくはやや広い波長幅の光
束を反射するように構成したので、光源から出射される
光束を確実に反射する一方、前記波長幅以外の光束を透
過させることができる。よって、光源から出射される光
束を効率よく利用して画像を形成することができるとと
もに、光源から出射される光束以外の光を透過させるの
で、外部の光が反射して瞳孔に入射することにより画像
認識の邪魔になるということがないという効果がある。
【0058】また、請求項6に記載の画像形成装置によ
れば、光源が約10nm以下の波長幅で光束を出射する
と、波長選択反射手段は、光源より出射された光束を確
実に反射する一方、約10nm以下の波長幅に含まれな
い光束を透過させることができる。よって、外界からの
光のうち光源からの光束の中心波長における波長幅と同
様の波長領域の光は瞳孔に入射されないが、波長幅が約
10nm程度と狭いために、観察者が違和感を覚える等
の実用上の不都合は生じないという効果がある。
【0059】また、請求項7に記載の画像形成装置によ
れば、光源が中心波長の約2%以下の波長幅で光束を出
射すると、波長選択反射手段は、光源より出射された光
束を確実に反射する一方、中心波長の約2%以下の波長
幅に含まれない光束を透過させることができる。よっ
て、外界からの光のうち光源からの光束の中心波長にお
ける波長幅と同様の波長領域の光は瞳孔に入射されない
が、波長幅が光束の中心波長の約2%以下と狭いため
に、観察者が違和感を覚える等の実用上の不都合は生じ
ないという効果がある。
【0060】また、請求項8に記載の画像形成装置によ
れば、レーザ光源はレーザ光を出射し、波長選択反射手
段は所定の波長領域のレーザ光のみを反射して、観察者
の瞳孔に入射させることができる。よって、光源として
レーザ光源を用いているので、液晶表示媒体と比較して
光量が大きく、綺麗な画像を形成することができるとと
もに、波長幅の狭い出射光を容易に得ることができると
いう効果がある。
【0061】また、請求項9に記載の画像形性装置によ
れば、前記光源から出射される光束のうち、所定の波長
領域の光束のみを選択的に反射して観察者の瞳孔に入射
させるとともに、外部からの光束を透過させて観察者の
瞳孔に入射させることができる。よって、観察者は、光
源からの画像情報と外界からの画像とが明瞭に重なった
状態で画像を観察することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態の網膜走査型画像形成装置の全体構
成を示すブロック図である。
【図2】RGB光源の出射光の波長分布を示す特性図で
ある。
【図3】波長選択反射鏡の断面図である。
【図4】波長選択反射鏡における反射光の波長分布を示
す特性図である。
【符号の説明】
1 画像形成装置 3 映像信号供給手段 5 光源ドライブ回路 7 水平走査系ドライブ回路 9 垂直走査系ドライブ回路 11 RGB光源 13 水平走査光学系 15 垂直走査光学系 17 波長選択反射鏡 17b H層 17c L層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H048 FA01 FA05 FA09 FA15 FA24 5C060 BA07 BD02 BE04 BE09 EA02 JA00

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも1つの光源と、その光源から
    出射される光束を画像信号に応じて変調する変調手段
    と、前記変調された光束を二次元的に走査する走査手段
    と、前記走査された光束を観察者の瞳孔に入射させる光
    学系とを備えた画像形成装置において、 前記光学系は、前記光源から出射される所定の波長領域
    の光束のみを選択的に反射する波長選択反射手段を備え
    ていることを特徴とする画像形成装置。
  2. 【請求項2】 前記光源は、赤色、緑色、青色にそれぞ
    れ対応する波長領域の光束を出射可能に構成され、前記
    波長選択反射手段は、前記光源から出射される赤色、緑
    色、青色にそれぞれ対応する波長領域の光束のみを選択
    的に反射するように構成したことを特徴とする請求項1
    に記載の画像形成装置。
  3. 【請求項3】 前記波長選択反射手段は、所定の波長領
    域の光束のみを選択的に反射する反射層からなる複数の
    反射鏡を備え、 前記複数の反射鏡は、互いに異なる所定の波長領域の光
    束のみを選択的に反射することを特徴とする請求項1又
    は2に記載の画像形成装置。
  4. 【請求項4】 前記波長選択反射手段は、互いに異なる
    所定の波長領域の光束のみを選択的に反射する反射層を
    複数積層して構成したことを特徴とする請求項1又は2
    に記載の画像形成装置。
  5. 【請求項5】 前記波長選択反射手段は、前記光源から
    出射される光束の波長幅と略等しいか、若しくはやや広
    い波長幅の光束を反射するように構成したことを特徴と
    する請求項1乃至4のいずれかに記載の画像形成装置。
  6. 【請求項6】 前記光源から出射される光束の波長幅及
    び前記波長選択反射手段により反射される光束の波長幅
    が、約10nm以下に設定されていることを特徴とする
    請求項1乃至5のいずれかに記載の画像形成装置。
  7. 【請求項7】 前記光源から出射される光束の波長幅及
    び前記波長選択反射手段により反射される光束の波長幅
    が、その光束の中心波長の約2%以下に設定されている
    ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の画
    像形成装置。
  8. 【請求項8】 前記光源は、レーザ光源により構成され
    ていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記
    載の画像形成装置。
  9. 【請求項9】 前記波長選択手段は、前記光源から出射
    される光束と外部からの光束とが入射し、前記光源から
    出射される光束のうち、所定の波長領域の光束のみを選
    択的に反射するとともに、外部からの光束は透過させる
    ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の画
    像形成装置。
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