JPH055804A - レーザ用の保護フイルタ - Google Patents
レーザ用の保護フイルタInfo
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- JPH055804A JPH055804A JP15842691A JP15842691A JPH055804A JP H055804 A JPH055804 A JP H055804A JP 15842691 A JP15842691 A JP 15842691A JP 15842691 A JP15842691 A JP 15842691A JP H055804 A JPH055804 A JP H055804A
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- light
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 ホログラムを利用してレーザ光から目を保護
するレーザ用の保護フィルタに関し、レーザ光から有効
に目を保護し、しかも視野を暗くしないことを目的とす
る。 【構成】 フィルタ1には4種類の膜11,12,1
3,14が積層された反射型ホログラムが使用されてい
る。反射型ホログラムでは、その厚さ方向に所定の間隔
に形成された干渉縞によって入射光の中から特定波長の
みが反射される。すなわち、第1の膜11は、入射する
可視レーザ光から波長λ1 のものを選択的に反射し、そ
の他の波長の光を透過する作用を持つ。第2,第3,第
4の膜12〜14も、それぞれ波長λ2 ,λ3 ,λ4 の
可視レーザ光のみを選択的に反射し、その他の波長の光
を透過する。
するレーザ用の保護フィルタに関し、レーザ光から有効
に目を保護し、しかも視野を暗くしないことを目的とす
る。 【構成】 フィルタ1には4種類の膜11,12,1
3,14が積層された反射型ホログラムが使用されてい
る。反射型ホログラムでは、その厚さ方向に所定の間隔
に形成された干渉縞によって入射光の中から特定波長の
みが反射される。すなわち、第1の膜11は、入射する
可視レーザ光から波長λ1 のものを選択的に反射し、そ
の他の波長の光を透過する作用を持つ。第2,第3,第
4の膜12〜14も、それぞれ波長λ2 ,λ3 ,λ4 の
可視レーザ光のみを選択的に反射し、その他の波長の光
を透過する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はホログラムを利用してレ
ーザ光から目を保護するレーザ用の保護フィルタに関す
る。詳しくは、レーザを取り扱う作業に従事する際に、
レーザ光の強度を減衰して目を保護する眼鏡などに使用
されるレーザ用の保護フィルタに関する。
ーザ光から目を保護するレーザ用の保護フィルタに関す
る。詳しくは、レーザを取り扱う作業に従事する際に、
レーザ光の強度を減衰して目を保護する眼鏡などに使用
されるレーザ用の保護フィルタに関する。
【0002】近年、レーザは各種の情報機器、通信シス
テムで広く使用され、光通信ネットワークの構築に寄与
している。また、従来から微細加工を必要とする半導体
製造機器など、レーザ光の単色性、高指向性や高エネル
ギー密度を有するという特性を利用して、レーザは各種
の製造システムでも利用されてきた。
テムで広く使用され、光通信ネットワークの構築に寄与
している。また、従来から微細加工を必要とする半導体
製造機器など、レーザ光の単色性、高指向性や高エネル
ギー密度を有するという特性を利用して、レーザは各種
の製造システムでも利用されてきた。
【0003】ところで、レーザの実験やレーザ光の応用
機器を実際に取り扱う場合には、安全な取り扱い方や安
全基準に関する知識が必要とされるが、特に光に対して
重要な感覚器官である目についての障害を防御すること
が重要である。人間の眼球は、結像作用をする水晶体を
通過した光がその焦点位置にある網膜に到達し、その波
長と強度に応じた信号を脳に伝達する作用をもってい
る。したがってある程度以上の高いエネルギーでレーザ
光が目に入射されると、網膜を損傷し、失明に至るおそ
れもある。そのために、レーザ装置の取り扱いに際して
はレーザ光の強度を減衰し、目を保護するフィルタ機能
を持つ眼鏡を着用する必要がある。更に、レーザ応用機
器の観察窓部や、レーザ発振器を使用する実験室の窓の
ように、外部にレーザ光を出射する可能性のある部分に
は、レーザ用の保護フィルタを使用することが好まし
い。
機器を実際に取り扱う場合には、安全な取り扱い方や安
全基準に関する知識が必要とされるが、特に光に対して
重要な感覚器官である目についての障害を防御すること
が重要である。人間の眼球は、結像作用をする水晶体を
通過した光がその焦点位置にある網膜に到達し、その波
長と強度に応じた信号を脳に伝達する作用をもってい
る。したがってある程度以上の高いエネルギーでレーザ
光が目に入射されると、網膜を損傷し、失明に至るおそ
れもある。そのために、レーザ装置の取り扱いに際して
はレーザ光の強度を減衰し、目を保護するフィルタ機能
を持つ眼鏡を着用する必要がある。更に、レーザ応用機
器の観察窓部や、レーザ発振器を使用する実験室の窓の
ように、外部にレーザ光を出射する可能性のある部分に
は、レーザ用の保護フィルタを使用することが好まし
い。
【0004】
【従来の技術】従来のレーザ保護めがねでは、入射する
レーザビームを1万分の1から百万分の1程度の強さに
減衰させるフィルタ機能が要求され、その場合のフィル
タには特定の波長のみに合わせて減衰機能を有するもの
が使用される。その結果、他の可視領域の波長の光は遮
断しない様にしている。そうしなければ、視野が暗くな
ってしまうからである。
レーザビームを1万分の1から百万分の1程度の強さに
減衰させるフィルタ機能が要求され、その場合のフィル
タには特定の波長のみに合わせて減衰機能を有するもの
が使用される。その結果、他の可視領域の波長の光は遮
断しない様にしている。そうしなければ、視野が暗くな
ってしまうからである。
【0005】ところで、発生するレーザ光の波長に応じ
て異なる種類のめがねを用いてレーザ光を遮断するよう
にした場合には、図7に示すようなレーザ保護めがねG
はレーザ光学の実験に際して取り扱うレーザの波長が異
なる毎に別の保護めがねに掛け代えるか、あるいは専用
のフィルタFを装着しなければならない。また、複数の
波長でレーザ発振させることができる装置もあり、その
場合には対象とするレーザ光の強度をすべての波長につ
き、1つの眼鏡によって減衰させることも必要になって
いる。
て異なる種類のめがねを用いてレーザ光を遮断するよう
にした場合には、図7に示すようなレーザ保護めがねG
はレーザ光学の実験に際して取り扱うレーザの波長が異
なる毎に別の保護めがねに掛け代えるか、あるいは専用
のフィルタFを装着しなければならない。また、複数の
波長でレーザ発振させることができる装置もあり、その
場合には対象とするレーザ光の強度をすべての波長につ
き、1つの眼鏡によって減衰させることも必要になって
いる。
【0006】図8はアルゴンレーザの発振スペクトルを
示す図である。アルゴンレーザ発振では、可視領域内に
4本のスペクトルが416,476,488,515n
mの各発振波長で分布し、発振装置の使用者は簡単な調
節だけでこれらの発振波長を選択することができる。し
たがって、アルゴンレーザ用の保護めがねでは、これら
のレーザビームを同時に減衰させるフィルタ機能を持つ
ことが要求される。
示す図である。アルゴンレーザ発振では、可視領域内に
4本のスペクトルが416,476,488,515n
mの各発振波長で分布し、発振装置の使用者は簡単な調
節だけでこれらの発振波長を選択することができる。し
たがって、アルゴンレーザ用の保護めがねでは、これら
のレーザビームを同時に減衰させるフィルタ機能を持つ
ことが要求される。
【0007】図9は、アルゴンレーザ用の保護めがねの
光減衰特性を示す図である。図8のスペクトル分布に対
応させて、1枚のフィルタによって400〜550nm
の範囲で減衰作用をもたせようとすると、本来減衰する
必要のない帯域の光まで減衰されてしまうため、視野は
相当程度に暗くなる。このような光減衰特性のフィルタ
Fを使用して、保護めがねGの掛け代えの手間を省くこ
とができるが、その反面で、赤外線ランプ等を使用する
などの措置を講じないと、実験操作などの作業が阻害さ
れる。
光減衰特性を示す図である。図8のスペクトル分布に対
応させて、1枚のフィルタによって400〜550nm
の範囲で減衰作用をもたせようとすると、本来減衰する
必要のない帯域の光まで減衰されてしまうため、視野は
相当程度に暗くなる。このような光減衰特性のフィルタ
Fを使用して、保護めがねGの掛け代えの手間を省くこ
とができるが、その反面で、赤外線ランプ等を使用する
などの措置を講じないと、実験操作などの作業が阻害さ
れる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、レーザ応用機
器の観察窓部の視野については、装置を大型化せずにか
かる措置を講ずることは困難である。また、レーザ保護
めがねは対象とするレーザ毎に用意して、いちいち掛け
代える手間を要するという問題があった。
器の観察窓部の視野については、装置を大型化せずにか
かる措置を講ずることは困難である。また、レーザ保護
めがねは対象とするレーザ毎に用意して、いちいち掛け
代える手間を要するという問題があった。
【0009】また、従来のフィルタでは、特定波長の光
のみを選択的に減衰させることは難しく、周辺の帯域の
光も大きく減衰されてしまう。特に、レーザ光に対する
保護のために特定帯域の光の減衰率を大きく設定しよう
とすると、それにあわせて減衰される光の帯域が広がっ
てしまい、視野が暗くなる。
のみを選択的に減衰させることは難しく、周辺の帯域の
光も大きく減衰されてしまう。特に、レーザ光に対する
保護のために特定帯域の光の減衰率を大きく設定しよう
とすると、それにあわせて減衰される光の帯域が広がっ
てしまい、視野が暗くなる。
【0010】一つの保護めがねで複数の発振波長に対応
させようとした場合、それぞれの波長に対応するフィル
タを重ね合わせる構成とすることが考えられる。しか
し、減衰される光の帯域が広い従来のフィルタを重ね合
わせた場合、それぞれの減衰帯域が重複してしまう。そ
のため、図9に示すように、保護ねがねによって広い範
囲にわたる帯域の光が減衰されてしまい、視野が非常に
暗くなるという欠点があった。したがって視野の明るさ
を一定に保持しつつ、複数のフィルタFを重ねてアルゴ
ンレーザ用の保護めがねを構成することは不可能であっ
た。
させようとした場合、それぞれの波長に対応するフィル
タを重ね合わせる構成とすることが考えられる。しか
し、減衰される光の帯域が広い従来のフィルタを重ね合
わせた場合、それぞれの減衰帯域が重複してしまう。そ
のため、図9に示すように、保護ねがねによって広い範
囲にわたる帯域の光が減衰されてしまい、視野が非常に
暗くなるという欠点があった。したがって視野の明るさ
を一定に保持しつつ、複数のフィルタFを重ねてアルゴ
ンレーザ用の保護めがねを構成することは不可能であっ
た。
【0011】本発明はこのような点に鑑みてなされたも
のであり、特定波長の光を選択的に減衰するフィルタを
用いることにより、レーザ光から有効に目を保護するこ
とができ、しかも視野の明るいレーザ用の保護フィルタ
を提供することを目的とする。
のであり、特定波長の光を選択的に減衰するフィルタを
用いることにより、レーザ光から有効に目を保護するこ
とができ、しかも視野の明るいレーザ用の保護フィルタ
を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】図1は、上記目的を達成
する本発明の原理を説明する保護フィルタの模式図であ
る。この図1において、フィルタ1には4種類の膜1
1,12,13,14が積層された反射型ホログラムが
使用されている。反射型ホログラムでは、その厚さ方向
に所定の間隔に形成された干渉縞によって入射光の中か
ら特定波長のみが反射される。すなわち、第1の膜11
は、入射する可視レーザ光から波長λ1 のものを選択的
に反射し、その他の波長の光を透過する作用を持つ。第
2,第3,第4の膜12〜14も、それぞれ波長λ2 ,
λ3 ,λ4 の可視レーザ光のみを選択的に反射し、その
他の波長の光を透過する。なお、入射するレーザ光が1
つの波長成分のみであれば、1種類の反射型ホログラム
でレーザ用の保護フィルタを構成することができる。
する本発明の原理を説明する保護フィルタの模式図であ
る。この図1において、フィルタ1には4種類の膜1
1,12,13,14が積層された反射型ホログラムが
使用されている。反射型ホログラムでは、その厚さ方向
に所定の間隔に形成された干渉縞によって入射光の中か
ら特定波長のみが反射される。すなわち、第1の膜11
は、入射する可視レーザ光から波長λ1 のものを選択的
に反射し、その他の波長の光を透過する作用を持つ。第
2,第3,第4の膜12〜14も、それぞれ波長λ2 ,
λ3 ,λ4 の可視レーザ光のみを選択的に反射し、その
他の波長の光を透過する。なお、入射するレーザ光が1
つの波長成分のみであれば、1種類の反射型ホログラム
でレーザ用の保護フィルタを構成することができる。
【0013】
【作用】図2は、反射型ホログラムの特性を示す図であ
って、横軸には入射光線の波長を、縦軸には光の透過率
を示す。
って、横軸には入射光線の波長を、縦軸には光の透過率
を示す。
【0014】フィルタ1の4種類の膜11,12,1
3,14が、それぞれ特定された波長のレーザ光に対す
る透過率を制御している。その結果、レーザ装置が発振
できるレーザ光の全ての波長を選択的に反射し、かつ必
要な光量の透過光を得ることができる。
3,14が、それぞれ特定された波長のレーザ光に対す
る透過率を制御している。その結果、レーザ装置が発振
できるレーザ光の全ての波長を選択的に反射し、かつ必
要な光量の透過光を得ることができる。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図3はホログラムの断面構造を説明する図であ
る。ここでホログラムとは、干渉縞パターンの露光によ
って干渉縞強度分布として現像処理したものである。こ
の図3(A)には、特定波長の光の回折角を選択的に変
化させる透過型ホログラムを示しており、図3(B)に
は、特定波長の光を選択的に反射する反射型ホログラム
を示している。いずれも媒体として、例えば写真乾板や
重クロム酸ゼラチンフィルムなどの非可逆感光材料が使
用され、そこには、干渉縞パターンの露光とその定着に
よりブラッグ面Bが所定間隔に形成されている。そし
て、透過型ホログラムではホログラム面にほぼ垂直なブ
ラッグ面をなし、反射型ホログラムではホログラム面に
ほぼ平行な、層状のブラッグ面をなしている。
する。図3はホログラムの断面構造を説明する図であ
る。ここでホログラムとは、干渉縞パターンの露光によ
って干渉縞強度分布として現像処理したものである。こ
の図3(A)には、特定波長の光の回折角を選択的に変
化させる透過型ホログラムを示しており、図3(B)に
は、特定波長の光を選択的に反射する反射型ホログラム
を示している。いずれも媒体として、例えば写真乾板や
重クロム酸ゼラチンフィルムなどの非可逆感光材料が使
用され、そこには、干渉縞パターンの露光とその定着に
よりブラッグ面Bが所定間隔に形成されている。そし
て、透過型ホログラムではホログラム面にほぼ垂直なブ
ラッグ面をなし、反射型ホログラムではホログラム面に
ほぼ平行な、層状のブラッグ面をなしている。
【0016】本発明では、反射型ホログラムのブラッグ
面Bが間隔Lを制御して所定幅に複数形成され、選択的
に反射すべき光の波長を決定するようにしている。この
ブラッグ面の間隔Lが狭いほど、反射される光の波長は
短くなる。入射する光量に対する透過率は、層状に形成
されるブラッグ面の数、従ってホログラムの厚みによっ
て制御される。
面Bが間隔Lを制御して所定幅に複数形成され、選択的
に反射すべき光の波長を決定するようにしている。この
ブラッグ面の間隔Lが狭いほど、反射される光の波長は
短くなる。入射する光量に対する透過率は、層状に形成
されるブラッグ面の数、従ってホログラムの厚みによっ
て制御される。
【0017】図4は本発明の多層ホログラムの断面模式
図を示している。図で最下層にあるホログラム24は干
渉縞の間隔が最も狭く形成され、ここでは発振波長の4
16nmのアルゴンレーザからの光を選択的に反射す
る。干渉縞は、2つの波の振動が干渉した結果、振動振
幅が大きい部分と振動振幅がほとんど零になる部分が交
互に生じた結果のパターンであり、単一振動数の光波を
出す光源、例えばレーザ光が使用される。このような、
波動が伝播していくある面で、検出あるいは記録したあ
とでその波動を再現する技術は、ホログラフィと呼ばれ
ている。
図を示している。図で最下層にあるホログラム24は干
渉縞の間隔が最も狭く形成され、ここでは発振波長の4
16nmのアルゴンレーザからの光を選択的に反射す
る。干渉縞は、2つの波の振動が干渉した結果、振動振
幅が大きい部分と振動振幅がほとんど零になる部分が交
互に生じた結果のパターンであり、単一振動数の光波を
出す光源、例えばレーザ光が使用される。このような、
波動が伝播していくある面で、検出あるいは記録したあ
とでその波動を再現する技術は、ホログラフィと呼ばれ
ている。
【0018】ホログラム21〜24は、上記のホログラ
フィ技術によって順に516,488,476及び41
6nmの光を反射するブラッグ面が形成されている。こ
れらのホログラムの設計においては、その厚みをレーザ
光の目に対する許容されている透過率に応じて、その波
長と同時に決定するようにしている。勿論、媒体の厚み
が一定である場合には、同一波長のホログラムを多層に
形成すれば、所望する透過率が得られる。
フィ技術によって順に516,488,476及び41
6nmの光を反射するブラッグ面が形成されている。こ
れらのホログラムの設計においては、その厚みをレーザ
光の目に対する許容されている透過率に応じて、その波
長と同時に決定するようにしている。勿論、媒体の厚み
が一定である場合には、同一波長のホログラムを多層に
形成すれば、所望する透過率が得られる。
【0019】これらホログラム21〜24の作成方法と
しては、感光材料を塗布し、所定の干渉縞で露光し、定
着する各工程を複数回繰り返して、ホログラム21〜2
4の各層を順次に積層していく方法、あるいはガラス基
板を4枚用意して、それぞれに各1種類のホログラムを
形成して、最後にそれらをガラス基板とともに接着する
方法が可能である。所定の発振波長のレーザ光を反射す
る反射型ホログラムを作成するための、干渉縞の間隔を
制御する方法には、露光の際の作成光の波長自体を調整
し、或いは作成光の入射角を調整するなど、各種の方法
が開発されている。しかし、本発明とは直接に関係する
事項ではなく、またこれらの制御方法はホログラフィの
技術分野では周知の事項であるため、これ以上の説明は
省略する。
しては、感光材料を塗布し、所定の干渉縞で露光し、定
着する各工程を複数回繰り返して、ホログラム21〜2
4の各層を順次に積層していく方法、あるいはガラス基
板を4枚用意して、それぞれに各1種類のホログラムを
形成して、最後にそれらをガラス基板とともに接着する
方法が可能である。所定の発振波長のレーザ光を反射す
る反射型ホログラムを作成するための、干渉縞の間隔を
制御する方法には、露光の際の作成光の波長自体を調整
し、或いは作成光の入射角を調整するなど、各種の方法
が開発されている。しかし、本発明とは直接に関係する
事項ではなく、またこれらの制御方法はホログラフィの
技術分野では周知の事項であるため、これ以上の説明は
省略する。
【0020】図5は本発明の保護フィルタを用いた応用
例を示す図である。図では、レーザ実験室の窓3は、実
験室4内で使用されるレーザ光の発振波長に対応する反
射型ホログラムの層を重ね合わせて構成される。一般に
レーザ光学の実験室では、種々の周波数のレーザビーム
が発生され、その強度も一様ではない。従来は、実験の
様子を外部から観察する場合でも、レーザ用の保護めが
ねを着用していた。しかし窓3のホログラムは、実験室
4内で使用されている全てのレーザ波長を選択的に反射
することができるから、レーザ光から目を保護するうえ
で、めがねの着用に比べて有効な手段となる。
例を示す図である。図では、レーザ実験室の窓3は、実
験室4内で使用されるレーザ光の発振波長に対応する反
射型ホログラムの層を重ね合わせて構成される。一般に
レーザ光学の実験室では、種々の周波数のレーザビーム
が発生され、その強度も一様ではない。従来は、実験の
様子を外部から観察する場合でも、レーザ用の保護めが
ねを着用していた。しかし窓3のホログラムは、実験室
4内で使用されている全てのレーザ波長を選択的に反射
することができるから、レーザ光から目を保護するうえ
で、めがねの着用に比べて有効な手段となる。
【0021】図6は、多層の反射型ホログラムによる保
護フィルタを示す図である。本発明の保護フィルタはレ
ーザ用の保護めがねのレンズに利用できる。レンズ5
は、互いに異なる特定波長のレーザ光を反射する複数の
ホログラム層51〜53を重ね合わせて構成されてい
る。このレンズ5に高いエネルギーでレーザ光が入射さ
れても、各ホログラム層51〜53によってそのエネル
ギーは減衰されて、しかもその他の可視領域の光を透過
することによって、網膜を損傷するおそれなしに、十分
に明るい視野が得られる。
護フィルタを示す図である。本発明の保護フィルタはレ
ーザ用の保護めがねのレンズに利用できる。レンズ5
は、互いに異なる特定波長のレーザ光を反射する複数の
ホログラム層51〜53を重ね合わせて構成されてい
る。このレンズ5に高いエネルギーでレーザ光が入射さ
れても、各ホログラム層51〜53によってそのエネル
ギーは減衰されて、しかもその他の可視領域の光を透過
することによって、網膜を損傷するおそれなしに、十分
に明るい視野が得られる。
【0022】なお、単一の波長のレーザビームを取り扱
う場合には、同一特性の保護フィルタを複数重ね合わせ
て使用する。例えば、透過率が1%のホログラム層を3
層重ねれば、透過光量を百万分の1の強度に減衰させる
ことができ、レーザ安全基準で定められている眼に対す
る最大許容露光(MPE)を越えない透過光量まで容易
に低減できる。
う場合には、同一特性の保護フィルタを複数重ね合わせ
て使用する。例えば、透過率が1%のホログラム層を3
層重ねれば、透過光量を百万分の1の強度に減衰させる
ことができ、レーザ安全基準で定められている眼に対す
る最大許容露光(MPE)を越えない透過光量まで容易
に低減できる。
【0023】上記の説明は、保護めがねと実験室の窓に
応用する場合であるが、レーザ応用機器の観察用の窓部
などに適用することもできる。
応用する場合であるが、レーザ応用機器の観察用の窓部
などに適用することもできる。
【0024】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では反射型
ホログラムを使用してレーザ用の保護フィルタを構成し
た。このため、明るい視野で保護めがねや観察窓を構成
して、レーザ光による網膜損傷などの障害を確実に防止
することができる。
ホログラムを使用してレーザ用の保護フィルタを構成し
た。このため、明るい視野で保護めがねや観察窓を構成
して、レーザ光による網膜損傷などの障害を確実に防止
することができる。
【図1】本発明の原理を示す模式図である。
【図2】反射型ホログラムの特性を示す図である。
【図3】ホログラムの断面構造を説明する図である。
【図4】本発明の一実施例を示す多層ホログラムの断面
模式図である。
模式図である。
【図5】本発明の保護フィルタを用いた応用例を示す図
である。
である。
【図6】多層の反射型ホログラムによる保護フィルタを
示す図である。
示す図である。
【図7】従来から使用されているレーザ保護めがねを示
す図である。
す図である。
【図8】アルゴンレーザの発振スペクトルを示す図であ
る。
る。
【図9】保護めがねの光減衰特性の一例を示す図であ
る。
る。
1 反射型ホログラム 2 レーザビーム 3 窓 4 実験室 5 レンズ
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項1】 レーザ光から目を保護するレーザ用の保
護フィルタにおいて、入射するレーザ光(2)の特定波
長のみを反射する反射型ホログラム(1)が使用されて
いることを特徴とするレーザ用の保護フィルタ。 【請求項2】 前記反射型ホログラム(1)は、たがい
に異なる特定波長のレーザ光(21〜24)を反射する
複数のホログラム層(11〜14)が重ね合わせて構成
されていることを特徴とする請求項1記載のレーザ用の
保護フィルタ。 【請求項3】 前記反射型ホログラム(1)は、対象と
する特定のレーザ装置が発振するすべての波長に対して
反射作用を行うホログラム層を含んで形成されているこ
とを特徴とする請求項1記載のレーザ用の保護フィル
タ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15842691A JPH055804A (ja) | 1991-06-28 | 1991-06-28 | レーザ用の保護フイルタ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15842691A JPH055804A (ja) | 1991-06-28 | 1991-06-28 | レーザ用の保護フイルタ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH055804A true JPH055804A (ja) | 1993-01-14 |
Family
ID=15671502
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15842691A Pending JPH055804A (ja) | 1991-06-28 | 1991-06-28 | レーザ用の保護フイルタ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH055804A (ja) |
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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