JP2002295433A - 抜け止めリングおよび雄ねじ体接続構造 - Google Patents

抜け止めリングおよび雄ねじ体接続構造

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JP2002295433A JP2001094577A JP2001094577A JP2002295433A JP 2002295433 A JP2002295433 A JP 2002295433A JP 2001094577 A JP2001094577 A JP 2001094577A JP 2001094577 A JP2001094577 A JP 2001094577A JP 2002295433 A JP2002295433 A JP 2002295433A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プラスチックが侵食される環境でも使用で
き、抜け止め抵抗力を大きくでき、製造コストが安価
で、管、雄ねじ体等の被抜け止め体16を容易に挿通で
きる抜け止めリング1を提供する。 【解決手段】 環状部2と、複数の側面片3とを金属の
板材で形成するとともに、各側面片3の一部領域を内方
に切り起こすことにより切り起こし片4,5を形成す
る。抜け止めリング1がリング押圧体11に対し相対的
に軸線方向の一方の向きに移動されると、各側面片3が
リング押圧体11の斜面部14に押圧されて内方に変形
し、切り起こし片4,5の先端が被抜け止め体16の外
周部に食い込み、被抜け止め体16がリング押圧体11
から抜け出るのを防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、管、雄ねじ体、棒
状材等の細長い部材を接続する接続構造において、前記
細長い部材に嵌められて、該細長い部材を前記接続構造
から抜け止めする抜け止めリングおよびこのような抜け
止めリングを用いて雄ねじ体を抜け止めする雄ねじ体接
続構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、前述のような抜け止めリングは、
硬質および軟質の管類を接続する管継手構造において、
管を抜け止めするために用いられていたが、雄ねじ体の
接続には用いられていなかった。また、従来の管継手用
の抜け止めリングとしては、(a)全体をプラスチック
製とされたもの、(b)プラスチック製の本体に金属を
埋め込んだもの、および(c)全体を金属製とされたも
のがあった。
【0003】他方、従来は、例えば天井にボルトやねじ
棒等の雄ねじ体を介して所望の物体を吊り下げたりする
場合は、天井側に雌ねじを設け、雄ねじ体を回転させな
がら前記雌ねじに螺合したり、天井側にアンカーボルト
を取り付けたり、天井側に雄ねじ体を溶接したりしてい
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記従来の全体をプラ
スチック製とされた抜け止めリングにおいては、材料自
体の強度が小さいため、抜け止め抵抗力を大きくするこ
とができないという問題があった。
【0005】また、前記従来のプラスチック製の本体に
金属を埋め込んだ抜け止めリングにおいては、抜け止め
抵抗力はある程度大きくすることができるが、プラスチ
ックが侵食される環境で使用される場合は、プラスチッ
ク製の本体部分が劣化するという問題、および製造コス
トが高いという問題があった。
【0006】また、前記従来の全体を金属製とされた抜
け止めリングとしては、金属板材を加工してなるもの、
および金属を切削加工してなるものがあったが、前者は
抜け止め抵抗力が十分でない一方、後者は抜け止め抵抗
力は大きくすることができるが、製造コストが非常に高
いという問題があった。
【0007】また、従来の抜け止めリングは、前記いず
れの形式のものも、抜け止め効果を高めるために、被抜
け止め体を挿通する前の状態においても、抜け止めリン
グの各部の内径と被抜け止め体の外径との間の寸法差を
小さくしておく必要があったので、組立時、抜け止めリ
ングに対し被抜け止め体を挿通する作業が容易でなく、
特に被抜け止め体に対し抜け止めリングが傾いた状態と
なると、抜け止めリングに被抜け止め体を挿通するのが
非常に困難になるという問題があった。
【0008】また、前記従来の天井に対する雄ねじ体の
接続は、いずれも手間が掛かって面倒であるという問題
があった。さらに、天井側にアンカーボルトを取り付け
たり、天井側に雄ねじ体を溶接する場合は、その後不要
になっても、雄ねじ体(アンカーボルト)を取り外すこ
とができないという問題もあった。
【0009】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たもので、本発明の一つの目的は、プラスチックが侵食
される環境でも使用できる抜け止めリングを提供するこ
とにある。
【0010】本発明の他の目的は、抜け止め抵抗力を大
きくすることができる抜け止めリングを提供することに
ある。
【0011】本発明の他の目的は、製造コストを非常に
安価にすることができる抜け止めリングを提供すること
にある。
【0012】本発明の他の目的は、抜け止めリングに対
する被抜け止め体の挿通作業を容易にすることができる
抜け止めリングを提供することにある。
【0013】本発明の他の目的は、天井等に対し雄ねじ
体を簡単迅速に接続することができる雄ねじ体接続構造
を提供することにある。
【0014】本発明の他の目的は、一旦接続した雄ねじ
体を取り外すことも可能な雄ねじ体接続構造を提供する
ことにある。
【0015】本発明のさらに他の目的は、以下の説明か
ら明らかになろう。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明による抜け止めリ
ングは、リング押圧体とともに被抜け止め体に挿通さ
れ、前記リング押圧体に対し相対的に軸線方向の一方の
向きに移動されることによって前記リング押圧体に設け
られた斜面部に押圧されると、内方に変形して前記被抜
け止め体の外周部に食い込むことにより、前記被抜け止
め体が前記リング押圧体から抜け出るのを防止する抜け
止めリングにおいて、金属の板材を加工してなり、前記
被抜け止め体を挿通される被抜け止め体挿通穴を内周に
形成された環状部と、この環状部から前記被抜け止め体
の外周を囲むこととなる方向に延びる複数の側面片と、
各前記側面片の一部領域を該領域のうちの環状部側の部
分を切り残した状態で内方に切り起こすことにより形成
された切り起こし片とを有し、前記リング押圧体に対し
相対的に軸線方向の一方の向きに移動されると、各前記
側面片が前記リング押圧体の前記斜面部に押圧されて内
方に変形し、前記切り起こし片の先端が前記被抜け止め
体の外周部に食い込むことにより、前記被抜け止め体が
前記リング押圧体から抜け出るのを防止するものであ
る。
【0017】この抜け止めリングは、リング押圧体に対
し相対的に軸線方向の一方の向きに移動されると、各側
面片がリング押圧体の斜面部に押圧されて内方に変形
し、切り起こし片の先端が被抜け止め体の外周部に食い
込むことにより、被抜け止め体がリング押圧体から抜け
出るのが防止される。
【0018】この抜け止めリングは、全体を金属とする
ことができるので、プラスチックが侵食される環境でも
使用できる。
【0019】また、各側面片に設けられた切り起こし片
の先端が被抜け止め体の外周部に食い込むことにより被
抜け止め体の抜け止めが図られるので、抜け止め抵抗力
を大きくすることができる。なお、側面片に切り起こし
片を該側面片の長さ方向に並べて複数設ければ、抜け止
め抵抗力を一層大きくすることができる。
【0020】また、この抜け止めリングは、金属板をプ
レス加工することにより製作できるので、製造コストを
安価にすることができる。
【0021】また、管が切り起こし片に初めて接触する
までは、側面片の先端における径を比較的に大きな状態
とすることができるので、組立時、抜け止めリングに対
し被抜け止め体を挿通する作業を容易にすることができ
る(切り起こし片は、弾性変形するので、抜け止めリン
グに対する管の挿通作業に支障を生じさせないようにす
ることができる。)。
【0022】また、本発明による雄ねじ体接続構造は、
リング押圧体と、このリング押圧体に設けられた斜面部
と、抜け止めリングと、前記リング押圧体および前記抜
け止めリングに挿通される雄ねじ体とを有してなり、前
記抜け止めリングは、金属の板材を加工してなり、前記
雄ねじ体を挿通される被抜け止め体挿通穴を内周に形成
された環状部と、この環状部から前記雄ねじ体の外周を
囲むこととなる方向に延びる複数の側面片と、各前記側
面片の一部領域を該領域のうちの環状部側の部分を切り
残した状態で内方に切り起こすことにより形成された切
り起こし片とを有し、前記抜け止めリングが前記リング
押圧体に対し相対的に軸線方向の一方の向きに移動され
ようとすると、各前記側面片が前記リング押圧体の前記
斜面部に押圧されて内方に変形し、前記切り起こし片の
先端が前記雄ねじ体のねじ溝に食い込むことにより、前
記雄ねじ体が前記リング押圧体から抜け出るのを防止す
るものである。
【0023】この雄ねじ体接続構造においては、雄ねじ
体を回転させることなく、抜け止めリングに挿入して行
くと、切り起こし片が弾性変形することにより、該切り
起こし片の先端が雄ねじ体のねじ山を乗り越えて行き、
雄ねじ体の押し込みが停止されたところで、切り起こし
片の先端が雄ねじ体のねじ溝に係合する。そして、この
ようにして抜け止めリングに対し雄ねじ体が挿通される
と、雄ねじ体がリング押圧体から抜け出る方向に移動し
ようとすると、側面片が斜面部に押圧され、各側面片が
内方に変形されるので、雄ねじ体に抜け方向の力が強く
作用する程、切り起こし片の先端が雄ねじ体のねじ溝に
強く食い込むことになるため、強力に雄ねじ体の抜け止
めが図られる。
【0024】このようにこの雄ねじ体接続構造において
は、雄ねじ体を回転させることなく、抜け止めリングに
挿通するだけで雄ねじ体を接続できるので、雄ねじ体の
接続を極めて簡単迅速に行うことができる。
【0025】また、雄ねじ体を取り外したいときは、抜
け止めリングは回転しないようにして雄ねじ体を緩み方
向に回転させて行くと、切り起こし片の先端が雌ねじの
ねじ山の役割を果たし、相対的に雄ねじ体のねじ溝に沿
って移動して行くので、雄ねじ体を抜け止めリングから
取り外し、ひいてはリング押圧体から取り外すことがで
きる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に示す実施例
に基づいて説明する。
【0027】
【実施例】図1〜6は、本発明による抜け止めリングの
第一実施例を示している。本実施例において、抜け止め
リング1は鋼鉄、ステンレス鋼、バネ鋼等の適当な弾性
を有する金属板材(金属が腐食し易い環境で使用する場
合は、ステンレス鋼等の耐食性の優れた材料を用いるこ
とが好ましい)をプレス加工することにより、環状部
2、複数の側面片3および切り起こし片4,5を一体的
に形成してなる。前記環状部2の内周には被抜け止め体
挿通穴6が形成されている。各側面片3は、環状部2か
ら大略のところ抜け止めリング1の軸線方向に延びてい
るが、外方に凸となるように湾曲され、先端がやや内側
に向けられている。なお、各側面片3は、本実施例のよ
うにその全体を湾曲させてもよいし、先端側のみを湾曲
させてもよい。
【0028】各側面片3間には間隙7が形成されてい
る。前記側面片4,5は、各側面片3の一部をなす2つ
領域を、これらの領域のうちの環状部2側の部分のみを
切り残した状態で、抜け止めリング1の軸線に対し斜め
方向に延びるように内側に切り起こすことにより、各側
面片3の長さ方向に並んで形成されている。各切り起こ
し片4,5の先端は円弧状とされており、これらの円弧
状の先端は、抜け止めリング1が外力を作用されていな
い状態(初期状態)では、被抜け止め体挿通穴6と同軸
の円の一部を形成するようになっている。各側面片3の
先端付近には、内方からポンチで突き起こすことによ
り、外方に突出する側面片突起部8が設けられている。
また、抜け止めリング1に外力を作用されていない状態
では、図5によく示されるように、各側面片3の先端は
各切り起こし片4,5の先端より外側に位置されてお
り、〔抜け止めリング1の側面片3の先端における内径
1>管16や雄ねじ体24等の被抜け止め体の外径d2
>抜け止めリング1の切り起こし片4,5における内径
3〕の大小関係とされている。
【0029】図7および8は、前記図1〜6の第一実施
例の抜け止めリング1を用いた管接続構造の一実施例を
示している。この管接続構造の実施例においては、抜け
止めリング1以外の部分は従来公知の構造である。継手
本体9の外周には雄ねじ部10が設けられている。キャ
ップ状のリング押圧体11の内周には雌ねじ部12、底
部には管挿通穴13、管挿通穴13の周囲にはテーパー
穴状の斜面部14が同軸に設けられている。前記継手本
体9内にはOリング15が収容されている。
【0030】本実施例においては、まず図7のように適
当な深さまで管16を抜け止めリング1に側面片3の先
端側から挿通する。この際、少なくとも管16が切り起
こし片4に初めて接触するまでは、側面片3の先端にお
ける径d1が比較的に大きな状態となっているので、管
16を抜け止めリング1に挿通し易い。また、切り起こ
し片4,5は、弾性曲げ変形することにより該切り起こ
し片4,5の先端間に管16が侵入するのを許すので、
抜け止めリング1に対する管16の挿通作業に支障を生
じさせないようにすることができる。
【0031】次に、リング押圧体11の管挿通穴13に
管16が挿通されている状態で、管16の先端側を継手
本体9内に挿入するとともに、リング押圧体11の雌ね
じ部12を継手本体9の雄ねじ部10に螺合し、締め付
けて行くと、図8のように側面片突起部8が斜面部14
に強く押圧され、各側面片3が内方に変形されるので、
切り起こし片4,5の先端が管16の外周に食い込んで
行く。そして、管16に抜け方向の力が強く作用する
程、切り起こし片4,5の先端が管16の外周に強く食
い込むことになるため、強力に管16の抜け止めが図ら
れる。
【0032】なお、側面片突起部8は必ずしも設けなく
てもよいが、本実施例のように設けておくと、斜面部1
4に側面片3が押圧されたとき、側面片3を内方に変形
させ易くすることができる。
【0033】この抜け止めリング1は、全体を金属とす
ることができるので、プラスチックが侵食される環境で
も使用できる。
【0034】また、各側面片3に設けられた切り起こし
片4,5の先端が管16(被抜け止め体)の外周部に食
い込むことにより被抜け止め体の抜け止めが図られるの
で、抜け止め抵抗力を大きくすることができる。なお、
本実施例のように側面片3に切り起こし片4,5を側面
片3の長さ方向に並べて複数設けておけば、抜け止め抵
抗力を一層大きくすることができる。
【0035】また、この抜け止めリング1は、金属板を
プレス加工により製作できるので、製造コストを安価に
することができる。
【0036】図9〜14は前記第一実施例の抜け止めリ
ング1を用いた雄ねじ体接続構造の一実施例を示してい
る。この実施例において、リング収容体17(図11〜
14参照)は互いに別体とされたリング押圧体11およ
び蓋体18からなる。前記リング押圧体11は鋼鉄、ス
テンレス鋼等の金属材料をプレス加工してなり、図9お
よび10によく示されるように、大略のところ短い円筒
状をなしており、一端に平面部19を有している。前記
平面部19の中央部には、リング押圧体11の他端側
(図上下方)に向かって落ち込んで大略テーパー穴状を
なす斜面部14が設けられている。前記斜面部14に
は、抜け止めリング1の側面片3間の間隙7に対応する
間隔で内方に突出する回り止め突起20が設けられてい
る。前記斜面部14の中央部には、被抜け止め体挿通穴
30が形成されている。前記蓋体18も、鋼鉄、ステン
レス鋼等の金属材料をプレス加工してなり、図11〜1
4に示されるように、環状かつ板状とされており、その
内径は被抜け止め体挿通穴30径および抜け止めリング
1の最大外径部分の外径より小さくされている。
【0037】前記リング押圧体11および蓋体18は、
該蓋体18とリング押圧体11の斜面部14との間に抜
け止めリング1を収容した上、蓋体18とリング押圧体
11の平面部19とを重ね合わせた状態で、釘21また
はねじ等により、予め穴22を貫通されている天井23
に取り付けられるようになっている。なお、この取り付
け状態において平面部19および蓋体18は天井23と
平行方向とされ、リング押圧体11の被抜け止め体挿通
穴30、蓋体18および天井23の穴22は互いに軸線
を一致されている。また、前記抜け止めリング1は、そ
の軸線方向(図における上下方向)を天井23に対し垂
直方向に向けられ、かつ図11〜14に示されるように
側面片3間の間隙7に回り止め突起20が嵌合されるよ
うにして、蓋体18とリング押圧体11の斜面部14と
の間に収容されており、これにより抜け止めリング1は
リング収容体17に対し回り止めされている。また、抜
け止めリング1は、その軸線方向(上下方向)に関して
は、リング押圧体11および蓋体18に対して若干移動
可能な状態とされている。
【0038】図11は雄ねじ体24が抜け止めリング1
内に挿入される前の状態を示しており、抜け止めリング
1は蓋体18側(上側)に位置している。天井23に雄
ねじ体24を取り付けたい場合には、雄ねじ体24を回
転させることなく、天井23の穴22およびリング押圧
体11の被抜け止め体挿通穴30を経由して抜け止めリ
ング1内に側面片3の先端側から挿入する。図12は雄
ねじ体24が抜け止めリング1内に挿入されて切り起こ
し片4に初めて接触した状態を示しており(なお、図1
2〜14の断面位置は、切り起こし片4,5と雄ねじ体
24のねじ山との関係をより明確に把握できるようにす
るため、図10および11の断面位置に対し90度回転
された位置となっている)、少なくともこのように雄ね
じ体24が切り起こし片4に初めて接触するまでは、側
面片3の先端における径d1が比較的に大きな状態とな
っている。したがって、雄ねじ体24を抜け止めリング
1内に挿入し易い。
【0039】次に、図12の状態からさらに深く雄ねじ
体24が挿入されて行くと、切り起こし片4,5が弾性
曲げ変形することにより、該切り起こし片4,5の先端
が雄ねじ体24のねじ山25を乗り越えて行き、雄ねじ
体24の押し込みが停止されたところで、図13のよう
に切り起こし片4,5の先端が雄ねじ体24のねじ溝2
6に係合する。なお、このように切り起こし片4,5は
弾性変形するため、切り起こし片4,5の先端における
内径d3は小さくされていても、抜け止めリング1に対
する雄ねじ体24(被抜け止め体)の挿通作業は容易で
ある。また、蓋体18があるため、抜け止めリング1が
斜面部14外に飛び出してしまうことはない。
【0040】次に、抜け止めリング1に対する雄ねじ体
24の挿通作業が完了した後、重力等により雄ねじ体2
4に下向きの力、すなわち抜け止めリング1およびリン
グ押圧体11から抜け出ようとする力が作用すると、図
14のように、リング押圧体11に対して抜け止めリン
グ1が若干下方に移動し、側面片突起部8が斜面部14
に強く押圧され、各側面片3が内方に変形されるので、
雄ねじ体24に抜け方向の力が強く作用する程、切り起
こし片4,5の先端が雄ねじ体24のねじ溝26に強く
食い込むことになるため、強力に雄ねじ体24の抜け止
めが図られる。特に、本実施例では、側面片3に切り起
こし片4,5が側面片3の長さ方向に並べて複数設けら
れているので、抜け止め抵抗力を一層大きくすることが
できる。
【0041】なお、この場合も、側面片突起部8は必ず
しも設けなくてもよいが、本実施例のように設けておく
と、斜面部14に側面片3が押圧されたとき、側面片3
を内方に変形させ易くすることができる。
【0042】このようにして天井23に取り付けられた
雄ねじ体24には、例えば、天井23から吊り下げるべ
き種々の物体(図示せず)を支持させることができる。
【0043】このようにこの雄ねじ体24接続構造にお
いては、雄ねじ体24を回転させることなく、抜け止め
リング1に挿通するだけで雄ねじ体24を接続できるの
で、雄ねじ体24の接続を極めて簡単迅速に行うことが
できる。
【0044】また、雄ねじ体24を天井23から取り外
したいときは、雄ねじ体24を緩み方向に回転させて行
くと、切り起こし片4,5の先端が雌ねじのねじ山の役
割を果たし、相対的に雄ねじ体24のねじ溝26に沿っ
て移動して行くので、雄ねじ体24を抜け止めリング1
から抜き出し、これにより雄ねじ体24を天井23から
取り外すことができる。なお、このとき、リング押圧体
11の回り止め突起20により抜け止めリング1がリン
グ押圧体11に対し回り止めされているので、雄ねじ体
24と一緒に抜け止めリング1が回ってしまうことはな
い。ただし、雄ねじ体24を抜け止めリング1から抜き
出す必要がないときは、リング収容体17に回り止め突
起20を設ける必要はない。
【0045】また、前記雄ねじ体接続構造の実施例は、
天井23に雄ねじ体24を接続する場合の例を示してい
るが、本発明における雄ねじ体接続構造は天井23以外
のものに雄ねじ体を接続する場合にも適用できるもので
ある図15および16は本発明による抜け止めリング1
の第二実施例を示す。本実施例においては、環状部2の
被抜け止め体挿通穴6の周囲の部分は外方に突出するよ
うにバーリング加工されて、先端側程径が小さくなる穴
フランジ27を形成している。他の構成は前記図1〜6
の第一実施例の抜け止めリング1と同様である。
【0046】本実施例においては、被抜け止め体挿通穴
6の周囲がバーリング加工されて穴フランジ27を形成
しているので、雄ねじ体24や管16等の被抜け止め体
を抜け止めリング1の被抜け止め体挿通穴6に挿通し易
くなる。また、その他、前記第一実施例の抜け止めリン
グ1と同様の作用効果を得ることができる。図17は、
前記図15および16の第二実施例の抜け止めリング1
を用いた雄ねじ体接続構造の一実施例を示している。な
お、勿論、本実施例の抜け止めリング1は、雄ねじ体以
外の管、棒状材等の他の種の被抜け止め体に対しても用
いることができる。
【0047】図18および19は、本発明による抜け止
めリング1の第三実施例を示す。本実施例においては、
環状部2の被抜け止め体挿通穴6の周囲の部分から大略
のところ内方かつ側面片3と反対側に斜め方向に延びる
複数の爪部28を一体的に設けられている。これらの爪
部28は外方に対して凸となるように若干湾曲されてい
る。また、抜け止めリング1に外力を作用されていない
状態(初期状態)では、〔抜け止めリング1の側面片3
の先端における内径d1>管16や雄ねじ体24等の被
抜け止め体の外径d2>抜け止めリング1の爪部28の
先端における径d4〕の大小関係とされている。他の構
成は前記図1〜6の第一実施例の抜け止めリング1と同
様である。図20および21は、前記図18および19
の第三実施例の抜け止めリング1を用いた雄ねじ体接続
構造の一実施例を示している。
【0048】前記第三実施例の抜け止めリング1におい
ては、爪部28が設けられているので、雄ねじ体24
(被抜け止め体)が被抜け止め体挿通穴6に挿通される
と、図21によく示されるように、爪部28の先端部が
雄ねじ体24のねじ溝26(被抜け止め体の外周)に係
合し、雄ねじ体24が抜け方向に移動しようとすると、
爪部28の先端部が雄ねじ体24のねじ溝26(被抜け
止め体の外周)に食い込もうとするので、抜け止め抵抗
力をさらに増大することができる。また、その他、前記
第一実施例の抜け止めリング1およびそれを用いた接続
構造と同様の作用効果を得ることができる。なお、この
第三実施例の抜け止めリング1も、雄ねじ体のみなら
ず、管、棒状材等の他の種の被抜け止め体に対しても用
いることができる。
【0049】
【発明の効果】以上のように本発明による抜け止めリン
グは、 (イ)プラスチックが侵食される環境でも使用できる、 (ロ)抜け止め抵抗力を大きくすることができる、 (ハ)製造コストを非常に安価にすることができる、 (ニ)抜け止めリングに対する被抜け止め体の挿通作業
を容易にすることができる、 等の優れた効果を得られるものである。
【0050】また、本発明による雄ねじ体接続構造は、 (ホ)雄ねじ体を簡単迅速に接続することができる、 (ヘ)一旦接続した雄ねじ体を取り外すことも可能であ
る、 等の優れた効果を得られるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による抜け止めリングの第一実施例を示
す正面図である。
【図2】前記第一実施例の抜け止めリングを示す平面図
である。
【図3】前記第一実施例の抜け止めリングを示す底面図
である。
【図4】前記第一実施例の抜け止めリングを示す側面図
である。
【図5】図1のV−V線における断面図である。
【図6】図4のVI−VI線における断面図である。
【図7】前記第一実施例の抜け止めリングを用いた管接
続構造の一実施例の、継手本体に対しリング押圧体を螺
合する前の状態を示す断面図である。
【図8】前記第一実施例の抜け止めリングを用いた管接
続構造の実施例の、組立完了後の状態を示す断面図であ
る。
【図9】前記第一実施例の抜け止めリングを用いた雄ね
じ体接続構造の一実施例におけるリング押圧体を示す平
面図である。
【図10】図9のX−X線における断面図である。
【図11】前記第一実施例の抜け止めリングを用いた雄
ねじ体接続構造の実施例の、雄ねじ体が挿入される前の
状態を示す断面図である。
【図12】前記第一実施例の抜け止めリングを用いた雄
ねじ体接続構造の実施例の、抜け止めリングに雄ねじ体
が挿入され始めた状態を示す断面図である。
【図13】前記第一実施例の抜け止めリングを用いた雄
ねじ体接続構造の実施例の、抜け止めリングに対する雄
ねじ体の挿通作業完了時の状態を示す断面図である。
【図14】前記第一実施例の抜け止めリングを用いた雄
ねじ体接続構造の実施例の、抜け止めリングに対する雄
ねじ体の挿通作業完了後に雄ねじ体に抜け方向の力が作
用した状態を示す断面図である。
【図15】本発明による抜け止めリングの第二実施例を
示す平面図である。
【図16】図15のXVI−XVI線における断面図で
ある。
【図17】前記第二実施例の抜け止めリングを用いた雄
ねじ体接続構造の一実施例の、抜け止めリングに対する
雄ねじ体の挿通作業完了後に雄ねじ体に抜け方向の力が
作用した状態を示す断面図である。
【図18】本発明による抜け止めリングの第三実施例を
示す平面図である。
【図19】前記第三実施例の抜け止めリングを示す正面
図である。
【図20】前記第三実施例の抜け止めリングを用いた雄
ねじ体接続構造の一実施例の、抜け止めリングに対する
雄ねじ体の挿通作業完了後に雄ねじ体に抜け方向の力が
作用した状態を示す断面図である。
【図21】前記第三実施例の抜け止めリングを用いた雄
ねじ体接続構造の実施例において、爪部が雄ねじ体のね
じ溝に食い込んだ状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 抜け止めリング 2 環状部 3 側面片 4,5 切り起こし片 6 被抜け止め体挿通穴 7 間隙 8 側面片突起部 11 リング押圧体 14 斜面部 16 管(被抜け止め体) 20 回り止め突起 24 雄ねじ体(被抜け止め体) 25 ねじ溝 27 穴フランジ(バーリング部) 28 爪部 d1 外力が作用していない状態の抜け止めリングの
側面片の先端における内径 d3 外力が作用していない状態の抜け止めリングの
切り起こし片における内径
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F16L 5/00 F16L 5/00 N Fターム(参考) 3H014 GA08 3J039 AA01 AB04 BB10 FA15 3J106 AB09 BB01 BD01 BE18 BE29 BE33 EA03 EB02 EC01 EC07 EE04 EF04 EF05

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リング押圧体とともに被抜け止め体に挿
    通され、前記リング押圧体に対し相対的に軸線方向の一
    方の向きに移動されることによって前記リング押圧体に
    設けられた斜面部に押圧されると、内方に変形して前記
    被抜け止め体の外周部に食い込むことにより、前記被抜
    け止め体が前記リング押圧体から抜け出るのを防止する
    抜け止めリングにおいて、 金属の板材を加工してなり、前記被抜け止め体を挿通さ
    れる被抜け止め体挿通穴を内周に形成された環状部と、
    この環状部から前記被抜け止め体の外周を囲むこととな
    る方向に延びる複数の側面片と、各前記側面片の一部領
    域を該領域のうちの前記環状部側の部分を切り残した状
    態で内方に切り起こすことにより形成された切り起こし
    片とを有し、前記リング押圧体に対し相対的に軸線方向
    の一方の向きに移動されると、各前記側面片が前記リン
    グ押圧体の前記斜面部に押圧されて内方に変形し、前記
    切り起こし片の先端が前記被抜け止め体の外周部に食い
    込むことにより、前記被抜け止め体が前記リング押圧体
    から抜け出るのを防止することを特徴とする抜け止めリ
    ング。
  2. 【請求項2】 各前記側面片が外方に対して凸となるよ
    うに湾曲されている請求項1記載の抜け止めリング。
  3. 【請求項3】 前記斜面部に押圧される側面片突起部が
    各前記側面片の先端付近に設けられている請求項1また
    は2記載の抜け止めリング。
  4. 【請求項4】 各前記側面片に前記切り起こし片が該側
    面片の長さ方向に並べて複数設けられている請求項1,
    2または3記載の抜け止めリング。
  5. 【請求項5】 外力が作用していない状態においては、
    前記側面片の先端における内径は前記切り起こし片の先
    端における内径より大きくされている請求項1,2,3
    または4記載の抜け止めリング。
  6. 【請求項6】 前記環状部のうちの前記被抜け止め体挿
    通穴の周囲の部分が外方に突出するようにバーリング加
    工されている請求項1,2,3,4または5記載の抜け
    止めリング。
  7. 【請求項7】 前記環状部の被抜け止め体挿通穴の周囲
    から内方に延び、前記被抜け止め体の外周に接触する複
    数の爪部を有する請求項1,2,3,4または5記載の
    抜け止めリング。
  8. 【請求項8】 リング押圧体と、このリング押圧体に設
    けられた斜面部と、抜け止めリングと、前記リング押圧
    体および前記抜け止めリングに挿通される雄ねじ体とを
    有してなり、 前記抜け止めリングは、金属の板材を加工してなり、前
    記雄ねじ体を挿通される被抜け止め体挿通穴を内周に形
    成された環状部と、この環状部から前記雄ねじ体の外周
    を囲むこととなる方向に延びる複数の側面片と、各前記
    側面片の一部領域を該領域のうちの前記環状部側の部分
    を切り残した状態で内方に切り起こすことにより形成さ
    れた切り起こし片とを有し、前記抜け止めリングが前記
    リング押圧体に対し相対的に軸線方向の一方の向きに移
    動されようとすると、各前記側面片が前記リング押圧体
    の前記斜面部に押圧されて内方に変形し、前記切り起こ
    し片の先端が前記雄ねじ体のねじ溝に食い込むことによ
    り、前記雄ねじ体が前記リング押圧体から抜け出るのを
    防止することを特徴とする雄ねじ体接続構造。
  9. 【請求項9】 各前記側面片間には間隙が形成されてお
    り、前記リング押圧体には前記間隙に嵌合されることに
    より前記リング押圧体に対し前記抜け止めリングを回り
    止めする回り止め突起が形成されている請求項8記載の
    雄ねじ体接続構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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