JP2002295297A - エンジン制御用大気圧検出装置 - Google Patents

エンジン制御用大気圧検出装置

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JP2002295297A
JP2002295297A JP2001101072A JP2001101072A JP2002295297A JP 2002295297 A JP2002295297 A JP 2002295297A JP 2001101072 A JP2001101072 A JP 2001101072A JP 2001101072 A JP2001101072 A JP 2001101072A JP 2002295297 A JP2002295297 A JP 2002295297A
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charging efficiency
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intake
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Naoyuki Kamiya
直行 神谷
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、大気圧の検出において、検出頻度
と検出精度を向上させることができるエンジン制御用大
気圧検出装置を提供することを目的とする。 【解決手段】 ステップS113では、エンジンの始動
後1分から5分において大気圧変化に対して充填効率の
変化量が大きな運転領域にて基準となる基準充填効率η
0nを算出する。そして、エンジン始動後5分が経過する
とステップS105にて、基準充填効率η0nと同一の運
転領域での充填効率ηnを算出し、ステップS105に
て、充填効率の変化量Δηnを算出する。ステップS1
07では、この充填効率の変化量Δηnに応じた大気圧
の変化量を算出する。このように大気圧の変化に対して
充填効率の変化量が大きな運転領域にて充填効率変化量
を算出するので、大気圧の検出において、検出頻度と検
出精度を向上させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、大気圧を精度良く
検出するエンジン制御用大気圧検出装置に関する。
【0002】
【従来技術】従来より、大気圧を検出する方法として、
特開昭58−133433号公報に開示されるように吸
気圧センサにより大気圧を検出する技術と、特公平05
−038894号に開示されるようにエアフロメータ
(以下、AFM)により大気圧を検出する技術とが知ら
れている。
【0003】特開昭58−133433号公報に開示さ
れる吸気圧センサにより大気圧を検出する技術では、内
燃機関の始動時に吸気圧センサの出力値を大気圧として
求める。そして、内燃機関の運転中では、スロットルバ
ルブの開度が全開時の吸気圧センサの出力を大気圧とし
て求める。
【0004】また、特公平05−038894号に開示
されるAFMにより大気圧を検出する技術では、スロッ
トルバルブの開度とエンジン回転速度Neとの値から、
マップ等により決定される基準となる吸入空気の質量流
量Gと、AFMにより検出される質量流量Gとに基づい
て大気圧を算出する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、特開昭58
−133433号公報に開示される吸気圧センサにより
大気圧を検出する技術では、大気圧を検出する頻度が低
くなる虞がある。すなわち、大気圧を検出する機会が、
内燃機関の始動時と、内燃機関の運転中においてはスロ
ットルバルブ開度の全開時とに限られてしまうためであ
る。
【0006】一方、特公平05−038894号に開示
されるAFMにより大気圧を検出する技術では、スロッ
トルバルブ開度の開度とエンジン回転速度Neとの値か
ら、マップ等により決定される質量流量Gを使用する
が、スロットルバルブの経時劣化や個体ばらつき等によ
り精度良い大気圧の検出を実施することが困難であっ
た。
【0007】一方、US特許第6016460号に開示
される技術では、吸気圧センサとAFMを備えて大気圧
を検出する。より具体的には、(1)式によって規定さ
れる物理モデルに基づいて大気圧を算出する。
【0008】(1)式において、Gは吸入空気の質量流
量、Aはスロットル開度に応じた吸気通路の有効断面
積、Rは気体定数、Tは吸入空気温度、MAPは吸気圧
センサにより検出される吸気通路内の吸気圧、Pamb
大気圧である。故に、質量流量G、吸気圧MAP、吸入
空気温度T、スロットル開度に応じた吸気通路の有効断
面積Aが定まれば、大気圧が決定されるというものであ
る。
【0009】しかし、US特許第6016460号に開
示される技術であっても、スロットル開度に応じた有効
断面積を適合等によって設定するため、スロットルバル
ブの経時劣化や個体差等の影響により精度良い大気圧検
出が困難である。
【0010】本発明は、上述の課題に鑑みてなされたも
のであり、大気圧を精度良く検出すると共に、大気圧の
検出頻度を向上できるエンジン制御用大気圧検出装置を
提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明によれ
ば、吸気圧センサの出力値と、エアフロメータの出力値
と、内燃機関の回転速度と、温度センサの出力値と、に
基づいて前記燃焼室内に供給される吸入空気の充填効率
を気体の状態方程式を用いて検出する充填効率を算出す
る。内燃機関始動後の所定期間内にこの充填効率算出手
段により算出される充填効率を基準充填効率として設定
し、所定期間以降に算出される充填効率と基準充填効率
とに基づいて充填効率の変化量を算出する。そして、こ
の充填効率の変化量に基づいて大気圧を推定する。
【0012】これにより、気体の状態方程式を利用し
て、温度,吸気圧,質量流量,回転速度との4つのパラ
メータにより燃焼室内に供給される吸入空気の充填効率
を推定するので、スロットルバルブの経時劣化や個体差
に影響されず精度良い吸入空気の充填効率を推定するこ
とができる。また、内燃機関始動後の所定期間内に推定
される充填効率を基準として、この基準充填効率と所定
期間経過後に推定される充填効率とから充填効率の変化
量を算出するので、大気圧の変化に応じた充填効率の変
化を精度良く検出することができ、精度良い大気圧の推
定が可能である。
【0013】なお、気体の状態方程式を利用して吸入空
気の充填効率を算出する場合には、請求項2の発明のよ
うに、吸気圧P、吸入空気の質量流量G、気体定数R、
燃焼室内のシリンダ容積Vc、吸気温度T、回転速度N
eをパラメータとする以下の式に示される物理モデルに
従って充填効率ηを算出すると良い。
【0014】上述のように充填効率の変化量から大気圧
を推定するために、請求項3の発明では、イグニッショ
ンスイッチがオンされた状態で、エンジンのクランキン
グが行われていないときの吸入空気の圧力を基準大気圧
として設定し、充填効率の変化量に基づいて大気圧の変
化量を推定する。そして、大気圧は、基準大気圧と、充
填効率の変化量に基づいて推定される大気圧の変化量と
から求められる。
【0015】これにより、精度良く大気圧を推定するこ
とができる。
【0016】また、請求項4の発明のように、大気圧推
定手段は、充填効率の変化量と、大気圧の変化量との関
係をマップにより予め記憶しておくと良い。大気圧が変
化すると、排気通路中の排気圧力Pbackが変化するた
め、燃焼室内に供給される吸入空気の充填効率ηが変化
する。すなわち、充填効率ηの変化は大気圧の変化に比
例する関係を有するので、この関係をマップとして予め
記憶することでコンピュータの演算負荷を軽減すること
ができる。
【0017】請求項5の発明によれば、内燃機関の始動
後所定期間内に算出される基準充填効率と、内燃機関の
始動後所定期間経過後に算出される充填効率とは、所定
の運転領域毎に算出される。
【0018】これにより、運転中であっても大気圧の検
出が可能となるために検出頻度を向上させることができ
る。
【0019】なお、充填効率の変化量は、請求項6の発
明のように基準充填効率と、内燃機関始動後の所定期間
経過後に算出される充填効率とが所定の運転領域のうち
同一の運転領域であると良い。
【0020】これにより、同一の運転領域での充填効率
の変化量を算出することができるため精度良い大気圧の
推定が可能となる。
【0021】また、燃焼室内に吸入される空気の質量流
量は、請求項7の発明のようにエアフロメータにより検
出される質量流量と、排出ガス還流手段により燃焼室内
に再還流する排出ガスの空気成分とパージ手段により供
給される蒸発燃料の空気成分との質量流量とに基づいて
算出されると良い。
【0022】これにより、パージによる影響や排出ガス
の再還流による影響を考慮して燃焼室内に供給される吸
入空気の質量流量を推定することができるので、パージ
や排出ガスの再還流の影響を受けずに精度良く大気圧を
検出することができる。
【0023】請求項8の発明によれば、所定の運転領域
は、大気圧の変化に対して前記充填効率変化量算出手段
により算出される充填効率の変化量が大きく変化する運
転領域である。
【0024】充填効率の変化は、大気圧と吸気通路中の
差圧が大きいほど大きく変化するので、請求項9のよう
に充填効率の変化量を算出する所定の運転領域を大気圧
の変化に対して充填効率の変化量が大きく変化する運転
領域を選択することで、より精度良い大気圧の検出が可
能となる。
【0025】
【実施の形態】以下、この発明を具体化した実施の形態
を図面にしたがって説明する。
【0026】図1は、本実施の形態における空燃比制御
システムの概略構成図である。図1に示されるように、
内燃機関は4気筒4サイクルの火花点火式エンジン(以
下、エンジン1という)として構成されている。その吸
入空気は上流よりエアクリーナ2、吸気管3、スロット
ル弁4、サージタンク5およびインテークマニホールド
6を通過して、インテークマニホールド6内で各気筒毎
の燃料噴射弁7から噴射された燃料と混合される。そし
て、所定空燃比の混合気として各気筒に供給される。
【0027】エンジン1の各気筒に設けられた点火プラ
グ8は点火コイル9にて発生された高電圧により前記各
気筒の混合気を所定タイミングで点火する。燃焼後に各
気筒から排出される排出ガスは、エキゾーストマニホー
ルド11および排気管12を経て、排出ガス中のHC、
CO、NOxの三成分を浄化するのための三元触媒13
を通過した後に大気に排出される。
【0028】吸気管3には吸入空気量を検出するエアフ
ロメータ21が設けられ、サージタンク5には、吸入空
気の圧力を検出する吸気圧センサ22が設けられてい
る。なお、エアフロメータ21には、図示しない吸気温
度を検出するための吸気温度センサを備えている。
【0029】また、スロットル弁4には同弁4の開度
(スロットル開度TH)を検出するためのスロットルセ
ンサ23が設けられ、このスロットルセンサ23はスロ
ットル開度THに応じたアナログ信号を出力する。スロ
ットルセンサ23はアイドルスイッチを内蔵しており、
スロットル弁4が略全閉である旨の検出信号を出力す
る。さらにスロットル弁4はスロットルアクチュエータ
15により駆動される。スロットルアクチュエータ15
としては周知のDCモータ、トルクモータ等が用いられ
る。
【0030】一方、エンジン1のシリンダブロックには
水温センサ24が設けられ、この水温センサ24はエン
ジン1内を循環する冷却水の温度(冷却水温Thw)を
検出する。エンジン1のクランクケースにはエンジン1
の回転速度(エンジン回転速度Ne)を検出するための
回転速度センサ25が設けられている。
【0031】さらに、前記排気管12において三元触媒
13の上流には、限界電流式のA/Fセンサ27が配設
されており、同センサ27はエンジン1から排出される
排ガスの酸素濃度(或いは、未燃ガス中のCO濃度)に
比例して広域で且つリニアな空燃比信号を出力する。な
お、A/Fセンサ27は、素子部(固体電解質および拡
散抵抗層)の活性化を図るためのヒータ47を備える。
A/Fセンサ27としては、断面コップ形状に形成され
た素子部を有するコップ型センサや、あるいは板状の素
子部とヒータ47とが積層されて成る積層型センサが適
用できる。
【0032】ECU30は、周知のCPU、ROM、R
AM、バックアップRAM(いずれも図示しない)など
を中心に論理演算回路として構成され、前記各センサの
検出信号に基づいて燃料噴射量、点火時期Igなどの制
御信号を算出し、さらにそれらの制御信号を燃料噴射弁
7、点火コイル9にそれぞれ出力する。
【0033】また、ECU30内のCPUは、A/Fセ
ンサ27のヒータ通電量をデューティ制御して同センサ
27を活性状態で維持する。本実施形態では、A/Fセ
ンサ27のヒータ47に対して必要な電力量を供給し、
当該センサ27の素子温を活性温度域で保持するように
している。
【0034】このように構成される内燃機関において、
本実施の形態では、吸気圧センサにより検出される吸気
圧Pmとエアフロメータ21により検出される吸入空気
の質量流量Gとに基づいて大気圧を検出する。
【0035】一般的に、大気圧が変化すると、排気通路
中の排気圧力Pbackが変化するため、燃焼室内に供給さ
れる吸入空気の充填効率ηが変化する。すなわち、充填
効率ηの変化は大気圧の変化に比例する関係を有するの
で、この関係を利用することにより充填効率ηの変化量
(%)に基づいて大気圧の変化量を推定することができ
る。
【0036】まず、本実施の形態では、充填効率ηを算
出するために、燃焼室内の吸入空気の状態を規定する基
本法則として気体の状態方程式によって規定される
(2)式を変形する。そして、(2)式を変形した式を
(3)式とし、(3)式に示される燃焼室内の充填効率
ηを規定するための物理モデルに基づいて充填効率ηを
算出する。
【0037】
【0038】(2)式、(3)式において、Pは吸気圧
センサ22により検出される吸気圧、Rは気体定数、η
は燃焼室内における吸入空気の充填効率、Vcは燃焼室
内のシリンダ容積である。Tは燃焼室内の吸気温度であ
り、実際にはエアフロメータ21に備えられる吸気温セ
ンサにより検出される吸気温度を代用している。Gは燃
焼室内における吸入空気の質量流量であり、実際にはエ
アフロメータ21により検出される質量流量にて代用し
ている。
【0039】なお、この燃焼室内での充填効率ηを規定
するために用いられる物理モデルにおいて、燃焼室内の
吸気温度Tと質量流量Gとは、吸気温センサとエアフロ
メータ21とにより検出される検出値により代用されて
いるが、燃焼室内の温度Tと質量流量Gとそれぞれのセ
ンサの検出値とに相関関係があるために代用が可能であ
る。また、仮に燃焼室内の実際の温度Tと実際の質量流
量Gに対するそれぞれのセンサ出力値との関係に誤差が
あるとしても、充填効率ηの変化量を算出する際にこの
誤差の影響を相殺することができるので、充填効率ηの
変化量(%)は、この誤差を吸収して精度良く算出され
る。
【0040】次に、上述のような物理モデルに基づいて
得られる充填効率ηの変化量(%)を算出する際に、運
転状態によって充填効率ηにどのような影響が現れるの
かについて図2、図3を用いて説明する。
【0041】図2は、吸気圧センサ22により検出され
る吸気圧Pmが28kPaのときの大気圧変化に対する
充填効率ηの変化量(%)をエンジン回転速度Ne毎に
示した図である。図中では、海抜高度0の大気を100
kPaとして高度が上がると大気圧は減少する。また、
充填効率ηの変化量(%)は、高度0での充填効率ηに
対する変化量(%)を示している。一方、図3は、図2
の吸気圧Pmが49kPaのときの充填効率ηの変化量
(%)をエンジン回転速度Ne毎に示した図である。
【0042】図2,3によれば、充填効率ηの変化量
(%)は、エンジン回転速度Neと吸気通路中の吸気圧
Pmに依存し、運転状態としては吸気圧Pmが低域であ
るほど充填効率ηの変化量(%)が大きくなる。
【0043】本実施の形態では、充填効率ηの変化量に
基づいて大気圧を推定するため、充填効率ηの変化量
(%)が大きい運転状態にて、充填効率ηの変化量
(%)を算出するようにした。
【0044】ステップS103では、エンジン始動後の
経過時間が5分以上であるか否かが判定される。ここ
で、5分以下である場合には、ステップS111に進
む。(ステップS104乃至ステップ110の処理につ
いては、後述する。)ステップS111では、エンジン
始動後の経過時間が1分以上5分以下であるかが判定さ
れる。始動後の経過時間が1分以下であると判定される
と、ステップS115に進み、イグニッションスイッチ
がオン、かつエンジンのクランク軸が回転していないと
いう2つの条件を満たすか否かが判定される。
【0045】ステップS115にて、2つの条件を満た
す場合には、ステップS116に進み、吸気圧センサ2
2により検出される吸気圧Pmを基準大気圧Pambに
入力する。このときの吸気圧Pmは、内燃機関が運転し
ていない状態、すなわち、吸気通路中の圧力が大気に維
持されている状態なので、大気圧の基準値としている。
そして、ステップS114に進み、大気圧の推定値Es
tPambに基準大気圧Pambを入力して、本ルーチ
ンを終了する。
【0046】一方、ステップS111にて、内燃機関の
始動後1分から5分であると判定されると、ステップS
112へ進む。ステップS112では、エンジンの運転
状態が定常運転状態であり、エンジン回転速度Neが1
000rpmから2400rpm、吸気圧Pmが28k
Paから52kPaの3つの条件を満たすか否かが判定
される。ステップS112の3つの条件は、大気圧Pa
mbの変化に対して燃焼室内の充填効率ηの変化量
(%)が大きく変化する運転領域を規定するものであ
り、図2,3等の実験データに基づいて決定されれば良
い。なお、この条件は、充填効率ηの変化量(%)が大
きく変化する運転領域を規定するものであり、数値は上
述の条件に限定されるものではない。
【0047】ステップS112の3つの条件を満たさな
い場合には、ステップS113をバイパスしてステップ
S114の処理を行なって、本ルーチンを終了する。こ
れに対してステップS112の3つの条件が成立する場
合には、ステップS113の処理を行なう。ステップS
113では、大気圧が変化した後の充填効率ηと比較す
るために基準となる充填効率η0nを算出し、ステップS
114を通過して本ルーチンを終了する。
【0048】ここまでの処理について説明すると、「イ
グニッションオンでエンジン運転前の状態」において、
吸気圧センサ22により検出される「吸気圧Pmを基準
大気圧Pambとして設定」する。そして、「エンジン
始動後1分から5分」では、大気圧の変化に対して充填
効率の変化量(%)が大きく変化する運転領域にて、
「基準充填効率η0nを算出」する。
【0049】ここで、基準充填効率η0nの添え字nは、
上述の3つの条件を満たす運転領域において、図5のマ
ップに示すようにエンジン回転速度Neとエンジン負荷
(吸気圧Pm)とによってn分割された運転領域のうち
の1つの運転領域に対応した充填効率であることを示
す。すなわち、ステップS111乃至ステップS113
の処理は、エンジン始動後1分から5分にて繰り返し行
われる処理であり、基準大気圧Pambに対して大気圧
が変化していないことを前提として、n分割された運転
領域に対応した複数の基準充填効率η0nの算出を繰り返
し行なう。これにより、n分割された運転領域のうち複
数の運転領域に対応した基準充填効率η0nを算出するこ
とができ、後述する充填効率ηを算出したときに比較す
るための比較対象を複数設定することができる。
【0050】次に、ステップS103にてエンジン始動
後5分以上経過したと判定された場合の処理について説
明する。まずステップS104では、前述したステップ
S112と同様に、3つの条件を満たす運転領域である
か否かを判定する。ここで、3つの条件を満たすと判定
されると、ステップS105へ進み、(3)式の物理モ
デルを用いて燃焼室内の充填効率ηを算出し、ステップ
S106へ進む。
【0051】ステップS106では、基準大気圧Pam
bに対して大気圧が変化していないとして算出された基
準充填効率η0nとステップS105にて算出された充填
効率ηの偏差を充填効率の変化量Δηn(%)として算
出する。ここで、基準充填効率η0nと充填効率ηn
は、n分割された運転領域のうち同一の運転領域での充
填効率である。
【0052】η0nがS113で算出されなかった領域で
は、処理しない。
【0053】そして、ステップS107にて図6に示す
充填効率の変化量Δηn(%)から基準大気圧Pamb
からの大気圧変化量ΔPambを算出するマップを用い
て、大気圧変化量ΔPambを算出し、ステップS10
8へ進む。ステップS108では、このようにして算出
された大気圧変化量ΔPambを平滑化する処理を実施
する。大気圧変化量ΔPambの平滑化処理では、過去
n回の平均値を用いても良いし、1/nなまし処理でも
良い。また、重み付け処理によって行なっても良い。
【0054】一方、ステップS104にて3つの条件を
満たす運転領域外であると判定されると、ステップS1
10へ進み、前回の大気圧変化量ΔPamb(i−1)
を今回の大気圧変化量ΔPamb(i)として、ステッ
プS109へ進む。
【0055】ステップS109は、ステップS108、
若しくはステップS110の処理を経て行われる処理で
ある。ここでは、ステップS114にて算出された基準
大気圧PambとステップS108とステップS110
にて算出される大気圧変化量ΔPambとを用いて、基
準値からの変化量を算出することにより現在の大気圧値
EstPambを算出する。
【0056】このように、本実施の形態では充填効率の
変化量Δηn(%)が大きく変化する運転領域にて、基
準充填効率η0nと同一運転領域での充填効率ηnとの偏
差に基づいて基準大気圧Pambに対する大気圧の変化
量ΔPambを算出する。これにより、検出頻度を向上
することができ、かつ精度良く大気圧を推定することが
できる。
【0057】このように、精度良い大気圧を高い頻度に
て推定することができるので、大気圧を基準とする制御
を精度良く行なうことができる。例えば、大気圧を基準
とする従来より知られる制御技術として、燃料ポンプか
らの燃料を噴射する際に大気圧+所定圧(例えば350
kpa)と吸気通路内の圧力との差圧に基づいて燃料噴
射量を制御するものが知られている。この技術におい
て、燃料タンクからの配管がレギュレータを介して燃焼
タンクへのリターン配管を廃した、所謂リターンレスと
呼ばれる技術がある。インジェクタの前後圧力に応じて
高精度に噴射量を制御する為、大気圧と吸気通路内の差
圧を精度良く知ることが必要である。しかし、大気圧が
変化してしまうと精度良い燃料噴射量の制御を実施する
ことが困難になる。そこで、本実施の形態のように大気
圧の検出精度を向上させた上で、精度良い大気圧推定を
実施することができるので、上述の不具合を防止するこ
とができる。
【0058】なお、本実施の形態では、充填効率の変化
量Δηn(%)を充填効率ηnと基準充填効率η0nとの偏
差によって求めたが、これに限られるものではなく、例
えば充填効率ηnと基準充填効率η0nとの比によって求
めても良い。さらに、大気圧と高度とは相関関係がある
ことを利用して、車両の現在の高度を充填効率の変化量
Δηn(%)に基づいて算出しても良い。
【0059】本実施の形態において、充填効率算出手段
は図4のフローチャートのステップS105とS113
とに、基準充填効率設定手段は図4のフローチャートの
ステップS113に、所定期間後に充填効率を算出する
充填効率算出手段は図4のフローチャートのステップS
105に、充填効率変化量算出手段は図4のフローチャ
ートのステップS106に、大気圧推定手段は図4のフ
ローチャートのステップS109に、基準大気圧設定手
段は図4のフローチャートのステップS116に、それ
ぞれ相当し、機能する。
【0060】(その他の実施例)本実施例では、前述の
実施の形態の概略構成図に、パージ供給手段(図示しな
い)として、燃料タンク内の蒸発燃料をインテークマニ
ホールド6に供給する構成と、排出ガス再還流手段(図
示しない)として、排出ガスをインテークマニホールド
6に供給する構成とを備える。
【0061】このようにパージ供給手段と排出ガス再還
流手段とを備える場合、燃料蒸発ガスと排出ガスとの空
気成分が燃焼室内に供給される吸入空気の質量流量に影
響を及ぼす。すなわち、パージや排出ガスの影響によ
り、精度良い燃焼室内の充填効率ηを算出することがで
きなくなる虞がある。そこで、本実施例では、燃焼室内
に供給される吸入空気の質量流量を、エアフロメータ2
1の出力値と、パージと排出ガスの再還流の影響を考慮
して推定することで、パージや排出ガスの影響があって
も、精度良く大気圧を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態の概略構成図
【図2】第1の実施の形態の大気圧に対する吸気圧28
kPaでの充填効率ηの変化量(%)を示す図
【図3】第1の実施の形態の大気圧に対する吸気圧48
kPaでの充填効率ηの変化量(%)を示す図
【図4】第1の実施の形態の大気圧推定を示すフローチ
ャート
【図5】第1の実施の形態の充填効率ηの変化量(%)
が大きく変化する運転領域において、エンジン回転速度
Neと吸気圧Pmとによりn分割されたマップ
【図6】第1の実施の形態において、充填効率ηの変化
量(%)に対する大気圧の変化量を算出するための図
【符号の説明】
1…エンジン、 4…スロットルバルブ、 6…インテークマニホールド、 7…燃料噴射弁、 13…三元触媒、 21…エアフロメータ、 22…吸気圧センサ、 27…酸素濃度センサとしてのA/Fセンサ、 30…ECU。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02D 41/02 301 F02D 41/02 301E 301J 41/18 41/18 F F02M 25/07 550 F02M 25/07 550R 550N Fターム(参考) 3G062 BA04 BA06 BA08 CA02 GA01 GA02 GA04 GA06 GA08 GA09 GA12 GA13 GA17 3G084 BA20 BA27 CA01 CA09 DA04 EA05 EB09 EC04 FA00 FA01 FA02 FA07 FA11 FA29 FA33 FA36 3G301 JA20 KA01 NA09 NB03 NC04 PA01Z PA07Z PA09Z PA10Z PD02Z PE01Z PF16Z

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃焼室内に供給される吸入空気量を検出
    するためのエアフロメータと、 前記吸入空気の圧力を検出するための吸気圧センサと、 前記吸入空気の温度を検出する温度センサと、 内燃機関の回転速度を検出する回転速度検出手段と、 前記吸気圧センサの出力値と、前記エアフロメータの出
    力値と、前記回転速度検出手段により検出される内燃機
    関の回転速度と、前記温度センサの出力値と、に基づい
    て前記燃焼室内に供給される吸入空気の充填効率を気体
    の状態方程式を利用して検出する充填効率算出手段と、 内燃機関始動後の所定期間内に前記充填効率算出手段に
    より算出される充填効率を基準充填効率として設定する
    基準充填効率設定手段と、 前記基準充填効率設定手段により設定される基準充填効
    率と、前記所定期間以降に前記充填効率算出手段により
    算出される充填効率とに基づいて充填効率の変化量を算
    出する充填効率変化量算出手段と、 前記充填効率変化量算出手段により算出される充填効率
    の変化量に基づいて大気圧を推定する大気圧推定手段を
    備えることを特徴とするエンジン制御用大気圧検出装
    置。
  2. 【請求項2】 前記充填効率算出手段は、前記吸気圧セ
    ンサにより検出される前記吸入空気の吸気圧P、前記エ
    アフロメータにより検出される吸入空気の質量流量G、
    気体定数R、燃焼室内のシリンダ容積Vc、前記温度セ
    ンサにより検出される吸気温度T、前記回転速度検出手
    段により検出される回転速度Neをパラメータとする以
    下の式に示される前記気体の状態方程式に基づく物理モ
    デルに従って充填効率ηを算出することを特徴とする請
    求項1に記載のエンジン制御用大気圧検出装置。
  3. 【請求項3】 イグニッションスイッチがオンされた状
    態で、エンジンのクランキングが行われていないとき
    に、前記吸気圧センサにより検出される前記吸入空気の
    圧力を基準大気圧に設定する基準大気圧設定手段と、 前記充填効率変化量算出手段により算出される充填効率
    の変化量に基づいて大気圧の変化量を算出する大気圧変
    化量算出手段を備え、 前記大気圧推定手段は、前記基準大気圧設定手段により
    検出される基準大気圧と、前記大気圧変化量算出手段に
    より算出される大気圧の変化量とに基づいて大気圧を推
    定することを特徴とする請求項1または請求項2のいず
    れか一方に記載のエンジン制御用大気圧検出装置。
  4. 【請求項4】 前記大気圧推定手段は、前記充填効率変
    化量算出手段により算出される充填効率の変化量と、前
    記大気圧変化量算出手段により算出される大気圧の変化
    量との関係をマップにより予め記憶しておくことを特徴
    とする請求項3に記載のエンジン制御用大気圧検出装
    置。
  5. 【請求項5】 前記基準充填効率設定手段により設定さ
    れる基準充填効率と、内燃機関の始動後所定期間経過後
    に前記充填効率算出手段により算出される充填効率と
    は、所定の運転領域毎に算出されることを特徴とする請
    求項1乃至請求項4に記載のエンジン制御用大気圧検出
    装置。
  6. 【請求項6】 前記充填効率変化量算出手段により算出
    される充填効率の変化量は、前記基準充填効率設定手段
    により設定される基準充填効率と、内燃機関始動後の所
    定期間経過後に前記充填効率算出手段により算出される
    充填効率とが、前記所定の運転領域のうち同一の運転領
    域であることを特徴とする請求項5に記載のエンジン制
    御用大気圧検出装置。
  7. 【請求項7】 内燃機関の排出ガスを燃焼室内に再還流
    させる排出ガス還流手段と、 燃料タンクから蒸発する蒸発燃料を内燃機関の吸気通路
    中に供給するパージ手段とを備え、 前記吸入空気の質量流量Gは、前記エアフロメータによ
    り検出される質量流量と、前記排出ガス還流手段により
    燃焼室内に再還流する排出ガスの空気成分と前記パージ
    手段により供給される蒸発燃料の空気成分との質量流量
    とに基づいて算出されることを特徴とする請求項2に記
    載のエンジン制御用大気圧検出装置。
  8. 【請求項8】 前記所定の運転領域は、大気圧の変化に
    対して前記充填効率変化量算出手段により算出される充
    填効率の変化量が大きく変化する運転領域であることを
    特徴とする請求項5に記載のエンジン制御用大気圧検出
    装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008144641A (ja) * 2006-12-08 2008-06-26 Toyota Motor Corp 大気圧推定装置
JP2008525696A (ja) * 2004-12-23 2008-07-17 ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング 内燃機関を運転するための方法

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